JP2018102129A - リニアモータ制御装置及びリニアモータ制御システム - Google Patents

リニアモータ制御装置及びリニアモータ制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】高速で移動する台車を高精度に停止位置で停止させることを可能とするリニアモータ制御装置を提供する。【解決手段】複数のコイルユニットと、複数のコイルユニットに亘って移動する、複数の台車の位置を検出する複数の位置検出手段と、検出した前記台車の位置と検出した台車の目標位置との差である偏差情報を演算する複数の偏差算出手段と、偏差情報に基づき電流制御信号を演算する位置制御手段と、電流制御信号に基づきコイルユニットに駆動電流を供給する複数の電流制御手段と、偏差情報が送信される位置制御手段を切り替え、または、電流制御信号が送信される電流制御手段を切り替える切り替え手段とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、リニアモータに関し、特に、ムービングマグネット型リニアモータのリニアモータ制御装置及びリニアモータ制御システムに関する。
ムービングマグネット型リニアモータは、可動子である台車にマグネット、固定子にコイルをそれぞれ配置する構成であり、台車に電線を接続するムービングコイル型リニアモータと比較して長いストロークの搬送に適している。このようなムービングマグネット型リニアモータは、可動子のサイズに比べて長い駆動ストロークを必要とする場合、ストローク長に対応した複数のコイルが必要となる。ムービングマグネット型リニアモータは、一般的には3相による電流制御が可能なようにコイルを複数配置して電流制御器に接続する構成である(特許文献1参照)。このような構成では、各3相コイルを全て同じ電流制御器にそれぞれの相を直列接続すれば推力を発生することは可能となるものの、同一搬送路上の複数の台車に対して個別に制御を行うことが困難になってしまう。
このため、複数のコイルからなるコイルユニットを構成し、1つのコイルユニットに対応するように1台の台車の位置制御を行うモータコントローラを備えたリニアモータモジュールを構成し、複数の台車に対して個別に制御を行うことが行われている。
このリニアモータモジュールを連続的に複数個並べて、長ストローク搬送、且つ同一軌道上の複数の台車を制御することが一般的に知られている。
特許第2831166号
FA(Factory Automation)用搬送装置では、複数の台車を高密度に配置し、高速で台車を移動させ、高精度に台車を停止させると共に、台車の停止位置に対する制約が少ない搬送装置であることが要求されている。
しかしながら単純にリニアモータモジュールを並べた構成では、1台の台車が隣接するリニアモータモジュールの境界位置で停止する場合、この台車は隣接するコイルユニットの境界位置に停止することになる。この場合において、台車は隣接するコイルユニットをそれぞれ制御する2台のモータコントローラから同時に制御されることになるため、台車を高い精度で停止させることが困難である。
隣接するリニアモータモジュールのどちらか一方のモータコントローラを用いて1台の台車を制御する場合では、片方のコイルユニットを駆動して台車を停止させることができるものの、台車に加わる推力が半分になってしまう。また、台車が隣接する両方のコイルユニットを駆動した場合と同等の推力を得るためには、1つのコイルユニットに2倍の駆動電流を流す必要があり、電気回路が高コストとなるため望ましい形態ではない。
上記特許文献1では、電流制御情報となる推力指令を1つの位置検出器及び1つのモータコントローラによって生成し、複数の電流制御器へ同じ推力指令を送信することによって連続する複数のコイルユニットを駆動して1台の台車を制御している。しかしながらこのような構成では、1台の台車に加わる推力を保ちつつコイルユニットの境界位置に台車を停止させることができるものの、複数の台車を制御することができない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、高速で移動する複数の台車を高精度に制御することを可能とするリニアモータ制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成すべく、本発明の態様に係るリニアモータ制御装置によれば、連続して配置される複数のコイルユニットと、前記複数のコイルユニットに亘って移動する複数の台車の位置を検出する複数の位置検出手段と、検出された台車の位置と目標位置との差である偏差情報を演算する複数の偏差算出手段と、前記偏差情報に基づき電流制御信号を演算する複数の位置制御手段と、前記電流制御信号に基づき前記複数のコイルユニットに駆動電流を供給する複数の電流制御手段と、前記偏差情報が送信される前記位置制御手段を切り替え、または、前記電流制御信号が送信される前記電流制御手段を切り替える切り替え手段とを有する。
本発明によれば、偏差情報が送信される位置制御手段、または、電流制御信号が送信される電流制御手段を切り替え、切り替えられた電流制御手段は対応するコイルユニットに駆動電流を供給する。これにより、各偏差情報または各電流制御信号の入力先を1つまたは複数選択してそれぞれ切り替え、入力先が複数選択された場合、略等しい駆動電流が複数のコイルユニットにそれぞれ供給される。従って、各コイルユニットから台車に作用する吸引力または反発力は略等しくなり、コイルユニットの境界付近でも台車の作動が安定するので、高速で移動する複数の台車を高精度に制御できる。
本発明の第1実施例に係るリニアモータ制御システムの概略構成図である。 本発明の第1実施例に係るリニアモータモジュールの概略構成図である。 本発明の第1実施例に係るリニアモータモジュールの動作説明図であり、(a)は図2に示したムービングマグネット型リニアモータの一部の上面図、(b)は(a)のコイルユニットを示す上面図、(c)は(b)に示したコイルユニットの側面図である。 (a)はコイルユニットの制御領域を示す図、(b)は(a)に示す位置における台車の目標位置を示すグラフ、(c)は(a)に示す位置における台車の目標位置を示すグラフ、(d)は(a)に示す位置における台車の目標位置を示すグラフである。 (a)は台車の移動を示す制御状態、(b)は台車の停止を示す制御状態、(c)は新たに進入する台車の制御状態、(d)は台車の停止を示す制御状態である。 本発明の第1実施例に係る台車の制御を示すフローチャートである。 図6に示す台車の割り当て処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施例に係るリニアモータモジュールの概略構成図である。 図8に示したリニアモータモジュールにおける位置制御器及び電流制御器の詳細図である。 (a)は台車の移動を示す制御状態、(b)は台車の停止を示す制御状態、(c)は新たに進入する台車の制御状態、(d)は台車の停止を示す制御状態である。 本発明の第2実施例に係る台車の制御を示すフローチャートである。 図10に示す台車の割り当て処理を示すフローチャートである。 (a)はリニアモータの上面図、(b)は(a)のXIII-XIII線から見た側面図である。 本発明の第3実施例に係る製造システムの概略構成図である。
[第1実施例]
以下、本発明の第1実施例について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第1実施例に係るリニアモータ制御システム1の概略構成図である。図1に示すように、リニアモータ制御システム1は、リニアモータ制御装置としてのリニアモータモジュール10a〜10N、及び運行制御手段としての運行コントローラ20を備えている。リニアモータ制御システム1は、ムービングマグネット型リニアモータである。本実施例では、リニアモータ制御システム1は一例としてN台(Nは2以上の整数)のリニアモータモジュール10a〜10Nを備えている。
リニアモータモジュール10a〜10Nは、連続して並べて配置され、1つの搬送路を構成する。リニアモータ制御システム1を移動する台車は、リニアモータモジュール10a〜10Nによって制御され、搬送路上を移動または停止する。
