JP2018092776A - 電池製造方法及び電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極の裁断不良による製造コスト増大を抑制する。【解決手段】箔状集電体上に活物質層を設けた電極前駆体を裁断して集電体タブを有する電極とする裁断工程と、電極を複数重ね、各電極のタブを一体化して電極複合体とする電極複合体形成工程を有し、裁断工程後かつ電極複合体形成工程前に、タブ周縁に外観不良のある不適合電極と外観不良のない適合電極2cを選別する工程と、不適合電極のタブを切り整え、切り整えられたタブの長さLBが適合電極におけるタブの長さLAに対してLB≧3/4LAを満たす不適合電極を準適合電極2sとして選別する整形工程を設け、電極複合体形成工程において、電極の重ね方向における一端rから中心cまでの一般領域gには適合電極2cのみを置き、中心cから電極の重ね方向における他端fまでの調整領域aには準適合電極2sを置き、重ねられた各電極タブを調整領域aに寄せ一般領域gに向け折曲げ一体化する。【選択図】図9

Description

本発明は、電池を製造するための方法及び当該方法で製造された電池に関する。
電池における電極として、箔状の集電体上に活物質層が形成されたものが知られている。活物質層は、一般に、正極活物質又は負極活物質から選ばれる活物質と、当該活物質を集電体に繋ぎ止めるための結着剤とを含有する。
一般的な電極は、集電体と当該集電体上に形成されている活物質層とで構成される一般部と、当該一般部から延びる集電体タブと、を有する。一般的な電池は複数の電極を有し、各々の電極は集電体タブによって電気的に接続される。
電極を製造する方法としては、集電体上に活物質層が形成された電極前駆体を、予め定めた形状に裁断する方法が一般的である。しかし、このような方法によって電極を製造する場合には、集電体タブの周縁において裁断不良が生じ易い。裁断不良が生じた集電体タブの裁断面は、バリと呼ばれる細かな亀裂や変形等が生じて、荒れた状態となる。このため裁断不良の生じた電極においては、集電体タブのバリに由来する金属粉が脱落するおそれがあった。
電極から脱落した金属粉が活物質層に混入すると、電極に短絡が生じる可能性がある。このため従来は、裁断不良の生じた電極は破棄するのが一般的であり、電極の破棄により電池の製造コストが高くなる問題があった。
特許文献1には、電極前駆体を裁断して電極とする場合において、電極における裁断面にバリが生じること、及び、当該バリの延びる方向を制御する為に電極前駆体に対する裁断用の刃の向きを変えて2度裁断を行うこと、が提案されている。しかしこの技術によってもバリの発生自体を抑制できる訳ではない。また特許文献1に提案されている技術は、電極の一辺を裁断するのに少なくとも2工程を必要とするため、効率的な製造方法とは言い難い。更に特許文献1に提案されている技術は2層の活物質層と集電体とで構成される電極の一般部を裁断形成する為の技術であり、ほぼ集電体のみで構成される薄い集電体タブには転用し難い。
このため、電極の裁断不良に起因する電池の製造コスト増大を抑制し得る技術が望まれていた。
特開2008−159539号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、電極の裁断不良に起因する電池の製造コスト増大を抑制し得る技術を提供することを目的とする。
本発明の電池製造方法は、
箔状の集電体上に活物質層が設けられた電極前駆体を裁断して集電体タブを有する電極とする裁断工程と、前記電極を複数重ね各前記電極における前記集電体タブを一体化して電極複合体とする電極複合体形成工程と、を有する電池製造方法であって、
前記裁断工程後かつ前記電極複合体形成工程前に、
前記集電体タブの周縁に外観不良のある不適合電極と前記周縁に外観不良のない適合電極とを選別する選別工程と、
前記不適合電極の前記集電体タブを切り整え、切り整えられた前記集電体タブの長さLが前記適合電極における前記集電体タブの長さLに対してL≧3/4Lを満たす不適合電極を、準適合電極として選別する整形工程と、を有し、
前記電極複合体形成工程において、
前記電極の重ね方向における一端から中心までの一般領域には前記適合電極のみを置き、前記中心から前記電極の重ね方向における他端までの調整領域には前記準適合電極を置き、
重ねられた各前記電極の前記集電体タブを、前記調整領域に寄せ前記一般領域に向けて折り曲げる、電池製造方法である。
本発明の電池製造方法によると、電極の裁断不良に起因する電池の製造コスト増大を抑制し得る。
実施例の電池を模式的に表す説明図である。 実施例の電池製造方法を模式的に表す説明図である。 実施例の電池製造方法を模式的に表す説明図である。 実施例の電池製造方法を模式的に表す説明図である。 実施例の電池製造方法を模式的に表す説明図である。 実施例の電池製造方法を模式的に表す説明図である。 実施例の電池製造方法を模式的に表す説明図である。 実施例の電池製造方法を模式的に表す説明図である。 実施例の電池製造方法を模式的に表す説明図である。 変形例の電池製造方法を模式的に表す説明図である。 従来の電池における電極複合体を模式的に表す説明図である。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
本発明の電池製造方法は、箔状の集電体上に活物質層が設けられた電極前駆体を裁断して集電体タブを有する電極とする裁断工程と、電極を複数重ね各電極における集電体タブを一体化して電極複合体とする電極複合体形成工程と、を有する電池製造方法である。本発明の電池製造方法においては、裁断工程後かつ電極複合体形成工程前に、選別工程及び整形工程を設けたこと、及び、電極複合体形成工程において独自の方法に基づいて電極を並べたこと、によって、上記した電極の裁断不良に起因する電池の製造コスト増大の抑制を図っている。
