以下、本発明に係る構成を図1から図10に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
<第一の実施形態>
本実施形態に係る定着装置の構成及び制御手段による制御について図1を用いて説明する。図1は、定着装置20の一例を示しており、定着ローラ23の軸方向での概略断面図である。なお、本定着装置の制御手段として、後述する図10にて説明する画像形成装置内に全体制御部10を有している。なお、定着装置内に定着制御部を有しても構わない。
本実施形態に係る定着装置20は、加熱手段(ヒータ37)により加熱される定着部材(定着ベルト22)と、定着ベルト22の少なくとも一部を押圧可能に配置され、定着ベルト22との間にニップ部を形成する加圧部材(加圧ローラ27)と、を備えている。定着装置20は、ニップ部に未定着トナー像24を担持した記録媒体25を搬送して、未定着トナー像24を記録媒体25に定着する。さらに、定着装置20は、定着ベルト22に押し当てられて、定着ベルト表面を改質する定着部材表面改質手段40を備え、また、定着ベルト22または加圧ローラ27の少なくとも一方に押し当てられてオイルを塗布するオイル塗布手段29を備えている。
定着部材表面改質手段40は、定着ベルト22に対して接離可能であり、記録媒体25が定着ニップ部を通過する累積通過時間、または記録媒体25に付着した累積トナー量に応じて、定着ベルト22への接離がなされることを特徴としている。
オイル塗布手段29は、オイルが塗布される被塗布部材に対して接離可能であり、記録媒体25の紙種、紙厚と、記録媒体25が定着ニップ部を通過する記録媒体25に付着した累積トナー量と、に応じて、被塗布部材への接離がなされることを特徴としている。
以下、本実施形態に係る定着装置20について、詳細を説明する。
定着装置20は、加熱ローラ21と、定着ローラ23と、加熱ローラ21および定着ローラ23に張架される定着ベルト22と、定着ローラ23を押圧して定着ローラ23との間にニップ部を形成する加圧ローラ27と、を備えている。また、加熱ローラ21は、熱源としてのヒータ37、加圧ローラ27は、熱源としてのヒータ38をそれぞれ内部に有している。
定着装置20は、定着ローラ23と加圧ローラ27との圧接によって形成される定着ベルト22と加圧ローラ27とのニップ部に未定着トナー像24を担持した記録媒体25(用紙)を通紙して加熱定着を行うものである。なお、加熱ローラ21、定着ローラ23及び加圧ローラ27は、定着装置20の図示しない筐体の長手方向に回転可能に軸支され、図示しない各ローラの駆動手段等は、筐体に固定保持されている。
ニップ部を通紙した記録媒体25は、定着ローラ23側に配置された分離板(図示せず)または加圧ローラ27側に配置された分離板(図示せず)によって先端部が分離されて、次工程に排出される。なお、定着ローラ23側、加圧ローラ27側にそれぞれ配置される分離部材としての分離板は、板状の部材に限られるものではなく、分離爪を用いるようにしても良い。また、分離版や分離爪等は画像品質への影響から、定着ベルト22や加圧ローラ27から微小ギャップを備えた非接触状態とするのが好ましい。
加熱ローラ21は、例えば、金属材料からなる薄肉の円筒体であって、その円筒体の内部には熱源としてのヒータ37が固設されている。ヒータ37としては、例えば、ハロゲンヒータやカーボンヒータ等を用いることができる。また、ヒータ37の両端部は、定着装置20の筺体に固定されている。また、ヒータ37は、加熱ローラ21を外部から加熱する誘導加熱手段であっても良い。
ヒータ37は、装置本体の電源部(交流電源)により出力制御され、このヒータ37からの輻射熱によって加熱ローラ21が加熱される。さらに加熱ローラ21によって加熱された定着ベルト22の表面から記録媒体25上の未定着トナー像24に熱が加えられる。ヒータ37の出力制御は、定着ベルト22の表面に対向する位置に設けられるサーモパイル等の温度センサ(図示せず)によるベルト表面温度の検知結果に基づいてなされる。
定着ベルト22は、定着ローラ23と加熱ローラ21の周囲に掛けまわされ、加熱ローラ21および定着ローラ23に密着している。このように構成した定着ベルト22に、定着ローラ23に対応する箇所に加圧ローラ27を押し当てることで、定着ニップ部を構成する。
定着ベルト22は、例えば、PI(ポリイミド)樹脂からなる層厚90μmのベース層上に、シリコーンゴムなどの弾性層、離型層が順次積層された多層構造の無端ベルトである。