運行コントローラ20は、リニアモータモジュール10a〜10Nを制御する。詳しくは、運行コントローラ20は、リニアモータ制御システム1に存在するすべての台車に対して、時間に対する台車の目標位置を示した駆動指令としての駆動プロファイルをリニアモータモジュール10a〜10Nに送信する。運行コントローラ20は、リニアモータ制御システム1に存在する台車を一斉に動かすように、リニアモータモジュール10a〜10Nに一群搬送指令としてのスタート信号を送信する。また、リニアモータモジュール10a〜10Nの作動が異常になった場合に、運行コントローラ20はリニアモータモジュール10a〜10Nからエラー信号を受信し、例えば全てのリニアモータモジュール10a〜10Nを停止する等の制御を行う。
図2は発明の第1実施例に係るリニアモータモジュール10aの概略構成図である。図3(a)は図2に示したムービングマグネット型リニアモータの一部の上面図、図3(b)は図3(a)のコイルユニットを示す上面図、図3(c)は図3(b)に示したコイルユニットの側面図である。なお、リニアモータモジュール10b〜10Nは、図2に示すリニアモータモジュール10aの構成と同様である。また、図2、図3(a)〜図3(c)において、X軸は台車111、112が移動する進行方向、Y軸は台車111から見てスケール205に向かう水平方向、Z軸はコイルユニット101〜104から見て台車111、112を上側とする鉛直方向と定義する。
リニアモータモジュール10aは、複数のコイルユニット101〜104を備えている。複数のコイルユニット101〜104を連続して配置することによって、台車111、112の搬送路が形成される。詳しくは、図3(a)に示すように、レール201、201を装置架台(図示せず)の上へ2本平行となるように配置することによって、台車111、112に対する搬送路が形成される。この2本のレール201の間に複数のコイルユニット101〜104を連続して配置することにより、長ストロークのリニアモータ搬送路が形成される。
台車111、112は同じ仕様の台車であり、それぞれ可動子となるマグネット114〜116と、スケール205と、移動ブロック(図示せず)とを具備する。当該移動ブロック及びレール201はリニアガイドを構成する部材であり、リニアガイドは、図示しないが当該移動ブロックが備えている複数のボールを介してレール201に沿って移動する。このような移動ブロックを備えた台車111、112は、当該リニアガイドによって2本のレール201、201によって形成される軌道に沿って移動する。なお、本実施形態は一例であり、レール201を1本で形成されるモノレール構造であっても良い。
本実施例において、コイルユニット101〜104は、複数相、つまりU相、V相、W相からなる3相駆動を可能とするようにコイル105を複数配置している。図2、図3(b)、図3(c)に示すように、コイルユニット101は、U相、V相、W相のそれぞれの相のコイル105を2個ずつ直列接続した6個のコイル105から構成される。なお、コイルユニット102〜104についても同様の構成である。
コイルユニット101は、複数のコイル105と電磁鋼板で形成したコアとを組合せることにより構成されているが、コアを用いない構成であっても良い。1つのコイルユニット101の長さは、例えば100mmで形成されていてもよいが、これに限られない。また、コイルユニット101の直列接続数を限定するものではなく、コイルユニット101は、U相、V相、W相の3相を形成する3個のコイルで構成されていても良い。
図2に示す連続して配置したコイルユニット101〜104は、電力電線等の電線路によって電流制御手段としての電流制御器121〜124とそれぞれ電気的に接続している。電流制御器121〜124は、対応するそれぞれのコイルユニット101〜104に、コイル105uにU相の電流Iu、コイル105vにV相の電流Iv、コイル105wにW相の電流Iwをそれぞれ供給する。これにより、コイル105u、105v、105wがそれぞれ通電により励磁され、コイルユニット101〜104のそれぞれが台車111、112を制御可能となる。
電流制御器121〜124は切り替え手段としての電流情報セレクタ125に接続されており、電流情報セレクタ125によって選択された電流制御器が、対応するコイルユニットに駆動電流を供給する。電流情報セレクタ125は、モータコントローラ130、140、150と接続されている。電流情報セレクタ125は、モータコントローラ130、140、150から送信される電流制御情報交換信号に基づいて、モータコントローラが出力する電流制御情報の入力先として電流制御器121〜124のいずれか1つもしくは複数選択して切り替える。電流制御情報交換信号とは、電流情報セレクタ125が、制御対象の台車を制御するためのコイルユニットに電流を供給する1つまたは複数の電流制御手段を選択するための信号である。以下にモータコントローラ130について説明するが、モータコントローラ130、140、150はそれぞれ同じ構成である。
モータコントローラ130は、台車の運行制御を行う位置指令器131と、偏差算出手段としての制御偏差算出器132と、位置制御手段としての位置制御器133とを備えている。位置指令器131は、制御対象の台車の目標位置となる位置指令情報を制御偏差算出器132に出力する。位置指令器131は、運行コントローラ20が送信した駆動プロファイルに基づき台車の位置指令情報を制御偏差算出器132に出力する。制御偏差算出器132は、位置指令器131から出力された位置指令情報と、複数の光学式エンコーダ161〜164のうちのいずれかのエンコーダから出力される台車の位置との差を算出し、求めた差を制御偏差情報として出力する。
位置制御器133は、制御偏差算出器132で算出された制御偏差情報によってPID(Proportional Integral Derivative Controller)制御を行い、電流制御信号としての電流制御情報を出力する。なお、モータコントローラ130が出力する電流制御情報交換信号は、位置制御器133が生成するようにしてもよい。
モータコントローラ140は、位置指令器141、制御偏差算出器142、及び位置制御器143を備えている。モータコントローラ150は、位置指令器151、制御偏差算出器152、及び位置制御器153を備えている。位置指令器141、151は位置指令器131と同じ機能を有し、制御偏差算出器142、152は制御偏差算出器132と同じ機能を有し、位置制御器143、153は位置制御器133と同じ機能を有している。なお、本実施例では、リニアモータモジュール10aは3つのモータコントローラ130、140、150を備えているが、モータコントローラは制御対象となる台車の台数に対応した数であれば良く、台数はこれに限られない。また、運行コントローラ20が各モータコントローラ130、140、150に送信した駆動プロファイルは、各位置指令器131、141、151がアクセス可能なメモリ(図示せず)に記憶されるようにしてもよい。
光学式エンコーダ161〜164がスケール205の位置を検出することによって、台車111、112の位置を特定可能である。本実施例では、複数の光学式エンコーダ161〜164が配置される位置と、スケール205の長さとの関係は、台車111、112がリニアモータ搬送路上のいずれの場所に位置しても検出できるような関係である。
光学式エンコーダ161〜164は、1カウントあたり数μmの分解能を有していることが好ましい。本実施例では、コイルユニット101の制御領域に対して光学式エンコーダ161の検出範囲が対応するように配置している。同様に、コイルユニット102〜104の制御領域に対して光学式エンコーダ162〜164の検出範囲がそれぞれ対応するように配置している。
なお、光学式エンコーダ161〜164の配置はこの限りではなく、配置する個数を限定するものではない。また、本実施例では、光学式エンコーダ161〜164について説明しているが、光学式エンコーダに限られるものではなく、台車の位置検出が可能であれば良く、例えば磁気式エンコーダであっても良い。また、例えば1つのコイルユニット101の制御領域に対して複数のエンコーダを一定間隔で配置し、台車の位置に応じてエンコーダを連続的に切り替えて位置検出するようにしても良い。そして本実施例では、光学式エンコーダ161〜164としてアブソリュート型エンコーダを用いているが、光学式エンコーダ161〜164はアブソリュート型に限定するものではなく、インクリメント型であっても良い。
