JP2018074829A - 搬送システム - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で小型化の可能な搬送システムを提供する。【解決手段】本発明による搬送装置は、複数のコイルが設けられた固定子と、固定子に沿って第1の方向に移動可能な台車と、台車に設けられたアクチュエータと、アクチュエータに連結されるとともに、台車に対して第1の方向に移動可能となるように台車に設けられた一対の受力部と、一対の受力部のそれぞれに設けられるとともに、複数のコイルから発生する磁力により推力を発生させる駆動マグネットと、一対の受力部の台車におけるそれぞれの移動を、互いに逆方向の移動に制限する拘束機構とを備える。【選択図】 図2
Description
本発明は、ムービングマグネット型リニアモータの台車上のアクチュエータを駆動する搬送システムに関する。
従来、生産装置の作業工程間においてワークを搬送する搬送装置としてリニアモータを用いた搬送装置が用いられている。このような搬送装置は、各作業工程でワークに所定の加工が施された後、そのワークが搬送装置により次の作業工程に順に搬送されるように構成されている。このような搬送装置では、ワークの加工に応じてワーク把持の開閉またはワークの姿勢変更をするために、ワークの搬送途中または作業工程でワーク把持の開閉またはワークの姿勢変更をする装置が搬送システムと並設されている。このような搬送装置では、ワークの搬送途中または搬送後に、並設装置によってワーク把持の開閉やワークの姿勢変更を行い次の搬送または加工に移行していたため、広い設置スペースを確保する必要があるという問題があった。
そこで特許文献1では、搬送システムの異なるガイド上に1台の台車をそれぞれ設置し、異なるガイド上にある台車間の相対位置を制御することによって台車上に設置されたアクチュエータを駆動させる搬送装置が提案されている。この搬送装置では、一方の台車に設置されたアクチュエータと、当該台車とは異なるガイド上にある他方の台車とがリンク機構で連結されており、両台車の相対距離が変化することによって台車上に設置されたアクチュエータを駆動することが可能となる。
特許文献2では、複数台の台車でワークを挟持し、搬送する装置が提案されている。この搬送装置は、2つの台車でワークを挟み、この2つの台車のうち移動速度の遅い台車の速度に合わせて2つの台車を速度制御する。
しかしながら、特許文献1、2の搬送装置では、ワークを搬送するための台車と、台車上のアクチュエータを駆動させるための可動子とがそれぞれ独立して設けられている。この構成では、この搬送装置は、ワーク搬送用の台車とアクチュエータ用の可動子とが接触している状態等の限られた条件下でない限り、アクチュエータ用の可動子が受け取った推進力をワーク搬送用の台車に印加することはできない。このため、ワーク搬送用のマグネットを搭載したワーク搬送用の台車と、専用マグネットを有するアクチュエータ用の可動子とを搬送装置に設ける必要があり、搬送装置全体の大型化及び高コスト化を招いてしまう。
本発明は、簡易な構成で小型化が可能な搬送システムを提供することを目的としている。
本発明は、簡易な構成で小型化が可能な搬送システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様による搬送システムは、複数のコイルが設けられた固定子と、前記固定子に沿って第1の方向に移動可能な台車と、前記台車に設けられたアクチュエータと、前記アクチュエータに連結されるとともに、前記台車に対して前記第1の方向に移動可能となるように前記台車に設けられた一対の受力部と、前記一対の受力部のそれぞれに設けられるとともに、前記複数のコイルから発生する磁力により推力を発生させる駆動マグネットと、前記一対の受力部の前記台車におけるそれぞれの移動を、互いに逆方向の移動に制限する拘束機構とを備える。
本発明によれば、拘束機構により一対の受力部のそれぞれは互いに逆方向の移動に制限されるので、駆動マグネットから発生する推力に応じて台車またはアクチュエータが駆動される。これにより、駆動マグネットを台車の制御及びアクチュエータの駆動に共用できるので、搬送システムを簡易な構成で小型化することが可能になる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態による搬送システム10について図面を参照して説明する。
図1は、ムービングマグネット型のリニアモータを用いた搬送システム10の全体構成を示す概略図である。搬送システム10は、複数の台車1、固定部2、CPU100、駆動制御部101、電源部102、位置検出部103、105(図2参照)、及び固定子としての電機子104を備えている。
以下、本発明の第1実施形態による搬送システム10について図面を参照して説明する。
図1は、ムービングマグネット型のリニアモータを用いた搬送システム10の全体構成を示す概略図である。搬送システム10は、複数の台車1、固定部2、CPU100、駆動制御部101、電源部102、位置検出部103、105(図2参照)、及び固定子としての電機子104を備えている。
固定部2には溝部が形成され、固定部2の一方の固定壁2bは上部にガイド部2aを有している。固定壁2bの内壁2cには、台車1の移動方向に沿って電機子104がそれぞれ対向して設けられ、電機子104は磁極鉄心にコイルを巻き付けられている。コイルは、所定の間隔で1列に並んで配置されている。固定部2上では、台車1はガイド部2aに沿って移動可能に配置されている。
CPU(Central Processing Unit)100は、駆動制御部101と位置検出部103、105とに電気的に接続されている。CPU100は、台車1の位置情報に基づいて電流の指令値を演算し、駆動制御部101へ入力する。本実施形態の搬送システム10では、駆動制御部101が電機子104のコイルに供給する駆動電流を個別に制御する。電機子104のコイルに移動磁界を発生させる電流を供給することによって、台車1はガイド部2aに沿って移動する。電源部102は、電機子104のコイルに駆動電流を供給するための電源であり、すべての駆動制御部101に接続されている。位置検出部103は、所定の間隔で固定部2に取り付けられている。位置検出部103は、台車1の位置を検出し、位置情報をCPU100へ入力する。位置検出部105は、受力部6a、6bの位置を検出し、位置情報をCPU100へ入力する。
