JP2001299343A - Cd57抗体 - Google Patents

Cd57抗体

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JP2001299343A JP2000120112A JP2000120112A JP2001299343A JP 2001299343 A JP2001299343 A JP 2001299343A JP 2000120112 A JP2000120112 A JP 2000120112A JP 2000120112 A JP2000120112 A JP 2000120112A JP 2001299343 A JP2001299343 A JP 2001299343A
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jnk
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Hiroshi Wakasugi
尋 若杉
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ヒトCD57抗原と特異的に結合するク
ラスがIgGであるモノクローナル抗体、及び該抗体を
産生するハイブリドーマが提供される。 【効果】 本抗体によればCD57の正確なアッセイが
できるので、CD57を産生するNK細胞のアッセイが
可能となり、そのうえ本抗体はクラスがIgGであるた
め、取り扱い易いほか、免疫沈降等も可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CD57と特異的
に結合し、且つクラスがIgGである新規モノクローナ
ル抗体及びその利用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】NK細胞(Natural killer Cell)は、
T細胞・B細胞などと同じくリンパ球のサブセットであ
る。NK細胞は主に骨髄中で造血幹細胞から成熟・分化
すると考えられている。NK細胞は抗原特異的受容体を
発現してはいないが、防御的免疫機能において重要な役
割を担っている。例えば、NK細胞は免疫的な刺激を受
けると、ある種のサイトカインを分泌して細胞障害活性
を示す。特に、特定のウイルス、細胞内細菌類、寄生
虫、種々の腫瘍細胞に対してこのような活性を有してい
る。
【0003】一方、CD57抗原は、NK細胞およびT
細胞の一部に発現する分子量110kDaの分子として
発見された。CD57陽性(CD57抗原を発現する)
細胞は、ヒト正常末梢リンパ球の約15%であり、その
割合は加齢とともに増すといわれている。またCD57
陽性細胞は骨髄や肝臓にも存在しているが、胸腺には存
在しない。最近の研究によれば、大腸菌、慢性リンパ性
白血病、AIDS、リウマチ性関節炎あるいは、腎臓・
心臓・骨髄移植後の患者では、CD57陽性T細胞が増
加することが報告されている。
【0004】これまで、NK細胞のマーカーとしては、
CD16、CD56、CD57などが、単独あるいは組
み合わせて用いられてきた。CD57抗体は1981年
に安保らによって初めて作製されて以来、数種類のモノ
クローナル抗体が報告されている。しかしながら、その
いずれも、イムノグロブリンのサブクラスが、IgMで
あり、免疫沈降やウエスタンブロットなどには使用する
ことが不適であって、わずかにフローサイトメトリーな
ど限られた用途にしか使用できないものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】IgMは、サブユニッ
ト(IgMs)が5個結合したマクログロブリンであっ
て、分子量が大きく、一般的に取扱いにくいものであ
り、また、プロテインAとの結合性も低いため、精製し
にくいという欠点を本質的に有しているが、IgGの場
合はこのようなことはない。
【0006】また、モノクローナル抗体を用いる各種の
解析手法においても、イムノグロブリンのクラスがIg
MよりもIgGであることが有利な場合が多く、例え
ば、免疫沈降やウエスタンブロットなどにおいてはIg
Gの方が有利である。また、フローサイトメトリーに用
いる際に必要となるモノクローナル抗体の各種蛍光物質
による標識操作においてもIgGクラスのものの方が有
利な点が多い。そこで、本発明者は、CD57抗原を認
