JP5939350B1 - 磁気記録媒体用ガラス基板、磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体用ガラス基板、磁気記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】急激な温度変化が加えられた場合に熱割れが生じることを抑制した磁気記録媒体用ガラス基板を提供する。【解決手段】ドーナツ形状を有し、一対の主表面と、外周端面と、内周端面と、を有する磁気記録媒体用ガラス基板であって、前記外周端面は外周側面部と一対の外周面取り部とを有し、前記外周側面部の算術平均粗さRaが0.1μm以下であり、前記外周側面部について、表面から5μmをエッチングした後のエッチング後外周側面部の算術平均粗さRaが0.5μm以下である磁気記録媒体用ガラス基板を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、磁気記録媒体用ガラス基板、磁気記録媒体に関する。
磁気記録装置では、磁気記録媒体用基板上に磁性層等を成膜し、該磁性層を用いて情報を記録することができる。
磁気記録装置に用いられる磁気記録媒体用基板としては、従来、アルミニウム合金基板が使用されてきたが、高記録密度化の要求に伴い、アルミニウム合金基板に比べて硬く、平坦性や平滑性に優れるガラス基板が主流となってきている。
そして、近年では年々高まる高記録密度化のニーズに応えるため、エネルギーアシスト磁気記録方式を用いた磁気記録媒体、すなわちエネルギーアシスト磁気記録媒体が検討されている。エネルギーアシスト磁気記録媒体についても、基板として磁気記録媒体用ガラス基板を用い、磁気記録媒体用ガラス基板の主表面上に磁性層等を配置した構成を有することができる。
エネルギーアシスト磁気記録媒体では、磁性層の磁性材料として磁気異方性係数Kuの大きい(以下、「高Ku」とも記載する)規則合金が用いられている。そして、規則化の程度(規則度)を高めて高Kuを実現するため、磁性層の成膜時、成膜前、または成膜後に、磁気記録媒体用ガラス基板を含む基材を600℃以上の高温で熱処理を行う場合がある。
磁性層の成膜時、成膜前、または成膜後に高温での熱処理を行うのは、例えばエネルギーアシスト磁気記録媒体の磁性層の磁性材料として好適なFePt系合金等において、アニール温度を高くするほど保磁力を高められるためでもある。
このように磁気記録媒体を製造する過程で、磁気記録媒体用ガラス基板についても高温で熱処理される場合があるため、磁気記録媒体用ガラス基板にも耐熱性が求められている。
そして、例えば特許文献1には高温で磁気記録層を形成できる情報記録媒体用ガラス基板が開示されている。具体的には、モル百分率表示で、SiOを62〜74%、Alを7〜18%、Bを2〜15%、MgO、CaO、SrOおよびBaOのいずれか1成分以上を合計で8〜16%含有し、上記7成分の含有量合計が95%以上であり、LiO、NaOおよびKOのいずれか1成分以上を合計で1%未満含有する、もしくはこれら3成分のいずれも含有しない情報記録媒体用ガラス基板(ただし、結晶化ガラス基板および強化ガラス基板を除く)が開示されている。
特許第5056983号公報
しかしながら、上述のように高温で熱処理を行う場合、磁気記録媒体用ガラス基板に熱処理前後で急激な温度変化が加えられることになるため、磁気記録媒体用ガラス基板では急激な熱膨張または熱収縮が発生し、該磁気記録媒体用ガラス基板に大きな応力がかかる。そして、係る応力によって、磁気記録媒体用ガラス基板に熱割れが生じる場合があり、熱割れの程度によっては砕ける場合もあった。このように、磁気記録媒体の製造中に磁気記録媒体用ガラス基板に熱割れが生じたり、砕けると、歩留まりが低下するだけではなく、割れた基板の回収、熱処理装置の洗浄等を行う必要が生じ、生産性が大幅に低下するという問題があった。
そこで、本発明の一側面では上記従来技術が有する問題に鑑み、急激な温度変化が加えられた場合に熱割れが生じることを抑制した磁気記録媒体用ガラス基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の一側面では、ドーナツ形状を有し、一対の主表面と、外周端面と、内周端面と、を有する磁気記録媒体用ガラス基板であって、前記外周端面は外周側面部と一対の外周面取り部とを有し、
前記外周側面部の算術平均粗さRaが0.1μm以下であり、
前記外周側面部について、表面から5μmをエッチングした後のエッチング後外周側面部の算術平均粗さRaが0.5μm以下であり、最大高さ粗さRzが10μm以下である磁気記録媒体用ガラス基板を提供する。
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板の一側面によれば、急激な温度変化が加えられた場合に熱割れが生じることを抑制した磁気記録媒体用ガラス基板を提供することができる。
本発明の実施形態に係る磁気記録媒体用ガラス基板の説明図。 磁気記録媒体用ガラス基板に生じる微小クラックの説明図。 本発明の実験例1における、エッチング前後の外周側面部表面のレーザー顕微鏡画像。 本発明の実験例10における、エッチング前後の外周側面部表面のレーザー顕微鏡画像。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
(磁気記録媒体用ガラス基板)
本実施形態の磁気記録媒体用ガラス基板の一構成例について説明を行う。
本実施形態の磁気記録媒体用ガラス基板は、ドーナツ形状を有し、一対の主表面と、外周端面と、内周端面と、を有する磁気記録媒体用ガラス基板であって、外周端面は外周側面部と一対の外周面取り部とを有することができる。
そして、外周側面部の算術平均粗さRaを0.1μm以下、外周側面部について、表面から5μmをエッチングした後のエッチング後外周側面部の算術平均粗さRaを0.5μm以下とすることができる。
まず、図1を用いて本実施形態の磁気記録媒体用ガラス基板(以下、単に「ガラス基板」とも記載する)の構造について説明する。
図1は本実施形態のガラス基板の斜視断面図を模式的に示している。図1はガラス基板10の中心を通り、主表面121、122と垂直な面における断面を含む斜視断面図となっている。すなわち、図1では本実施形態のガラス基板の半分と、断面図とをあわせて示している。
図1から把握されるように、ガラス基板10は外周が円形であり、中央部には外周と同心円となるように円形の開口部(中央開口部)11が設けられた円板形状、すなわちドーナツ形状を有している。
そして、上下の面が主表面121、122となっている。また、ガラス基板10は外周に位置する外周端面13と、内周に位置する内周端面14と、を有している。
外周端面13、及び内周端面14は主表面121、122側にそれぞれ面取り部を有することができる。すなわち、外周端面13、及び内周端面14は、それぞれ一対の面取り部を有することができる。具体的には外周端面13は外周面取り部131、133を、内周端面14は内周面取り部141、143をそれぞれ有することができる。
また、面取り部間には側面部を形成することができ、外周端面13は外周側面部132を、内周端面14は内周側面部142をそれぞれ有することができる。外周側面部132、及び内周側面部142はそれぞれ主表面121、122と略垂直になるように形成できる。
以上のように、外周端面13は外周側面部132と、外周面取り部131、133とを含み、内周端面14は内周側面部142と、内周面取り部141、143とを含むことができる。
なお、本実施形態のガラス基板10のサイズは特に限定されるものではなく、ガラス基板の仕様にあわせて任意に選択することができる。本実施形態のガラス基板の直径Dは例えば48mm、65mm、または95mm等のガラス基板に要求される仕様に応じたサイズとすることができる。特に、本実施形態のガラス基板の直径は、近年需要が高まっている65mm以上であることが好ましい。
ところで、既述の様にエネルギーアシスト磁気記録媒体の製造工程で、600℃以上、例えば600℃以上700℃以下の高温で熱処理を行う際に、ガラス基板に急激な温度変化が加わり、生じた応力により、ガラス基板に熱割れを生じる場合があった。
