JP4007209B2 - 溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造装置 - Google Patents

溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続鋳造を行う溶融金属に添加金属の蒸気およびまたは金属粒子を供給し、添加金属を高歩留りで鋳片内に均一に分散させる連続鋳造方法および連続鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マグネシウム、ビスマス、カルシウム、希土類元素、テルル、鉛などの元素は融点または沸点が低いため、溶融金属中に所定量を精度良く添加することが困難であり、したがって連続鋳造鋳片内にこれらの金属元素を均一に分散させることも難しい。これらの金属元素を溶融金属中に添加する場合、それらの融点が低いために高温の溶融金属と接触または溶融金属からの輻射熱により金属元素が溶融もしくは軟化して、所定量を精度良く添加することが難しい。
【0003】
例えば溶融金属よりも密度の小さな金属元素を添加する場合では、添加金属が溶融金属の表層部のみに偏在して溶融金属の内部にまで侵入しない。また、密度の大きな金属元素を添加する場合には、添加後、その位置から溶融金属の深部に沈降するのみとなり、溶融金属全体に均一に混合分散させることは困難である。
【0004】
また、添加金属の沸点が低いと、添加の過程における蒸発や、溶融金属中への添加直後のボイリングにより、その多くは気化して大気中に放散され、所定量を精度良く添加することができない。
【0005】
従来、これらの金属元素のみで作製されたワイヤー、これらの金属元素をアルミニウムや鋼などにより被覆したワイヤー、またはこれらの金属元素を含む合金で作製されたワイヤーにより添加する方法が行われていた。
【0006】
例えば、特許文献1には、取鍋を出てタンディッシュ内溶鋼浴面へ移動中の溶鋼流にビスマスを添加する方法が開示されている。しかし、ビスマスの沸点は低く溶鋼流と接触すると爆発的に反応し、蒸気となって雰囲気中に飛散するため、添加歩留りが低く、溶鋼中に均一に添加することが難しいことから連続鋳造鋳片内に均一には分散しない。
【0007】
特許文献2には、取鍋内の溶鋼にインジェクションランスから鉛、ビスマス、鉛・ビスマス含有物質を添加するとともに、取鍋底部のポーラスプラグからガスを吹き込み攪拌することにより添加金属が取鍋底部に沈降することを防止する鉛、ビスマス含有物質の添加方法が開示されている。この方法においても、融点または沸点の低い鉛およびビスマスの添加時に溶鋼と接触すると、爆発的な反応が生じ、溶鋼中への添加が不均一になるとともに、歩留りが低下し、添加元素は連続鋳造鋳片内に均一に分散しない。
【0008】
非特許文献1には、マグネシウム蒸気をアルゴンガスをキャリアーガスとして溶銑中に吹き込み、溶銑を脱硫する方法が記載されている。溶解炉または取鍋中にランスを浸漬してマグネシウム蒸気を添加するため、溶銑中に吹き込まれたマグネシウム蒸気を含むアルゴンガスの気泡が大きく、この気泡が湯面に浮上するまでにマグネシウムと溶銑との反応が完了しない。したがって、添加歩留りが低く、添加御の濃度分布が不均一となるだけでなく、末反応のマグネシウムが大気中に放散して発煙するため、環境上の問題を引き起こす。
【特許文献1】
特開2001−1116号公報(特許請求の範囲、段落[0013]および段落[0014])
【特許文献2】
特開平9−13119号公報(特許請求の範囲、段落[0004]および段落[0005])
【非特許文献1】
G.A.Irons and R.I.L.Guthrie:Ironmaking and Steelmaking, 1981, No.3,p114〜121
