本発明の実施形態に関して図面を参照して説明する。
まず、本実施形態による加工システムの全体構成について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態による加工システムの全体構成を示す概略図であり、システム全体を上面から見た図を概略的に表したものである。
図1に示すように、本実施形態による加工システム001は、搬送装置往路1と、搬送装置復路2と、台車移載装置3と、台車移載装置4と、ワーク投入装置5と、ワーク排出装置6と、加工装置7と、遮断装置8と、搬送台車10とを有している。本実施形態による加工システム001は、加工すべき加工対象であるワークWを搬送するとともに、搬送台車10上でワークWを位置決めする搬送システム01を含んでいる。搬送システム01は、固定部である搬送装置往路1と、搬送装置復路2と、台車移載装置3と、台車移載装置4と、遮断装置8とを有している。搬送装置往路1、搬送装置復路2、台車移載装置3及び台車移載装置4は、移動部である搬送台車10の搬送路を構成する。本実施形態において、搬送台車10を移動部、搬送台車10の搬送路を固定部と称する場合がある。
ここで、以下の説明において用いる直交座標系であるXYZ座標系のX軸、Y軸及びZ軸の各座標軸及び方向を定義する。まず、水平に搬送される搬送台車10の搬送方向に沿ってX軸をとる。また、水平に置かれた後述の架台02に対して垂直な軸、すなわち鉛直方向に沿った軸をZ軸とし、X軸及びZ軸と直交する軸をY軸とする。このように座標軸が定義されるXYZ座標系において、X軸に沿った方向をX方向とし、X方向のうち、搬送台車10の搬送方向と同方向を+X方向、+X方向とは逆方向を-X方向とする。また、Y軸に沿った方向をY方向とし、Y方向のうち、+X方向に対して右側から左側に向かう方向を+Y方向とし、+Y方向とは逆方向を-Y方向とする。また、Z軸に沿った方向をZ方向とし、Z方向のうち、搬送路側から搬送台車10側に向かう方向、すなわち鉛直上向き方向を+Z方向とし、搬送台車10側から搬送路側に向かう方向、すなわち鉛直下向き方向を-Z方向とする。
加工システム001においては、それぞれ搬送台車10を搬送する直線状の搬送路を構成する搬送装置往路1及び搬送装置復路2が互いに平行に設置されている。台車である搬送台車10は、搬送装置往路1及び搬送装置復路2に沿って搬送される。搬送装置往路1の最上流には、台車移載装置3が設置されている。また、搬送装置往路1の最下流には、台車移載装置4が設置されている。搬送装置往路1に沿って搬送された搬送台車10は、台車移載装置4により搬送装置復路2に移載される。また、搬送装置復路2に沿って搬送された搬送台車10は、台車移載装置3により搬送装置往路1に移載される。すなわち、搬送台車10は、搬送装置往路1及び搬送装置復路2に沿って循環搬送される。なお、搬送台車10は、1台だけ設置されていてもよいし、複数台設置されていてもよい。
搬送装置往路1の上流には、搬送台車10にワークWを供給して搭載するためのワーク供給装置であるワーク投入装置5が設置されている。搬送装置往路1の下流には、搬送台車10よりワークWを取り出して排出するためのワーク排出装置6が設置されている。
ワーク投入装置5とワーク排出装置6との間には、1台又は複数台の加工装置7が設置されている。複数台の加工装置7は、所定の間隔で設置されている。加工装置7は、搬送台車10上に固定されたワークWに対して、部品の組み立てや塗布等の所定の加工作業を施す。なお、加工装置7としては、特に限定されるものではなく、ワークWに対して種々の加工作業を施す加工装置を用いることができる。
搬送台車10は、搬送装置往路1に対して所定の間隔で設置されたワーク投入装置5、加工装置7及びワーク排出装置6の間を順次搬送される台車である。搬送台車10には、ワーク投入装置5にてワークWが供給されて投入される。次いで、搬送台車10上でのワークWの位置決め及び固定を経た後、搬送台車10上のワークWに対して、加工装置7により所定の加工作業が施される。加工装置7によるすべての加工作業が完了した後、ワーク排出装置6により、搬送台車10上からワークWが取り出され、物品が製造される。
遮断装置8は搬送装置往路1及び搬送装置復路2の両端部に設けられており、台車移載装置3及び台車移載装置4との連結部に設けられている。台車移載装置3及び台車移載装置4の非連結時に搬送台車10が飛び出すのを防止する。
(第一の実施形態)
次に、搬送システム01における搬送装置往路1、搬送装置復路2、台車移載装置3、4及び搬送台車10の構成の第一の実施形態の概略について、図2~図4を用いて説明する。
図2は、搬送装置往路1をY方向から見た図である。図3は、搬送台車10及び搬送路の一部である搬送モジュール11をY方向から見た図である。図4は、搬送台車10及び搬送モジュール11の構成を示す断面図である。