定着ベルト22の弾性層は、層厚が350μm程度であって、シリコーンゴム、フッ素ゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性材料で形成されている。定着ベルト22の離型層は、層厚が20μm程度であって、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)等で形成されている。定着ベルト22の表層に離型層を設けることにより、トナー(トナー像)に対する離型性(剥離性)が確保されることになる。
また、定着ベルト22は、例えば、厚さ90μmの耐熱樹脂の無端フィルムであるPIベルトで構成され、表層には、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)などのオフセット防止剤がコーティングされている。
定着ローラ23は、熱源を有しておらず、金属(鉄やアルミ)などの剛性の高い芯材を、シリコーンゴムなどの厚い弾性層で覆ったものである。
加圧ローラ27は、定着ローラ23と同様に、SUS304等の芯金上に、フッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性層が形成されたローラ部材である。また、円筒体の内部には熱源としてのヒータ38が固設されている。なお、ヒータ38を有さない構成としても良い。
定着ローラ23と加圧ローラ27とは、対向して配置されるゴムローラであり、加圧ローラ27が定着ベルト22を介して定着ローラ23の中心方向に加圧されることにより、加圧ローラ27と定着ベルト22との間でニップ部が形成される。
駆動手段は、定着ローラ23を時計回り方向に回転駆動させる。定着ローラ23の回転により、定着ローラ23に圧接する加圧ローラ27および定着ベルト22が同速で連れ回り回転する。
定着装置20は、定着ベルト22の表面性を維持するため、定着ベルト22に押し当てられて定着部材の表面改質手段40を備えており、表面改質手段40は、定着部材に対して接離可能な構成となっている。定着部材表面改質手段40は、定着部材表面を削る/潰す/軟化させる、あるいは、定着部材表面の異物を吸着する機能を有する。本実施形態での定着部材表面改質手段40は、研磨ローラ41の摺擦部材であり、定着部材表面を微少に削り取り、異物を除去する機能を有している。定着表面改質手段は、ローラ形状に限らずシート状、矩形状であってもよい。
また、接離機構部42を有し、研磨ローラ41は接離機構部42により、定着ベルト22に接離可能となっている。接離機構部42は、特に制限されるものではないが、駆動モータを有するカム機構、ソレノイド等が挙げられる。研磨ローラ41は、金属、又は樹脂に直接研磨目が転写されたローラ、またはローラに砥粒が吹き付けられたローラとしてもよい。
また、定着装置20は、研磨ローラ41での定着ベルト22の改質性を一定とするため、及び記録媒体25の分離性を向上させるため、定着部材または加圧部材の少なくとも一方に押し当てられてオイルを塗布するオイル塗布手段29を備えており、オイル塗布手段29は、オイルが塗布される被塗布部材に対して接離可能な構成となっている。以下、被塗布部材と表記した場合、定着部材または加圧部材の少なくとも一方を表すものとする。
また、図1におけるオイル塗布手段29は定着ベルト22にオイル塗布する例が示されているが、これに限られず、加圧ローラ27等にオイル塗布してもよい。図1では、オイル塗布手段29は、オイル塗布ローラ30と接離機構部34を有し、オイル塗布ローラ30は接離機構部34により、定着ベルト22に接離可能となっている。接離機構部34は、特に制限されるものではないが、駆動モータを有するカム機構、ソレノイド等が挙げられる。オイル塗布ローラ30は、スポンジローラ等によりオイル含浸ローラとしてもよく、オイル供給経路を有するオイル塗布ローラ30等にしてもよい。
研磨ローラ41を定着ベルト22に押し当て定着ベルト22の異物・付着物を除去する際に、定着ベルト22を研磨する回転し始めは研磨ローラ41が定着ベルト22に食い込み、定着ベルト22を局所的に必要以上に研磨する(研磨深さが深くなる)ことがある。定着ベルト22で局所的に研磨深さが異なると、トナー像の光沢ムラ、又はスジ状の傷が転写された異常画像となる。これらを防ぐために、研磨ローラ41を定着ベルト22に押し当てる前に定着ベルト22にオイルを塗布することで、研磨ローラ41が定着ベルト22への必要以上の食い込みを抑制することができ、定着ベルト22は一様な研磨状態をなり、研磨ムラによる異常画像を防ぐことができる。
なお、研磨ローラ41を回転させながら定着ベルト22に押し当てる際も同様であり、研磨前に定着ベルト22にオイルを塗布することで、研磨ローラ41が定着ベルト22に当接した時に研磨ローラ41が定着ベルト22に食い込み、局所的研磨深さが深くなることで起こる異常画像を防ぐことができる。また、研磨ローラ41での定着ベルト22研磨中常にオイル塗布を行うことで、研磨中の研磨ムラは防止される。