識するイムノグロブリンのクラスがIgGであるモノク
ローナル抗体を創製することにより、NK細胞の研究及
びNK細胞が関与すると考えられる各種疾患の診断・治
療の発展に多大な寄与ができるものと考えるに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであって、鋭意研究の結果、
イムノグロブリンのクラスがIgGである新規のCD5
7抗体を創製するに至り、本発明の完成に至ったもので
ある。以下、本発明について詳述する。
【0008】目的とするモノクローナル抗体を産生する
ための融合細胞(以下、ハイブリドーマということもあ
る)を創製するため、本発明においては、免疫原として
ヒトの抹消血中のNK細胞分画を用いることとする。す
なわち、自動細胞分離装置(FACS Vantageセルソータ
ー)を用いてヒト末梢血より、CD3陽性CD56陽性
細胞及びCD3陽性CD57陽性細胞を分離した後、そ
れらを混合し免疫原とする。
【0009】免疫に使用する動物については、ヤギ、ヒ
ツジ、ウマ、ウサギ、ラット、マウス等の動物が挙げら
れるが、モノクローナル抗体を作成するためには融合に
用いる骨髄腫細胞との相性の問題により、通常、マウス
かラットが使用できる。免疫に際しては、免疫応答を促
進するために免疫原を各種アジュバンドと混合して使用
してもよい。免疫はある間隔で、マウスの腹腔、皮下、
あるいは静脈に、血清中の抗体価の上昇が明らかに認め
られるまで続け、最終免疫の数日後に、細胞融合のため
に脾臓を無菌的に摘出する。
【0010】モノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマの作製は、(Koehler, G. andMilstein, C., Natur
e 256, 495(1975))に準じて実施することができる。す
なわち、免疫動物から摘出した脾臓細胞、リンパ節細胞
又はBリンパ球から選ばれる抗体産生細胞と骨髄腫細胞
を混合し、細胞融合促進剤の存在下で融合する。細胞融
合に用いる骨髄腫細胞はP3−Ag8−γ、p3−X6
3−Ag8、P3−X63−Ag8−U1、NSI−A
g4/1、X63−Ag8−6.5.3、SP2/0−
Ag14、MPC11−45、6TG1.7、S194
/5XX0、BU.1等が用いられる。好ましい細胞融
合促進剤としては、例えば平均分子量が1000〜60
00のポリエチレングリコールなどが挙げられる。ま
た、電気パルスによる融合も可能である。
【0011】次いで、ハイブリドーマの選択を次のよう
にして行う。細胞融合に使用する骨髄腫細胞は、8−ア
ザグアニン耐性株でヌクレオチド生合成のサルベージ系
路に必要なヒポキサンチン−グアニン−ホスホリボシル
トランスフェラーゼを欠くため、HAT培地(ヒポキサ
ンチン、アミノプテリン、チミジンを含む培地)中では
ヌクレオチドの合成ができず、生き残れない。よって細
胞融合を行った後、HAT培地にて10〜14日間培養
することにより、脾細胞と骨髄腫が融合したハイブリド
ーマのみを選択することができる。
【0012】このようにして得たハイブリドーマの中か
ら、目的とする抗NK細胞抗体産生ハイブリドーマをス
クリーニングするため、ヒト末梢血中のCD3陽性細胞
の約10〜30%程度と特異的に結合する抗体を産生す
るクローンを選択する。このクローンを用いることによ
って、モノクローナル抗体を得る事ができる。さらに、
これらのモノクローナル抗体のうち既存のCD57抗体
と同様の細胞群と反応しかつ、イムノグロブリンのクラ
スがIgGであるものを選択する。
【0013】このようにしてヒトCD57抗原と特異的
に反応することができ、イムノグロブリンのクラスがI
gGであるCD57抗体を安定的に産生できるハイブリ
ドーマを得た。このようにして得たハイブリドーマは、
JNK−1と命名し、これを工業技術院生命工学工業技
術研究所に寄託した(FERM P−17813)。
【0014】モノクローナル抗体の製造は、ハイブリド
ーマを血清添加培地ならびに無血清培地にて培養するイ
ン・ビトロ法、あるいはハイブリドーマをマウス腹腔に
移植して、腹水を採取する、イン・ビボ法にて行い、硫
安塩析、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交
換カラムクロマトグラフィー、分子篩カラムクロマトグ
ラフィー、プロテインAカラムクロマトグラフィー、抗