つまり、本発明の発明者は、工数の多い特殊な裁断工程を採用したり、裁断不良が生じた電極を廃棄したりすることに代えて、裁断不良の生じた電極を可能な範囲で再生し利用することで、上記の電池の製造コスト増大を抑制することを志向した。
裁断不良の生じた電極を再生するにあたり、先ず、その電極が裁断不良か否かを判断する必要がある。本発明の電池製造方法においては、裁断工程後に選別工程を設け、当該選別工程において、集電体タブの周縁に外観不良のある不適合電極と、当該周縁に外観不良のない適合電極と、を選別する。
適合電極についてはそのまま電池に使用できる。
不適合電極については、そのままでは電池に使用できないために、選別工程後の整形工程によって再生し、利用できるものを選別する。
すなわち、整形工程においては、不適合電極の集電体タブを再度切り整え、切り整えられた当該集電体タブのなかから、電池に使用できる形状の準適合電極を選別する。当該準適合電極の形状は、具体的には、適合電極の集電体タブの長さをLとし、不適合電極の集電体タブの長さをLとしたときに、L≧3/4Lなる関係を満たせば良い。
上記の方法で再生した準適合電極における集電体タブの長さLは、当然乍ら、裁断した分だけ適合電極における集電体タブの長さLよりも短い。したがって、単に準適合電極を適合電極に組み合わせるだけでは、準適合電極の集電体タブの長さが不足して、各電極の集電体タブを一体化できない問題が生じる。
本発明の電池製造方法においては、集電体タブの長さが上記関係を満たすものを準適合電極とし、当該準適合電極と適合電極とを特定の重ね方で重ね、かつ集電体タブを特定の方法で束ねることで、集電体タブの長さの短い準適合電極を適合電極と組み合わせて電池用の電極として使用することを実現した。
具体的には、本発明の電池製造方法の電極複合体形成工程においては、電極の重ね方向における一端から中心までの一般領域には適合電極のみを置き、中心から電極の重ね方向における他端までの調整領域には準適合電極を置き、重ねられた各電極の集電体タブを、調整領域に寄せ一般領域に向けて折り曲げる。
本発明の電池製造方法で製造される電池における電極複合体では、図11に示す従来の電極複合体101と同様に、多数の電極102、103が重ねられ、各電極102、103における集電体タブ122、123は、電極の重ね方向における中心cを境界とする一方の端部f側(調整領域aと呼ぶ)に寄せられ、かつ、他方の端部r側(一般領域gと呼ぶ)に向けて折り曲げられる。このような場合、一般領域gにある電極102、103の集電体タブ122、123には、調整領域aに向かう長さと、当該調整領域aから更に一般領域gに向けて折り返す長さと、の双方が必要となる。したがって、集電体タブ122、123を整形した電極102、103、すなわち集電体タブ122、123の長さの短い電極102、103を当該一般領域gに置くと、上記したように、集電体タブ122、123の長さが不足するために各電極102、103の集電体タブ122、123をうまく一体化できない問題が生じる。よって、従来は、集電体タブ122、123に裁断不良の生じた電極102、103は使用に適さないとされていた。
しかし本発明の発明者は、更に考えを深化させ、このような電極複合体において調整領域にある電極の集電体タブには調整領域から一般領域に向けて折り曲げる長さだけがあれば良いこと、つまり、調整領域に置かれる電極は一般領域に置かれる電極に比べて集電体タブの長さが短くても良いことを見出した。そしてこの考えに基づけば、整形した集電体タブを再利用できることに到達した。
また、集電体タブの長さが極端に短い電極は、如何に上記の並べ方をしたとしても電池用電極としての使用に耐えない。したがって本発明の電池製造方法においては、集電体タブの長さLがL≧3/4Lなる条件を満たすものについてのみ、準適合電極として使用することとした。集電体タブの長さLがこの条件を満たす準適合電極は、集電体タブの長さが充分であると言え、上記の調整領域に置くことができる。集電体タブの周縁に外観不良のない適合電極は、一般領域に置いても良いし、勿論、調整領域に置いても良い。
本発明の電池製造方法によると、上記のような規則に則って電極を並べかつ集電体タブを束ね、更に各電極の集電体タブを溶接等の公知の方法で一体化することで、製造コストを低減しつつ電池を製造できる。各集電体タブの一体化方法は特に問わず、各電極は直列に接続されても良いし並列に接続されても良い。各電極は、集電体の片面にだけ活物質層が設けられたものであっても良いし、両面に活物質層が設けられたものであっても良い。活物質層については後述する。
以下、本発明の電池製造方法を具体的に説明する。
本発明の電池製造方法は、種々の電池を製造する方法として使用できる。本発明の電池製造方法で製造できる電池の一例として、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、ニッケル金属水素化物電池を挙げることができる。
本発明の電池製造方法は、裁断工程と、電極複合体形成工程と、選別工程と、整形工程と、を有する。このうち電極複合体形成工程については既述した。
裁断工程は、箔状の集電体上に活物質層が設けられた電極前駆体を裁断して集電体タブを有する電極とする工程である。裁断工程は、既知の装置を用い既知の方法で行えば良い。既知の裁断方法としては、例えば、シャー加工(シャーリング加工とも呼ばれる)や、レザースリット、シャースリット、ギャングスリット等に代表されるスリット加工、打ち抜き型を用いた打ち抜き加工等を挙げることができる。裁断工程は、これらの1種のみを用いて行っても良いし、或いは、複数種を併用して行っても良い。裁断工程では、一度だけ裁断を行っても良いし、複数回裁断を行っても良い。
