JPH07330800A - ビタミンd受容体に対するモノクローナル抗体 - Google Patents

ビタミンd受容体に対するモノクローナル抗体

Info

Publication number
JPH07330800A
JPH07330800A JP15051594A JP15051594A JPH07330800A JP H07330800 A JPH07330800 A JP H07330800A JP 15051594 A JP15051594 A JP 15051594A JP 15051594 A JP15051594 A JP 15051594A JP H07330800 A JPH07330800 A JP H07330800A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vdr
vitamin
antibody
cells
mouse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15051594A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Tanaka
弘之 田中
Kanji Yamaoka
完次 山岡
Hirohisa Kato
裕久 加藤
Yoshinori Kiyono
佳紀 清野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamasa Shoyu KK
Original Assignee
Yamasa Shoyu KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamasa Shoyu KK filed Critical Yamasa Shoyu KK
Priority to JP15051594A priority Critical patent/JPH07330800A/ja
Publication of JPH07330800A publication Critical patent/JPH07330800A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、従来の抗体とは特異性が異な
り、ビタミンDの作用機構の解明に有用な抗VDR抗体
を提供することを目的とする。 【構成】 下記の(1)〜(3)の特徴を有するビタ
ミンD受容体に対して結合性を有するモノクローナル抗
体に関する。 (1)ビタミンD受容体のC端付近アミノ酸配列を認識
する。 (2)ビタミンDが結合していないビタミンD受容体を
強く認識する。 (3)核膜上および細胞質に存在するビタミンD受容体
も強く認識する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビタミンD受容体に対
する新規なモノクローナル抗体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の研究から、ビタミンDの作用は主
に核内に存在するビタミンD受容体(VDR)を介して
発現すると考えられている。ヒトVDRのクローニング
(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85,3294-3298(1988))以
来、VDRと遺伝子制御機構の解析を含むVDRのDN
A結合ドメインの解析は飛躍的な進歩を遂げている。し
かし、細胞質内にあるビタミンDとVDRの動態、ビタ
ミンDの核外作用(non-genomic action)などのビタミ
ンDの作用機構にはまだまだ不明な点が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】抗VDR抗体は、ビタ
ミンDの作用機構を解明するための道具(ツール)とし
て重要である。従来、抗VDR抗体としては、Pike の
グループが取得した Chicken Intestinal VDRに対す
るモノクローナル抗体(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79,77
19-7723(1982))と Deluca のグループが取得した Porc
ine Intestinal VDRに対するモノクローナル抗体(B
iochemistry,25,4523-4534(1986))が知られている。し
かしながら、従来取得されている抗VDR抗体はVDR
のN端側のDNA結合ドメインを認識するものであり、
その他の部位を認識するものは取得されていない。した
がって、本発明は、従来の抗体とは特異性が異なり、ビ
タミンDの作用機構の解明に有用な抗VDR抗体を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究を重ねた結果、ヒトVDRの3
38〜352番目のアミノ酸配列に相当する14アミノ
