JP6778365B2 - 抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体 - Google Patents

抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体 Download PDF

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本発明は、膵ポリペプチドに特異的なモノクローナル抗体に関する。
成体の血糖制御の中枢を担う膵ランゲルハンス氏島(膵島)は、主に4種類の内分泌細胞、つまりα、β、δ、PP細胞から構成される。これら膵島細胞の可塑性に関する様々な報告(非特許文献1、2)は存在するが、PP細胞については発生期から成体における正確な細胞系譜、さらに生理的な役割に関しては全く明らかになっていない。膵ポリペプチド(Pancreatic polypeptide:PP)は、膵ポリペプチド、peptide YY(PYY)、Neuropeptide Yから構成されるNPYファミリーに属する膵島ホルモンの一つである。
このようなPP細胞及び膵ポリペプチドの生理的な役割を解明するには、膵ポリペプチドに特異的な抗体が必要である。膵ポリペプチドに対する抗体については、報告されている(非特許文献3〜15)。
Genes Dev.26,1680−1685,2011 Cell 138,449−462,2009 Development 125,2213−2221,1998 PLoS Biology 5(7),e163,2007 Nature 463,775−780,2010 Development Cell 4,383−393,2003 Genes & Development 17,2591−2603, 2003 J.Clin.Invest.117,961−970,007 Nature 23,71−75,1999 Nature 466,627−633,2008 PNAS 109(10),3915−3920,2012 Diabetes 63,224−236,2014 Nature 455(7213),627−632,2008 Endocrinology 154(2),4493−4502, 2103 Cell 153,747−758,2013
しかしながら、前記既知の抗膵ポリペプチド抗体の大部分はポリクローナル抗体であるため、再度同じ特異性を有する抗体を得ることが困難である。また、本発明者が、膵ポリペプチド遺伝子 (Ppy)欠損マウスの膵組織切片を用いて既存の抗膵ポリペプチド抗体の免疫組織化学を行った結果、明瞭な陽性細胞が観察され、既存の抗体が膵ポリペプチドだけでなくペプチドYYと交差反応することが判明した。
従って、ペプチドYYと交差反応せず、マウス膵ポリペプチドに特異的な抗体は存在せず、かかるモノクローナル抗体の開発が望まれていた。
そこで本発明者は、前記課題を解決すべく種々検討した結果、Ppy欠損非ヒト動物を膵ポリペプチドで免疫して得られた抗体産生細胞を用いてハイブリドーマを得、当該ハイブリドーマから得られたモノクローナル抗体が、液相中でも免疫組織化学においてもペプチドYYと反応せず、膵ポリペプチドに特異的であって、膵ポリペプチドの検出に有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔10〕を提供するものである。
〔1〕膵ポリペプチドと結合するが、ペプチドYYと結合しない、抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体又はその抗原結合部位を含むフラグメント。
〔2〕(1)ELISAにより膵ポリペプチドと結合するが、ペプチドYYと結合せず、(2)ウエスタンブロットにより膵ポリペプチドは検出するが、ペプチドYYを検出せず、(3)免疫組織化学において膵ポリペプチド含有組織を検出するが、膵ポリペプチド非含有組織を検出しない〔1〕記載の抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体又はその抗原結合部位を含むフラグメント。
〔3〕配列番号1で示されるアミノ酸配列を認識するものである〔1〕又は〔2〕記載の抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体又はその抗原結合部位を含むフラグメント。
〔4〕受託番号NITE P−02175で寄託されているハイブリドーマが産生する、〔1〕又は〔2〕に記載の抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体又はその抗原結合部位を含むフラグメント。