位置情報セレクタ165は、光学式エンコーダ161〜164にそれぞれ接続している。図2に示している位置情報セレクタ165の記号a、b、cは、それぞれ対応する記号a、b、cと接続されていることを示している。つまり、位置情報セレクタ165は、モータコントローラ130、140、150が備えている制御偏差算出器132、142、152とそれぞれ接続している。
割当手段としてのコントローラ制御器170は、位置情報セレクタ165に接続し、モータコントローラ130、140、150に接続している(図示せず)。コントローラ制御器170は、光学式エンコーダ161〜164が検出した台車をモータコントローラ130、140、150のいずれかへ割り当て、位置情報セレクタ165へ割り当てた情報である位置情報選択信号を送信する。位置情報セレクタ165は、コントローラ制御器170から送信される位置情報選択信号によって、モータコントローラ130、140、150のいずれかと、光学式エンコーダ161〜164のいずれかとを通信可能に組合せることができる。
コントローラ制御器170は、各モータコントローラ130、140、150が台車111、112を制御中なのか、台車111、112の制御をしていない休止状態なのかを示す制御状態情報を各モータコントローラ130、140、150から受信する。コントローラ制御器170は、休止状態のモータコントローラに対して光学式エンコーダが検出した台車の位置を送信可能となるように、図示しないメモリ等に制御状態情報を記憶する。
以下に、リニアモータモジュールを用いた台車の制御について説明する。図4(a)はコイルユニット101〜104の制御領域を示す図、図4(b)は位置P1〜P2における台車111の目標位置、図4(c)は位置P2〜P3における台車111の目標位置、図4(d)は位置P3〜P4における台車111の目標位置である。図5(a)は台車111、112の移動における制御状態、図5(b)は台車111、112の停止における制御状態、図5(c)は台車111、112及び新たに進入する台車113の制御状態、図5(d)は台車111、113の停止における制御状態である。図6は、図5(a)〜図5(d)における台車111〜113の制御を示すフローチャートである。図7は、コントローラ制御器170がモータコントローラ130、140、150に対して光学式エンコーダが検出した位置を割り当てる処理を示すフローチャートである。なお、図5(a)〜図5(d)は、台車111〜113の制御を時系列に並べたものである。また、図4(a)、図5(a)〜図5(d)では、リニアモータモジュール10bについて説明するものとし、リニアモータモジュール10bはリニアモータモジュール10a、10cの間に隣接して位置しているものとする。また、図6、図7に示すフローチャートは、例としてリニアモータモジュール10bの制御について説明するが、リニアモータモジュール10a〜10Nでも同様に制御されるものとする。
図4(a)に示すように、コイルユニット101が台車111の制御を可能とする範囲は制御領域401に対応し、その制御領域401に台車111がある場合にコイル101が駆動状態であることを示す。同様にコイルユニット102が台車111の制御を可能とする範囲は制御領域402に対応する。また、コイルユニット103が台車111の制御を可能とする範囲は制御領域403に対応し、コイルユニット104が台車111の制御を可能とする範囲は制御領域404に対応する。
位置検出領域411は、光学式エンコーダ161が台車の位置を検出可能な領域を示す。同様に、光学式エンコーダ162が台車の位置を検出可能な領域が位置検出領域412、光学式エンコーダ163が台車の位置を検出可能な領域が位置検出領域413、光学式エンコーダ164が台車の位置を検出可能な領域が位置検出領域414である。なお、位置検出領域412〜414では、破線部と黒塗り部を合わせた領域が台車の位置検出が可能な領域であることを示している。
光学式エンコーダ161〜164では、それぞれ隣接するエンコーダの位置検出領域が重複する。そこで、位置検出領域412〜414の破線にて示す部分は、台車111の位置に寄与しない領域とする。そして、例えばコントローラ制御器170等が、4つの位置検出領域411〜414をデータとして繋ぎ合せることにより、あたかも1つのエンコーダが検出した位置となるようにする。これにより、コイルユニットの境界付近、例えばコイルユニット101、102の境界付近にある台車111の位置として検出する場合、コイルユニット101〜104全体における台車111の位置を取得することができる。なお、位置検出領域411〜414をデータとして繋ぎ合せる処理は、コントローラ制御器170に限らず、位置情報セレクタ165が行ってもよく、制御偏差算出器132、142、152がそれぞれ行ってもよい。
位置P1は、リニアモータ制御装置10b端、つまり隣接するリニアモータモジュール10aから台車が進入する側のコイルユニット101端に対応する位置である。位置P2は、コイルユニット102及び103の境界位置に対応し、台車の停止目標位置である。位置P3は、コイルユニット103及び104の境界位置に対応し、台車の停止目標位置である。位置P4は、リニアモータモジュール10b端、つまり隣接するリニアモータモジュール10cへ台車が進出する側のコイルユニット104端に対応する位置である。
図4(b)〜図4(d)に示すグラフは時間に対応する位置P1〜P4の目標位置であり、位置指令器131、141、151がそれぞれ台車の位置指令情報として用いる。運行コントローラ20は、図4(b)〜(d)に示す位置指令情報全てを、各モータコントローラ130、140、150に送信する。各モータコントローラ130、140、150は、運行コントローラ20から受信した目標位置を位置指令器131、141、151が位置指令情報として用いることができるように、例えば図示しないメモリ等に記憶させてもよい。なお、図4(c)、(d)に示す時間tは、各台車が位置P2、P3からの移動を開始した時間を示している。
以下、台車の制御について、図5(a)〜図5(d)を参照しながら図6、図7のフローチャートに基づいて説明する。運行コントローラ20から各モータコントローラ130、140、150への目標位置の送信は、既に行われているものとする。また、図5(a)〜図5(d)において、各台車の停止位置間隔は数百mmであり、例えば200mmである。また、図6に示すフローチャートは、運行コントローラ20が台車の運行を一斉に開始した後に行われる制御を示している。
図5(a)では、コントローラ制御器170が、図7のフローチャートに基づき、台車111にコントローラユニット130、台車112にコントローラユニット140を既に割り当てている。モータコントローラ150は休止状態であり、台車の制御を行っていないことを示す信号を電流情報セレクタ125及びコントローラ制御器170へ送信しているものとする。また、光学式エンコーダ162、164は台車が無い状態、つまり位置を検出する台車が存在しないことを示す情報を位置情報セレクタ165へ送信しているものとする。なお、モータコントローラ130、140はそれぞれ同じ処理を行うので、図6のステップS604以降ではモータコントローラ130について説明する。
光学式エンコーダ161、163は、台車111、112の位置をそれぞれ検出する(ステップS601)。図5(a)では、台車111はコイルユニット101の制御領域に位置するので、光学式エンコーダ161が台車111の位置検出を行う。また、台車112はコイルユニット103の制御領域に位置するので、光学式エンコーダ163が台車112の位置検出を行う。光学式エンコーダ161、163が検出した台車111、112の位置は、位置情報セレクタ165を介してコントローラ制御器170に入力される。
次に、コントローラ制御器170は、光学式エンコーダ161、163が検出した台車111、112のうち、モータコントローラが割り当てられていない新たな台車が進入してきたか否かを判定する(ステップS602)。図5(a)では、新たに進入してきた台車は存在しないので(ステップS602:No)、コントローラ制御器170はモータコントローラの割り当てを行わない。ステップS602において、コントローラ制御器170は、例えば光学式エンコーダによって検出された台車に割り当てられているモータコントローラの有無に基づいて新たな台車か否かを判定してもよい。