搬送装置往路1は、モジュール化されて構成されており、複数の搬送モジュール11を有している。加工システム001は、複数の搬送モジュール11、台車移載装置3及び台車移載装置4にそれぞれ通信可能に接続された複数の下位コントローラ43を有している。下位コントローラ43は、接続先の搬送モジュール11又は台車移載装置3、4を制御する。
なお、図2では、説明を簡単にするため、2つの搬送モジュール11を示し、それぞれに接続された下位コントローラ43として、2つの下位コントローラ43a、43bを示している。また、台車移載装置3に接続された下位コントローラ43として、下位コントローラ43c、43dを示している。また、台車移載装置4に接続された下位コントローラ43として、下位コントローラ43e、43fを示している。説明では、特に区別する必要がないかぎり、下位コントローラを単に「下位コントローラ43」と表記する。複数の下位コントローラ43は、下位コントローラネットワーク42に接続されている。
加工システム001は、さらに、中位コントローラ41と、上位コントローラ40とを有している。複数の下位コントローラ43には、下位コントローラネットワーク42を介して、中位コントローラ41が通信可能に接続されている。中位コントローラ41は、複数の下位コントローラ43を制御する。さらに、中位コントローラ41には、中位コントローラ41に動作指令を送る上位コントローラ40が接続されている。
図2に示すように、搬送モジュール11は、架台02の水平な設置面上に設置されている。搬送モジュール11は、搬送モジュール筺体15と、エンコーダ12a、12b、12cと、台車駆動コイル13と、ガイドレール14とを有している。また、下位コントローラ43には、図示しない電源が接続されている。
台車駆動コイル13は、X方向に沿って搬送モジュール筺体15に取り付けられている。ガイドレール14は、X方向に沿って搬送モジュール筺体15の上に取り付けられている。
搬送台車10は、台車ベース30と、スケール32と、ガイドブロック35を有している。
次に、搬送台車10及び搬送モジュール11の構成について図3及び図4を用いて説明する。固定部である搬送路の一部である搬送モジュール11は、搬送モジュール筺体15を含む。移動部である搬送台車10は、台車ベース30を含む。台車ベース30、搬送モジュール筐体15、いずれも側面開放の凹形状を有している。つまり、台車ベース30は上部30a(第一の上部と称する場合がある)、下部30b(第一の下部と称する場合がある)、および第一の上部30aと第一の下部30bをつなぐ第一の側部30cを有している。そして、第一の上部30aと第一の下部30bとの間の、第一の側部30cと反対側が開口する、側面開放の凹形状となっている。また、搬送モジュール筐体15も、上部15a(第二の上部と称する場合がある)、下部15b(第二の下部と称する場合がある)、および第二の上部15aと第二の下部15bをつなぐ第二の側部15cを有している。そして、第二の上部15aと第二の下部15bとの間の、第二の側部15cと反対側が開口する、側面開放の凹形状となっている。そして、第一の上部30aと第一の下部30bとの間に、第二の上部15aが台車ベース30の開口部から挿入されている。これにより、第一の上部30aの下面30abと第二の上部15aの上面15aaが対向して配置される。また、第二の上部15aの下面15abと第一の下部30bの上面30baが対向して配置される。そして、第一の上部30aの下面30abには、ガイドブロック35が取り付けられ、第二の上部15aの上面15aaにガイドレール14が取り付けられている。第一の上部30aの下面30abと第二の上部15aの上面15aaが対向して配置されているので、ガイドブロック35をガイドレール14上に配置することができる。そして、台車をガイドレール14に沿って移動させることが可能となる。ガイドブロック35は、台車ベース30の搬送方向に直列に2個設置されている。2個に限るものではないが、1個であると台車の揺れが大きくなるため、2個以上あることが好ましい。本実施形態においては、第一の上部30aの下面30abに、ガイドブロック35が取り付けられ、第二の上部15aの上面15aaにガイドレール14が取り付けられている例を示した。しかし、これに限らず、第一の上部30aの下面30abに、ガイドレールが取り付けられ、第二の上部15aの上面15aaにガイドブロックが取り付けられていてもよい。
第二の下部15bの下面15bbは架台02(図2参照)の上面と接するように固定されている。架台02に限るものではなく、たとえば建物の床面に第二の下部15bの下面15bbが直接接するように設置されていてもよい。本明細書において第二の下部15bの下面15bbが直接接するように設置されている構造体をベースと称する。