本実施形態の台車1の構成について図2を用いて説明する。図2(a)は台車1の上面図、図2(b)は台車1の側面図、図2(c)は台車1の正面図である。なお、図2では、台車1の移動方向をX軸方向、鉛直方向をZ軸方向、X軸方向及びZ軸方向に直交する方向をY軸方向とする。
台車1は、スライダ1a、把持部4a、4b、一対の受力部6a、6b、力伝達部8、ガイド15、スケール16、ガイド17a、17b、及びスケール76を備えている。把持部4aは受力部6a上に、把持部4bは受力部6b上にそれぞれ設けられており、把持部4a、4bは協働してワークの把持を行う。受力部6aにはガイド17aと対向する位置にアクチュエータとしてのスライダ61aが設けられ、スライダ61aはガイド17aに嵌合されている。受力部6bにはガイド17bと対向する位置にアクチュエータとしてのスライダ61bが設けられ、スライダ61bはガイド17bに嵌合されている。スライダ61aはガイド17a上を、スライダ61bはガイド17b上を移動可能である。ガイド17a、17bは台車1の側壁1bからそれぞれ突出し、台車1の移動方向と平行してX軸方向に延在して設けられている。スライダ61aがガイド17a上を、スライダ61bがガイド17b上をそれぞれ移動し、スライダ61a、61bの移動に伴い受力部6a、6bが移動して把持部4a、4bの相対距離が変化することによって、把持部4a、4bの開閉動作を行うことができる。
固定部2の外側にあるスライダ1aの側部には、位置情報が記録されたスケール16が台車1の移動方向に沿って設けられている。固定部2には、スケール16を読取って台車1の位置情報を取得する位置検出部103がスケール16に対向するように、固定部2の外壁2dの所定の位置に設けられている。位置検出部103は光学式であってもよいし、磁気式であってもよい。位置検出部103はスケール16の位置を検出することによって、台車1の位置を特定可能である。台車1の下部には、固定部2の内壁2cに対向して設けられた電機子104の間に位置するように、駆動マグネット71が設けられている。詳しくは、駆動マグネット71は、台車1の移動方向に沿って受力部6a、6bにそれぞれ複数備えられている。受力部6a、6bに配置された複数の駆動マグネット71は、電機子104に対向する両側のそれぞれに交互に異極が現れるように配置されている。駆動マグネット71の周辺に位置する電機子104のコイルに電流を供給して発生する移動磁界により、受力部6に台車1の移動方向に推力が発生する。
受力部6a、6bの下面6cにはスケール76がそれぞれ設けられている。位置検出部105は、固定部2の内側底面2eに、スケール76と対向して設けられている。位置検出部105はスケール76を読み取ることによって、受力部6の位置を検出する。複数の位置検出部105を用いて受力部6a、6bにそれぞれ配置されたスケール76を読み取り、取得した受力部6a、6bの位置情報に基づき把持部4a、4bの距離L1を得ることができる。なお、位置検出部105は台車1の停止位置に配置されていてもよいし、所定の間隔で配置されていてもよい。位置検出部105を所定の間隔で配置することによって、台車1を駆動しながら受力部6の移動制御を行うことができる。力伝達部8は、台車1の移動方向に対して垂直に移動可能に配置され、例えば一方の受力部6aの移動を他方の受力部6bに伝達する。
詳しくは、台車1において受力部6a、6bの間にはガイド15が側壁1bから突出し、ガイド15はガイド17に対して垂直方向に、つまりZ軸方向に延在して設けられている。力伝達部8にはガイド15と対向する位置にアクチュエータとしてのスライダ8aが設けられ、スライダ8aはガイド15に沿って移動可能に嵌合されている。
受力部6a、6bの間には拘束機構90が設けられ、拘束機構90は、第1リンク91、第2リンク92、及び拘束軸93aを備えている。第1リンク91は受力部6a及び拘束軸93aに回動可能に連結し、第2リンク92は受力部6b及び拘束軸93aに回動可能に連結する。つまり、第1リンク91及び第2リンクは拘束軸93aを介してそれぞれの受力部6a、6bを連結している。詳しくは、第1リンク91の一端部91aは拘束軸93aに連結され、第1リンク91の他端部91bはねじ等の締結部材94により受力部6aに連結され、連結部94aを中心に回動可能に連結されている。第2リンク92の一端部92aは第1リンク91と共に拘束軸93aに連結され、第2リンク92の他端部92bは締結部材95により受力部6bに連結され、連結部95aを中心に回動可能に連結されている。第1リンク91及び第2リンク92は同じ長さを有している。力伝達部8には、スライダ8aが設けられている面とは反対側の面8bから拘束軸93aが突出して設けられている。本実施形態では、一端部91a、92aは拘束軸93aに共に連結されているが、受力部6a、6bが互いに近接または離間可能な構成であればよく、一端部91a、92aは力伝達部8に設けられた2つの拘束軸にそれぞれ連結されていてもよい。また、他端部91b、92bは締結部材94、95により受力部6a、6bにそれぞれ連結されているが、受力部6a、6bに突出部をそれぞれ設け、この突出部に他端部91b、92bを連結してもよい。
受力部6a、6bのそれぞれの駆動マグネット71に推力を発生させる場合、各受力部6a、6bは、拘束機構90を介して互いに推力を印加することになる。以下に受力部6a、6bにおいて発生する推力の方向及び大きさに応じた拘束機構90の作動について説明する。
