JP2018091891A - 定着装置、および画像形成装置 - Google Patents

定着装置、および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】定着部材熱膨張時にも表面改質部材の当接力を一定に保つことが出来、経時により光沢スジ、光沢ムラの画像品質不良を防止する。【解決手段】媒体上のトナー像を加熱してトナー像を媒体に定着させる定着装置であって、芯金温度を検知する芯金温度検知部材を有した定着部材と、定着部材を押圧し、定着ニップ部を形成する加圧部材と、定着部材の表面を改質する定着表面改質部材を定着部材に接離可能な接離機構部と、芯金温度検知部材が検知した芯金温度に基づいて、定着表面改質部材と定着部材との間の当接力を変える制御部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、定着装置、および画像形成装置に関する。
プリンタ・複写機・ファクシミリなどの画像形成装置に対し、近年、省エネルギー化・高速化・高画像化についての市場要求が強くなってきている。これらの要求性能を達成するためには、画像形成装置に用いられる定着装置の熱効率の改善及び種々のローラに対する細かな熱コントロールが重要である。
画像形成装置では、電子写真記録・静電記録・磁気記録等の画像形成プロセスにより、画像転写方式もしくは直接方式により、未定着トナー画像が記録材シート・印刷紙・感光紙・静電記録紙などの記録材に形成される。未定着トナー画像を定着させるための定着装置としては、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方式等の接触加熱方式の定着装置が広く採用されている。
熱ローラ方式の定着装置は、内部にハロゲンランプ等の熱源を有して所定の温度に温調される定着ローラと、これに圧接された加圧ローラとの回転ローラ対を基本構成としている。これらの回転ローラ対の接触部いわゆる定着ニップ部に記録材を導入して搬送させ、定着ローラおよび加圧ローラからの熱および圧力により未定着トナー画像を溶融させて定着させる。また、高画像化の要求に伴い、加圧ローラの加圧力をきめ細かにコントロールするために可変加圧・脱圧機構を持った構成も知られている。
さらに、近年、これまでのシアン、マゼンダ、イエロー、及びブラックトナーで表現されたフルカラー電子写真に加え、透明トナーや、白色トナーを用いた電子写真装置が提案されている。これらの特色トナー(透明トナー、白色トナー)を用いることで、様々な表現ができるようになり、出力物の付加価値が向上する。
透明トナーによる付加価値の向上とは、まず、画像部前面の均一光沢化が上げられる。透明トナーを持たない電子写真装置では、出力画像の光沢が均一にならない場合が多い。なぜなら、白地部はトナーが乗らないため、記録材である紙の表面光沢がそのまま出力される。また、トナーが多く載るベタ画像とトナーが網点状にのるハーフトーンでは、紙へのトナー付着量による光沢差が発生していた。
また、白色トナーによる付加価値の向上は、有色紙、またはホログラム等のメタリック紙で白色を出力できることである。これまでのフルカラー電子写真装置は白色の紙にトナーを乗せて色表現を行い、白色は紙の地色(白)で表現されていた。しかし、有色紙、またはホログラム等のメタリック紙など地色が白色でない場合は白色を表現することが出来なかった。
特色トナー(透明トナー、白色トナー)を有する画像形成装置において、特に透明トナーでは白地部でも画像光沢を高くする表現が可能になったが、画像光沢はトナーと接触し定着させる定着部材の表面性が直に影響し、定着部材の表面性管理が重要となる。定着部材の表面が荒れていると、用紙光沢に差異が現れ、光沢スジ、光沢ムラの画像品質不良が発生するという課題がある。
これに対し、特許文献1には、定着部材の表面を摺擦する摺擦部材により、定着部材表面の汚れや記録材の裁断時に生じる両端部のバリに起因する定着部材の局所的な塑性変形を回復させる技術が記載されている。また、特許文献2には、定着部材の表面を摺擦するために記録材の搬送方向と直交する方向に定着部材を往復移動させ、定着部材の表面性を回復させる技術が記載されている。さらに、特許文献3には、定着補助ローラの芯金の温度を検知する温度検知手段を備え、ウエブ機構が、温度検知手段の検知結果に基いてウエブの単位時間当りの巻取り量を可変させる技術が記載されている。