なお、図5(a)において、台車111は黒塗りで示される構成要素によって制御されている。即ち、光学式エンコーダ161が台車111の位置情報を検出し、位置情報セレクタ165がモータコントローラ130の制御偏差算出器132へ台車111の位置情報を送信する。同様に、図5(a)において黒枠線で示す光学式エンコーダ163が台車112の位置を検出し、位置情報セレクタ165がモータコントローラ140の制御偏差算出器142へ台車112の位置を送信する。一方、図5(a)において点線で示すモータコントローラ150は台車の制御を行わず、電流制御器122、124、コイルユニット102、104、及び光学式エンコーダ162、164は、台車111、112の制御に寄与しない。
モータコントローラ130は、台車111の目標位置と、光学式エンコーダ161が検出した現在位置との差を算出し、制御偏差情報を演算する(ステップS604)。詳しくは、位置指令器131が出力する台車111の目標位置と、光学式エンコーダ161が検出した台車111の現在位置との差である偏差を制御偏差算出器132が算出する。
制御偏差算出器132が算出した制御偏差情報に基づいて、位置制御器133は電流制御器を制御するための電流の大きさや向きを含む電流制御情報を演算する(ステップS605)。ステップS605では、位置制御器133は、電流制御器121〜124のうち、台車111の位置に応じてコイルユニットを駆動するために必要な1つまたは複数の電流制御器を選択するための電流制御情報交換信号を生成する。この電流制御情報交換信号は、例えば台車111の位置、目標位置、及び算出された制御偏差情報等のいずれかに基づいて生成されてもよい。図5(a)の場合、モータコントローラ130に割り当てられている台車111は、コイルユニット101の制御領域401内に位置している。従って位置制御器133は、電流情報セレクタ125がコイルユニット101に電流を供給する電流制御器121を選択できるような電流制御情報交換信号を生成する。
モータコントローラ130は、ステップS605で演算した電流制御情報及び生成した電流制御情報交換信号を電流情報セレクタ125へ送信する(ステップS606)。電流情報セレクタ125は、モータコントローラ130から受信した電流制御情報交換信号に基づいて電流制御情報を送信する電流制御器121を選択し、電流制御器121へ電流制御情報を送信する(ステップS607)。
電流制御器121は、モータコントローラ130から受信した電流制御情報に従ってコイルユニット101へ駆動電流を供給する(ステップS608)。供給された駆動電流に応じた推力が台車111に発生し、台車111は発生した推力によって移動する。すなわち、電流が供給されたコイルユニット101では、台車111のマグネット114〜116の磁力と反発する磁力が各相のコイル105u、105v、105wから発生し、発生した推力によって台車111は移動する。
次に、図5(b)の制御について説明する。図5(b)では、台車111がコイルユニット101、102の境界付近、台車112がコイルユニット103、104の境界付近にそれぞれ位置している。図5(b)では、位置P2が台車111の停止位置、位置P3が台車112の停止位置を示している。台車111は、台車111のマグネット115の中心が位置P2となるように停止する。図5(b)では、図5(a)で説明した図6のステップS601〜S603と処理が共通しているので説明を省略する。また、図5(b)では、モータコントローラ130が行う台車111の制御及びモータコントローラ140が行う台車112の制御は共通している。よって、モータコントローラ130が行う台車111の制御について以下に説明する。
モータコントローラ130は、台車111の目標位置と、光学式エンコーダ161が検出した台車111の現在位置との差である制御偏差情報を演算する(ステップS604)。モータコントローラ130は、制御偏差算出器132に入力された台車111の位置から、台車111の位置とコイルユニット101との位置関係が、予めモータコントローラへ設定した停止位置である位置P2となったことを検知することができる。
制御偏差算出器132が算出した制御偏差情報に基づいて、位置制御器133は電流制御情報を演算し、電流制御情報交換信号を生成する(ステップS605)。ステップS605で生成される電流制御情報交換信号は、台車111を位置P2で停止させるために必要な電流制御器121、122を電流情報セレクタ125が選択できるような信号である。ステップS605で求められる電流制御情報は、選択される電流制御器の数に関わらず、1つの電流制御情報である。モータコントローラ130は、求めた電流制御情報及び生成した電流制御情報交換信号を電流情報セレクタ125へ送信する(ステップS606)。
電流情報セレクタ125は、モータコントローラ130から受信した電流制御情報交換信号に基づいて、電流制御器121から電流制御器121、122の2つを選択して切り替え、電流制御情報を送信する(ステップS607)。電流制御器121、122は、受信した電流制御情報に基づいて、コイルユニット101、102に駆動電流を供給する(ステップS608)。電流が供給されたコイルユニット101、102では、マグネット114〜116の磁力を吸引する磁力が各相のコイル105u、105v、105wから発生する。
図5(b)では、モータコントローラ130から送信される1つの電流制御情報によって電流制御器121、122の2つの電流制御器が駆動され、1台の台車111が停止位置P2で停止する。これにより、台車111を短時間で高精度に停止させることができ、例えば台車111が停止目標位置P2に達してから数十ミリ秒の間に目標停止位置P2から数μmの精度で台車111を停止させることができる。
図5(b)に示す台車111、112の停止後、運行コントローラ20が全てのモータコントローラへ台車の移動を一斉に開始することを指示するスタート信号を送信し、コントローラ制御器を介して各モータコントローラが当該スタート信号を受信する。これにより、図5(b)に示す台車111、112が次の停止目標位置への移動を開始する。
次に、図5(c)について説明する。図5(c)は、図5(a)に対して新たな台車113が進入すること、また台車111がコイルユニット102、103を跨いで移動するところが相違しており、その他の制御については共通している。従って、共通する箇所の説明は省略する。
図5(c)では、台車111は2つのコイルユニット102、103で駆動される制御領域402、403へ移動するが、モータコントローラ130は継続して台車111の制御を行う。同様にモータコントローラ140は継続して台車112の制御を行う。以下、コイルユニット102、103を跨いで移動する台車111の制御について説明する。
台車111がコイルユニット102の制御領域402に入ったので、光学式エンコーダ162が台車111の位置を検出する(ステップS601)。コントローラ制御器170は、光学式エンコーダ162が検出した台車111が新たに進入してきた台車か否かを判定する(ステップS602)。台車111は新たに進入してきた台車ではないので(ステップS602:No)、ステップS604へ進む。
モータコントローラ130は、台車111の目標位置と、光学式エンコーダ162が検出した台車111の位置との差である制御偏差情報を演算する(ステップS604)。モータコントローラ130は、制御偏差算出器132に入力された台車111の位置から、台車111の位置がコイルユニット102、103を跨ぐ位置になったことを検知することができる。
台車111がコイルユニット102、103を跨いで移動可能となるように、位置制御器133は、電流制御情報を演算し、電流情報セレクタ125が電流制御器122、123を選択できるような電流制御情報交換信号を生成する(ステップS605)。上述したように、ステップS605で求められる電流制御情報は、選択される電流制御器の数に関わらず1つの電流制御情報である。モータコントローラ130は、演算した電流制御情報及び生成した電流制御情報交換信号を電流情報セレクタ125へ送信する(ステップS606)。
電流情報セレクタ125は、モータコントローラ130から受信した電流制御情報交換信号に基づき電流制御器121、122から電流制御器122、123へ切り替え、電流制御器122、123に対して電流制御情報を送信する(ステップS607)。電流制御器122、123は、電流情報セレクタ125から受信した電流制御情報に基づいて、コイルユニット102、103に対してそれぞれ駆動電流を供給する(ステップS608)。駆動電流が供給されたコイルユニット102、103では、台車111のマグネット114〜116の磁力と反発する磁力が各相のコイル105u、105v、105wから発生し、台車111は発生した推力によって移動する。
