JP2005169404A - 溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造装置 - Google Patents

溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低融点または低沸点の金属元素を高歩留りで溶融金属に添加でき、しかも金属鋳片内に均一に分布させることができる連続鋳造方法および連続鋳造装置の提供。
【解決手段】(1)タンディッシュを経て鋳型に溶融金属を供給する連続鋳造する方法であって、タンディッシュ内に浸漬させた浸漬ランスまたは鋳型内に浸漬させたランスから金属蒸気および/または金属粒子を供給する溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造装置。(2)前記(1)において、金属蒸気および/または金属粒子に替えて浸漬ランスの孔内に、添加金属元素を含有するワイヤーまたはロッドを挿入する溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造装置。(3)ワイヤーまたはロッドがMg、Bi、Ca、Te、Yb、Tlおよび鉛から選ばれた1種以上を含むものである連続鋳造方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、溶融金属の連続鋳造の過程で、溶融金属中に金属元素を高い歩留りで添加し、鋳片内に均一に分散させることができる連続鋳造方法および連続鋳造装置に関する。
溶融金属中に金属元素を添加するには、塊状の金属元素を溶融金属の湯面に投入するか、あるいは金属元素単味で作製したワイヤー、それらの金属元素をアルミニウムや鋼などで被覆したワイヤー、それらの金属元素を含有する合金で作製したワイヤーにより添加する方法などが採用されている。しかしながら、これらの方法を用いてマグネシウム、ビスマス、カルシウム、希土類元素、テルル、鉛などのように蒸気圧が高く、融点の低い金属元素を精度良く添加することは困難である。その理由は、蒸気圧が高い金属元素が溶融金属中に添加されると、溶融金属の湯面近傍において、金属元素が気化して大気中に放散されるため、溶融金属中への添加量を制御することが難しく、添加歩留りも低下して、均一に添加することは困難だからである。
また、金属元素が気化する際の体積膨張が大きいことから、溶融金属の湯面近傍で気化した場合には、溶融金属の飛散が激しく、操業上の安全の確保が困難である。さらに、添加金属元素の融点が低い場合には、添加前に溶融金属の輻射熱により軟化あるいは溶融し、所定量を添加することが困難となる。溶融金属よりも密度の小さい金属元素を添加する場合には、添加された金属が溶融金属の表層部のみに偏在し、溶融金属の内部にまで侵入しない。密度の大きな金属元素を添加する場合には、添加位置から溶融金属内部に沈降するのみで溶融金属全体に均一に混合させることは困難である。
特許文献1には、取鍋を出てタンディッシュ内溶鋼浴面へ移動中の溶鋼流にビスマスを添加する方法が開示されている。しかし、ビスマスは沸点が低く、溶鋼流と接触すると爆発的に反応し、蒸気となって雰囲気中に飛散するため、添加歩留まりが低く、溶鋼中に均一に添加できず、したがって、連続鋳造鋳片内に均一に分散しない。
特許文献2には、取鍋内の溶鋼にランスを用いてインジェクションにより鉛、ビスマス、鉛・ビスマス含有物質を添加するとともに、取鍋底部のポーラスプラグからガスを噴出させて攪拌する方法が開示されている。同文献で開示された方法の場合も、融点あるいは沸点の低い鉛およびビスマスを添加する場合には、これらの金属が溶鋼と接触すると爆発的な反応が生じ、溶鋼中への金属の添加が不均一になるとともに歩留りが低く、金属が連続鋳造鋳片内に均一に分散しない。