しかしながら、特許文献1、2では定着部材の局所的な塑性変形を回復させる、又は定着部材の表面を摺擦ことはできるが、多種多様な用紙を通紙する定着装置において、通紙中、又は通紙ジョブ間、及び通紙直後の定着部材熱膨張により常に一定の摺擦力を保持することは困難であり、光沢スジ、光沢ムラの画像品質不良を防止することが出来ない。また、特許文献3では芯金の温度の検知結果に基いてウエブの巻取り量を変えているが、上記同様、一定の摺擦力を保持することは困難であり、光沢スジ、光沢ムラの画像品質不良を防止することが出来ない。
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたものであり、定着部材熱膨張時にも表面改質部材の当接力を一定に保つことが出来、経時により光沢スジ、光沢ムラの画像品質不良を防止する定着装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る定着装置は、媒体上のトナー像を加熱して前記トナー像を前記媒体に定着させる定着装置であって、芯金温度を検知する芯金温度検知部材を有した定着部材と、前記定着部材を押圧し、定着ニップ部を形成する加圧部材と、前記定着部材の表面を改質する定着表面改質部材を前記定着部材に接離可能な接離機構部と、前記芯金温度検知部材が検知した芯金温度に基づいて、前記定着表面改質部材と前記定着部材との間の当接力を変える制御部と、を備えることを特徴とする定着装置である。
本発明によれば、定着部材熱膨張時にも表面改質部材の当接力を一定に保つことが出来、経時により光沢スジ、光沢ムラの画像品質不良を防止することができる。
定着装置の一例を示す図である。 研磨ローラでの定着ベルト研磨時における定着ベルト上の固着WAX除去率を示す図である。 定着ベルト研磨実行動作の一連の処理を示すフローチャートである。 画像形成装置の一例を示す図である。
本実施形態に係る定着装置の構成及び制御について図1を用いて説明する。図1は、定着装置20の一例を示しており、定着ローラ23の軸方向での概略断面図である。
本実施形態に係る定着装置20は、加熱手段(ヒータ37)により加熱される定着部材(定着ベルト22、または定着ローラ23)と、定着ベルト22の少なくとも一部を押圧可能に配置され、定着ベルト22との間にニップ部を形成する加圧部材(加圧ローラ27)と、を備えている。定着装置20は、ニップ部に未定着トナー像24を担持した記録媒体25を搬送して、未定着トナー像24を記録媒体25に定着する。さらに、定着装置20は、定着ベルト22に押し当てられて、定着ベルト表面を改質する定着部材表面改質手段40を備えている。
定着部材表面改質手段40は、定着ベルト22に対して接離可能であり、記録媒体25が定着ニップ部を通過する累積通過時間、または記録媒体25に付着した累積トナー量に応じて、定着ベルト22への接離がなされることを特徴としている。以下、本実施形態に係る定着装置20について、詳細を説明する。
定着装置20は、加熱ローラ21と、定着ローラ23と、加熱ローラ21および定着ローラ23に張架される定着ベルト22と、定着ローラ23を押圧して定着ローラ23との間にニップ部を形成する加圧ローラ27と、を備えている。また、加熱ローラ21は、熱源としてのヒータ37、加圧ローラ27は、熱源としてのヒータ38をそれぞれ内部に有している。
定着装置20は、定着ローラ23と加圧ローラ27との圧接によって形成される定着ベルト22と加圧ローラ27とのニップ部に未定着トナー像24を担持した記録媒体25(用紙)を通紙して加熱定着を行うものである。なお、加熱ローラ21、定着ローラ23及び加圧ローラ27は、定着装置20の図示しない筐体の長手方向に回転可能に軸支され、図示しない各ローラの駆動手段等は、筐体に固定保持されている。
ニップ部を通紙した記録媒体25は、定着ローラ23側に配置された分離板(図示せず)または加圧ローラ27側に配置された分離板(図示せず)によって先端部が分離されて、次工程に排出される。なお、定着ローラ23側、加圧ローラ27側にそれぞれ配置される分離部材としての分離板は、板状の部材に限られるものではなく、分離爪を用いるようにしても良い。また、分離版や分離爪等は画像品質への影響から、定着ベルト22や加圧ローラ27から微小ギャップを備えた非接触状態とするのが好ましい。