選別工程は、既述したように、集電体タブの周縁に外観不良のある不適合電極と、集電体タブの周縁に外観不良のない適合電極と、を選別する工程である。ここで言う外観不良とは、金属粉の脱落が懸念される程度のバリが、集電体タブ及びその周縁における裁断面に、外観上認められることを指す。従って選別工程においては、当該バリが認められるか否かを選別の基準とすれば良く、金属粉の脱落が懸念されない程度のバリについては許容しても良いが、バリのないものを適合電極とするのが好ましい。選別工程は、作業者の目視に基づいて行っても良いし、画像認識技術等を用いて自動的に行っても良い。
整形工程は、上記の選別工程で不適合電極とされた電極の集電体タブを切り整えて、集電体タブの長さLがL≧3/4Lを満たす準適合電極を選別する工程である。つまり、整形工程においては、不適合電極における集電体タブ周縁のバリを切り捨てて、集電体タブの形状を整える。バリの大きさや程度によっては、切り整えた後の不適合電極における集電体タブの長さLが、L<3/4Lとなる場合もある。このような電極は本発明の電池には適さない。したがって、整形工程においては、集電体タブの長さLがL≧3/4Lを満たすもののみを準適合電極として選別する。
整形工程は如何なる方法で行っても良いが、作業効率を高め、かつ、準適合電極における集電体タブを均一な形状とすることを考慮すると、トムソン型等の打ち抜き型を用いて行うのが好ましい。また、整形工程においては、不適合電極1つずつを個々に切り整えても良いが、作業効率を考慮すると、複数の不適合電極をまとめて切り整えるのが好ましい。
なお、適合電極における集電体タブの長さLは、後述するLMAXの1.2倍以上であるのが好ましく、1.5倍以上であるのがより好ましく、2.0倍以上であるのが更に好ましい。ここで言うLMAXとは、電極の重ね方向の一端と他端、つまり、既述した図11における端部fと端部rとの距離を指す。更に換言すると、LMAXとは、電極複合体の厚さと言うこともできる。
準適合電極の長さLは長い方が好ましく、例えば、L≧4/5Lを満たすのが好ましく、L≧5/6Lを満たすのがより好ましく、L≧7/8Lを満たすのが更に好ましい。
ところで、電極のバリを整形する方法として、例えば特開平10−12229に紹介されている技術のように、電極の裁断面を研磨により面取りする方法もある。不適合電極における集電体タブの裁断面を切り整えるのではなくこのような方法で研磨しても、集電体タブを整形できる。しかし実際には、集電体タブの裁断面は、一般部の裁断面とは異なり小型であるため、研磨により効率良く整形することは困難である。また、研磨により集電体タブを整形する場合には、研磨により生じた金属粉が電極活物質層に混入する可能性も否めない。したがって、本発明の電池製造方法にこのような整形方法を用いるのは合理的ではない。これに対して、集電体タブを切り整える際に生じる金属片は比較的大きく扱い易いために、当該金属片の電極活物質層への混入を抑制し得る利点もある。また、集電体タブを切り整える場合には、研磨により集電体タブを整形する場合と比べて、集電体が薄い場合にも容易かつ精度高く集電体タブを整形できる利点もある。更に、特に打ち抜き型を用いて集電体タブの整形を行う場合には、複数の集電体タブを決まった形状に同時に切り整えることができるため、整形工程を容易に行い得る利点がある。
本発明の電池製造方法は、裁断工程前に、電極前駆体を製造する工程を有しても良い。電極前駆体を製造する工程としては、活物質層の材料である電極合材を集電体上に塗布して合材層を形成する工程、合材層を乾燥する工程、合材層を加熱する工程、合材層及び集電体をプレスする工程等が挙げられる。これらの工程は既知の電極製造方法に基づいて行えば良い。
本発明の電池製造方法は、上記したように、様々な種類の電池を製造する方法として使用でき、活物質層の種類や材料等は特に限定されない。したがって本発明の電池における電極は、集電体の一方の面に活物質層が設けられた片面塗工型の電極であっても良いし、集電体の両面に活物質層が設けられた両面塗工型の電極であっても良い。本発明の電池における電極が両面塗工型である場合、2つの活物質層は同じ正極活物質層であっても良いし、同じ負極活物質層であっても良いし、或いは2つの活物質層の一方が正極活物質層であり他方が負極活物質層であっても良い。何れの場合にも、本発明の電池製造方法で製造される本発明の電池は複数の電極を有するものであり、各電極は、正極、負極、又は双極型電極の何れかである。
なお、何れの場合にも、集電体としては箔状をなすものが選択される。本発明でいう箔状とは、シート状、フィルム状、リボン状等を含む概念であり、厚さ1mm以下かつ幅及び長さが厚さよりも大きいものを指す。
正極、負極、双極型電極の何れである場合にも、各電極は集電体を有するとともに、集電体で構成される集電体タブを有する。各電極の集電体タブは、全体が集電体だけで構成されても良いし、一部に活物質層が形成されていても良い。本明細書において、単に電極と言う場合には、正極、負極、双極型電極を特定しないか、又は、これらを総称するものとする。同様に、電極前駆体と呼ぶ場合には、正極前駆体、負極前駆体、双極型電極前駆体を特定しないか、又は、これらを総称するものとする。
集電体は、電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子伝導体をいう。集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