さらに、研磨ローラ41で定着ベルト22を研磨した後は、定着ベルト22の異物・付着物と一緒に定着ベルト上の分離補助オイルも除去された状態である。そこで、研磨ローラ41での定着ベルト22の研磨後、研磨ローラ41を定着ベルト22より離間させた後も、オイル塗布ローラ30を被塗布部材に押し当てオイルを塗布することにより、記録媒体25の分離性は確保される。
定着部材表面改質手段40においては、研磨ローラ41の目詰まりで研磨性能が落ちる、また定着ベルトの表層厚みも限られていることから、研磨ローラの使用量を抑えることが必要とされる。そのため、例えば記録媒体25が定着ニップ部を通過する通過時間をカウントする機能を有し、定着ニップ部を通過する記録媒体25の累積通過時間が所定の時間を上回った時に、研磨ローラ41を定着ベルトに押し当てることで、研磨ローラの使用量を抑えつつ、定着ベルト22の表面を改質させ、異常画像を防ぐことができる。
定着ベルト22への付着物の主成分はトナーに起因するトナーWAX、シリカなどのトナー外添成分である。そこで、記録媒体25に付着されるトナー濃度、トナー付着面積率を判断する機能を有し、定着ニップ部を通過する累積トナー濃度又はトナー付着面積率が所定の値を上回った時に、研磨ローラ41を定着ベルトに押し当てることで、研磨ローラの使用量を抑えつつ、定着ベルト22の表面を改質させ、異常画像を防ぐことができる。
図1ではオイル塗布手段29が定着ベルト22に当接する位置関係を示したが、図2のようにオイル塗布手段29は加圧ローラ27に当接する位置関係でも良い。
図3に研磨ローラ41での定着ベルト22研磨時の、定着ベルト22と研磨ローラ41の線速差無しの場合と線速差有りの場合の定着ベルト22上の固着WAX除去率を示す。
固着WAX除去率は、同量のトナーWAXを定着ベルト22に固着させ、定着ベルト研磨実行前後の定着ベルト重さを計測することにより算出する。例えば、下記数式(1)で求めることができる。
図3から定着ベルト22と研磨ローラ41の線速差無しの場合より、線速差有り場合の方が、固着WAX除去率が約3倍良いことが分かる。これは、定着ベルト22と研磨ローラ41に線速差を付けた方が、定着ベルト22上への固着トナーWAXが効率よく除去できる為である。
本実施例では、線速差を3倍〜6倍としているが、定着システムによっていくつに設定しても構わない。
オイル含浸ローラ等のオイル塗布ローラ30においては、含浸可能なオイル量は限られているため、使用量を抑えることが必要とされる。そのため、例えば、記録媒体25の分離補助(例えば、定着ベルト22にオイル塗布を行う)が不要な厚紙では、オイル塗布ローラ30を離間させ、分離補助が必要な薄紙の場合にオイル塗布ローラ30を定着ベルト22に接触させるのが好ましい。このようにすることで使用するオイル量を抑えつつ、記録媒体25の分離性を向上させることができる。
なお、被塗布部材に塗布されるオイルの種類は特に制限はなく、潤滑剤として用いることができるものであればよい。また、定着装置20において、オイル塗布手段29は一つであってもよいし、二つ以上備えられていてもよい。
オイル塗布ローラ30は、記録媒体25の紙厚に応じて被塗布部材に接離可能なように制御されているが、対象とする紙厚は目的に応じて変更することができる。例えば、記録媒体25が薄紙の場合、オイル塗布ローラ30を被塗布部材に押し付けるように制御することが好ましい。対象とする薄紙の紙厚は目的に応じて変更することができるが、例えば、105gsm以下の場合、オイル塗布の対象の薄紙とすることができる。
また、オイル塗布ローラ30は、透明トナーおよび白色トナーから選ばれる少なくとも一つを有する特色トナーの使用有無に応じて、被塗布部材への接離がなされるように制御されている。特色トナーが用いられた場合、記録媒体25において定着部材との分離性が低下してしまう。そのため、特色トナーが用いられた場合、オイル塗布ローラ30が被塗布部材に押し付けるように制御されていることが好ましい。これにより、オイルがより塗布されるため、トナーがより多く付着した記録媒体25の分離性を向上させることができる。
また、オイル塗布ローラ30は、通紙される記録媒体25の紙種に応じて、被塗布部材への押し付けが制御されていることが好ましい。記録媒体25の紙種によっては、記録媒体25の分離性が十分でなく、分離されないことがある。そこで、定着分離搬送に不利な紙種である記録媒体25の通紙時は、オイル塗布ローラ30を被塗布部材に接触させ、被塗布部材にオイルを塗布し、分離性を向上させることができる。