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、融点または沸点の低いマグネシウム、ビスマス、カルシウム、希土類元素、テルル、鉛などの金属を溶融金属中に添加する場合に、前記金属の高い歩留りを確保するとともに連続鋳造鋳片内に均一に分布させることが可能な連続鋳造方法および連続鋳造装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の課題を解決するために、低融点または低沸点の金属を溶融金属中に高歩留りで均一に添加する方法および装置を検討した結果、添加金属元素の蒸気およびまたはその金属粒子を、タンディッシュ内の仕切壁に設けた溶融金属の通過孔に設けられた開口部または浸漬ノズルの吐出孔に設けられた開口部から、不活性ガスをキャリアーガスとして、溶融金属流に吹き込むことにより達成できることを見出した。
【0011】
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)〜(3)に示す溶融金属の連続鋳造方法ならびに(4)および(5)に示す溶融金属の連続鋳造装置にある。
【0012】
(1)タンディッシュを経て鋳型に溶融金属を供給して連続鋳造する方法であって、前記タンディッシュ内に溶融金属を隔てる仕切壁を設け、前記仕切壁に設けた溶融金属の通過孔に設けた開口部から、前記通過孔を通過する溶融金属に金属蒸気およびまたは金属粒子を不活性ガスとともに吹き込む溶融金属の連続鋳造方法。
【0013】
(2)浸漬ノズルを経て鋳型に溶融金属を供給して連続鋳造する方法であって、前記浸漬ノズルの吐出孔に設けた開口部から、前記吐出孔を通過する溶融金属に金属蒸気およびまたは金属粒子を不活性ガスとともに吹き込む溶融金属の連続鋳造方法。
(3)前記(1)または(2)の溶融金属の連続鋳造方法において、溶融金属が溶鋼であり、金属蒸気およびまたは金属粒子がマグネシウム、ビスマス、カルシウム、希土類元素、テルルおよび鉛から選ばれた1種以上を含み、通過孔または吐出孔における溶融金属の流速が1m/s以上であることが好ましい。
【0014】
(4)タンディッシュと、前記タンディッシュ内に設けられ溶融金属を隔てる仕切壁と、前記仕切壁に設けられ溶融金属が通過する通過孔と、前記通過孔の内面に開口し通過孔を通過する溶融金属に金属蒸気およびまたは金属粒子を供給する開口部と、金属蒸気を発生させ金属蒸気およびまたは金属粒子を前記開口部に供給する金属供給装置と、タンディッシュ下部に設けられたタンディッシュ内の溶融金属を鋳型に供給する浸漬ノズルと、鋳型とを有する溶融金属の連続鋳造装置。
【0015】
(5)タンディッシュと、タンディッシュ下部に設けられタンディッシュ内の溶融金属を鋳型に供給する浸漬ノズルであって、前記浸漬ノズルの吐出口に設けられ吐出口を通過する溶融金属に金属蒸気およびまたは金属粒子を供給する開口部を有する浸漬ノズルと、金属蒸気を発生させ金属蒸気およびまたは金属粒子を前記開口部に供給する金属供給装置と、鋳型とを有する溶融金属の連続鋳造装置。
【0016】
本発明において、「金属蒸気およびまたは金属粒子」における「金属」とは、純金属および金属の合金を含み、「金属粒子」とは、金属蒸気を発生させる際に、蒸発が不充分なために液体または固体として残留する金属粒子、または金属蒸気が凝縮して形成される金属粒子をいう。
【0017】
「希土類元素」とは、周期律表の原子番号57番から71番までの元素、すなわち、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuをいう。
【0018】
【発明の実施の形態】
融点または沸点が低い金属元素を溶融金属中に添加する場合、前記金属元素は溶融金属と接触したりまたは溶融金属からの輻射熱を受けて蒸気を発生する。蒸気が発生しても、添加金属元素が溶融金属中に歩留り良く均一に添加されれば大きな問題とはならない。添加金属元素の蒸気を単独で溶融金属中に添加することは、例えば溶融金属中でのMg濃度を0.0005質量%以上としたり、Bi濃度を0.0005質量%以上などにするのに要する蒸発量および蒸気圧の確保の面で困難であるから、アルゴンガスなどの不活性ガスをキャリアーガスとして溶融金属中に吹き込む方法が現実的である。
