JP2018090550A - ケラチン繊維を処理するための、グルタル酸及び少なくとも1種の芳香族アルコールを含有する組成物 - Google Patents

ケラチン繊維を処理するための、グルタル酸及び少なくとも1種の芳香族アルコールを含有する組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ケラチン繊維、好ましくは毛髪を処理するための組成物であって、ケラチン繊維に対する処理効率を向上させ、特にケラチン繊維に対する縮毛矯正効率及びボリュームダウン効率を向上させ、加えてケラチン繊維に対する滑らかさ付与効果を有する組成物を提供すること。【解決手段】本発明の目的は、(a)グルタル酸、及び(b)少なくとも1種の芳香族アルコールを含む、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を処理するための組成物によって達成することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、ケラチン繊維を処理するための組成物に関し、特に、グルタル酸及び少なくとも1種の芳香族アルコールを含む、ヘアケア及び/又は毛髪パーマネントウェーブ用組成物に関する。
毛髪化粧品の分野において、毛髪処理効果は非常に重要な特性である。これまでに、ヘアケア化粧料に関するいくつかの先行技術文献が公表されてきた。
WO2014/104340では、成分(A)4meq/g〜10meq/g(両端値を含む)の範囲のカチオン性電荷密度を有するカチオン性ポリマー、成分(B)脂肪酸、成分(C)カチオン性界面活性剤、成分(D)シリコーン、及び成分(E)有機酸又は無機酸を含む、洗い流しタイプの毛髪化粧用組成物であって、成分(A)の成分(B)に対する質量比((A)/(B))が0.1〜9(両端値を含む)の範囲であり、成分(A)及び成分(B)が水不溶性複合体を形成し、20倍に希釈したときの組成物の(25℃における)pHが2〜5(両端値を含む)の範囲である、毛髪化粧用組成物が開示されている。
WO2015/017768では、毛髪又は皮膚における結合、例えばジスルフィド結合を修復するための組成物であって、遊離チオール基と反応することが可能な少なくとも2つの反応部分を含む特定の結合剤と、水性溶媒と、1種又は複数種の保存剤、安定剤、又はこれらの組み合わせとを含む、組成物が開示されている。
しかし、毛髪処理効率の成績が向上したヘアケア化粧料に対する需要は、依然として存在する。
WO2014/104340 WO2015/017768
本発明の目的は、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を処理するための組成物であって、ケラチン繊維に対する処理効率を向上させ、特にケラチン繊維に対する縮毛矯正(relaxation)効率及びボリュームダウン効率を向上させ、加えてケラチン繊維に対する滑らかさ付与効果を有する組成物を提供することである。
本発明の上記目的は、
(a)グルタル酸、及び
(b)少なくとも1種の芳香族アルコール
を含む、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を処理するための組成物によって達成することができる。
この芳香族アルコールは、一般式(I):
Figure 2018090550
によって表すことができる
[式中、
- aは、0〜5、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1の整数を示し、
- bは、0又は1の整数を示し、
- Rは、H、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、又はC1〜C6アルケニル基を示し、
- Xは、C1〜C4アルキレン又はC1〜C4アルキニレン基を示し、
- Yは、単結合、C1〜C4アルキレン、又はC1〜C4アルキニレン基を示す]。
好ましくは、一般式(I)において、
- aは、0又は1の整数を示し、
- bは、0又は1の整数を示し、
- Rは、H、ハロゲン、C1〜C6アルキル基を示し、
- Xは、C1〜C4アルキレン基を示し、
- Yは、単結合又はC1〜C4アルキレン基を示す。
より好ましくは、一般式(I)において、
- aは、0であり、
- bは、1であり、
- Xは、C1〜C4アルキレン基を示し、
- Yは、単結合を示す。
本発明の好ましい一実施形態において、芳香族アルコールはフェノキシエタノールである。
グルタル酸は、組成物の総質量に対して、0.05質量%〜20質量%、好ましくは0.1質量%〜15質量%、より好ましくは0.5質量%〜10質量%を範囲とする含量で存在することができる。
芳香族アルコールは、組成物の総質量に対して、0.005質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜5質量%、より好ましくは0.02質量%〜3質量%を範囲とする含量で存在することができる。
本発明による組成物は、カチオン性、アニオン性、非イオン性、及び両性界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤を更に含んでもよい。
本発明による組成物は、少なくとも1種の酸化剤を更に含んでもよい。
本発明による組成物は、少なくとも1種のカチオン性ポリマーを更に含んでもよい。
本発明はまた、ケラチン繊維をケア(手入れ)又はコンディショニングするための化粧方法であって、本発明による組成物をケラチン繊維に塗布する工程を含む、化粧方法にも関する。
本発明はまた、ケラチン繊維、好ましくは毛髪をパーマ処理するための化粧方法であって、ケラチン繊維を還元した後に、本発明による組成物をケラチン繊維に塗布する工程を含む、化粧方法にも関する。
鋭意検討の結果、驚くべきことに、発明者らは、グルタル酸と少なくとも1種の芳香族アルコールとの組み合わせが、ケラチン繊維、好ましくは毛髪に対する縮毛矯正効果、ボリュームダウン効果、及び滑らかさ付与効果等の、ケラチン繊維に対する処理効果の成績を向上させる、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を処理するための組成物をもたらすことができることを見出し、したがって本発明を完成させた。