そこで、本発明の発明者らは、急激な温度変化が加えられた場合に熱割れが生じることを抑制できるガラス基板について鋭意検討を行った。
本発明の発明者らは最初に、急激な温度変化が加えられた場合に熱割れが生じる原因について検討を行った。
急激な温度変化をガラス基板に加えた際に膨張、収縮が起こり易い場所には応力がかかり易いため、急激な温度変化に伴い、膨張、収縮の起こり易い場所を検討したところ、形状の影響によりガラス基板の外周部分において、膨張、収縮が起こり易いことが分かった。
さらに、通常、ガラス基板の外周側面部のうち、複数箇所を金属製の保持具により保持した状態で熱処理が行われるが、係る保持具と、ガラス基板との間の熱移動により、ガラス基板内の温度分布が特に急峻に変化し易いことが分かった。
このため、熱処理を行う際に、ガラス基板の外周部分は、特に急激な温度変化に曝される可能性が高く、急激な温度変化に曝された場合に、膨張、収縮が起こり易いため、応力が加わり易くなっていることを見出した。
そこで、次に、外周側面部の性状と、熱割れの発生との関係を検討したところ、外周側面部に深さ数μmからサブミクロンの微小クラックが存在する場合、クラック先端に応力が集中し、クラックが伸展し大きな割れの発生につながり易いことを見出した。
ここで、微小クラックを模式的に図2に示す。図2においては、微小クラック22の深さ方向と平行で、かつ微小クラックを通る面での微小クラックの断面を模式的に示している。
ガラス基板の外周側面部に生じる微小クラック22は、例えば図2に示したように、ガラス基板の外周側面部の表面21から、内部に向かって生じる。そして、微小クラックが生じた場合、微小クラック22の先端への応力集中はクラック先端の幅Rと相関を有し、該幅Rが小さいときに、特に微小クラック22に応力が集中し易くなる。従って、外周側面部における微小クラックを低減することで、急激な温度変化が加えられた場合に熱割れが生じることを抑制したガラス基板とすることができることが分かる。
ところが、特に熱割れ発生の原因となり易い先端の幅Rが非常に小さい微小クラック22は、表面21側の開口部221の幅が小さく、また開口部221が水和物等で覆われていることが多いため、ガラス基板の外周側面部の表面21から検出することは難しい。このため、ガラス基板の外周側面部での存在頻度や深さを表面粗さ計などで測定することは困難であった。
そこで、係る微小なクラックの検出方法について検討を行ったところ、ガラス基板の外周側面部をエッチング(エッチング処理)することで、エッチング前には検出されない微小クラックが、外周側面部に顕在化できることを見出した。これは、エッチングにより微小クラックを覆っていた水和物等を除去することができ、さらには、エッチングによって微小クラックの表面側の開口部(ピット)のサイズを大きくすることができるためと考えられる。
以上の検討結果から、外周側面部をエッチングすることで、外周側面部の微小クラックを顕在化できるため、表面粗さ計等で検出できるようになり、外周側面部の微小クラックの存在頻度、深さを定量的に把握できることを見出した。さらに、エッチング後の基板の外周側面部の算術平均粗さRaと熱割れの発生率とに相関があることが分かった。
そこで、本実施形態のガラス基板においては、外周側面部について、表面から5μmをエッチングした後の外周側面部、すなわちエッチング後外周側面部の算術平均粗さRaが0.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることがより好ましく、0.2μm以下であることがさらに好ましい。
上述のように、エッチング後外周側面部は、エッチングにより微小なクラックが顕在化しており、エッチング後外周側面部の算術平均粗さRaを評価することで、外周側面部に含まれる微小なクラックの存在頻度を評価できる。すなわち、エッチング後外周側面部の算術平均粗さRaが小さいほど、外周側面部に含まれる微小クラックの存在頻度は小さくなる。
そして、本発明の発明者らの検討によれば、エッチング後外周側面部の算術平均粗さRaが0.5μm以下の場合、微小クラックの存在頻度を十分に小さくでき、熱割れの発生を抑制できる。このため、急激な温度変化が加えられた場合に、ガラス基板に熱割れが生じることを抑制でき、好ましい。
本実施形態のガラス基板においては、エッチング後の外周側面部の算術平均粗さRaを測定する際のエッチング量を5μmとしているが、エッチング量は1μm以上20μm以下であれば、同様の傾向が得られると考えられる。このため、エッチング量は5μmに限定されるものではなく、1μm以上20μmの範囲で選択することもできる。
なお、エッチング量が1μmよりも小さい場合には、エッチング後の外周側面部表面での、微小クラックの開口部のサイズが十分に大きくなっておらず、微小クラックの存在頻度や、詳細な形状を評価することが難しくなる恐れがある。また、一方でエッチング量が20μmよりも大きい場合、エッチング後の外周側面部表面での、微小クラックの開口部のサイズが大きなり過ぎ、元のクラックの存在頻度や、サイズを反映しなくなるため、適切な評価を行えなくなる恐れがある。
このため、エッチング後の外周側面部について、算術平均粗さRaや、後述する最大高さ粗さRzの評価を行う場合、エッチング量は1μm以上20μm以下とすることが好ましく、特に5μmとすることが好ましい。
また、本実施形態のガラス基板は、エッチングを行う前の外周側面部の算術平均粗さRaは、0.1μm以下であることが好ましく、0.05μm以下であることがより好ましい。
これは、後述するように外周側面部の算術平均粗さRaが0.1μmよりも高い場合には研磨砥粒等が付着しやすく、洗浄や成膜時に発塵を起こし、主表面への汚染につながることが懸念されるためである。
さらに、エッチング後外周側面部は、最大高さ粗さRzが10μm以下であることが好ましく、4μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることがさらに好ましい。
最大高さ粗さRzは測定領域に存在する微小クラックの最大深さに相当すると考えられる。そして、微小クラックは深さが深いほど熱割れに発展し易くなるところ、最大高さ粗さRzが10μm以下の場合、微小クラックの最大深さが十分に浅く、急激な温度変化が加えられた場合に、ガラス基板に熱割れが生じることを抑制でき、好ましいからである。
ガラス基板の外周側面部をエッチングする方法は特に限定されないが、ガラス基板をエッチング液に所定時間浸漬することでエッチングを行うことができる。ガラス基板をエッチング液に浸漬する場合、ガラス基板の表面全体が均一にエッチングされるため、例えば外周側面部について、表面から5μmをエッチングする場合、ガラス基板は直径としては10μm小さくなる。
エッチング液としては、ガラス基板をエッチングできる材料であればよく、特に限定されないが、例えばふっ酸と、塩酸との混合水溶液等を用いることができる。エッチング時間はエッチング液や、ガラス基板のガラス材料により変化するため、例えば予め予備試験等を行い、ガラス基板の表面を5μmエッチングするのに要する時間を調べておくことが好ましい。
また、算術平均粗さRaや、最大高さ粗さRzは、JIS B 0601(2013)に規定されており、例えばレーザー顕微鏡や、接触式の表面粗さ計、白色干渉方式等を用いて評価を行うことができる。
なお、本実施形態のガラス基板は、外周側面部について、表面から5μmをエッチングする前のガラス基板を、磁気記録媒体用のガラス基板として用いることができる。
これは、外周側面部の表面のエッチングを行ったガラス基板では、微小クラックの先端の幅Rが大きくなるため熱割れを抑制できるが、微小クラックが顕在化していることからも明らかなように、外周側面部の算術平均粗さRaがエッチング前より大きくなる。このため、外周側面部に研磨砥粒等が付着しやすくなり、洗浄時等に各種研磨工程で付着した研磨砥粒の持ち込み等の問題を生じる恐れがあるからである。