【0019】
この場合に、吹き込まれる気泡径を小さくし、吹き込まれた気泡の上昇過程において溶融金属中への溶解反応が完了するように、ガス吹き込みノズルなどの先端開口部の内径を小さくすることが考えられる。しかし、現実には開口部が溶融金属に濡れると、開口部の内径よりも大きな気泡が溶融金属中に発生する。さらに、アルゴンガスが高温の溶融金属中に吹き込まれると急激に膨張することから、大きな気泡が発生し、したがって未反応の金属蒸気を含む気泡が湯面に浮上して添加歩留まりを低下させるだけでなく、この金属蒸気が大気に放散されるため、労働環境をも悪化させる。このような状況を改善するためには、気泡径を小さくし、溶融金属と、添加金属の金属蒸気との反応を促進する必要がある。
【0020】
溶融金属中に吹き込むアルゴンガスなどの不活性ガス気泡径を小さくするには、ガス吹き込みノズル先端の開口部、すなわちノズル先端の前方を通過する溶融金属の流速を増大させ、ノズルから発生する気泡を溶融金属により分断することが必要である。
【0021】
例えば、溶融金属として溶鋼を用い、タンディッシュの仕切壁の深さ1mの位置に設けた溶融金属通過口の開口部から直径1mmの気泡が浮上する場合には、気泡の浴面までの浮上所要時間は5秒程度であり、この間に気泡内の金属蒸気は溶融金属中にほぼ完全に溶解する。したがって、直径1mm以下の気泡を発生させれば、添加金属の添加歩留りを高めることができ、添加金属を金属鋳片中に均一に分布させることができる。
【0022】
本発明者らによる気泡分断効果に関する調査結果によれば、上記の直径1mm以下の気泡を発生させるためには、溶鋼流速は1m/s以上とする必要のあることが判明した。
【0023】
また、金属元素を溶融金属に添加した場合に、溶融金属中の酸素、窒素、硫黄などと反応してこれらとの化合物を形成する場合がある。これらの化合物の中には、連続鋳造鋳片内に取り込まれて結晶粒の粗大化を抑制し、成品の機械的性質を向上させるものもある。ただし、この化合物の密度が溶融金属よりも小さい場合には、化合物が溶融金属の表面に浮上し、連続鋳造鋳片内に留まらせることはできないので、それを可能とするには十分な深い位置または溶融金属の流動を適切に利用できる位置において金属蒸気を吹き込むことが必要である。
不活性ガスをキャリアーガスとして金属蒸気を添加する場合に、その金属の融点が低い場合には、密閉容器内に装入した金属を電気ヒータまたはガスバーナにより加熱し、容器内で発生した蒸気を配管に導入し、これを溶融金属中に吹き込めば良い。また、添加金属の融点が高い場合には、例えば密閉容器内を減圧して蒸発を促進させるか、または容器内にアーク発生装置、プラスマ発生装置、電子ビーム発生装置などの高エネルギー発生装置を設け、これにより金属蒸気を発生させることができる。
【0024】
図1は、タンディッシュ内の仕切壁に設けた開口部から金属を添加する本発明に係る溶融金属の連続鋳造装置を示す図である。
【0025】
取鍋2からタンディッシュ1に供給された溶融金属10は、タンディッシュ内に設けられた仕切壁3の下部に設けられた溶融金属の通過孔4を通過して、溶融金属流6を形成し、仕切壁の反対側のタンディッシュ内に流入する。そして、浸漬ノズル8を経て連続鋳造鋳型9内に注入され、さらに鋳型下方に引き抜かれて鋳片を形成する。このとき、添加金属が、金属供給装置7から供給され、前記の溶融金属通過孔4に設けられた開口部5から溶融金属流6に吹き込まれる。
【0026】