次に、隣接するリニアモータ制御装置10aから侵入する台車113の制御について説明する。コイル101で制御可能な制御領域401へ新たに進入してきた台車113は、光学式エンコーダ161によって位置検出される(ステップS601)。コントローラ制御器170は、光学式エンコーダ161が検出した台車113が新たな台車か否かを判定する(ステップS602)。コントローラ制御器170は、台車113がリニアモータモジュール10bに進入してきた新たな台車と判定し(ステップS602:Yes)、休止状態にあるモータコントローラ150を台車113に割り当てる(ステップS603)。詳しくは、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
図7に示すフローチャートはコントローラ制御器170で行われる処理であり、コントローラ制御器170が光学式エンコーダ161によって当該新たな台車の位置情報を検出したと判定したことにより開始する。
コントローラ制御器170は、モータコントローラ130が台車を制御中なのか、休止状態なのかを判定する(ステップS701)。モータコントローラ130が休止状態である場合(ステップS701:Yes)、コントローラ制御器170は、光学式エンコーダ161が検出した台車113をモータコントローラ130へ割り当てる(ステップS702)。そして、コントローラ制御器170は割り当てた情報を割付信号として位置情報セレクタ165へ送信する。
モータコントローラ130が台車を制御中である場合(ステップS701:No)、コントローラ制御器170は、モータコントローラ140が台車を制御中なのか、休止状態なのかを判定する(ステップS703)。モータコントローラ140が休止状態である場合(ステップS703:Yes)、コントローラ制御器170は、光学式エンコーダ161が検出した台車113をモータコントローラ140に割り当てる(ステップS704)。そして、コントローラ制御器170は割り当てた情報を割付信号として位置情報セレクタ165へ送信する。
モータコントローラ140が台車を制御中である場合(ステップS703:No)、コントローラ制御器170は、モータコントローラ150が台車を制御中なのか、休止状態なのかを判定する(ステップS705)。モータコントローラ150が休止状態である場合(ステップS705:Yes)、コントローラ制御器170は、光学式エンコーダ161が検出した台車113をモータコントローラ150に割り当てる(ステップS706)。そして、コントローラ制御器170は割り当てた情報を割付け信号として位置情報セレクタ165へ送信する。
一方、モータコントローラ150が台車を制御中である場合(ステップS705:No)、光学式エンコーダ161が検出した台車113を割り当てることのできるモータコントローラが存在しないことになる。従って、コントローラ制御器170はエラー情報を運行コントローラ20に送信する(ステップS707)。コントローラ制御器170からエラー情報を受信した運行コントローラ20は、例えば全てのリニアモータモジュール10a〜10Nの台車制御を停止するようにしてもよい。図5(c)では、モータコントローラ150が台車111の位置情報に割り当てられる。
モータコントローラ150は、光学式エンコーダ161によって検出された台車113の位置情報を、位置情報セレクタ165を介して取得する。位置指令器151は、図4(b)に示した目標位置に対応する位置指令情報を制御偏差算出器152へ出力する。制御偏差算出器152は、位置指令器151から入力された目標位置と、光学式エンコーダ161が検出した台車113の位置情報との差である制御偏差情報を演算する(ステップS604)。
位置制御器153は、制御偏差情報に基づいて電流の大きさや向きを含む電流制御情報を演算し、電流制御器を選択するための電流制御情報交換信号を生成する(ステップS605)。図5(c)では、台車113はコイルユニット101の制御領域401内に位置しているので、位置制御器153は、電流情報セレクタ125が電流制御器121を選択できるような電流制御情報交換信号を生成する。そして、モータコントローラ150は、電流制御情報及び電流制御情報交換信号を電流情報セレクタ125に送信する(ステップS606)。
電流情報セレクタ125は、モータコントローラ150から受信した電流制御情報交換信号に基づいて電流制御器121を選択し、電流制御器121に電流制御情報を送信する(ステップS607)。電流制御器121は、電流情報セレクタ125を介して受信した電流制御情報に基づいて、コイルユニット101に駆動電流を供給する(ステップS608)。電流が供給されたコイルユニット101では、台車113のマグネット114〜116の磁力と反発する磁力が各相のコイル105u、105v、105wから生じ、発生する推力によって台車113は移動する。
このように台車113は、図5(c)に2重線で示すモータコントローラ150、電流制御器121、コイルユニット101、電流情報セレクタ125、及び位置情報セレクタ165によって制御される。
図5(c)に示す台車112は、リニアモータモジュール10bに隣接するリニアモータモジュール10cへ移動する。台車112を制御していたモータコントローラ140は、休止状態であることを示す制御状態情報をコントローラ制御器170へ送信する。
図5(c)に示す制御状態の後、図5(d)に示す制御状態に移行する。図5(d)では、台車111、113は図5(a)〜図5(c)と同様に図6のフローチャートに基づいて制御される。図5(d)に示す位置P2、P3は、図5(b)と同様に台車111、113の停止位置である。図5(d)では、台車111はコイルユニット103、104によって駆動される制御領域403、404へ移動するが、モータコントローラ130は継続して台車111の制御を行う。同様にモータコントローラ150は継続して台車113の制御を行う。点線にて示すモータコントローラ140は、台車112の移動に伴い休止状態であり、光学式エンコーダ162、164は台車の制御へは寄与しない状態となる。
モータコントローラ130、150が行う制御は、台車の位置を検出する光学式エンコーダや電流を供給する電流制御器、コイルユニットが異なるだけで、図5(b)で説明した処理と共通している。従って、図5(d)の制御の説明は省略する。図5(d)では、図5(b)と同様の制御を行うことによって、台車111は停止目標位置P3に達してから短時間で停止することができる。同様に、台車113は停止目標位置P1に達してから短時間で停止することができる。
この後、運行コントローラ20より送信されるスタート信号をリニアモータ制御システム1に存在する全てのモータコントローラが受信することにより、図5(d)に示す台車111、113が、停止した位置から次の目標位置へと移動を開始する。新たな台車(図示せず)がリニアモータモジュール10bの制御範囲内に進入してきた場合、休止状態のモータコントローラ140が割り当てられ、モータコントローラ140が当該新たな台車の制御を行う。図5(d)以降の台車の制御は、上述した制御に従って繰り返し行われる。
このように本実施例では、電流情報セレクタ125は、電流制御情報を入力する電流制御器を切り替えるので、複数の電流制御情報に対して各電流制御情報の入力先となる電流制御器を1つまたは複数選択してそれぞれ切り替えることができる。電流情報セレクタ125によって複数の電流制御器が選択された場合、各電流制御器は1つの電流制御情報に基づいて対応するコイルユニットに駆動電流を供給する。これにより、台車の位置に応じて1つまたは複数のコイルユニットを駆動でき、台車がコイルユニットの境界付近に位置している場合でも略等しい駆動電流をそれぞれのコイルユニットに供給することができる。従って、複数のコイルユニットから発生する磁力は略等しく、各コイルユニットから台車に作用する反発力または吸引力も略等しくなり、台車の作動が安定するので、高速で移動する複数の台車を高い精度で制御することができる。