微小クラックは、主にガラス基板の製造条件に応じて生じるものである。このため、予め、実際の製造時と同じ条件で製造したガラス基板の外周側面部について、エッチング前後それぞれの算術平均粗さRaや、場合によってはさらに最大高さ粗さRzを評価し、本実施形態のガラス基板の規定を充足するように製造条件を選択できる。
または、ガラス基板を製造する際は、通常、1ロット当り複数枚のガラス基板を製造する。そして、同一のロット内では同じ条件でガラス基板を製造しているため、その外周側面部に生じる微小クラックの存在頻度や、最大深さも同程度になる。このため、同じロット内から評価用のガラス基板を1枚以上選択し、該評価用のガラス基板についてエッチング前後それぞれの算術平均粗さRaや、場合によってはさらに最大高さ粗さRzを評価することができる。そして、該ロットのガラス基板について本実施形態のガラス基板の規定を充足していることを確認できる。
上述のように、ガラス基板に急激な温度変化を加えた場合、主に外周側面部に含まれる微小クラックが熱割れの起点となる。このため、外周側面部のエッチング前の算術平均粗さRa、及び外周側面部について、表面から5μmをエッチングした後の算術平均粗さRaが上記規定を充足する場合、急激な温度変化を加えた場合でも熱割れが生じることを抑制できる。
ただし、高温に熱処理を行う際のガラス基板の基板保持具の形状や、保持箇所、昇温、降温時の温度分布の変化等により、外周面取り部や、内周端面の性状も熱割れの発生に影響を及ぼす場合がある。
そこで、外周側面部以外にも、図1を用いて説明した外周面取り部131、133、内周面取り部141、143、及び内周側面部142についても、エッチング前の算術平均粗さRa、及び上記各部について、表面から5μmをエッチングした後の算術平均粗さRa、場合によってはさらに、エッチングした後の最大高さ粗さRzが上述の外周側面部と同様の規定を充足することが好ましい。
また、主表面と面取り部との間の角部、及び側面部と面取り部との間の角部もそれぞれエッチング前の算術平均粗さRa、及び各部について、表面から5μmをエッチングした後の算術平均粗さRa、場合によってはさらに、エッチング後の最大高さ粗さRzが上述の外周側面部と同様の規定を充足することが好ましい。
なお、主表面と面取り部との間の角部とは、図1における主表面121、122と、外周面取り部131、133及び内周面取り部141、143との間の各角部を意味する。そして、側面部と面取り部との間の角部とは、外周面取り部131、133と外周側面部132との間の角部、内周面取り部141、143と内周側面部142との間の各角部を意味する。
本実施形態のガラス基板は化学強化を施しておくこともできる。これは、化学強化処理を施しておくことにより、急激な温度変化が加えられた場合に熱割れが発生することを特に抑制できるからである。
ガラス基板について化学強化を施す場合、外周側面部に含まれる微小クラックの影響を特に抑制するため、少なくとも外周側面部を含む部分について、化学強化を施しておくことが好ましい。化学強化を施す場合、特にガラス基板の表面全体について化学強化を施しておくことが好ましい。
そして、化学強化を施す場合、その程度は特に限定されるものではないが、少なくともガラス基板の外周側面部において、化学強化処理による圧縮応力の深さDOLが、1μm≦DOL≦15μmであることが好ましい。特にガラス基板の表面全体について化学強化処理による圧縮応力の深さDOLが、1μm≦DOL≦15μmであることがより好ましい。
これは、圧縮応力の深さDOLが1μm以上の場合、十分に化学強化を施しているといえ、熱割れを特に抑制できるからである。ただし、DOLが15μmを超えると、600℃以上の高温熱処理を行う場合、ガラス基板内へのイオンの拡散により、ガラス基板の平坦度が悪化する場合があるため、DOLは15μm以下であることが好ましい。この点からも、600℃以上の高温熱処理を必要とするプロセスに用いるガラス基板は微小クラックの影響が大きく、その除去が重要となる。
本実施形態のガラス基板を構成するガラス材料については特に限定されるものではなく、各種ガラス材料を用いることができる。
ここまでに説明したように、本実施形態のガラス基板は、外周側面部の算術平均粗さRa、及び外周側面部について、表面から5μmをエッチングした後のエッチング後外周側面部の算術平均粗さRaを所定の範囲とすることで熱割れを抑制できる。
ただし、ガラス基板に用いるガラス材料についても、急激な温度変化が加えられた場合でも、熱割れを生じにくいガラス基板を用いることが好ましい。
このため、本実施形態のガラス基板は、50℃以上350℃以下の温度域における熱膨張係数が70×10−7/℃以下であるガラス材料からなることが好ましく、50℃以上350℃以下の温度域における熱膨張係数が55×10−7/℃以下であるガラス材料からなることがより好ましい。
これは、50℃以上350℃以下の温度域における熱膨張係数が、70x10−7/℃以下の場合、温度変化に伴うガラス基板の膨張、収縮を抑制できるため、急激な温度変化が加えられた場合でも、外周側面部の性状と相まって、熱割れを抑制できるからである。
なお、50℃以上350℃以下の温度域における熱膨張係数の下限値は特に限定されるものではなく、本実施形態のガラス基板には、例えば50℃以上350℃以下の温度域における熱膨張係数が0より大きいガラス材料を用いることができる。
本実施形態のガラス基板は、ここまで説明したように急激な温度変化を加えた場合でも熱割れが生じることを抑制できる。このため、製造工程で急激な温度変化を加える場合がある、エネルギーアシスト磁気記録媒体用のガラス基板として、特に好適に用いることができる。そして、エネルギーアシスト磁気記録媒体を製造する際には、磁性層に含まれるFePt系等の磁性層合金(磁性材料)の規則化促進のため、磁性層の成膜時等に600℃以上700℃以下程度の高温で熱処理を行うのが一般的である。このため、係る高温での熱処理を行った際に、ガラス基板に歪みや変形等が生じることを抑制するため、本実施形態のガラス基板は、ガラス転移点Tgが650℃以上であるガラス材料からなることが好ましく、ガラス転移点Tgが700℃以上であるガラス材料からなることがより好ましい。
既述のように、特にエネルギーアシスト磁気記録媒体を製造する際に、600℃以上の高温で熱処理を行う際に、ガラス基板に急激な温度変化が加わる場合があり、従来のガラス基板においては、熱割れを生じる場合があった。これに対して、本実施形態のガラス基板によれば、外周側面部の算術平均粗さRa、及び外周側面部について、表面から5μmをエッチングした後のエッチング後外周側面部の算術平均粗さRaを所定の範囲としている。このため、外周側面部に含まれる、熱割れの起点となる微小クラックの存在頻度が十分に低いため、急激な温度変化が加えられた場合に熱割れが生じることを抑制することができる。
このため、本実施形態のガラス基板は、エネルギーアシスト磁気記録媒体用の磁気記録媒体用ガラス基板として、特に好適に用いることができる。
ただし、本実施形態のガラス基板の用途は、エネルギーアシスト磁気記録媒体用のガラス基板に限定されるものではなく、各種磁気記録媒体用のガラス基板として好適に用いることができる。
次に、ここまで説明した本実施形態の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法(以下、単に「ガラス基板の製造方法」とも記載する)の一構成例について簡単に説明する。
なお、本実施形態のガラス基板の製造方法によれば、既述の磁気記録媒体用ガラス基板を製造することができる。このため、磁気記録媒体用ガラス基板において説明した内容と重複する部分については一部記載を省略する。
本実施形態のガラス基板の製造方法は、例えば以下の工程1〜工程5を含むことができる。
(工程1)ガラス素基板から、中央部に円孔を有する円板形状のガラス基板に加工する形状付与工程。
(工程2)ガラス基板の内周と外周の端面部分の面取りを行う面取り工程。
(工程3)ガラス基板の端面(内周端面及び外周端面)を研磨する端面研磨工程。
(工程4)ガラス基板の主表面を研磨する主表面研磨工程。