金属供給装置7は、金属蒸気発生装置71、金属蒸気発生装置を加熱するバーナー74、温度測定装置(熱電対)76、温度測定装置による温度測定結果に基いて蒸気発生装置の温度を制御する温度制御装置75、不活性ガス供給配管72および金属蒸気吹き込み配管73からなっている。金属蒸気発生装置71内で発生した金属蒸気およびまたは金属粒子は、不活性ガス供給配管72から供給された不活性ガスをキャリヤーガスとして、金属蒸気吹き込み配管73を通して開口部5に供給され、溶融金属に吹き込まれる。
【0027】
図2は、浸漬ノズルの吐出口に設けた開口部から金属を添加する本発明に係る溶融金属の連続鋳造装置を示す図である。
【0028】
図1にて説明したのと同様に、取鍋2からタンディッシュ1に供給された溶融金属10は、浸漬ノズル8を経て浸漬ノズルの吐出口41から連続鋳造鋳型9内に注入される。このとき、添加金属が、金属供給装置7から供給され、前記の浸漬ノズル吐出口41に設けられた開口部51から溶融金属流61に吹き込まれる。ここで、開口部51を浸漬ノズル吐出口41の上面に設けると、気泡分断効果を高めるため、好ましい。
【0029】
金属供給装置7は、金属蒸気発生装置711、金属蒸気発生装置を加熱する電気ヒーター77、温度測定装置(熱電対)761、温度測定装置による温度測定結果に基いて蒸気発生装置の温度を制御する温度制御装置751、不活性ガス供給配管721および金属蒸気吹き込み配管731からなっている。
【0030】
【実施例】
本発明の効果を確認するため、下記の実施例1および2の連続鋳造試験を行って、それらの結果を評価した。
【0031】
(実施例1)
前記の図1に示す連続鋳造装置を用いて鋳造試験を行った。なお、試験方法は、前記の発明の実施の形態における図1についての説明において述べたとおりである。
〔試験条件〕
本発明例の試験条件は、下記のとおりである。
1)溶融金属:Ti含有低炭素鋼(成分組成は質量%で、C:0.04%、Si:0.9%、Mn:1.3%、P:0.008%、S:0.008%、Ti:0.12%、N:0.004%)
2)鋳造速度(溶融金属供給量):4t/min
3)添加金属:マグネシウム、ビスマス、鉛、テルル、カルシウム、セリウム、ランタン、ユーロピウムおよびイッテリビウムの単独添加、およびこれらの複合添加。
【0032】
4)添加量:溶鋼1t当たり各添加金属を50g
5)添加位置および溶融金属通過孔など:タンディッシュ内の仕切壁に設けられた溶融金属通過孔内面に設けられた開口部から、キャリヤーガスとともに吹き込んだ。溶融金属通過孔の内径は100mm、通過孔個数は1個、開口部の内径は0.5mm、開口部個数は10個とした。
【0033】
5)-1 溶融金属通過孔の内径と個数:
通過孔の内径は、本通過孔を通過する溶融金属の流速を1m/s以上とするために、100mmとした。通過孔の内径をさらに小さくして通過孔の個数を増加させ、溶融金属の流速を上昇させることも可能であるが、その場合には通過孔の内壁に介在物が付着し、鋳造中に通過孔が閉塞する可能性が高くなるため、これらの観点から通過孔の内径は少なくとも100mm以上とすることが好ましい。
【0034】
5)-2 開口部の内径と個数:
溶融金属内に発生させる気泡径を小さくするためには、開口部の内径も小さくすれば良いが、金属蒸気およびまたは金属粒子により閉塞する可能性があるため、これを回避するためには開口部の内径は0.5mm以上とすることが好ましい。複数の開口部を設けた場合には、開口部間の間隔が狭いと開口部から発生した気泡同士が合体して大きな気泡となるため、開口部の間隔は、10mm以上とすることが好ましい。開口部1個当たりのガス流量は、少ない方が発生する気泡径は小さくなるが、その場合には、ガスを安定して供給できなくなる。ガスを安定して供給するには開口部1個当たり10ml/s以上のガスを流すのが好ましいことから、開口部を10個とし、ガス流量を30ml/s程度とした。
【0035】
5)-3 溶融金属の流速と金属の添加歩留りの関係:
気泡径は、溶融金属中への添加金属の歩留りに影響を及ぼし、気泡径が小さいほど歩留りは高くなる。これは前述のとおり、気泡径が大きいと、気泡中に含まれる添加金属は、溶融金属中に未溶解のまま、気泡とともに溶融金属の浴面にまで浮上し、大気中に放散されてしまう割合が増すからである。ここで、発生する気泡径は、開口部の内径が同一の場合には、開口部前方を通過する溶融金属の流速に依存する。
【0036】
図3は、開口部前方の溶融金属の流速と開口部から添加される金属の添加歩留りとの関係を示す図である。同図の関係は、溶融金属として前記のTi含有低炭素鋼を、また、添加金属としてMgを用い、開口部の内径を0.5mm、開口部の位置を溶融金属の浴面から1mの深さとした場合の結果である。
【0037】
同図の結果によれば、溶融金属の流速が上昇するにつれて、気泡の分断効果が大きくなる結果、金属の添加歩留りは上昇し、100%に漸近している。そこで、添加金属の歩留りが70%以上となるように溶融金属の流速を1m/s以上に決定し、その流速を確保するために溶融金属の通過孔の内径を前記のとおり100mmに決定した。
【0038】
6)金属蒸気発生装置:SUS430鋼製で、添加金属元素ごとに準備
7)金属加熱方法:金属蒸気発生装置の下部に設けられたガスバーナーにより加熱。蒸気発生装置内の温度は温度測定装置で計測し、温度制御装置により制御。
【0039】
8)加熱温度:1000℃
9)キャリヤーガス:アルゴンガスを20NL/min
次に、比較例の試験は、マグネシウム、ビスマスなど前記3)に記載された添加金属をアルミニウムにて被覆したワイヤーを作成し、これらを、タンディッシュ内の溶融金属浴中に挿入しながら、鋳造を行った。
【0040】
表1に、本発明例および比較例についての鋳造試験における各添加金属元素の添加歩留りおよび連続鋳造鋳片内の金属元素の濃度変動を示した。
【0041】
【表1】
Figure 0004007209
【0042】
ここで、金属元素の添加歩留りは、連続鋳造鋳片の鋳片幅中央部から鋳造方向に1m間隔で10個の分析試料を採取して、それらから金属元素の平均濃度(質量%)を求め、これと鋳片の質量とから鋳片内の金属元素の総質量を求め、この値を金属元素の添加総質量で除した値により表示した。
また、金属元素の鋳片内の濃度変動は、前記10個の各位置における金属元素の濃度(質量%)と10個の濃度の平均値(質量%)との偏差を前記の平均値で除して平均値に対する相対変動量(%)を求め、その最大値により表示した。
【0043】
同表の結果から、各金属元素の場合とも、本発明例についての試験では、比較例についての試験よりも添加金属元素の添加歩留りが高く、また、鋳片内の元素の濃度変動も小さくなっている。
【0044】
(実施例2)
前記図2に示す装置を用いて鋳造試験を行った。なお、試験方法は実施例1と同様とした。
〔試験条件〕
1)溶融金属:Ti含有低炭素鋼(成分組成は、実施例1の場合と同一)
2)鋳造速度(溶融金属供給量):4t/min
3)添加金属:マグネシウム、ビスマス、鉛、テルル、カルシウムの単独添加、および複合添加。
【0045】
4)添加量:溶鋼1t当たり各添加金属を50g
5)添加位置および溶融金属吐出口など:幅60mm、長さ90mmの吐出口を2個有する浸漬ノズルを用い、各吐出口の上側内面に内径0.5mmの開口部を2個(浸漬ノズル1本当たり4個)設け、キャリヤーガスとともに吹き込んだ。
【0046】
この場合に、吐出口を通過する溶融金属の流速は1.2m/sとなるようにし、また、開口部1個当たりのガス流量は40ml/sとした。
【0047】
6)金属蒸気発生装置:SUS430鋼製で、添加金属元素ごとに準備。
【0048】
7)金属加熱方法:金属蒸気発生装置に設けられた電気ヒータ(シースヒータ)により加熱。蒸気発生装置内の温度は温度測定装置で計測し、温度制御装置により制御。
【0049】
8)加熱温度:800℃
9)キャリヤーガス:アルゴンガスを10NL/min
表2に、本発明例および比較例についての鋳造試験における各添加金属元素の添加歩留りおよび連続鋳造鋳片内の金属元素の濃度変動を示した。
【0050】