永久磁石ブラケット34は、第一の下部30bの上面30baに取り付けられている。そして、複数の永久磁石33が、X方向に並ぶように永久磁石ブラケット34に取り付けられている。本明細書において、永久磁石ブラケット34と永久磁石33とをあわせて永久磁石と称する。また、台車駆動コイル13は、第二の上部15aの下面15abに取り付けられている。つまり、ガイドレール14と台車駆動コイル13は搬送モジュール筺体15の上部(第二の上部)を介して背中合わせに配置されている。台車ベース30に取り付けられた複数の永久磁石33と、搬送モジュール筺体15に取り付けられた台車駆動コイル13との間には、台車駆動コイル13に電流が印加されることにより、搬送台車10を駆動する電磁力が発生する。搬送台車10は、複数の永久磁石33と台車駆動コイル13との間に発生する電磁力により駆動され、搬送装置往路1上を+X方向に沿って搬送される。このように、本実施形態では、台車駆動コイル13は動かず、永久磁石33が移動する、ムービングマグネット(MM)型リニアモータによる搬送システム01が構成されている。
スケールブラケット31を介してスケール32が、台車ベース30の上部30aであって、エンコーダ12が位置検出可能な位置に取り付けられている。つまり、スケールとエンコーダ12が対向して取り付けられている。そしてスケール32は、搬送台車10の位置検出に用いられるパターンを有している。スケールブラケット31を介さず直接スケール32が台車ベース30の上部(第一の上部)に取り付けられてもよく、本明細書においては、スケールブラケット31とスケール32とをあわせてスケールと称する場合がある。
そして、搬送モジュール筺体15の側部15cの外側の側面をエンコーダ取付面18とする。エンコーダ取付面18には、エンコーダブラケット(センサ取り付け部材)17を介してエンコーダ12が設置される。エンコーダ12はエンコーダブラケット(センサ取り付け部材)によってエンコーダのスケール読み取り部であるエンコーダ検出部102をスケールと対向して配置されるように調整されている。エンコーダ取付面18には、エンコーダブラケット17を介してエンコーダ12が設置される。本実施形態ではエンコーダを3個設置する例を示したが、これに限るものではない。エンコーダブラケット17を介さず直接エンコーダを取り付けてもよく、本明細書においては、エンコーダブラケット17とエンコーダ12とをあわせてエンコーダと称する場合がある。また、本実施形態においてはエンコーダとスケールを用いて移動部の位置を検出する形態について述べるがこれに限ることなく、固定部と移動部の位置を検出できる公知のセンサを用いることができる。本明細書においては、移動部に取り付けられる部材をスケール、固定部に取り付けられる部材をエンコーダまたはセンサと称する。
1本のガイドレール14によって、搬送台車10の動作案内を行う従来の搬送装置の場合、台車駆動コイル13と永久磁石33の吸引力の影響や、搬送台車10の慣性力の影響によりガイドブロック35に回転力が発生する場合がある。この回転力の影響でガイドブロック35及び台車ベース30が変形してしまい、スケール32とエンコーダ12の位置関係が崩れてしまい、正確な位置検出ができなくなってしまう懸念があった。しかし、本実施形態の構成では、ガイドブロック35と永久磁石33を近接して配置できるため、ガイドブロック35にあまり負荷をかけない構成にできる。また、ガイドブロック35が変形したとしても、スケール32とガイドブロック35の位置を近づけることができるため変形による影響を最小限にできる。
そして、搬送モジュール11のX方向(搬送モジュール筺体15の側部15cの長手方向)の中心部にエンコーダ12bを設置することが好ましい。詳しくは後述するが、上記構成の搬送モジュール筐体15であると、その側部15cの熱による変形を扇形にすることができる。変形した扇形の側部15cの中心部にエンコーダを配置することで、筐体の熱変形の影響を極力抑えることが可能となる。本明細書における中心部とは、搬送モジュール筐体15の側部15cのX方向(側部15cの長手方向)の長さを1とした時、側部15cの長手方向の一方の端部から他方の端部に向かって、側部15cの長さの1/3の部分から、2/3の部分までの範囲とする。つまり中心部とは、後述する図3におけるTの範囲とする。この範囲にあると、筐体の熱変形の影響を極力抑えることが可能となる。また、中心部以外の部分(端部)に、エンコーダ12a、12cが設置されていてもよい。エンコーダ12aとエンコーダ12bの間隔及びエンコーダ12bとエンコーダ12cの間隔は搬送台車10に取り付けたスケール32の長さよりも短いことが好ましい。そうすることによって搬送モジュール11上のどの位置においても搬送台車10の位置をいずれかのエンコーダ12によって検出することができる。
また、カバー16はガイドレール14、台車駆動コイル13、エンコーダ12、下位コントローラ43を保護するために設置されている。
下位コントローラ43は搬送モジュール筺体15に下位コントローラブラケット44を介して設置されており、図示しない配線によって、同一搬送モジュール11内に設置されたエンコーダ12及び台車駆動コイル13が接続されている。