(工程5)ガラス基板を洗浄して乾燥する洗浄・乾燥工程。
ここで、(工程1)の形状付与工程は、フロート法、フュージョン法、プレス成形法、ダウンドロー法またはリドロー法で成形されたガラス素基板を、中央部に円孔を有する円板形状のガラス基板に加工するものである。なお、用いるガラス素基板は、アモルファスガラスでもよく、結晶化ガラスでもよく、ガラス基板の表層に強化層を有する強化ガラスでもよい。
(工程2)の面取り工程は、内周端面、及び外周端面の面取りを行うことができる。面取り工程を行うことで、図1を用いて説明したように、内周端面14に内周面取り部141、143を、外周端面13に外周面取り部131、133を形成できる。
(工程3)の端面研磨工程は、ガラス基板の端面(側面部と面取り部)を端面研磨することができる。
(工程4)の主表面研磨工程では、例えば両面研磨装置により、ドーナツ形状を有するガラス基板の主表面に研磨液が供給され、ドーナツ形状を有するガラス基板の上下主表面を同時に研磨できる。主表面研磨工程は、一次ポリッシュ(一次研磨)のみでもよく、一次ポリッシュ及び二次ポリッシュを行うものでもよく、二次ポリッシュの後に三次ポリッシュを行うものでもよい。
なお、(工程4)の主表面研磨工程では、上記主表面の一次研磨等を実施する前に主表面のラップ(例えば遊離砥粒ラップ、固定砥粒ラップ等)が実施されてもよい。この場合、一次ラップのみでもよく、二次ラップ等複数のラップ工程を実施することもできる。
また、各工程間にガラス基板の洗浄(工程間洗浄)やガラス基板表面のエッチング(工程間エッチング)を実施してもよい。ここで、主表面のラップとは、広義の主表面研磨である。
(工程5)の洗浄・乾燥工程は、研磨後のガラス基板を洗浄し、乾燥する工程である。具体的な洗浄方法は特に限定されるものではない。例えば、洗剤を用いたスクラブ洗浄、洗剤溶液に浸漬した状態での超音波洗浄、純水に浸漬した状態での超音波洗浄等により洗浄を行うことができる。また、乾燥方法についても特に限定されるものではなく、例えば、イソプロピルアルコール蒸気にて乾燥することができる。
さらに、上記各工程間にガラス基板の洗浄(工程間洗浄)やガラス基板表面のエッチング(工程間エッチング)を実施してもよい。また、ガラス基板に高い機械的強度が求められる場合、ガラス基板の表層に強化層を形成する強化工程(例えば、化学強化工程)を工程3、4で挙げた研磨工程前、または研磨工程後、あるいは研磨工程間で実施してもよい。
ここまで説明した工程1〜5は記載した順番に行う必要はなく、例えば、形状付与工程の前に主表面研磨工程を行ってもよい。また、各工程は1回ずつに限定されるものではなく、要求されるガラス基板の仕様等に応じて任意の回数実施することができる。例えば、形状付与工程後に主表面研磨工程を行い、その後に面取り工程と端面研磨工程を行った後、再度主表面研磨工程を実施することもできる。
ただし、本実施形態のガラス基板については、既述のように外周側面部の微小クラックの存在頻度が低いことが好ましい。そして、外周側面部に含まれる微小クラックの発生原因としては主に以下の2つの場合が考えられる。
(原因1)工程2の面取り工程においては、外周面取り部だけではなく、外周側面部も研削することになるが、この際外周側面部に微小クラックが発生し、工程3の端面研磨工程で十分に除去できなかった場合。
(原因2)工程4の主表面研磨工程においては、キャリアに形成された円状の孔に、主表面研磨工程に供するガラス基板を挿入、保持し、両面研磨装置によりガラス基板の主表面を研磨できるが、研磨の際に、該キャリアの孔に保持されたガラス基板も回転している。この際にキャリアとガラス基板との擦れにより疵が発生する場合。
そこで、原因1に対応するためには、予備試験等を行い、端面研磨工程における研磨量を調整し、微小クラックをより確実に除去できるように構成しておくことが好ましい。
また、原因2に対応するためには、主表面研磨工程で用いるキャリアを、ガラス基板に微小クラックを発生させにくい材料を用いたキャリアとする方法や、主表面研磨工程の後に、工程3の端面研磨工程を実施する方法等が挙げられる。
通常、主表面研磨工程でガラス基板を保持するキャリアの材料としては、ステンレス、スチール、ガラス繊維含有エポキシ樹脂等が用いられるが、これらは硬度が高いか、硬度が高い物質を含有している。このため、主表面研磨中に、キャリアとガラスの外周側面部とが擦れることにより、外周側面部に微小クラックを発生させる恐れがある。
これに対して、主表面研磨工程で用いるキャリアの、少なくともガラス基板と接触する部分の材料として、アラミド繊維含有エポキシ樹脂、カーボン、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート、ベークライト、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂から選択された1種類以上を用いた場合、微小クラックの発生を抑制できる。このため、係るキャリアを用いることで、原因2による微小クラックの発生を抑制できる。なお、主表面研磨工程を複数回実施する場合、少なくとも最後に行う主表面研磨工程において、上述の少なくともガラス基板と接触する部分に所定の材料を用いたキャリアを用いることで、原因2による微小クラックの発生を抑制できる。
主表面研磨工程で用いるキャリアの、少なくともガラス基板と接触する部分の材料としては、より軟質な樹脂である、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート、ベークライト、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂から選択された1種類以上の材料を用いることがさらに望ましい。
なお、キャリア全体を、上述の材料群から選択された1種類以上から構成することもできる。また、キャリアの強度を保ちながらガラス基板の外周側面部に微小クラックを発生させないため、本体はステンレス等の高強度な材料を用い、ガラス基板の保持孔のガラス基板と接する部分に上述の材料群から選択された1種類以上の材料を用いたキャリアを使用することもできる。
ステンレス等の高強度の材料で形成された本体と、上述の材料群から選択される材料で形成されたガラス基板を保持する孔部分とを組み合わせたキャリアの製造方法は特に限定されるものではない。例えばキャリアに設けたガラス基板を保持する孔の表面を樹脂でコーティングする方法や、ガラス基板を保持する孔部分を樹脂で作製し、キャリア本体と結合させる方法等が挙げられる。
なお、原因2に対応するため、主表面研磨工程の後に、工程3の端面研磨工程を実施する場合には、予め主表面研磨工程で生じる微小クラックの最大深さを測定しておき、該微小クラックを除去できるように、端面研磨工程の条件を選択することが好ましい。
以上に説明した各工程を含むガラス基板の製造方法により、既述のガラス基板を製造することができる。
そして、上記各工程を含む製造方法により得られたガラス基板は主表面上に磁性層などの薄膜を形成する工程をさらに行うことによって、磁気記録媒体とすることができる。
[磁気記録媒体]
次に、本実施形態の磁気記録媒体の一構成例について説明する。
本実施形態の磁気記録媒体は、既述の磁気記録媒体用ガラス基板を含むことができる。
本実施形態の磁気記録媒体は、既述の磁気記録媒体用ガラス基板を含むものであれば、その記録方式等は特に限定されるものではなく、例えば既述のエネルギーアシスト磁気記録媒体等、各種磁気記録媒体とすることができる。ここでは、エネルギーアシスト磁気記録媒体を例に説明する。
本実施形態の磁気記録媒体は、その構成については限定されないが、例えば、磁気記録媒体用ガラス基板の表面に密着層、下地層、シード層、磁気記録層、保護層等を有することができ、これらの層は、例えばガラス基板上に上述の順に積層することができる。また、上述の層に替えて、または上述の層に加えて任意の層を設けることもできる。
各層の構成例について以下に説明する。
