JP2018089957A - インクジェット記録装置、印刷装置、及び硬化物製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
更に、皮膚感さ性が陰性である(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリルアミドの少なくともいずれかと、同じく皮膚感さ性が陰性であるビニルエーテル、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ペンチルメタクリレート、及びn−ヘキシルメタクリレートから選択される少なくとも1種と、を含み、皮膚感さ性が陰性の光重合性インクジェットインクが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
例えば、圧力発生室となる各個別液室に液体を供給する共通液室と、各個別液室に通じる循環流路に通じる循環共通液室とを、各個別液室及び循環流路を生成する複数の板状部材で構成される流路部材で形成した循環型の液滴吐出ヘッドが提案されている(例えば、特許文献3及び4参照)。
本発明のインクジェット記録装置は、ポリエステル構造単位を有する重合体を含有する硬化性インクと、前記硬化性インクが循環する循環流路を有する個別液室と、ノズルと、を有する吐出ヘッドを備えており、更に必要に応じてその他の手段を有する。
装置の周辺環境によっては吐出ヘッドのノズル近傍の外気との接触部で外光による重合反応が促進される場合がある。一般的に溶剤用に使用されるヘッドのノズルは吐出させる液体に対してケミカルアタックを起こさない金属で形成されている。そのため、本発明のインクジェット記録装置は、光重合性組成物にポリエステル樹脂を配合した金属密着が強いインクの場合、ノズル近傍にあるインクが外光で重合が進んでも金属密着の性能は落ちず、金属とインクとの密着が発現してノズルを覆うようになり、吐出異常や不吐出となることがあるという知見に基づくものである。
また、本発明のインクジェット記録装置は、従来の液滴吐出ヘッドでは、ノズル内及び近傍のインクを循環させてリフレッシュする構成にはなっておらず、吐出異常や不吐出を解消することができないという問題があるという知見に基づくものである。
また、前記インクジェット記録装置は、画像形成吐出時以外に、インクを吐出しないレベルで微駆動動作を行う機構を有することが好ましい。
なお、循環は放置時循環が前提であるが、吐出時に循環させることも可能であり、両方の状況で循環させることもできる。
前記インクは、ポリエステル構造単位を有する重合体を含有する硬化性インクであり、白色顔料を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含む。
その結果、十分に低粘度で皮膚感さ性が陰性である重合性モノマーとして、ビニルエーテル、t−ブチルメタクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート等の(メタ)アクリレートを見出し、これらと、先に見出していた皮膚感さ性が陰性である(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリルアミドの少なくともいずれかを併用することにより低粘度化と硬化性とを両立させることができることを知見した。
(1)LLNA法(Local Lymph Node Assay)による皮膚感さ性試験において、感さ性の程度を示すStimulation Index(SI値)が3未満である化合物
(2)MSDS(化学物質安全性データシート)において、「皮膚感さ性陰性」又は「皮膚感さ性なし」と評価された化合物
(3)文献〔例えば、Contact Dermatitis 8 223−235(1982)〕において「皮膚感さ性陰性」又は「皮膚感さ性なし」と評価された化合物
前記単官能(メタ)アクリレートとは、分子内にメタクリロイル基又はアクリロイル基を1個有する化合物をいう。
ここで、単官能(メタ)アクリレートの皮膚感さ性が陰性であるとは、単官能(メタ)アクリレートの前記SI値が3未満であることを意味する。
前記多官能(メタ)アクリレートとは、分子内にメタクリロイル基又はアクリロイル基を2個以上(好ましくは2個〜4個)有する化合物をいう。
ここで、多官能(メタ)アクリレートの皮膚感さ性が陰性であるとは、多官能(メタ)アクリレートのSI値が3未満であることを意味する。
前記化合物としては、例えば、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエーテルを併用することができ、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトンアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ホルマール化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート〔CH2=CH−CO−(OC2H4)n−OCOCH=CH2(n≒9)、同(n≒14)、同(n≒23)〕、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクレート〔CH2=C(CH3)−CO−(OC3H6)n−OCOC(CH3)=CH2(n≒7)〕、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、プロピレンオキサイド変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルペンタ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタントリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタンペンタ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルオキセタンメチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステル構造を有する重合体としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、商品名:バイロン802(東洋紡株式会社製、数平均分子量:3,000、水酸基価:37mgKOH/g、酸価:1mgKOH/g未満)、商品名:バイロンGK810(東洋紡株式会社製、数平均分子量:6,000、水酸基価:19mgKOH/g、酸価:5mgKOH/g)などが挙げられる。
本発明の硬化型組成物を硬化させる手段としては、加熱硬化又は活性エネルギー線による硬化が挙げられ、これらの中でも活性エネルギー線による硬化が好ましい。本発明の硬化型組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
本発明の硬化型組成物は、重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、中でもラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。また、重合開始剤は、十分な硬化速度を得るために、組成物の総質量(100質量%)に対し、5〜20質量%含まれることが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物などが挙げられる。
また、上記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。重合促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルベンジルアミン及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン化合物が好ましく、その含有量は、使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
本発明の硬化型組成物は、色材を含有していてもよい。色材としては、本発明における組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色、などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、組成物の総質量(100質量%)に対して、0.1〜20質量%であることが好ましい。なお、本発明の硬化型組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、その場合には、例えば、画像を保護するためのオーバーコート層として好適である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記白色顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、シリカ、酸化亜鉛などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酸化チタン、酸化亜鉛が好ましい。
本発明の硬化型組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
本発明の硬化型組成物は、必要に応じてその他の公知の成分を含んでもよい。その他成分としては、特に制限されないが、例えば、従来公知の、界面活性剤、重合禁止剤、レべリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
本発明の硬化型組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、重合性モノマー、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液に更に重合性モノマー、開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
本発明の硬化型組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3〜40mPa・sが好ましく、5〜15mPa・sがより好ましく、6〜12mPa・sが特に好ましい。また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
本発明の硬化型組成物の用途は、一般に硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などが挙げられる。
更に、本発明の硬化型組成物は、インクとして用いて2次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。この立体造形用材料は、例えば、粉体層の硬化と積層を繰り返して立体造形を行う粉体積層法において用いる粉体粒子同士のバインダーとして用いてもよく、また、図2や図3に示すような積層造形法(光造形法)において用いる立体構成材料(モデル材)や支持部材(サポート材)として用いてもよい。なお、図2は、本発明の硬化型組成物を所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行う方法であり(詳細後述)、図3は、本発明の硬化型組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う方法である。
