JP2018102211A - 抗硫酸フェニル誘導体抗体 - Google Patents

抗硫酸フェニル誘導体抗体 Download PDF

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Abstract

【課題】抗硫酸フェニル誘導体抗体、抗硫酸フェニル誘導体抗体をコードする抗体遺伝子、かかる抗体遺伝子を含むベクター、かかるベクターが導入された宿主細胞、抗硫酸フェニル誘導体抗体を産生するハイブリドーマ、生体試料中の硫酸フェニル誘導体を特異的に検出する方法、及び生体試料中の硫酸フェニル誘導体を特異的に検出するためのキットの提供。【解決手段】硫酸フェニルをハプテンとして結合させた物質を非ヒト動物に免疫して得られる、以下の一般式で表される化合物に特異的に結合する抗体およびその遺伝子。(RはH、ハロゲン原子、C1〜4のアルキル基、ニトロ基、又はアミノ基)【選択図】なし

Description

本発明は、硫酸フェニル誘導体に特異的に結合する抗体(抗硫酸フェニル誘導体抗体)、抗硫酸フェニル誘導体抗体をコードする抗体遺伝子、かかる抗体遺伝子を含むベクター、かかるベクターが導入された宿主細胞、抗硫酸フェニル誘導体抗体を産生するハイブリドーマ、抗硫酸フェニル誘導体抗体を用いて、生体試料中の硫酸フェニル誘導体を検出する方法、及び抗硫酸フェニル誘導体抗体を含む、生体試料中の硫酸フェニル誘導体を検出するためのキットに関する。
腎臓は、体内の恒常性(バランス)を調節する臓器である。腎機能の1つとして、血液中の老廃物や毒素(尿毒症物質)を取り込み、尿中に送り出して体外に排泄する作用がある。かかる腎機能が低下すると、本来腎臓で排泄されるべき尿毒症物質は、体内に蓄積されやすくなり、吐き気や食欲低下等の症状の他、腎臓における細胞が傷害され腎機能のさらなる低下を引き起こす。また、腎機能が低下した者は、健常者と較べ、脳卒中や心筋梗塞に罹患するリスクが高いことも知られている。したがって、このような尿毒症物質の蓄積により引き起こされる症状や疾患(尿毒症)を予防又は治療することは、吐き気や食欲低下等の症状や、腎障害の悪化を治療するだけでなく、脳卒中や心臓病を予防する観点からも必要となる。
硫酸フェニル(フェニルサルフェート)や硫酸インドキシル等の低分子の尿毒症物質を検出する場合、通常、液体クロマトグラフ質量分析計やガスクロマトグラフ質量分析計等の質量分析計が用いられる。最近では、硫酸インドキシルに対する抗体が作製され、かかる抗体を用いたEIA法により、尿中や血中の硫酸インドキシルをより簡便に検出する方法が報告されている(特許文献1、2)。一方、硫酸フェニルに対する抗体や、かかる抗体を用いて血中の硫酸フェニルを検出する方法はこれまで知られていなかった。
特開平10−265457号公報 国際公開2014/126230号パンフレット
本発明の課題は、抗硫酸フェニル誘導体抗体、抗硫酸フェニル誘導体抗体をコードする抗体遺伝子、かかる抗体遺伝子を含むベクター、かかるベクターが導入された宿主細胞、抗硫酸フェニル誘導体抗体を産生するハイブリドーマ、生体試料中の硫酸フェニル誘導体を特異的に検出する方法、及び生体試料中の硫酸フェニル誘導体を特異的に検出するためのキットを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を続けている。その過程において、硫酸フェニル誘導体の1つである硫酸フェニル(PS)をハプテンとし、かかる硫酸フェニルと、キャリアタンパク質の1つであるKLH(Keyhole Limpet Hemocyanin)とを、リンカーの1つであるKMUS(N-(11-Maleimidoundecanoyloxy)succinimide)を介して結合させた物質(KLH−KMUS−PS)を、抗原として用いたところ、硫酸フェニルに対する抗体を得ることができ、かかる抗体を詳細に解析したところ、硫酸フェニル誘導体に対して特異的に結合することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕下記一般式で表される化合物又はその医薬的に許容される塩若しくはエステル(以下、「本件硫酸フェニル誘導体」ということがある)に特異的に結合することを特徴とする抗体(以下、「本件抗体」ということがある)。
(式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、ニトロ基、又はアミノ基を表す)
〔2〕化合物が、以下の1)〜4)から選択される1又は2種以上の化合物であることを特徴とする上記〔1〕に記載の抗体。
1)硫酸フェニル(phenyl sulfate)

2)硫酸o−クレゾール(o-cresol sulfate)

3)硫酸p−ニトロフェノール(p-nitrophenol sulfate)

4)硫酸p−クロロフェノール(p-chlorophenol sulfate)
〔3〕配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる重鎖相補性決定領域(CDR)1、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、及び配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3と、
配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、配列番号5に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、及び配列番号6に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3とを含むか、或いは
配列番号11に示されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、配列番号12に示されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、及び配列番号13に示されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3と、
配列番号14に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、配列番号15に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、及び配列番号16に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3とを含む
ことを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載の抗体。
〔4〕配列番号7に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖可変領域と、配列番号8に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域とを含むか、或いは
配列番号17に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖可変領域と、配列番号18に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域とを含む
ことを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の抗体。
〔5〕配列番号9に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖とを含むか、或いは
配列番号19に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号20に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖とを含む
ことを特徴とする上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の抗体。
〔6〕上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の抗体をコードすることを特徴とする抗体遺伝子(以下、「本件抗体遺伝子」ということがある)。
〔7〕プロモーターと、該プロモーターの下流に作動可能に連結されていることを特徴とする上記〔6〕に記載の抗体遺伝子とを含むベクター(以下、「本件ベクター」ということがある)。
〔8〕上記〔7〕に記載のベクターが導入されていることを特徴とする宿主細胞(以下、「本件宿主細胞」ということがある)。
〔9〕上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の抗体を産生することを特徴とするハイブリドーマ(以下、「本件ハイブリドーマ」ということがある)。
〔10〕上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の抗体を用いて、生体試料中の下記一般式で表される化合物又はその医薬的に許容される塩若しくはエステルを検出することを特徴とする前記化合物の検出方法(以下、「本件検出方法」ということがある)。
(式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、ニトロ基、又はアミノ基を表す)
〔11〕生体試料が、血液、尿、又は組織であることを特徴とする上記〔10〕に記載の検出方法。
〔12〕化合物が、以下の1)〜4)から選択される1又は2種以上の化合物であることを特徴とする上記〔10〕又は〔11〕に記載の検出方法。
1)硫酸フェニル(phenyl sulfate)

2)硫酸o−クレゾール(o-cresol sulfate)

3)硫酸p−ニトロフェノール(p-nitrophenol sulfate)

4)硫酸p−クロロフェノール(p-chlorophenol sulfate)
〔13〕上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の抗体、又はその標識物を含むことを特徴とする、生体試料中の下記一般式で表される化合物又はその医薬的に許容される塩若しくはエステルの検出用キット(以下、「本件検出用キット」ということがある)。
(式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、ニトロ基、又はアミノ基を表す)
〔14〕生体試料が、血液、尿、又は組織であることを特徴とする上記〔13〕に記載の検出用キット。
〔15〕化合物が、以下の1)〜4)から選択される1又は2種以上の化合物であることを特徴とする上記〔13〕又は〔14〕に記載の検出用キット。
1)硫酸フェニル(phenyl sulfate)