〔5〕免疫抗原として配列番号1で示される配列を有するポリペプチドでPpy欠損非ヒト動物を免疫する工程を含む〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体の作製方法。
〔6〕〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体又はその抗原結合部位を含むフラグメントを含有する、膵ポリペプチド又は膵ポリペプチド含有組織の検出用試薬。
〔7〕〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体又はその抗原結合部位を含むフラグメントを用いることを特徴とする膵ポリペプチド又は膵ポリペプチド含有組織の検出方法。
〔8〕前記抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体又はその抗原結合部位を含むフラグメントが標識物質によって標識されている、〔7〕に記載の膵ポリペプチド又は膵ポリペプチド含有組織の検出方法
〔9〕〔1〕又は〔2〕に記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
〔10〕受託番号NITE P−02175で寄託されている、〔9〕に記載のハイブリドーマ。
本発明のモノクローナル抗体は、膵ポリペプチドに特異的であって、従来の抗体が交差反応したペプチドYYと反応せず、かつ液相中でも免疫組織化学でも膵ポリペプチドを検出可能である。従って、本発明のモノクローナル抗体を用いれば、膵ポリペプチドの生理機能やPP細胞の役割などの研究が可能となる。
Ppy遺伝子欠損マウスの免疫に用いた合成ペプチドとキャリアタンパク質のペプチドコンジュゲーション後のSDS−PAGEによる確認結果を示す。 PPペプチドとPYYペプチドのウェスタンブロットの結果を示す。 Ppy遺伝子欠損マウス(Ppycre/cre)と野生型マウス(Ppy+/+)の膵島における本発明にかかるモノクローナル抗体による陽性細胞の検出結果を示す。
本発明の抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体は、膵ポリペプチドと結合するが、ペプチドYYと結合しない。具体的には、(1)ELISAにより膵ポリペプチドと結合するが、ペプチドYYと結合せず;(2)ウエスタンブロットにより膵ポリペプチドは検出するが、ペプチドYYを検出せず;(3)免疫組織化学において膵ポリペプチド含有組織を検出するが、膵ポリペプチド非含有組織を検出しない抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体が好ましい。
ELISAは、Enzyme−Linked Immunosorbent Assayの略語であり、競合法又はサンドイッチ法により膵ポリペプチドを定量できる。競合法の場合には、固相化した抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体に検体と酵素標識抗原を添加して抗原抗体反応をさせ、洗浄後、酵素基質と反応、発色させ、吸光度を測定して検体中の抗原量を測定する。また、サンドイッチ法の場合には、固相化した抗膵ポリペプチド抗体に検体を添加して抗原抗体反応をさせる。さらに、酵素標識した第2抗膵ポリペプチド抗体を添加して抗原抗体反応させる。洗浄後、酵素基質と反応、発色させ、吸光度を測定して検体中の抗原量を測定する。本発明の抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体は、これらのELISAにより膵ポリペプチドと結合し、ペプチドYYと結合しないので、膵ポリペプチドのみを正確に定量できる。
ウエスタンブロットは、電気泳動によって分離したタンパク質を抗体で検出する方法である。本発明の抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体は、ウエスタンブロットにより、膵ポリペプチドを検出するが、ペプチドYYを検出しない。
また、本発明の抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体を用いれば、免疫組織化学において膵ポリペプチド含有膵組織を検出でき、膵ポリペプチド非含有膵組織を検出しない。より詳細には、本発明の抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体がマウス膵ポリペプチドに対する抗体の場合、野生型マウスの膵組織切片では膵島内に陽性細胞が認められるが、Ppy欠損マウスの膵組織切片では陽性反応が認められない。また、マウス膵ポリペプチドに対する抗体であってもヒト膵組織切片の免疫組織化学において、膵ポリペプチドを検出することが好ましい。