搬送モジュール11のエンコーダ12は、搬送台車10に取り付けられたスケール32とのギャップが一定となるように搬送モジュール筺体15に取り付けられている。エンコーダ12は、スケール32のパターンを読み取ることにより、搬送台車10のX方向における位置を、エンコーダ12からの相対位置として検出することができる。
下位コントローラ43は、接続されたエンコーダ12の出力及びそのエンコーダ12が設置された位置に基づき、搬送モジュール11上における搬送台車10の位置を算出することができる。下位コントローラ43は、算出した搬送台車10の位置等に応じて、台車駆動コイル13に印加される電流量を制御することができる。これにより、下位コントローラ43は、搬送台車10を所定の位置まで所定の速度で搬送して停止させることができる。
また、下位コントローラ43は、隣接する搬送モジュール11から接続先の搬送モジュール11に搬送台車10が進入することをエンコーダ12により検知することができる。下位コントローラ43は、接続先の搬送モジュール11に進入した搬送台車10を所定の位置まで所定の速度で搬送し、停止させるため、接続先の搬送モジュール11内における搬送台車10の制御を行う。
下位コントローラ43は、中位コントローラ41と情報をやり取りするための通信機能を有している。下位コントローラ43は、その下位コントローラ43が保有するエンコーダ12により検出される搬送台車10の位置情報等に関する通信を中位コントローラ41と行う。
中位コントローラ41は、搬送台車10を動作させるための指令を下位コントローラ43のそれぞれに送信することができる。これにより、中位コントローラ41は、複数台の搬送台車10の制御を行うことができる。
なお、搬送装置復路2も、搬送台車10の搬送方向が、搬送装置往路1における搬送方向とは逆方向となるように構成されている点を除き、上述した搬送装置往路1と同様の構成を有している。
続いて、台車移載装置3及び台車移載装置4の構成について説明する。台車移載装置3及び台車移載装置4は、図2に示すように、それぞれ、Y方向に動作可能な台車移載アクチュエータ50と、台車移載アクチュエータ50上に搭載され、搬送モジュール11と同様の構成のモジュールとを有している。
台車移載装置3に接続された下位コントローラ43cは、台車移載装置3の台車移載アクチュエータ50を制御する。台車移載装置3に接続された下位コントローラ43dは、下位コントローラ43a、43bと同様に、台車移載装置3の搬送モジュール11と同様の構成のモジュールを制御する。また、台車移載装置4に接続された下位コントローラ43eは、台車移載装置4の台車移載アクチュエータ50を制御する。台車移載装置4に接続された下位コントローラ43fは、下位コントローラ43a、43bと同様に、台車移載装置4の搬送モジュール11と同様の構成のモジュールを制御する。
台車移載装置3及び台車移載装置4は、それぞれ、搬送装置往路1と搬送装置復路2との間を動作することにより、搬送台車10の移載を行う。台車移載装置4は、搬送装置往路1に沿って搬送された搬送台車10を、搬送装置往路1から搬送装置復路2に移載する。台車移載装置3は、搬送装置復路2に沿って搬送された搬送台車10を、搬送装置復路2から搬送装置往路1に移載する。
上位コントローラ40は、加工システム001全体を制御し、中位コントローラ41の他に、加工装置7を制御する図示しない加工装置7用のコントローラ等が通信可能に接続されている。上位コントローラ40は、加工システム001における各装置の動作及び動作順を制御する。
次に図5を用いて、図2~図4で説明した搬送モジュール11の熱膨張に関して詳しく説明する。
図5(a)は第一の実施形態における搬送モジュール11の搬送モジュール筺体15の熱膨張を表した図である。
図示しない台車駆動コイル13は搬送台車10を動作させるために、通電することで発熱する。搬送台車10を連続動作させていくと、台車駆動コイル13の熱は、筺体15を介して架台02に伝わることや、台車駆動コイル13、搬送モジュール筺体15、カバー16等と接する周辺空気へ放熱によって、ある所定の温度で装置稼働時定常状態となる。
搬送モジュール筺体15は台車駆動コイル13の発熱の影響で温度上昇することによって、熱膨張する。搬送モジュール筺体15の端部に設置されたエンコーダ12a、12cは搬送モジュール筺体15の熱膨張の影響により、熱膨張前と比べて位置変化する。エンコーダ12a、12cが位置変化したことによって、エンコーダ12a、12cで検出した搬送台車10の検出位置も変化する。
架台02は、台車駆動コイル13の発熱量の総量に対して、十分に大きい体積と熱容量を持つとともに、十分に大きい放熱面積を持つ。すなわち、架台02は停止時と連続動作時との温度上昇量を極わずかに抑えることができる。つまり、架台02の温度上昇量が極わずかであるため、架台02の熱膨張についても極わずかである。