加熱ローラ21は、例えば、金属材料からなる薄肉の円筒体であって、その円筒体の内部には熱源としてのヒータ37が固設されている。ヒータ37としては、例えば、ハロゲンヒータやカーボンヒータ等を用いることができる。また、ヒータ37の両端部は、定着装置20の筺体に固定されている。また、ヒータ37は、加熱ローラ21を外部から加熱する誘導加熱手段であっても良い。
ヒータ37は、装置本体の電源部(交流電源)により出力制御され、このヒータ37からの輻射熱によって加熱ローラ21が加熱される。さらに加熱ローラ21によって加熱された定着ベルト22の表面から記録媒体25上の未定着トナー像24に熱が加えられる。ヒータ37の出力制御は、定着ベルト22の表面に対向する位置に設けられるサーモパイル等の温度センサ(図示せず)によるベルト表面温度の検知結果に基づいてなされる。
定着ベルト22は、定着ローラ23と加熱ローラ21の周囲に掛けまわされ、加熱ローラ21および定着ローラ23に密着している。このように構成した定着ベルト22に、定着ローラ23に対応する箇所に加圧ローラ27を押し当てることで、定着ニップ部を構成する。
定着ベルト22は、例えば、PI(ポリイミド)樹脂からなる層厚90μmのベース層上に、シリコーンゴムなどの弾性層、離型層が順次積層された多層構造の無端ベルトである。
定着ベルト22の弾性層は、層厚が350μm程度であって、シリコーンゴム、フッ素ゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性材料で形成されている。定着ベルト22の離型層は、層厚が20μm程度であって、PFA(4フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)等で形成されている。定着ベルト22の表層に離型層を設けることにより、トナー(トナー像)に対する離型性(剥離性)が確保されることになる。
また、定着ベルト22は、例えば、厚さ90μmの耐熱樹脂の無端フィルムであるPIベルトで構成され、表層には、PFA(4フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)などのオフセット防止剤がコーティングされている。
定着ローラ23は、熱源を有しておらず、金属(鉄やアルミ)などの剛性の高い芯材を、シリコーンゴムなどの厚い弾性層で覆ったものである。定着ローラ23の芯金には、定着ローラ23の熱膨張量を判断するための芯金温度検知センサ30が設けられており、芯金温度検知センサ30の検知結果により、定着の熱膨張量を演算する制御部50を有している。
加圧ローラ27は、定着ローラ23と同様に、SUS304等の芯金上に、フッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性層が形成されたローラ部材である。また、円筒体の内部には熱源としてのヒータ38が固設されている。なお、ヒータ38を有さない構成としても良い。
定着ローラ23と加圧ローラ27とは、対向して配置されるゴムローラであり、加圧ローラ27が定着ベルト22を介して定着ローラ23の中心方向に加圧されることにより、加圧ローラ27と定着ベルト22との間でニップ部が形成される。
駆動手段は、定着ローラ23を時計回り方向に回転駆動させる。定着ローラ23の回転により、定着ローラ23に圧接する加圧ローラ27および定着ベルト22が同速で連れ回り回転する。
定着装置20は、定着ベルト22の表面性を維持するため、定着ベルト22に押し当てられて定着部材の表面を改質するための定着部材表面改質手段40を備えており、定着部材表面改質手段40は、定着部材に対して接離可能な構成となっている。定着部材表面改質手段40は、定着部材表面を削る/潰す/軟化させる、あるいは、定着部材表面の異物を吸着する機能を有する。本実施例の定着部材表面改質手段40は、摺擦部材(研磨ローラ41)であり、定着部材表面を微少に削り取り、異物を除去する機能を有している。研磨ローラ41は、軸形状の芯金とそれを覆う研磨層から構成される。また、接離機構部42を有し、研磨ローラ41は接離機構部42により、定着ベルト22に接離可能となっている。接離機構部42は、特に制限されるものではないが、駆動モータを有するカム機構、ソレノイド等が挙げられる。研磨ローラ41は、金属、又は樹脂に直接研磨目が転写されたローラ、またはローラに砥粒が吹き付けられたローラとしてもよい。