したがって、本発明によるケラチン繊維、好ましくは毛髪を処理するため組成物は、
(a)グルタル酸、及び
(b)少なくとも1種の芳香族アルコール
を含む。
本明細書における「ケラチン繊維」は、少なくとも1種のケラチン物質を含む繊維を意味する。ケラチン繊維表面の少なくとも一部は、ケラチン物質によって形成されることが好ましい。ケラチン繊維の例としては、毛髪、眉毛、まつ毛等が挙げられる。本発明は、毛髪を処理するために使用されることが好ましい。
とりわけ、本発明による組成物は、優れた毛髪縮毛矯正効果、毛髪ボリュームダウン効果、及び毛髪に対する滑らかさ付与効果を有する。更に、この組成物は、毛髪に柔らかさ及び柔軟性を付与することができる。加えて、本発明の組成物は、毛髪のウェーブ性能を向上させることができる。
以下、本発明による組成物を詳細に説明する。
[組成物]
本発明による、ケラチン繊維、好ましくは毛髪を処理するための組成物は、(a)グルタル酸、及び(b)少なくとも1種の芳香族アルコールを含む。
(グルタル酸)
本発明による組成物は、(a)グルタル酸を含む。
グルタル酸は、下の一般式:
Figure 2018090550
によって提示することができる。
驚くべきことに、発明者らは、グルタル酸と芳香族アルコールとの組み合わせが、グルタル酸の代わりに別のジカルボン酸を使用する任意の他の組み合わせに比べて、優れたヘアケア及び/又はコンディショニング効果、加えて毛髪パーマネントウェーブ処理における優れた毛髪ウェーブ性能をもたらすことができることを見出した。
グルタル酸は、組成物の総質量に対して、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上の含量で存在することができる。グルタル酸は、組成物の総質量に対して、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下の含量で存在することができる。
グルタル酸は、組成物の総質量に対して、0.05質量%〜20質量%、好ましくは0.1質量%〜15質量%、より好ましくは0.5質量%〜10質量%を範囲とする含量で存在することができる。
(芳香族アルコール)
本発明による組成物は、(b)少なくとも1種の芳香族アルコールを含む。2種以上の(b)芳香族アルコールを組み合わせて使用してもよい。したがって、単一タイプの芳香族アルコールも、異なるタイプの芳香族アルコールの組み合わせも、使用することができる。
本明細書で使用される「芳香族アルコール」という用語は、少なくとも1つの芳香環、及び芳香環に直接連結しているか又は芳香環上の少なくとも1つの置換基に連結している少なくとも1つのアルコール官能基、すなわち-OH基を含む任意の化合物を意味する。
芳香族アルコールは、1つの-OH基を有するモノアルコールであっても、ジアルコール等の、2つ以上の-OH基を有するポリオールであってもよい。好ましくは、芳香族アルコールはモノアルコールである。
芳香族アルコールは、好ましくは、1つ又は複数のベンゼン環、ナフタレン環、又はフラン環を含む。より好ましくは、芳香族アルコールは、1つ又は複数のベンゼン環を含む。特に、芳香族アルコールは、1つのベンゼン環を含むことができる。
本発明の好ましい一実施形態において、芳香族アルコールは、1つのベンゼン環、及びベンゼン環上の置換基に連結している1つの-OH基を含む。
芳香族アルコールは、第一級アルコールであっても、第二級アルコールであっても、第三級アルコールであってもよい。優先的には、芳香族アルコールは第一級アルコールである。
本発明の好ましい一実施形態において、芳香族アルコールは、以下の一般式(I):
Figure 2018090550
によって提示することができ、式中、
- aは、0〜5、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1の整数を示し、
- bは、0又は1の整数を示し、
- Rは、H、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、又はC1〜C6アルケニル基を示し、
- Xは、C1〜C4アルキレン又はC1〜C4アルキニレン基を示し、
- Yは、単結合、C1〜C4アルキレン、又はC1〜C4アルキニレン基を示す。
このアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキレン、及びアルキニレン基の各々は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、ハロゲン、アミン基(-NH2)、及びオキソ基(=O)から選択される1つ又は複数の置換基で置換されてもよい。
ハロゲンは、F、Cl、Br、及びIから選択することができ、好ましくは、ハロゲンはClである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、一般式(I)において、
- aは、0又は1の整数を示し、
- bは、0又は1の整数を示し、
- Rは、H、ハロゲン、又はC1〜C6アルキル基を示し、
- Xは、C1〜C4アルキレン基を示し、
- Yは、単結合又はC1〜C4アルキレン基を示す。
本発明の特に好ましい一実施形態において、一般式(I)において、
- aは、0であり、
- bは、1であり、
- Xは、C1〜C4アルキレン基を示し、
- Yは、単結合を示す。
本発明の別の実施形態において、本明細書で使用される芳香族アルコールは、ベンジルアルコール、ベンジルグリコール、フェノキシエタノール、ジクロロベンジルアルコール、メチルフェニルブタノール、フェノキシイソプロパノール、1-フェニル-1-プロパノール、1-フェニル-2-プロパノール、2-フェニル-1-プロパノール、2-フェニル-2-プロパノール、3-フェニル-1-プロパノール、1-フェニルエチルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、ベンジルオキシエタノール、シンナミルアルコール、4-メトキシベンジルアルコール、4-メチルベンジルアルコール、及びこれらの混合物から選択することができる。特に好ましくは、芳香族アルコールはフェノキシエタノールである。