非特許文献1には、マグネシウム蒸気をアルゴンガスをキャリアーガスとして溶銑中に吹き込むことによりマグネシウムを添加し、溶銑を脱硫する方法が記載されている。マグネシウム溶解炉あるいは取鍋中にランスを浸漬してマグネシウム蒸気を添加しているため、溶銑中に吹き込まれたマグネシウム蒸気を含むアルゴンガスの気泡が大きく、この気泡が湯面に浮上するまでにマグネシウムと溶銑との反応が完了しない。したがって、添加歩留りが低く、添加後の濃度分布が不均一となるだけでなく、未反応のマグネシウムが大気中に放散して発煙するため、環境上の問題がある。
特開2001−1116号公報(特許請求の範囲および段落[0013])
特開平9−13119号公報(特許請求の範囲および段落[0004]および[0005]) 特開2003−41399号公報(特許請求の範囲および段落[0012]〜[0015]) G.A.Iron and R.I.Guthrie;Ironmaking Steelmaking, 1981, No.3, p114〜121,"Kinetic aspects of magnesium desulphurization of blast furnace iron"
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、蒸気圧が高く融点の低いマグネシウム、ビスマス、カルシウム、希土類元素、テルル、鉛などの金属元素を溶融金属中に添加する場合に、上記金属の高い添加歩留りを確保するとともに連続鋳造鋳片内に均一に分散させることが可能な連続鋳造方法および連続鋳造装置を提供することにある。
本発明者らは、上述の課題を解決するために、前記した従来の問題点を踏まえて、低融点または低沸点の金属を溶融金属中に高歩留りで均一に添加する方法および装置を検討した結果、タンディッシュまたは鋳型中の溶融金属にランスを浸漬し、そのランス孔から、不活性ガスをキャリアガスとして、添加金属の蒸気、添加金属の粒子、添加金属を含有するワイヤーまたはロッドを供給することにより、課題が解決できることを見出した。
本発明は、上記の知見に基いて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)〜(3)に示す溶融金属の連続鋳造方法および(4)に示す溶融金属の連続鋳造装置にある。
(1)タンディッシュを経て鋳型に溶融金属を供給する連続鋳造する方法であって、前記タンディッシュ内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスまたは鋳型内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスを通して、溶融金属に添加する金属蒸気および/または金属粒子を不活性ガスとともに前記溶融金属中に供給する溶融金属の連続鋳造方法。
(2)タンディッシュを経て鋳型に溶融金属を供給する連続鋳造する方法であって、前記タンディッシュ内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスまたは鋳型内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスを通して、溶融金属に添加する金属元素を含有するワイヤーまたはロッドを前記溶融金属中に供給する溶融金属の連続鋳造方法。
(3)前記の溶融金属が溶鋼であり、前記のワイヤーまたはロッドがマグネシウム、ビスマス、カルシウム、テルル、イッテリビウム、タリウムおよび鉛から選ばれた1種以上を含む前記(1)または(2)に記載の溶融金属の連続鋳造方法。
(4)タンディッシュと、タンディッシュ下部に設けられタンディッシュ内の溶融金属を鋳型に供給するための浸漬ノズルと、タンディッシュの下方に位置する鋳型と、前記タンディッシュ内の溶融金属にワイヤーもしくはロッドを供給するための浸漬ランスまたは