酸残基からなるペプチドを抗原として用いることによ
り、目的とする新規な抗体を取得することに成功し、本
発明を完成させた。したがって、本発明は、VDRに対
して結合性を有し、新規な特徴を有するモノクローナル
抗体に関するものである。以下、本発明について説明す
る。
【0005】1.本発明抗体の特性 本発明のモノクローナル抗体は、下記の(1)〜(3)
の特徴を有するVDRに対して結合性を有するモノクロ
ーナル抗体であって、その他の特性は何ら制限されるも
のではない。 (1)VDRのC端付近アミノ酸配列を認識する。VD
RのC端付近アミノ酸配列としては、ヒトVDRのC端
側のビタミンD結合ドメインと考えられている部位、具
体的にはヒトVDRの338〜352番目のアミノ酸配
列を例示することができる。 (2)ビタミンDが結合していないVDRを強く認識す
る。 (3)核膜上および細胞質に存在するVDRも強く認識
する。
【0006】2.本発明抗体の製造法 上述の本発明のモノクローナル抗体は公知の方法を適宜
応用することにより製造することができる。使用する免
疫原は、VDR自体、またはVDRのC末端部またはそ
の付近のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を含有す
るペプチドである。具体的にはヒトVDRの338〜3
52番目のアミノ酸配列の一部または全部に相当するア
ミノ酸残基を有するペプチドを例示することができる。
また、合成したペプチドの抗原性が乏しい場合には、ウ
シ血清アルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン
などのハプテン抗原の抗体製造に常用されている高分子
担体との複合体を免疫原として用いるのが好ましい。
【0007】免疫原を投与する動物としては、ウシ、ウ
マ、ヒツジ、ヤギ、ラット、マウス、モルモット、イ
ヌ、ブタ、ウサギ、サル、ハト、ニワトリなどいずれで
あってもよく、特にマウス、ラット、モルモット、ウサ
ギ、ヤギなどが使用上好都合である。このような動物へ
の免疫原の投与は常法に従って行えばよく、たとえば、
完全フロインドアジュバンド、不完全フロインドアジュ
バンド、ミョウバンアジュバンド、水酸化アルミニウム
アジュバンド、百日咳菌アジュバンドなどの各種アジュ
バンドと上述の免疫源とのエマルジョンを調製し、これ
を上記動物の静脈内、腹腔内、皮下または皮内に投与す
ればよい。
【0008】投与量は、動物としてウサギ、モルモット
を使用する場合には蛋白量として0.01〜10mg/
匹、またはマウス、ラットを使用する場合には、0.0
01〜1mg/匹程度が好適である。初回投与後、1〜
4週間おきに1〜5回程度の上記と同様の追加免疫を行
うことにより、動物体内で免疫原に対する抗体の産生を
誘導する。次に、抗体の産生を誘導した動物から脾細
胞、リンパ節細胞、末梢血リンパ球などの抗体産生細胞
を常法により取得する。
【0009】抗体産生細胞と融合させるミエローマ細胞
としては、マウス、ラット、ヒトなどの種々の動物に由
来し、当業者が一般に入手可能な株化細胞を使用する。
使用する細胞株としては、薬剤抵抗性を有し、未融合の
状態では選択培地で生存できず、抗体産生細胞と融合し
た状態でのみ生存できる性質を有するものが好ましい。
通常、8−アザグアニン耐性株が用いられ、この細胞株
はヒポキサンチン−グアニンホスフォリボシルトランス
フェラ−ゼ(hypoxanthine guanine phosphoribosyl tr
ansferase)を欠損し、ヒポキサンチン・アミノプテリ
ン・チミジン(HAT)培地に生育できない。また細胞
の性質として免疫グロブリンを分泌しない、いわゆる非
分泌型の細胞株であることが好ましい。
【0010】ミエローマ細胞株の具体例としては、P3
x63Ag8(ATCC TIB−9)(Nature, 256,
495-497 (1975))、P3x63Ag8U.1(P3U
1)(ATCC CRL−1597)(Current Topics
in Microbiology and Immunology, 81, 1-7 (197
8))、P3x63Ag8.653(ATCC CRL−
1580)(J.Immunology, 123, 1548-1550 (197
9))、P2/NSI/1−Ag4−1(ATCC TI
B−18)(Europian J. Immunology, 6, 511-519 (19
76))、Sp2/O−Ag14(ATCC CRL−1
581)(Nature, 276,269-270 (1978))などのマウス
ミエローマ細胞株、210.RCY.Ag1.2.3
(Y3−Ag1.2.3)(ATCC CRL−163
1)(Nature, 277,131-133 (1979))などのラットミエ
ローマ細胞株、U−266−AR1(Proc.Natl. Acad.