2)硫酸o−クレゾール(o-cresol sulfate)

3)硫酸p−ニトロフェノール(p-nitrophenol sulfate)

4)硫酸p−クロロフェノール(p-chlorophenol sulfate)
本発明の実施の他の形態として、生体試料中の本件化合物の検出に使用するための本件抗体や、本件硫酸フェニル誘導体をハプテンとし、当該ハプテンを、リンカーを介してキャリアタンパク質に結合させた物質(抗原)を、非ヒト動物(例えば、マウス、ラット)に免疫する工程を備えた、本件硫酸フェニル誘導体に特異的に結合する抗体の製造方法を挙げることができる。かかる製造方法としては、細胞融合技術を用いて、本件硫酸フェニル誘導体に対する抗体を産生する細胞クローンを調製する工程や、上記抗原を固相化したプレートを用いたELISA法(好ましくは、本件硫酸フェニル誘導体をコンペティターとして用いたELISAの阻害アッセイ[阻害ELISA法])によるスクリーニングする工程を、さらに備えたものが好ましい。
本件抗体は、生体試料中の本件硫酸フェニル誘導体に特異的に結合する抗体である。かかる本件抗体を用いると、生体試料中の本件硫酸フェニル誘導体を特異的に検出することができ、特に、血液や尿中の、尿毒症物質の1つである硫酸フェニルを、質量分析計を用いて検出する従来法と比べ、時間帯効果及び費用対効果の面で優れている。このため、硫酸フェニル等の尿毒症物質に起因する症状又は疾患(尿毒症)の早期発見及び早期治療や予防が可能となり、QOL(Quality of Life)の向上や医療費削減等の効果が期待される。
硫酸フェニル抗原(BSA−KMUS−PS)固相化プレート、本件抗体(YKS19.2由来抗体[図1A]及びYK33.1由来抗体[図1B])を含むハイブリドーマ培養上清、HRP(Horseradish Peroxidase)標識した抗マウスIgG(本件抗体検出用2次抗体)、及び各種濃度(0、1、10、50、100、500、1000、及び3000μg/mL)の硫酸フェニル(コンペティター)(図の横軸)を用いたELISAの阻害アッセイ(阻害ELISA法)を行った結果を示す図である(平均値±標準偏差、n=3)。 硫酸フェニル抗原(BSA−KMUS−PS)固相化プレート、ビオチン化標識した本件抗体(YKS19.2由来抗体)、及び各種濃度(0、1、10、及び100μg/mL)のコンペティター8種(硫酸フェニル[phenyl sulfate][図2A]、硫酸o−クレゾール[o-cresol sulfate][図2B]、硫酸p−ニトロフェノール[p-nitrophenol sulfate][図2C]、硫酸キノリノール[quinolinol sulfate][図2D]、硫酸1−ナフトール[1-naphthol sulfate][図2E]、硫酸2−ナフトール[2-naphthol sulfate][図2F]、硫酸4−メチルウンベリフェリル[4-methylumbelliferyl sulfate][図2G]、及び硫酸インドキシル[Indoxyl sulfate][図2H])を含む血漿を用いて、阻害ELISA法を行った結果を示す図である(平均値、n=3)。縦軸の「B/Bo(%)」は、各種コンペティターについて、コンペティター非存在下(0μg/mL)におけるOD450の値を100としたときの、コンペティター存在下(1、10、及び100μg/mL)(図中の横軸)におけるOD450の値(相対値)を示す。 硫酸フェニル抗原(BSA−SMCC−PS)固相化プレート、ビオチン化標識した本件抗体(YKS19.2由来抗体)、及び各種濃度(0、1、10、及び100μg/mL)のコンペティター5種(硫酸フェニル[図3A]、硫酸o−クレゾール[図3B]、硫酸p−ニトロフェノール[図3C]、硫酸1−ナフトール[図3D]、及び硫酸インドキシル[図3E])を含む血漿を用いて、阻害ELISA法を行った結果を示す図である(平均値、n=2)。縦軸の「B/Bo(%)」は、各種コンペティターについて、コンペティター非存在下(0μg/mL)におけるOD450の値を100としたときの、コンペティター存在下(1、10、及び100μg/mL)(図中の横軸)におけるOD450の値(相対値)を示す。 硫酸フェニル抗原(BSA−SMCC−PS)固相化プレート、ビオチン化標識した本件抗体(YKS19.2由来抗体)、及び各種濃度(0、1、10、及び100μg/mL)のコンペティター5種(硫酸フェニル[図4A]、硫酸o−クレゾール[図4B]、硫酸p−ニトロフェノール[図4C]、硫酸1−ナフトール[図4D]、及び硫酸インドキシル[図4E])を含む血清を用いて、阻害ELISA法を行った結果を示す図である(平均値、n=2)。縦軸の「B/Bo(%)」は、各種コンペティターについて、コンペティター非存在下(0μg/mL)におけるOD450の値を100としたときの、コンペティター存在下(1、10、及び100μg/mL)(図中の横軸)におけるOD450の値(相対値)を示す。
本件抗体は、本件硫酸フェニル誘導体に特異的に結合する抗体であり、ここで「本件硫酸フェニル誘導体に特異的に結合する」とは、抗原−抗体間の特異性の高い認識機構によって、本件硫酸フェニル誘導体(好ましくは、血液又は尿中の本件硫酸フェニル誘導体)を認識し結合する抗体を意味する。したがって、本件抗体は、本件硫酸フェニル誘導体以外の化合物(好ましくは、血液又は尿中の本件硫酸フェニル誘導体以外の化合物)、例えば、以下に示す5種類の化合物(硫酸キノリノール、硫酸1−ナフトール、硫酸2−ナフトール、硫酸4−メチルウンベリフェリル、及び硫酸インドキシル)に対して特異的に結合するものではない。
硫酸キノリノール(quinolinol sulfate)

硫酸1−ナフトール(1-naphthol sulfate)

硫酸2−ナフトール(2-naphthol sulfate)

硫酸4−メチルウンベリフェリル(4-methylumbelliferyl sulfate)

硫酸インドキシル(Indoxyl sulfate)
本件抗体は、下記一般式で表される本件硫酸フェニル誘導体に特異的に結合する。
(式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、ニトロ基、又はアミノ基を表す)
本発明において、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
本発明において、炭素数1〜4のアルキル基とは、1〜4の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基を意味し、場合によりハロゲン原子、水酸基、カルボシキル基、アセチル基、アミノ基及びニトロ基のうち1つ以上の基によって置換されていてもよい。かかる炭素数1〜4のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシメチル基、アミノメチル基、カルボキシルメチル基、2−カルボキシルエチル基、が例示される。
上記一般式に含まれる化合物として、例えば、硫酸フェニル(phenyl sulfate)、硫酸o−クレゾール(o-cresol sulfate)、硫酸m−クレゾール(m-cresol sulfate)、硫酸p−クレゾール(p-cresol sulfate)、硫酸o−ニトロフェノール(o-nitrophenol sulfate)、硫酸m−ニトロフェノール(m-nitrophenol sulfate)、硫酸p−ニトロフェノール(p-nitrophenol sulfate)、硫酸o−クロロフェノール(o-chlorophenol sulfate)、硫酸m−クロロフェノール(m-chlorophenol sulfate)、硫酸p−クロロフェノール(p-chlorophenol sulfate)等を挙げることができる。これらの化合物のうち、硫酸フェニル、硫酸o−クレゾール、硫酸p−ニトロフェノール、及び硫酸p−クロロフェノールの構造式を以下に示す。
1)硫酸フェニル(phenyl sulfate)

