JP2018104800A - ワイヤの供給方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶鉄浴に、合金元素や副原料をワイヤの形態で供給する際に、ワイヤ供給の開始時のトラブルを解消し、歩留まりを高位に維持しつつ、生産性の向上を達成する。
【解決手段】溶鉄に、合金元素もしくは副原料をワイヤの形態で供給する方法において、少なくとも該ワイヤを供給する範囲を含む領域に、該ワイヤの供給を開始するより前に、該溶鉄表面上のスラグ上層の液相率を少なくとも80%以上に高めた後に、該ワイヤを供給し始めるワイヤの供給方法。
【選択図】図4
【解決手段】溶鉄に、合金元素もしくは副原料をワイヤの形態で供給する方法において、少なくとも該ワイヤを供給する範囲を含む領域に、該ワイヤの供給を開始するより前に、該溶鉄表面上のスラグ上層の液相率を少なくとも80%以上に高めた後に、該ワイヤを供給し始めるワイヤの供給方法。
【選択図】図4
Description
本発明は、溶鉄に効率的に、合金元素もしくは副原料をワイヤの形態で供給する方法に関するものである。
介在物の組成を制御したり、所望の組成とするため、製銑、製鋼段階で、溶銑や溶鋼に合金元素もしくは副原料を添加することが行われている。Mg等は、例えば、鉄シース内にMg等の合金を充填したワイヤ(以下「ワイヤ」ということがある。)の形態で、ガイドパイプを通して、取鍋内の溶鋼浴中に上方から供給する。
Mg等が溶鋼と反応するためには、まず、鉄シースが溶解し、内部のMg等が溶鋼内に溶けださなければならないが、Mg等のように気化し易い性質を持つ合金元素の場合、溶鋼の表面近傍で鉄シースが溶解すると、Mg等と溶鋼の接触時間が短くなり、Mgの歩留りは低下してしまう。このため、鉄シースが溶鋼浴中の深部で溶解するように、ワイヤの供給の条件を設定する必要がある。
ワイヤ供給方法に関しては、例えば、特許文献1に、ワイヤの供給と同時におよび/または供給のあと、窒素ガスまたはArガスを溶鋼中にバブリングさせる方法、特許文献2に、生産性を高めるため、ワイヤの供給本数を複数とする方法が提案されている。
しかし、溶鋼浴の表面には、ほぼ不可避的にスラグ層があり、そのスラグ層は厚み方向に温度勾配を持つ。溶鋼と接しているスラグ下層部は液相となっているが、大気と接しているスラグ上層部は低温で固相になることが多い。スラグ上層部の液相率が高い場合(つまり固相が少ない場合)は、特許文献1に記載されるように、上方向からのワイヤの供給速度を制御することができる。しかし、スラグ上層部の液相率が低い場合(つまり固相が多い場合)は、特許文献1の実施例に記載されるように、脱酸処理初期にワイヤを1本供給(公報の段落[0030]参照)しただけでは、ワイヤ供給の開始時に、溶鋼浴へのワイヤ供給を円滑にすることができず、鉄シースが溶鋼の表面近傍で溶解してしまい、ワイヤ内部のMg等と溶鋼の接触時間が短くなり、Mgの歩留りが著しく低下してしまう課題がある。
また、特許文献2には、「容器内の溶銑に脱硫剤充填ワイヤを供給して溶銑を脱硫する際、溶銑中の硫黄推定濃度が50ppm以下に到達した時点でワイヤ本数の供給本数を1本以上増加する極低硫黄銑の製造方法」(特許請求の範囲の請求項1参照)が記載されているが、ワイヤの供給本数を複数としても、スラグ上層部の液相率が低い場合(つまり固相が多い場合)には、やはり、ワイヤ供給の開始時に、溶鋼浴へのワイヤ供給を円滑にすることができず、鉄シースが溶鋼の表面近傍で溶解してしまうため、複数本のワイヤ内部のMg等と溶鋼の接触時間が短くなり、Mgの歩留りが著しく低下してしまう課題がある。また、ワイヤの供給本数を複数本としても、ワイヤ供給の開始時に、溶鋼浴へのワイヤ供給が円滑に実施できないため、処理を中断することとなり、生産性を向上させることができない課題がある。