受力部6a、6bのそれぞれの駆動マグネット71に対して逆方向に推力を発生させる場合、受力部6a、6bはガイド17a、17bに沿って互いに逆方向に移動する。受力部6a、6bの移動に伴い、第1リンク91及び第2リンク92は拘束軸93aを介して力伝達部8を上昇または下降させるので、受力部6a、6bのそれぞれは、駆動マグネット71により発生した推力と同方向の推力を互いに印加することになる。例えば、受力部6aにおいて+X軸方向、受力部6bに−X軸方向にそれぞれ推力を発生させた場合、受力部6aはガイド17aを+X軸方向に移動する。受力部6aの移動に伴い、第1リンク91は拘束軸93aを押し上げ、力伝達部8が上昇し、受力部6bは第2リンク92を介してガイド17bに沿って−X軸方向に移動して受力部6aに近接する。即ち、受力部6bの駆動マグネット71から発生する推力の方向と、第1リンク91及び第2リンク92を介して受力部6aから加えられる推力の方向とは同じになる。また、受力部6bはガイド17bを−X軸方向に移動することに伴い、第2リンク92は拘束軸93aを押し上げ、力伝達部8が上昇し、受力部6aは第1リンク91を介してガイド17aに沿って+X軸方向に移動して受力部6bに近接する。即ち、受力部6aの駆動マグネット71から発生する推力の方向と、第2リンク92及び第1リンク91を介して加えられる受力部6bの推力の方向とは同じである。これにより、受力部6a、6bはそれぞれの駆動マグネット71から発生した推力の方向に移動するので、受力部6a、6bの駆動マグネット71から発生した全推力をアクチュエータの駆動力として使用できる。
受力部6a、6bのそれぞれの駆動マグネット71に対して同方向に異なる大きさの推力を発生させた場合、受力部6a、6bはガイド17a、17bに沿って同じ方向に異なる速度で移動する。受力部6a、6bの移動に伴い、第1リンク91及び第2リンク92が拘束軸93aを介して力伝達部8を上昇または下降させるので、受力部6a、6bのそれぞれは、駆動マグネット71から発生した推力と逆方向の推力を互いに印加することになる。例えば、受力部6a、6bに対して+X軸方向に推力を発生させ、受力部6aの駆動マグネット71から発生する推力が受力部6bの駆動マグネット71から発生する推力よりも大きい場合、受力部6aはガイド17aに沿って+X軸方向に移動する。これにより、第1リンク91は拘束軸93aを押し上げ、力伝達部8が上昇し、第2リンク92を介して受力部6bはガイド17bを−X軸方向に移動して受力部6aに近接する。即ち、受力部6bにおいて、受力部6bの駆動マグネット71から発生する推力と、第1リンク91及び第2リンク92を介して受力部6aから加えられる推力とは逆方向になる。受力部6aにおいても、受力部6aから発生する推力と、第2リンク92及び第1リンク91を介して受力部6bから加えられる推力とは逆方向になる。この場合、台車1は大きい推力を印加された方向に移動し、アクチュエータも駆動する。
受力部6a、6bのそれぞれの駆動マグネット71に対して同方向に同じ大きさの推力を発生させた場合、受力部6a、6bは同方向に同じ速度で移動する。即ち、受力部6a、6bの推力が釣り合うので受力部6a、6bの間隔は所定の間隔に保たれ、第1リンク91、第2リンク92、及び力伝達部8の位置も変化せず、第1リンク91及び第2リンク92がなす形状は変化しない。即ち、受力部6a、6bは第1リンク91及び第2リンク92によってガイド17a、17b上で停止する。これにより、アクチュエータは駆動せず、受力部6a、6bの駆動マグネット71から発生する全推力を台車1の駆動力として使用できるので、台車1を任意に制御することができる。なお、本実施形態では第1リンク91と第2リンク92とが異なる長さであり、各受力部6a、6bに設けられた駆動マグネット71の数が異なる場合でも、電機子104のコイルに供給する電流を制御することにより同様の動作を行うことができる。
図3は、本実施形態のブロック図である。以下、図3を用いて詳細に説明する。CPU100は、位置判定部100a、指令値生成部100b、位置FB(Feed Back)制御部100c、UVW変換部100d、及び駆動制御選択部100eを有している。なお、CPU100は他の機能も有しているが、本実施形態では説明を省略する。
位置判定部100aは、台車1の位置及び受力部6a、6bの位置を確定する。詳しくは、位置検出部103、105からの位置情報を示す信号が位置判定部100aに入力され、位置判定部100aは、位置検出部103、105からの信号に基づき台車1及び受力部6の位置情報を確定する。
指令値生成部100bは、台車1及び受力部6の位置指令を生成し、位置FB制御部100cへ入力する。指令値生成部100bで生成される位置指令は、制御対象の台車1の目標位置となる。位置判定部100aに入力された信号が位置検出部103からの信号である場合には、指令値生成部100bは台車1の位置指令を生成する。位置判定部100aに入力された信号が位置検出部105からの信号である場合には、指令値生成部100bは受力部6の位置指令を生成する。
位置FB制御部100cは、位置判定部100aで確定した台車1の位置及び受力部6a、6bの位置と指令値生成部100bで生成される位置指令との比較を行い、その結果を制御情報としてUVW変換部100dに出力する。詳しくは、位置判定部100aで台車1の位置が確定した場合、位置FB制御部100cは台車1の位置と指令値生成部100bで生成される位置指令との比較を行い、台車1の制御情報としてUVW変換部100dに出力する。位置判定部100aで受力部6a、6bの位置が確定した場合、位置FB制御部100cは受力部6の位置と指令値生成部100bで生成される位置指令との比較を行い、受力部6a、6bの制御情報としてUVW変換部100dに出力する。UVW変換部100dは、制御情報に基づき位相の異なる3相交流指令値に変換し、駆動制御選択部100eに出力する。
駆動制御選択部100eは、位置判定部100aで確定した台車1の位置情報及び受力部6の位置情報から駆動電流を流す電機子104のコイルを選択し、選択したコイルに接続された駆動制御部101にCPU100からの指令値を入力する。詳しくは、位置判定部100aで台車1の位置が確定した場合、駆動制御選択部100eは、台車1の位置情報から駆動電流を流す電機子104のコイルを選択し、選択したコイルに接続された駆動制御部101に指令値を入力する。位置判定部100aで受力部6a、6bの位置が確定した場合、駆動制御選択部100eは、受力部6a、6bの位置情報から駆動電流を流す電機子104のコイルを選択し、選択したコイルに接続された駆動制御部101に指令値を入力する。