2)硫酸o−クレゾール(o-cresol sulfate)

3)硫酸p−ニトロフェノール(p-nitrophenol sulfate)

4)硫酸p−クロロフェノール(p-chlorophenol sulfate)
本件抗体の由来、種類、クラス、形態等は特に制限されず、例えば本件抗体には、ヒト由来の抗体;マウス、ラット等の非ヒト動物由来の抗体;ポリクローナル抗体、オリゴクローナル抗体(数種〜数十種の抗体の混合物)、モノクローナル抗体;抗体の一部領域(例えば、定常領域)を異なる生物種由来の領域に置換したキメラ抗体又はヒト化抗体、モノクローナル抗体をペプシンで消化して得られるF(ab′)抗体フラグメント、F(ab′)抗体フラグメントを還元して得られるFab′抗体フラグメント、モノクローナル抗体をパパインで消化して得られるFab等の抗体フラグメント、抗体重(H)鎖可変領域と抗体軽(H)鎖可変領域とを、アミノ酸架橋によって連結させたscFv(1本鎖抗体);などが含まれる。
本件抗体は、分離されているものが好ましい。ここで「分離されている」とは、人為的操作によって、抗体を、本来存在する環境から取り出したり、抗体が本来存在する環境とは別の環境下で発現させる等して、抗体が本来存在している状態とは異なった状態で存在していることを意味する。すなわち、「分離されている抗体」には、ある個体由来の抗体であって、かつ外的操作(人為的操作)が施されずに、当該個体の体内中又は体内由来の組織若しくは体液(血液、血漿、血清等)中に含まれる状態の抗体は含まれない。また、本件抗体は、人為的操作によって作製した生物又は細胞から産生される抗体(例えば、ハイブリドーマから産生される抗体)が好ましい。かかる「人為的操作によって作製した生物又は細胞から産生される抗体」には、(人為的操作の施されていない)天然に存在する生物又はB細胞から産生される抗体は含まれない。
本件抗体は、通常、H鎖補性決定領域(CDR)1、H鎖CDR2、及びH鎖CDR3、並びにL鎖CDR1、L鎖CDR2、及びL鎖CDR3を有し、通常これらCDR1〜3の各領域のアミノ(N)末端及びカルボキシル(C)末端には、フレームワーク領域(FR)が連結されている。これらCDRとしては、本件抗体のH鎖及びL鎖が立体構造を形成したときに、各CDRが相互に近接することにより、本件硫酸フェニル誘導体に対する特異性が生じるものであればよく、具体的なCDR1〜3の組合せとしては、
(HC1−1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるH鎖CDR1、又は(HC1−1’)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1、2、又は3個のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列からなるH鎖CDR1、
(HC2−1)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるH鎖CDR2、又は(HC2−1’)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1、2、又は3個のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列からなるH鎖CDR2、及び
(HC3−1)配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるH鎖CDR3、又は(HC3−1’)配列番号3に示されるアミノ酸配列において、1、2、又は3個のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列からなるH鎖CDR3と、
(LC1−1)配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるL鎖CDR1、又は(LC1−1’)配列番号4に示されるアミノ酸配列において、1、2、又は3個のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列からなるL鎖CDR1、
(LC2−1)配列番号5に示されるアミノ酸配列からなるL鎖CDR2、又は(LC2−1’)配列番号5に示されるアミノ酸配列において、1、2、又は3個のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列からなるL鎖CDR2、及び
(LC3−1)配列番号6に示されるアミノ酸配列からなるL鎖CDR3、又は(LC3−1’)配列番号6に示されるアミノ酸配列において、1、2、又は3個のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列からなるL鎖CDR3と
の組合せや、
(HC1−2)配列番号11に示されるアミノ酸配列からなるH鎖CDR1、又は(HC1−2’)配列番号11に示されるアミノ酸配列において、1、2、又は3個のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列からなるH鎖CDR1、
(HC2−2)配列番号12に示されるアミノ酸配列からなるH鎖CDR2、又は(HC2−2’)配列番号12に示されるアミノ酸配列において、1、2、又は3個のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列からなるH鎖CDR2、及び
(HC3−2)配列番号13に示されるアミノ酸配列からなるH鎖CDR3、又は(HC3−2’)配列番号13に示されるアミノ酸配列において、1、2、又は3個のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列からなるH鎖CDR3と、
(LC1−2)配列番号14に示されるアミノ酸配列からなるL鎖CDR1、又は(LC1−2’)配列番号14に示されるアミノ酸配列において、1、2、又は3個のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列からなるL鎖CDR1、
(LC2−2)配列番号15に示されるアミノ酸配列からなるL鎖CDR2、又は(LC2−2’)配列番号15に示されるアミノ酸配列において、1、2、又は3個のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列からなるL鎖CDR2、及び
(LC3−2)配列番号16に示されるアミノ酸配列からなるL鎖CDR3、又は(LC3−2’)配列番号16に示されるアミノ酸配列において、1、2、又は3個のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列からなるL鎖CDR3と
の組合せを挙げることができ、これらの中でも、(HC1−1)のH鎖CDR1、(HC2−1)のH鎖CDR2、及び(HC3−1)のH鎖CDR3と、(LC1−1)のL鎖CDR1、(LC2−1)のL鎖CDR2、及び(LC3−1)のL鎖CDR3との組合せや、(HC1−2)のH鎖CDR1、(HC2−2)のH鎖CDR2、及び(HC3−2)のH鎖CDR3と、(LC1−2)のL鎖CDR1、(LC2−2)のL鎖CDR2、及び(LC3−2)のL鎖CDR3との組合せが好ましい。
上記FRのうちH鎖FRとしては、H鎖CDR1のN末端に連結されているH鎖FR1や、H鎖CDR1のC末端(H鎖CDR2のN末端)に連結されているH鎖FR2や、H鎖CDR2のC末端(H鎖CDR3のN末端)に連結されているH鎖FR3や、H鎖CDR3のC末端に連結されているH鎖FR4を挙げることができる。また、上記FRのうちL鎖FRとしては、L鎖CDR1のN末端に連結されているL鎖FR1や、L鎖CDR1のC末端(L鎖CDR2のN末端)に連結されているL鎖FR2や、L鎖CDR2のC末端(L鎖CDR3のN末端)に連結されているL鎖FR3や、L鎖CDR3のC末端に連結されているL鎖FR4を挙げることができる。
上記H鎖FR1としては、具体的には、(HF1)配列番号7で示されるアミノ酸配列の1〜21番目のアミノ酸残基からなるポリペプチド、又は配列番号17で示されるアミノ酸配列の1〜25番目のアミノ酸残基からなるポリペプチド、或いは(HF1’)これらポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドを挙げることができ、
上記H鎖FR2としては、具体的には、(HF2)配列番号7で示されるアミノ酸配列の29〜47番目のアミノ酸残基からなるポリペプチド、又は配列番号17で示されるアミノ酸配列の33〜51番目のアミノ酸残基からなるポリペプチド、或いは(HF2’)これらポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドを挙げることができ、
上記H鎖FR3としては、具体的には、(HF3)配列番号7で示されるアミノ酸配列の54〜94番目のアミノ酸残基からなるポリペプチド、又は配列番号17で示されるアミノ酸配列の58〜98番目のアミノ酸残基からなるポリペプチド、或いは(HF3’)これらポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドを挙げることができ、
上記H鎖FR4としては、具体的には、(HF4)配列番号7で示されるアミノ酸配列の102〜112番目のアミノ酸残基からなるポリペプチド、又は配列番号17で示されるアミノ酸配列の107〜117番目のアミノ酸残基からなるポリペプチド、或いは(HF4’)これらポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドを挙げることができる。
上記L鎖FR1としては、具体的には、(LF1)配列番号8で示されるアミノ酸配列の1〜22番目のアミノ酸残基からなるポリペプチド、又は配列番号18で示されるアミノ酸配列の1〜22番目のアミノ酸残基からなるポリペプチド、或いは(LF1’)これらポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドを挙げることができ、