本発明の硬化型組成物を用いて立体造形物を造形するための立体造形装置としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、該組成物の収容手段、供給手段、吐出手段や活性エネルギー線照射手段等を備えるものが挙げられる。
また、本発明は、硬化型組成物を硬化させて得られた硬化物や当該硬化物が基材上に形成された構造体を加工してなる成形加工品も含む。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。
上記基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチック基材が好ましい。
本発明の組成物収容容器は、硬化型組成物が収容された状態の容器を意味し、上記のような用途に供する際に好適である。例えば、本発明の硬化型組成物がインク用途である場合において、当該インクが収容された容器は、インクカートリッジやインクボトルとして使用することができ、これにより、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。また、容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく、特に限定されないが、その材質は光を透過しない遮光性材料であるか、又は容器が遮光性シート等で覆われていることが望ましい。
組成物収容容器200は、図4に示すように、インク注入口242からインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図5に示すように、通常、プラスチック製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
本発明に用いられる組成物収容容器は、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述する本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。
前記吐出ヘッドは、インクが循環する循環流路を有し、循環流路を有する個別液室、ノズル、温度センサを有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有する。
流路板302は、ノズル304に通じる個別液室306と、前記流入流路としての個別液室306に通じる流体抵抗部307、及び流体抵抗部307に通じる液導入部308が形成されている。また、流路板302は、ノズル板301側から複数枚の板状部材341〜345を積層接合して形成され、これらの板状部材341〜345と振動板部材303を積層接合して流路部材340が構成されている。
ノズル板301や流路部材340は溶剤系のケミカルアタック対応でSUS板などの金属で形成されることが多い。
振動板部材303は、流路板302の個別液室306の壁面を形成する壁面部材である。この振動板部材303は2層構造(限定されない)とし、流路板302側から薄肉部を形成する第1層と、厚肉部を形成する第2層で形成され、第1層で個別液室306に対応する部分に変形可能な振動領域330を形成している。
流路板302を構成する板状部材341には、図11Aに示すように、個別液室306を構成する貫通溝部(溝形状の貫通穴の意味)306aと、流体抵抗部351、前記流出流路としての循環流路352を構成する貫通溝部351a、352aが形成されている。
同じく板状部材342には、図11Bに示すように、個別液室306を構成する貫通溝部306bと、循環流路352を構成する貫通溝部352bが形成されている。
同じく板状部材343には、図11Cに示すように、個別液室306を構成する貫通溝部306cと、循環流路353を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部353aが形成されている。
同じく板状部材344には、図11Dに示すように、個別液室306を構成する貫通溝部306dと、流体抵抗部307を構成する貫通溝部307aと、液導入部308を構成する貫通溝部308aと、循環流路353を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部353bが形成されている。
同じく板状部材345には、図11Eに示すように、個別液室306を構成する貫通溝部306eと、液導入部308を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部308b(フィルタ下流側液室となる)と、循環流路353を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部353cが形成されている。
振動板部材303には、図11Fに示すように、振動領域330と、フィルター部309と、循環流路353を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部353dが形成されている。
このように、流路部材を複数の板状部材を積層接合して構成することにより、簡単な構成で複雑な流路を形成することができる。
第1共通液室部材321には、図12Aに示すように、圧電アクチュエータ用貫通穴325aと、下流側共通液室310Aとなる貫通溝部310aと、循環共通液室350となる底の有る溝部350aが形成されている。
第2共通液室部材322には、図12Bに示すように、圧電アクチュエータ用貫通穴325bと、上流側共通液室310Bとなる溝部310bが形成されている。また、第2共通液室部材322には、図3に示すように、共通液室310のノズル配列方向の一端部と供給ポート371を通じる供給口部となる貫通穴371aが形成されている。