また、コイルユニットの境界付近でも台車を高い精度で停止させることができるので、リニアモータモジュールにおける台車の停止位置の制約を低減することが可能である。そして、1つのリニアモータモジュールに進入した台車が排出されるまで同一のモータコントローラが台車を制御するので、モータコントローラの切り替えを行う必要がなく、台車をより高速に制御することができる。従って、リニアモータモジュール内に存在する全ての台車の移動や停止を制御できる。本実施例においては、数十kHz、例えば10kHzで全ての台車を移動・停止させる一連の制御を繰り返すことが可能である。
[第2実施例]
以下、本発明の第2実施例に係るリニアモータ制御システムについて説明する。第2実施例では、リニアモータモジュールにおいて、モータコントローラとしての括りを廃し、電流情報セレクタの代わりに制御偏差情報セレクタを設けた点が第1実施例と異なり、その他の構成については共通している。よって、共通箇所には同じ符号を付し、説明は省略する。
図8は本発明の第2実施例に係るリニアモータモジュール100aの概略構成図である。図8に示すように、制御偏差算出器181〜183は切り替え手段としての制御偏差情報セレクタ184に接続し、制御偏差情報セレクタ184は位置制御器191〜194に接続している。位置制御器191〜194は電流制御器121〜124にそれぞれ接続している。
制御偏差算出器181〜183は、位置指令器131、141、151から入力された台車の目標位置及び光学式エンコーダ161〜164から送信された台車の現在位置との差である制御偏差情報を演算する。制御偏差算出器181〜183は、制御対象の台車を制御するために必要なコイルユニットを駆動する位置制御器191〜194のうち1つまたは複数を選択するための制御偏差情報交換信号を生成し、制御偏差情報セレクタ184へ送信する。
制御偏差情報セレクタ184は、制御偏差算出器181〜183から入力された制御偏差情報交換信号に基づいて、制御偏差算出器181〜183が出力する制御偏差情報の入力先として位置制御器191〜194のうち1つまたは複数を選択して切り替える。制御偏差情報セレクタ184は、制御偏差算出器181〜183のいずれかと組み合わせた位置制御器に対して制御偏差情報を送信する。制御偏差情報セレクタ184から制御偏差情報を受信した位置制御器は、制御偏差情報に基づいて台車の制御に必要な電流制御情報を演算し、対応する電流制御器へ送信する。なお、運行コントローラ20が送信した駆動プロファイルは、位置指令器131、141、151がアクセス可能なメモリ(図示せず)に記憶されるようにしてもよい。
図9は本実施例のリニアモータモジュール100aにおける、位置制御部と電流制御部の詳細図である。図9を参照しながら本実施例における台車制御について詳しく説明する。なお、図9における記号dは、対応する記号dと結線していることを示している。台車111は位置指令器131から送信される位置制御指令に基づいて作動する。図9において、位置指令器141は台車制御を行っていない休止状態である。
台車111は光学式エンコーダ161、162によって位置検出され、光学式エンコーダ161、162は検出した位置情報を位置情報セレクタ165に送信する。位置情報セレクタ165は、光学式エンコーダ161が検出した台車111の現在位置を制御偏差算出器181へ送信する。
制御偏差算出器181は、位置指令器131が出力する位置制御指令、すなわち台車111の目標位置と、受信した位置との差を計算して制御偏差情報e(t)を演算する。制御偏差算出器181は、制御偏差情報セレクタ184から位置制御器191、192へ制御偏差情報e(t)を出力するように制御偏差情報交換信号を生成し、制御偏差情報及び制御偏差情報交換信号を制御偏差情報セレクタ184へ送信する。
位置制御器191、192はPID制御を行う。比例ゲイン512、522は、積分計算器514、524、及び微分計算器515、525にそれぞれ入力される。積分計算器514、524は、以下の式(1)の計算を行う。
Figure 2018102129
式(1)において、Tは積分時間、tは時間、τは積分を行う時間区間をそれぞれ表している。
微分計算器515、525は、以下の式(2)の計算を行う。
Figure 2018102129
式(2)において、Tは微分時間を表している。式(1)、(2)で求められた結果及び比例ゲイン512、522から求めた和が符号電流制御情報m(t)、m(t)になる。ここで電流制御情報をm(t)とすると、以下の式(3)で求められる。
Figure 2018102129
式(3)において、Kは比例ゲインを表している。式(3)を用いて電流制御情報m(t)、m(t)が計算され、電流制御情報m(t)、m(t)は電流制御器121、122にそれぞれ入力される。
電流制御器121、122は、それぞれ電流偏差算出器513、523、電流情報比例器517、527、電流情報積分器518、528を備えている。電流情報比例器517、527は、任意に設定可能なパラメータによってゲイン調整を行う。電流フィードバック情報FB、FBは、U相、V相、W相の各相の駆動電流に基づいた情報であり、電流偏差算出器513、523へそれぞれ入力される。
電流制御器の制御方法について、電流制御器121を用いて説明する。なお、電流制御器122は電流制御器121と同様の構成なので、説明は省略する。
電流偏差算出器513は、電流制御情報m(t)と電流フィードバック情報FBとの差を算出する。電流制御情報m(t)と電流フィードバック情報FBとの差に基づいて、電流情報比例器517が比例計算を行い、電流情報積分器518が積分計算を行う。電流情報比例器517が算出した比例計算結果と電流情報積分器518が算出した積分計算結果の和、つまり電流制御情報に基づいて、電流制御器121はコイルユニット101が備える各相のコイル105u、105v、105wへ駆動電流を供給する。これにより、各相のコイル105u、105v、105wに磁力が生じる。台車111は、マグネット114〜116の磁力と各相のコイル105u、105v、105wに生じた磁力とによって、磁力関係のバランスが取れる位置、すなわち安定した磁場へと移動する。
本実施例に係るリニアモータモジュールの制御について説明する。図10(a)は、台車111、112の移動を示す制御状態、図10(b)は台車111、112の停止を示す制御状態、図10(c)は新たな台車113が進入してきたときの制御状態、図10(d)は台車111、113の停止を示す制御状態である。図11は、本実施例に係る台車の制御を示すフローチャートである。図12は、図11の台車割り当て処理を示すフローチャートである。図10〜図12に基づいて、以下に説明する。なお、図10(a)〜(d)は、複数の台車を制御して移動させる場合の台車とコイルユニットとの位置関係と、台車の制御を行う各制御器の制御状態を時系列で表している。また、図10(a)〜(d)では、リニアモータモジュール100bにおける制御状態を示しており、リニアモータモジュール100bはリニアモータモジュール100a、100cの間に隣接して位置しているものとする。また、図11に示すフローチャートにおいて、ステップS1101の処理は、第1実施例で説明した図6のステップS601と共通している。よって共通箇所の説明は省略する。
図10(a)に示すように、台車111がコイルユニット101のみによって制御可能な領域に位置する場合、台車111の制御は、位置指令器131、位置偏差算出器181、位置制御器191、及び電流制御器121によって行われる。図10(a)では、既に台車111、112への制御偏差算出器及び位置指令器の割り当ては行われているものとし、図11のステップS1101〜S1103の説明は省略する。また、台車111、112に対する制御は同じなので、台車111についてのみ説明する。
制御偏差算出器181は、位置指令器131から入力された台車111の目標位置と台車111の現在位置との差である制御偏差情報e(t)を算出する(ステップS1104)。ステップS1104では、制御偏差情報セレクタ184が台車111を制御するために必要なコイルユニットを制御する位置制御器を選択するための制御偏差情報交換信号も生成する。
制御偏差算出器181は、求めた制御偏差情報e(t)及び生成した制御偏差情報交換信号を制御偏差情報セレクタ184へ送信する(ステップS1105)。制御偏差情報セレクタ184は、制御偏差情報交換信号に基づいて、ステップS1104で求めた制御偏差情報を送信する位置制御器を選択し、選択した位置制御器に制御偏差情報を送信する(ステップS1106)。図10(a)では、制御偏差情報セレクタ184は、制御偏差情報交換信号に基づいて、位置制御器191を選択し、ステップS1104で求めた制御偏差情報を位置制御器191に送信する。