上記L鎖FR2としては、具体的には、(LF2)配列番号8で示されるアミノ酸配列の34〜48番目のアミノ酸残基からなるポリペプチド、又は配列番号18で示されるアミノ酸配列の34〜48番目のアミノ酸残基からなるポリペプチド、或いは(LF2’)これらポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドを挙げることができ、
上記L鎖FR3としては、具体的には、(LF3)配列番号8で示されるアミノ酸配列の56〜87番目のアミノ酸残基からなるポリペプチド、又は配列番号18で示されるアミノ酸配列の56〜87番目のアミノ酸残基からなるポリペプチド、或いは(LF3’)これらポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドを挙げることができ、
上記L鎖FR4としては、具体的には、(LF4)配列番号8で示されるアミノ酸配列の97〜108番目のアミノ酸残基からなるポリペプチド、又は配列番号18で示されるアミノ酸配列の97〜108番目のアミノ酸残基からなるポリペプチド、或いは(LF4’)これらポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドを挙げることができる。
本件抗体におけるH鎖CDR1は、通常、Chothiaによる番号付けでH26〜32の位置に存在する。また、本件抗体におけるH鎖CDR2は、通常、Chothiaによる番号付け(文献「Chothia and Lesk(1987)J.Mol.Biol.196:901-917」参照)で、H52、H52A、及びH53〜56の位置に存在する。また、本件抗体におけるH鎖CDR3は、通常、Chothiaによる番号付けで、H95〜99、H101、及びH102の位置に存在する。また、本件抗体におけるL鎖CDR1は、通常、Chothiaによる番号付けでL24〜34の位置に存在する。本件抗体におけるL鎖CDR2は、通常、Chothiaによる番号付けでL50〜56の位置に存在する。また、本件抗体におけるL鎖CDR3は、通常、Chothiaによる番号付けでL89〜97の位置に存在する。
本件抗体としては、配列番号7に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるH鎖可変領域と、配列番号8に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるL鎖可変領域とを含むものや、配列番号17に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるH鎖可変領域と、配列番号18に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるL鎖可変領域とを含むものを挙げることができ、特に、配列番号9に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるH鎖と、配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるL鎖とを含むものや、配列番号19に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるH鎖と、配列番号20に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるL鎖とを含むものを具体的に例示することができる。
本件抗体遺伝子としては、本件抗体をコードする抗体遺伝子であれば特に制限されず、例えば、
(HC1−1)配列番号21に示されるヌクレオチド配列からなるH鎖CDR1遺伝子(配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるH鎖CDR1をコードする遺伝子)、又は当該H鎖CDR1遺伝子の縮重コドン改変体、
(HC2−1)配列番号22に示されるヌクレオチド配列からなるH鎖CDR2遺伝子(配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるH鎖CDR2をコードする遺伝子)、又は当該H鎖CDR1遺伝子の縮重コドン改変体、及び
(HC3−1)配列番号23に示されるヌクレオチド配列からなるH鎖CDR3遺伝子(配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるH鎖CDR3をコードする遺伝子)、又は当該H鎖CDR1遺伝子の縮重コドン改変体と、
(LC1−1)配列番号24に示されるヌクレオチド配列からなるL鎖CDR1遺伝子(配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるL鎖CDR1をコードする遺伝子)、又は当該L鎖CDR1遺伝子の縮重コドン改変体、
(LC2−1)配列番号25に示されるヌクレオチド配列からなるL鎖CDR2遺伝子(配列番号5に示されるアミノ酸配列からなるL鎖CDR2をコードする遺伝子)、又は当該L鎖CDR2遺伝子の縮重コドン改変体、及び
(LC3−1)配列番号26に示されるヌクレオチド配列からなるL鎖CDR3遺伝子(配列番号6に示されるアミノ酸配列からなるL鎖CDR3をコードする遺伝子)、又は当該L鎖CDR3遺伝子の縮重コドン改変体とを含むものや、
(HC1−2)配列番号31に示されるヌクレオチド配列からなるH鎖CDR1遺伝子(配列番号11に示されるアミノ酸配列からなるH鎖CDR1をコードする遺伝子)、又は当該H鎖CDR1遺伝子の縮重コドン改変体、
(HC2−2)配列番号32に示されるヌクレオチド配列からなるH鎖CDR2遺伝子(配列番号12に示されるアミノ酸配列からなるH鎖CDR2をコードする遺伝子)、又は当該H鎖CDR1遺伝子の縮重コドン改変体、及び
(HC3−2)配列番号33に示されるヌクレオチド配列からなるH鎖CDR3遺伝子(配列番号13に示されるアミノ酸配列からなるH鎖CDR3をコードする遺伝子)、又は当該H鎖CDR1遺伝子の縮重コドン改変体と、
(LC1−2)配列番号34に示されるヌクレオチド配列からなるL鎖CDR1遺伝子(配列番号14に示されるアミノ酸配列からなるL鎖CDR1をコードする遺伝子)、又は当該L鎖CDR1遺伝子の縮重コドン改変体、
(LC2−2)配列番号35に示されるヌクレオチド配列からなるL鎖CDR2遺伝子(配列番号15に示されるアミノ酸配列からなるL鎖CDR2をコードする遺伝子)、又は当該L鎖CDR2遺伝子の縮重コドン改変体、及び
(LC3−2)配列番号36に示されるヌクレオチド配列からなるL鎖CDR3遺伝子(配列番号16に示されるアミノ酸配列からなるL鎖CDR3をコードする遺伝子)、又は当該L鎖CDR3遺伝子の縮重コドン改変体とを含むものを挙げることができる。
さらに本件抗体遺伝子としては、
配列番号27に示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するヌクレオチド酸配列からなるH鎖可変領域遺伝子(配列番号7に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるH鎖可変領域をコードする遺伝子)と、配列番号28に示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するヌクレオチド酸配列からなるL鎖可変領域遺伝子(配列番号8に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるL鎖可変領域をコードする遺伝子)とを含むものや、
配列番号37に示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するヌクレオチド酸配列からなるH鎖可変領域遺伝子(配列番号17に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるH鎖可変領域をコードする遺伝子)と、配列番号38に示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するヌクレオチド酸配列からなるL鎖可変領域遺伝子(配列番号18に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるL鎖可変領域をコードする遺伝子)とを含むものを具体的に例示することができる。
特に本件抗体遺伝子としては、
配列番号29に示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するヌクレオチド酸配列からなるH鎖遺伝子(配列番号9に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるH鎖をコードする遺伝子)と、配列番号30に示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するヌクレオチド酸配列からなるL鎖遺伝子(配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるL鎖をコードする遺伝子)とを含むものや、
配列番号39に示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するヌクレオチド酸配列からなるH鎖遺伝子(配列番号19に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるH鎖をコードする遺伝子)と、配列番号40に示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するヌクレオチド酸配列からなるL鎖遺伝子(配列番号20に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるL鎖をコードする遺伝子)とを含むものを具体的に例示することができる。
本明細書において、「少なくとも80%以上の同一性」とは、同一性が80%以上であることを意味し、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、さらに好ましくは90%以上、さらにより好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上、特により好ましくは98%以上、最も好ましくは100%の同一性を意味する。
