JP2018101451A - 磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体、及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面が平坦化された磁気記録媒体用ガラス基板を提供する。【解決手段】基板の主表面の1μm×1μmの正方形の領域を、円周方向256個×半径方向256個に区切り、256×256画素としたときに、その円周方向(列方向とする)に隣接する3画素、即ち12nm×4nmの領域を1つの単位領域R12とし、その円周方向にk番目の単位領域R12kの平均高さZkと、円周方向において隣接するk+1番目の単位領域R12k+1の平均高さZk+1との差を算出し、これをk=1〜84まで繰り返し、さらに半径方向に1画素、即ち4nmずらした円周方向にk=1〜84まで繰り返し、これを半径方向(列に直行する方向)に256回繰り返して、84×256個の平均高さの差のデータを下記式(1)により計算した高さの差の2値分散の平方根の値R(L)が、R(12)≦0.08nmである。【選択図】なし
Description
本発明は、磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体、及び製造方法に関する。
従来、磁気記録媒体用の基板としてアルミニウム合金基板が広く用いられていたが、近年の磁気ディスクの小型化、薄板化、高記録密度化に伴い、アルミニウム合金基板に比べて表面の平滑性が高く、薄板における強度に優れたガラス基板が多く用いられている。磁気記録媒体用ガラス基板は、さらなる記録密度の高密度化を図るために、表面粗さを小さくすることが求められている。
磁気記録媒体の磁性層は、記録密度向上のため垂直磁性層が用いられるようになってきたが、垂直磁性層における磁性合金の結晶配向の揃い方が、記録再生特性(S/N比)に大きく影響を及ぼす。具体的には、磁性合金の結晶の磁化容易軸が垂直配向している状態が理想的であるが、配向が揃わないと再生信号におけるノイズ成分が増加してしまう。
垂直磁性層の結晶配向を揃えるために、垂直磁性層の下に配向膜及びさらに下地膜等を積層する方法が開示されているが、これらの膜を積層するガラス基板の主表面における表面形状も結晶配向に大きな影響を及ぼしている。
垂直磁性層の結晶配向を揃え磁気記録再生特性を向上させるために、ガラス基板の主表面をテープ研磨し、平均表面粗さRaをある値以下となるように規定したり(例えば特許文献1)、高輝度下において目視により、研磨痕が少ない又は研磨痕が見えない状態のガラス基板を用いる方法等が提唱されている。
しかしながら、従来の方法では、表面の凹凸の状態を表面粗さRa等のある程度包括的な評価指標により評価していたため、基板の表面が細部に渡って充分に平坦化されているかどうかの判断が正しく行えなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、表面が高度に平坦化された磁気記録媒体用基板の提供を主な目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、以下のような磁気記録媒体用基板が提供される。
[1]基板の主表面の1μm×1μmの正方形の領域を、円周方向256個×半径方向256個に区切り、256×256画素としたときに、その円周方向(列方向とする)に隣接する3画素、即ち12nm×4nmの領域を1つの単位領域R12とし、その円周方向にk番目の単位領域R12kの平均高さZkと、円周方向において隣接するk+1番目の単位領域R12k+1の平均高さZk+1との差を算出し、これをk=1〜84まで繰り返し、さらに半径方向に1画素、即ち4nmずらした円周方向にk=1〜84まで繰り返し、これを半径方向(列に直行する方向)に256回繰り返して、84×256個の平均高さの差のデータを下記式(1)により計算した高さの差の2値分散の平方根の値R(L)が、R(12)≦0.08nmである磁気記録媒体用ガラス基板。
[1]基板の主表面の1μm×1μmの正方形の領域を、円周方向256個×半径方向256個に区切り、256×256画素としたときに、その円周方向(列方向とする)に隣接する3画素、即ち12nm×4nmの領域を1つの単位領域R12とし、その円周方向にk番目の単位領域R12kの平均高さZkと、円周方向において隣接するk+1番目の単位領域R12k+1の平均高さZk+1との差を算出し、これをk=1〜84まで繰り返し、さらに半径方向に1画素、即ち4nmずらした円周方向にk=1〜84まで繰り返し、これを半径方向(列に直行する方向)に256回繰り返して、84×256個の平均高さの差のデータを下記式(1)により計算した高さの差の2値分散の平方根の値R(L)が、R(12)≦0.08nmである磁気記録媒体用ガラス基板。
[3]前記主表面の1μm×1μmの正方形の領域を、円周方向256個×半径方向256個に区切り、256×256画素としたときに、1つの画素、即ち4nm×4nmの領域を単位領域R4とし、その円周方向にk番目の単位領域R4kの平均高さZkと、円周方向において隣接するk+1番目の単位領域R4k+1の平均高さZk+1との差を算出し、これをk=1〜255まで繰り返し、さらに半径方向に1画素、即ち4nmずらした円周方向にk=1〜255まで繰り返し、これを半径方向(列に直行する方向)に256回繰り返して、255×256個の平均高さの差のデータを前記式(1)により計算した高さの差の2値分散の平方根の値R(L)が、R(4)≦0.05nmである[1]又は[2]記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
[4]前記主表面の算術平均粗さRaが0.10nm以下である[1]〜[3]のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
[5]前記主表面の算術平均粗さRaが0.09nm以下である[1]〜[4]のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