ここで、オイル塗布の対象となる記録媒体25の紙種は、目的に応じて変更することができるが、例えば、非コート紙、コート紙に応じてオイル塗布するように制御することができる。分離に不利な非コート紙の場合、オイル塗布手段を被塗布部材に接触させ、コート紙の場合、オイル塗布手段を被塗布部材から離間させるように制御する構成にすることができる。
定着装置20においては、必要に応じて、記録媒体25の紙厚や特色トナーの使用有無、紙種等を識別する手段を備えていてもよい。識別する手段は特に制限されるものではないが、例えばフォトセンサ等により検知する手段が挙げられる。光透過量を検出するフォトセンサの場合、記録媒体25を透過する光量の違いから記録媒体25の厚さ等を検知することができる。
なお、上記実施形態では、ベルト定着方式の定着装置を例に説明したが、定着装置の方式は、これに限られるものではなく、例えば、加圧ローラと加熱ローラ(定着ローラ)との圧接によってニップ部を形成するローラ定着方式や、ベルト部材である定着ベルトに替えて定着ローラと加熱ローラに張架されたフィルム部材を用いたフィルム定着方式など、他の定着方式の定着装置に適用したものであっても良い。
図4は、定着ベルト研磨実行動作の一連のフローである。
まず、オイル塗布ローラ30が回転している被塗布部材に押し当てられ(S101)、被塗布部材に一定時間オイルを塗布する(S102)。次に、研磨ローラ41が定着ベルト22に所定の圧力で当接する(S103)。研磨ローラ41が定着ベルト22と共に一定時間回転し、定着ベルト22材表面を削り取り、定着ベルト22表面の固着あるいは付着したトナーWAXを除去し(S104)、研磨ローラ41が定着ベルト22から離間する(S105)。その後、オイル塗布ローラ30は被塗布部材に一定時間オイルを塗布した後に離間する(S106)。
<第二の実施形態>
以下、本発明に係る定着装置のその他の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の点についての説明は省略する。
図5に示される定着装置20は、オイル塗布手段29の別の実施形態として、クリーニングウェブユニット31を備えている。図5に示されるように、クリーニングウェブユニット31はクリーニング部材(クリーニングウェブ32)と、加圧ローラ27にクリーニングウェブ32を押し当てる押圧部材(押圧ローラ33)を有し、クリーニングウェブユニット31は加圧ローラ27に対して接離可能な構成となっている。
本実施形態では、クリーニングウェブユニット31が加圧ローラ27に接離可能な構成を例として挙げて説明しているが、加圧ローラ27に限られず、定着ベルト22や定着ローラ(ローラ定着方式の場合)に接離可能な構成としてもよい。
定着装置20においては、定着ベルト22、定着ローラ23、加圧ローラ27にトナー等が付着し、汚れてしまい、記録媒体25の分離性の低下や画像の乱れ等が発生することがあるため、クリーニング機能を備えていることが好ましい。クリーニングウェブユニット31においては、クリーニングウェブ32によって加圧ローラ27の汚れがクリーニングされる。クリーニングウェブ32は、クリーニングウェブ供給ローラ35によって少しずつ送られ、クリーニングウェブ巻取りローラ36によって巻き取られて常にきれいな面を接触させ加圧ローラ27を清掃することができる。
また、クリーニングウェブユニット31について、本来のクリーニング機能に加え、表面改質部材の改質性を一定にするための改質部材摺動機能、及び分離補助のオイル塗布機能を合わせ持たせるオイル塗布・表面改質部材とすることで、定着ベルト22及び加圧ローラ27上のオフセットトナーを清掃し、かつオイル塗布による改質部材での一様な研磨性、分離性の向上が可能である。
また、クリーニング部材は、長尺シート状のクリーニングウェブ32であることが好ましい。オイルが含浸された長尺シート状のクリーニングウェブ32を用いることで、オイル塗布ローラ30と比較し、オイル含浸量を増やすことが可能であり、メンテナンス周期を伸ばし、装置の高寿命化を図ることができる。
次に、図1,2,5に示されるような定着装置20を用いた場合におけるオイル塗布手段29の接離の制御例を下記表1に示す。
表1中、「特色トナー」とあるのは、特色トナーが用いられていることを示し、同時にフルカラー用のトナー(Y,M,C,BK)が用いられているかどうかは問わない。
また、表1の制御例では、薄紙は厚さ105gsm以下であり、厚紙は105gsmより大きく、コート紙は、表面に白色顔料を塗布した塗工紙で表面平滑性が高い紙を示す。
表1において、「接触」、「離間」とはオイル塗布手段29が被塗布部材に対して接離することを示し、被塗布部材は、定着部材または加圧部材の少なくとも一方を示す。