本発明は、溶鉄浴に、合金元素や副原料をワイヤの形態で供給する際に、溶鉄浴の表面上にあるスラグ層の上層部の液相率を、あらかじめ十分に高くしておくことにより、ワイヤ供給の開始時のトラブルを解消し、歩留まりを高位に維持しつつ、生産性の向上を達成することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する手法について鋭意検討した。その結果、本発明者らは、溶鉄に対し、少なくともワイヤを供給する範囲を含む領域に、ワイヤの供給を開始するより前に、比較的低温のスラグ上層と、高温の溶鋼を撹拌混合し、スラグ上層の液相率を80%以上に高めた後に、ワイヤを供給し始め、必要に応じて、複数本のワイヤを供給することで、溶鉄中に効果的に、合金元素もしくは副原料を安定的に供給することを可能としたものである。
本発明の要旨は、以下の通りである。
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)溶鉄に、合金元素もしくは副原料をワイヤの形態で供給する方法において、少なくとも該ワイヤを供給する範囲を含む領域に、該ワイヤの供給を開始するより前に、該溶鉄表面上のスラグ上層の液相率を少なくとも80%以上に高めた後に、該ワイヤを供給し始めることを特徴とするワイヤの供給方法。
(2)前記溶鉄が溶鋼であり、かつ、該溶鋼表面上のスラグの表層温度を1500℃以上に高めることによりスラグ上層の液相率を80%以上に高めることを特徴とする上記(1)に記載のワイヤの供給方法。
(3)供給する該ワイヤは複数本とし、スラグ層と溶鉄の撹拌混合にはCaO系のフラックスの吹き込みおよび/または、ガスの吹き込みとすることを特徴とする、上記(1)又は(2)の何れかに記載のワイヤの供給方法。
(2)前記溶鉄が溶鋼であり、かつ、該溶鋼表面上のスラグの表層温度を1500℃以上に高めることによりスラグ上層の液相率を80%以上に高めることを特徴とする上記(1)に記載のワイヤの供給方法。
(3)供給する該ワイヤは複数本とし、スラグ層と溶鉄の撹拌混合にはCaO系のフラックスの吹き込みおよび/または、ガスの吹き込みとすることを特徴とする、上記(1)又は(2)の何れかに記載のワイヤの供給方法。
本発明によれば、合金元素もしくは副原料を充填したワイヤによる成分添加の歩留りを高位に維持しつつ、生産性を高めることができる。
図1はスラグ層の温度分布を示す図である。
スラグ層の温度分布は、図1に示す通りである。1650℃の溶鋼浴に接するスラグ層下層、即ち、溶鋼との接触部近傍では、溶鋼浴の熱により温められ、1600℃程度の高温となっている。一方、25℃の大気に接するスラグ層表層では、大気により冷却され、1300℃程度まで温度が低下しているため、固相になりやすくなっている。このため、スラグ層へワイヤを円滑に供給するためには、スラグ層上層の強度を制御することが必要となる。
スラグ層の温度分布は、図1に示す通りである。1650℃の溶鋼浴に接するスラグ層下層、即ち、溶鋼との接触部近傍では、溶鋼浴の熱により温められ、1600℃程度の高温となっている。一方、25℃の大気に接するスラグ層表層では、大気により冷却され、1300℃程度まで温度が低下しているため、固相になりやすくなっている。このため、スラグ層へワイヤを円滑に供給するためには、スラグ層上層の強度を制御することが必要となる。
図2はスラグ層の温度と化合物相の比率の関係を示す図である。図2のスラグ層中の化合物相の比率は、溶鋼表面に浮遊する典型的なスラグ組成の一例として、表1のスラグ組成を前提とし、熱力学平衡計算ソフトを用いて算出した。
図2のスラグ層の温度と化合物相の比率の関係から、1350〜1600℃の範囲では、スラグ層中には液相、3CaO・SiO2、2CaO・SiO2が平衡して存在し、温度の低下と共に、液相が減少し、固相である3CaO・SiO2、2CaO・SiO2が増加していくことがわかる。そして、1200〜1300℃の範囲では、スラグ層中に液相は存在せず、固相である3CaO・SiO2、2CaO・SiO2、MgAlが平衡して存在することがわかる。ここで、スラグ層中の固相は、高融点の化合物層であるため、固相の強度は温度による影響が少ないと仮定すると、スラグ層の強度はスラグ層中の液相の比率が大きく影響していると考えられる。そこで、スラグ層の液相率をスラグ層の強度を表わす指標として活用することとした。