本件ベクターにおけるプロモーターとしては、プロモーターの下流に位置する本件抗体遺伝子がコードするmRNAの転写を開始させる領域であればよく、プロモーターには、通常転写開始点(TSS)が含まれる。
本件ベクターにおけるプロモーターや本件ベクターは、導入する宿主細胞(又は宿主生物)の種類に応じて適宜選択することができる。
宿主細胞として酵母(例えば、Saccharomyces Cerevisiae、Schizosaccharomyces Pombe等)を用いる場合、本件ベクターとしては、例えば、YEP13(ATCC37115)、YEp24(ATCC37051)、YCp50(ATCC37419)等のベクター又はかかるベクター由来のものを挙げることができ、プロモーターとしては、例えば、ヘキソースキナーゼ等の解糖系の遺伝子のプロモーター、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、gal1プロモーター、gal10プロモーター、ヒートショックタンパク質プロモーター、MFα1プロモーター、CUP1プロモーターなどを挙げることができる。
また、宿主細胞として哺乳動物細胞(例えば、ヒト由来のナマルバ[Namalwa]細胞、サル由来のCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣由来のCHO細胞等)を用いる場合、本件ベクターとしては、例えば、pcDNAI、pcDM8(フナコシ社製)、pAGE107(特開平3−22979号公報;Cytotechnology,3,133,(1990))、pAS3−3(特開平2−227075号公報)、pCDM8(Nature,329,840,(1987))、pcDNAI/Amp(Invitrogen社製)、pREP4(Invitrogen社製)、pAGE103(J.Biochemistry,101,1307(1987))、pAGE210等のベクター又はかかるベクター由来のものを挙げることができ、プロモーターとしては、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)のIE(immediate early)遺伝子のプロモーター、SV40の初期プロモーター、レトロウイルスのプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒートショックプロモーター、SRαプロモーター等を挙げることができる。
また、宿主細胞として昆虫細胞(例えば、Spodopterafrugiperdaの卵巣細胞であるSf9細胞、Sf21細胞、Trichoplusianiの卵巣細胞であるHigh5細胞等)を用いる場合、本件ベクターとしては、例えば、組換えバキュロウイルス作製法において用いられるトランスファーベクター、具体的には、pVL1392、pVL1393、pBlueBacIII(ともにInvitorogen社製)等のベクター又はかかるベクター由来のものを挙げることができ、プロモーターとしては、例えば、ポリヘドリンプロモーター、p10プロモーター等を挙げることができる。
また、宿主細胞として植物細胞(例えば、タバコ、ジャガイモ、トマト、ニンジン、ダイズ、アブラナ、アルファルファ、イネ、コムギ、オオムギ等)を用いる場合、発現ベクターとしては、例えば、Tiプラスミド、タバコモザイクウイルスベクター等のベクター又はかかるベクター由来のものを挙げることができ、プロモーターとしては、例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sプロモーター、イネアクチン1プロモーター等を挙げることができる。
本件ベクターとしては、遺伝子発現効率をさらに高めるために、エンハンサー領域やリボソーム結合領域(RBS;ribosome binding site)の塩基配列をさらに含むものや、本件宿主細胞のスクリーニングのために、宿主細胞の種類に応じた薬剤耐性遺伝子(例えば、スペクチノマイシン耐性遺伝子、クロラムフェニコール耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ピューロマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ブラストサイジン耐性遺伝子、ジェネティシン耐性遺伝子等)をさらに含むものが好ましい。エンハンサー領域は、通常プロモーターの上流に配置され、RBSは、通常プロモーターと本件遺伝子の間に配置される。本件ベクターに組み込む本件抗体遺伝子のヌクレオチド配列は、発現させる宿主細胞に合わせてコドン配列の最適化がされていてもよい。本件ベクターは、遺伝子組み換え技術を用いて公知の方法により作製することができる。
本件宿主細胞の生物種としては、本件抗体遺伝子のmRNAが転写され、本件抗体タンパク質が発現されるものであればよく、例えば、酵母(例えば、Saccharomyces Cerevisiae、Schizosaccharomyces Pombe等)、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、サル等)、昆虫(例えば、Spodopterafrugiperda、Trichoplusiani等)を挙げることができる。
本件ハイブリドーマとしては、本件抗体を産生する、2又は3以上の細胞(好ましくは哺乳動物細胞)が融合して得られた細胞(融合細胞)であればよく、本件抗体を産生するB細胞と、増殖能を有する細胞(例えば、ミエローマ細胞)との融合細胞が好ましい。
本件宿主細胞は、本件ベクターを、宿主細胞の種類に応じた方法により、宿主細胞へ導入(トランスフェクション)することにより得ることができる。
宿主細胞として上記酵母を用いる場合、本件ベクターの酵母への導入方法としては、酵母にDNAを導入する方法であればよく、例えば、エレクトロポレーション法(Methods.Enzymol.,194,182(1990))、スフェロプラスト法(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A,84,1929(1978))、酢酸リチウム法(J.Bacteriology,153,163(1983))等の方法を挙げることができる。
また、宿主細胞として上記哺乳動物細胞を用いる場合、本件ベクターの哺乳動物細胞への導入方法としては、哺乳動物細胞にDNAを導入する方法であればよく、例えば、エレクトロポレーション法(Cytotechnology,3,133(1990))、リン酸カルシウム法(特開平2−227075号公報)、リポフェクション法(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,84,7413(1987))等の方法を挙げることができる。
また、宿主細胞として上記昆虫細胞を用いる場合、本件ベクターの昆虫細胞への導入方法としては、例えば「Current Protocols in Molecular Biology」、「Baculovirus Expression Vectors,A Laboratory Manual,W.H.Freeman and Company,New York(1992)」、「Bio/Technology,6,47(1988)」等に記載の方法にしたがって、本件ベクター(トランスファーベクター)と、バキュロウイルス由来のゲノムDNAとを上記昆虫細胞にコトランスフェクションし、組換えバキュロウイルスを作製する方法を挙げることができる。かかるコトランスフェクションの方法としては、例えば、リン酸カルシウム法(特開平2−227075号公報)、リポフェクション法(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,84,7413(1987)等の方法を挙げることができる。
また、宿主細胞として上記植物細胞を用いる場合、本件ベクターの植物細胞への導入方法としては、例えば、アグロバクテリウム(Agrobacterium)を用いる方法(特開昭59−140885号公報、特開昭60−70080号公報)、エレクトロポレーション法(特開昭60−251887号公報)、パーティクルガン(遺伝子銃)を用いる方法(日本特許第2606856号公報、日本特許第2517813号公報)等の方法を挙げることができる。
本件抗体は、上述の方法で得られた本件宿主細胞を、宿主細胞に応じた培養液中で培養することにより得ることができる。特に、キメラ抗体は、特開2005−245337号公報に記載の技術に基づいて作製することができる。
また、トランスジェニック動物作製技術を用いて本件抗体遺伝子(本件ベクター)が組み込まれたマウス、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ニワトリ、ブタ等のトランスジェニック動物を作製し、かかるトランスジェニック動物の血液、ミルク中などから本件抗体遺伝子に由来する抗体を大量に産生することもできる。
さらに、本件硫酸フェニル誘導体をハプテンとし、当該ハプテンを、リンカーを介してキャリアタンパク質に結合させた物質(抗原)を、非ヒト動物(例えば、マウス、ラット)に免疫し、細胞融合技術を用いて、本件硫酸フェニル誘導体に対する抗体を産生する細胞クローンを調製し、上記抗原を固相化したプレートを用いたELISA法(好ましくは、本件硫酸フェニル誘導体をコンペティターとして用いたELISAの阻害アッセイ[阻害ELISA法])によるスクリーニングにより、本件ハイブリドーマや、本件抗体を含む培養上清を得ることができる。本件抗体は、かかる培養上清から公知の抗体精製技術を用いて分離し、精製することができる。
上記キャリアタンパク質としては、通常抗原の作製にあたり慣用される天然又は合成の高分子タンパク質を広く使用することができる。例えば、keyhole limpet hemocyanin(KLH)、牛血清アルブミン(BSA)、オボアルブミン(OVA)、馬血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、ヒツジ血清アルブミン、ウサギ血清アルブミン、卵白アルブミン等の動物アルブミン類、牛血清グロブリン、馬血清グロブリン、ヒト血清グロブリン、ヒツジ血清グロブリン、ウサギ血清グロブリン、卵グロブリン等の動物のグロブリン類、牛チログロブリン、馬チログロブリン、ヒトチログロブリン、ヒツジチログロブリン、ウサギチログロブリン等の動物のチログロブリン類、牛ヘモグロビン、馬ヘモグロビン、ヒトヘモグロビン、ヒツジヘモグロビン、ウサギヘモグロビン等の動物のヘモグロビン類、動物のヘモシアニン類、ポリリジン、ポリグルタミン酸、リジン−グルタミン酸共重合体等を挙げることができる。