密着層は、密着層上に形成される層と、密着層下に形成される層との密着層を高めるために設けることができる。密着層を形成する材料としては、例えばNi、W、Ta、Cr、Ruから選択される1種類以上の金属を含むことができ、係る金属群から選択された金属を含む合金を含むこともできる。
密着層は一層から構成することもできるが、二層以上の積層構造とすることもできる。
また、軟磁性裏打ち層を、例えばガラス基板と磁気記録層との間に任意に設けることもできる。
軟磁性裏打ち層は、磁気ヘッドからの磁束を制御して、磁気記録媒体の記録・再生特性を向上させることができる。軟磁性裏打ち層を形成する材料は特に限定されないが、例えばNiFe合金、センダスト(FeSiAl)合金、CoFe合金等の結晶質材料や、FeTaC、CoFeNi、CoNiP等の微結晶質材料、CoZrNb、CoTaZr等のCo合金を含む非晶質材料を好ましく用いることができる。
軟磁性裏打ち層の膜厚は、特に限定されないが、例えば磁気記録に用いる磁気ヘッドの構造および特性等に応じて選択することができる。他の層と連続成膜で軟磁性裏打ち層を成膜する場合、軟磁性裏打ち層は10nm以上500nm以下の膜厚を有することが好ましい。
また、ヒートシンク層を、任意に設けることもできる。ヒートシンク層は、エネルギーアシス卜磁気記録時に発生する磁気記録層の余分な熱を効果的に吸収することができる。ヒートシンク層は、熱伝導率および比熱容量が高い材料を用いて形成することが好ましい。具体的は例えばCu単体、Ag単体、Au単体等や、または係る金属群から選択された1種類以上の金属を主成分として含む合金材料を用いることができる。
ここで、主成分として含むとは、材料中の上記金属の含有割合が50wt%以上であることを示している。
ヒートシンク層は、強度などの観点から、Al−Si合金や、Cu−B合金などを用いて形成することもできる。
また、センダスト(FeSiAl)合金、軟磁性のCoFe合金等を用いてヒートシンク層を形成し、ヒートシンク層に軟磁性裏打ち層の機能であるヘッドの発生する垂直方向磁界を磁気記録層に集中させる機能を付与することもできる。
ヒートシンク層の膜厚は特に限定されるものではなく、例えばエネルギーアシス卜磁気記録時の熱量および熱分布や、磁気記録媒体の層構成、各構成層の厚さ等に応じて選択することができる。ヒートシンク層の膜厚は例えば10nm以上100nm以下であることが好ましい。
ヒートシンク層の成膜方法は特に限定されるものではないが、例えばスバッタ法等を用いて形成できる。ヒートシンク層は、例えばガラス基板と磁気記録層との間に設けることができ、磁気記録媒体に求められる特性を考慮して、ガラス基板と密着層との間や、密着層と下地層との間等に設けることができる。
次に、下地層について説明する。
下地層は、その下に形成される層の結晶構造が磁気記録層の結晶配向性、および磁性結晶粒のサイズなどに及ぼす影響を遮断するために設けられる層である。
なお、上述のように軟磁性裏打ち層を設ける場合、軟磁性裏打ち層に対する磁気的影響を抑制するために、下地層は非磁性であることが要求される。
下地層を形成するための材料としては、例えばMgO、SrTiOなどの酸化物、TiNなどの窒化物、CrおよびTaなどの金属、NiW合金、およびCrTi、CrZr、CrTa、CrWなどのCr系合金等を挙げることができる。
下地層の成膜方法は特に限定されないが、例えばスパッタリング法等の成膜方法を用いることができる。
次にシード層について説明する。
シード層は、下地層と磁気記録層との間の密着性を確保すると同時に、シード層と接触する磁気記録層中の磁性層の磁性結晶粒の粒径、および結晶配向を制御するための層である。具体的には、シード層は、その上に形成される磁性層中で、L1型規則合金を含む磁性結晶粒と、Tiを含む非磁性結晶粒界との分離を促進して、当該磁性層を含む磁気記録層の保磁力Hcを増大させることができる。
シード層は、例えばPtを含むことができ、特にPtから構成されることが好ましい。
シード層の成膜方法は特に限定されないが、スバッタ法や、真空蒸着法等の成膜方法を用いることができる。なお、スパッタリング法としては、例えばRFマグネトロンスパッタリング法等を含む。
シード層を成膜する際の条件は特に限定されないが、例えばガラス基板を含む、シード層を成膜する基材を250℃以上700℃以下の温度に加熱した状態で、成膜を行うことが好ましい。
シード層の膜厚は特に限定されるものではないが、例えば0.1nm以上であることが好ましく、0.5nm以上50nm以下であることがより好ましく、1nm以上20nm以下であることがさらに好ましい。
磁気記録層は、一層の磁性層または複数の磁性層を含むことができる。以下、シード層と接触する磁性層を第1磁性層と呼ぶ。
磁性層は、例えばFe、PtおよびTiを含むことができる。第1磁性層は、具体的には例えば、FeおよびPtを含むL1型規則合金を有する磁性結晶粒と、Tiを含む非磁性結晶粒界とからなるグラニュラー構造を有することができる。
磁性結晶粒を構成するL1型規則合金は、磁性結晶粒の特性変調を目的として、Ni、Mn、Ag、AuおよびCrからなる群から選択される少なくとも1種の元素をさらに含むこともできる。望ましい特性変調は、L1型規則合金の規則化に必要な温度の低減を含む。
磁性結晶粒は全ての原子が規則構造を有していなくてもよい。規則構造の程度を表わす規則度Sが所定の値以上であれば良い。規則度Sは、磁気記録媒体をXRDにより測定し、測定値と完全に規則化した際の理論値との比により算出することができる。L1型規則合金の場合は、規則合金由来の(001)および(002) ピークの積分強度を用いて算出する。測定された(001)ピーク積分強度に対する(002)ピーク積分強度の比の値を、完全に規則化した際に理論的に算出される(001)ピーク積分強度に対する(002)ピーク積分強度の比で除算することで規則度Sを得ることができる。このようにして得られた規則度Sが0.5以上であれば、磁気記録媒体として実用的な磁気異方性係数Kuを有する。
非磁性結晶粒界は、Tiを含むことができ、Tiで構成されることがより好ましい。第1磁性層は、該第1磁性層の全原子数を基準として、4at%以上12at%以下のTiを含むことが好ましく、5at%以上10at%以下のTiを含むことがより好ましい。
非磁性結晶粒界が上記範囲のTiを含むことによって、磁性結晶粒と非磁性結晶粒界との分離を促進して、当該磁性層の保磁力Hcを急激に増大させることができる。
磁気記録層は、第1磁性層に加えて、第2磁性層をさらに有することもできる。第2磁性層を有することで磁気記録媒体の性能をさらに向上させることができる。
第2磁性層の構成は特に限定されないが、第2磁性層は例えば第1磁性層とは異なるキュリー温度Tcを有し、Tc制御を目的として設けることができる。第1磁性層と第2磁性層との両者をあわせた記録温度を設定することで、記録時に必要とされる磁気記録媒体全体としての反転磁界を低減することができる。
例えば、第2磁性層として、第1磁性層のキュリー温度Tcよりもキュリー温度Tcの低い磁性層を形成する。そして、記録温度を両磁性層のキュリー温度の中間に設定すれば、記録時に第2磁性層の磁化は消失し、記録を反転させるために必要な磁界を低減させることができる。このようにして磁気記録ヘッドに要請される記録時の発生磁界を低減して良好な磁気記録性能を発揮することができる。
第2磁性層についてもグラニュラ―構造を有することが好ましく、第1磁性層と、第2磁性層とは磁性結晶粒が水平方向、すなわちガラス基板表面と平行な方向について、同じ位置となるように配置することが好ましい。これは係る配置とすることで、信号対雑音比(SNR)等の性能を向上することができるからである。
第2磁性層を構成する材料は特に限定されないが、例えば磁性結晶粒は少なくともCoおよびFeのうちのいずれかを含有する材料であることが好ましい。特に磁性結晶粒は、さらにPt、Pd、Ni、Mn、Cr、Cu、Ag、Auから選択される1種類以上を含有することが好ましい。
第2の磁性層の磁性結晶粒の材料としては例えば、CoCr系合金、CoCrPt系合金、FePt系合金、FePd系合金等を用いることができる。磁性結晶粒は、L1型、L1型、L1型などの規則構造や、hcp構造(六方最密充填構造)、fcc構造(面心立方構造)などであってもよい。