原固定化カラムクロマトグラフィー等によって精製でき
る。得られたモノクローナル抗体は、免疫沈降法等によ
って、目的とするCD57抗体であることが確認され
た。
【0015】このようにして作製した抗体は、ヒトCD
57に対する特異性がきわめて高く、CD57を特異
的、選択的に認識して反応し、これと結合する特質を有
するため、本抗体を利用して各種方法によってヒトCD
57のイムノアッセイを行うことができる。したがっ
て、本抗体を利用することによって、CD57産生細
胞、CD57含有細胞のイムノアッセイも可能となり、
例えばNK細胞のイムノアッセイを迅速、正確に行うこ
とが可能となる。
【0016】イムノアッセイとしては、既述したよう
に、放射免疫測定法(RIA)、酵素免疫測定法(EI
A)、蛍光免疫測定法、化学発光免疫測定法、免疫組織
化染色法、免疫沈降法その他が例示され、本抗体を第一
抗体及び/又は酵素標識した第二抗体として使用すれば
よい。
【0017】標識物質としては、酵素、蛍光物質、発光
物質、放射性物質などがあげられる。また、本発明に係
るイムノアッセイにおいて、酵素標識抗体を使用するほ
か、アビジン−ビオチン系を利用して、酵素標識抗体に
かえてビオチン標識した抗体を用い、そして酵素として
アビジン標識酵素を用いてアッセイ系を組み立ててもよ
い。アビジンとしては、卵白由来のアビジン、微生物由
来のアビジン(例えばストレプトアビジン)等がいずれ
も使用可能である。
【0018】標識酵素としては、西洋ワサビペルオキシ
ダーゼ(HRP)、ウシ小腸アルカリフォスファター
ゼ、β−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオ
キシダーゼ等の酵素免疫分析法(EIA)に常用される
酵素が適宜使用され、これらの酵素に適合したEIAで
常用される発色基質が適宜使用される。発色基質として
は、例えばHRPの場合は、3,3,5,5−テトラメ
チルベンジジン(TMBZ)、TMBZ・HCl、TM
BZ・PS、ABTS、o−フェニレンジアミン、p−
ヒドロキシフェニル酢酸等が使用され、アルカリフォス
ファターゼの場合は、p−ニトロフェニルフォスフェー
ト、4−メチルウンベリフェリルフォスフェート等が使
用され、β−ガラクトシダーゼの場合は、o−ニトロフ
ェニル−β−D−ガラクトピラノシド、4−メチルウン
ベリフェリル−β−D−ガラクトピラノシド等が使用さ
れる。
【0019】蛍光物質としては、フロオレッセインイソ
チオシアネート、テトラメチルローダミンイソチオシア
ネートなど、発光物質としては、ルミナール、アクリジ
ニウムエステル、ルシフェリンなど、また、放射性物質
としては、125I、131I、14C、3H、35Sなどを使用
することができるが、これら例示したものに限らず、免
疫測定法に使用しうるものであれば、他の物質も使用す
ることができる。
【0020】また本発明は、ヒトCD57抗原と特異的
に結合するクラスがIgGである新規モノクローナル抗
体、それを利用するヒトCD57の検出、測定方法、ひ
いてはそれを発現生成している細胞(例えばNK細胞)
の染色、検出、測定方法を新たに提供するだけでなく、
抗ヒトCD57抗体、標識化抗ヒトCD57抗体、抗N
K細胞抗体、標識化抗NK細胞抗体、酵素基質、発色試
薬、緩衝液、その他必要な物質を含有するヒトCD57
(又はその産生ないし含有細胞)測定用キットも提供す
るものである。
【0021】以下、本発明の実施例について述べる。
【0022】
【実施例1;モノクローナル抗体の作製】ヒトCD57
と特異的に結合するサブクラスがIgGであるモノクロ
ーナル抗体を以下により作製した。
【0023】(1)免疫原の作製 自動細胞分離装置(FACS Vantageセルソーター)を用い
てヒト末梢血より、CD3陽性CD56陽性細胞及びC
D3陽性CD57陽性細胞を分離した後、それらを混合
し免疫原とした。
【0024】(2)ハイブリドーマの作製 ハイブリドーマ(融合細胞)の作製は次のようにして行
った。
【0025】a)免疫および細胞融合 Balb/cマウスに上記の細胞を数回投与した後、免
疫されたマウスの脾細胞とマウス骨髄腫由来細胞株(P
3−X63−Ag8−U1;P3U1)を細胞融合促進
剤としてポリエチレングリコールを用い、常法にしたが
って細胞融合した。次いでHAT培地(1×10-4
ヒポキサンチン、4×10-7M アミノプテリン、1.