Sci. U.S.A., 77, 5429(1980))、GM1500(Natu
re, 288, 488 (1980))、KR−4(Proc. Natl. Acad.
Sci. U.S.A.,79, 6651 (1982))などのヒトミエローマ
細胞株を例示することができる。
【0011】細胞融合にあたっては、抗体産生細胞に適
合したミエローマ細胞を選定する。細胞融合は、イーグ
ルの最少必須培地(MEM)、ダルベッコ変法イーグル
培地(DMEM)、RPMI−1640培地などの動物
細胞培養用培地中で106〜108細胞/mlのミエロー
マ細胞と抗体産生細胞を混合比1:4〜10に混合し、
37℃で1〜10分間細胞同士を接触させることにより
効率よく融合を行うことができる。細胞融合を促進させ
るため、平均分子量1,000〜6,000のポリエチ
レングリコール(PEG)、ポリビニールアルコール、
センダイウイルスなどの融合促進剤を使用することがで
きる。また、電気パルスを利用した市販の細胞融合装置
を用いて抗体産生細胞とミエローマ細胞を融合させるこ
ともできる。
【0012】細胞融合処理後の細胞から目的とするハイ
ブリドーマを選別する手段としては、選択的培地におけ
る細胞の選択的増殖を利用する方法を用いることができ
る。たとえば、細胞懸濁液を15%ウシ胎児血清(FC
S)含有RPMI−1640培地などで適当に希釈後、
マイクロプレート上に103〜106細胞/ウェル程度ま
き、各ウェルに選択培地(たとえば、HAT培地など)
を加え、以後適当に選択培地を交換して培養を行う。ミ
エローマ細胞として8−アザグアニン耐性株、選択培地
としてHAT培地を用いた場合は、未融合のミエローマ
細胞は培養10日目ぐらいまでに死滅し、正常細胞であ
る抗体産生細胞もインビトロ(in vitro)では長期間生
育できないので、培養10〜14日目から生育してくる
細胞をハイブリドーマとして得ることができる。
【0013】VDRに対して結合性を有するモノクロー
ナル抗体を産生するハイブリドーマの検索は、酵素免疫
測定法(EIA、ELISA)、ラジオイムノアッセイ
(RIA)などによって行うことができる。たとえば、
免疫源として使用したVDRまたはそのペプチド(高分
子担体との複合体をも含む)を抗原として吸着させた9
6ウェルELISA用マイクロプレートにモノクローナ
ル抗体を含む培養上清を添加して抗原と反応させ、次い
で結合した特異抗体に酵素標識抗免疫グロブリン抗体を
反応させるか、あるいはビオチン標識抗免疫グロブリン
抗体を反応させたのちアビジンD−酵素標識体を反応さ
せ、次いでいずれの場合とも各ウェルに酵素基質を加え
て発色させる。免疫源として使用したVDRまたはその
ペプチド(高分子担体との複合体をも含む)を固定化し
たウェルのみで発色する培養上清を選別することによ
り、VDRに対して結合性を有する抗体を産生するハイ
ブリドーマを検索することができる。
【0014】ハイブリドーマのクローニングは、限界希
釈法、軟寒天法、フィブリンゲル法、蛍光励起セルソー
ター法などにより行うことができる。このようにして取
得したハイブリドーマからモノクローナル抗体を産生す
る方法としては、通常の細胞培養法や腹水形成法などが
採用されうる。細胞培養法においては、ハイブリドーマ
を10〜15%FCS含有RPMI−1640培地、無
血清培地などの動物細胞培養用培地中で通常の方法で培
養し、その培養上清液から抗体を取得することができ
る。腹水から回収する方法では、ハイブリドーマと腫瘍
組織適合性が一致する動物に、プリスタン(2,6,1
0,14−テトラメチルペンタデカン)などの鉱物油を