駆動制御部101は、電流FB(Feed Back)制御部101a、駆動アンプ部101b、及び電流検出部101cを有している。駆動制御部101は、電機子104にそれぞれ接続されている。図2(c)に示す互いに対向する位置に設けられているコイル104a及びコイル104bは、図3に示すように同一の駆動制御部101に接続されている。駆動制御部101は、コイル104a及びコイル104bに駆動電流を流すことで励磁される磁極はそれぞれ交互に異極が現れるように、コイル104a、104bに供給する駆動電流を制御する。
電流FB制御部101aは、CPU100から入力された指令値と、電流検出部101cが検出した電流値とを比較し、比較した結果に応じてコイル104a、104bに出力する電流の指令値を生成する。駆動アンプ部101bは、電流FB制御部101aから入力された指令値に基づき、コイル104a、104bに流す電流を制御する。電流検出部101cは、コイル104a、104bに流れる電流を計測し、その計測した電流値を電流FB制御部101aに入力する。このような電流フィードバック制御を行うことによって、台車1及び受力部6a、6bの応答性をさらに向上させることができる。
図4は、搬送システム10の受力部6の制御方法を説明するための図である。図4(a)は、受力部6aの下部に設けられた駆動マグネット71と電機子104とのコイルの位置関係を模式的に示す図、図4(b)は受力部6aを位置POS1から位置POS2に移動させる場合に駆動電流を供給するコイルを示す表である。なお、図4では受力部6aを例に説明するが、受力部6bの制御方法も同様である。
電機子104において連続して配置された3つのコイルをそれぞれU相、V相、W相とし、各々120°位相の異なる3相交流電流を供給し、移動磁界を発生させる。これにより、電機子104と駆動マグネット71との間には電磁力が発生し、電磁力による駆動力を受けて台車1は移動する。CPU100は、受力部6aの位置情報と移動方向とに基づいて、3相交流電流を供給するコイルを選択して各相に供給する電流を演算し、駆動制御部101に入力する。駆動電流が供給されるコイルは、受力部6aの位置情報から駆動制御選択部100eで選択され、受力部6aの移動に合わせて順次切替制御が行われる。
例えば、受力部6aが位置POS1に位置していると判定される場合には、駆動マグネット71と対向するコイルbからコイルfに駆動電流が供給される。詳しくは、駆動制御部101は、コイルdにはU相、コイルb、eにはV相、コイルc、fにはW相の交流電流を供給する。台車1が位置POS1から位置POS2へ移動するまでに、図4(b)に示すように交流電流が供給されるコイル及び交流電流の相が受力部6aの位置に合わせて変化する。これにより、受力部6aが位置する電機子104と駆動マグネット71との間には電磁力が発生し、電磁力による駆動力を受けて受力部6aは位置POS2へ向かって移動する。
受力部6aの移動先の位置POS2では、駆動マグネット71のS極のマグネットがコイルjと正対する位置になるので、駆動電流が供給されるコイルは、コイルhからコイルlとなる。詳しくは、駆動制御部101は、コイルjにはU相、コイルh,kにはV相、コイルi,lにはW相の交流電流を供給する。このように、受力部6aの位置情報に応じて駆動電流を供給するコイルを切替えることで、受力部6aの移動制御を行うことができる。
図5は、台車1の移動または停止を制御する場合のCPU100における処理を示すフローチャートである。ステップS501では、CPU100は、台車1の移動または停止のための制御指令があるか否かを判定する。制御指令が存在する場合には(ステップS501:Yes)、CPU100はスケール16の読取り可能か否かを判定する(ステップS502)。制御指令が存在しない場合には(ステップS501:No)、本フローチャートを終了する。
スケール16が読取り可能である場合には(ステップS502:Yes)、CPU100はスケール16から位置情報を読取る(ステップS503)。スケール16が読取り可能でない場合には(ステップS502:No)、CPU100は、スケール16が位置検出部103によって読取り可能な位置に移動するまで待機する。ステップS504では、CPU100は台車1の制御指令に基づき受力部6a、6bの移動方向を判定する。
ステップS505では、CPU100は、受力部6a、6bのそれぞれの駆動マグネット71の周辺のコイルに所定の電流を供給する。詳しくは、台車1を移動する場合には、CPU100は、台車1の目標位置の情報に基づき受力部6a、6bの駆動マグネット71に同方向に同じ大きさの推力が発生するように、駆動マグネット71と対向するコイルに所定の電流を供給する。これにより、台車1は目標位置へと移動する。台車1を停止する場合には、CPU100は、台車1の停止位置の情報に基づき受力部6a、6bの駆動マグネット71に対向するコイルに、駆動マグネット71と異極になる磁極を発生させる所定の電流を供給する。これにより、台車1は停止位置で停止する。このようにCPU100は台車1を制御する。
詳しくは、台車1の制御指令が台車1の移動である場合、受力部6a、6bのそれぞれの駆動マグネット71に対して、同方向に推力を発生させる必要がある。受力部6a、6bに対して同方向に同じ大きさの推力を発生させる場合、受力部6aにおいて拘束機構90を介して受力部6bから加えられる推力は、受力部6aの駆動マグネット71から発生する推力と同方向、同じ大きさである。受力部6bにおいても同様に、拘束機構90を介して受力部6aから加えられる推力は、受力部6bの駆動マグネット71から発生する推力と同方向、同じ大きさである。このため、受力部6a、6bはガイド17a、17b上で停止し、力伝達部8はガイド15上で停止するので、台車1上における第1リンク91及び第2リンク92の位置は変化しない。これにより、受力部6a、6b間の距離L1を維持したまま駆動マグネット71から発生した全推力によって、台車1は推力を加えられた方向に移動する。なお、台車1を移動させるために、受力部6a、6bのそれぞれの駆動マグネットに対して同方向に異なる大きさの推力を発生させてもよい。
台車1の制御指令が台車1の停止である場合、受力部6a、6bのそれぞれの駆動マグネット71に対向するコイルに、駆動マグネット71と異極になる磁極を発生させる所定の電流を供給するので、受力部6a、6bはガイド17a、17b上で停止する。これにより、力伝達部8はガイド15上で停止し、台車1上における第1リンク91及び第2リンク92の位置は変化しないので、台車1は停止する。