位置制御器191は、受信した制御偏差情報に基づいて、電流制御器121を制御するための電流制御情報m(t)を演算し、演算した電流制御情報を電流制御器121に送信する(ステップS1107)。電流制御器121は、受信した電流制御情報に基づいてコイルユニット101に電流を供給する(ステップS1108)。
次に図10(b)に示すように、台車111は、2つのコイルユニット101、102によって制御可能な位置へ移動する。図10(b)では、図10(a)に対して2つのコイルユニットによって台車111が制御される点が異なっている。従って、図11のステップS1101〜S1103については説明を省略する。
制御偏差算出器181は、位置指令器131から入力された台車111の目標位置と台車111の現在位置との差である制御偏差情報e(t)を算出し、制御偏差情報交換信号を生成する(ステップS1104)。ステップS1104で生成される制御偏差情報交換信号は、位置制御器191、192が選択されるような信号である。
制御偏差算出器181は、求めた制御偏差情報及び生成した制御偏差情報交換信号を制御偏差情報セレクタ184へ送信する(ステップS1105)。制御偏差情報セレクタ184は、受信した制御偏差情報交換信号に基づいて、位置制御器191から2つの位置制御器191、192を選択して切り替え、受信した制御偏差情報e(t)を2つの位置制御器191、192に送信する(ステップS1106)。
位置制御器191、192は、受信した制御偏差情報e(t)に基づいてコイルユニット101、102に供給する電流としての電流制御情報m(t)、m(t)をそれぞれ演算する(ステップS1107)。位置制御器191は求めた電流制御情報m(t)を電流制御器121へ送信し、電流制御器121は電流制御情報m(t)に基づいてコイルユニット101へ駆動電流を供給する。また、位置制御器192は求めた電流制御情報m(t)を電流制御器122へ送信し、電流制御器122は電流制御情報m(t)に基づいてコイルユニット102へ駆動電流を供給する。(ステップS1108)。この制御における電流制御情報m(t)とm(t)との違いは、積分計算器514、524によって計算される値だけとなる。
本実施例においては積分計算器514、524が積分を行う時間区間τを、位置制御器192が台車111の制御を開始してから停止位置に停止するまでに要する時間に対して短い時間となるようにする。これにより台車111が停止位置P2に停止する時刻には、2つの積分計算器514、524の計算値の差は十分小さくなり、2つの電流制御情報m(t)、m(t)の差も十分小さくなる。
この電流制御情報m(t)、m(t)に基づいて、電流制御器121、122が2つのコイルユニット101、102を略等しい駆動電流にて駆動する。これによって、短時間で高精度に2つのコイルユニット101、102の境界位置である位置P2へ台車111を停止できる。
電流制御情報m(t)、m(t)は同じ値であることが望ましいが、1つの制御偏差情報e(t)に基づいて2つの位置制御器を制御する構成であれば、同じ値でなくとも台車を2つのコイルユニットの境界位置へ短時間で高精度に停止することができる。また、1つの制御偏差情報e(t)に基づいて2つの位置制御器を制御する構成であれば、それぞれの位置制御器のPID制御パラメータを微調整することが可能となり、例えばコイルユニット毎の取付精度に起因する個体差に対応した制御が可能となる。
図10(c)では、図10(a)、(b)に対して、新たな台車113がコイルユニット101の制御範囲に進入してくる点、及び台車112がリニアモータモジュール100bから排出される点が異なっている。従って、共通箇所の説明は省略する。まず、台車113の進入について以下に説明する。
光学式エンコーダ161は、台車113の位置を検出する(ステップS1101)。光学式エンコーダ161が検出した台車113の位置情報は、位置情報セレクタ165を介してコントローラ制御器170に入力される。次に、コントローラ制御器170は、光学式エンコーダ161が検出した台車113が新たな台車か否かを判定する(ステップS1102)。コントローラ制御器170は、台車113がリニアモータモジュール100bに進入してきた新たな台車であると判定し(ステップS1102:Yes)、台車113の割り当て処理を行う(ステップS1103)。
図12に示すように、コントローラ制御器170は、制御偏差算出器181が台車を制御中なのか、休止状態なのかを判定する(ステップS1201)。制御偏差算出器181が休止状態である場合(ステップS1201:Yes)、コントローラ制御器170は、光学式エンコーダ161が検出した台車を制御偏差算出器181へ割り当てる(ステップS1202)。そして、コントローラ制御器170は、割り当てた情報を割付信号として制御偏差算出器181へ送信する。
制御偏差算出器181が台車を制御中である場合(ステップS1201:No)、コントローラ制御器170は、制御偏差算出器182が台車を制御中なのか、休止状態なのかを判定する(ステップS1203)。制御偏差算出器182が休止状態である場合(ステップS1203:Yes)、コントローラ制御器170は、光学式エンコーダ161が検出した台車を制御偏差算出器182に割り当てる(ステップS1204)。そして、コントローラ制御器170は割り当てた情報を割付信号として制御偏差算出器182へ送信する。
制御偏差算出器182が台車を制御中である場合(ステップS1203:No)、コントローラ制御器170は、制御偏差算出器183が台車を制御中なのか、休止状態なのかを判定する(ステップS1205)。制御偏差算出器183が休止状態である場合(ステップS1205:Yes)、コントローラ制御器170は、光学式エンコーダ161が検出した台車を制御偏差算出器183に割り当てる(ステップS1206)。そして、コントローラ制御器170は割り当てた情報を割付け信号として制御偏差算出器183へ送信する。
一方、制御偏差算出器183が台車を制御中である場合(ステップS1205:No)、光学式エンコーダ161が検出した台車を割り当てることのできる制御偏差算出器が存在しないことになる。従って、コントローラ制御器170はエラー情報を運行コントローラ20に送信する(ステップS1207)。図10(c)では、制御偏差算出器183が休止状態であったので、コントローラ制御器170は制御偏差算出器183を台車113の制御に割り当てる。なお、新たに進入してきた台車113について、図11のステップS1104以降の処理は図10(a)、(b)で説明した処理と共通しているので、説明を省略する。
図10(c)に示す台車112は、図11に示す一連の処理によって、リニアモータモジュール100bに隣接するリニアモータモジュール100cへ移動する。制御偏差算出器182は、制御対象の台車のない休止状態になったことを示す制御状態情報をコントローラ制御器170に送信する。
図10(d)における台車111、113は、それぞれの位置に応じて図10(a)、(b)で説明したように制御される。図10(a)〜(d)に示すように、リニアモータモジュール100bへ進入してきた台車を、リニアモータモジュール100bの制御範囲外へ排出するまで1つの制御偏差算出器が送信する制御偏差情報e(t)によって制御し続ける。
このように、本実施例では、制御偏差情報セレクタ184は、制御偏差情報交換信号に基づいて1つの制御偏差情報を入力する1つまたは複数の位置制御器を選択して切り替える。これにより、制御偏差情報セレクタ184は、複数の制御偏差情報について、各制御偏差情報の入力先となる位置制御器を1つまたは複数選択してそれぞれ切り替えることができる。制御偏差情報セレクタ184によって複数の位置制御器が選択された場合、各位置制御器は1つの制御偏差情報e(t)に基づいて電流制御情報m(t)を演算してそれぞれの電流制御器へ送信する。そして各電流制御器は電流制御情報m(t)に基づいて対応するコイルユニットに駆動電流を供給するので、上記第1実施例と同様の効果を得ることができる。また、コントローラ制御器170が新たに進入してきた台車を複数の制御偏差算出器181〜183にそれぞれ割り当てるので、高密度に複数の台車を配置しても、各台車を高速で移動させ、且つ高精度に停止させることができる。なお、本実施例にて説明した位置制御器のPID制御と電流制御器の制御方法は一例であり、制御方法を限定するものではない。