芳香族アルコールは、組成物の総質量に対して、0.005質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上の含量で存在することができる。芳香族アルコールは、組成物の総質量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下の含量で存在することができる。
芳香族アルコールは、組成物の総質量に対して、0.005質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜5質量%、より好ましくは0.02質量%〜3質量%を範囲とする含量で存在することができる。
(その他の成分)
- 界面活性剤
本発明による組成物は、好ましくは、少なくとも1種の界面活性剤を含むことができる。本発明で使用される界面活性剤には、カチオン性、アニオン性、非イオン性、及び両性界面活性剤が含まれる。
非イオン性界面活性剤としては、以下のものを挙げることができる:
- ポリエトキシ化脂肪アルコール又はポリグリセロール化脂肪アルコール、例えばラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物等、とりわけ9〜50個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではラウレス-9からラウレス-50);ベヘニルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ9〜50個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではベヘネス-9からベヘネス-50);セチルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ10〜30個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではセテス-10からセテス-30);ステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ2〜20個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではステアレス-2からステアレス-20);オレイルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ10〜30個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではオレス-10からオレス-30、例えばオレス-20);並びにこれらの混合物
- 糖及びC8〜C24脂肪酸のエステル並びにこれらのオキシアルキレン化誘導体、例えばC8〜C24脂肪酸のポリエトキシ化ソルビトールエステル等、特にCroda社から「TWEEN 80」の名称で販売されている製品等のポリソルベート80;糖及びC8〜C24脂肪アルコールのエーテル、例えばSEPPIC社から「ORAMIX CG110」の名称で販売されている製品等のカプリリル/カプリルグルコシド等;
- 脂肪酸、とりわけC8〜C24脂肪酸、好ましくはC16〜C22脂肪酸と、ポリオール、とりわけグリセロール又はソルビトールとのエステル、例えば、Goldschmidt社からTegin M(登録商標)の名称で販売されているステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、イソステアリン酸ポリグリセリル、モノステアリン酸ポリグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10、モノオレイン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、例えばHills社の製品Imwitor 312(登録商標)等、(ジ)ラウリン酸ジエチレングリコール、ペンタオレイン酸デカグリセリル、ペンタジイソステアリン酸デカグリセリル、カプリン酸/カプリル酸グリセリル、(イソ)ステアリン酸ポリグリセリル-2及び(ポリ)リシノレイン酸ポリグリセリル-2;
- オキシアルキレン化アルコール、特に、1〜15個のオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位を含むことができるオキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化アルコール、特にエトキシ化C8〜C24脂肪アルコール、好ましくはC12〜C18脂肪アルコール、例えば、2個のオキシエチレン単位でエトキシ化されたステアリルアルコール等(CTFA名:ステアレス-2、例えば、Uniqema社から販売されているBrij 72等)、又はオキシエチレン化オレイルアルコール;
- 脂肪アルコール、例えば、セチルステアリルアルコール等。
アニオン性界面活性剤としては、以下のものを挙げることができる:
- C16〜C30脂肪酸の塩、とりわけアミン塩、例えばステアリン酸トリエタノールアミン又は2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオールステアレート等;
- ポリオキシエチレン化脂肪酸塩、とりわけアミン化塩又はアルカリ金属の塩、及びこれらの混合物;
- リン酸エステル及びその塩、例えばDEAオレス-10ホスフェート(Croda社のCrodafos N ION)又はモノカリウムモノセチルホスフェート(Givaudan社のAmphisol K又はUniqema社のArlatone MAP 160K)等;