図6は、受力部6a、6bを移動させる場合のCPU100での処理を示すフローチャートである。図6を用いて受力部6a、6bの駆動制御について説明する。ステップS601では、CPU100は、受力部6a、6bの移動指令があるか否かを判定する。移動指令とは、把持部4の開閉を行う必要がある場合の指令のことである。移動指令が存在する場合には(ステップS601:Yes)、CPU100はスケール76の読取りについて判定する(ステップS602)。移動指令が存在しない場合には(ステップS601:No)、本フローチャートを終了する。
ステップS602では、CPU100は、受力部6a、6bそれぞれの下側に設けられているスケール76が位置検出部105によって読取り可能であるか否かを判定する。各スケール76が読取り可能である場合には(ステップS602:Yes)、CPU100は受力部6a、6b間の距離L1を算出する(ステップS603)。これにより、把持部4a、4b間の距離L1が判る。スケール76が読取り可能でない場合には(ステップS602:No)、スケール76が位置検出部105によって読取り可能な位置に移動するまで待機する。
ステップS604では、CPU100は、変化させたい把持部4a、4bの距離から算出した指令値LSとステップS603で算出した距離L1を比較する。指令値LSが距離L1と等しい場合には(ステップS604:Yes)、CPU100は受力部6a、6bを静止させる(ステップS606)。指令値LSが間隔L1と異なる場合には(ステップS604:No)、CPU100は各受力部6a、6bの移動方向を判定する(ステップS605)。
ステップS605では、CPU100は、距離L1が指令値LSよりも大きいか、または小さいかを判定し、各受力部6a、6bを移動させる方向を判定する。距離L1が指令値LSよりも大きい場合には、CPU100は各受力部6a、6bを互いに近づく方向に向かって移動させる必要がある。間隔L1が指令値LSよりも小さい場合には、CPU100は各受力部6a、6bを互いに離間する方向に向かって移動させる必要がある。
ステップS606では、CPU100は、受力部6a、6bのそれぞれの駆動マグネット71の周辺にあるコイルに所定の電流を供給する。詳しくは、CPU100は、各受力部6a、6bを移動させる場合には、ステップS605にて判定された移動方向に各受力部6a、6bを移動させるための所定の電流をコイルに供給する。これにより、各受力部6a、6bのそれぞれの駆動マグネット71に推力が発生し、受力部6a、6bは判定された方向に移動する。詳細については図7(a)及び図7(b)を用いて説明する。
図7は、搬送システム10の受力部6の制御による台車移動とアクチュエータの駆動の方法を説明するための図である。図7(a)は、各受力部6a、6bの下部に設けられた駆動マグネット71と電機子104のコイルとの位置関係を示す概略図である。図7(b)は、各受力部6a、6bの制御による台車の移動及びアクチュエータ駆動による把持部4の開閉を行う場合に駆動電流が供給されるコイルを示した表である。図7(b)の表は、供給した駆動電流によってコイルに励磁される磁極を示している。
受力部6a、6bでは、駆動マグネット71の1極のリニアパルスモータを移動させる方法で、位置判定部100aで確定された受力部6a、6bのそれぞれの位置情報に基づき駆動電流を供給するコイルが選択される。選択されたコイルにパルス状の電圧を印加することによって受力部6a、6bが駆動される。
受力部6aの駆動マグネット71のN極がコイルb及びコイルcに正対する位置にある場合、受力部6aに対して+方向に推力を印加するために、コイルbにN極、コイルcにS極、コイルeにN極がそれぞれ励磁される電流を供給する。受力部6aに対して−方向に推力を印加するために、コイルbにS極、コイルcにN極、コイルeにS極がそれぞれ励磁される電流を供給する。受力部6bの駆動マグネット71のN極がコイルh及びコイルiに正対する位置にある場合、受力部6bに対して+方向に推力を印加するために、コイルhにN極、コイルiにS極、コイルkにN極が励磁される電流を供給する。受力部6bに−方向に推力を印加するためには、コイルhにS極、コイルiにN極、コイルkにS極が励磁される電流を供給する。
受力部6aの駆動マグネット71のN極がコイルcに正対する位置にある場合、受力部6aに対して+方向に推力を印加するために、コイルbにN極、コイルdにS極、コイルeにN極がそれぞれ励磁される電流を供給する。受力部6aに対して−方向に推力を印加するために、コイルbにS極、コイルdにN極、コイルeにS極がそれぞれ励磁される電流を供給する。受力部6bの駆動マグネット71のN極がコイルiに正対する位置にある場合、受力部6bに対して+方向に推力を印加するために、コイルhにN極、コイルjにS極、コイルkにN極が励磁される電流を供給する。受力部6bに対して−方向に推力を印加するために、コイルhにS極、コイルjにN極、コイルkにS極がそれぞれ励磁される電流を供給する。
受力部6aと受力部6bは、常に互いに逆方向へ移動するように拘束機構90によって拘束されているため、各受力部6a、6bに対して同方向に同じ大きさの推力をかけた場合には台車1が移動する。よって、同配置で各受力部6a、6b共に+方向に同じ大きさの推力をかけた場合、台車1は+方向に移動する。各受力部6a、6b共に−方向に推力をかけた場合、台車1は−方向に移動する。受力部6aに対して+方向、受力部6bに対して−方向に推力をかけた場合、把持部4a、4bは閉じる方向に駆動する。受力部6aに対して−方向、受力部6bに対して+方向に推力をかけた場合、把持部4a、4bは開く方向に駆動する。