搬送モジュール筺体15は架台02にねじ等によって複数個所固定されている。搬送モジュール筐体15の形状は、前述したように側面開放の凹形状を有している。そして、台車駆動コイル13が搬送モジュール筺体15の上部に設置され、搬送モジュール筺体15の下部の下面が架台02と接触する。つまり搬送モジュール筺体15の下部から架台に放熱されることから、搬送モジュール筺体15は図7で模式的に表したように、扇型(文脈からわかりますが、符号をつけて扇型を図示した方がよい)に熱膨張する。
図5において、106は筺体熱膨張基点とする。筺体熱膨張基点106とエンコーダ12aのX方向の距離において、装置停止時の距離をエンコーダa停止時距離La1、装置稼働時定常状態の距離をエンコーダa稼働時距離La2とする。筺体熱膨張基点106とエンコーダ12bのX方向の距離において、装置停止時の距離をエンコーダb停止時距離Lb1、装置稼働時定常状態の距離をエンコーダb稼働時距離Lb2とする。筺体熱膨張基点106とエンコーダ12cのX方向の距離において、装置停止時の距離をエンコーダc停止時距離Lc1、装置稼働時定常状態の距離をエンコーダc稼働時距離Lc2とする。また、筺体熱膨張基点106と加工装置7のX方向の距離において、装置停止時の距離を加工装置停止時距離L1、装置稼働時定常状態の距離を加工装置稼働時距離L2とする。
次に図6を用いて、本発明の第一の実施形態の搬送モジュール11の熱膨張と装置稼働状態の関係を説明する。
図6は本発明の第一の実施形態における筺体温度と熱膨張の関係を表した図である。
装置の稼働状態を表しているのが、装置稼働状態タイミングチャート200である。図5に記載の、コイル温度測定点P1の温度をコイル温度201、筺体上部温度測定点P2の温度を202、筺体下部温度測定点P3の温度を203、架台温度測定点P4の温度を204とする。また、エンコーダ12aのX方向の位置を205、エンコーダ12bのX方向の位置を206、エンコーダ12cのX方向の位置を207とし、加工装置7のX方向の位置を208とする。
t0は初期時刻、t1は装置稼働開始時刻、t2は装置稼働時定常状態到達時刻、t3は装置停止時刻、t4は装置停止時定常状態到達時刻である。
T0を環境温度とし、装置稼働時定常状態のコイル温度測定点P1の温度をコイル稼働時定常温度T1、筺体上部温度測定点P2の温度を筺体上部稼働時定常温度T2、筺体下部温度測定点P3の温度を筺体下部稼働時定常温度T3とする。
初期時刻t0におけるコイル温度測定点P1、筺体上部温度測定点P2、筺体下部温度測定点P3、ベース温度測定点P4の温度は、各測定点の温度は全て環境温度T0と等しくなる。これは、台車駆動コイル13に電流印加前のため、台車駆動コイル13の発熱影響がないためである。
装置稼働開始時刻t1で装置が稼働中状態になると、台車駆動コイル13が発熱し、各温度測定点の温度は序々に上昇し始める。その後、一定時間を経過して装置稼働時定常状態到達時刻t2になると、コイル稼働時定常温度T1、筺体上部稼働時定常温度T2、筺体下部稼働時定常温度T3に到達する。この時の架台温度測定点P4の温度はT0である。
さらに、装置停止時刻t3になり、装置が停止すると、各温度測定点の温度は序々に下降し始める。その後、一定時間を経過して装置停止時定常状態到達時刻t4になると、何れの温度も環境温度T0と等しくなる。
各時刻におけるコイル温度201、筺体上部温度202、筺体下部温度203、架台温度204の関係を表すと以下の式のようになる。
201≧202≧203≧204・・・(1)
これは、台車駆動コイル13の発熱によって各測定点の温度が上昇するため、台車駆動コイル13に近い箇所の温度がより高温になり、遠ざかるにつれて搬送モジュール筺体15の熱抵抗によって、序々に温度が低下する。
次に各時刻における、エンコーダ12a、12b、12cの位置の関係を説明する。
エンコーダ12aおよび12cは装置稼働開始時刻t1経過後、各部の温度上昇に合わせて、搬送モジュール筺体15が熱膨張し、位置変化する。装置稼働時定常状態到達時刻t2のなると、各部の温度上昇が収まり、一定温度になることで位置変化も収まる。搬送モジュール筺体15の線膨張係数をαとすると、次式が成り立つ。
La2-La1=α(T2-T0)La1・・・(2)
Lc2-Lc1=α(T2-T0)Lc1・・・(3)
(2)式はエンコーダ12aの位置を示した式であり、(3)式はエンコーダ12cの位置を示した式である。ここで、(2)式および(3)式中の筺体上部稼働時定常温度T2に関しては、エンコーダ12a、12c取付用のエンコーダブラケット17用のエンコーダ取付面18が搬送モジュール筺体15の筺体上部温度測定点P2付近に設けられているためである。
一方、エンコーダ12bおよび加工装置7は装置稼働開始時刻t1経過後、各部の温度上昇に合わせて、搬送モジュール筺体15が熱膨張し、位置変化するが、エンコーダ12bは扇形の変形の中心部にあるため位置が変化しないか極わずかである。また、加工装置7は架台02に設置されているため、架台の熱膨張は極わずかであるので位置が変化しないか極わずかである。従って、次式が成り立つ。