腹腔内に投与した後、たとえばマウスの場合にはハイブ
リドーマを約106細胞/匹腹腔内投与する。ハイブリ
ドーマは10〜18日ほどで腹水腫瘍を形成し、血清お
よび腹水中に高濃度に抗体を生産する。
【0015】抗体の精製が必要とされる場合には、硫安
塩析法、DEAEセルロースなどの陰イオン交換体を利
用するイオン交換クロマトグラフィー、プロテインA−
セファロースなどを用いるアフィニティークロマトグラ
フィー、分子ふるいクロマトグラフィーなどの公知の方
法を適宜に選択し、組み合わせることにより精製するこ
とができる。
【0016】2.本発明抗体の利用可能性 本発明の抗体は、ヒトを含む動物由来の細胞組織中のV
DRの検出に使用することができる。このような検出に
本発明のモノクローナル抗体を使用する場合、抗体の標
識方法及び標識化した抗体を使用した検出方法は免疫組
織診断法において常用されている方法をそのまま適用す
ることができる。すなわち、使用する抗体は抗体そのも
のであってもよいが、非特異的な吸着を防止する意味か
ら抗体の活性フラグメントを使用するのが好ましい。抗
体の活性フラグメントは、抗体の特徴を保持するもの
(たとえば、F(ab’)2、Fab’、Fabなどの
各種フラグメント)であればいずれのものであってもよ
い。これら活性フラグメントの調製は、精製抗体をパパ
イン、ペプシン、トリプシンなどのプロテアーゼを用い
て限定分解する方法など公知の方法を適用して行うこと
ができる(たとえば「免疫生化学研究法(続生化学実験
講座5)」、日本生化学会編、89頁(1986年)参
照)。
【0017】抗体に結合させる標識剤としては、放射性
同位体(たとえば32P、3H、14C、125Iなど)、酵素
(たとえばβ−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ、
アルカリホスファターゼ、グルコース−6−リン酸デヒ
ドロゲナーゼ、カタラーゼ、グルコースオキシダーゼ、
乳酸オキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、モノアミ
ンオキシダーゼなど)、補酵素・補欠分子族(たとえ
ば、FAD、FMN、ATP、ビオチン、ヘムなど)、
フルオレセイン誘導体(たとえば、フルオレセインイソ
チオシアネート、フルオレセインチオフルバミルな
ど)、ローダミン誘導体(たとえば、テトラメチルロー
ダミンBイソチオシアネートなど)、ウムベリフェロン
および1−アニリノ−8−ナフタレンスルホン酸などの
蛍光色素、ルミノ−ル誘導体(たとえば、ルミノール、
イソルミノール、N−(6−アミノヘキシル)−N−エ
チルイソルミノールなど)などを用いることができる。
【0018】抗体またはその活性フラグメントと標識剤
との結合は、成書〔たとえば、「続生化学実験講座5免
疫生化学研究法」(株)東京化学同人、(1986年発
行)第102〜112頁〕に記載されているような公知
の方法から適宜選択して実施すればよい。このようにし
て調製した標識化抗体を常法にしたがって組織標本に作
用させ、抗体に結合させた標識剤を視覚化することによ
り組織中のVDRを検出することができる。
【0019】上記検出法において標識剤として酵素を用
いた場合、キットとしては下記の構成試薬をとりうる。 酵素標識化抗体 基質溶液 また、上記キットの変形としてビオチンーアビジン法を
採用すれば、キットは下記の試薬から構成される。 ビオチン化抗体 アビジン化酵素 基質溶液 なお、上記のキットにおいて、「抗体」とは本発明のモ
ノクローナル抗体であることはいうまでもない。
【0020】
【発明の効果】本発明のモノクローナル抗体は、前述し