このように、台車1の制御及び把持部4の駆動制御において、各受力部6a、6bの位置に応じて駆動電流を供給するコイルを切替えることにより、受力部6a、6bに印加する推力の制御を行う。これにより、任意の位置で台車1の移動とアクチュエータの駆動とを、駆動マグネット71を共用して使用するので、搬送システム10を小型化することができる。さらに、湾曲した搬送経路または分岐する搬送経路において台車1を循環させてワークを搬送する搬送システムでは、台車1のサイズによって搬送経路の湾曲部、分岐部の大きさが決まるため、台車1の大きさが搬送装置全体に大きい影響を及ぼす。本実施形態では、駆動マグネット71を共用するので、高加速で高速の搬送と台車1上におけるアクチュエータの駆動機構を両立しつつ、小型で低コストの循環式の搬送システムを実現可能となり、サイクルタイムの短縮と装置コスト抑制を達成することができる。
このように、本実施形態では、拘束機構90により一対の受力部6a、6bは互いに逆方向の移動に制限されるので、駆動マグネット71から発生する推力に応じて台車またはアクチュエータが駆動される。例えば、受力部6a、6bに対して同方向に同じ大きさの推力を印加する場合には把持部4a、4bは駆動せずに台車1が制御される。また、受力部6a、6bに対して同方向に異なる大きさの推力を印加する場合には、台車1及びアクチュエータが駆動される。受力部6a、6bに対して逆方向に推力を印加する場合には、台車1は制御されずに把持部4a、4bが駆動する。このように、駆動マグネット71を台車1及びアクチュエータの駆動に共用できるので、把持部4a、4bの開閉のための専用マグネットを設ける必要はない。これにより、ワークの質量の増加等で高推力・高把持力が必要となり、多数のマグネットを受力部6a、6bに使用する場合にも、台車1の制御に使用できない把持動作専用のマグネットを搭載する必要が無いため搬送システム10を簡易な構成で小型化できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態に対し、ガイド15の動きを制限するロック部を設けた点が異なっている。第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態に対し、ガイド15の動きを制限するロック部を設けた点が異なっている。第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図8は、本実施形態による台車1の部分拡大側面図である。ガイド15上の力伝達部8の両可動端近傍に、一対のロック部80a、80bが配置されている。ロック部80aはガイド15の上端部近傍に設けられ、固定用マグネット81a、ストッパ82a、及び位置調整ねじ83aを備えている。ロック部80bはガイド15の下端部近傍に設けられ、固定用マグネット81b、ストッパ82b、及び位置調整ねじ83bを備えている。
固定用マグネット81a、81bは、その間に力伝達部8が配置されるように対向して取り付けられている。固定用マグネット81a、81bの磁力は駆動マグネット71から発生する推力よりも小さい。これにより、力伝達部8が固定用マグネット81aまたは81bに固定されている場合でも、受力部6a、6bがガイド17a、17b上を移動すると力伝達部8も固定用マグネット81aまたは81bから離れてガイド15上を移動できる。ストッパ82aはガイド15の一方の端部近傍に取り付けられ、ストッパ82bはストッパ82aと対向し、力伝達部8が配置されるようにガイド15の他方の端部近傍に取り付けられる。固定用マグネット81a、81bの位置は、調整部としての位置調整ねじ83a、83bを回すことにより調整可能であり、力伝達部8を固定する位置を所望の位置に調整することができる。これにより、各把持部4a、4b間の距離L1を作業工程において必要とされる値に調整することが可能となる。また、ロック部80a、80bを配置する位置で力伝達部8が固定されるので、受力部6a、6bをスライダ8aの可動端で固定することができる。
第1実施形態で説明した方法により受力部6a、6bが移動することによって、スライダ8aはガイド15上を移動する。移動した力伝達部8が固定用マグネット81aまたは固定用マグネット81bに接触することによって力伝達部8の移動は制限されるので、受力部6a、6bの移動も制限され、把持部4a、4bの位置を固定することができる。
また、力伝達部8が磁性体で構成されている場合には、力伝達部8は、固定用マグネット81aまたは固定用マグネット81bに接近することによって、固定用マグネット81aまたは固定用マグネット81bの磁力で吸着され、力伝達部8の位置が固定される。なお、本実施形態では、力伝達部8を磁性体とし、固定用マグネット81a、81bにより力伝達部8の移動を規制しているが、力伝達部8をマグネットとし、固定用マグネット81a、81bの代わりに磁性体を用いてもよい。
本実施形態では、ロック部80a、80bを設けることにより電機子104のコイルに各受力部6a、6bを静止させるための電流を供給することなく位置を固定できるため、各把持部4a、4b間を所望の距離で固定することが可能となる。また、ロック部80a、80bによって力伝達部8が一定の力で固定されている。これにより、各受力部6a、6bに発生させる推力に意図しない差異がある場合でも、ロック部80a、80bの磁力による拘束力の範囲内であれば、受力部6a、6bは移動しないのでアクチュエータは駆動せず、把持部4a、4bは開閉しない。よって、コイルへの駆動電流の供給による台車1の移動と把持部4a、4bの開閉の切替制御が容易になる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、第1の実施形態に対し、ガイド15と力伝達部8を設置せずに、拘束機構90の構造を変更した点が異なっている。第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