上記ハプテン(本件硫酸フェニル誘導体)と、キャリアタンパク質とを結合させる場合に用いるリンカーとしては、タンパク質又はペプチド同士の連結に通常使用されるものであれば特に限定されない。このうち、SH基とアミノ基を架橋するヘテロ二価反応試薬が好ましく、具体的には、−(4−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミド(N-(11-Maleimidoundecanoyloxy)succinimide:KMUS)、N−(4−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミド(N-(4-Maleimidobutyryloxy) succineimide:GMBS)、スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレート(succinimidyl-4- (N-maleimidomethyl) cyclohexane-1-carboxylate:SMCC)、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミド(MBS)、N−(6−マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミド(EMCS)、N−(8−マレイミドカプリルオキシ)スクシンイミド(HMCS)、N−((4−(2−マレイミドエトキシ)スクシニル)オキシ)スクシンイミド(MESS)、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスルホスクシンイミド(sulfo−MBS)、N−(4−マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミド(sulfo−GMBS)、N−(6−マレイミドカプロイルオキシ)スルホスクシンイミド(sulfo−EMCS)、N−(8−マレイミドカプリルオキシ)スルホスクシンイミド(sulfo−HMCS)、N−(11−マレイミドウンデカノイルオキシ)スルホスクシンイミド(sulfo−KMUS)、スルホスクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレート(sulfo−SMCC)等を挙げることができる。
本件検出方法としては、本件抗体を用いて、生体試料中の本件硫酸フェニル誘導体を検出する工程を備えた方法であればよく、具体的な検出方法としては、本件抗体を用いた免疫組織化学染色法;ELISA(Emzyme-linked immunosorbent assay)法、阻害ELISA法等のEIA(Enzyme immunoassay)法;RIA(Radioimmunoassay)法;などを挙げることができる。
本件検出用キットとしては、「生体試料中の本件硫酸フェニル誘導体を検出するため」という用途に限定された、本件抗体又はその標識物を含むキットであり、かかるキットには、一般にこの種のキットに用いられる成分、例えば担体、pH緩衝剤、安定剤の他、取扱説明書、生体試料中の本件硫酸フェニル誘導体を検出するための説明書等の添付文書が通常含まれる。
上記本件抗体の標識物における標識物質としては、例えば、ペルオキシダーゼ(例えば、horseradish peroxidase)、アルカリフォスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコ−ス−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、アルコール脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ペニシリナーゼ、カタラーゼ、アポグルコースオキシダーゼ、ウレアーゼ、ルシフェラーゼ若しくはアセチルコリンエステラーゼ等の酵素、フルオレスセインイソチオシアネート、フィコビリタンパク、希土類金属キレート、ダンシルクロライド若しくはテトラメチルローダミンイソチオシアネート等の蛍光物質、緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescence Protein;GFP)、シアン蛍光タンパク質(Cyan Fluorescence Protein;CFP)、青色蛍光タンパク質(Blue Fluorescence Protein;BFP)、黄色蛍光タンパク質(Yellow Fluorescence Protein;YFP)、赤色蛍光タンパク質(Red Fluorescence Protein;RFP)、ルシフェラーゼ(luciferase)等の蛍光タンパク質、H 、14C、125I若しくは131I等の放射性同位体、ビオチン、アビジン、又は化学発光物質を挙げることができる。
上記生体試料としては、本件硫酸フェニル誘導体が含まれる、被験者等の生体由来の試料であればよく、組織、細胞、器官等の非液性試料や、血液、尿、唾液等の液性試料を挙げることができ、これらの中でも血液(血漿、血清)、尿、又は組織が好ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。なお、本実施例で使用した試薬のメーカーや品番を表1に示す。
1.抗原の合成方法
1−1 4−メルカプトフェニルサルフェートカリウム塩の合成
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド(4mmol)とSO・ピリジン(12mmol)をピリジン(8mL)中に混合し、45℃で2時間撹拌した。反応後、氷冷下にて水酸化カリウム水溶液(1M、20mL)をゆっくり滴下し、イソプロパノールを約100mL加えて冷蔵庫に終夜静置した。沈殿物をろ取し、エタノール:水=3:1の溶液を160mL加え、超音波照射にて溶解させたのち、冷蔵庫に終夜静置した。沈殿物をろ取することにより中間体のジスルフィドジサルフェート体が得られた。得られた化合物は、H−NMR、高分解能質量分析計(HRMS)により同定した(文献「Edwards, D. R.; Lohman, D. C.; Wolfenden, R. Journal of the American Chemical Society 2012, 134, 525.」参照)。
次いで、中間体のジスルフィドジサルフェート体とポリスチレンビーズ担持トリフェニルホスフィン(2.39mmol/g)をメタノール−水(1:1)中に混合し、120℃で終夜撹拌する。反応後、ビーズをろ過することで目的物の4−メルカプトフェニルサルフェートカリウム塩を得た。生成物はHRMSにより確認した。
1−2 フェニルサルフェート(PS)-スカシガイのヘモシアニン(keyhole limpet hemocyanin;KLH)複合体の作製
KLH(10mg)を1×PBS溶液(1mL)にて懸濁させ、室温下、20,400×gにて5分間の遠心後その上清を分取した。DMSOにて20mg/mLに調製したN-(11-Maleimidoundecanoyloxy)succinimide(以下、「KMUS」という)(DOJINDO社製)を25μL添加し(モル比1:400)、室温にて30分間混合した。4℃条件下20,400×gにて5分間の遠心を行い、その上清を1×PBS溶液で平衡化したPD−10脱塩カラム(GEヘルスケア社製)にて分離させ、フラクションコレクターによって分取した。ブラッドフォード法にてタンパク質濃度が高い分画溶液を回収して約3mLの溶液を得た。この溶液1.5mLに対して、上記「1−1」で合成した4−メルカプトフェニルサルフェートカリウム塩15μmol(KLHとの推定モル比1:10,000)を加えて、室温にて終夜混合した。セルロース膜内に封入し、1×PBS溶液中で透析処理を行い、0.22μmフィルターにてろ過滅菌処理したものを抗原として使用した。この抗原をKLH−KMUS−PSと称する。
1−3 フェニルサルフェート−各種アルブミン複合体の作製
ウシ血清アルブミン(Bovine serum albumin, BSA)3mg及びオボアルブミン(Ovalbumin;OVA)10mgに対して、それぞれKMUSをモル比1:147,1:40の量を用いて上記「1−2」と同様の方法を行い、それぞれの複合体を作製し、ELISA用の固相抗原として用いた。この抗原をそれぞれBSA−KMUS−PS、及びOVA−KMUS−PSと称する。
BSAについては、10mgに対して、リンカーとしてN-(4-Maleimidobutyryloxy) succineimide(以下、GMBS)(DOJINDO社製)、又はsuccinimidyl-4- (N-maleimidomethyl) cyclohexane-1-carboxylate(以下、「SMCC」という)(Thermo Fisher Scientific社製)をそれぞれモル比1:100の量を用いて上記「1−2」と同様の方法を行い、各々の複合体を作製し、ELISA用の固相抗原として用いた。この抗原をそれぞれBSA−GMBS−PS、BSA−SMCC−PSと称する。
1−4 類似化合物の購入先情報や合成プロトコル
フェノール誘導体(10mmol)とSO・ピリジン(12mmol)をピリジン(10mL)中に混合し、45℃で2時間撹拌した。反応後、氷冷下にて水酸化カリウム水溶液(1M、50mL)をゆっくり滴下し、イソプロパノールを約200mL加えて冷蔵庫に終夜静置した。沈殿物をろ取し、加温しながらメタノールに溶解させた。不溶物を除き、メタノール溶解液を加温・濃縮して再結晶することにより目的物のサルフェート体が得られた。得られた化合物は、H−NMR、13C−NMR、HRMSにより同定し、単一化合物であることを確認した。元素分析による測定精度は±0.3以内であった(文献「Edwards, D. R.; Lohman, D. C.; Wolfenden, R. Journal of the American Chemical Society 2012, 134, 525.」参照)。