正極活物質層は、製造する電池の種類に応じた電荷担体を吸蔵及び放出できる正極活物質、並びに、必要に応じて結着剤及び導電助剤に代表される各種添加剤を含有すれば良い。負極活物質層も同様に、製造する電池の種類に応じた電荷担体を吸蔵及び放出できる負極活物質、並びに、必要に応じて結着剤及び導電助剤に代表される各種添加剤を含有すれば良い。
このうち結着剤は、正極活物質、負極活物質等を集電体の表面に繋ぎ止める役割を果たすものである。
結着剤としては、電池用の正極又は負極に使用されるものを選択すれば良い。
例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、アクリル酸やメタクリル酸などのモノマー単位を含むアクリル系樹脂を例示することができる。また、結着剤として、親水基を有するポリマーを採用してもよい。親水基を有するポリマーの親水基としては、カルボキシル基、スルホ基、シラノール基、アミノ基、水酸基、リン酸基が例示される。親水基を有するポリマーの具体例として、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリメタクリル酸などの分子中にカルボキシル基を含むポリマー、又は、ポリ(p−スチレンスルホン酸)などのスルホ基を含むポリマーを挙げることができる。
ポリアクリル酸、あるいはアクリル酸とビニルスルホン酸との共重合体など、カルボキシル基及び/又はスルホ基を多く含むポリマーは水溶性となる。親水基を有するポリマーは、水溶性ポリマーであることが好ましく、化学構造でいうと、一分子中に複数のカルボキシル基及び/又はスルホ基を含むポリマーが好ましい。
本発明の電池製造方法で製造される電池がリチウムイオン二次電池である場合、正極活物質層に含まれる正極活物質としては、一般的なリチウムイオン二次電池用の正極活物質を使用できる。
具体的には、正極活物質としては、層状岩塩構造の一般式:LiNiCoMn(0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはW、Mo、Re、Pd、Ba、Cr、B、Sb、Sr、Pb、Ga、Al、Nb、Mg、Ta、Ti、La、Zr、Cu、Ca、Ir、Hf、Rh、Fe、Ge、Zn、Ru、Sc、Sn、In、Y、Bi、S、Si、Na、K、P、Vから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦3)で表されるリチウム複合金属酸化物、LiMnOを挙げることができる。また、正極活物質として、LiMn等のスピネル構造の金属酸化物、スピネル構造の金属酸化物と層状化合物の混合物で構成される固溶体、LiMPO、LiMVO又はLiMSiO(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)などで表されるポリアニオン系化合物を挙げることができる。さらに、正極活物質として、LiFePOFなどのLiMPOF(Mは遷移金属)で表されるタボライト系化合物、LiFeBOなどのLiMBO(Mは遷移金属)で表されるボレート系化合物を挙げることができる。正極活物質として用いられるいずれの金属酸化物も上記の組成式を基本組成とすればよく、基本組成に含まれる金属元素を他の金属元素で置換したものも使用可能である。
同様に、負極活物質としては、一般的なリチウムイオン二次電池用の負極活物質を使用できる。
具体的には、負極活物質としては、リチウムイオンつまり電荷担体を吸蔵及び放出可能である単体、合金又は化合物であれば特に限定はない。たとえば、負極活物質としてLiや、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、錫などの14族元素、アルミニウム、インジウムなどの13族元素、亜鉛、カドミウムなどの12族元素、アンチモン、ビスマスなどの15族元素、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、銀、金などの11族元素をそれぞれ単体で採用すればよい。合金又は化合物の具体例としては、Ag−Sn合金、Cu−Sn合金、Co−Sn合金等の錫系材料、各種黒鉛などの炭素系材料、ケイ素単体と二酸化ケイ素に不均化するSiO(0.3≦x≦1.6)などのケイ素系材料、ケイ素単体若しくはケイ素系材料と炭素系材料を組み合わせた複合体が挙げられる。また、負極活物質して、Nb、TiO、LiTi12、WO、MoO、Fe等の酸化物、又は、Li3−xN(M=Co、Ni、Cu)で表される窒化物を採用しても良い。負極活物質として、これらのものの一種以上を使用することができる。
本発明の電池製造方法で製造される電池がニッケル金属水素化物電池である場合、正極活物質層に含まれる正極活物質としては、水酸化ニッケルに代表されるニッケル酸化化合物等、公知のものを採用できる。また、負極活物質としては、各種の水素吸蔵合金を採用できる。水素吸蔵合金としては、例えば、希土類を含有するAB型の水素吸蔵合金が知られている。AB型の水素吸蔵合金は、六方晶であるCaCu型相を主たる結晶構造とすることが知られており、希土類元素、ニオブ、ジルコニウム、遷移金属、Mg及びAl等を含有するものが一般的である。より具体的には、AB型の水素吸蔵合金としては、例えばLaNiに代表されるように希土類元素を単体で用いた合金か、或いは、MmNi系水素吸蔵合金とも呼ばれる複数の希土類元素の混合物を用いた合金が実用化されている。
MmNi系水素吸蔵合金は、Mmつまりミッシュメタルと呼ばれるLa、Ce、Pr、Nd等の混合希土類元素を含有する。また、MmNiのNiの一部は、Al、Mn等の元素で置換され得る。
その他の水素吸蔵合金としては、MgZn、ZrNiに代表されるAB型、TiFe、TiCoに代表されるAB型、MgNi、MgCuに代表されるAB型、Ti−V、V−Nbに代表される固溶体型、及び、希土類、Mg及びNiを含有する超格子構造のA型及びA19型等が挙げられる。