研磨ローラ41を定着ベルト22に押し当て定着ベルト22の定着ベルトの異物・付着物を除去、及び定着ベルト上のスジ研磨を行う際に、研磨ローラ41を定着ベルト22に押し当ててから、定着ベルト22を研磨する回転し始めは研磨ローラ41が定着ベルト22に食い込み、定着ベルト22を局所的に必要以上に研磨する(研磨深さが深くなる)ことがある。定着ベルト22で局所的に研磨深さが異なると、トナー像の光沢ムラ、又はスジ状の傷が転写された異常画像となる。これらを防ぐために、研磨ローラ41を定着ベルト22に押し当て力を初期は所定圧より弱く当接させることで、研磨ローラ41が定着ベルト22への必要以上の食い込みを抑制することができ、定着ベルト22は一様な研磨状態をなり、研磨ムラによる異常画像を防ぐことができる。尚、研磨ローラ41を回転させながら定着ベルト22に押し当てる際も同様である。
定着部材表面改質手段40においては、研磨ローラ41の目詰まりで研磨性能が落ちる、また定着ベルトの表層厚みも限られていることから、研磨ローラの使用量を抑えることが必要とされる。そのため、制御部50は、例えば記録媒体25が定着ニップ部を通過する通過時間(すなわち、用紙の定着通過時間)をカウントする機能を有し、定着ニップ部を通過する記録媒体25の累積通過時間が所定の時間を上回ったか否か(すなわち、累積通紙時間が所定の通紙時間を上回ったか否か)を判定する。制御部50は、定着ニップ部を通過する記録媒体25の累積通過時間が所定の時間を上回った(すなわち、すなわち、累積通紙時間が所定の通紙時間を上回った)と判定した場合に、研磨ローラ41を定着ベルトに押し当てることで、研磨ローラの使用量を抑えつつ、定着ベルト22の表面を改質させ、異常画像を防ぐことができる。
定着ベルト22への付着物の主成分はトナーに起因するトナーWAX、シリカなどのトナー外添成分である。そこで、制御部50は、記録媒体25に付着されるトナー濃度、トナー付着面積率を算出してトナー量を算出する機能を有し、定着ニップ部を通過する累積トナーが所定量を上回ったか否かを判定する。制御部50は、定着ニップ部を通過する累積トナーが所定量を上回ったと判定した場合に、研磨ローラ41を定着ベルトに押し当てることで、研磨ローラの使用量を抑えつつ、定着ベルト22の表面を改質させ、異常画像を防ぐことができる。なお、トナー濃度、トナー付着面積率は、例えばフォトセンサ等の様々なトナー付着量センサの検知結果により算出すればよい。
図2に、研磨ローラ41での定着ベルト22研磨時の、定着ベルト22と研磨ローラ41の線速差無しの場合と線速差有りの場合の定着ベルト22上固着WAX除去率を示す。固着WAX除去率は、同量のトナーWAXを定着ベルト22に固着させ、定着ベルト研磨実行前後の定着ベルト重さを計測することにより算出する。
(式1)
固着WAX除去率[%]
= (定着リフレッシュ前のベルト重量[g]−定着リフレッシュ後のベルト重量[g]) /
(定着リフレッシュ前のベルト重量[g]−WAX固着無しの状態のベルト重量[g]) × 100
・・・・・(式1)
図2から定着ベルト22と研磨ローラ41の線速差無しの場合より、線速差有り場合の方が、固着WAX除去率が約3倍良いことが分かる。これは、定着ベルト22と研磨ローラ41に線速差を付けた方が、定着ベルト22上への固着トナーWAXが効率よく除去できる為である。本実施例では、線速差を3倍〜6倍としているが、定着システムによっていくつに設定しても構わない。このように、制御部50は、研磨ローラ41と定着ベルと22とを当接させ、線速差を有して回転させる。
定着装置20においては、必要に応じて、記録媒体25の紙厚や特色トナーの使用有無、紙種等を識別する手段を備えていてもよい。識別する手段は特に制限されるものではないが、例えばフォトセンサ等により検知する手段が挙げられる。光透過量を検出するフォトセンサの場合、記録媒体25を透過する光量の違いから記録媒体25の厚さ等を検知することができる。
なお、上記実施形態では、ベルト定着方式の定着装置を例に説明したが、定着装置の方式は、これに限られるものではなく、例えば、加圧ローラと加熱ローラ(定着ローラ)との圧接によってニップ部を形成するローラ定着方式や、ベルト部材である定着ベルトに替えて定着ローラと加熱ローラに張架されたフィルム部材を用いたフィルム定着方式など、他の定着方式の定着装置に適用したものであっても良い。
図3は、定着ベルト研磨実行動作の一連の処理を示すフローチャートである。