[6]近接場光を用いた表面平坦化法を含む方法で製造された[1]〜[5]のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
[7]近接場光を用いた湿式表面平坦化法を含む方法で製造された[1]〜[6]のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
[8]近接場光を用いた湿式表面平坦化法を含む方法で製造された請求項[1]〜[5]のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
[9]近接場光を用いた湿式表面平坦化法が、近接場光によって塩素ラジカル、臭素ラジカル、ヨウ素ラジカル、活性酸素、及びヒドロキシル・ラジカルの群から選ばれる少なくとも1つを発生しうる化学物質の水溶液を用い、波長200nm〜600nmの少なくとも1つの波長の光を含む光を照射してガラス基板を平坦化する磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
[10]前記製造方法により平坦化されたガラス基板が、前記ガラス基板の主表面の1μm×1μmの正方形の領域を、円周方向256個×半径方向256個に区切り、256×256画素としたときに、その円周方向(列方向とする)に隣接する3画素、即ち12nm×4nmの領域を1つの単位領域R12とし、その円周方向にk番目の単位領域R12kの平均高さZkと、円周方向において隣接するk+1番目の単位領域R12k+1の平均高さZk+1との差を算出し、これをk=1〜84まで繰り返し、さらに半径方向に1画素、即ち4nmずらした円周方向にk=1〜84まで繰り返し、これを半径方向(列に直行する方向)に256回繰り返して、84×256個の平均高さの差のデータを[1]に記載の式(1)により計算した高さの差の2値分散の平方根の値R(L)が、R(12)≦0.08nmである[9]記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
[11]前記主表面の1μm×1μmの正方形の領域を、円周方向256個×半径方向256個に区切り、256×256画素としたときに、その円周方向(列方向とする)に隣接する2画素、即ち8nm×4nmの領域を1つの単位領域R8とし、その円周方向にk番目の単位領域R8kの平均高さZkと、円周方向において隣接するk+1番目の単位領域R8k+1の平均高さZk+1との差を算出し、これをk=1〜127まで繰り返し、さらに半径方向に1画素、即ち4nmずらした円周方向にk=1〜127まで繰り返し、これを半径方向(列に直行する方向)に256回繰り返して、127×256個の平均高さの差のデータを前記式(1)により計算した高さの差の2値分散の平方根の値R(L)が、R(8)≦0.07nmである[11]記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
[12]前記主表面の1μm×1μmの正方形の領域を、円周方向256個×半径方向256個に区切り、256×256画素としたときに、1つの画素、即ち4nm×4nmの領域を単位領域R4とし、その円周方向にk番目の単位領域R4kの平均高さZkと、円周方向において隣接するk+1番目の単位領域R4k+1の平均高さZk+1との差を算出し、これをk=1〜255まで繰り返し、さらに半径方向に1画素、即ち4nmずらした円周方向にk=1〜255まで繰り返し、これを半径方向(列に直行する方向)に256回繰り返して、255×256個の平均高さの差のデータを前記式(1)により計算した高さの差の2値分散の平方根の値R(L)が、R(4)≦0.05nmである[10]又は[11]記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
[13][1]〜[7]のいずれかに記載された磁気記録媒体用ガラス基板に磁気記録層を積層した磁気記録媒体。
本発明の一態様によれば、表面が高度に平坦化された磁気記録媒体用基板が提供される。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において、同一又は対応する構成には、同一又は対応する符号を付して説明を省略する。また、本明細書において、数値範囲を示す「〜」は、その前後の数値を含む範囲を意味する。
(磁気記録媒体例)
図1は、一実施形態による磁気記録媒体用ガラス基板の例を示す斜視図である。具体的には、磁気記録媒体用基板は、例えば磁気記録媒体用ガラス基板10(以下、単に「ガラス基板10」という場合がある。)であり、磁気記録媒体用ガラス基板10は、円盤状であって、中央部に円孔13を有する。さらに、ガラス基板10は、第1主表面11及び第2主表面12を有する。なお、ガラス基板10は、例えばハードディスク(hard disk)等に用いられる。
図1は、一実施形態による磁気記録媒体用ガラス基板の例を示す斜視図である。具体的には、磁気記録媒体用基板は、例えば磁気記録媒体用ガラス基板10(以下、単に「ガラス基板10」という場合がある。)であり、磁気記録媒体用ガラス基板10は、円盤状であって、中央部に円孔13を有する。さらに、ガラス基板10は、第1主表面11及び第2主表面12を有する。なお、ガラス基板10は、例えばハードディスク(hard disk)等に用いられる。
図2は、一実施形態による磁気記録媒体の例を示す断面図である。また、磁気記録媒体20は、ガラス基板10、磁性層21、保護層22、及び潤滑層23等を有する。なお、磁性層21、保護層22、及び潤滑層23は、この順で、ガラス基板10が有する第1主表面11に形成されるが、ガラス基板10が有する第2主表面12に形成されてもよく、これらの両主表面(第1主表面11及び第2主表面12)にそれぞれ形成されてもよい。
磁性層21は、垂直磁気記録用が望ましく、この場合、記録面に対して垂直な磁化容易軸(磁気モーメントが向きやすい方向)を有する。また、記録密度向上の観点から、記録方式は、エネルギーアシスト磁気記録方式が望ましい。