- スルホスクシネート、例えばPEG-5ラウリルクエン酸スルホコハク酸二ナトリウム及びリシノレアミドMEAスルホコハク酸二ナトリウム等;
- 硫酸アルキルエーテル、例えばラウリルエーテル硫酸ナトリウム等;
- イセチオネート;
- アシルグルタメート、例えば水素化タロウグルタミン酸二ナトリウム(Ajinomoto社から販売されているAmisoft HS-21 R(登録商標)等、並びにこれらの混合物。
カチオン性界面活性剤としては、以下のものを挙げることができる:
- アルキルイミダゾリジニウム、例えばイソステアリルエチルイミドニウムエトスルフェート等、
- アンモニウム塩、例えば(C12〜30アルキル)トリ(C1〜4アルキル)アンモニウムハライド等、例えば、N,N,N-トリメチル-1-ドコサンアミニウムクロリド又はベヘントリモニウムクロリド。
両性界面活性剤としては、N-アシルアミノ酸、例えばN-アルキルアミノアセテート及びココアンホ二酢酸二ナトリウム等、並びにアミンオキシド、例えばステアラミンオキシド及びラウラミンオキシド等、を挙げることができる。
界面活性剤は、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜20質量%、好ましくは0.1質量%〜10質量%、より好ましくは1質量%〜5質量%を範囲とする含量で存在することができる。
- pH調整剤
本発明による組成物は、好ましくは、少なくとも1種のpH調整剤を含むことができる。pHの所望の値への調整は、pH調整剤、例えば有機塩基若しくは無機塩基又は有機酸若しくは無機酸又はこれらの塩等を組成物に添加することによって、従来通り行うことができる。塩基には、例えば、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム又は第一級、第二級又は第三級(ポリ)アミン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン又は1,3-プロパンジアミン等が含まれる。有機酸には、例えば、カルボン酸、クエン酸、酒石酸及び乳酸が含まれる。無機酸には、例えば、塩酸、硝酸、オルトリン酸及びスルホン酸が含まれる。塩には、例えば、リン酸ナトリウム及びリン酸三ナトリウムが含まれる。
pH調整剤は、組成物のpHを所望の値に調整するのに十分な含量、例えば、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.1質量%〜5質量%、より好ましくは0.5質量%〜3質量%を範囲とする含量で、存在することができる。
- 酸化剤
本発明による組成物が毛髪のパーマネントウェーブ処理用の二剤として使用される場合、好ましくは、組成物は少なくとも1種の酸化剤を含むことができる。酸化剤は、過酸化水素、アルカリ金属臭素酸塩、フェリシアン化物、過酸化塩、及び加水分解によって過酸化水素を生成することができる化合物から選択することができる。例えば、酸化剤は、過酸化水素水溶液、過酸化尿素、臭素酸ナトリウム等のアルカリ金属臭素酸塩、並びに過ホウ酸塩及び過硫酸塩等の過酸塩から選択することができる。
酸化剤は、組成物の総質量に対して、0.1質量%〜30質量%、好ましくは0.5質量%〜20質量%、より好ましくは1質量%〜10質量%を範囲とする含量で存在することができる。
- 他のコンディショニング剤
本発明による組成物は、毛髪等のケラチン繊維の美容特性を向上する効果を有する他のコンディショニング剤を、任意選択で含有することもできる。これに関しては、例えば、アルキルジアリルアミン又はジアルキルジアリルアンモニウムのシクロポリマー等のカチオン性ポリマー、例えばポリクオタニウム-6及びポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-22等の両性ポリマー、アニオン性又は非イオン性ポリマー、タンパク質、タンパク質加水分解物、チロシン、グリシン、及びアルギニン酸等のアミノ酸、セラミド、擬似セラミド、直鎖状又は分枝状の(C16〜C40)鎖を有する脂肪酸、例えば18-メチルエイコサン酸等、ヒドロキシ酸、ビタミン、及びパンテノールを挙げることができる。
他のカチオン性ポリマーとしては、以下を挙げることができる:
(1)アクリル酸又はメタクリル酸のエステル又はアミドに由来し、以下の式(I)、(II)、(III)又は(IV)の単位:
Figure 2018090550
のうちの少なくとも1つを含むホモポリマー又はコポリマー
[式中、
R3は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はCH3基を表し、
Aは、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状のC1〜C6アルキル基又はC1〜C4ヒドロキシアルキル基を表し、
R4、R5及びR6は、同一であっても異なっていてもよく、C1〜C18アルキル基又はベンジル基を表し、
R1及びR2は、同一であっても異なっていてもよく、水素又はC1〜C6アルキル基を表す];
(2)第四級アンモニウム基を含むセルロースエーテル;
(3)水溶性の第四級アンモニウムモノマーでグラフトされたセルロース又はセルロースコポリマー;
(4)非セルロースカチオン性多糖;
(5)ピペラジニル単位と、酸素原子、硫黄原子若しくは窒素原子によって、又は芳香族環若しくは複素環によって中断されているか又は中断されていない直鎖状鎖又は分枝状鎖を含有する、二価のアルキレン基又はヒドロキシアルキレン基とからなるポリマー、並びにこれらのポリマーの酸化生成物及び/又は第四級化生成物;
(6)酸性化合物をポリアミンと重縮合させることによって調製される、水溶性ポリアミノアミド;
(7)2つの第一級アミン基及び少なくとも1つの第二級アミン基を含有するポリアルキレンポリアミンを、ジグリコール酸及び飽和C3〜C8脂肪族ジカルボン酸から選択されるジカルボン酸と反応させることによって得られるポリマー;
(8)式(V):
Figure 2018090550
に対応する繰り返し単位を含有する第四級ジアンモニウムポリマー
[式中、