2.本件抗体の作製
2−1 方法
[抗原感作したマウス由来の脾臓細胞の調製]
以下の手順[1]〜[4]にしたがって、抗原感作したマウス由来の脾臓細胞を調製した。
[1]免疫用の抗原(KLH−KMUS−PS)100μgを、PBS溶液に溶解し、アジュバンド(Imject Freund's Complete Adjuvant[Thermo Fisher Scientific社製])を混合して免疫用抗原(100μg/200μL)を調製し、BALB/Cマウス(8週齢、雌)1匹又は2匹の腹腔内に免疫した。
[2]初回免疫4週間後、KLH−KMUS−PS 100μgと、Imject Freund's Complete Adjuvantとの混合液200μLを調製し、初回免疫同様に、腹腔内に追加免疫した。
[3]追加免疫16日又は9日後、KLH−KMUS−PS 100μgを、PBS溶液に溶解して免疫用抗原(100μg/200μL)を調製し、腹腔内に最終免疫した。
[4]最終免疫3日後、BALB/Cマウスから脾臓を摘出し、赤血球を溶血処理した後、細胞融合に用いる脾臓細胞を定法にしたがって調製した。
[ハイブリドーマの調製]
以下の手順[1]〜[8]にしたがって、脾臓細胞からハイブリドーマの調製を行った。なお、細胞の培養は、COインキュベーター(5%CO/20%O、湿度95%、37℃)内で行った。
[1]上記[抗原感作したマウス由来の脾臓細胞の調製]の項目に記載の方法にしたがって調製した脾臓細胞と、SP2/0−Ag14ミエローマ細胞(約1×10個)とを、50mL遠沈管に回収し、RPMI1640液体培地で2回洗浄した。
[2]37℃に加温したポリエチレングリコール1500(PEG1500)(Roche社製)1mLをゆっくり加えて撹拌した後、37℃のウォーターバス中で1分間穏やかに撹拌し、さらに1分間静置した。
[3]37℃に加温したPEG1500を1mL、10mLの順にゆっくり加えた後、50mLとなるようにRPMI1640液体培地を加えた。
[4]上記[2]及び[3]の操作による細胞融合処理後、遠心処理し、上清(PEG1500を含むRPMI1640液体培地)を除去した後、細胞を、10% FBS、100unit/mL ペニシリン、100μg/mL ストレプトマイシン、及び50μM 2−メルカプトエタノールを含むRPMI1640液体培地(以下、「RPMI1640培養液」という)80mLに懸濁し、8枚の96ウェルマイクロプレートに100μL/ウェルとなるように播種した。
[5]1日間培養後、2×HAT(200μM ヒポキサンチンナトリウム塩、0.8μMアミノプテリン、32μM チミジン)を含むRPMI1640培養液(以下、「HAT培養液」という) 100μL/ウェルを添加し、約1週間培養することにより、融合細胞の選択を行った。
[6]HAT培養液を一部回収し、硫酸フェニルに対する反応性を解析するために、ELISA用固相抗原4種(BSA、BSA−KMUS−PS、OVA、及びOVA−KMUS−PS)を用いたELISA法を行った。
[7]硫酸フェニルを含むELISA用固相抗原2種(BSA−KMUS−PS、及びOVA−KMUS−PS)に、反応性(陽性)を示すハイブリドーマを選択し、マウス胸腺細胞とともに1×HT(100μM ヒポキサンチンナトリウム塩、16μM チミジン)を含むRPMI1640培養液(以下、「HT培養液」という)に懸濁した後、1細胞/ウェルとなるように96ウェルマイクロプレートに播種し、1週間程度培養することによりシングルクローン化を行った。
[8]シングルクローン化したハイブリドーマの中から、硫酸フェニルを含む抗原3種(BSA−KMUS−PS、BSA−GMBS−PS、及びBSA−SMCC−PS)に陽性を示すクローンを選別した後、PBSにて10倍希釈したハイブリドーマ培養上清と、HRP標識した抗マウスIgG(本件抗体検出用2次抗体)と、硫酸フェニル(コンペティター)とを用いた阻害ELISA法によりスクリーニングを行い、硫酸フェニルに結合する抗体を産生するハイブリドーマクローン2種(YKS19.2及びYK33.1)を取得した(図1参照)。なお、阻害ELISA法は、以下の[阻害ELISA法]の項目に記載の方法において、ビオチン化処理した抗体に代えて、10倍希釈したハイブリドーマ培養上清を用い、HRP標識したストレプトアビジンに代えて、HRP標識した抗マウスIgGを用いて行った。
[阻害ELISA法]
以下の手順[1]〜[10]にしたがって、阻害ELISA法を行った。なお、抗体量が抗原量に対して過剰量にならない条件を選択するために、あらかじめタイトレーション(濃度検定)を行った。
[1]ハイブリドーマYKS19.2及びYK33.1の培養上清を、定法にしたがってアフィニティー精製し、抗体精製物を調製した後、YKS19.2由来抗体及びYK33.1由来抗体を、定法にしたがってビオチン化処理した。
[2]0.5μg/mLの硫酸フェニルを含む抗原2種(BSA−KMUS−PS、及びBSA−SMCC−PS)を、Nunc Maxisorp 96-well microplate (Thermo Fisher Scientific社製)の各ウェルに50μLずつ分注し、4℃で24時間インキュベートすることにより、固相化処理を行った。
[3]抗原溶液を除去した後、1×PBS溶液150μLにて各ウェルを4回ずつ洗浄した。
[4]1%BSA/1×PBS溶液を各ウェルに200μLずつ添加し、4℃で2時間以上インキュベートすることにより、ブロッキング処理を行った。
[5]ブロッキング溶液を除去した後、1×PBS溶液200μLにて各ウェルを1回ずつ洗浄し、固相化プレート2種(BSA−KMUS−PS固相化プレート及びBSA−SMCC−PS固相化プレート)を調製した。
[6]各種濃度(0、1、10、100μg/mL)のコンペティター9種(硫酸フェニル、硫酸o−クレゾール、硫酸p−ニトロフェノール、硫酸p−クロロフェノール、硫酸キノリノール、硫酸1−ナフトール、硫酸2−ナフトール、硫酸4−メチルウンベリフェリル、及び硫酸インドキシル)を含む血漿(ヒトプール血漿[Biopredic社製])又は血清(ヒトプール血清[日水製薬社製])を調製し、BSA−KMUS−PS固相化プレート及びBSA−SMCC−PS固相化プレートの各ウェルに25μLずつ分注した。
[7]ビオチン化処理した抗体2種(YKS19.2由来抗体及びYK33.1由来抗体)(1μg/mL)25μLを、固相プレートの各ウェルに添加し、攪拌した後、4℃で1時間インキュベートすることにより、抗原(BSA−KMUS−PS、又はBSA−SMCC−PS)と、抗体(YKS19.2由来抗体、又はYK33.1由来抗体)の結合を競合的に阻害した。
[8]各ウェルを、0.05%Tween20/1×PBS溶液170μLにて5回ずつ洗浄し、HRP標識したストレプトアビジン(BioLegend社製)の2000倍希釈溶液を50μLずつ添加し、4℃で1時間インキュベートすることにより、2次抗体反応を行った。
[9]各ウェルを、0.05%Tween20/1×PBS溶液150μLにて5回ずつ洗浄し、HRPの基質溶液である1×TMB(3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン)(eBiosience社製)を50μLずつ添加し、室温で15〜60分間インキュベートした。
[10]1mol/Lのリン酸溶液を50μLずつ加えることにより、HRPとTMBの反応を停止させた。反応が完全に停止したことを目視で確認し、450nmにおける吸光度(OD450)(図1の縦軸)をプレートリーダーにて測定した。
2−2 結果
[本件抗体を産生するハイブリドーマの単離]
硫酸フェニルを含む抗原(KLH−KMUS−PS)をマウスに免疫した結果、硫酸フェニルに結合する抗体を産生するハイブリドーマクローン2種(YKS19.2及びYK33.1)が得られた(図1参照)。また、阻害ELISA法による解析を行った結果、かかるハイブリドーマクローンから精製された抗体(YKS19.2由来抗体)は、血漿又は血清中の本件硫酸フェニル誘導体(硫酸フェニル、硫酸o−クレゾール、硫酸p−ニトロフェノール、及び硫酸p−クロロフェノール)に結合することが示された(図2〜4参照)。一方、血漿又は血清中の本件硫酸フェニル誘導体以外の化合物(硫酸キノリノール、硫酸1−ナフトール、硫酸2−ナフトール、硫酸4−メチルウンベリフェリル、及び硫酸インドキシル)に対しては、結合性を示さなかった(図2〜4参照)。
これらの結果は、本件抗体は、血液試料(血清、血漿)等の生体試料中の本件硫酸フェニル誘導体(硫酸フェニル、硫酸o−クレゾール、硫酸p−ニトロフェノール、及び硫酸p−クロロフェノール)に対して特異的に結合する抗体であることが示された。
[本件抗体遺伝子の同定]
ハイブリドーマクローン2種(YKS19.2及びYK33.1)を基に、定法にしたがって同定した本件抗体(YKS19.2由来抗体及びYK33.1由来抗体)遺伝子のヌクレオチド配列と、それらがコードするアミノ酸配列を表2及び3に示す。また、抗体H鎖CDR1は、Chothiaによる番号付けでH26〜32の位置に存在し、抗体H鎖CDR2は、Chothiaによる番号付けで、H52、H52A、及びH53〜56の位置に存在し、抗体H鎖CDR3は、Chothiaによる番号付けで、H95〜99、H101、及びH102の位置に存在することが知られている。また、抗体L鎖CDR1は、Chothiaによる番号付けでL24〜34の位置に存在し、抗体L鎖CDR2は、Chothiaによる番号付けでL50〜56の位置に存在し、抗体L鎖CDR3は、Chothiaによる番号付けでL89〜97の位置に存在することが知られている。かかる点を考慮して、同定した本件抗体遺伝子のヌクレオチド配列情報と、それらがコードするアミノ酸配列情報を基に、CDR1〜3のヌクレオチド配列及びアミノ酸配列を、Chothiaによる番号付けで特定した(表2及び3参照)。
本発明は、硫酸フェニル等の尿毒症物質に起因する症状又は疾患(尿毒症)の早期発見及び早期治療や予防の他、QOL向上や医療費削減等に資するものである。