6×10-3M チミジン含有)にて培養し、生育したク
ローンを脾細胞と骨髄腫細胞が融合したハイブリドーマ
として選択した。
【0026】b)CD57抗体産生ハイブリドーマのス
クリーニング 上記で得たハイブリドーマの中から、抗NK細胞抗体産
生ハイブリドーマのスクリーニングとして、ヒト末梢血
中のCD3陽性細胞の約10〜30%程度と特異的に結
合する抗体を産生するクローンを選択した。さらに既存
のCD57抗体と同様の反応性を示しかつイムノグロブ
リンのクラスがIgGであるものを選択した。その結
果、クローンJNK−1を得た。このようにして得た抗
NK細胞抗体産生ハイブリドーマのクローンJNK−1
を工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM P−
17813として寄託した。
【0027】JNK−1を少量培養した後、マウス腹腔
中にこれを投与し、14日後に腹水を採取した。このマ
ウスの腹水液からアフィニティークロマトグラフィーを
用いて精製した。
【0028】
【実施例2:抗体の性質】ハイブリドーマJNK−1が
産生するモノクローナル抗体であるJNK−1抗体のサ
ブクラスを、オクタローニー法を用いて検定した結果、
IgG1であり、L鎖の可変領域はκ鎖であった。また
この点は、ハイブリドーマJNK−1の培養上清を用
い、マウスモノクローナルタイピングキット(The Bind
ing Site社製)にてマウス免疫グロブリンのクラス、サ
ブクラスの同定を行った結果からも、IgG1であるこ
とが確認された。
【0029】
【実施例3:ヒト末梢血リンパ球との反応性(1)】J
NK−1抗体がヒト抹消血リンパ球のどのような集団を
認識しているのか詳細に調べるために、フローサイトメ
トリーにて2重染色の解析を行った(A)。試験は、既
存のCD57抗体についても同様に行い(B)、CD3
陽性細胞群及びCD3陰性細胞群において両者は同様の
反応性を示した(図1)。また、既存のCD57抗体で
あるHNK−1抗体とJNK−1との2重染色を行った
ところ(C)、両者は同じ細胞群を認識していることが
明らかとなった(図2)。
【0030】
【実施例4:ヒト末梢血リンパ球との反応性(2)】さ
らに詳細にJNK−1抗体とCD57抗体との反応性の
比較を行うため、ヒト末梢血リンパ球においてCD3、
CD57、JNK−1の3重染色の解析をフローサイト
メトリーにて行った。図3に示すとおり、CD3陰性C
D57陽性細胞(A)、CD3陽性CD57陽性細胞
(B)、CD3陽性CD57陰性細胞(C)、CD3陰
性CD57陰性細胞(D)の4分画におけるJNK−1
抗体の反応性は、陽性(A)、陰性(B)、陰性
(C)、陽性(D)であり、CD57抗体の反応性と完
全に一致した。
【0031】
【実施例5:結合阻害試験】さらにJNK−1抗体が既
存のCD57抗体と同じエピトープを認識するのかを確
認するためにヒト白血病細胞株SUPT−1及びヒト末
梢血リンパ球(PBL)を用いて結合阻害試験を行っ
た。まず、各細胞を高濃度の未標識抗体と反応させた
後、蛍光標識したJNK−1抗体あるいは既存のCD5
7抗体2クローン(DD57/HNK−1、CD57/
NC1:いずれもサブクラスはIgMである。)を反応
させた後、フローサイトメトリーにて解析を行った(図
4)。
【0032】蛍光標識化は常法にしたがい次のようにし
て行った。抗体溶液を0.05M炭酸バッファー(pH
9.5)に交換し、1mg/mlに調製後、FITC
(ベクトン ディッキンソン、Fluorescein Isothiocya
nate Isomer)をDMSOに溶解(1〜2mg/ml)
し、抗体溶液をゆるやかに撹拌しながら添加した。4℃
で1晩撹拌(遮光下)した後、反応液をSephade
x G−25カラムにかけて未反応FITCを除去し
て、FITC標識抗体をそれぞれ得た。
【0033】得られた結果を図4に示したが、図4に示
すとおり、SUPT−1細胞(A)、末梢血リンパ球
(B)においていずれも既存の2種類のCD57抗体は
JNK−1抗体の反応を阻害した。この結果から、JN
K−1抗体はCD57抗体と同じ分子を認識することが
明らかとなった。
【0034】
【実施例6:ウエスタンブロット】JNK−1抗体の認
識する分子の分子量を測定するためにウエスタンブロッ
トを行った。CD57陽性ヒト白血病細胞株SUPT−
1およびCD57陰性ヒト白血病細胞株SUPT−13
の細胞可溶化液を常法に従ってSDS−PAGE後、メ
ンブレンに転写し、JNK−1抗体およびCD57抗体
で検出した。図5に示すように、SUPT−1細胞にお
いてJNK−1抗体(3)、CD57抗体(4)ともに
110kDaの位置にバンドを検出した。この結果から
JNK−1抗体の認識する分子はCD57と同じ110
kDaの分子であることが明らかとなった。図5(写
真)から明らかなように、SUPT−13細胞において
は、JNK−1抗体(1)、CD57抗体(2)ともに
110kDaの位置にバンドは検出されていない。
【0035】
【実施例7:免疫沈降】SUPT−1細胞(陽性細胞)
及びネガティブコントロールとしてのSUPT−13細
胞(陰性細胞)を、マウスIgG1抗体、JNK−1抗
体で免疫沈降し、CD57/HNK−1抗体で検出し
た。
【0036】すなわち、SUPT−1細胞(陽性細胞)
及びSUPT−13細胞(陰性細胞)の細胞可溶化液を
マウスIgG1抗体あるいは、JNK−1抗体と反応さ