R10、R11、R12及びR13は、同一であっても異なっていてもよく、C1〜C20脂肪族基、脂環式基若しくはアリール脂肪族基、又はアルキル基がC1〜C4であるヒドロキシアルキル脂肪族基を表し、或いはR10、R11、R12及びR13は、一緒に又は別々に、それらが結合している窒素原子と共に、窒素以外の第2のヘテロ原子を含有するか又は含有しない複素環を構成し、或いはR10、R11、R12及びR13は、ニトリル基、エステル基、アシル基若しくはアミド基で置換された直鎖状又は分枝状のC1〜C6アルキル基、又は-CO-O-R14-D基若しくは-CO-NH-R14-D基(式中、R14はアルキレン基であり、Dは第四級アンモニウム基である)を表し、
A1及びB1は、C2〜C20ポリメチレン基を表し、これは直鎖状であっても分枝状であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、主鎖中に結合された若しくは挿入された1つ若しくは複数の芳香族環、又は1つ若しくは複数の酸素原子若しくは硫黄原子、又はスルホキシド基、スルホン基、ジスルフィド基、アミノ基、アルキルアミノ基、ヒドロキシル基、第四級アンモニウム基、ウレイド基、アミド基若しくはエステル基を含有してもよく、
X-は、鉱酸又は有機酸から誘導されるアニオンを表し、
A1、R10及びR12は、結合している2個の窒素原子と一緒になってピペラジン環を形成してもよく、
加えて、A1が、直鎖状又は分枝状、飽和又は不飽和の、アルキレン又はヒドロキシアルキレン基を表す場合、B1は-(CH2)n-CO-D-OC-(CH2)n-基も表す可能性があり、式中、nは1から100の間であり、Dは以下を表す:
a)式:-O-Z-O-のグリコール残基(式中、Zは、-(CH2-CH2-O)x-CH2-CH2-;-[CH2-CH(CH3)-O]y-CH2-CH(CH3)-(式中、x及びyは、規定された独自の重合度を表す1〜4の整数、又は、平均重合度を表す1〜4の任意の数を示す);
b)ビス-第二級ジアミン残基;
c)式:-NH-Y-NH-のビス-第一級ジアミン残基(式中、Yは、直鎖状若しくは分枝状の炭化水素系基、又は-CH2-CH2-S-S-CH2-CH2-基を表す);
d)式:-NH-CO-NH-のウレイレン基];
(9)式(VI):
Figure 2018090550
の繰り返し単位からなるポリ第四級アンモニウムポリマー[式中、pは、およそ1〜6を範囲とする整数を表し、Dは、0であっても-(CH2)r-CO-基(式中、rは、4又は7に等しい数を表す)を表してもよく、X-は、アニオンである];
(10)ビニルピロリドン及びビニルイミダゾールの第四級ポリマー;
(11)ビニルアミドのホモポリマー又はコポリマー;
(12)カチオン性ポリウレタン;
(13)カチオン性タンパク質加水分解物、ポリアルキレンイミン、ビニルピリジン又はビニルピリジニウム単位を含有するポリマー。
他のコンディショニング剤は、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜30質量%、好ましくは0.1質量%〜20質量%、より好ましくは1質量%〜10質量%を範囲とする含量で存在することができる。
- 添加剤
本発明による組成物は、ケラチン繊維を処理するための組成物の分野において慣例的に用いられている全てのアジュバント、例えば、親水性溶媒、香料、芳香剤、増粘剤、クロルヘキシジンジグルコン酸塩等の保存剤、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)及びその塩等の金属イオン封鎖剤、発泡調節剤、着色剤、保湿剤、抗フケ剤、抗脂漏剤、日焼け止め等、を更に含有してもよい。
本発明による組成物中に含まれる添加剤の量は限定されないが、本発明による組成物の総質量に対して0.01〜30質量%とすることができる。
本発明の組成物は、ローション、ゲル、増粘化されているか若しくは増粘化されていないW/O若しくはO/Wエマルジョン、フォーム、又はクリーム等の任意の形態で存在することができる。本発明の組成物は、スプレーボトル、ポンプボトル又はエアゾール缶等の任意の容器中に含有させることができる。
本発明による組成物は、ケラチン繊維を処理するための組成物として使用することができる。例えば、この組成物は、シャンプー、コンディショナー、ヘアトリートメントクリーム、ジェル、ムース、ポンプ式ヘアスプレー、エアゾール式ヘアスプレー、セットローション、ブロースタイリングローション、ヘアカラーローション、毛髪縮毛矯正組成物、パーマネントウェーブ用還元剤、パーマネントウェーブ処理用中和剤、及びカラーリング組成物に配合することができる。
とりわけ、本発明による組成物は、優れた毛髪縮毛矯正効果、毛髪ボリュームダウン結果、及び毛髪に対する滑らかさ付与効果を有し、また、毛髪に柔軟性及び柔らかさも付与するため、この組成物はヘアケア処理組成物として好適である。これらの効果の他に、この組成物は毛髪パーマネントウェーブ処理におけるウェーブ性能を向上させる特性を有するため、パーマネントウェーブ処理において、とりわけ毛髪パーマネントウェーブ処理の中和剤として、非常に有用である。
概して、本発明による組成物のpHは、例えば、2〜12とすることができる。この組成物がヘアケア処理組成物として使用される場合、組成物は、3.0〜6.0、好ましくは3.5〜5.0を範囲とするpHを有することができる。この組成物がパーマネントウェーブ処理用中和剤として使用される場合、組成物は、2.0〜10.0、好ましくは2.5〜9.0を範囲とするpHを有することができる。
本発明による組成物は、当技術分野における通常の手法によって、例えば、(a)グルタル酸及び(b)芳香族アルコールを混合することによって、製造することができる。前述の他の成分は、グルタル酸及び芳香族アルコールと共に混合することができる。これらの成分を混ぜている間、必要な場合は加熱してもよい。
[化粧方法]
本発明は、ケラチン繊維を処理するため、好ましくは毛髪をコンディショニング、ケア(手入れ)、又はパーマ処理するための方法、好ましくは化粧方法であって、本発明による組成物をケラチン繊維に、好ましくは毛髪に塗布する工程を含む、方法にも関する。