まず、定着ローラ芯金センサ30にて芯金温度を検知し(ステップS301)、制御部50が定着ローラ23の熱膨張量の換算を行う(ステップS302)。次に、制御部50は、定着ローラ23の熱膨張量に応じて、研磨ローラ41が定着ベルト22に所定の圧力で当接するように研磨ローラ41の加圧量の決定し(ステップS303)、研磨ローラ41を定着ベルト22に当接させる(ステップS304)。研磨ローラ41が定着ベルト22と共に一定時間回転し、定着ベルト22材表面を削り取り、定着ベルト22表面の固着あるいは付着したトナーWAXを除去、又は定着ベルト22のスジ研磨を行い(ステップS305)、研磨ローラ41が定着ベルト22から離間する(ステップS306)。
なお、制御部50は、ステップS305の処理を実行中であっても、検知された芯金温度の変化、あるいは定着ローラ23の熱膨張量の変化が、あらかじめ定められた単位時間で所定の閾値を超えた場合には、ステップS303に戻って、再び、研磨ローラ41の加圧量を決定して当接力を変えたうえで、研磨ローラ41を定着ベルト22に当接させてもよい。このような制御を行うことにより、短時間で過度に温度や熱膨張量の変化が生じた場合でも、研磨ローラ41の当接力を補正し、適切に制御することができる。
(画像形成装置)
図4は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるタンデム型カラー複写機の全体構成を説明する概略構成図である。図4を参照して、この画像形成装置の内部構成の概要及び動作について説明する。
図4において、1は画像形成装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体P(図示せず)が収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y,11M,11C,11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ(1次転写バイアスローラ)、15は各感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部を示す。
また、16は中間転写ベルト17を清掃する中間転写ベルトクリーニング部、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上のカラートナー像を記録媒体P上に転写するための2次転写バイアスローラ、20は記録媒体P上のトナー像を定着する定着装置を示す。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス5上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上に向けて発せられる。
一方、4つの感光体ドラム11Y,11M,11C,11BKは、それぞれ、図4の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11Y,11M,11C,11BKの表面は、帯電部12との対向部で、一様に帯電される(帯電工程)。こうして、感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム11Y表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電部12にて帯電された後の感光体ドラム11Y上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11M表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11C表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム11BK表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK表面は、それぞれ、現像部13との対向位置に達する。そして、各現像部13から感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上の潜像が現像される(現像工程)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程)。
そして、転写工程後の感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK表面は、それぞれ、クリーニング部15との対向位置に達する。そして、クリーニング部15で、感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程)。