磁性層21が垂直磁気記録用である場合、磁性層21は、Co(コバルト)、Cr(クロム)、Fe(鉄)、及びPt(白金)のうち、少なくとも1種類を含む材料で形成され、例えばCoCrPt系合金、FePt系合金等で形成される。さらに、磁性層21は、グラニュラ(granular)構造とするため、CoCrPt系合金、FePt系合金等の磁性材料に対し、酸化物、半金属元素、又は金属元素が添加された材料であるのが望ましい。なお、酸化物としては、例えばSiO2(二酸化ケイ素)、Cr2O3(酸化クロム)、CoO(酸化コバルト)、Ta2O5(五酸化タンタル)、又はTiO2(酸化チタン)が用いられる。さらに、半金属元素としては、例えばB(ホウ素)が用いられる。さらにまた、金属元素としては、例えばCr、Cu(銅)、Ta(タンタル)、又はZr(ジルコニウム)が用いられる。
磁性層21は、非磁性層と交互に積層されてもよい。これにより、磁性層21を反強磁性交換結合させることができる。なお、非磁性層は、例えばRu(ルテニウム)又はRu合金で形成され、例えば0.6〜1.2nmの厚さを有する。
磁性層21とガラス基板10との間には、下地層がさらに形成されてもよい。具体的には、磁性層21が垂直磁気記録用である場合、下地層は、Co、Fe、又はNi(ニッケル)等の軟磁性材料で形成され、ヘッドからの記録磁界を環流させる役割を果たす。なお、軟磁性材料としては、FeCo系合金、FeNi系合金、FeAl(アルミニウム)系合金、FeCr系合金、FeTa系合金、FeMg(マグネシウム)系合金、FeZr系合金、FeC(炭素)系合金、FeN(窒素)系合金、FeSi(ケイ素)系合金、FeP(リン)系合金、FeNb(ニオブ)系合金、FeHf(ハフニウム)系合金、又はFeB系合金等が用いられる。
ガラス基板10と下地層との間には、密着層がさらに形成されてもよい。具体的には、密着層は、ガラス基板10の吸着ガス、吸着水分、及びガラス基板10からの拡散成分等による下地層の腐食を抑制する。なお、密着層の材料には、Cr、Cr合金、Ti(チタン)、又はTi合金等が用いられる。また、密着層の厚さは、例えば2〜40nmである。さらに、密着層の形成方法としては、例えばスパッタ(sputter)法等が用いられる。
磁性層21と下地層との間には、配向制御層がさらに形成されてもよい。具体的には、配向制御層は、磁性層の結晶粒を微細化し、記録再生特性を向上させる。なお、配向制御層の材料としては、Ru、Ru合金、PtとAu(金)とAg(銀)とのうち少なくとも1つを含む材料、CoCr系合金、Ti、又はTi合金等が用いられる。さらに、配向制御層は、垂直磁気記録用の磁性層21のエピタキシャル成長を容易にする機能及び下地層と磁性層との磁気交換結合を断つ機能等を有する。
配向制御層と下地層との間には、シード層がさらに形成されてもよい。なお、シード層は、配向制御層の結晶粒径を制御する。さらに、シード層は、例えばNiW(タングステン)系合金で形成される。
保護層22は、磁性層21の腐食を防止し、かつ、ヘッドとの接触による磁性層21の傷の発生を少なくする。なお、保護層22の材料としては、C、ZrO2(ジルコニア)、又はSiO2等が用いられる。また、保護層22の形成方法としては、例えばスパッタ法又はCVD(化学気相成長)法等が用いられる。
潤滑層23は、ヘッドとの摩擦を低減する。なお、潤滑層23の材料としては、パーフルオロポリエーテル、フッ素化アルコール、又はフッ素化カルボン酸等が用いられる。さらに、潤滑層23の形成方法としては、例えばディップ(浸漬)法又はスプレー法等が用いられる。
磁気記録媒体20の記録密度は、例えば660Gbit/in(インチ)2、750Gbit/in2、1Tbit/in2のいずれでもよく、1Tbit/in2を超えてもよい。
(ガラス基板の製造方法例)
図3は、本発明の一実施形態に係るガラス基板の製造方法例を示すフローチャートである。具体的には、図3に示すように、ガラス基板の製造方法は、素板加工工程S11、面取工程S12、第1ラップ工程S13、端面研磨工程S14、第2ラップ工程S15、第1研磨工程S16、第1洗浄工程S17、第2研磨工程S18、第2洗浄工程S19、第3研磨工程S20、及び第3洗浄工程S21を有する。これらの工程は、必要に応じて、1つの工程をさらに2以上の工程に分けたり、特定の工程を設け無くしたり、強化工程、洗浄工程等をさらに付け加えたりすることもできる。
図3は、本発明の一実施形態に係るガラス基板の製造方法例を示すフローチャートである。具体的には、図3に示すように、ガラス基板の製造方法は、素板加工工程S11、面取工程S12、第1ラップ工程S13、端面研磨工程S14、第2ラップ工程S15、第1研磨工程S16、第1洗浄工程S17、第2研磨工程S18、第2洗浄工程S19、第3研磨工程S20、及び第3洗浄工程S21を有する。これらの工程は、必要に応じて、1つの工程をさらに2以上の工程に分けたり、特定の工程を設け無くしたり、強化工程、洗浄工程等をさらに付け加えたりすることもできる。
素板加工工程S11は、ガラス素板を加工することにより、中央部に円孔を有する円盤状のガラス基板を得る。なお、ガラス素板は、例えばフロート(float)法、フュージョン(fusion)法、プレス成形(stamping)法、ダウンドロー(down draw)法、又はリドロー(redraw)法等で成形される。
面取工程S12は、面取砥石でガラス基板の端面(内周端面及び外周端面)を研削することにより、ガラス基板の端面に面取部(例えば2つの主表面と、端面の垂直面と、それらの間に設けた2つの傾斜面とにより形成される4つの頂部を円弧状に形成した部分)を形成する。なお、各傾斜面は、ガラス基板の主表面と、主表面に対して垂直な垂直面との間に形成された斜めの面である。この傾斜面は、平面でなくてもよく、丸みを帯びた曲面でもよい。さらに、端面全体が円弧状の鏡面で構成されていてもよいし、端面の垂直面が垂直から少し傾いた傾斜面であってもよい。
第1ラップ工程S13では、ガラス基板の両主表面が研削される。具体的には、ガラス基板の両主表面を同時に研削する両面研削装置が用いられる。この両面研削装置は、例えば酸化アルミニウム、炭化ケイ素、酸化ジルコニウム、炭化ホウ素、ダイヤモンド等の遊離砥粒、又は固定塗粒を用いて、ガラス基板の両主表面を同時に研削する。なお、ラップ工程の一部は、素板加工工程の前又は面取工程の前に実施されてもよい。