表1に示される例では、オイル塗布手段が記録媒体の紙厚と特色トナーの使用有無とに応じて、被塗布部材への接離が制御されており、さらに紙種(コート/非コート)に応じて、接離が制御されている。これにより、定着ローラ等における巻き付きジャムを抑制することができる。
ところで、すでに述べたように、特色トナーを有する画像形成装置では、これまでのフルカラートナー像の上に特色トナー像を順次形成し、両トナー像を同時に定着する方法を採用しているが、用紙に対するトナー付着量はこれまでのフルカラーより増えることとなる。
用紙に対するトナー付着量が増加しているため、定着装置において用紙の滞留(紙詰まり、ジャム)が発生した場合には、多量の未定着トナーをクリーニング手段により清掃、回収しなければならないこととなる。
これに対し、用紙詰まり時に、用紙の種類、画像、環境に応じてクリーニングウェブの巻き取り間隔を変え、ウェブの新たな面で清掃する技術(参考文献:特開2002−278347号公報)が知られているが、フルカラートナーよりトナー付着量が多い、フルカラーおよび特色トナーでの紙詰まり時に発生する被クリーニング部材へのクリーニングウェブの固着を解消することができない。
また、上述した特許文献3,4では、用紙に対する未定着トナーの付着量は少なくすることができるが、フルカラートナー像のみの定着設定温度と特色トナー像の定着設定温度が必ずしも一致しないため、画像形成装置から出力される出力スピードは半減以下となり、生産性が著しく落ちてしまう。
そこで、以下の第三〜第五の実施形態に係る定着装置は、特に、フルカラーおよび特色トナーでの紙詰まり発生時など、多量の未定着トナーをクリーニングする場合に、ジャムからの復帰時に、クリーニング手段と、被クリーニング部材との固着を防いで、生産性を落とすことなく、クリーニングを実行するものである。
<第三の実施形態>
第三の実施形態に係る定着装置の構成及び制御について図6を用いて説明する。図6は、定着装置20の一例を示しており、定着ローラ23の軸方向での概略断面図である。
図6に示す定着装置20は、オイル塗布手段29の他の実施形態として、定着ベルト22または加圧ローラ27の少なくとも一方に押し当てられ、定着ベルト22または加圧ローラ27をクリーニングするクリーニング手段50を備えている。
なお、図6の例では、クリーニング手段50は、加圧ローラ27に当接しているが、これに替えて、またはこれに併せて、定着ベルト22や、定着ローラ(ローラ定着方式の場合)に当接する構成としてもよい。
クリーニング手段50は、オイル(例えば、シリコーンオイル)が含浸された多孔質ローラ(例えば、シリコーンスポンジローラ)であるクリーニングローラ51が、押圧手段としての押圧バネ52により付勢されて、加圧ローラ27に当接している。
なお、上記実施形態のオイル塗布手段29と同様に、クリーニング手段50に加圧ローラ27に対する接離機構部を設け、加圧ローラ27に対し接離可能としてもよい。接離機構部は、特に制限されるものではないが、駆動モータを有するカム機構、ソレノイド等が挙げられる。
さらに、定着装置20は、クリーニングローラ51へ潤滑材(オイル)を塗布する、潤滑材塗布手段60を備えている。
潤滑材塗布手段60は、クリーニングローラ51にオイルを供給するものである。本実施形態では、潤滑材塗布手段60は、オイルをためておくオイル溜まり部と、所定のタイミングで開閉制御されるシャッターを備えている。潤滑材塗布手段60は、所定のタイミングでシャッターを開くことでオイル溜まり部から潤滑剤をクリーニングローラ51に滴下し、クリーニングローラ51に潤滑剤を塗布している。
なお、潤滑材塗布手段60の構成は特に限られるものではなく、例えば、クリーニングローラ51に当接して、クリーニングローラ51に潤滑剤を塗布するものであってもよい。
ここで、クリーニングローラ51に塗布されるオイルの種類は特に制限はなく、潤滑剤として用いることができるものであればよいが、潤滑材塗布手段60がクリーニングローラ51に塗布するオイルは、クリーニングローラ51に含浸されているオイルと同一であることが好ましい。
これにより、潤滑材塗布手段60から新たに塗布されるオイルが、クリーニングローラ51に含浸されているオイルと異なることで生じうる不具合をなくすとともに、クリーニングローラ51のオイルの補充を行うことができる。
そして、本実施形態に係る定着装置20では、記録媒体25が定着ニップ部で紙詰まり(ジャム)した場合に、ジャム復帰時に潤滑材塗布手段60からクリーニング手段50のクリーニングローラ51にオイルを塗布することで、加圧ローラ27にクリーニングローラ51が固着することを防止し、生産性を落とすことなくクリーニング性能を確保することができる。