この組成物は、最初に手に塗布し、次にその手で毛髪に接触することによって毛髪に塗布することができ、別の実施形態においては、この組成物は、スプレー等によって毛髪に直接塗布することができる。また、この組成物は、アプリケーター又はデバイスの使用によって毛髪に送達させることもできる。この組成物は、リーブオン処理として毛髪に塗布することができる。
本発明の一実施形態において、この組成物は、ヘアケア組成物又は毛髪コンディショニング組成物として使用することができる。そのため、本発明は、ヘアケア組成物又は毛髪コンディショニング組成物としてのグルタル酸及び芳香族アルコールの組み合わせの使用にも関する。
本発明による組成物の優れた毛髪縮毛矯正効果、毛髪ボリュームダウン結果、及び毛髪に対する滑らかさ付与効果を鑑みれば、本発明による化粧方法は毛髪に魅力的な外観を付与することができる。
また、本発明は、毛髪をパーマ処理するための化粧方法であって、毛髪を還元した後に、本発明による組成物を毛髪に塗布する工程を含む、方法にも関する。
本発明の一実施形態において、この組成物は、毛髪パーマネントウェーブ処理において、とりわけ中和剤として、使用することができる。そのため、本発明は、毛髪パーマネントウェーブ処理における、特に中和剤としての、グルタル酸及び芳香族アルコールの組み合わせの使用にも関する。
本発明による組成物が中和剤として使用され得る場合、毛髪は、本発明による組成物を塗布する前に、毛髪パーマネントウェーブ用の従来の還元剤で処理する。そのため、本発明による組成物は、毛髪パーマネントウェーブ用の中和剤として使用される場合、本発明の化粧方法は以下の工程によって実施することができる:
(i)還元剤を毛髪に塗布する工程;
(ii)任意選択で毛髪をすすぐ工程;
(iii)本発明による組成物を毛髪に塗布する工程;及び
(iv)任意選択で毛髪をすすぐ、及び/又は、乾燥させる工程。
工程(i)で使用される還元剤は、好ましくは、水酸化アンモニウム等の少なくとも1種のアルカリ剤と、コンディショニング剤、シリコーン、及び界面活性剤等の当分野で一般的に使用される他の構成成分とを含む。還元剤は、乳酸、クエン酸及びリン酸等の酸性剤を含んでもよい。工程(i)において、毛髪におけるジスルフィド結合が還元される。還元剤の塗布は、アプリケーター、ブラシ及び櫛等の任意の手段によって実施することができる。毛髪は、還元剤を塗布した後、一定の時間、通常1分〜1時間、そのまま放置することが可能であり得る。毛髪は、工程(i)の前及び/又は後に、毛髪のパーマネント変形のために通常使用される機械的張力に供されてもよい。
毛髪を意図した形状に変形するために、任意の手段によって毛髪に機械的張力を適用することができる。例えば、機械的張力は、カーラー、ローラー、クリップ、プレート及びアイロンからなる群から選択される少なくとも1つの再整形手段によって加えることができる。再整形手段は、少なくとも1つのヒーターを備えることができる。毛髪をカーラーに巻きつける場合、この巻き上げは、毛髪の全長に対して又は、例えば毛髪の長さの半分に対して実施してもよい。例えば、所望のヘアスタイルの形状及びカールの量によっては、巻き上げを多少太い束で実施してもよい。
工程(ii)において、毛髪を好ましくは水ですすいでもよい。必要な場合、毛髪を変形又は再整形するために、好ましくは工程(i)又は工程(ii)(存在する場合)の後、毛髪に熱を加える。例えば、毛髪(機械的張力下にあってもなくてもよい)を、加熱アイロン(直毛処理の場合)又は加熱ロッド(ウェーブ処理の場合)等の加熱手段で、通常30〜240℃で、通常5秒〜2時間、加熱する。
工程(iii)において、毛髪を、本発明による組成物に対応する中和剤によって酸化させる。このようにして、本発明は、この組成物の文脈で先に詳細に説明した、少なくとも1つの酸化剤を含み得る。本発明によれば、工程(iii)は、酸化組成物を、短い静置時間で又は静置時間なしで毛髪に塗布することによって穏やかな酸化を実施することが好ましい。静置時間としては、1分〜30分、好ましくは5分〜15分と言及することができる。
工程(iv)において、毛髪は、好ましくは水ですすぎ、且つ/又は乾燥させてもよい。毛髪の乾燥は、ヘアドライヤー等の従来の乾燥手段で実施することができる。
本発明の毛髪パーマネントウェーブ処理におけるウェーブ性能の向上を鑑みれば、この化粧方法は、魅力的なパーマネントウェーブの外観も付与することができる。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明していく。しかし、これらの実施例は、本発明の範囲を限定すると解釈すべきではない。実施例において、使用したグルタル酸はTokyo Chemical Industry社から入手し(試薬グレード)、使用したフェノキシエタノールはSEPPIC社から入手した。
(実施例1及び比較例1〜比較例15)
[組成物]
種々のジカルボン酸及び脱イオン水を、フェノキシエタノールと共に、又はフェノキシエタノールなしで、混合することによって、実施例1及び比較例1〜比較例15による組成物を調製した。各ジカルボン酸の量を0.0053モルに設定した。フェノキシエタノールを含む場合、フェノキシエタノールの量は1質量%であった。各組成物のpHを、塩酸及び/又は水酸化ナトリウムで4.0に調整した。Table 1(表1)は、活性成分の種、すなわち、各組成物に含まれているジカルボン酸及びフェノキシエタノールを示している。
[評価]
(変性温度)
Shinshu Universityから入手したケラチン粉末4mgを、実施例1及び比較例1〜比較例15による各組成物1.5mLを用いて、室温で1時間、エッペンドルフ管中で連続的に攪拌することによって処理した。ケラチン粉末をろ過によって回収し、真空下で終夜室温で乾燥させて処理済みケラチン粉末を得た。ケラチンタンパク質のα-構造からβ-構造に変化する温度に対応する、処理済みケラチン粉末の変性温度は、示差走査型熱量測定法(DSC、HITACH High-Tech Science社、X-DSC7000)によって、アロジン処理されたアルミニウム密封パン及びカバーを使用して測定した。DSCを使用した加熱を、10℃/分の加熱速度で20℃〜280℃まで行った。各処理済みケラチン粉末における変性温度の未処理ケラチン粉末と比べた変化を、Table 1(表1)に概括する。変性温度が低いケラチン粉末ほど、化学的相互作用の分断に起因して、柔軟な又は柔らかいケラチンタンパク質構造を有すると言える。