前述の通り、スラグ層へワイヤを円滑に供給するためには、スラグ層上層の強度を制御することが必要となる。しかし、多元系スラグ層の強度と温度の関係についてのデータは少なく、スラグ組成が変わるとデータが使用できない課題がある。一方、多元系スラグ層の液相率については、熱力学平衡計算ソフトを使用することで、さまざまな多元系組成の液相率を容易に算出することができる。以上より、スラグ層へワイヤを円滑に供給するため、簡易で汎用的な方法として、スラグ層の液相率を制御することとした。
スラグ層の温度と液相率の関係は図3に示す通りである。スラグ層の液相率は、表1のスラグ組成を前提とし、熱力学平衡計算ソフトを用いて算出している。図3に示される通り、スラグ層の温度が低下するに従い、スラグ層の液相率は低下していく傾向があることがわかる。また、1350℃を境に、それ以下の温度で急激に液相率が低下しているが、これは図2にスラグ層中の化合物相の成分を示したように、固相であるMgAl相の析出が始まったためである。よって、スラグ層の温度が低下すると共に、スラグ層の強度は増加し、1350℃を境に、急激に強度が増加すると考えられる。
図4は、本発明によるワイヤ供給装置とCaO系のフラックスおよび/または、ガスの吹き込みによる撹拌混合を示す断面図であり、これにより実施形態のひとつを説明する。
取鍋1には、溶鋼2が収容されている。ワイヤ3は、ワイヤ3がコイル状に収容されたワイヤコイル4の状態で設置されている。ワイヤ3はワイヤフィーダー5のピンチロールにより直線状に矯正されると同時に、ワイヤコイル4から連続的に引き抜かれていく。ワイヤフィーダー5から供給されたワイヤ3は、スカート6上部に設置されているガイドパイプ7を通り、溶鋼2の表面にあるスラグ層8を上方から貫通するようにして、溶鋼2へ供給される。図4では、ワイヤ3は2本、溶鋼2へ供給されており、ワイヤコイル4、ワイヤフィーダー5、ガイドパイプ7も二機ずつ配置されている。ワイヤ3の本数は3本以上でも良い。
ここで用いるワイヤとは、鉄シース内に合金および副原料を充填したものである。合金および副原料には、金属Mgを含有した粉体を充填したワイヤを用いている。鉄シースとは、合金および副原料を充填するための被覆材であり、例えば、厚さ0.4mm、幅43mmの薄い鉄板を筒状に加工したものを用いた。鉄シースの形状については、筒状の他に、パイプを流用したものなど、これに限定するものではない。
溶鋼2の中心部分には、ワイヤとは別に浸漬ランス9を挿入しており、浸漬ランス9の先端よりCaO系のフラックスおよび/または、ガス10の吹き込みを行う。
浸漬ランスとは、フラックスおよびガスを搬送する心金の外表面を、耐火物で被覆した円筒状のもので、溶鋼2中に浸漬させ、先端からフラックスおよび/または、ガスの吹き込みを行い、溶鋼2およびスラグ層8を撹拌混合する設備である。CaO系のフラックスおよび/または、ガス10は、溶鋼浴2とスラグ層8を撹拌混合することを目的として、溶鋼2中に吹き込む。撹拌混合とは、化学反応的な混合を意図せず、熱の授受を主に意図し、高温の溶鋼浴の熱をスラグ層の上層とを接触させ、特にスラグ層の上層の液相率を向上させるものである。
本発明の撹拌混合として、浸漬ランスを使用したCaO系のフラックスおよび/または、ガスの吹き込みを例示したが、RH真空脱ガス装置を使用した方法や、取鍋の底からのガス吹き込み等もあり、本発明の実施形態は浸漬ランスを使用したCaO系のフラックスおよび/または、ガスの吹き込みに限定するものではない。
浸漬ランスとは、フラックスおよびガスを搬送する心金の外表面を、耐火物で被覆した円筒状のもので、溶鋼2中に浸漬させ、先端からフラックスおよび/または、ガスの吹き込みを行い、溶鋼2およびスラグ層8を撹拌混合する設備である。CaO系のフラックスおよび/または、ガス10は、溶鋼浴2とスラグ層8を撹拌混合することを目的として、溶鋼2中に吹き込む。撹拌混合とは、化学反応的な混合を意図せず、熱の授受を主に意図し、高温の溶鋼浴の熱をスラグ層の上層とを接触させ、特にスラグ層の上層の液相率を向上させるものである。