<第四の実施形態>
第四の実施形態に係る定着装置の構成及び制御について図7を用いて説明する。図7は、定着装置20の一例を示しており、定着ローラ23の軸方向での概略断面図である。
図7に示す定着装置20は、潤滑材塗布手段60として、オイル塗布ローラ61と、オイル塗布ローラ61の接離機構部62と、を備えており、オイル塗布ローラ61は加圧ローラ27に接離可能となっている。
なお、図7の例では、クリーニング手段50および潤滑材塗布手段60は、加圧ローラ27に当接しているが、これに替えて、またはこれに併せて、定着ベルト22や、定着ローラ(ローラ定着方式の場合)に当接する構成としてもよい。
オイル塗布ローラ61は、特に制限されるものではないが、スポンジローラ等のオイル含浸ローラや、オイル供給経路を有しており該オイル供給経路からオイルが供給されるオイル塗布ローラ等であればよい。また、接離機構部62は、特に制限されるものではないが、駆動モータを有するカム機構、ソレノイド等が挙げられる。
本実施形態では、オイル塗布ローラ61を加圧ローラ27に対して、接離可能として、ジャム後に加圧ローラ27に当接させるようにすることで、クリーニングローラ51と加圧ローラ27との固着を防ぐことができる。
また、本実施形態では、潤滑材塗布手段60は、クリーニングローラ51を押し当てる部材に対して備えることが好ましい。すなわち、潤滑材塗布手段60とクリーニング手段50とは、同一の部材(ここでは加圧ローラ27)に対して設けるものである。また、潤滑材塗布手段60は、加圧ローラ27の回転方向におけるクリーニングローラ51の上流側に配置することが好ましい。
これにより、潤滑材塗布手段60が加圧ローラ27に塗布する潤滑材がクリーニングローラ51へ素早く行き渡るようにすることができ、加圧ローラ27にクリーニングローラ51が固着することを防止し、生産性を落とすことなくクリーニング性能を確保することができる。
本実施形態に係る定着装置20では、記録媒体25が定着ニップ部で紙詰まり(ジャム)した場合に、ジャム復帰時に潤滑材塗布手段60から加圧ローラ27にオイルを塗布することで、加圧ローラ27にクリーニングローラ51が固着することを防止し、生産性を落とすことなくクリーニング性能を確保することができる。
<第五の実施形態>
第五の実施形態に係る定着装置の構成及び制御について図8を用いて説明する。図8は、定着装置20の一例を示しており、定着ローラ23の軸方向での概略断面図である。
図8に示す定着装置20は、クリーニング手段50の他の実施形態として、クリーニングウェブユニット53を備えている。図8に示されるように、クリーニングウェブユニット53はクリーニング部材としてのクリーニングウェブ54と、加圧ローラ27にクリーニングウェブ54を押し当てる押圧部材としての押圧ローラ55を有しており。また、クリーニングウェブユニット53は、接離機構部58により、加圧ローラ27に対して接離可能な構成となっている。
本実施形態では、クリーニングウェブユニット53が加圧ローラ27に接離可能な構成を例として挙げて説明しているが、加圧ローラ27に限られず、定着ベルト22や、定着ローラ(ローラ定着方式の場合)に接離可能な構成としてもよい。
クリーニングウェブユニット53においては、クリーニングウェブ54によって加圧ローラ27の汚れがクリーニングされる。クリーニングウェブ54は、クリーニングウェブ供給ローラ56によって少しずつ送られ、クリーニングウェブ巻取りローラ57によって巻き取られて常にきれいな面を接触させ加圧ローラ27を清掃することができる。
本実施形態のように、クリーニング手段50として、オイルが含浸された長尺シート状のクリーニングウェブ54を有するクリーニングウェブユニット53を用いることで、クリーニングローラ51を用いる場合(第三、第四の実施形態)に比較して、オイル含浸量を増やすことが可能となる。よって、クリーニング部材の寿命を延ばしてメンテナンス周期を伸ばすことができる。
次に、潤滑材塗布手段60を備える定着装置20(第三〜第五の実施形態)における潤滑材塗布動作について説明する。図9は潤滑材塗布動作の一例を示すフローチャートである。
潤滑材塗布手段60は、あらかじめ画像形成装置本体の記憶部(メモリ)に保存させている通紙情報から、定着ニップ部で紙詰まり(ジャム)した用紙のトナー濃度やトナー付着面積率に応じて、潤滑材の塗布をおこなうかどうかの制御をすることが好ましい。
図9に示すように、先ず通紙情報をメモリに蓄積し(S201)、定着ニップ部で紙詰まり(ジャム)が発生すると(S202)、トナー濃度、および/またはトナー付着面積率がそれぞれについて予め設定された閾値以上であるかを判断する(S203)。