Lb2-Lb1=0・・・(4)
L2-L1=0・・・(5)
ここで、La2-La1をΔLa、Lb2-Lb1をΔLb、Lc2-Lc1をΔLc、
L2-L1をΔLとして、装置稼働時定常状態到達時刻t2の初期時刻t0からのエンコーダ12a、12b、12cと加工装置7のそれぞれの相対位置関係の変化を表すと次式のようになる。
ΔLa-ΔL=ΔLa―0=ΔLa・・・(6)
ΔLb-ΔL=0-0=0・・・(7)
ΔLc-ΔL=ΔLc―0=ΔLc・・・(8)
(6)式はエンコーダ12aと加工装置7の位置関係、(7)式はエンコーダ12bと加工装置7の位置関係、(8)式はエンコーダ12cと加工装置7の位置関係を表している。(6)式および(8)式のように、初期時刻t0に教示等の組立調整作業を行った後、装置稼働時定常状態到達時刻t2になると、加工装置7との相対位置関係が崩れてしまい、精密な加工作業等を搬送台車10上のワークに施すことが困難になる。
通常の場合、教示等の組立調整作業は搬送台車10を連続動作中には行わない。すなわち、台車駆動コイル13が発熱しておらず、搬送モジュール筺体15が熱膨張する前の状態であり、初期時刻t0の状態で行うということである。そのような調整を行った場合で、エンコーダ12a、12cにより搬送台車10の加工装置7の停止位置における位置検出を行う。すると、組立調整作業時に教示した位置と、実際に加工装置7がワークの加工、生産を行う時、すなわち装置稼働時定常状態到達時刻t2では台車が停止する位置が異なってしまう。
その他の場合として、教示等の組立調整の前にあらかじめ搬送台車10の連続動作を行い、台車駆動コイル13を発熱させて、定常状態になってから教示作業を行う方法も考えられる。しかしながら搬送台車10を停止後に教示作業を開始し、台車駆動コイル13が自然冷却される前に教示作業を完了しなくてはならない。そのため、教示作業と合わせて、加工装置7の精密な組立調整作業が必要な場合には、自然冷却される前に全ての組立調整作業を完了させるのは困難である。
一方、エンコーダ12bにより搬送台車10の加工装置7の停止位置における位置検出を行うと、初期時刻t0と装置稼働時定常状態到達時刻t2での相対位置変化がない。よって、台車駆動コイル13の温度によらず、加工装置7による精密な加工作業等を搬送台車10上のワークに施すことができる。
実際の装置稼働状態における架台02の温度上昇は厳密に0ではなく、極わずかであるが、温度上昇する。従って、エンコーダブラケット17bと加工装置7の取付部をできるかぎり近づけた方がより効果的である。
(第二の実施形態)
次に図5(b)を用いて、本発明の第二実施形態の搬送台車10および搬送モジュール11の構成を説明する。
ここでは、第一の実施形態との違いについて説明し、第一の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。まず、搬送台車10の構成に関しては第一の実施形態と同じである。
次に、搬送モジュール11について、第一の実施形態との違いを説明する。
搬送モジュール11は3個のエンコーダ12a、12b、12cを備え、エンコーダ12a、12cは搬送モジュール筺体15の側部の外側の側面であるエンコーダ取付面18(図4中に図示)に設置されている。エンコーダ12bは架台02に設けられたエンコーダ外部取付部101に設置されているため、搬送モジュール筺体15が熱膨張による影響を受けない構成になっている。
エンコーダ外部取付部101はベース(架台02)上に設けられており、架台02上には搬送モジュール筺体15、エンコーダブラケット17b、加工装置7を含む加工システム001を構成する全ての構成部品が設置されている。第二の実施形態では架台02上にエンコーダ外部取付部101を設けたがこれに限らず、たとえば床面に直接設けてもよい。
搬送モジュール11上の搬送台車10を連続で動作させると台車駆動コイル13が発熱し、搬送モジュール筺体15が熱膨張することで、エンコーダ12a,12cの位置は変化していく。一方、エンコーダ外部取付部101を介してベース上に設けられたエンコーダ12bの位置は変化せずに連続で動作させる前の位置を保っている。
図7において、121はセンサインターフェース、122はエンコーダ入力切替手段、123はサーボコントローラ、124はエンコーダ取付ピッチ記憶手段、125は演算制御部であり、下位コントローラ43の機能部分である。
エンコーダ入力切替手段122にて、搬送台車の現在位置によって適切なエンコーダ12を選択し、位置情報を入力する。その位置情報に基づきサーボコントローラ123より台車駆動コイル13に駆動電流を出力する。
搬送台車10が図示しない-X方向(紙面左方向)に隣り合う別の搬送モジュールから搬送モジュール11に侵入すると、エンコーダ12aにより、搬送台車10上のスケール32の位置情報を読み取ることで搬送台車10の動作を制御する。