前記鋳型内の溶融金属にワイヤーもしくはロッドを供給するための浸漬ランスと、前記浸漬ランスの孔内に前記ワイヤーまたはロッドを供給するためのワイヤーまたはロッド供給装置とを有する溶融金属の連続鋳造装置。
本発明において、「金属蒸気および/または金属粒子」とは、金属蒸気および/または、蒸発が不十分なために液体または固体粒子として存在する金属粒子、もしくは金属蒸気が凝縮して形成される金属粒子を意味する。また、「金属」とは、純金属および金属の合金を含む。
本発明の溶融金属の連続鋳造方法によれば、低融点または低沸点の金属元素を高歩留りで溶融金属中に添加でき、連続鋳造鋳片内に均一に分散させることができる。また、本発明の連続鋳造装置は、溶融金属に前記金属を添加するための好適な装置である。
蒸気圧が高い金属元素または融点が低い金属元素を溶融金属中に添加する場合、それらの添加金属は、溶融金属と接触するかまたは溶融金属からの輻射熱を受けて溶融するかまたは気化する。溶融金属中に添加する以前、あるいは添加した瞬間に金属元素が溶融または気化すると、これらの金属元素を溶融金属中に均一に歩留り良く添加することは困難である。また、連続鋳造鋳片内に金属元素を均一に添加するには、連続鋳造鋳型に近いタンディッシュ内、または連続鋳造鋳型内の溶融金属に添加する方法が最適である。
本発明者らは先に特許文献3において、溶融金属中に添加する金属元素の蒸気を発生させて、この蒸気を不活性ガスとともにタンディッシュ内または連続鋳造鋳型内の溶融金属中に添加する方法を提案した。この方法により金属元素を溶融金属中に均一にしかも歩留り良く連続鋳造鋳片内に添加することが可能になった。なお、提案された方法では、金属蒸気の粒子サイズは数十オングストローム〜数千オングストロームであり、従来のような塊状の金属元素を用いた場合に比較して、微細な粒子サイズの金属元素を添加することが可能である点で大きく異なる。ただし、この方法を実施するためには、タンディッシュ内の仕切壁または浸漬ノズルの吐出孔に金属吹き込み用開口部を設ける必要があり、また、金属元素を蒸発させるための蒸発装置が必要であった。
そこで本発明者らは、(1)タンディッシュ内の仕切壁または浸漬ノズルの吐出孔に金属吹き込み用開口部を設けなくとも溶融金属中に金属元素を金属蒸気または金属粒子の形で添加できる連続鋳造方法、および、さらに、(2)金属元素を蒸発させるための蒸発装置を必要としない連続鋳造方法を検討した。
上記の(1)については、溶融金属中に金属蒸気を吹き込むためのランスを浸漬し、このランス孔を通じて金属蒸気を溶融金属内にキャリアガスとともに吹き込む方法によれば、タンディッシュに仕切壁または鋳型内の浸漬ノズルに開口部を設けるという設備上および吹き込み位置の制約をなくすることができる。また、(2)については、ランス孔に金属元素を含有するワイヤーまたはロッドをキャリアガスとともに送り込み、高温のランス孔内で金属元素を蒸発・気化させることができれば、金属元素を蒸発させるための蒸発装置を必要とせずに、溶融金属内に金属元素を添加することができる。
本発明者らの検討によれば、前記(1)の方法については、特許文献3に開示した金属の蒸発装置を用いることにより、達成できることが確認された。
次に、主として前記(2)の方法についての検討結果を下記に説明する。溶融金属中に金属蒸気または粒子を供給するランス内に、金属元素のワイヤーを挿入すると、溶融金属からの伝熱により高温状態になった浸漬ランス内の輻射熱により、ワイヤー中の添加金属元素は気化することが確認された。したがって、このようにして発生した金属蒸気を浸漬ランス内に供給したアルゴンガスなどの不活性ガスをキャリアガスとして溶融金属中に蒸気を吹き込めば良い。