その後、感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y,11M,11C,11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上の各色のトナーが重ねて転写(担持)された中間転写ベルト17は、図中の時計方向に走行して、2次転写バイアスローラ18との対向位置に達する。そして、2次転写バイアスローラ18との対向位置で、記録媒体P上に中間転写ベルト17上に担持されたカラーのトナー像が転写される(2次転写工程)。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部16に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
ここで、中間転写ベルト17と2次転写バイアスローラ18との間(2次転写ニップ)に搬送される記録媒体Pは、給紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、フルカラー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルトによって定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着部材としての定着ローラと加圧部材としての加圧ローラとのニップにて、カラー画像(トナー)が記録媒体P上に定着される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
このように、本実施例では、記録媒体上のトナー像を加熱してトナー像を記録媒体に定着させる定着装置20において、芯金温度を検知する芯金温度検知部材を有した定着部材と、定着部材を押圧し、定着ニップ部を形成する加圧部材と、定着部材の表面を改質する定着表面改質部材を定着部材に接離可能な接離機構部と、芯金温度検知部材が検知した芯金温度に基づいて、定着表面改質部材と定着部材との間の当接力を変える制御部と、を備えており、定着部材の熱膨張量を定着部材の芯金センサの温度検知結果より換算することで、定着部材への定着表面改質部材の当接力を一定圧に保った(当接量を可変させる)状態で、定着部材の改質動作(定着部材リフレッシュ)を実行する。これにより、定着部材上の異物、付着物が用紙への再付着、定着表面改質部材による研磨ムラでの異常画像の防止を確保することができ、定着部材の表面改質能力と定着部材から用紙へのスジ転写(異常画像)の防止を、生産性を落とすことなく可能とすることができる。
また、制御部は、記録媒体が定着ニップ部を通過する累積通紙時間をカウントし、累積通紙時間が所定の通紙時間を上回った場合に、定着表面改質部材と定着部材とを当接させ、用紙の定着通過時間をカウントし、累積通紙時間が所定の通紙時間を上回った際に、定着部材の改質動作(定着部材リフレッシュ)を実行する。これにより、定着部材上の異物、付着物が用紙への再付着、定着表面改質部材による研磨ムラでの異常画像の防止を行うことができ、定着部材の表面改質能力と定着部材から用紙へのスジ転写(異常画像)を防止することができる。
また、制御部は、センサからの検知結果に基づいて記録媒体上のトナー濃度またはトナー付着面積率を算出し、累積トナー量が所定量を上回った場合に、定着表面改質部材と定着部材とを当接させ、用紙媒体上のトナー濃度、トナー付着面積率の判断カウントし、累積トナー量が所定量を上回った際に、定着部材の改質動作(定着部材リフレッシュ)を実行する。これにより、定着部材上の異物、付着物が用紙への再付着、定着表面改質部材による研磨ムラでの異常画像の防止を行うことが可能となり、定着部材上の異物、付着物が用紙への再付着による異常画像の防止を行うことができる。
また、定着表面改質部材が、軸形状の芯金とそれを覆う研磨層とすることで、表面改質部材を角度に関係なく定着部材に均一に押し当てることができ、定着部材上の異物、付着物が用紙への再付着、定着表面改質部材による研磨ムラでの異常画像の防止を行うことが可能となる。
また、制御部は、定着表面改質部材と定着部材とを当接させ、線速差を有して回転させることで、定着部材の異物、付着物の除去能力を向上させることができる。