導電助剤は化学的に不活性な電子高伝導体であれば良く、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber)、及び各種金属粒子等が例示される。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラック、チャンネルブラック等が例示される。これらの導電助剤を単独または二種以上組み合わせて正極活物質層及び/又は負極活物質層に添加することができる。
正極活物質層及び/又は負極活物質層はコート層でコートされても良い。コート層の材料としては例えばセラミックスを挙げることができる。セラミックスを含有するコート層を、例えばリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を含有する正極活物質層上に形成することで、リチウムイオン二次電池の熱安定性を向上させ得る。
或いは、コート材料としてポリマーを挙げることもできる。ポリマーを含有するコート層を例えばケイ素系負極活物質を含有する負極活物質層上に形成することで、負極活物質層の耐久性を向上させ得る。
セラミックスとしては、Al、SiO、TiO、ZrO、MgO、SiC、AlN、BN、CaCO、MgCO、BaCO、タルク、マイカ、カオリナイト、CaSO、MgSO、BaSO、CaO、ZnO、ゼオライトを例示できる。セラミックスを含有するコート層は、1種又は複数種のセラミックスを含有し得る。
セラミックスの形態としては粉末が好ましい。また、セラミックスを含有するコート層用の結着剤、或いは、コート材料としてのポリマーとしては、正極活物質層および負極活物質層についての説明で述べた結着剤を例示できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。また、上記の実施形態及び以下の実施例に示した各構成要素は、それぞれ任意に抽出し組み合わせて実施できる。
以下に、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例)
実施例の電池製造方法は角型のリチウムイオン二次電池を製造する方法である。
実施例の電池製造方法で製造した実施例の電池を模式的に表す説明図を図1に示す。実施例の電池製造方法を模式的に表す説明図を図2〜図9に示す。なお、図2は選別工程を表し、図3、図4及び図8は整形工程を表し、図5〜図7及び図9は電極複合体形成工程を表す。
以下、実施例において、上、下、左、右、前、後とは図1に示す上、下、左、右、前、後を指す。前後方向は集電体の厚さ方向、及び、電極の重ね方向に一致する。左右方向は電極の幅方向に一致する。
実施例の電池製造方法で製造する実施例の電池は、図1に示すように、複数の正極2及び複数の負極3が重ねられた電極複合体1が、図略の電解液とともにケース10に収容されたものである。
ケース10は、上方に開口する箱状のケース体11と、当該ケース体11の開口11oを塞ぐ蓋体12とを有する。ケース体11の内壁面11wは図略の絶縁フィルムによって覆われている。ケース体11及び蓋体12は金属製である。
電極複合体1は、複数の正極2及び負極3がセパレータ4を挟んで交互に重ねられ、一体化されたものである。具体的には、図5に示すように、正極2は、正極集電体20と、当該正極集電体20の両面に各々形成されている2つの正極活物質層21と、を有する。正極集電体20は、略矩形状の一般正極集電部20gと、当該一般正極集電部20gから突出する短冊状の正極集電体タブ22と、を有する。負極3は、負極集電体30と、当該負極集電体30の両面に各々形成されている2つの負極活物質層31と、を有する。負極集電体30は、略矩形状の一般負極集電部30gと、当該一般負極集電部30gから突出する短冊状の負極集電体タブ32と、を有する。図1及び図5に示すように、正極集電体タブ22は左側に配置され、負極集電体タブ32は右側に配置される。なお正極集電体タブ22には部分的に正極活物質層21が形成されていても良く、負極集電体タブ32にもまた部分的に負極活物質層31が形成されていても良い。しかし、実施例の電池製造方法における正極集電体タブ22及び負極集電体タブ32は、何れも、正極活物質層21にも負極活物質層31にも覆われず、露出している。
正極2及び負極3は、それぞれ、適合電極と、適合電極に比べて集電体タブの長さの短い準適合電極と、に大別される。正極2の適合電極を正極適合電極2cと呼び、負極3の適合電極を負極適合電極3cと呼ぶ。又、正極2の準適合電極を正極準適合電極2sと呼び、負極3の準適合電極を負極準適合電極3sと呼ぶ。図5に示すように、正極準適合電極2s及び負極準適合電極3sは、電極の重ね方向における中心よりも前側に置かれている。適合電極及び準適合電極については追って詳説する。
なお、実施例においては電極の重ね方向は正極2及び負極3の重ね方向である。以下、必要に応じて、電極の重ね方向を単に重ね方向と呼ぶ。
図1に示すように、各正極集電体タブ22は、前側に向けて寄せられ、後側に向けて折り曲げられて、溶接により一体化されている、正極集電体タブ22は、ロッド状の正極端子27とともに板状の正極導電部材28に固着されている。正極集電体タブ22、正極導電部材28及び正極端子27は電気的に接続されている。
同様に、各負極集電体タブ32は、前側に向けて寄せられ、後側に向けて折り曲げられて、溶接により一体化されている、負極集電体タブ32は、ロッド状の負極端子37とともに板状の負極導電部材38に固着されている。負極集電体タブ32、負極導電部材38及び負極端子37は電気的に接続されている。