結果をTable 1(表1)に示す。
Figure 2018090550
ケラチン粉末の変性温度変化を測定したTable 1(表1)の結果によると、実施例1によるグルタル酸及び芳香族アルコールを含む組成物で処理したケラチン粉末は、比較例1〜比較例15によるグルタル酸及び/又は芳香族アルコールを含まない組成物で処理したケラチン粉末と比べて低い変性温度を示した。そのため、本発明による組成物は、比較例1〜比較例15による組成物よりも多分に毛髪に柔らかさ及び柔軟性を付与できると結論づけることができる。
(縮毛矯正効率及びボリュームダウン効率)
毛髪見本(1g、27cm)を洗浄用シャンプーで洗い、次に30℃のホットプレート上に配置した。グルタル酸及びフェノキシエタノールを含む組成物(実施例1)1mL、又はグルタル酸のみを含む組成物(比較例1)1mLを、ブラシを用いて見本に塗布した。次に毛髪見本をラップし、30℃で5分間整形し、流水で洗い流し、次に周囲条件下で自然乾燥して、処理済み毛髪見本を得た。
処理前及び処理後の毛髪見本の長さ及び幅を、ノギスによって測定した。長さは、毛髪見本の根元から先端までを測定し、幅は、毛髪見本の根元から20cmの位置で、鉛直方向につるした毛髪見本の軸に対し直角にノギスを配置することによって測定した。縮毛矯正効率及びボリュームダウン効率は、それぞれ、以下の等式によって決定した。
縮毛矯正効率=(Lbefore-Lafter)/Lbefore×100%
Lbefore:毛髪見本の処理前の長さ
Lafter:毛髪見本の処理後の長さ
縮毛矯正効率の値(%)が高いほど、組成物が優れた縮毛矯正効率を有することを意味する。
ボリュームダウン効率=(Wbefore-Wafter)/Wbefore×100%
Wbefore:毛髪見本の処理前の幅
Wafter:毛髪見本の処理後の幅
ボリュームダウン効率の値(%)が低いほど、組成物が優れたボリュームダウン効率を有することを意味する。
結果をTable 2(表2)に示す。
Figure 2018090550
Table 2(表2)における縮毛矯正効率及びボリュームダウン効率の測定値の結果から分かるように、本発明による組成物は、グルタル酸を含み芳香族アルコールを含まない比較例1による組成物と比べて、縮毛矯正効率及びボリュームダウン効率の向上を示している。
(実施例2及び実施例3並びに比較例16〜比較例24)
[組成物]
実施例2及び実施例3並びに比較例16〜比較例24によるパーマネントウェーブ用中和剤組成物を、以下の調製プロトコールに従って調製した。組成物を、以下のTable 3(表3)及びTable 4(表4)に示す。Table 3(表3)及びTable 4(表4)において、配合は、活性原料としての「質量部」に基づいている。各組成物において、ジカルボン酸が含まれている場合、その量が0.0461モルになるように調整した。
[調製プロトコール]
1)リン酸三ナトリウム、リン酸ナトリウム、及び臭素酸ナトリウムを脱イオン水に添加し、これらの成分が水中で完全に溶解するように、得られた混合物を混合した。
2)この混合物に、ポリクオタニウム-6及びラウラミンオキシドを添加した。
3)オレス-20、フェノキシエタノール、及び芳香剤のプレミックスを調製しこの混合物に添加し、次に完全に溶解するようにブレンドした。
4)脱イオン水、ジカルボン酸成分、及び水酸化ナトリウムのpH7.5のプレミックスを調製し、この混合物に添加した。
5)必要な場合、得られた混合物のpHを水酸化ナトリウムで7.5に調整した。総量を脱イオン水で調整した。得られた混合物を均質になるように混合した。
- 還元剤組成物用の調製プロトコール
これらの評価における毛髪パーマネントウェーブ処理用の還元剤組成物を、以下の調製プロトコールに従って調製した。
1)1.47質量%の水酸化アンモニウム、0.05質量%のチロシン、0.05質量%のグリシン、及び0.2質量%のEDTAを脱イオン水中に添加し、これらが水中で完全に溶解するように混合した。
2)この混合物に、0.6質量%のアンモニウムチオグリコレート及び3.95質量%のシステアミンHClを添加し、完全に溶解するように混合した。
3)この混合物に、0.06質量%の塩化ヘキサジメスリン、0.12質量%のポリクオタニウム-6、0.1質量%のペンチレングリコール、並びに0.42質量%のコカミドプロピルベタイン(及び)ラウリン酸グリセリルを添加し、完全に溶解するように混合した。
4)1質量%のオレス-20及び0.4質量%の芳香剤のプレミックスを調製し、次にこのプレミックスを混合物に添加し、完全に溶解するように混合した。
5)この混合物に、0.62質量%のアモジメチコン及び総量100質量%とするのに十分な量(qs100)の脱イオン水を添加し、均質になるように混合した。
[評価]
(パーマネントウェーブ効率)
長さ150mmの毛髪繊維20本からなる毛髪見本を用意した。入手した毛髪見本を、直径10mmのロッドに巻きつけた。毛髪パーマネントウェーブ用還元剤組成物100μLを、ピペットを用いて、巻きつけた毛髪見本に塗布した。毛髪見本を30℃で15分間整形し、水道水300mlで30秒間洗い流した。次に、実施例2及び比較例16〜比較例23のそれぞれによる中和剤組成物100μLを、毛髪見本に塗布した。毛髪見本を30℃で10分間整形した後にロッドを取り外し、次に毛髪見本を流水で洗い流した。処理済み毛髪見本の長さを測定し、以下の等式に従ってパーマネントウェーブ効率を算定した。
パーマネントウェーブ効率=(150-[長さ(mm)])/150×100
スコアが高いほど、良好なパーマネントウェーブ効率特性を表す。
評価の結果をTable 3(表3)に示す。