本発明の撹拌混合として、浸漬ランスを使用したCaO系のフラックスおよび/または、ガスの吹き込みを例示したが、RH真空脱ガス装置を使用した方法や、取鍋の底からのガス吹き込み等もあり、本発明の実施形態は浸漬ランスを使用したCaO系のフラックスおよび/または、ガスの吹き込みに限定するものではない。
図5は本発明によるワイヤ供給とCaO系のフラックスおよび/または、ガス10の吹き込みによる撹拌混合の開始タイミングを示す図である。これにより実施形態のひとつを説明する。
溶鋼は、RH真空脱ガス装置等で成分調整を施した後、ワイヤ供給装置へ搬送され、ワイヤ供給が開始される。RH真空脱ガス装置で成分調整を施した後の溶鋼浴表面のスラグ表層は、1600℃以上となっており、図3を参照すると、液相率は90%となっている。しかし、ワイヤ供給装置へ搬送される間、溶鋼浴表面のスラグ表層は大気中に接するため、約1300℃まで急激に温度が低下する。このため、スラグ組成、溶鋼浴温度、スラグ層温度、搬送時間によるが、スラグ上層の液相率は図3を参照すると、0%まで低下していると考えられる。
そこで、図5に示す通り、ワイヤ供給装置へ搬送後、ワイヤの供給を開始するより前に、浸漬ランスよりCaO系のフラックスおよび/または、ガスの吹き込みを30秒程度行い、1650℃以上の溶鋼浴をスラグ上層と接触させることで、1300℃まで冷却されたスラグ表層の温度を、1500℃以上まで上げることができる。その結果、スラグ上層の液相率は、図2を参照すると80%以上まで高めることが可能となる。この状態で、ワイヤの供給を開始することで、スラグ上層の液相率が高い状態で、ワイヤを貫通させることができ、溶鋼2中へ確実かつ円滑にワイヤを供給することが可能となる。
CaO系のフラックスおよび/または、ガスの吹き込み開始から、ワイヤ供給までの時間は、CaO系のフラックスの吹き込み速度や、ガスの吹き込み速度を向上させることにより、高温の溶鋼浴の熱をスラグ上層と接触させる撹拌力が向上するため、短縮することが可能である。CaO系のフラックスおよび/または、ガスの吹き込み量は、処理時間に合わせて調整されるものとする。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
転炉で約300トンの溶鋼を酸素精錬した後、取鍋に出鋼し、取鍋精錬炉、RH真空脱ガス装置で必要に応じた精錬を施した後、取鍋をワイヤ投入装置へ搬送し、ワイヤ供給を開始した。実施例では、取鍋精錬炉、RH真空脱ガス装置で必要に応じた精錬を施した後にワイヤを供給する例を示すが、TPC予備処理(Torpido car内での予備処理)を行った後や、取鍋に出鋼した後の溶鋼にワイヤを供給する場合でも、本発明は実施可能である。
実施例のワイヤは、金属Mgを含有した粉体を充填したワイヤを用い、ワイヤ中の粉体の充填量が340g/m、粉体中の金属Mg10質量%、直径14mmのワイヤを使用した。また、ワイヤ供給開始前に溶鋼浴、スラグ表層の温度、スラグ上層の組成、スラグ層の厚みを測定し、ワイヤ供給開始前の、スラグ液相率の推定を行った。溶鋼の温度測定には、起電力を使って測定する温度検出プローブを用い、スラグ表層温度の測定には、放射温度計を用いた。また、スラグ上層の組成分析には蛍光X線分析を用い、スラグ液相率の計算には、前記スラグ上層の組成と放射温度計を用いて測定したスラグ表層温度の結果から、熱力学平衡計算ソフトを用いて推定した。
比較例1〜2では、処理開始後、金属Mgを含有したワイヤを1〜2本同時に、供給速度:180m/分、ワイヤの供給長さは720mで供給を開始した。ワイヤの供給速度は複数本を同じ速度で供給しており、供給長さは一定であるため、ワイヤ本数が増えるとワイヤ供給時間は短くなる設備構成となっている。
発明例1〜3では、処理開始後、浸漬ランスを溶鋼浴内に浸漬し、CaO系フラックスの吹き込み速度180kg/分、Arガスの吹き込み速度1.5Nm3/分で撹拌混合を開始した。続いて、CaO系フラックスおよびArガスの吹き込みを開始20〜30秒後に、ワイヤ1〜3本を同時に、供給速度:180m/分で、ワイヤの供給長さは720mで供給を開始した。ワイヤの供給速度は複数本を同じ速度で供給しており、供給長さは一定であるため、ワイヤ本数が増えるとワイヤ供給時間は短くなる設備構成となっている。