第1共通液室部材321及び第2共通液室部材322には、循環共通液室350のノズル配列方向の他端部(貫通穴371aと反対側の端部)と循環ポート381を通じる貫通穴381a、381bが形成されている。
なお、図12A及び図12Bにおいて、底の有る溝部については面塗りを施して示している(以下の図でも同じである)。
このように、共通液室部材320は、第1共通液室部材321及び第2共通液室部材322によって構成され、第1共通液室部材321を流路部材340の振動板部材303側に接合し、第1共通液室部材321に第2共通液室部材322を積層して接合している。
これにより、循環共通液室350の寸法(大きさ)が流路部材340で形成される個別液室306、流体抵抗部307及び液導入部308を含む流路に必要な寸法による制約を受けることがなくなる。
そして、循環共通液室350と共通液室310の一部が並んで配置され、循環共通液室350は共通液室310内に投影される位置に配置されることにより、ノズル配列方向と直交する方向のヘッドの幅を抑制することができ、ヘッドの大型化を抑制できる。共通液室部材320は、ヘッドタンクや前記組成物収容容器から前記インクが供給される共通液室310と循環共通液室350を形成する。
この圧電アクチュエータ311は、図8に示すように、ベース部材313上に接合した圧電部材312を有し、圧電部材312にはハーフカットダイシングによって溝加工して1つの圧電部材312に対して所要数の柱状の圧電素子312A、312Bを所定の間隔で櫛歯状に形成している。
ここでは、圧電部材312の圧電素子312Aは駆動波形を与えて駆動させる圧電素子とし、圧電素子312Bは駆動波形を与えないで単なる支柱として使用しているが、すべての圧電素子312A、312Bを駆動させる圧電素子として使用することもできる。
そして、圧電素子312Aを振動板部材303の振動領域330に形成した島状の厚肉部である凸部330aに接合している。また、圧電素子312Bを振動板部材303の厚肉部である凸部330bに接合している。
このように構成した吐出ヘッドにおいては、例えば、圧電素子312Aに与える電圧を基準電位から下げることによって圧電素子312Aが収縮し、振動板部材303の振動領域330が下降して個別液室306の容積が膨張することにより、個別液室306内に前記インクが流入する。
その後、圧電素子312Aに印加する電圧を上げて圧電素子312Aを積層方向に伸長させ、振動板部材303の振動領域330をノズル304に向かう方向に変形させて個別液室6の容積を収縮させることにより、個別液室306内の前記インクが加圧され、ノズル304から前記インクが吐出される。
そして、表面張力によって液体が共通液室310から引き込まれ液体が充填される。最終的には、供給タンク及び循環タンクや水頭差で規定される負圧と、メニスカスの表面張力とのつり合いにより、メニスカス面が安定するため、次の吐出動作に移行可能となる。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。また、上述した実施形態では、個別液室306に圧力変動を与える圧力発生手段として積層型圧電素子を用いて説明したが、これに限定されず、薄膜状の圧電素子を用いることも可能である。更に、個別液室306内に発熱抵抗体を配し、発熱抵抗体の発熱によって気泡を生成して圧力変動を与えるものや、静電気力を用いて圧力変動を生じさせるものを使用することができる。
このとき、図14に示すように、ノズル通路305の開口断面積よりも循環液室441の開口断面積が小さいことにより、液体の流速は、第1方向aに比べ、第2方向bの方が速くなり、ノズル304は、流速が速くなる直前に配置されているため、第1方向aから流れてくるインクがノズル内に逃げ込みやすくなる。
本発明では、画像作成の吐出以外はインクが吐出しない程度にノズル開口421のメニスカス部を振動させることが好ましい。
すなわち、図17Aに示すようにインク非吐出の状態から、図17B及び図17Cで示すように、インク液滴が吐出しない程度の駆動電圧で圧電素子を駆動させて、メニスカス部451に微振動を与えるものである。
微振動を付与する方法としては、圧電素子にインクが吐出しない程度の電圧を掛けて、インク室の収縮(膨張)→膨張(収縮)→収縮(膨張)を繰り返し、インクメニスカスを振動させればよい。
これは、吐出信号から、非吐出ノズルを検出して、選択的に揺動信号を掛ける必要がある。
本発明においては、微振動の波形としては矩形波であることが好ましい。
本発明の像の形成方法は、活性エネルギー線を用いてもよいし、加温なども挙げられる。
本発明の硬化型組成物を活性エネルギー線で硬化させるためには、活性エネルギー線を照射する照射工程を有し、本発明の像の形成装置は、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、本発明の硬化型組成物を収容するための収容部と、を備え、該収容部には前記容器を収容してもよい。更に、硬化型組成物を吐出する吐出工程、吐出手段を有していてもよい。吐出させる方法は特に限定されないが、連続噴射型、オンデマンド型等が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例である。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色活性エネルギー線硬化型インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dにより、供給ロール21から供給された被記録媒体22にインクが吐出される。