【表2】
Figure 0004007209
【0051】
各結果の算出方法は、表1の場合と同様である。
同表の結果から、実施例1の場合と同様に、各金属元素の場合とも、本発明例についての試験では、比較例についての試験よりも添加金属元素の添加歩留りが高く、鋳片内の元素の濃度変動は小さくなっている。
【0052】
【発明の効果】
本発明の連続鋳造方法によれば、低融点または低沸点の金属元素を高い歩留りで添加し、しかも連続鋳造鋳片内に均一に分布させることができる。また、本発明の連続鋳造装置は、前記の金属元素を添加しながら連続鋳造を実施するのに極めて有効な装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】タンディッシュ内の仕切壁に設けた開口部から金属を添加する本発明に係る溶融金属の連続鋳造装置の縦断面を示す図である。
【図2】浸漬ノズルの吐出口に設けた開口部から金属を添加する本発明に係る溶融金属の連続鋳造装置の縦断面を示す図である。
【図3】開口部前方の溶融金属の流速と開口部から添加される金属の添加歩留まりとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1:タンディッシュ、
2:取鍋、
3:仕切壁、
4:溶融金属の通過孔、
41:浸漬ノズルの吐出口、
5、51:金属蒸気およびまたは金属粒子を吹き込むための開口部、
6、61:通過孔または吐出口を通過する溶融金属流、
7:金属供給装置、
71、711:金属蒸気発生装置、
72、721:不活性ガス供給配管、
73、731:金属蒸気吹き込み配管、
74:バーナー、
75、751:温度制御装置、
76、761:温度測定装置(熱電対)、
77:電気ヒータ(シースヒータ)、
8:浸漬ノズル、
9:連続鋳造鋳型、
10:溶融金属、

Claims (5)

  1. タンディッシュを経て鋳型に溶融金属を供給して連続鋳造する方法であって、前記タンディッシュ内に溶融金属を隔てる仕切壁を設け、前記仕切壁に設けた溶融金属の通過孔に設けた開口部から、前記通過孔を通過する溶融金属に金属蒸気およびまたは金属粒子を不活性ガスとともに吹き込むことを特徴とする溶融金属の連続鋳造方法。
  2. 浸漬ノズルを経て鋳型に溶融金属を供給して連続鋳造する方法であって、前記浸漬ノズルの吐出孔に設けた開口部から、前記吐出孔を通過する溶融金属に金属蒸気およびまたは金属粒子を不活性ガスとともに吹き込むことを特徴とする溶融金属の連続鋳造方法。
  3. 前記溶融金属が溶鋼であり、金属蒸気およびまたは金属粒子がマグネシウム、ビスマス、カルシウム、希土類元素、テルルおよび鉛から選ばれた1種以上を含み、通過孔または吐出孔における溶融金属の流速が1m/s以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶融金属の連続鋳造方法。
  4. タンディッシュと、前記タンディッシュ内に設けられ溶融金属を隔てる仕切壁と、前記仕切壁に設けられ溶融金属が通過する通過孔と、前記通過孔の内面に開口し通過孔を通過する溶融金属に金属蒸気およびまたは金属粒子を供給する開口部と、金属蒸気を発生させ金属蒸気およびまたは金属粒子を前記開口部に供給する金属供給装置と、タンディッシュ下部に設けられたタンディッシュ内の溶融金属を鋳型に供給する浸漬ノズルと、鋳型とを有する溶融金属の連続鋳造装置。
  5. タンディッシュと、タンディッシュ下部に設けられタンディッシュ内の溶融金属を鋳型に供給する浸漬ノズルであって、前記浸漬ノズルの吐出口に設けられ吐出口を通過する溶融金属に金属蒸気およびまたは金属粒子を供給する開口部を有する浸漬ノズルと、金属蒸気を発生させ金属蒸気およびまたは金属粒子を前記開口部に供給する金属供給装置と、鋳型とを有する溶融金属の連続鋳造装置。
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