ケース10の蓋体12には2つの貫通孔12p、12nが設けられている。貫通孔12p及び貫通孔12nは左右に離間し、正極端子27は絶縁リング13pを介して左側の貫通孔12pに挿入されており、負極端子37は絶縁リング13nを介して右側の貫通孔12nに挿入されている。
実施例の電池においては、上述した電極複合体1はケース体11に収容され、ケース体11の内部には図略の電解液が入っている。蓋体12はケース体11に固着され、電極複合体1のうちケース体11の内部に収容された部分及び電解液は、外界から隔離される。
上記した実施例の電池を製造する実施例の電池製造方法を以下に説明する。
実施例の電池製造方法は、裁断工程、選別工程、整形工程、及び電極複合体形成工程を有する。
裁断工程においては、予め準備した図略の電極前駆体を所定の形状に裁断して電極とした。電極前駆体としては、正極集電体20の両面に各々正極活物質層21が形成されている正極前駆体、及び、負極集電体30の両面に各々負極活物質層31が形成されている負極前駆体、を準備した。裁断工程では、この正極前駆体及び負極前駆体をそれぞれ裁断して、正極2及び負極3を形成した。以下、正極2を例に挙げて裁断工程、選別工程及び整形工程を説明する。負極3についてはここでは特に説明しないが、正極2と同様である。
先ず、図略のスリッタを用いたスリット加工により、帯状の正極前駆体を長手方向に沿って裁断した。次いで、図略のシャー刃を用いたシャー加工により、正極前駆体を幅方向つまり長手方向と交差する方向に裁断し、小片状の正極前駆体とした。その後に、打ち抜き型を用いて当該小片状の正極前駆体を裁断し、正極集電体タブ22を有する正極2とした。
選別工程においては、上記の裁断工程で得られた正極2を、正極適合電極2cと正極不適合電極2uとに選別した。裁断工程における裁断不良がなければ正極適合電極2cのみが製造されるが、裁断不良があれば図2に示す正極不適合電極2uが製造される。
実施例の電池製造方法においては、正極集電体タブ22の周縁にバリのないもの、より具体的には、正極集電体タブ22の周縁に波打ち、圧縮、亀裂、突起等の外観不良のない平滑なものを正極適合電極2cとした。また、図2に示すように、正極集電体タブ22の周縁に上記の外観不良のあるもの、換言すると正極集電体タブ22の周縁が平滑でないものを正極不適合電極2uとした。正極2が正極適合電極2cであるか正極不適合電極2uであるかの判断は、作業者の目視に基づいて行った。
整形工程においては、先ず、図3に示すように、上記の選別工程で正極不適合電極2uと選別された正極2につき、正極集電体タブ22を切り整えた。実施例においては、打ち抜き型としてトムソン型を用い、当該トムソン型の刃80を用いて正極集電体タブ22を打ち抜くことで、正極集電体タブ22のなかで外観不良のある周縁部分を取り除き、正極集電体タブ22を切り整えた。刃80は、図3及び図8に破線で示すように、正極集電体タブ22の左辺に交差する方向に延びる左刃部80lと、正極集電体タブ22の右辺に交差する方向に延びる右刃部80rと、正極集電体タブ22の上辺に略平行な上刃部80uと、を有する略コ字状をなす。図3に示すように、刃80により正極集電体タブ22の上端部分、左端部分の一部及び右端部分の一部を切り取り、正極集電体タブ22を整形することで、図4に示すように正極集電体タブ22に外観不良のなくなった正極不適合電極2uを得ることができる。
整形工程においては、更に、正極集電体タブ22に外観不良のなくなった正極不適合電極2uが、正極準適合電極2sであるか否かを判断し、正極準適合電極2sのみを選別した。
正極準適合電極2sは、正極集電体タブ22が切り整えられた正極不適合電極2uであって、図9に示すように、正極集電体タブ22の長さLが、正極適合電極2cにおける正極集電体タブ22の長さLに対して、L≧3/4Lを満たす電極である。なお、正極集電体タブ22の長さLとは、図1における上下方向の長さを指す。負極集電体タブ32の長さLもまた同様である。
なお実施例の電池製造方法においては、上記の基準を満たし、更に、正極集電体タブ22に外観不良の生じていないものを正極準適合電極2sとして選別した。負極3についても同様に、負極準適合電極3sを選別した。
電極複合体形成工程においては、上記の選別工程で得た正極適合電極2cと、整形工程で得た正極準適合電極2sとを正極2として用い、同様に負極適合電極3cと負極準適合電極3sとを負極3として用いた。具体的には、図5に示すように、前後方向に向けて、正極2と負極3とをセパレータ4を挟みつつ交互に重ねた。図6に示すように、このとき重ね方向における一端つまり後端rから中心cまでの領域を一般領域gとして、正極適合電極2c又は負極適合電極3cのみを置いた。又、当該中心cから重ね方向における他端つまり前端fまでの領域を調整領域aとして、正極適合電極2c及び負極適合電極3cに加えて正極準適合電極2s及び負極準適合電極3sを置いた。実施例の電池製造方法においては、正極準適合電極2sを一つ、負極準適合電極3sを一つ、合計2つの準適合電極を用いた。正極準適合電極2sは重ねた正極2のなかで最も前側に置き、負極準適合電極3sは重ねた負極3のなかで最も前側に置いた。前側にある電極2、3ほど、集電体タブ22、32に必要な長さが短いためである。
図7に示すように、複数の正極2及び負極3を重ねて、重ねられた各正極2の正極集電体タブ22、及び各負極3の負極集電体タブ32を、それぞれ調整領域aに寄せて、更に一般領域gに向けて折り曲げた。実施例の電池製造方法においては、正極集電体タブ22及び負極集電体タブ32を折り曲げる工程は、所定の長さで折り曲げるための治具を用いて行った。