端面研磨工程S14は、端面の2つの傾斜面及び垂直面をそれぞれ研磨することにより、2つの傾斜面及び垂直面における加工変質層を除去する。また、端面研磨方法は、例えばブラシ研磨、スポンジ研磨、粘性流体研磨、又は磁性流体研磨等である。
なお、図3に示す製造方法では、複数の端面研磨工程が順次行われてもよく、一部の端面研磨工程は、第2ラップ工程S15の後、かつ、第1研磨工程S16の前に行われてもよい。なお、複数の端面研磨工程の間には、洗浄工程及び乾燥工程等がそれぞれ実施されてもよい。
第2ラップ工程S15では、ガラス基板の両主表面が研削される。なお、第2ラップ工程S15では、ガラス基板の両主表面を同時に研削する両面研削装置が用いられる。この両面研削装置は、例えばダイヤモンド砥粒等の固定砥粒を用いて、ガラス基板の両主表面を同時に研削する。
第1研磨工程S16では、ガラス基板の両主表面が研磨される。なお、第1研磨工程S16では、ガラス基板の両主表面を同時に研磨する両面研磨機が用いられてもよい。また、両面研磨機は、例えば酸化セリウム等の研磨砥粒を含む研磨液を用いて、ガラス基板の両主表面を同時に研磨する。また、第1研磨工程S16の詳細については後述する。
第1洗浄工程S17は、第1研磨工程S16の後、かつ、第2研磨工程S18の前に行われ、第1研磨工程S16においてガラス基板に付着した付着物(例えば研磨屑又は研磨砥粒)等を洗い落とす工程である。
第2研磨工程S18では、ガラス基板の両主表面が研磨される。なお、第2研磨工程S18では、ガラス基板の両主表面を同時に研磨する両面研磨機が用いられてもよい。また、第2研磨工程S18の詳細については後述する。
第2洗浄工程S19は、第2研磨工程S18の後に行われ、第2研磨工程S18においてガラス基板に付着した研磨剤及びその他付着物等を洗い落とす工程である。
第3研磨工程S20では、ガラス基板が研磨される。また、第3研磨工程S20の詳細については後述する。
第3洗浄工程S21は、第3研磨工程S20の後に行われ、第3研磨工程S20においてガラス基板に付着した研磨剤及びその他付着物等を洗い落とす工程である。
なお、ガラス基板の製造方法は、図3に示す製造方法に限定されない。例えば、各工程の順序は、図3に示す順序でなくともよい。また、図3に示す複数の工程のうち、一部の工程は、実施されなくてもよい。例えば、第2研磨工程及び第2洗浄工程を省略して、第1研磨工程及び第1洗浄工程の後に、第3研磨工程及び第3洗浄工程を行ってもよい。さらに、図3に示す工程以外の工程(例えば化学強化工程、エッチング工程)が実施されてもよい。化学強化工程は、例えば第1洗浄工程S17と第2研磨工程S18との間、第2洗浄工程S19と第3研磨工程S20の間、又は第3洗浄工程S21の後に行われる。具体的には、化学強化工程では、ガラス表面に含まれる小さなイオン半径のイオン(例えばLi(リチウム)イオン又はNa(ナトリウム)イオン)を大きなイオン半径のイオン(例えばKイオン)に置換し、ガラス表面から所定の深さの強化層が形成される。したがって、強化層には、圧縮応力が残留するため、クラックが伸展しにくく割れにくい。エッチング工程は、例えば第1ラップ工程S13の後、端面研磨工程S14の前等に行っても良い。面取工程S12による研削面に生成されたクラックの先端が、エッチングによって丸められ、それ以降の工程でのクラック伸展が抑制され、強度を上げることができる。
図3に示す製造方法等により、図1に示すガラス基板10が得られる。
(第1研磨工程、第2研磨工程、及び第3研磨工程の例)
図4は、本発明の一実施形態に係る第1研磨工程、第2研磨工程、及び第3研磨工程の例を示す表である。具体的には、図4では、本発明の一実施形態に係る製造方法を用いた実施例1及び実施例2のそれぞれの第1研磨工程、第2研磨工程、及び第3研磨工程の一例を説明する。また、比較例として、比較例1及び比較例2のそれぞれの第1研磨工程、第2研磨工程、及び第3研磨工程の一例を合わせて説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る第1研磨工程、第2研磨工程、及び第3研磨工程の例を示す表である。具体的には、図4では、本発明の一実施形態に係る製造方法を用いた実施例1及び実施例2のそれぞれの第1研磨工程、第2研磨工程、及び第3研磨工程の一例を説明する。また、比較例として、比較例1及び比較例2のそれぞれの第1研磨工程、第2研磨工程、及び第3研磨工程の一例を合わせて説明する。
(第1研磨工程例(図3に示す第1研磨工程S16))
図4に図示するように、実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2のそれぞれの第1研磨工程は、同様の工程とした。
図4に図示するように、実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2のそれぞれの第1研磨工程は、同様の工程とした。
第1研磨工程では、ガラス基板の両主表面を研磨する両面研磨機を用いた。また、第1研磨工程は、平均粒径が約1μmの酸化セリウム研磨剤を使用した研磨方法を用いた。
(第2研磨工程例(図3に示す第2研磨工程S18))
図4に図示するように、実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2のそれぞれの第2研磨工程は、同様の工程とした。
図4に図示するように、実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2のそれぞれの第2研磨工程は、同様の工程とした。
第2研磨工程では、ガラス基板の両主表面を研磨する両面研磨機を用いた。また、第2研磨工程は、平均粒径が約20nmのコロイダルシリカ研磨剤を使用した研磨方法を用いた。
(第3研磨工程例(図3に示す第3研磨工程S20))