せた。Protein G-Sepharose (ファルマシア)にて添加
した抗体及びそれと反応している分子を沈降させた。こ
れを、SDS−PAGEに供した後、常法に従って、メンブレ
ンに転写した。
【0037】メンブレンをCD57/HNK−1抗体と反応
後、0.05%Tween-20を含むPBS溶液(食塩を含むリン酸
緩衝液)にて数回洗浄後、ぺルオキシダーゼ標識した抗
マウスIgM抗体及び発色系としてECL化学発光シス
テム(ファルマシア)を用いて可視化し、得られた結果
を図6(写真)に示した。
【0038】図中、各レーンはそれぞれ次のものを示
す。レーン(1):SUPT−1細胞のCrude membrane
protein。レーン(2):SUPT13細胞のCrude me
mbraneprotein。レーン(3)、(4):マウスIgG
1抗体で免疫沈降したSUPT−1細胞及びSUPT−
13細胞のmembrane protein。レーン(5)、(6):
JNK−1抗体で免疫沈降したSUPT−1細胞及びS
UPT−13細胞のmembrane protein。図面から明らか
なように、JNK−1抗体で免疫沈降したレーン(5)
に、レーン(1)と同じ110kDaのバンドが検出さ
れた。
【0039】以上のように、JNK−1抗体が免疫沈降
法に使用できるかを調べた。図6に示すようにJNK−
1抗体によってSUPT−1細胞の可溶化液から免疫沈
降された110kDaの分子は、ウエスタンブロットに
より既存のCD57抗体によって検出することができ
た。この結果から、JNK−1抗体は免疫沈降が可能な
新たなCD57抗体であることが明らかとなった。
【0040】
【実施例8:各種細胞との反応性】さらに、JNK−1
抗体が既存のCD57抗体と同様にフローサイトメトリ
ーにおいて各種の細胞におけるCD57分子の発現を検
出できるかを調べた。図7に示すように各種の細胞にお
いてJNK−1抗体(A)は既存のCD57抗体(B)
と同様の反応性を示した。
【0041】
【発明の効果】本発明によってはじめて、イムノグロブ
リンのクラスがIgGであるCD57抗体が作製され
た。本抗体は既存のCD57抗体と同じ分子を認識し
て、フローサイトメトリーなどで同様に使用できるばか
りでなく、イムノグロブリンのクラスがIgGである特
徴から、ウエスタンブロットや免疫沈降を容易に行うこ
とが可能である。その結果、細胞レベルでのCD57分
子あるいはNK細胞の解析をより効果的に行うことがで
きるようになった。本抗体は、既存のCD57抗体に替
わってより広い分野の研究あるいは白血病その他の疾病
の診断に使用することが可能であり、NK細胞を用いた
新たな癌治療方法などの開発において有用なものである
と期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒト末梢血とJNK−1抗体の反応性を示した
図面である。
【図2】ヒト末梢血をJNK−1抗体と既存のCD57
抗体で2重染色した後、フローサイトメトリーを用いて
解析した図面である。
【図3】ヒト末梢血をJNK−1抗体と既存のCD57
抗体及びCD3抗体で3重染色した後、フローサイトメ
トリーを用いて解析した図面である。
【図4】ヒト末梢血およびSUPT−1細胞を用いて、
既存のCD57抗体2クローンとJNK−1抗体の間で
結合阻害試験を行い、フローサイトメトリーを用いて解
析した図面である。
【図5】白血病細胞株を用いて、JNK−1抗体の認識
する分子をウエスタンブロットにより解析した図面代用
写真である。
【図6】JNK−1抗体を使った免疫沈降反応の後、ウ
エスタンブロットにより解析した図面代用写真である。
【図7】各種細胞とJNK−1抗体との反応性を既存の
CD57抗体と比較して表わした図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/577 C12R 1:91) //(C12P 21/08 C12N 15/00 C C12R 1:91) 5/00 B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトCD57抗原と特異的に結合し、ク
    ラスがIgGであることを特徴とするモノクローナル抗
    体。
  2. 【請求項2】 サブクラスがIgG1であることを特徴
    とする請求項1に記載のモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のモノクローナル
    抗体を産生することができるハイブリドーマ。
  4. 【請求項4】 ハイブリドーマJNK−1。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載のモノクローナル
    抗体を使用することを特徴とするヒトCD57の測定方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2に記載のモノクローナル
    抗体を使用することを特徴とするNK細胞由来のヒトC
    D57の測定方法。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2に記載のモノクローナル
    抗体を含有することを特徴とするヒトCD57測定用キ
    ット。
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