その後、インクを硬化させるための光源24a、24b、24c、24dから、活性エネルギー線を照射して硬化させ、カラー画像を形成する。その後、被記録媒体22は、加工ユニット25、印刷物巻取りロール26へと搬送される。各印刷ユニット23a、23b、23c、23dには、インク吐出部でインクが液状化するように、加温機構を設けてもよい。また必要に応じて、接触又は非接触により記録媒体を室温程度まで冷却する機構を設けてもよい。また、インクジェット記録方式としては、吐出ヘッド幅に応じて間欠的に移動する記録媒体に対し、ヘッドを移動させて記録媒体上にインクを吐出するシリアル方式や、連続的に記録媒体を移動させ、一定の位置に保持されたヘッドから記録媒体上にインクを吐出するライン方式のいずれであっても適用することができる。
被記録媒体22は、特に限定されないが、紙、フィルム、セラミックスやガラス、金属、これらの複合材料等が挙げられ、シート状であってもよい。また片面印刷のみを可能とする構成であっても、両面印刷も可能とする構成であってもよい。一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、ダンボール、壁紙や床材等の建材、コンクリート、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用する ことができる。
更に、光源24a、24b、24cからの活性エネルギー線照射を微弱にするか又は省略し、複数色を印刷した後に、光源24dから活性エネルギー線を照射してもよい。これにより、省エネ、低コスト化を図ることができる。
本発明のインクにより記録される記録物としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する被印刷面に印刷されたものや、金属やセラミックなどの種々の材料からなる被印刷面に印刷されたものも含む。また、2次元の画像を積層することで、一部に立体感のある画像(2次元と3次元からなる像)や立体物を形成することもできる。
図2は、本発明に係る別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。図2の像形成装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の硬化型組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の硬化型組成物とは組成が異なる第二の硬化型組成物を吐出し、隣接した紫外線照射手段33、34でこれら各組成物を硬化しながら積層するものである。より具体的には、例えば、造形物支持基板37上に、第二の硬化型組成物を支持体用吐出ヘッドユニット31、32から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成した後、当該溜部に第一の硬化型組成物を造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、図2では、造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
本発明の印刷装置は、本発明のインクジェット記録装置を用いてインク膜を形成する手段と、前記形成されたインク膜を光硬化する光硬化手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
前記インク膜を形成する手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜、公知の手段を選択することができる。
前記光硬化手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜、公知の手段を選択することができる。
本発明の硬化物製造方法は、本発明のインクジェット記録装置を用いて硬化物を製造する。
前記SI値は、LLNA法(Local Lymph Node Assay)による皮膚感さ性試験に従って、以下のようにして測定した。
<陽性対照物質>
前記陽性対照物質としては、α−ヘキシルシンナムアルデヒド(HCA、和光純薬工業株式会社製)を使用した。
前記媒体としては、アセトン(和光純薬工業株式会社製)とオリーブ油(株式会社フヂミ製薬所製)を、体積比(アセトン:オリーブ油)=4:1で混合した混合液を使用した。
被験物質、陽性対照、媒体対照のそれぞれについて、マウスの雌に対して6日間の検疫を含む8日間の馴化を行った。検疫、馴化期間中、全ての動物に異常は認められなかった。
感さ開始2日前に測定した体重を用いて、体重層別無作為抽出法で、個体の体重が全体の平均体重±20%以内となるように2群(4匹/群)に群分けした。感さ開始時の動物の週齢は8〜9週齢であった。群分けにより外れた動物は試験から除外した。
使用した動物は、試験期間を通して尾部への油性インク塗布により識別し、併せてケージはラベルをつけて識別した。
使用動物は、検疫、馴化期間中を含む全飼育期間を通して、温度21℃〜25℃、相対湿度40%〜70%、換気回数10〜15回/時間、明暗サイクル12時間間隔(7時点灯〜19時消灯)に設定したバリアーシステムの飼育室で飼育した。
飼育ケージはポリカーボネート製ケージを使用した。使用動物は4匹/ケージで飼育した。
飼料は、実験動物用固形飼料MF(オリエンタル酵母工業株式会社製)を使用し、使用動物に自由摂取させた。飲料水は、塩素濃度が略5ppmとなるように次亜塩素酸ナトリウム(ピューラックス、オーヤラックス社製)を添加した水道水を、給水びんにより、使用動物に自由摂取させた。床敷はサンフレーク(モミ材、電気かんな削りくず、日本チャールス・リバー社製)を使用した。飼料及び飼育用器材は、オートクレープ滅菌(121℃、30分間)したものをそれぞれ使用した。