次に、本発明の第3実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、第1の実施形態に対し、ガイド15と力伝達部8を設置せずに、拘束機構90の構造を変更した点が異なっている。第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図9は、本実施形態による台車1の側面図である。台車1は、姿勢変換部5、拘束機構90a、及びワーク固定部505を備えている。拘束機構90aは、力伝達部としてのピニオンギア11、及び一対のラックギア12、13を備えている。ピニオンギア11には外周にピニオン歯が形成され、ピニオンギア11はねじ等の締結部材11aにより台車1に回動可能に固定されている。ラックギア12の一端部12aは受力部6aの上面に固定され、他端部12bはピニオンギア11に向かって延在する。ラックギア13の一端部13aは受力部6bの上面に固定され、他端部13bはピニオンギア11に向かって延在する。図示しないが、ラックギア12、13には、ピニオンギア11と対向する面12c、13cにピニオンギア11のピニオン歯と噛み合うラック歯が形成され、ラックギア12、13はピニオンギア11と噛み合うようにピニオンギア11を挟持する。姿勢変換部5はピニオンギア11に揺動可能に支持されており、ワーク固定部505上にワーク510を固定することができる。各受力部6a、6bがそれぞれ逆方向に移動した場合、各ラックギア12、13も逆方向に移動するため、ピニオンギア11は上下の各ラックギア12、13と噛み合って回転し、ピニオンギア11に支持されている姿勢変換部5は揺動する。これにより、ワーク固定部505に固定されているワーク510の姿勢変更を行うことができる。
各受力部6a、6bに同方向の推力を印加した場合には、ラックギア12によってピニオンギア11に発生させるトルクの向きと、ラックギア13によってピニオンギア11に発生させるトルクの向きが逆方向となる。これにより、各受力部6a、6bに対して同方向に同じ大きさの推力を印加した場合には、ピニオンギア11は回転せずに、各受力部6a、6bに加えた推力は台車1を移動させる推力となる。各受力部6a、6bに対して同方向に異なる大きさの推力を印加した場合には、ピニオンギア11は回転するので、姿勢変換部5はピニオンギア11の回転方向に揺動し、台車1も大きい推力が印加された方向に移動する。各受力部6a、6bに逆方向の推力を印加した場合には、ラックギア12によってピニオンギア11に発生させるトルクの向きと、ラックギア13によってピニオンギア11に発生させるトルクの向きが同方向となる。これにより、各受力部6a、6bに逆方向に同じ大きさの推力を加えた場合には、ピニオンギア11は回転し、姿勢変換部5はピニオンギア11の回転方向に揺動する。
このように、本実施形態では、ピニオンギア11に噛み合うように、ラックギア12、13を対向してピニオンギア11を挟持するようにラックギア12、13を受力部6a、6bに設ける。これにより、駆動マグネット71を台車1の駆動及び受力部6a、6bの移動に共用して使用できるので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による搬送システム10を含む物品の製造システム1000について説明する。図10は、本実施形態による搬送システムを含む製造システムの概略図である。物品の製造システム1000は、第1の実施形態に係る搬送システム10と、第1の加工装置1001、及び第2の加工装置1002とを有している。製造システム1000は、第1の加工装置1001及び第2の加工装置1002間のワーク1011の搬送を行う。本実施形態において物品とは、物体としてのワーク1011を加工することによって得られる製品のことである。なお、製造システム1000が有する加工装置1001、1002の数は、これに限られない。
本発明の第4実施形態による搬送システム10を含む物品の製造システム1000について説明する。図10は、本実施形態による搬送システムを含む製造システムの概略図である。物品の製造システム1000は、第1の実施形態に係る搬送システム10と、第1の加工装置1001、及び第2の加工装置1002とを有している。製造システム1000は、第1の加工装置1001及び第2の加工装置1002間のワーク1011の搬送を行う。本実施形態において物品とは、物体としてのワーク1011を加工することによって得られる製品のことである。なお、製造システム1000が有する加工装置1001、1002の数は、これに限られない。
製造システム1000による物品の製造方法について説明する。CPU100は、位置検出部103から取得した台車1の位置情報と、台車1の位置指令とに基づいて台車1を第1の加工装置1001に搬送する。第1の加工装置1001において、第1の実施形態で説明したように受力部6a、6bの移動制御が行われる。これにより、ワーク1011は把持部4a、4bにより把持され、第1の加工装置1001はワーク1011に対して加工処理を行う。
第1の加工装置1001での加工終了後、CPU100は、位置検出部103から取得した台車1の位置情報と、台車1の位置指令とに基づいて台車1を第2の加工装置1002に搬送する。第2の加工装置1002において受力部6a、6bの移動制御が行われる。これにより、ワーク1011は把持部4a、4bにより把持され、第2の加工装置1002はワーク1011に対して加工処理を行う。最終的に、物品1012として製品が製造される。
このように、本実施形態では、第1実施形態による搬送システム10により、加工処理に応じて台車1が保持しているワーク1011を加工して物品1012を製造する。これにより、製造システム1000の小型化及び簡易化を実現することができる。なお、本実施形態では、第1実施形態による搬送システム10を用いて物品1012を製造したが、第3実施形態による搬送システムを用いて台車1に載置されているワーク1011の姿勢を変更しながら物品1012を製造してもよい。
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。例えば上記実施形態では、各受力部6a、6bの位置はガイド17a、17bの各端部に規定されるため、スケール76を設けなくても図示しないメモリで把持部4a、4bの開閉を記憶し、各受力部6a、6bの位置を把握するようにしてもよい。また、上記実施形態では、受力部6a、6bのそれぞれの駆動マグネット71に推力を発生させて台車1及びアクチュエータの駆動を行うことについて説明したが、これに限られない。例えば、受力部6a、6bのいずれか一方の駆動マグネット71に推力を発生させてアクチュエータを駆動してもよい。また、上記実施形態では一対の受力部6a、6bを台車1に設けているが、台車1に偶数個の受力部6、例えば複数対の受力部6を設け、受力部6を拘束機構90で一対ごとに連結してもよい。