たような従来取得されている抗体とは異なる特異性を有
し、今後のVDR研究の重要なツールとなり得る。ま
た、VDRを測定する際の抗体試薬としても有用であ
る。
【0021】
【実施例】
実施例1 (1)ペプチドの調製 ベーカー(Baker)らの報告(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,
85,3294-3298(1988))をもとに、通常の固相法により図
1に示すペプチドを合成した。 (2)免疫原の調製 上記で合成したペプチド抗原1.5mgとウシ血清アル
ブミン(BSA)2mgを1.5mlの0.2Mリン酸
緩衝液pH7.0に溶解させた後、最終濃度0.2%の
グルタルアルデヒドを加え、室温3時間反応させた。反
応後、生理食塩水に対し4℃、2日間透析した。また、
アッセイ用にはウシ血清アルブミン(BSA)の代わり
に、マウス血清アルブミン(MSA)を使って合成し
た。
【0022】(3)モノクローナル抗体の調製 上記ペプチドーBSA複合体50μgを50μlの生理
食塩水に溶解させたものと完全フロイントアジュバント
を1:1で混合してエマルジョンとし、Balb/cマウスの
腹腔内に投与して初回免疫とした。初回免疫後、1ヶ月
おきに数回、同様の方法で免疫した後、最終免疫として
10μgを尾静脈に投与した。最終免疫から3日後にマ
ウスの脾臓を摘出し、RPMI−1640培地で洗浄し
て脾細胞浮遊液を調製した。同時にマウスミエローマP
3x63Ag8U1(P3U1)(ATCC CRL−
1597)をRPMI−1640培地で洗浄し、脾細胞
とP3U1を10:1で混合した後、遠心分離して得た
ペレットに50%ポリエチレングリコール(PEG)1
000含有RPMI−1640培地溶液1mlを徐々に
加えて細胞融合を行った。さらに、RPMI−1640
培地溶液を加えて10mlとし、遠心分離して得たペレ
ットを10%ウシ胎児血清(FCS)含有RPMI−1
640培地にP3U1として3x104細胞/0.1m
lとなるように懸濁させ、96ウェルマイクロタイター
プレートに各ウェル0.1mlずつ分注した。
【0023】翌日、ヒポキサンチンーチミジンーアミノ
プテリン含有RPMI−1640培地(HAT培地)を
0.1ml添加し、その後3〜4日ごとに培地の半分量
を新しいHAT培地で交換した。融合から14日目にハ
イブリドーマのスクリーニングをした。すなわち、あら
かじめ前記ペプチドーMSA複合体(1μg/ml)を
コートし、3%ゼラチンPBSでブロックした96ウェ
ルマイクロプレートに上記の培養上清液を50μlずつ
添加した。次にビオチン化ウマ抗マウスIgG抗体(ベ
クター社製)を加えた後、アビジンDーホースラディッ
シュペルオキシダーゼ(ベクター社製)、過酸化水素お
よび4ーアミノアンチピリンーフェノールを用いたEL
ISA法により陽性ウェルを選択した。次に、限界希釈
法によりハイブリドーマのクローニングを行い、本発明
のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ9F1
−2を確立した。このようにして得られた樹立株細胞9
F1−2の培養上清よりIgG画分を常法により精製
し、これを抗体として以下の試験に供した。
【0024】(4)本発明抗体の特異性 本発明抗体の特異性の検討は、ウエスタンブロッティン
グにより行った。すなわち、ウシ乳腺由来VDR(ヤマ
サ醤油株式会社製)およびリコンビナントヒトVDR
(Dr.J.W.Pikeから供与)をSDS−PAGEにより分
画し、ニトロセルロース膜に転写後、本発明抗体(9F
1−2)および公知の抗VDR抗体(9A7)[Dr.J.