溶融金属中への金属元素の添加量は、金属元素を含有するワイヤーの挿入速度により制御することが可能である。なお、金属蒸気の吹き込み位置は、タンディッシュ内の溶融金属または鋳型内の溶融金属である。また、蒸気のみを単独で溶融金属中に添加することは必要な蒸気発生量および蒸気圧力の確保の面で困難であるから、アルゴンガスなどの不活性ガスをキャリヤーガスとして溶融金属中に吹き込む方法が現実的である。この場合、ガス吹き込みノズルのノズル孔の内径を小さくしても、溶融金属がノズルに濡れると、ノズルから吹き込まれる気泡の直径はノズルの内径により決定される以上に増大する。また、アルゴンガスが高温の溶融金属中に吹き込まれると、急激に膨張することから直径の大きな気泡が発生し、未反応の金属蒸気を含む気泡が湯面に浮上して添加歩留まりが低下するだけでなく、この金属蒸気が大気に放散されるため、作業環境を悪化させる。このような状況を改善するためには、気泡の直径を小さくし、溶融金属と金属蒸気との反応を促進する必要がある。
溶融金属中に吹き込むアルゴンガスなどの不活性ガス気泡の直径を小さくするには、ガス吹き込みノズルの前方を通過する溶融金属の流速を増大させ、ノズルから出る気泡を溶融金属流によりで破断すれば良い。例えば、直径1mm以下の気泡を得ようとする場合には、溶融金属、例えば溶鋼の場合には、ノズル前方での流速を約1m/s以上にすればよいことが判明した。
また、金属元素を溶融金属に添加した場合、金属元素が溶融金属中の酸素、窒素、硫黄などと反応してこれらの化合物を形成する場合がある。これらの化合物は、連続鋳造鋳片内に取り込まれて結晶粒の粗大化を抑制し、成品の機械的性質を向上させる場合がある。ただし、これらの化合物の密度が溶融金属より小さい場合には、溶融金属の表面に浮上するので、連続鋳造鋳片内に留まらせることはできない。したがって、これらの蒸気や化合物を連続鋳造鋳片内に留まらせるためには、連続鋳造鋳型内またはタンディッシュ内の浴面から充分に深い位置、または溶融金属の流動による気泡の破断効果などを有効に利用できる位置から金属蒸気を吹き込む必要がある。
本発明法の効果を確認するため、以下に示す連続鋳造試験を実施して、その結果を評価した。
(実施例1)
〔試験条件〕
溶融金属:低炭素鋼(成分組成は質量%で、C:0.04%、Ti:0.12%、N:0.004%)
溶融金属量:4トン/分で連続鋳造
添加金属:マグネシウム、ビスマス、カルシウム
添加量 :溶鋼1トン当たり各添加金属を50g
添加位置:タンディッシュ内
キャリアガス:アルゴンガス20L/分
図1は、金属蒸気発生装置により発生させた金属蒸気および/または金属粒子を、タンディッシュ内の溶鋼中に浸漬させたランスを通して溶鋼中に供給しながら連続鋳造する方法を示す図である。
取鍋3からタンディッシュ2に供給された溶鋼1は、タンディッシュ内で湯面のレベル制御を受け、浸漬ノズル6を経て連続鋳造鋳型8内に注入され、さらに鋳型下方に引き抜かれて凝固シェル7を形成し、鋳片となる。このとき、添加金属の蒸気および/または粒子が、金属蒸気供給装置40から供給され、タンディッシュ内の溶鋼1に浸漬させた浸漬ランス4を通して溶鋼1内に吹き込まれる。
金属蒸気供給装置40は、金属蒸気発生装置41、金属蒸気発生装置を加熱するバーナー44、温度測定装置(熱電対)46、温度測定装置による温度測定結果に基いて蒸気発生装置の温度を制御する温度制御装置45、不活性ガス供給配管42および金属蒸気吹き込み配管43からなっている。金属蒸気発生装置41内で発生した金属蒸気および/または金属粒子は、不活性ガス供給配管42から供給された不活性ガス(アルゴンガス)54をキャリヤーガスとして、金属蒸気吹き込み配管43を通して浸漬ランス4に供給され、溶鋼1中に吹き込まれた。
一方、実施例1における比較例として、マグネシウム、ビスマスおよびカルシウムの粒状物(粒子径:3mm)を、浸漬ランスを用いずに、直接タンディッシュ2内の溶鋼1の湯面に添加した。