第2磁性層を構成する非磁性結晶粒の材料としては、例えばZnO、SiO、TiOなどの酸化物、SiN、TiNなどの窒化物、C、B等を用いることができる。
なお、第2磁性層として、第1磁性層と同様の材料を用いて、異なる組成とした層を用いてもよい。第2磁性層は、例えば、第1磁性層中のTiの比率を変更した層、規則合金に添加するNiなどの元素を変更した層などであってもよい。
磁気記録層は、その他に例えば、第1磁性層と第2磁性層との間の磁気的な交換結合を調整するために、第1磁性層と第2磁性層との間に交換結合制御層を配置することもできる。
磁気記録層の上面には保護層を設けることができ、保護層は、磁気記録媒体の分野で慣用的に使用されている材料を用いて形成することができる。具体的には、Ptなどの非磁性金属、ダイアモンドライクカーボンなどのカーボン系材料、あるいは窒化シリコンなどのシリコン系材料を用いて、保護層を形成することができる。保護層は、単層であってもよく、積層構造を有してもよい。積層構造の保護層は、例えば、特性の異なる2種のカーボン系材料の積層構造、金属とカーボン系材料との積層構造、または金属酸化物膜とカーボン系材料との積層構造であってもよい。
保護層は、スバッタ法(DCマグネトロンスパッタリング法などを含む)、真空蒸着法などの任意の方法を用いて形成することができる。
また、保護層上にはさらに液体潤滑剤層等を設けることもできる。液体潤滑剤層は、例えばパーフルオロポリエーテル系の潤滑剤等を用いて形成することができる。液体潤滑剤層は、たとえば、ディップコート法、スピンコート法などの塗布法を用いて形成できる。
なお、本実施形態では、磁気記録媒体の一構成例として、エネルギーアシスト磁気記録媒体について説明したが、エネルギーアシスト磁気記録媒体とする場合でも上記の形態に限定されるものではない。例えば必要に応じて各種層をさらに設ける等することもできる。
以上に説明した本実施形態の磁気記録媒体は、既述の磁気記録媒体用ガラス基板を含んでいる。すなわち、急激な温度変化が加えられた場合に熱割れが生じることを抑制した磁気記録媒体用ガラス基板を含んでいる。このため、磁性層を成膜する際等に、ガラス基板に熱割れが生じることを抑制し、生産性良く本実施形態の磁気記録媒体を製造することができる。
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、以下の実験例における、磁気記録媒体用ガラス基板の評価方法について説明する。
(1)外周側面部、エッチング後外周側面部の算術平均粗さRa、エッチング後外周側面部の最大高さ粗さRz
外周側面部、及びエッチング後外周側面部の算術平均粗さRa、及びエッチング後外周側面部の最大高さ粗さRzは、キーエンスのレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製 Violet Laser color 3D、VK−9710、Laser Scanning Microscope)を使用して外周側面部を観察し、観察結果を用いて算出した。
外周側面部、エッチング後外周側面部の観察は、50倍の対物レンズを使用し、測定領域を200μm×200μmとし、測定領域の中心がガラス基板の厚み方向の中心になるように配置し、測定を行った。
なお、算術平均粗さRa、最大高さ粗さRzの解析、算出は、同レーザー顕微鏡のソフトVK analyzer(Ver.1.1.0.0)を使用して行った。
解析に当たって、ガラス基板の外周側面部、及びエッチング後外周側面部は曲面であるため、まずX・Y方向に自動二次曲面補正を使用して曲面の傾き補正を行った。その後、カットオフλsを0.25μm λcを80μmとして、算術平均粗さRaおよび最大高さ粗さRzを算出した。
外周側面部のエッチングは、エッチング液としてフッ化水素酸と塩酸との混合水溶液を用い、該エッチング液に評価を行うガラス基板を浸漬することで行った。
エッチング液に用いたフッ化水素酸の濃度は1.0wt%、塩酸の濃度は18wt%とした。
上述のように、ガラス基板全体をエッチング液に浸漬したことから、外周側面部をエッチングにより5μm除去する場合、エッチング後のディスク外径がエッチング前に比べ10μm減少することになる。
そして、エッチングの速度は各実験例で用いたガラス基板のガラス材料によって異なるため、エッチング量5μmとなるように、予備試験を行い、エッチング時間を調整した。なお、上述のようにエッチングを行う際は、ガラス基板をエッチング液に浸漬していることから、予備試験によりエッチング時間を調整する際のエッチングによる除去量は、エッチング前後のガラス基板の外径の変化から算出している。
上述のようにガラス基板のガラス材料によりエッチング時間は異なったが、エッチング時間は1分以上20分以下の範囲内であった。
なお、ここで、エッチングの前後での外周側面部表面の状態の変化を図3、図4を用いて説明する。図3は後述する実験例1の、図4は後述する実験例10のガラス基板の外周側面部をエッチングした前後での表面の状態を上述のレーザー顕微鏡により拡大して観察した際の写真を示している。いずれも(A)がエッチング前、(B)がエッチング後となる。図3(A)、図4(A)と、図3(B)、図4(B)とをそれぞれ比較すると明らかなように、エッチングの前では確認できなかった微小クラックの開口部(ピット)31、32が、エッチングにより大きくなり明確になっていることを確認できる。
(2)熱割れ試験
各実験例で作製したガラス基板について、急激な温度変化を加えて熱割れの発生率について評価を行った。
各実験例において作製したガラス基板について、電気炉で230℃まで加熱後、冷却することなく電気炉から取り出した。そして、予め水温が20℃、深さ10mmとなるように水を張った水槽内の水に、ガラス基板をガラス基板の主表面に対し平行の方向に移動させ、すなわち水面とガラス基板の主表面とが垂直になるように保ちながら投入した。
水に投入した際に、ガラス基板に外周部分から5mm以上の長さの割れ、またはクラックが発生した場合に熱割れが発生したと判定した。
各実験例について、100枚のガラス基板を同様にして試験し、試験に供した100枚のガラス基板中、熱割れが発生したと判断されたガラス基板の割合を熱割れ率とした。
熱割れ試験では、上述のようにガラス基板を、230℃まで加熱後、3秒以内に水温が20℃の水に投入している。このため、ガラス基板にはおよそ70℃/秒の急激な温度変化が加えられていることになる。エネルギーアシスト磁気記録媒体を製造する工程においても、温度変化は、例えば65℃/秒以下程度である。このため、上述のように70℃/秒の温度変化を加えた際の熱割れ率が十分に低いガラス基板であれば、エネルギーアシスト磁気記録媒体用ガラス基板のように急激な温度変化を加えられる用途においても好適に使用できることを示している。
なお、熱割れ試験に使用したガラス基板と、エッチング後外周側面部の算術平均粗さRaおよび最大高さ粗さRzの評価に用いたガラス基板とは、各実験例で同条件で作製したものを用いているが、同一のものではない。これは、エッチング後外周側面部の算術平均粗さRaおよび最大高さ粗さRzの測定のためのエッチングを行うと、外周側面部の微小クラックの先端の幅Rが大きくなり、熱応力によるクラックの進展が起こらず、割れは発生しないためである。すなわち、熱割れ試験においては、エッチングを行っていないガラス基板を使用している。
次に、各実験例における磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法について説明する。なお、実験例1〜実験例3、実験例5、実験例6、実験例10〜実験例16、実験例19、実験例21が実施例となり、実験例7、実験例8、実験例17、実験例18、実験例20、実験例22が比較例となる。実験例4、実験例9は参考例となる。
[実験例1]
以下の順に各工程を実施して、磁気記録媒体用ガラス基板の作製を行った。
(形状付与工程)