また、制御部は、定着表面改質部材により定着部材の研磨処理を実行中であっても、芯金温度の変化、あるいは定着部材の熱膨張量の変化が、単位時間で所定の閾値を超えた場合、再び、定着表面改質部材の当接力の変え、定着表面改質部材を定着部材に当接させる。これにより、短時間で過度に温度や熱膨張量の変化が生じた場合でも、定着表面改質部材の当接力を補正し、適切に制御することができる。
また、定着部材上の異物、付着物が用紙への再付着、定着表面改質部材による研磨ムラでの異常画像の防止を確保した信頼性の高い定着装置、その定着装置を備えた画像形成装置を実現することができる。
なお、画像形成装置としては、例えば、帯電・書込み・現像・転写・クリーニング・除電等を繰り返して像担持体に順次トナー画像を形成し、そのトナー像を逐次転写して、シート・OHPフィルム等の記録媒体に画像を記録する電子写真方式の画像形成装置に適用することができる。また、例えば、そのような画像形成装置において、画像転写後の記録媒体を有する定着部材と加圧部材間に通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着する定着装置に適用することができ、そのような定着装置において、定着部材への異物固着物あるいは付着物による異常画像(光沢ムラなど)を自動抑制し、出力画像品質を落とすことなく、薄紙から厚紙まで定着部材での分離不良を抑制し、記録媒体を搬送することができる。
1 画像形成装置
2 書込み部
3 原稿搬送部
4 原稿読込部
5 コンタクトガラス
7 給紙部
8 給紙ローラ
9 レジストローラ
11Y,11M,11C,11BK 感光体ドラム
12 帯電部
13 現像部
14 転写バイアスローラ(1次転写バイアスローラ)
15 クリーニング部
16 中間転写ベルトクリーニング部
17 中間転写ベルト
18 2次転写バイアスローラ
20 定着装置
21 加熱ローラ
22 定着ベルト
23 定着ローラ
24 トナー像
25 記録媒体
26 入口ガイド板
27 加圧ローラ
28 搬送ベルト
30 定着ローラ芯金センサ
37,38 ヒータ
40 定着部材表面改質手段
41 研磨ローラ(定着部材表面改質部材)
42 接離機構部
50 制御部
特開2011−175067号公報 特許第5939867号明細書 特開2012−175067号公報

Claims (7)

  1. 媒体上のトナー像を加熱して前記トナー像を前記媒体に定着させる定着装置であって、
    芯金温度を検知する芯金温度検知部材を有した定着部材と、
    前記定着部材を押圧し、定着ニップ部を形成する加圧部材と、
    前記定着部材の表面を改質する定着表面改質部材を前記定着部材に接離可能な接離機構部と、
    前記芯金温度検知部材が検知した芯金温度に基づいて、前記定着表面改質部材と前記定着部材との間の当接力を変える制御部と、
    を備えることを特徴とする定着装置。
  2. 前記制御部は、前記媒体が前記定着ニップ部を通過する累積通紙時間をカウントし、前記累積通紙時間が所定の通紙時間を上回った場合に、前記定着表面改質部材と前記定着部材とを当接させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記制御部は、センサからの検知結果に基づいて前記媒体上のトナー濃度またはトナー付着面積率を算出し、累積トナー量が所定量を上回った場合に、前記定着表面改質部材と前記定着部材とを当接させる、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記定着表面改質部材は、軸形状の芯金とそれを覆う研磨層からなる、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記制御部は、前記定着表面改質部材と前記定着部材とを当接させ、線速差を有して回転させる、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記制御部は、前記定着表面改質部材により前記定着部材の研磨処理を実行中であっても、前記芯金温度の変化、あるいは前記定着部材の熱膨張量の変化が、単位時間で所定の閾値を超えた場合、再び、前記定着表面改質部材の当接力を変え、前記定着表面改質部材を前記定着部材に当接させる、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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