図4に図示するように、本発明の一実施形態に係る実施例1及び実施例2では、第3研磨工程は、近接場光を用いた湿式表面平坦化法を用いた。一方、比較例1では、第3研磨工程は、ガラス基板の両主表面を研磨する両面研磨機を用い、平均粒径が約12nmのコロイダルシリカ研磨剤を使用した研磨方法を用いた。また、比較例2では、第3研磨工程は、実施しないこととした。
図4に図示するように、本発明の一実施形態に係る実施例1及び実施例2では、第3研磨工程は、近接場光を用いた湿式表面平坦化法を用いた。一方、比較例1では、第3研磨工程は、ガラス基板の両主表面を研磨する両面研磨機を用い、平均粒径が約12nmのコロイダルシリカ研磨剤を使用した研磨方法を用いた。また、比較例2では、第3研磨工程は、実施しないこととした。
(近接場光を照射する湿式の表面平坦化法の例)
近接場光を照射する湿式の表面平坦化法は、例えばドレストフォトン研磨(dressed photon ethching)等である。以下、ドレストフォトン研磨を用いる例で説明する。
近接場光を照射する湿式の表面平坦化法は、例えばドレストフォトン研磨(dressed photon ethching)等である。以下、ドレストフォトン研磨を用いる例で説明する。
また、ドレストフォトン研磨は、塩素系又はフッ素系のガスが用いられる方法と、図4に図示するような溶液を用いる、いわゆる湿式の方法とがある。これらの方法のうち、第3研磨工程は、湿式の方法が用いられるのが望ましい。湿式の方法は、ガスによる方法と比較して、工程の産業上の取り扱いを容易にすることができる。
湿式の方法では、近接場光によって塩素ラジカル、臭素ラジカル、ヨウ素ラジカル、活性酸素、又はヒドロキシル・ラジカルが発生する水溶液が用いられる。具体的には、湿式の方法では、溶媒をH2O(水)とし、液組成がKI(ヨウ化カリウム)(5wt(重量)%)+I2(ヨウ素)(1wt%)又は液組成がH2O2(過酸化水素水)(30wt%)となる水溶液中に、ガラス基板を浸漬した。なお、水溶液には、次亜塩素酸イオン等が含まれてもよい。
さらに、湿式の方法では、水溶液中の反応性の化学種の吸収端波長よりも長い波長である200nm〜600nmの少なくとも1つの波長の光を含む光が、伝播光としてガラス基板に照射される。具体的には、実施例1及び実施例2では、水溶液中に浸漬しているガラス基板に光が照射された。また、照射時間は、5秒〜300分程度とすればよく、実施例1と2では20分又は120分とし、溶液の温度は、20℃とした。
図5は、本発明の一実施形態に係る湿式のドレストフォトン研磨による処理例を示す図である。具体的には、ガラス基板10の表面には、凸部101がある。表面に対して、200nm〜600nmの少なくとも1つの波長の光102が照射されると、凸部101の周辺に、照射された波長以下の波長の近接場光が発生する。次に、ガラス基板10が前記の水溶液に浸漬されていると、近接場光によって塩素ラジカル、臭素ラジカル、ヨウ素ラジカル、活性酸素、又はヒドロキシル・ラジカルが発生する。これによって、図示するように、凸部101が平坦化(エッチング)される。
即ち、基板表面に存在するナノオーダーの凸部101の局所領域に、光102は、近接場光を発生させる。次に、凸部101の局所領域に発生した近接場光によって、非共鳴過程を経て、反応性の化学種が解離し、活性種が生成される。さらに、生成された活性種と凸部101とが化学反応し、凸部101は、除去される。近接場光による表面平坦化法では、反応の進行に伴い、近接場光を発生する基板表面の凸部101が除去されると、近接場光の発生が抑制されるため、それ以上のエッチングが終了する。このため、ドレストフォトン研磨は、凸部がある部分でのみエッチングが進行し、凸部が無い部分や凸部のエッチングにより平坦化された部分ではエッチングがそれ以上進行しない。これにより、過剰エッチングよる凹部の形成による粗さの増加という問題を生じにくく、他からの制御を必要とせずに、ガラス基板の表面を平坦化することができる。
また、使用される水溶液は、近接場光によって活性種を生成しうる反応性化学種を含む水溶液であればよい。例えば、水溶液は、近接場光によって塩素ラジカルを発生させる次亜塩素酸ナトリウム又は次亜塩素酸カリウム等の水溶液、臭素ラジカルを発生させる臭素酸塩溶液、ヨウ素ラジカルを発生させるヨウ素ヨウ化カリウム溶液、ヨウ素酸塩溶液、若しくは活性酸素、ヒドロキシル・ラジカルを発生させる過酸化水素水等でもよい。
磁性層の粒子は、6〜8nmである。これに対して、湿式のドレストフォトン研磨を用いると、4〜12nm程度の周期の粗さを研磨できるため、より均一な磁性層を成膜することができる。また、下地層及び磁性層の配向性及び粒径分布の乱れを抑制できる。さらに、磁化容易軸の配向の乱れが小さくなるため、ノイズの少ない磁気記録媒体が製造できる。
(実施例1)
実施例1では、第2研磨工程S18(図3)及び第2洗浄工程S19(図3)が実施されたガラス基板は、第3研磨工程S20(図3)で、5wt%のヨウ化カリウムと、1wt%のヨウ素とを溶解した水溶液に浸漬された。次に、ガラス基板には、He(ヘリウム)−Cd(カドミウム)レーザ発振器を光源として、照射される325nmの波長の光102が、反射ミラー等で構成される光学系によって、基板上に照射された。また、実施例1では、照射する光源の出力は、50mW、照射時間は、20分とした。その後、ガラス基板は、スクラブ洗浄及び純水による超音波洗浄を行った後、IPA蒸気乾燥した。
実施例1では、第2研磨工程S18(図3)及び第2洗浄工程S19(図3)が実施されたガラス基板は、第3研磨工程S20(図3)で、5wt%のヨウ化カリウムと、1wt%のヨウ素とを溶解した水溶液に浸漬された。次に、ガラス基板には、He(ヘリウム)−Cd(カドミウム)レーザ発振器を光源として、照射される325nmの波長の光102が、反射ミラー等で構成される光学系によって、基板上に照射された。また、実施例1では、照射する光源の出力は、50mW、照射時間は、20分とした。その後、ガラス基板は、スクラブ洗浄及び純水による超音波洗浄を行った後、IPA蒸気乾燥した。
(実施例2)