Claims (15)

  1. 下記一般式で表される化合物又はその医薬的に許容される塩若しくはエステルに特異的に結合することを特徴とする抗体。
    (式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、ニトロ基、又はアミノ基を表す)
  2. 化合物が、以下の1又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の抗体。
  3. 配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる重鎖相補性決定領域(CDR)1、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、及び配列番号3に示されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3と、
    配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、配列番号5に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、及び配列番号6に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3とを含むか、或いは
    配列番号11に示されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、配列番号12に示されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、及び配列番号13に示されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3と、
    配列番号14に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、配列番号15に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、及び配列番号16に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3とを含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の抗体。
  4. 配列番号7に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖可変領域と、配列番号8に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域とを含むか、或いは
    配列番号17に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖可変領域と、配列番号18に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域とを含む
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の抗体。
  5. 配列番号9に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖とを含むか、或いは
    配列番号19に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号20に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖とを含む
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の抗体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の抗体をコードすることを特徴とする抗体遺伝子。
  7. プロモーターと、該プロモーターの下流に作動可能に連結されていることを特徴とする請求項6に記載の抗体遺伝子とを含むベクター。
  8. 請求項7に記載のベクターが導入されていることを特徴とする宿主細胞。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の抗体を産生することを特徴とするハイブリドーマ。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載の抗体を用いて、生体試料中の下記一般式で表される化合物又はその医薬的に許容される塩若しくはエステルを検出することを特徴とする前記化合物の検出方法。
    (式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、ニトロ基、又はアミノ基を表す)
  11. 生体試料が、血液、尿、又は組織であることを特徴とする請求項10に記載の検出方法。
  12. 化合物が、以下の1又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項10又は11に記載の検出方法。
  13. 請求項1〜5のいずれかに記載の抗体、又はその標識物を含むことを特徴とする、生体試料中の下記一般式で表される化合物又はその医薬的に許容される塩若しくはエステルの検出用キット。
    (式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、ニトロ基、又はアミノ基を表す)
  14. 生体試料が、血液、尿、又は組織であることを特徴とする請求項13に記載の検出用キット。
  15. 化合物が、以下の1又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項13又は14に記載の検出用キット。
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