[第3実施例]
本発明の第3実施例に係る物品の製造システム800について図14を用いて説明する。物品の製造システム800は、第1実施例に係るリニアモータ制御システム1と工程装置810、811と、工程コントローラ820とを有し、リニアモータ制御システム1は、工程装置810、811間のワーク801の搬送を行う。ここで、物品とは、例えばインクジェットプリンタやコピー機用のトナーカートリッジ、カメラ用の部品、半導体製品等である。工程コントローラ820は、工程装置810、811の工程情報の収集を行い、台車の搬送工程を生成する。なお、工程装置810、811の数はこれに限定されない。
製造システム800による物品の製造方法について説明する。運行コントローラ20は、同じタイミングで一斉に一群搬送指令をモータコントローラ130に送信し、モータコントローラ130は、該一群搬送指令を受信する。それに応じて、モータコントローラ130は、担当するリニアモータモジュールにある又は進入してきた台車に対して、運行コントローラ20から予め受信しておいた台車の目標位置の情報に基づいて制御偏差情報を演算する。そして、モータコントローラ130は、偏差情報に基づいて電流制御情報を演算し、電流制御情報交換信号を生成する。図示しない電流情報セレクタは、電流制御情報交換信号に基づいて1つまたは複数の電流制御器を切り替え、切り替えられた電流制御器は受信した電流制御情報に基づいてコイルユニットに駆動電流を供給する。これにより、搬送路830上の台車111が第1及び第2の工程装置810、811に向けて搬送される。台車111上にはワーク801が把持されて載置されており、台車111が搬送されてきた工程装置810、811は、ワーク801に対して所定の工程を行う。
例えば、製造されるべき物品が、インクジェットプリンタのトナーカートリッジである場合、ワーク801は、トナー粉末を入れるためのカートリッジである。そして、工程装置810は、カラーインク用のトナー粉末をワーク801に投入する工程を行い、工程装置811は、ブラックインク用のトナー粉末をワーク801に投入する工程を行う。最終的に、物品802としてインクカートリッジ製品が製造される。
このように、本実施例に係る物品の製造システムは、第1実施例に係るリニアモータ制御システムの利点を伴って物品を製造することができ、その結果、物品の製造効率の向上ひいては製造コストの低減につながる。なお、本実施例に係る物品の製造システムは、第2実施例に係るリニアモータ制御システムに対しても適用可能である。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記第1及び第2実施例では、リニアモータモジュール10a〜10Nが4つのコイルユニット101〜104を備えた構成としているが、2つ以上のコイルユニット及び2つ以上のモータコントローラを備えるリニアモータモジュールであればよい。このような構成とすることによって、リニアモータモジュールに進入する台車毎に各モータコントローラが割り当てられるので、コイルユニットの境界でも台車を精度よく停止させることができる。
また、上記各実施例では3相式リニアモータとしたが、3相に限定するものではなく、例えば2相式リニアモータであっても良い。また、マグネット114〜116の数も3個に限定するものではない。
また、上記第1及び第2実施例では、コイルユニット101〜104を直列接続しているが、コイルユニットの配置はこれに限られず、例えば図13(a)、(b)に示すような配置にしてもよい。図13(a)はリニアモータモジュールの上面図、図13(b)はXIII−XIII線に沿う断面図である。図13(a)に示すように、用いて、台車901のマグネット114〜116を挟み込むように2組のコイルユニット101a〜103a、101b〜103bを配置したT型配置にしても良い。
このようなコイルユニット101a〜103a、101b〜103bを備える場合、台車903は、マグネットブラケット902と、マグネット114〜116と、4つの移動ブロック903と、スケール205とを備える。移動ブロック903及び2本のレール201、201は、リニアガイドを構成する。コイルユニットをT型配置とする場合は、対向する2つのコイルユニット101a、101bを、各相を形成する複数のコイル105が直列接続となるようにする。対向するコイルユニット102a、102b、及び103a、103bについても同様である。
1 リニアモータ制御システム
10a〜10N、100a〜100N リニアモータモジュール(リニアモータ制御装置)
101〜104 コイルユニット
111〜113 台車
121〜124 電流制御器(電流制御手段)
125 電流情報セレクタ(切り替え手段)
132、142、152、181〜183 制御偏差算出器(偏差算出手段)
133、143、153、191〜194 位置制御器(位置制御手段)
161〜164 光学式エンコーダ(位置検出手段)
184 制御偏差情報セレクタ(切り替え手段)

Claims (7)

  1. 連続して配置される複数のコイルユニットと、
    前記複数のコイルユニットに亘って移動する複数の台車の位置を検出する複数の位置検出手段と、
    検出された台車の位置と目標位置との差である偏差情報を演算する複数の偏差算出手段と、
    前記偏差情報に基づき電流制御信号を演算する複数の位置制御手段と、
    前記電流制御信号に基づき前記複数のコイルユニットに駆動電流を供給する複数の電流制御手段と、
    前記偏差情報が送信される前記位置制御手段を切り替え、または、前記電流制御信号が送信される前記電流制御手段を切り替える切り替え手段と
    を有するリニアモータ制御装置。
  2. 前記電流制御手段は、前記台車が前記複数のコイルユニットに亘って移動する間、同一の偏差算出手段によって演算された偏差情報に基づいて、前記台車が位置しているコイルユニットに供給する駆動電流を制御する、請求項1に記載のリニアモータ制御装置。
  3. 前記複数のコイルユニットへ進入する台車に対して、前記複数の偏差算出手段のうち前記偏差情報を演算していない偏差算出手段を割り当てる割当手段を有する、請求項1または2に記載のリニアモータ制御装置。
  4. 前記位置検出手段が検出した台車の位置を、前記台車に割り当てられている偏差算出手段へ送信する選択手段を有する、請求項3に記載のリニアモータ制御装置。
  5. 連続して配置される複数のコイルユニットと、
    前記複数のコイルユニットに亘って移動する複数の台車の位置を検出する複数の位置検出手段と、
    検出された台車の位置と目標位置との差である偏差情報を演算する複数の偏差算出手段と、
    前記偏差情報に基づき電流制御信号を演算する複数の位置制御手段と、
    前記電流制御信号に基づき前記複数のコイルユニットに駆動電流を供給する複数の電流制御手段と、
    前記偏差情報が送信される前記位置制御手段を切り替え、または、前記電流制御信号が送信される前記電流制御手段を切り替える切り替え手段と、
    前記偏差算出手段が用いる前記目標位置を送信することにより、台車の運行を制御する運行制御手段と、
    を有するリニアモータ制御システム。
  6. 複数のコイルユニットに亘って移動する複数の台車の位置を検出するステップと、
    検出された台車の位置と目標位置との差である偏差情報を位置制御手段によって演算するステップと、
    前記偏差情報に基づき電流制御信号を位置制御手段によって演算するステップと、
    前記電流制御信号に基づき前記複数のコイルユニットに駆動電流を電流制御手段から供給するステップと、
    前記偏差情報が送信される前記位置制御手段を切り替え、または、前記電流制御信号が送信される前記電流制御手段を切り替えるステップと、
    を有する、リニアモータ制御方法。
  7. 請求項6に記載のリニアモータ制御方法によって制御される台車を用いた物品の製造方法であって、
    前記台車に載置されている物品に対して所定の工程を行い、物品を製造するステップを有する物品の製造方法。
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