表1に、本発明例および比較例についての連続鋳造試験で得られた金属元素の添加歩留りおよび連続鋳造鋳片内における金属元素の濃度変動を示した。
Figure 2005169404
ここで、連続鋳造鋳片内における金属元素の濃度変動指数は、鋳片幅中央部から1m間隔で10個の分析用サンプルを採取し、各位置の濃度(質量%)とこれらのサンプルの平均濃度(質量%)との偏差を前記の平均濃度で除して相対変動量(%)を求め、そのうちの最大値により表示した。また、金属元素の添加歩留まりは、連続鋳造鋳片で測定した金属元素の平均濃度に基いて鋳片内の金属元素の総質量を求め、この値を金属元素の添加量で除した値により表示した。
同表の結果から、比較例に比べて本発明例では添加歩留りが高く、また、金属元素は鋳片内に均一に分散されていることがわかる。
(実施例2)
〔試験条件〕
溶融金属:低炭素鋼(成分組成は質量%で、C:0.04%、Ti:0.12%、N:0.004%)
溶融金属量:4トン/分で連続鋳造
添加金属:マグネシウム、ビスマス、カルシウム
(金属ワイヤー直径はいずれも3mm)
添加量 :溶鋼1トン当たり各添加金属を50g
添加位置:タンディッシュ内
キャリアガス:アルゴンガス20NL/分
図2は、金属ワイヤーを浸漬ランスを通してタンディッシュ内の溶融金属に供給しながら連続鋳造する方法を示す図である。実施例1の場合と同様に、取鍋3からタンディッシュ2に供給された溶鋼1は、浸漬ノズル6を経て連続鋳造鋳型8内に注入され、さらに下方に引き抜かれながら凝固シェル7を形成して鋳片となる。添加金属は、金属ワイヤー50によりタンディッシュ2内の溶鋼1中に供給される。
タンディッシュ2内の溶鋼1中に浸漬ランス4が浸漬され、浸漬ランス4の一端は、金属ワイヤー供給機5に接続されている。金属ワイヤー供給機5にはワイヤーリール51が内蔵されており、金属ワイヤー50は、ワイヤー繰出しロール52により制御された速度で浸漬ランス内に挿入される。ワイヤー繰出しロールの回転速度はワイヤー繰出し速度制御装置53からの信号により制御される。金属ワイヤー供給機には不活性ガスとしてアルゴンガス54が導入され、金属ワイヤーとともに浸漬ランス内に供給される。なお、番号55は金属ワイヤー供給機内の圧力を測定する圧力計であり、番号56は不活性ガス54の流量を制御する流量制御弁である。
実施例2における比較例として、マグネシウム、ビスマスおよびカルシウムをアルミニウムで被覆した金属ワイヤーを作製し、これらを、浸漬ランスを介さずに、タンディッシュ2内の溶鋼1の湯面中に添加した。
表2に、本発明例および比較例についての連続鋳造試験で得られた金属元素の添加歩留りおよび連続鋳造鋳片内における金属元素の濃度変動を示した。
Figure 2005169404
同表において、金属元素の濃度変動指数および添加歩留りは、実施例1の場合と同様の方法により求めた。同表の結果から、本発明例では、比較例に比べて金属の添加歩留まりが高く、また、金属元素は鋳片内に均一に分散されていることが分かる。
(実施例3)
〔試験条件〕
溶融金属:中炭素鋼(成分組成は質量%で、C:0.10%、Mn:1.0%)
溶融金属量:4トン/分で連続鋳造
添加金属:マグネシウム、ビスマス、テルル
(金属ワイヤー直径はいずれも2mm)
添加量 :溶鋼1トン当たり各添加金属を50g
添加位置:連続鋳造鋳型内
キャリアガス:アルゴンガス5NL/分
図3は、金属ワイヤーを浸漬ランスを通して鋳型内の溶融金属に供給しながら連続鋳造する方法を示す図である。連続鋳造鋳型8内の溶鋼1中に浸漬ランス4を浸漬し、浸漬ランス4の一端は、金属ワイヤー供給機5に接続した。前記の実施例2で説明したのと同様の方法で、浸漬ランスを通して、金属ワイヤーを連続鋳造鋳型内の溶鋼1中に供給した。
表3に、連続鋳造試験で得られた金属元素の添加歩留りおよび連続鋳造鋳片内における金属元素の濃度変動を示した。