搬送台車10がさらに+X方向(紙面右方向)に動作し、所定の位置を通過すると、エンコーダ入力切替手段122により、エンコーダ12bによる位置検出に切り替える。さらにX方向に動作し、所定の位置を通過すると、エンコーダ12cによる位置検出に切り替える。
エンコーダ12aとエンコーダ12bの取付間隔をエンコーダ取付ピッチLe1、エンコーダ12bとエンコーダ12cの取付間隔をエンコーダ取付ピッチLe2とする。エンコーダ取付ピッチLe1およびエンコーダ取付ピッチLe2は搬送モジュール筺体15の熱膨張するにつれて、序々に変化していく。
また、搬送台車10上のスケール32の長さをスケール長さLsとすると、以下の式の関係で構成される。
Le1<Ls・・・(9)
Le2<Ls・・・(10)
(9)式、(10)式が成り立つ関係であると、1本のスケール32によってエンコーダ12aと12bおよび、エンコーダ12bと12cを同時に位置検出することが可能である。同時に位置検出することにより、エンコーダ取付ピッチLe1、エンコーダ取付ピッチLe2を測定できる。
エンコーダ12a、12cは搬送モジュール筺体15の熱膨張によって位置変化するが、エンコーダ12bは搬送モジュール筺体15の熱膨張による影響を受けない。従って、エンコーダ取付ピッチLe1およびエンコーダ取付ピッチLe2の変化を監視することによって、エンコーダ12bに対するエンコーダ12a、12cの位置変化を監視することが可能である。
搬送モジュール11の組立調整および教示の際に、搬送台車10のスケール32にて、エンコーダ取付ピッチLe1、Le2を測定する。その時の測定値をエンコーダ取付ピッチ記憶手段124に記憶させる。エンコーダ取付ピッチ記憶手段124に記憶したエンコーダ取付ピッチLe1、Le2の値と搬送台車10動作中に測定したエンコーダ取付ピッチLe1、Le2の差分を考慮して、演算制御部125が搬送台車10の動作指令を生成する。
エンコーダ12によってスケール32の位置情報を正確に検出するためには、エンコーダ12とスケール32のスキマ管理や高さ合わせ等の精密な位置調整が必要である。そのため、搬送モジュール筺体15にエンコーダ12が直接設置されていることが本来では理想的である。特に複数の搬送モジュール11を連結し、長尺の搬送路を形成する場合や、複数の搬送台車10を備える場合においては、エンコーダ12の位置調整に膨大な組立調整工数を要する。しかし、エンコーダ取付ピッチ記憶手段124により、エンコーダ外部取付部101に設置されたエンコーダ12b基準で搬送モジュール筺体15に設置されたエンコーダ12a、12cを監視する。これにより組立調整工数の削減と、搬送モジュール11の全域に渡って熱膨張の影響を受けない構成との両立ができる。
(第三の実施形態)
次に図8、図9を用いて、本発明の第三の実施形態の搬送台車10および搬送モジュール11の構成を説明する。
図8は本発明の第三実施形態による搬送装置の構成を示す正面図であり、図9は本発明の第三実施形態による搬送装置の構成を示す断面図である。
ここでは、第一の実施形態との違いについて説明し、第一の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。まず、搬送台車10の構成に関しては第一の実施形態と同じである。
搬送モジュール11に関する第一の実施形態との大きな差は3個のエンコーダ12の何れもベースに設けられたエンコーダ外部取付部101に設置されていることである。すなわち、搬送モジュール11の全域において、台車駆動コイル13の発熱による搬送モジュール筺体15の熱膨張の影響を受けない構成となっている。そして、エンコーダは、搬送モジュール筺体15に滑りスペーサ等の熱変位緩和部を介して取り付けられている。
図9において、103は滑りスペーサであり、搬送モジュール筺体15の側部の外側の側面18とエンコーダブラケット17の間に挟み込む形で設置されている。102は仮固定部材であり、エンコーダブラケット17と滑りスペーサ103を搬送モジュール筺体15の側部の外側の側面18に仮固定するための部材である。104は固定部材であり、エンコーダブラケット17をエンコーダ外部取付部101に固定するための部材である。
搬送モジュール11を組立調整する際、まずエンコーダブラケット17を、滑りスペーサ103を介して搬送モジュール筺体15の側部の外側の側面18に突き当てることで、スケール32とエンコーダ12を所定のスキマに組立調整することができる。次にエンコーダ12のエンコーダブラケット17に対するZ方向の取付位置をスケール32に合わせて組立調整する。組立調整が完了したら、仮固定部材102によって、エンコーダブラケット17を搬送モジュール筺体15の側部の外側の側面18に仮固定する。