実施例2では、第2研磨工程S18及び第2洗浄工程S19が実施されたガラス基板は、第3研磨工程S20で、30wt%の過酸化水素水に浸漬された。次に、ガラス基板には、He−Cdレーザ発振器を光源として、照射される325nmの波長の光102が、反射ミラー等で構成される光学系によって、基板上に照射された。また、実施例2では、照射する光源の出力は、50mW、照射時間は、120分とした。その後、ガラス基板は、スクラブ洗浄及び純水による超音波洗浄を行った後、IPA蒸気乾燥した。
実施例2では、第2研磨工程S18及び第2洗浄工程S19が実施されたガラス基板は、第3研磨工程S20で、30wt%の過酸化水素水に浸漬された。次に、ガラス基板には、He−Cdレーザ発振器を光源として、照射される325nmの波長の光102が、反射ミラー等で構成される光学系によって、基板上に照射された。また、実施例2では、照射する光源の出力は、50mW、照射時間は、120分とした。その後、ガラス基板は、スクラブ洗浄及び純水による超音波洗浄を行った後、IPA蒸気乾燥した。
(評価例)
(表面形状計測方法)
ガラス基板の表面は、下記の計測装置を用いて計測し、評価した。また、計測条件は、下記の通りとした。
・計測装置:(株)日立ハイテク・サイエンス社(旧SIIナノテクノロジー社製)
AFM(原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope))"L−traceII"
・計測条件:本発明では、DFM(Dynamic Force Mode)モードで、1μm×1μmの領域を256画素×256画素の解像度で測定し、測定結果に3次傾き補正を行い、フラット処理を施し、更にメディアン4のローカルフィルタを掛けた。1μm×1μmの領域を円周方向と半径方向に夫々256分割なので、厳密には1つの画素は4nm×4nmよりも少し小さくなるが、本発明では4nm×4nmとして記載した。本発明の単位領域R12は、この画素を3個円周方向につなげた12nm×4nmの単位領域を意味する。本発明の単位領域R8は、この画素を2個円周方向につなげた8nm×4nmの単位領域を意味する。本発明の単位領域R4は、この画素1個に相当する4nm×4nmの単位領域を意味する。
(表面形状計測方法)
ガラス基板の表面は、下記の計測装置を用いて計測し、評価した。また、計測条件は、下記の通りとした。
・計測装置:(株)日立ハイテク・サイエンス社(旧SIIナノテクノロジー社製)
AFM(原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope))"L−traceII"
・計測条件:本発明では、DFM(Dynamic Force Mode)モードで、1μm×1μmの領域を256画素×256画素の解像度で測定し、測定結果に3次傾き補正を行い、フラット処理を施し、更にメディアン4のローカルフィルタを掛けた。1μm×1μmの領域を円周方向と半径方向に夫々256分割なので、厳密には1つの画素は4nm×4nmよりも少し小さくなるが、本発明では4nm×4nmとして記載した。本発明の単位領域R12は、この画素を3個円周方向につなげた12nm×4nmの単位領域を意味する。本発明の単位領域R8は、この画素を2個円周方向につなげた8nm×4nmの単位領域を意味する。本発明の単位領域R4は、この画素1個に相当する4nm×4nmの単位領域を意味する。
(評価値の算出)
図6は、本発明の一実施形態に係る評価値の算出方法の一例を説明する図である。
図6は、本発明の一実施形態に係る評価値の算出方法の一例を説明する図である。
ガラス基板の表面の凹凸は、例えば上記計測条件に基づいて、1μm×1μmの正方形の領域Aごとに評価される。また、算出において、高さ方向をz軸とし、円周方向をx軸、半径方向をy軸とする。
領域Aは、円周方向に4nmごとに、画素B1−1、B1−2、B1−3、B1−4、・・・B1−256(画素Bm−nは、半径方向の位置によりm=1〜256、円周方向の位置によりn=1〜256)のように、256個の領域に区切られる。さらに、4nmずつ半径方向にずれて円周方向に画素B2−1、B2−2、B2−3、B2−4、・・・B2−156に区切られ、画素B1−1〜B256−256までの65536画素となる。
本発明では、この円周方向(x軸、列方向)に3個の画素をつなげた長さ12nm×幅4nmの単位領域R12、この円周方向(x軸、列方向)に2個の画素をつなげた長さ8nm×幅4nmの単位領域R8、この円周方向(x軸、列方向)に1個の画素とした単位領域R4での平均高さの値を用いて、式(1)で評価値R(L)の算出を行う。
すなわち、単位領域R12はL=12nmで3個の画素を連結するので、1列目の1番目の単位領域R121−1は、3個の画素B1−1、B1−2、B1−3からなり、その平均高さをZ1−1とする。隣接する1列目の2番目の単位領域R121−2は、3個の画素B1−4、B1−5、B1−6からなり、その平均高さをZ1−2とする。その1列の最終である85番目の単位領域R121−85は、3個の画素B1−253、B1−254、B1−255からなり、その平均高さをZ1−85とする。そのk番目の単位領域R12kと円周方向で隣接するk+1番目の単位領域R12k+1との間で平均高さの差を求める。単位領域R12の1列のデータ数は85個で有り、k=1〜84となり、この差のデータ総数は84個となる。最後の画素B1−256は、3個組み合わせることができないので、この単位領域R12での算出には使用されない。
さらに、半径方向に4nmずらした隣接の列(2列目)の画素B2−1、B2−2、B2−3、B2−4、・・・B2−156に基づき、単位領域R122−1〜単位領域R122−85での、隣接単位領域R12との平均高さの差を求める。
同様にして、半径方向に4nmずつずらして、256番目の列まで同じようにして、隣接単位領域R12との平均高さの差を求める。
この隣接単位領域R12での平均高さの差に基づき、式(1)で評価値R(L)を算出する(L=12nm)。この場合、平均高さの差のデータ総数は、1列84個で256列あるので、84×256個となる。