これは、処理時間が長くなると、スラグ表面温度が低下して、スラグの液相率も低下してスラグの硬さが上昇するため、極力処理時間を短縮する構成とすることが好ましいためである。
また、CaO系フラックスおよびArガスの添加量は、処理時間に合わせて調整し、処理時間が短いほど添加量が少なくなるように設計した。
その結果を表2に示す。
また、CaO系フラックスおよびArガスの添加量は、処理時間に合わせて調整し、処理時間が短いほど添加量が少なくなるように設計した。
その結果を表2に示す。
発明例1〜3においては、ワイヤ供給前のスラグ上層の温度が1550〜1640℃となっており、スラグ上層の液相率も80以上%となっている。このため、溶鋼浴中へワイヤを円滑に供給することができ、Mg歩留りは約20%以上と、比較例に比べ、高位に維持されている。また、ワイヤ供給本数を1本→3本と増やすことで、処理時間を1.3分まで短縮することができ、フラックス添加量、Arガス添加量も低減することができている。以上から、ワイヤ供給本数を増やすことで、Mgの歩留りを高位に確保しつつ、生産性を高めることができていることがわかる。
一方、比較例1〜2においては、ワイヤ供給前のスラグ表層の温度は1200、1253℃であり、スラグ上層の液相率は0%と低位であった。このため、ワイヤがスラグ層に阻害され、溶鋼浴中へ円滑に供給することができず、処理を中断するトラブルが発生し、Mg歩留りも約1%と、発明例に比べ、低位となっている。処理時間についても、ワイヤ供給本数を1本とした比較例1では、ワイヤが入らず処理を1回中断したため、処理時間4.9分と発明例1に比べ、高位となっている。
また、ワイヤ供給本数を2本とした、比較例2においても、ワイヤが入らず処理を2回中断したため、比較例1と比べても、処理時間を短縮することができていない。
以上から、ワイヤ供給本数を増やしても、生産性を高めることができていないことがわかる。
また、ワイヤ供給本数を2本とした、比較例2においても、ワイヤが入らず処理を2回中断したため、比較例1と比べても、処理時間を短縮することができていない。
以上から、ワイヤ供給本数を増やしても、生産性を高めることができていないことがわかる。
以上述べたように、本発明によれば、合金元素の歩留りを高位に確保しつつ、安定操業を確立し、生産性を高めることができる。よって、本発明は、鉄鋼産業において利用可能性が高いものである。
1 取鍋
2 溶鋼
3 ワイヤ
4 ワイヤコイル
5 ワイヤフィーダー
6 スカート
7 ガイドパイプ
8 スラグ層
9 浸漬ランス
10 CaO系のフラックスおよびまたは、ガス
2 溶鋼
3 ワイヤ
4 ワイヤコイル
5 ワイヤフィーダー
6 スカート
7 ガイドパイプ
8 スラグ層
9 浸漬ランス
10 CaO系のフラックスおよびまたは、ガス
Claims (3)
- 溶鉄に、合金元素もしくは副原料をワイヤの形態で供給する方法において、少なくとも該ワイヤを供給する範囲を含む領域に、該ワイヤの供給を開始するより前に、該溶鉄表面上のスラグ上層の液相率を少なくとも80%以上に高めた後に、該ワイヤを供給し始めることを特徴とするワイヤの供給方法。
- 前記溶鉄が溶鋼であり、かつ、該溶鋼表面上のスラグの表層温度を1500℃以上に高めることによりスラグ上層の液相率を80%以上に高めることを特徴とする請求項1に記載のワイヤの供給方法。
- 供給する該ワイヤは複数本とし、スラグ層と溶鉄の撹拌混合にはCaO系のフラックスの吹き込みおよび/または、ガスの吹き込みとすることを特徴とする、請求項1又は2の何れかに記載のワイヤの供給方法。
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JP2016255371A JP2018104800A (ja) | 2016-12-28 | 2016-12-28 | ワイヤの供給方法 |
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