外径65mm、内径20mm、板厚0.8mmの磁気記録媒体用ガラス基板が得られるように、表1のガラスAからなるガラス素基板を、中央部に円孔を有するドーナツ形状を有するガラス基板に加工した。
なお、内径とは、中央開口部の直径を意味している。
(面取り工程)
形状付与工程で得られたガラス基板の内周端面と外周端面とに、それぞれ内周面取り部、及び外周面取り部を形成した。この際、各面取り部について、面取り幅0.15mm、面取り角度45°のガラス基板が得られるように面取り加工を行った。
面取り加工では、ダイヤモンドホイールを具備する研削機を用い、界面活性剤を含有する研削液を研削点に供給しながら内周端面、及び外周端面を同時に研削し、内周面取り部、及び外周面取り部を形成した。
なお、実験例1、2では電着タイプのダイヤモンド♯500で研削後、表面50μmをレジンボンドタイプのダイヤモンド♯600を使用して仕上げ研削を行った。
また、後述する実験例3〜22は電着タイプのダイヤモンド♯500のみを使用して研削を行った。
(主表面研磨工程:一次ラップ工程)
研磨具として平均粒径9μmのダイヤモンド粒子を含有する固定砥粒工具と、界面活性剤を含有する研削液とを用いて、両面研磨装置 (浜井産業社製、製品名:16BF)によりガラス基板の上下の主表面を研削した。両面研磨装置内でガラス基板を保持するキャリアとしては、ガラス繊維含有エポキシ樹脂からなるキャリアを使用した。
主表面研磨工程(一次ラップ工程)終了後、ガラス基板を洗浄し、研削液その他の汚れを除去した。
なお、平均粒径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における体積基準積算値50%での粒径を意味する。なお、本明細書の他の部分でも、平均粒径は同様の意味を有する。
(端面研磨工程)
主表面研磨工程(一次ラップ工程)までを同様の条件で実施したガラス基板を積層した。そして、研磨具としてナイロン製のブラシを用い、平均粒径1μmの酸化セリウム研磨剤を供給しながら、積層されたガラス基板の内周端面、及び外周端面に対し、回転するブラシを押しつけることで内周端面、及び外周端面の研磨を行った。
この際の外周研磨の研磨量は50μmとし、内周研磨の研磨量は25μmとした。内外周研磨における研磨量とは基板外径もしくは内径の変化量を示す。すなわち、片側の取り代はこの半分となる。たとえば研磨量10μmとした場合には、片側は5μm研磨されたこととなる。
(主表面研磨工程:二次ラップ工程)
研磨具として平均粒径4μmのダイヤモンド粒子を含有する固定砥粒工具と、界面活性剤を含有する研削液とを用いて、両面研磨装置 (浜井産業社製、製品名:16BF)によりガラス基板の上下の主表面を研削した。
両面研磨装置内でガラス基板を保持するキャリアとしては、ガラス繊維含有エポキシ樹脂からなるキャリアを使用した。
主表面研磨工程(二次ラップ工程)終了後、ガラス基板を洗浄し、研削液その他の汚れを除去した。
(主表面研磨工程:一次ポリッシュ工程)
研磨具として、スウェードタイプのポリウレタン製研磨パッドと、平均粒径1μmの酸化セリウムを含有する研削液とを用いて、両面研磨装置 (浜井産業社製、製品名:16BF)によりガラス基板の上下の主表面をポリッシュした。
主表面研磨工程(一次ポリッシュ工程)では研磨による除去量は25μmとした。研磨時間はたとえば50分間である。主表面研磨における研磨量とは基板厚さの変化量を示す。すなわち、片側の取り代はこの半分となる。たとえば研磨量10μmとした場合には、片側は5μm研磨されたこととなる。
両面研磨装置内でガラス基板を保持するキャリアとしては、ガラス繊維含有エポキシ樹脂からなるキャリアを使用した。
主表面研磨工程(一次ポリッシュ工程)終了後、ガラス基板を洗浄し、研削液その他の汚れを除去した。
(主表面研磨工程:二次ポリッシュ工程)
研磨具として、スウェードタイプのポリウレタン製研磨パッドと、平均粒径が20nm以下のコロイダルシリカを含有する研削液とを用いて、両面研磨装置(浜井産業社製、製品名:16BF)によりガラス基板の上下の主表面をポリッシュした。
主表面研磨工程(二次ポリッシュ工程)では研磨による除去量は1μmとした。研磨時間はたとえば30分間である。
両面研磨装置内でガラス基板を保持するキャリアとしては、アラミド繊維含有エポキシ樹脂からなるキャリアを使用した。
主表面研磨工程(二次ポリッシュ工程)終了後、ガラス基板を洗浄し、研削液その他の汚れを除去した。
(洗浄・乾燥工程)
主表面研磨工程(二次ポリッシュ工程)を行ったガラス基板は、スクラブ洗浄、洗剤溶液に浸漬した状態での超音波洗浄、純水に浸漬した状態での超音波洗浄、を順次行い(精密洗浄)、イソプロピルアルコール蒸気にて乾燥を行った。
以上の手順により得られた磁気記録媒体用ガラス基板について、上述の外周側面部の算術平均粗さRa、エッチング後外周側面部の算術平均粗さRa、及びエッチング後外周側面部の最大高さ粗さRzの評価、及び熱割れ試験を実施した。評価結果を表2に示す。
[実験例2]
端面研磨工程における外周研磨の研磨量を11μmとした点以外は、実験例1と同様にしてガラス基板の製造、及び評価を行った。評価結果を表2に示す。
[実験例3〜実験例6]
以下の点以外は実験例1と同様にして、ガラス基板の製造、及び評価を行った。
(変更点1)
主表面研磨工程(一次ラップ工程)から、主表面研磨工程(二次ポリッシュ工程)までの工程の順番を以下の順に変更した。
実験例3〜実験例6では主表面研磨工程(一次ラップ工程)の後、主表面研磨工程(二次ラップ工程)、主表面研磨工程(一次ポリッシュ工程)、端面研磨工程、主表面研磨工程(二次ポリッシュ工程)の順に実施した。
(変更点2)
主表面研磨工程(一次ラップ工程)、主表面研磨工程(二次ラップ工程)、主表面研磨工程(一次ポリッシュ工程)、及び主表面研磨工程(二次ポリッシュ工程)で用いたキャリアの材料を変更した。
具体的には、実験例3ではステンレス製のキャリアを用いた。また、実験例4ではガラス繊維含有エポキシ樹脂製のキャリアを、実験例5ではアラミド繊維含有エポキシ樹脂製のキャリアを、実験例6ではポリ塩化ビニル樹脂製のキャリアを用いた。
なお、各主表面研磨工程で用いたキャリアの材料が異なる点を除いては、各工程での条件は実験例1の場合と同様にしている。
評価結果を表2に示す。
[実験例7〜実験例15]
以下の点以外は実験例1と同様にして、ガラス基板の製造、及び評価を行った。
(変更点1)
主表面研磨工程(一次ラップ工程)から、主表面研磨工程(二次ポリッシュ工程)までの工程の順番を以下の順に変更した。
主表面研磨工程(一次ラップ工程)の後、主表面研磨工程(二次ラップ工程)、主表面研磨工程(一次ポリッシュ工程)、主表面研磨工程(二次ポリッシュ工程)、端面研磨工程の順に実施した。なお、実験例7では端面研磨工程を実施していない。
(変更点2)
端面研磨工程の条件を以下のように変更した。
実験例7については、端面研磨工程を実施しなかった。実験例8〜実験例15での端面研磨工程における外周研磨の研磨量は、それぞれ5μm(実験例8)、8μm(実験例9)、11μm(実験例10)、16μm(実験例11)、21μm(実験例12)、27μm(実験例13)、32μm(実験例14)、38μm(実験例15)とした。
(変更点3)
主表面研磨工程(一次ラップ工程)、主表面研磨工程(二次ラップ工程)、主表面研磨工程(一次ポリッシュ工程)、及び主表面研磨工程(二次ポリッシュ工程)で用いたキャリアの材料を変更した。
実験例7では、ガラス繊維含有エポキシ樹脂製のキャリアを、実験例8〜15ではアラミド繊維含有エポキシ樹脂製のキャリアをそれぞれ用いた。
なお、上述の点を除いては、各工程での条件は実験例1の場合と同様にしている。
評価結果を表2に示す。
[実験例16]
本実験例では、主表面研磨工程(一次ポリッシュ工程)の後、主表面研磨工程(二次ポリッシュ工程を実施する前にガラス基板の化学強化処理を行う化学強化工程を実施した点以外は、実験例1と同様にしてガラス基板の製造、及び評価を行った。評価結果を表2に示す。
なお、化学強化は、硝酸カリウム60重量%・硝酸ナトリウム40重量%の割合で含有する400℃の溶解塩に主表面研磨工程(一次ポリッシュ工程)を終えたガラス基板を浸漬することで実施した。