単位領域R8の場合には、単位領域R8はL=8nmで、円周方向に2個の画素を連結するので、1列目の1番目の単位領域R81−1は、2個の画素B1−1とB1−2とからなり、その平均高さをZ1−1とする。隣接する1列目の2番目の単位領域R81−2は、2個の画素B1−3とB1−4とからなり、その平均高さをZ1−2とする。その1列の最終である128番目の単位領域R81−128は、2個の画素B1−255とB1−256とからなり、その平均高さをZ1−128とする。そのk番目の単位領域R8kと円周方向で隣接するk+1番目の単位領域R8k+1との間で平均高さの差を求める。単位領域R8の1列のデータ数は128個で有り、K=1〜127となり、この差のデータ総数は127個となる。
半径方向に4nmずらした隣接の列(2列目)の画素についても同様に隣接単位領域R8との平均高さの差を求め、256番目の列まで同様にして算出を行う。
この隣接単位領域R8での平均高さの差に基づき、下記(1)式で評価値R(L)を算出する(L=8nm)。この場合、平均高さの差のデータ総数は、1列127個で256列あるので、127×256個となる。
単位領域R4の場合には、単位領域R4はL=4nmで1個の画素ごとに円周方向に隣接する単位領域R4で算出する。すなわち、1列目の1番目の単位領域R41−1は画素B1−1に対応し、その平均高さをZ1−1とする。隣接する1列目の2番目の単位領域R41−2は画素B1−2に対応し、その平均高さをZ1−2とする。その1列の最終である256番目の単位領域R41−256は画素B1−256に対応し、その平均高さをZ1−256とする。そのk番目の単位領域R4kと円周方向で隣接するk+1番目の単位領域R4k+1との間で平均高さの差を求める。単位領域R4の1列のデータ数は256個で有り、この差のデータ総数は255個となる。
半径方向に4nmずらした隣接の列(2列目)の画素についても同様に隣接単位領域R4との平均高さの差を求め、256番目の列目まで同様にして算出を行う。
この隣接単位領域R4での平均高さの差に基づき、下記(1)式で評価値R(L)を算出する(L=4nm)。この場合、平均高さの差のデータ総数は、255×256個となる。
即ち、下記(1)式では、n個の単位領域について、それぞれ平均高さが求められ、隣接する単位領域との差がそれぞれ求められる。次に、差は、2乗され、2乗された値の総和が求められる。さらに総和を、単位領域の数であるnで除算し、平方根を求めると、評価値が求まる。
評価値をR(L)とすると、評価値R(L)は、下記(1)式のように算出される。なお、下記(1)式は、いわゆる2値分散の平方根算出である。
図示するように、湿式のドレストフォトン研磨が用いられた実施例1及び実施例2は、算術平均粗さRa(図ではAFM_Ra)で評価した場合、比較例1と比較すると、比較例1の方が、値が小さく、比較例1と同じ程度又は比較例1の方が平坦化されていると評価される。
一方、評価値R(L)による円周方向における辺の長さLが12nm以下の領域において、評価値R(L)では、比較例1及び比較例2と比較して、実施例1及び実施例2は、値が小さく、実施例1及び実施例2の方が、平坦化されていると評価できる。つまり、上記(1)式が用いられると、湿式のドレストフォトン研磨が行われたガラス基板等の微小の領域において、高さのばらつきが精度良く評価できる。
円周方向における辺の長さLが12nm以下の領域において、評価値R(L)が0.08nm以下であると、ガラス基板の表面の凹凸は、平坦化されているといえる。算術平均粗さRa及び二乗平方根粗さRq等では、図5に図示するようなドレストフォトン研磨等による平坦化が行われた場合、凹凸の変化が細かく、評価が難しい場合がある。一方、評価値R(L)が用いられると、ドレストフォトン研磨等による平坦化が評価できる。即ち、上記(1)式によって、表面の凹凸のばらつきを評価できるため、基板の表面が平坦化されたガラス基板が提供できる。
また、実施例1及び実施例2のように、円周方向における辺の長さLが8nm以下の領域において、評価値R(L)が0.07nm以下であるのが望ましい。さらに、実施例1及び実施例2のように、円周方向における辺の長さLが4nm以下の領域において、評価値R(L)が0.05nm以下であると、より望ましい。磁性層粒子の大きさ及び前記粒子の大きさの半分程度において、表面の凹凸のばらつきがより抑えられていると、基板の表面がより平坦化されたガラス基板が提供できる。
(変形例)
評価値は、例えば算術平均粗さRa(JIS B0601 2001)との組み合わせでもよい。
評価値は、例えば算術平均粗さRa(JIS B0601 2001)との組み合わせでもよい。
図8は、本発明の一実施形態に係る評価値の算出における算術平均粗さの一例を説明する図である。具体的には、図示するように、基準となる長さMの領域について、算術平均粗さRaは、基準高さ(平均線)に対する各測定点(領域)の高さ又は深さの絶対値を足し合わせ、基準長さないし測定領域数で除した値に基づいて算出される。即ち、算術平均粗さRaは、下記(2)式のように算出される。
なお、算術平均粗さRaは、0.10nm以下であるのが望ましい。さらに、算術平均粗さRaは、0.09nm以下であるのがより望ましい。
10 ガラス基板
101 凸部
A 領域
B1−1〜B256−256 画素
101 凸部
A 領域
B1−1〜B256−256 画素
Claims (13)
- 基板の主表面の1μm×1μmの正方形の領域を、円周方向256個×半径方向256個に区切り、256×256画素としたときに、その円周方向(列方向とする)に隣接する3画素、即ち12nm×4nmの領域を1つの単位領域R12とし、その円周方向にk番目の単位領域R12kの平均高さZkと、円周方向において隣接するk+1番目の単位領域R12k+1の平均高さZk+1との差を算出し、これをk=1〜84まで繰り返し、さらに半径方向に1画素、即ち4nmずらした円周方向にk=1〜84まで繰り返し、これを半径方向(列に直行する方向)に256回繰り返して、84×256個の平均高さの差のデータを下記式(1)により計算した高さの差の2値分散の平方根の値R(L)が、R(12)≦0.08nmである磁気記録媒体用ガラス基板。