エンコーダブラケット17が搬送モジュール筺体15の側部の外側の側面18に仮固定された状態で、搬送モジュール筐体15を架台02などのベース上の所定の取付位置に載置する。そして、隣接する搬送モジュール11や加工装置7等の周辺装置との相対位置調整等を行ったのち、搬送モジュール筺体15を架台に固定する。次に仮固定部材102を取り外し、最後に固定部材104によって、エンコーダブラケット17をエンコーダ外部取付部101に固定する。
多くの場合、加工システム001の組立調整の際には、搬送モジュール11や加工装置7は組立調整作業のしやすい作業台等の上で、あらかじめある単位毎にユニット組立調整作業を行う。その後、架台02にユニット組立調整された搬送モジュール11や加工装置7を搭載し、それぞれの相対位置調整等の作業を行う。
搬送モジュール11のユニット組立調整作業時に、搬送モジュール11における搬送モジュール筺体15に対してのエンコーダ12の位置調整を実施しておくことにより、トータルの組立調整工数は削減できる。また、ユニット組立調整作業が完了し、架台02に搭載するまでの間、保管、搬送等の管理を行うが、搬送モジュール11とエンコーダ12およびエンコーダブラケット17を別々に管理するのは煩雑である。従って、仮固定部材102で連結することにより管理も容易になる。
さらに搬送モジュール筺体15とエンコーダブラケット17は滑りスペーサ103を介して接触しているが、固定されていない。搬送モジュール筺体15が台車駆動コイル13の発熱によって熱膨張すると、滑りスペーサ103と搬送モジュール筺体103およびエンコーダブラケット17が滑りが発生する。エンコーダブラケット17はエンコーダ外部取付部101に固定されているので、搬送モジュール筺体15の熱膨張の影響を受けない。
滑りスペーサの材質は特に問わないが、摺動性が良好であり、断熱性の高い樹脂材やセラミック材を用いることが望ましい。
(第四の実施形態)
次に図10、図11を用いて、本発明の第四の実施形態の搬送台車10および搬送モジュール11の構成を説明する。
図10は本発明の第四の実施形態の搬送装置の構成を示す正面図である。図11は本発明の第四の実施形態の搬送装置の構成を示す断面図である。
搬送モジュール11は上部解放の凹型構造をした搬送モジュール筺体15の内壁に対向して設置された対の台車駆動コイル13が設置されている。対の台車駆動コイルの間を搬送台車10に設置された永久磁石33および永久磁石ブラケット34が通過するように構成されている。
台車駆動コイル13は搬送モジュール筺体15との間に断熱スペーサ20を介して設置されている。台車駆動コイル13にカバー用支柱21が設置されており、カバー用支柱21にはカバー16が設置されている。搬送モジュール筺体15には通し穴22が設けられており、通し穴22を通してカバー支柱21が設置されている。
エンコーダ12はエンコーダブラケット17を介して搬送モジュール筺体15のエンコーダ取付面105に設置されている。図10において、エンコーダは一つの搬送モジュール11に対して3つ設けられている例を示したがこれに限らず、少なくとも1つ以上のエンコーダを有していればよい。
台車ベース30の下面にガイドブロック35、永久磁石ブラケット34が設置されており、T型構造となっている。スケール32はスケールブラケット31を介して、台車ベース30の側面に設置されている。
エンコーダ取付面105に設置された直動ガイド107上にエンコーダブラケット17、嵌合部材110が設置されており、直動ガイド107によりX方向に沿った方向に動作可能である。
嵌合部材110に嵌合し、X方向の位置を規制するためのカムフォロア108が連結材109に設置されており、連結材109は搬送モジュール筺体15とは別の、架台02等のベースに設けられたエンコーダ外部取付部101に設置されている。
ここで、嵌合部材110とカムフォロア108の嵌合部に関しては、スキマなく嵌合していることが望ましいため、偏心カムフォロアや、スキマ調整機構等を有し、スキマ調整が可能な構成であるほうが望ましい。
上記構成にて、搬送台車10の動作が開始し、台車駆動コイル13が発熱すると、搬送モジュール筺体15は熱膨張する。搬送モジュール筺体15が熱膨張すると、直動ガイド107が動作する。エンコーダ12のX方向の位置はエンコーダ外部取付部101によって固定されているため、搬送モジュール筺体15の熱膨張の影響を受けない。つまり、直動ガイド107が熱変位緩和部として機能する。
エンコーダ12のX方向を除くその他の方向に関しては、エンコーダ取付面105に設置されているため、部品公差等の積み上げによってもエンコーダ12とスケール32の位置合わせが可能となり、組立調整作業工数が削減できる。
さらに、第二の実施形態に記載した方法により、エンコーダ12のエンコーダ取付ピッチLe1、Le2を測定し、記憶させることで、X方向の取付位置調整も不要となる。
また、エンコーダ外部取付部101を架台02でなく、加工装置7に設ける方法も考えられる。その場合、架台02の微小な温度上昇による熱膨張の影響も取り除くことが可能となり、より効果が期待できる。