1 台車
2 固定部
6 受力部
8a スライダ
10 搬送システム
15 ガイド
16 スケール
17 ガイド
61a、61b スライダ
71 駆動マグネット
76 スケール
80a、80b ロック部
90 拘束機構
104 電機子
2 固定部
6 受力部
8a スライダ
10 搬送システム
15 ガイド
16 スケール
17 ガイド
61a、61b スライダ
71 駆動マグネット
76 スケール
80a、80b ロック部
90 拘束機構
104 電機子
Claims (14)
- 複数のコイルが設けられた固定子と、
前記固定子に沿って第1の方向に移動可能な台車と、
前記台車に設けられたアクチュエータと、
前記アクチュエータに連結されるとともに、前記台車に対して前記第1の方向に移動可能となるように前記台車に設けられた一対の受力部と、
前記一対の受力部のそれぞれに設けられるとともに、前記複数のコイルから発生する磁力により推力を発生させる駆動マグネットと、
前記一対の受力部の前記台車におけるそれぞれの移動を、互いに逆方向の移動に制限する拘束機構と
を備えることを特徴とする搬送システム。 - 互いに同方向の推力が前記一対の受力部のそれぞれに印加されると、前記台車は移動し、
方向または大きさが互いに異なる推力が前記一対の受力部のそれぞれに印加されると、前記一対の受力部のそれぞれは前記台車において逆方向に移動し、前記アクチュエータが駆動されることを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。 - 前記アクチュエータは、前記第1の方向と垂直な第2の方向に駆動されることを特徴とする請求項1または2に記載の搬送システム。
- 前記拘束機構は、前記一対の受力部のそれぞれに連結されたリンク機構を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の搬送システム。
- 前記拘束機構は、
前記一対の受力部に連結された一対のラックギアと、
前記一対のラックギアに挟持されたピニオンギアと
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の搬送システム。 - 前記一対の受力部を所定の力で前記台車に固定させるロック部を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の搬送システム。
- 前記ロック部は、前記アクチュエータの可動端において前記一対の受力部を固定させることを特徴とする請求項6に記載の搬送システム。
- 前記所定の力は、前記駆動マグネットの推力よりも小さいことを特徴とする請求項6または7に記載の搬送システム。
- 前記所定の力は磁力であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の搬送システム。
- 前記固定子は、前記台車と前記受力部との位置情報を検出する位置検出部を複数備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の搬送システム。
- 前記受力部は、前記駆動マグネットを複数備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の搬送システム。
- 前記固定子は対向して配置され、
前記コイルは所定の間隔で1列に配置され、
前記駆動マグネットは、対向する前記コイルの間に配置され、
前記台車は、前記固定子に沿って設けられたガイドに沿って移動することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の搬送システム。 - 複数のコイルが設けられた固定子と、前記固定子に沿って第1の方向に移動可能な台車と、前記台車に設けられたアクチュエータと、前記アクチュエータに連結されるとともに、前記台車に対して前記第1の方向に移動可能となるように前記台車に設けられた一対の受力部と、前記一対の受力部のそれぞれに設けられるとともに、前記複数のコイルから発生する磁力により推力を発生させる駆動マグネットと、前記一対の受力部の前記台車におけるそれぞれの移動を、互いに逆方向の移動に制限する拘束機構とを備える搬送システムの制御方法であって、
互いに同方向の推力を前記一対の受力部のそれぞれに印加することにより、前記台車を移動させる工程と、
方向または大きさが互いに異なる推力が前記一対の受力部のそれぞれに印加することにより、前記一対の受力部のそれぞれを前記台車において逆方向に移動し、前記アクチュエータを駆動する工程と
を備えることを特徴とする搬送システムの制御方法。 - 請求項13に記載の搬送システムの制御方法によって製造される前記台車を用いた物品の製造方法であって、
前記台車に保持されている物体に対して所定の工程を行い、物品を製造することを特徴とする物品の製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020030836A1 (es) * | 2018-08-08 | 2020-02-13 | Mulet Valles Tomas | Dispositivo de sujeción de objetos para pistas de transferencia y máquina para manipular objetos asociada al mismo |
-
2016
- 2016-11-01 JP JP2016214307A patent/JP2018074829A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020030836A1 (es) * | 2018-08-08 | 2020-02-13 | Mulet Valles Tomas | Dispositivo de sujeción de objetos para pistas de transferencia y máquina para manipular objetos asociada al mismo |
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