そして、閾値以上の場合(S203:Y)に、潤滑材塗布手段60による潤滑剤の塗布を実行するものである(S204〜S205)。
また、特色トナーの使用時は、通常のフルカラー時よりもクリーニング性が不利になるため、潤滑材の塗布時間を長くする等の処理を併せて実行することが好ましい。
このように、紙詰まり(ジャム)発生時のトナー濃度、トナー付着面積率を判断、記録する手段を備え、トナー濃度、トナー付着面積率が所定値を超えたと判断して際に潤滑材塗布行うことで、潤滑材の消費量を抑え、潤滑材塗布手段60を高寿命化することが可能となる。
(画像形成装置)
図10は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるタンデム型カラー複写機の全体構成を説明する概略構成図である。図10を参照して、この画像形成装置の内部構成の概要及び動作について説明する。
図10において、1は画像形成装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体P(図示せず)が収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y,11M,11C,11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ(1次転写バイアスローラ)、15は各感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部を示す。
また、16は中間転写ベルト17を清掃する中間転写ベルトクリーニング部、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上のカラートナー像を記録媒体P上に転写するための2次転写バイアスローラ、20は記録媒体P上のトナー像を定着する定着装置を示す。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス5上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上に向けて発せられる。
一方、4つの感光体ドラム11Y,11M,11C,11BKは、それぞれ、図10の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11Y,11M,11C,11BKの表面は、帯電部12との対向部で、一様に帯電される(帯電工程)。こうして、感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム11Y表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電部12にて帯電された後の感光体ドラム11Y上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11M表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11C表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム11BK表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK表面は、それぞれ、現像部13との対向位置に達する。そして、各現像部13から感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上の潜像が現像される(現像工程)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程)。
そして、転写工程後の感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK表面は、それぞれ、クリーニング部15との対向位置に達する。そして、クリーニング部15で、感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程)。
その後、感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y,11M,11C,11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム11Y,11M,11C,11BK上の各色のトナーが重ねて転写(担持)された中間転写ベルト17は、図中の時計方向に走行して、2次転写バイアスローラ18との対向位置に達する。そして、2次転写バイアスローラ18との対向位置で、記録媒体P上に中間転写ベルト17上に担持されたカラーのトナー像が転写される(2次転写工程)。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部16に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