本発明の抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体は、配列番号1で示されるポリペプチド、すなわちマウス膵ポリペプチド(mPP)の30から65番目のアミノ酸を有するポリペプチド(配列番号1)を抗原として用いて得られる抗体で、これらのポリペプチドを認識する。
本発明の抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体は、感作抗原として配列番号1で示されるポリペプチドを用い、抗体産生細胞としてPpy欠損非ヒト動物由来抗体産生細胞を用いて作成されたハイブリドーマが産生するものであるのが好ましい。
すなわち、本発明の抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体は、例えば、Ppy欠損非ヒト動物に配列番号1で示されるポリペプチドを免疫して得られた抗体産生細胞とミエローマ細胞とを細胞融合させて得られたハイブリドーマを培養することにより得ることができる。
感作抗原で免疫される非ヒト動物としては、Ppy欠損非ヒト動物であればよく、例えばPpy欠損マウス等のPpy欠損哺乳動物が用いられる。Ppy欠損マウスは、例えば、最近著しく技術的進歩がみられたゲノム編集技術によって、Ppyのコーディング領域をcre配列によって置き換えることによって作製できる。
感作抗原を動物に免疫するには、公知の方法に従って行われる。例えば、一般的方法として、感作抗原を哺乳動物の腹腔内または皮下に注射することにより行われる。具体的には、感作抗原をPBS(Phosphate−Buffered Saline)や生理食塩水等で適当量に希釈したものに所望により通常のアジュバント、例えばフロイント完全アジュバントを適量混合し、乳化後、哺乳動物に4〜21日毎に数回投与する。また、感作抗原免疫時に適当な担体を使用することもできる。
このように哺乳動物を免疫し、血清中に所望の抗体レベルが上昇するのを確認した後に、哺乳動物から免疫細胞を採取し、細胞融合を行う。好ましい免疫細胞としては、特に脾細胞が挙げられる。
前記免疫細胞と融合すべき親細胞として、哺乳動物のミエローマ細胞を用いる。このミエローマ細胞は、公知の種々の細胞株、例えば、P3(P3x63Ag8.653)(Kearney et al.,J Immnol 1979;123:1548−1550)、NS−1(Kohler.G.and Milstein,C Eur J Immunol 1976;6:511−519)、SP2/0(Shulman,M.et al.,Nature 1978;276:269−270)等が好適に使用される。
前記免疫細胞とミエローマ細胞との細胞融合は、基本的には公知の方法、たとえば、ケーラーとミルステインらの方法(Kohler.G.and Milstein,C.,Methods Enzymol 1981;73:3−46)等に準じて行うことができる。
より具体的には、前記細胞融合は、例えば細胞融合促進剤の存在下に通常の培養液中で実施される。融合促進剤としては、例えばポリエチレングリコール(PEG)、センダイウイルス(HVJ)等が使用され、更に所望により融合効率を高めるためにジメチルスルホキシド等の補助剤を使用することもできる。
免疫細胞とミエローマ細胞との使用割合は任意に設定することができる。例えば、ミエローマ細胞に対して免疫細胞を1〜10倍とするのが好ましい。前記細胞融合に用いる培養液としては、例えば、前記ミエローマ細胞株の増殖に好適なRPMI1640培養液、MEM培養液、その他、この種の細胞培養に用いられる通常の培養液が使用可能であり、さらに、牛胎児血清(FBS)等の血清を添加してもよい。
細胞融合は、前記免疫細胞とミエローマ細胞との所定量を前記培養液中でよく混合し、予め37℃程度に加温したポリエチレングリコール溶液(例えば平均分子量1000〜6000程度)を通常30〜60%(w/v)の濃度で添加し、混合することによって目的とする融合細胞(ハイブリドーマ)を作製する。続いて、適当な培養液を逐次添加し、遠心して上清を除去する操作を繰り返すことによりハイブリドーマの生育に好ましくない細胞融合剤等を除去する。
このようにして得られたハイブリドーマは、通常の選択培養液、例えばHAT培養液(ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含む培養液)で培養することにより選択される。上記HAT培養液での培養は、目的とするハイブリドーマ以外の細胞(非融合細胞)が死滅するのに十分な時間(通常、数日〜数週間)継続する。次いで、通常の限界希釈法を実施し、目的とする抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングおよび単一クローニングを行う。