折り曲げられた正極集電体タブ22の先側部分に定めた溶接点2w、及び折り曲げられた負極集電体タブ32の先側部分に定めた溶接点3wをそれぞれ溶接し、正極集電体タブ22をロッド状の正極端子27とともに板状の正極導電部材28に固着し、負極集電体タブ32をロッド状の負極端子37とともに板状の負極導電部材38に固着して、電極複合体1とした。
当該電極複合体1の正極2、負極3及びセパレータ4の部分をケース体11に収容し、ケース体11の隙間に電解液を注いだ。そして、正極端子27及び負極端子37にそれぞれ絶縁リング13p、13nを装着し、蓋体12の貫通孔12p、12nにそれぞれ挿入し、蓋体12とケース体11とを溶接して、実施例の電池とした。
図7に示すように、実施例の電池製造方法においては正極集電体タブ22の短い正極2及び負極集電体タブ32の短い負極3を用いたにも拘わらず、各正極集電体タブ22及び各負極集電体タブ32を各々良好に溶接し一体化できる。これは、正極集電体タブ22の短い正極2及び負極集電体タブ32の短い負極3が上記した正極準適合電極2s及び負極準適合電極3sであり、かつ、当該正極準適合電極2s及び負極準適合電極3sを調整領域aに置いたためである。
このように、裁断不良に起因する外観不良のある不適合電極を、切り整えて正極準適合電極2s及び負極準適合電極3sとし、かつ、調整領域aに置くことで、正極2及び負極3の廃棄量を大幅に低減でき、かつ、正極2及び負極3が好適な状態で一体化された電池を製造できるために、裁断不良に起因する電池の製造コスト増大を抑制できる。
実施例の電池においては、正極2、負極3ともに1つずつの正極準適合電極2s及び負極準適合電極3sを有するが、本発明の電池は少なくとも一つの準適合電極を有すれば良く、正極2と負極3のどちらかが正極適合電極2c又は負極適合電極3cのみで構成されても良い。勿論、正極2及び/又は負極3が2以上の正極準適合電極2s又は負極準適合電極3sを有しても良い。
実施例で整形工程に用いた打ち抜き型は、左刃部80lと上刃部80uとが角状に連続し、かつ、右刃部80rと上刃部80uとが角状に連続して全体として直線的な略コ字状をなす刃80を有する。しかし、例えば、左刃部80lと上刃部80uとが滑らかな曲線状に連続し、かつ、右刃部80rと上刃部80uとが滑らかな曲線状に連続して全体として曲線的な略U字状をなす刃を有する打ち抜き型を用いても良い。全体として曲線的な刃を有する打ち抜き型を用いる場合には、整形による正極集電体タブ22及び負極集電体タブ32の外観不良が生じ難い利点がある。
また、実施例のように全体として直線的な刃80を有する打ち抜き型を用いる場合には、図8に示すように、刃80の内角θ1及びθ2、左刃80と正極集電体タブ22の左辺との交差角θ3、並びに、右刃80と正極集電体タブ22の右辺との交差角θ4が鈍角であるものを用いるのが好ましい。負極集電体タブ32についても同様である。このような打ち抜き型を用いる場合にも、整形による正極集電体タブ22及び負極集電体タブ32の外観不良が生じ難い利点がある。なお、θ3及びθ4はθ1及びθ2よりも大きい方が好ましく、100°以上であるのがより好ましく、120°以上であるのが更に好ましい。
整形工程においては、切り整えた正極集電体タブ22及び負極集電体タブ32の長さのみから正極準適合電極2sであるか否かの判断及び負極準適合電極3sであるか否かの判断を行っても良いが、実施例のように、整形後の正極集電体タブ22及び負極集電体タブ32の周縁に外観不良があるか否かの判断も行い、当該外観不良の無いものを正極準適合電極2s及び負極準適合電極3sとするのが好ましい。
図7に示すように、実施例の電池製造方法においては、正極2及び負極3を前後方向に重ね、重ね方向の前端fで正極集電体タブ22及び負極集電体タブ32を折り曲げた。つまり実施例の電池製造方法では、図9に示すように、前後方向に重ねた正極集電体タブ22及び負極集電体タブ32を、それぞれ、折り曲げの基準位置となる前端fに向けて寄せた。このため、正極集電体タブ22及び負極集電体タブ32に必要な長さは、中心cから前端f側に向けて短くなる。したがって、このような場合には正極準適合電極2s及び負極準適合電極3sは、調整領域aのなかでも前端f側に置くのが好ましい。複数の正極準適合電極2s及び/又は複数の負極準適合電極3sを用いる場合、例えば複数の正極準適合電極2sを用い、かつ、各正極準適合電極2sにおける正極集電体タブ22の長さが異なる場合には、正極集電体タブ22の短い正極準適合電極2sを前端f側に置くのが好ましい。勿論、正極準適合電極2sよりも前側に正極適合電極2cを置いても良い。負極準適合電極3s及び負極適合電極3cについても同様である。
ところで、正極集電体タブ22及び負極集電体タブ32を折り曲げる基準位置は、重ね方向の端には限定されず、例えば、重ね方向における前端fと中心cとの間の位置であっても良い。この場合にも基準位置は調整領域aにあり、正極集電体タブ22及び負極集電体タブ32は調整領域aの基準位置に向けて寄せられて折り曲げられる。なお、この場合には正極準適合電極2s及び負極準適合電極3sの位置は、当該基準位置の近くにするのが好ましい。
正極集電体タブ22を折り曲げる基準位置と、負極集電体タブ32を折り曲げる基準位置とは、重ね方向において同位置であっても良いが、異なる位置であっても良い。この場合、正極2の基準位置と、負極3の基準位置とを別々に設け、正極準適合電極2sと正極適合電極2cとを置く位置と、負極準適合電極3sと負極適合電極3cとを置く位置と、を、当該異なる基準位置に応じて別々に設定すれば良い。
本発明の技術思想を基に、以下の態様を挙げることもできる。以下の態様は、一般領域gと調整領域aとの設定方法において、文言上、実施例と異なるが、思想的には実施例の電池製造方法と同様である。