ここで、中間転写ベルト17と2次転写バイアスローラ18との間(2次転写ニップ)に搬送される記録媒体Pは、給紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、フルカラー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルトによって定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着部材としての定着ローラと加圧部材としての加圧ローラとのニップにて、カラー画像(トナー)が記録媒体P上に定着される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラによって、装置本体外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
以上説明したように本実施形態に係る定着装置、画像形成装置は、帯電・書込み・現像・転写・クリーニング・除電等を繰り返して像担持体に順次トナー画像を形成し、そのトナー像を逐次転写して、シート・OHPフィルム等の記録媒体に画像を記録する電子写真方式の画像形成装置、画像転写後の記録媒体を有する定着部材と加圧部材間に通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着する定着装置において、定着部材への異物固着物あるいは付着物による異常画像(光沢ムラなど)を抑制し、出力画像品質を落とすことなく、薄紙から厚紙まで定着部材での分離不良を抑制し、記録媒体を搬送する為のものである。
詳しくは、オイル塗布部材を定着部材に押し付ける動作の後に、定着表面改質部材にて定着部材の改質動作(定着部材リフレッシュ)を実行することで、定着部材上の異物、付着物が用紙への再付着、定着表面改質部材による研磨ムラでの異常画像の防止、及び定着部材からの用紙分離性を確保することができる。
また、用紙の定着通過時間をカウントし、累積通紙時間が所定の通紙時間を上回った際に、定着部材の改質動作(定着部材リフレッシュ)を実行することで、定着部材上の異物、付着物の用紙への再付着、定着表面改質部材による研磨ムラでの異常画像の防止を行うことが可能となる。
さらに、用紙媒体上のトナー濃度、トナー付着面積率の判断をし、累積トナー量若しくはトナー付着面積率が所定量を上回った際に、定着部材の改質動作(定着部材リフレッシュ)を自動実行することで、定着部材上の異物、付着物の用紙への再付着、定着表面改質部材による研磨ムラでの異常画像の防止を行うことが可能となる。
また、定着表面改質部材が定着部材と当接し、線速比を持って回転することで、定着部材の異物、付着物の除去能力を向上させることができる。
また、定着部での分離に不利な紙種が通紙された時にオイル塗布部材を定着部材に押し付ける動作を行うことで、オイルにより定着部材から用紙分離性を確保することができる。
また、用紙媒体上のトナー濃度、トナー付着面積率の判断機能にて、用紙付着トナー量が所定量以上の時に、オイル塗布部材を定着部材に押し付ける動作を行うことで、トナー付着量が高い時においてもオイルにより定着部材から用紙分離性を確保することができる。
さらに、オイル供給手段を有するクリーニング部材にて、定着部材にオイルを塗布することにより、定着部材から用紙分離性を確保することができる。
また、クリーニング部材を、長尺シート状のクリーニングウェブとすることで、クリーニング部材の寿命を延ばし、かつ、クリーニング部材に含浸されてオイルにより定着部材から用紙分離性を確保することができる。
そして、本実施形態の画像形成装置によれば、定着部材に接離可能な定着表面改質部材、及び定着部材または加圧部材に接離可能なオイル塗布部材を有する定着装置を備え、定着部材上の異物、付着物の用紙への再付着、定着表面改質部材による研磨ムラでの異常画像の防止、及び定着部材からの用紙分離性を確保した、信頼性の高い画像形成装置を実現することができる。
また、潤滑材塗布手段を有する定着装置を備える画像形成装置によれば、定着部材または加圧部材にクリーニング部材が固着することを防止し、生産性を落とすことなく定着クリーニング性を確保することができる。
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。