ハイブリドーマのスクリーニングは、例えば感作抗原として用いた膵ポリペプチドを用いたELISAによって、膵ポリペプチドに反応するモノクローナル抗体を選抜することができる。
このようにして作製されるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、通常の培養液中で継代培養することが可能であり、また、液体窒素中で長期保存することが可能である。
当該ハイブリドーマからモノクローナル抗体を取得するには、当該ハイブリドーマを通常の方法に従って培養し、その培養上清として得る方法、あるいはハイブリドーマをこれと適合性がある哺乳動物に投与して増殖させ、その腹水として得る方法などが採用される。前者の方法は、高純度の抗体を得るのに適しており、一方、後者の方法は、抗体の大量生産に適している。
本発明の抗膵ポリペプチドモノクローナル抗体又はその標識体は、前記のように膵ポリペプチドに特異的に反応し、ペプチドYY等と交差反応しないので、液相中及び組織中の膵ポリペプチドの検出に有用である。
本発明の抗体の標識体としては、酵素、放射性同位元素のいずれでもよい。液相中の膵ポリペプチドの検出には、ELISAやウエスタンブロットが挙げられ、組織中の膵ポリペプチドの検出には免疫組織化学が挙げられる。
免疫組織化学手段としては、例えば蛍光抗体法、酵素抗体法等が用いられる。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
(1)Ppy遺伝子欠損マウスの作製
マウスPPペプチドをコードするマウスPpy遺伝子は、第11番染色体に存在する。まず、Ppy遺伝子のコーディング配列をcre配列に置換したPpy−creノックインマウス(Ppycre/+)を作製した。このマウスは内因性のPpy遺伝子が発現する代わりに、creが発現する。したがって、ノックインアレルは機能的にはPpyのヌルアレルとなる。Ppy遺伝子座にcre配列をノックインする方法はZFN(Zinc finger nuclease)を用いたゲノム編集(Geurts et al.Science.2009;325:433.)を用いた。内因性Ppy遺伝子のコード領域に対し、PPペプチドの第一番目のメチオニンをcre遺伝子の第一番目のメチオニンと一致して置換させるようなターゲティングコンストラクトを準備した。
1細胞期の受精卵に対し、デザインされたZFNとターゲティングコンストラクトをインジェクションし、その受精卵を偽妊娠マウスの子宮に戻し、産仔を得た。数十匹の仔の中からそのゲノム遺伝子のPpy遺伝子座を解析することにより、目的のPpy遺伝子のコード配列にcre配列が正しくノックインされたマウス(Ppycre/+)を1ライン同定した。さらに、このマウスを交配することによりPpycre/creマウスを得た。このマウスがPpy遺伝子を欠損していることを、Ppy遺伝子mRNAを検出するin situ hybridizationにより確認した。
(2)感作
KLH−mPPペプチド結合物(mPPペプチドのN末端にCysを有するペプチドにKLHを結合)溶液とフロイントコンプリートアジュバントを体積比約1:2で混合し、エマルジョンを作製した。前述のPPYノックアウトマウス(PPYcre/cre)5匹に対してKLH−ペプチド溶液(2.5mg/mL)を0.05mL/匹の割合で尾に免疫した。
さらにKLH−mPPペプチド結合物溶液0.05mL/匹(濃度:2.5mg/mL)を使用して尾の基部に追加免疫した。
(3)細胞融合
1)SP2細胞(マウスミエローマ)の回収
スクレーパーを用いてSP2細胞を回収し、遠心(1000rpm、5分)後、上清を吸引してダルベッコ改変イーグル培養液(D−MEM)(無血清)を20mL加え、細胞数を計測した。
2)免疫動物にイソフルランを過剰吸入させて安楽死させた。消毒用アルコールを全体にかけ、手術台に固定した。
3)マウスを開腹し、後腹膜とその周辺の脂肪組織をピンセットで切り開き、左右一対の腸骨リンパ節を回収した。
4)網を用いて、リンパ節を裏ごしした。最終的に30mLとなるように、D−MEM(無血清)で洗いながら、チューブにリンパ球を回収した。
5)細胞融合
リンパ球:SP2細胞=5:1の細胞比となるように4)のリンパ球のチューブにSP2細胞を加えた。遠心(1280rpm、10分)後、上清を吸引し、37℃で2分間保温した。その後ポリエチレングリコール1mLを1分かけて滴下した。37℃で2分間反応させた。D−MEM4.5mLを3分かけて滴下した。D−MEM4.5mLを2分かけて滴下した。遠心(1000rpm、5分)後、上清を吸引した。
6)HAT培養液中で融合細胞を懸濁し、96ウェルプレートに播種し、培養してハイブリドーマを選択した。