W.Pike らが作製した Chicken Intestinal VDR に対す
るモノクローナル抗体(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79,77
19-7723(1982)):Affinity BioReagents 社製]を反応
させ、次にビオチン化抗体(二次抗体)を反応させ、反
応後ABC法により染色した。その結果、図2に示すよ
うにウシ乳腺由来VDRを用いた場合、9A7は52K
d付近のタンパク質(Whole VDR)を認識するのに対
し、本発明の9F1−2はその近傍に明瞭なバンドを示
さなかった。一方、図3に示すようにリコンビナントヒ
トVDRを用いた場合、9A7および9F1−2とも5
2Kd付近のタンパク質(Whole VDR)を認識した。ま
た、Human promyelocytic leukemic cells(HL−6
0)、ヒト骨肉腫細胞(MG−63)およびマウス腸管
上皮から常法により調製した各VDRに対しても、本発
明抗体(9F1−2)の反応性はウシ乳腺由来VDRの
場合と同様であった。
【0025】(5)ビタミンD結合能に対する本発明抗
体の影響 本発明抗体(9F1−2)の存在下または非存在下、ウ
シ乳腺由来VDRまたはリコンビナントヒトVDRと一
定量の[3H]1,25(OH)23とを一晩インキュ
ベートした後、DDCまたはハイドロキシアパタイト
(HAP)を用いてB/F分離し、VDRと[3H]
1,25(OH)23との結合における抗体の影響を検
討した。また、一定量の[3H]1,25(OH)23
と過剰量の1,25(OH)23(コールド)を用い、
上記各VDRへの競合反応における本発明抗体の影響も
検討した。その結果、図4に示されているようにウシ乳
腺由来VDRの場合、本発明抗体(1μg/ml)はい
ずれの場合でも影響を与えなかった。また、図5に示さ
れているようにリコンビナントヒトVDRの場合、本発
明抗体(1μg/ml)はVDRと[3H]1,25
(OH)23との結合を50%以下の阻害したが、[3
H]1,25(OH)23と過剰量の1,25(OH)
23(コールド)を用いたVDRへの競合反応には何等
影響を与えなかった。なお、公知の抗体である9A7
は、上記各VDRと[3H]1,25(OH)23との
結合を強く阻害した。
【0026】(6)細胞内局在の検討 チャンバースライド上で10%FCS添加αMEMまた
は無添加αMEMで培養したMG−63(ヒト骨肉腫細
胞)をBerger らの方法(J.Clin.Endocrinol.& Metab.,
67,607(1984))に準じて固定化し、固定化細胞と各抗体
(9A7および9F1−2)とを反応させ、以下、前述
のウエスタンブロッティングと同様の手法にて染色し
た。その結果、9A7を用いた場合、培養条件に係わら
ず核内に発色(免疫反応)が認められることから、9A
7は核内のVDRを認識することが確認された。また、
9F1−2を用いた場合、10%FCS添加αMEMで
培養した細胞は全般に発色が弱いものの核膜上に発色が
認められた。さらに、FCS無添加αMEMで培養した
細胞は細胞質に発色が認められた。なお、インジケータ
ーとしてグルコースオキシダーゼを用いた時の核膜上の
発色の様子を図6に示す。
【0027】(7)考察 上記の試験結果から、本発明抗体はビタミンDが結合し
ていないVDR(unoccupied VDR)に高い親和性を持つ
ものと考えられ、今後のVDR研究の重要なツールとな
り得る。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ヒトVDRの構造と抗原として用いた
ペプチドを説明したものである。
【図2】図2は、ウシ乳腺由来VDRに対する本発明抗
体の反応性をウエスタンブロッティングにより検討した
結果を示したものである。
【図3】図3は、リコンビナントヒトVDRに対する本
発明抗体の反応性をウエスタンブロッティングにより検
討した結果を示したものである。
【図4】図4は、ウシ乳腺由来VDRのビタミンD結合
能に対する本発明抗体の影響を検討した結果を示したも
のである。
【図5】図5は、リコンビナントヒトVDRのビタミン
D結合能に対する本発明抗体の影響を検討した結果を示
したものである。
【図6】図6は、10%FCS添加αMEMで培養した
ヒト骨肉腫細胞MG−63におけるVDRの細胞内局在
を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:91)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(1)〜(3)の特徴を有するビ
    タミンD受容体に対して結合性を有するモノクローナル
    抗体。 (1)ビタミンD受容体のC端付近アミノ酸配列を認識
    する。 (2)ビタミンDが結合していないビタミンD受容体を
    強く認識する。 (3)核膜上および細胞質に存在するビタミンD受容体
    も強く認識する。
  2. 【請求項2】 C端付近アミノ酸配列が338〜352
    番目に存在する配列である、請求項1記載のモノクロー
    ナル抗体。
  3. 【請求項3】 ビタミンD受容体がヒト由来のものであ
    る、請求項1記載のモノクローナル抗体。