正極2を例に挙げて本態様を説明すると、図10に示すように、重ね方向の一端と他端、つまり、前端fと後端rとの間に電極を折り曲げる基準位置sを定める。そして、当該重ね方向における当該基準位置sからの距離が、前端fと後端rとの距離LMAXの1/2以下となる領域を調整領域aとする。同様に、当該距離がLMAXの1/2を超える領域を一般領域gとする。図10においては、基準位置s、つまり正極集電体タブ22の折り曲げ位置を、重ね方向の中心cとしている。したがって、この場合には、重ね方向の全体が調整領域aとなるために、正極準適合電極2sを置く位置に制限がなくなり、全ての正極を正極準適合電極2sとすることも可能である。図10に示す態様では、重ねられた正極2の正極集電体タブ22は、基準位置sに向けて寄せられ後端rに向けて折り曲げられる。
なお、本態様において、基準位置sが中心cから外れる場合には、実施例と同様に、一般領域gには正極適合電極2cのみを置き、調整領域aには正極準適合電極2sを置けば良い。
本態様においては、上記重ね方向における上記基準位置sからの距離がLMAXの1/2以下となる領域を調整領域aとする例を説明したが、当該距離はLMAXの1/2以下であればいかなる距離であってもよく、例えばLMAXの1/4〜1/2の範囲内を例示できる。具体的には、当該距離がLMAXの1/3以下となる領域を調整領域aとしても良い。この場合には当該距離がLMAXの1/3を超える領域を一般領域gとすれば良い。
同様に、上記重ね方向における上記基準位置sからの距離がLMAXの1/4以下となる領域を調整領域aとしても良く、この場合には当該距離がLMAXの1/4を超える領域を一般領域gとすれば良い。
なお、実施例のように重ね方向の一端側に基準位置s及び調整領域aを設ける場合には、中心c付近に基準位置sを設ける場合に比べて、電極複合体形成工程において正極集電体タブ22及び負極集電体タブ32を寄せる際に、基準位置sの位置決めを容易かつ精密に行うことができるために、正極集電体タブ22及び負極集電体タブ32を一体化する作業が容易になる利点がある。
1:電極複合体 2:正極 3:負極
4:セパレータ
20:正極集電体 21:正極活物質層 22:正極集電体タブ
30:負極集電体 31:負極活物質層 32:負極集電体タブ
2c:正極適合電極 3c:負極適合電極
2s:正極準適合電極 3s:負極準適合電極
2u:正極不適合電極 80:打ち抜き型の刃
r:一端(後端) f:他端(前端) c:中心
g:一般領域 a:調整領域 s:基準位置

Claims (4)

  1. 箔状の集電体上に活物質層が設けられた電極前駆体を裁断して集電体タブを有する電極とする裁断工程と、前記電極を複数重ね各前記電極における前記集電体タブを一体化して電極複合体とする電極複合体形成工程と、を有する電池製造方法であって、
    前記裁断工程後かつ前記電極複合体形成工程前に、
    前記集電体タブの周縁に外観不良のある不適合電極と前記周縁に外観不良のない適合電極とを選別する選別工程と、
    前記不適合電極の前記集電体タブを切り整え、切り整えられた前記集電体タブの長さLが前記適合電極における前記集電体タブの長さLに対してL≧3/4Lを満たす不適合電極を、準適合電極として選別する整形工程と、を有し、
    前記電極複合体形成工程において、
    前記電極の重ね方向における一端から中心までの一般領域には前記適合電極のみを置き、前記中心から前記電極の重ね方向における他端までの調整領域には前記準適合電極を置き、
    重ねられた各前記電極の前記集電体タブを、前記調整領域に寄せ前記一般領域に向けて折り曲げ、一体化する、電池製造方法。
  2. 前記整形工程において、前記不適合電極の前記集電体タブを打ち抜き型で切り整える、請求項1に記載の電池製造方法。
  3. 電極が複数重ねられ各々の前記電極における集電体タブが一体化された電極複合体を有し、
    前記電極として、前記集電体タブの長さLの適合電極と、前記集電体タブの長さLがL≧3/4Lである準適合電極と、を有し、
    前記電極の重ね方向における一端から中心までの一般領域には前記適合電極のみが置かれ、前記中心から前記電極の重ね方向における他端までの調整領域には前記準適合電極が置かれ、
    重ねられた各前記電極の前記集電体タブは、前記調整領域に寄せられ前記一般領域に、向けて折り曲げられている、電池。
  4. 箔状の集電体上に活物質層が設けられた電極前駆体を裁断して集電体タブを有する電極とする裁断工程と、前記電極を複数重ね各前記電極における前記集電体タブを一体化して電極複合体とする電極複合体形成工程と、を有する電池製造方法であって、
    前記裁断工程後かつ前記電極複合体形成工程前に、
    前記集電体タブの周縁に外観不良のある不適合電極と前記周縁に外観不良のない適合電極とを選別する選別工程と、
    前記不適合電極の前記集電体タブを切り整え、切り整えられた前記集電体タブの長さLが前記適合電極における前記集電体タブの長さLに対してL≧3/4Lを満たす不適合電極を、準適合電極として選別する整形工程と、を有し、
    前記電極複合体形成工程において、
    前記電極の重ね方向の一端と他端との間に基準位置を設け、前記一端と前記他端との距離をLMAXとして、
    前記電極の重ね方向において前記基準位置からの距離が1/2LMAX以下の調整領域には前記準適合電極を置き、
    前記調整領域以外の一般領域には前記適合電極のみを置き、
    重ねられた各前記電極の前記集電体タブを、前記基準位置に向けて寄せ前記一端又は前記他端に向けて折り曲げ、一体化する、電池製造方法。
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