- 前記主表面の1μm×1μmの正方形の領域を、円周方向256個×半径方向256個に区切り、256×256画素としたときに、その円周方向(列方向とする)に隣接する2画素、即ち8nm×4nmの領域を1つの単位領域R8とし、その円周方向にk番目の単位領域R8kの平均高さZkと、円周方向において隣接するk+1番目の単位領域R8k+1の平均高さZk+1との差を算出し、これをk=1〜127まで繰り返し、さらに半径方向に1画素、即ち4nmずらした円周方向にk=1〜127まで繰り返し、これを半径方向(列に直行する方向)に256回繰り返して、127×256個の平均高さの差のデータを前記式(1)により計算した高さの差の2値分散の平方根の値R(L)が、R(8)≦0.07nmである請求項1に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 前記主表面の1μm×1μmの正方形の領域を、円周方向256個×半径方向256個に区切り、256×256画素としたときに、1つの画素、即ち4nm×4nmの領域を単位領域R4とし、その円周方向にk番目の単位領域R4kの平均高さZkと、円周方向において隣接するk+1番目の単位領域R4k+1の平均高さZk+1との差を算出し、これをk=1〜255まで繰り返し、さらに半径方向に1画素、即ち4nmずらした円周方向にk=1〜255まで繰り返し、これを半径方向(列に直行する方向)に256回繰り返して、255×256個の平均高さの差のデータを前記式(1)により計算した高さの差の2値分散の平方根の値R(L)が、R(4)≦0.05nmである請求項1又は2記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 前記主表面の算術平均粗さRaが0.10nm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 前記主表面の算術平均粗さRaが0.09nm以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 近接場光を用いた表面平坦化法を含む方法で製造された請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 近接場光を用いた湿式表面平坦化法を含む方法で製造された請求項1〜6のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 近接場光を用いた湿式表面平坦化法を含む方法で製造された請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
- 近接場光を用いた湿式表面平坦化法が、近接場光によって塩素ラジカル、臭素ラジカル、ヨウ素ラジカル、活性酸素、及びヒドロキシル・ラジカルの群から選ばれる少なくとも1つを発生しうる化学物質の水溶液を用い、波長200nm〜600nmの少なくとも1つの波長の光を含む光を照射してガラス基板を平坦化する磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
- 前記製造方法により平坦化されたガラス基板が、前記ガラス基板の主表面の1μm×1μmの正方形の領域を、円周方向256個×半径方向256個に区切り、256×256画素としたときに、その円周方向(列方向とする)に隣接する3画素、即ち12nm×4nmの領域を1つの単位領域R12とし、その円周方向にk番目の単位領域R12kの平均高さZkと、円周方向において隣接するk+1番目の単位領域R12k+1の平均高さZk+1との差を算出し、これをk=1〜84まで繰り返し、さらに半径方向に1画素、即ち4nmずらした円周方向にk=1〜84まで繰り返し、これを半径方向(列に直行する方向)に256回繰り返して、84×256個の平均高さの差のデータを下記式(1)により計算した高さの差の2値分散の平方根の値R(L)が、R(12)≦0.08nmである請求項9記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
- 前記主表面の1μm×1μmの正方形の領域を、円周方向256個×半径方向256個に区切り、256×256画素としたときに、その円周方向(列方向とする)に隣接する2画素、即ち8nm×4nmの領域を1つの単位領域R8とし、その円周方向にk番目の単位領域R8kの平均高さZkと、円周方向において隣接するk+1番目の単位領域R8k+1の平均高さZk+1との差を算出し、これをk=1〜127まで繰り返し、さらに半径方向に1画素、即ち4nmずらした円周方向にk=1〜127まで繰り返し、これを半径方向(列に直行する方向)に256回繰り返して、127×256個の平均高さの差のデータを前記式(1)により計算した高さの差の2値分散の平方根の値R(L)が、R(8)≦0.07nmである請求項10記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
- 前記主表面の1μm×1μmの正方形の領域を、円周方向256個×半径方向256個に区切り、256×256画素としたときに、1つの画素、即ち4nm×4nmの領域を単位領域R4とし、その円周方向にk番目の単位領域R4kの平均高さZkと、円周方向において隣接するk+1番目の単位領域R4k+1の平均高さZk+1との差を算出し、これをk=1〜255まで繰り返し、さらに半径方向に1画素、即ち4nmずらした円周方向にk=1〜255まで繰り返し、これを半径方向(列に直行する方向)に256回繰り返して、255×256個の平均高さの差のデータを前記式(1)により計算した高さの差の2値分散の平方根の値R(L)が、R(4)≦0.05nmである請求項10又は11記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに一項に記載された磁気記録媒体用ガラス基板に磁気記録層を積層した磁気記録媒体。
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