(4)ハイブリドーマのスクリーニング
i)ELISAによる一次スクリーニング
固相化抗原としては、ポジティブプレート用にBSA−マウスPPペプチド、ネガティブプレート用にBSA−マウスPYYペプチドを用いた。ここでマウスPYYペプチドのアミノ酸配列を配列番号2に示す。
1)アッセイ用プレートに抗原(3μg/mL)を10mMリン酸緩衝液(pH.7)を用いて固相化した。
2)37℃で60分(もしくは、4℃で一晩)保温した。
3)抗原溶液を除去し、ブロッキング溶液(1%BSA/PBS)を100μL/ウェル添加した。
4)4℃で一晩(もしくは、室温で30分)保温した。
5)1次抗体(培養上清)にブロッキング溶液を加えて、100μL/ウェル添加した。
6)室温で1時間保温した。
7)2次抗体*)をブロッキング溶液で各20,000倍に希釈し、50μL/ウェル添加した。
8)室温で30分保温した。
9)発色剤(TMBZを基質とした発色剤)を50μL/ウェル添加した。
10)吸光度を(450nm)測定し、候補となるウェルを3種類選択した。
*2次抗体は抗マウスIgG(HRP標識)及び抗マウスIgGL鎖(HRP標識)を使用した。
mPPに反応し、mPYYに反応しないELISA陽性抗体が多数得られたため、各マウスより、陽性上位20、計96ウェルを選択し、二次スクリーニングに供した。
ii)目的の抗体を絞り込む二次スクリーニング
上記一次スクリーニングで得られた候補抗体を用いて、以下の二次スクリーニングを行ない、これらの条件を満たすモノクローナル抗体を3種類得た。すなわち、(1)ウエスタンブロットによりPPは検出するが、PYYを検出せず;(2)免疫組織化学において野生型マウス膵島のPPを検出するが、Ppy欠損マウスの膵島とは交差反応しない。得られたハイブリドーマの一つを特許微生物寄託センターにNITE P−02175として寄託した。
実施例2
得られたモノクローナル抗体の特性
(1)ELISA
Ppy遺伝子欠損マウスの免疫に用いた合成ペプチドとキャリアタンパク質のペプチドコンジュゲーションのSDS−PAGEによる確認結果を図1に示す。(方法:MBS法、キャリアタンパク質:KLH(免疫用)/BSA(コンシュゲーション確認用))
得られたモノクローナル抗体はELISAにおいて、BSA−mPPに反応するが、BSA−mPYYには反応しなかった。
(2)ウエスタンブロット
ELISAスクリーニングに用いたBSA−mPPペプチド結合物およびネガティブコントロールとしてBSA−mPYYペプチド結合物を用いたウエスタンブロットにより、得られたモノクローナル抗体は、mPPは検出するが、mPYYを検出しない抗体であった(図2)。
(3)免疫組織化学
得られたモノクローナル抗体を用いると、野生型マウス(Ppy+/+)の膵組織切片では、膵島内に陽性細胞が認められるが、Ppy欠損マウス(Ppycre/cre)の膵組織切片では陽性細胞が認められなかった(図3)。

Claims (6)

  1. (1)ELISAによりマウス膵ポリペプチドと結合するが、マウスペプチドYYと結合せず、(2)ウエスタンブロットによりマウス膵ポリペプチドは検出するが、マウスペプチドYYを検出せず、(3)免疫組織化学においてマウス膵ポリペプチド含有組織を検出するが、マウス膵ポリペプチド非含有組織を検出せず、(4)配列番号1で示されるアミノ酸配列を認識し、受託番号NITE P−02175で寄託されているハイブリドーマが産生する、抗マウス膵ポリペプチドモノクローナル抗体又はその抗原結合部位を含むフラグメント。
  2. 免疫抗原として配列番号1で示される配列を有するポリペプチドでPpy欠損マウスを免疫する工程を含む請求項1に記載の抗マウス膵ポリペプチドモノクローナル抗体の作製方法。
  3. 請求項1に記載の抗マウス膵ポリペプチドモノクローナル抗体又はその抗原結合部位を含むフラグメントを含有する、マウス膵ポリペプチド又はマウス膵ポリペプチド含有組織の検出用試薬。
  4. 請求項1に記載の抗マウス膵ポリペプチドモノクローナル抗体又はその抗原結合部位を含むフラグメントを用いることを特徴とするマウス膵ポリペプチド又はマウス膵ポリペプチド含有組織の検出方法。
  5. 前記抗マウス膵ポリペプチドモノクローナル抗体又はその抗原結合部位を含むフラグメントが標識物質によって標識されている、請求項に記載の膵ポリペプチド又は膵ポリペプチド含有組織の検出方法。
  6. 受託番号NITE P−02175で寄託されている、請求項1に記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
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