Figure 2018090550
(滑らかさ)
毛髪見本(1g、27cm)を、直径20mmのロッドに巻きつけた。毛髪パーマネントウェーブ処理用の還元剤組成物2mlを、ピペットを用いて、巻きつけた毛髪見本に塗布した。毛髪見本を30℃で15分間整形し、流水で30秒間洗い流した。次に、実施例3及び実施例4並びに比較例16〜比較例24のそれぞれによる中和剤組成物2mlを、巻きつけた毛髪見本に塗布した。毛髪見本を30℃で10分間整形した後にロッドを取り外し、次に毛髪見本を流水で洗い流し、乾燥させて、処理済み毛髪見本を得た。処理済み毛髪見本をプレート上に配置し、その根元側を毛髪クリップでプレート上に固定した。センサー(Trinity Lab社のHandy Rub Tester(タイプTL701))を用いて毛髪見本の根元から先端までをスキャンすることによって、処理済み毛髪見本の滑らかさを測定した。この計測を、1つの処理済み毛髪見本について3回行った。1種の組成物について更に2つの毛髪見本に対し同じ手順を行い、1種の組成物について合計9つの結果を得、各組成物について平均値を算出した。スコアが低いほど、良好な滑らかさ効果が発揮されたことを表す。
評価の結果を以下のTable 4(表4)に示す。
Figure 2018090550
Table 3(表3)におけるパーマネントウェーブ効率の測定値の結果から分かるように、グルタル酸及び芳香族アルコールの組み合わせを含む実施例3による組成物は、本発明の組み合わせを含まない比較例16〜比較例23による各組成物と比べて、パーマネントウェーブ効率の顕著な向上を示している。
更に、Table 4(表4)に示す結果から分かるように、実施例3及び実施例4による組成物で処理した毛髪見本は、比較例16〜比較例24による各組成物で処理したものよりも滑らかになった。そのため、グルタル酸及び芳香族アルコールの組み合わせを含む組成物は、本発明の組み合わせを含まない比較例16〜比較例24による各組成物よりも効果的に、毛髪に滑らかさを顕著に付与し得る。
そのため、本発明による組成物は、毛髪等のケラチン繊維に対して、より良好なパーマネントウェーブ効率に加えてより良好な滑らかさをもたらし得ると結論することができる。したがって、本発明による組成物は、毛髪パーマネントウェーブ処理における使用に非常に好ましいものであり得る。

Claims (12)

  1. ケラチン繊維、好ましくは毛髪を処理するための組成物であって、
    (a)グルタル酸、及び
    (b)少なくとも1種の芳香族アルコール
    を含む、組成物。
  2. 芳香族アルコールが、一般式(I):
    Figure 2018090550
    [式中、
    - aは、0〜5、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1の整数を示し、
    - bは、0又は1の整数を示し、
    - Rは、H、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、又はC1〜C6アルケニル基を示し、
    - Xは、C1〜C4アルキレン又はC1〜C4アルキニレン基を示し、
    - Yは、単結合、C1〜C4アルキレン、又はC1〜C4アルキニレン基を示す]
    によって表される、請求項1に記載の組成物。
  3. 一般式(I)において、
    - aが、0又は1の整数を示し、
    - bが、0又は1の整数を示し、
    - Rが、H、ハロゲン、又はC1〜C6アルキル基を示し、
    - Xが、C1〜C4アルキレン基を示し、
    - Yが、単結合又はC1〜C4アルキレン基を示す、請求項2に記載の組成物。
  4. 一般式(I)において、
    - aが、0であり、
    - bが、1であり、
    - Xが、C1〜C4アルキレン基を示し、
    - Yが、単結合を示す、請求項3に記載の組成物。
  5. 芳香族アルコールがフェノキシエタノールである、請求項1に記載の組成物。
  6. グルタル酸が、組成物の総質量に対して、0.05質量%〜20質量%、好ましくは0.1質量%〜15質量%、より好ましくは0.5質量%〜10質量%を範囲とする含量で存在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 芳香族アルコールが、組成物の総質量に対して、0.005質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜5質量%、より好ましくは0.02質量%〜3質量%を範囲とする含量で存在する、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. カチオン性、アニオン性、非イオン性、及び両性界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤を更に含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 少なくとも1種のカチオン性ポリマーを更に含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 少なくとも1種の酸化剤を更に含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. ケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア又はコンディショニングするための化粧方法であって、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物をケラチン繊維に塗布する工程を含む、方法。
  12. ケラチン繊維、好ましくは毛髪をパーマ処理するための化粧方法であって、ケラチン繊維を還元した後に、請求項10に記載の組成物をケラチン繊維に塗布する工程を含む、方法。
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