Figure 2005169404
同表に示した結果から、本発明例では、比較例に比べて金属の添加歩留まりが高く、また、金属元素も鋳片内に均一に分布していることが分かる。
本発明の溶融金属の連続鋳造方法によれば、低融点または低沸点の金属元素を高歩留りで溶融金属中に添加でき、連続鋳造鋳片内に均一に分散させることができる。また、本発明の連続鋳造装置は、溶融金属に前記金属を添加するための好適な装置である。よって、本発明の連続鋳造方法および連続鋳造装置は、鋳片品質の均質化、ひいては金属加工製品の均質化による品質向上に大きく寄与できる。
金属蒸気発生装置により発生させた金属蒸気を浸漬ランスを通して、タンディッシュ内の溶融金属に供給しながら連続鋳造する方法を示す図である。 金属ワイヤーを浸漬ランスを通してタンディッシュ内の溶融金属に供給しながら連続鋳造する方法を示す図である。 金属ワイヤーを浸漬ランスを通して鋳型内の溶融金属に供給しながら連続鋳造する方法を示す図である。
符号の説明
1:溶鋼
2:タンディッシュ
3:取鍋
4:浸漬ランス
40:金属蒸気供給装置
41:金属蒸気発生装置
42:不活性ガス供給配管
43:金属蒸気吹き込み配管
44:バーナー
45:温度調節装置
46:温度測定装置
5:金属ワイヤー供給機
50:金属ワイヤー
51:ワイヤーリール
52:ワイヤー繰出しロール
53:ワイヤー繰出し速度制御装置
54:不活性ガス(アルゴンガス)
55:圧力計
56:流量制御弁
6:浸漬ノズル
7:凝固シェル
8:連続鋳造鋳型

Claims (5)

  1. タンディッシュを経て鋳型に溶融金属を供給する連続鋳造する方法であって、前記タンディッシュ内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスまたは鋳型内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスを通して、溶融金属に添加する金属蒸気および/または金属粒子を不活性ガスとともに前記溶融金属中に供給することを特徴とする溶融金属の連続鋳造方法。
  2. タンディッシュを経て鋳型に溶融金属を供給する連続鋳造する方法であって、前記タンディッシュ内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスまたは鋳型内の溶融金属に浸漬させた浸漬ランスを通して、溶融金属に添加する金属元素を含有するワイヤーまたはロッドを前記溶融金属中に供給することを特徴とする溶融金属の連続鋳造方法。
  3. 前記の溶融金属が溶鋼であり、前記のワイヤーまたはロッドがマグネシウム、ビスマス、カルシウム、テルル、イッテリビウム、タリウムおよび鉛から選ばれた1種以上を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の溶融金属の連続鋳造方法。
  4. タンディッシュと、タンディッシュ内の溶融金属にワイヤーまたはロッドを供給するための浸漬ランスと、前記浸漬ランスの孔内に前記ワイヤーまたはロッドを供給するためのワイヤーまたはロッド供給装置と、タンディッシュ下部に設けられタンディッシュ内の溶融金属を鋳型に供給するための浸漬ノズルと、タンディッシュの下方に位置する鋳型とを有することを特徴とする溶融金属の連続鋳造装置。
  5. タンディッシュと、タンディッシュ下部に設けられタンディッシュ内の溶融金属を鋳型に供給するための浸漬ノズルと、タンディッシュの下方に位置する鋳型と、鋳型内の溶融金属にワイヤーまたはロッドを供給するための浸漬ランスと、前記浸漬ランスの孔内に前記ワイヤーまたはロッドを供給するためのワイヤーまたはロッド供給装置とを有することを特徴とする溶融金属の連続鋳造装置。
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