JP15051594A 1994-06-08 1994-06-08 ビタミンd受容体に対するモノクローナル抗体 Pending JPH07330800A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15051594A JPH07330800A (ja) 1994-06-08 1994-06-08 ビタミンd受容体に対するモノクローナル抗体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15051594A JPH07330800A (ja) 1994-06-08 1994-06-08 ビタミンd受容体に対するモノクローナル抗体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07330800A true JPH07330800A (ja) 1995-12-19

Family

ID=15498551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15051594A Pending JPH07330800A (ja) 1994-06-08 1994-06-08 ビタミンd受容体に対するモノクローナル抗体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07330800A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016505634A (ja) * 2013-01-28 2016-02-25 ディアソリン ソシエタ ペル アチオニ 1,25−ジヒドロキシビタミンdを検出するための方法及びキット並びに関連する抗体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016505634A (ja) * 2013-01-28 2016-02-25 ディアソリン ソシエタ ペル アチオニ 1,25−ジヒドロキシビタミンdを検出するための方法及びキット並びに関連する抗体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0494135B1 (en) Human "neu" related protein p100 and use of the same for detecting preneoplastic or neoplastic cells in a human
JP2752614B2 (ja) 細胞表面抗原に対する抗体を有する活性化血小板の検出
JP2988635B2 (ja) ヒトIgEに対するモノクローナル抗体
US5670328A (en) Monoclonal antibodies to human pulmonary surfactant apoprotein D and use thereof
EP0913405B1 (en) Monoclonal antibody specific for prostaglandin d synthetase
JPH0881499A (ja) 抗サイモシンα1モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ
KR910008637B1 (ko) 심근 미오신 중사슬에 대한 단일클론항체
EP0205177B1 (en) Method of assaying myosin light chain
EP0465652B1 (en) Antibody against heavy chain of smooth muscle myosin
JPH07330800A (ja) ビタミンd受容体に対するモノクローナル抗体
Banga et al. Analysis of antigenic determinants of retinal S-antigen with monoclonal antibodies.
US5747652A (en) Antibody to smooth muscle myosin heavy chains
EP0450095A1 (en) Method of assaying d-vanillylmandelic acid, and reagent and kit therefor
IE881290L (en) Monoclonal antibodies for the selective immunological¹determination of intact procollagen peptide (Type III) and¹procollagen (Type III) in body fluids
JPH0453516B2 (ja)
JPH0320240B2 (ja)
JP3005284B2 (ja) 平滑筋ミオシン重鎖に対する抗体
JP3504676B2 (ja) αカテニンに対するモノクローナル抗体
CA2115171C (en) Monoclonal antibodies to human pulmonary surfactant apoprotein d and use thereof
JPH05336990A (ja) 抗TGF−βマスキングプロテインモノクローナル抗体
JP2000060551A (ja) 抗プリオン抗体
JPH06261785A (ja) アポe蛋白レセプターに対するモノクローナル抗体
JP2567664B2 (ja) ヒトMnス−パ−オキシドジスムタ−ゼに対するモノクロ−ナル抗体
CN114716547A (zh) 一种包括抗原结合结构域的结合蛋白及其生产方法和应用
JP2657816B2 (ja) エリスロポエチンの免疫学的測定法