なお、溶解塩にガラス基板を浸漬する前にはガラス基板を350℃に30分間予熱するプロセスを設けた。また、溶解塩にガラス基板を浸漬した後にはガラス基板を350℃で10分間放置して溶解塩を流し落すプロセスを実施した後、徐冷した。
化学強化工程は、外周側面部における圧縮応力の深さDOLが、10μmとなるように実施した。
[実験例17、実験例18]
本実験例では、端面研磨工程における外周研磨の研磨量を5μmとした点、化学強化工程において、外周側面部における圧縮応力の深さDOLが、実験例17は10μm、実験例18は17μmとなるように化学強化を実施した点以外は、実験例16と同様にしてガラス基板の製造、及び評価を行った。
評価結果を表2に示す。
[実験例19、実験例21]
形状付与工程に供するガラス基板として、表1のガラスB(実験例19)、ガラスC(実験例21)からなるガラス素基板を用いた点以外は、実験例1と同様にしてガラス基板の製造、及び評価を行った。評価結果を表2に示す。
[実験例20、実験例22]
形状付与工程に供するガラス基板として、表1のガラスB(実験例20)、またはガラスC(実験例22)からなるガラス素基板を用いた点以外は、実験例8と同様にしてガラス基板の製造、及び評価を行った。評価結果を表2に示す。
なお、表3に各実験例におけるガラス基板を製造する際の工程の順番を示す。ここまで説明したのと同様に、各実験例について、表3中工程1から工程9まで、その順に実施している。
表2に示した結果によると、外周側面部の算術平均粗さRaが0.1μm以下であり、外周側面部について、表面から5μmをエッチングした後のエッチング後外周側面部の算術平均粗さRaが0.5μm以下である実験例1〜実験例6、実験例9〜実験例16、実験例19、実験例21のガラス基板については、熱割れ率が20%以下となっていることを確認できた。これは、エッチング後外周側面部の算術平均粗さRaが0.5μm以下のガラス基板については、外周側面部の微小クラックの存在頻度が十分に低いため、急激な温度変化を加えられた場合でも、熱割れを抑制できたためと考えられる。
これに対して、外周側面部の算術平均粗さRaが0.1μmより大きく、外周側面部について、表面から5μmをエッチングした後のエッチング後外周側面部の算術平均粗さRaが0.5μmより大きい、実験例7、8、20のガラス基板については熱割れ率が20%を超えていることを確認できた。
これは、実験例7、8、20のガラス基板については、外周側面部における微小なクラックの存在頻度が高く、急激な温度変化が加えられた場合に微小クラックに応力が集中し、熱割れが生じたためと考えられる。
実施例18のように化学強化深さDOLが15μm以上の場合には、エッチング後の外周側面部の算術平均粗さRaが0.5μmより大きくても、熱割れ率は低い。しかしながら、前述のようにエネルギーアシスト磁気記録媒体用ガラス基板のDOLは15μm以下であることが好ましい。DOLが10μmである実施例17は同等の算術平均粗さRaである実施例8に比較すると、熱割れ率は低減するが、算術平均粗さRaが0.5μmより低い実施例16ではより有効に熱割れ率を低減することができる。すなわち化学強化を行っているガラス基板においても算術平均粗さRaを0.5μm以下とすることは熱割れ率低減に有効である。
実施例22は低熱膨張率の硝材を使用しているために同等の算術平均粗さRaである実施例8よりも熱割れの発生率が低いが、同じ硝材で算術平均粗さRaが低い実施例21は更に熱割れ率が低い。すなわち低熱膨張率の硝材を使用する場合においても算術平均粗さRaを0.5μm以下とすることは熱割れ率低減に有効である。
また、実験例1〜実験例4を比較すると、エッチング前の外周側面部の算術平均粗さRaはほとんど差がないが、エッチング後の外周側面部の算術平均粗さRaには明らかな差があり、それに応じて熱割れ率が変化していることを確認できる。ここから、エッチングを行うことによりはじめて、熱割れへの影響を評価できることが分かる。
さらに、実施例2と実験例9とを比較すると、エッチング後の外周側面部の算術平均粗さRaは同等であるが、エッチング後の外周側面部の最大高さ粗さRzが異なる。そして、熱割れの発生率もそれに従って変化していることが確認できる。
以上の結果から、熱割れ率には、エッチング後の外周側面部の算術平均粗さRaを0.5μm以下とすることが重要であるが、エッチング後の外周側面部の最大高さ粗さRzを10μm以下とすることも重要であることを確認できた。
ここで参考として、実験例の一部について、表面状態を表現する手法として用いられる負荷率50%であるときの粗さ百分率を表4に記載する。表4には表3でも示した熱割れ率を併せて示す。
負荷率50%であるときの粗さ百分率について、簡単に説明する。
被測定物の表面近傍領域の表面形状の測定結果において、被測定物表面の巨視的形状を作る面に平行な平面で、被測定物の表面近傍領域を切断するとする。
この場合に、当該表面近傍領域の最大に突出した最大突出部分に接する面で切断する高さのレベルを最高高さ0%とし、当該表面近傍領域において、最も深く凹んだ最深谷部に接する面で切断する高さのレベルを最低高さ100%とする。最高高さと、最低高さとの間の切断高さのレベルをパーセントで表したのが粗さ百分率となる。
そして、負荷率とは、特定の粗さ百分率レベルで切断した場合における、被測定試料の切断面上に存在する領域の面積を、粗さ百分率100%で切断した場合における被測定試料の切断面上に存在する領域の面積で割ったものである。
このため、負荷率50%であるときの粗さ百分率とは、負荷率が50%となる、切断高さのレベルを示したものといえる。すなわち、表4に記載した結果は、算術平均粗さRaの測定時と同様、5μmのエッチングを行ったガラス基板端面部を200μm×200μmの測定領域で測定し、測定領域全体に対する測定物の存在する領域の面積の割合が50%であるときの、粗さ百分率を示したものである。
表4の結果からも明らかなように、熱割れ率と、負荷率50%であるときの粗さ百分率との間には相関が見られず、割れ発生率を低減する際の指標としては適当ではないことが確認できる。
10 磁気記録媒体用ガラス基板
121、122 主表面
13 外周端面
131、133 外周面取り部
132 外周側面部
14 内周端面
141、143 内周面取り部
142 内周側面部

Claims (6)

  1. ドーナツ形状を有し、一対の主表面と、外周端面と、内周端面と、を有する磁気記録媒体用ガラス基板であって、前記外周端面は外周側面部と一対の外周面取り部とを有し、
    前記外周側面部の算術平均粗さRaが0.1μm以下であり、
    前記外周側面部について、表面から5μmをエッチングした後のエッチング後外周側面部の算術平均粗さRaが0.5μm以下であり、最大高さ粗さRzが10μm以下である磁気記録媒体用ガラス基板。
  2. 50℃以上350℃以下の温度域における熱膨張係数が70x10−7/℃以下であり、
    ガラス転移点Tgが650℃以上であるガラス材料からなる請求項1に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
  3. 50℃以上350℃以下の温度域における熱膨張係数が55x10−7/℃以下であるガラス材料からなる請求項1または2に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
  4. 少なくともガラス基板の外周側面部において、化学強化処理による圧縮応力の深さDOLが、1μm≦DOL≦15μmである請求項1乃至のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
  5. エネルギーアシスト磁気記録媒体用の磁気記録媒体用ガラス基板である、請求項1乃至のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板を含む磁気記録媒体。
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