ケージ及び床敷は、群分け時及び耳介リンパ節採取日(飼育室からの搬出時)に交換し、給水びん及びラックは、群分け時に交換した。
<群構成>
SI値の測定試験で使用した群構成を、下記表1に示す。
<被験物質>
下記表2に被験物質の秤量条件を示す。被験物質をメスフラスコに秤量し、媒体を加えながら1mLに定容した。調製液は、遮光した気密容器(ガラス製)に入れた。
略0.25gのHCAを正確に秤量し、媒体を加えながら1mLとして25.0w/v%液を調製した。調製物は、遮光した気密容器(ガラス製)に入れた。
5−ブロモ−2’−デオキシウリジン(BrdU、ナカライテスク株式会社製)200mgをメスフラスコに正確に秤量し、生理食塩液(大塚製薬工業株式会社製)を加えて超音波照射し、溶解させた。その後、20mLに定容して10mg/mL液(BrdU調製液)を調製した。調製液は、滅菌濾過フィルターを用いて濾過滅菌し、滅菌容器に入れた。
陽性対照物質調製液は感さ開始前日に調製し、使用時以外は冷所で保管した。媒体及び被験物質調製液は各感さ日に調製した。BrdU液は、投与の2日前に調製し、投与日まで冷所に保管した。
<感さ>
各被験物質及び陽性対照物質の調製液及び媒体を動物の両耳介にそれぞれ25μLずつ塗布した。塗布には、マイクロピペッターを用いた。この操作を1日1回、3日間連続して行った。
最終感さの略48時間後に1回、BrdU調製液を動物1匹あたり0.5mL、腹腔内投与した。
<一般状態>
試験に使用した全動物について、感さ開始日から耳介リンパ節採取日(飼育室からの搬出日)まで、1日1回以上観察した。なお、観察日の起算法は、感さ開始日をDay1とした。
感さ開始日及び耳介リンパ節採取日(飼育室からの搬出日)に体重を測定した。また、群ごとの体重の平均値及び標準誤差を算出した。
BrdU投与の略24時間後に動物を安楽死させ、耳介リンパ節を採取した。周囲組織を取り除き、両側耳介リンパ節を一括して重量測定した。また、群ごとの耳介リンパ節重量の平均値及び標準誤差を算出した。重量測定後、個体毎に−20℃に設定されたバイオメディカルフリーザーで凍結保存した。
耳介リンパ節を室温に戻した後、生理食塩液を加えながらすり潰し、懸濁させた。この懸濁液を濾過した後、個体ごとに3wellずつ、96wellマイクロプレートに分注し、ELISA法によりBrdU取り込み量の測定を行った。試薬は、市販のキット(Cell Proliferation ELISA、BrdU colorimetric、Cat.No.1647229、ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を使用し、マルチプレートリーダー(FLUOstar OPTIMA、BMG LABTECH社製)より得られた各個体の吸光度(OD370nm−OD492nm、BrdU取り込み量)について、3wellの平均値を各個体のBrdU測定値とした。
<Stimulation Index(SI)の算出>
下記式で示すように、各個体のBrdU測定値を、媒体対照群のBrdU測定値の平均値で除して、各個体のSI値を算出した。各試験群のSI値は、各個体のSIの平均値とした。なお、SI値は、小数点以下第2位を四捨五入して小数点第1位まで表示した。
各インクの25℃における粘度を、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を25℃に設定して測定した。なお、循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いた。
<インク1の調製>
t−ブチルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)70質量部、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業株式会社製)30質量部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製)10質量部、及びポリエステル構造を有する重合体1(商品名:バイロン802、東洋紡株式会社製、数平均分子量:3,000、水酸基価:37mgKOH/g、酸価:1mgKOH/g未満)10質量部を混合撹拌して、インク1を得た。
<インク2〜10の調製>
インクの調製例1において、組成を下記表3及び4に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、インク2〜10を得た。組成を下記表3及び4に示す。
また、末尾の( )内の数値は前記(1)のLLNA試験におけるSI値であり、「陰性」又は「なし」は前記(2)の文献、もしくは前記(3)のMSDS(化学物質安全性データシート)において「皮膚感さ性陰性」又は「皮膚感さ性なし」と評価されたものである。また「陽性」は欧州指令におけるリスクフレーズ表記ルールにおいて皮膚感さ性に問題があることを示す「R43」の警句が、あるいはCLP規則において皮膚感さ性に問題があることを示す「H317」の警句が付記されるものである。なお、ポリマー成分は高分子量であるため皮膚を通過することが困難で、通常は皮膚感さ性を有さない。
・t−ブチルアクリレート:大阪有機化学工業株式会社製、商品名:t−ブチルアクリレート、(陽性)
・t−ブチルメタクリレート:三菱レイヨン株式会社製、商品名:アクリエステルTB、(陰性)文献での評価(試験方法:マキシマイゼーション法)
・n−ペンチルメタクリレート、Zhangjiagang Render Chemical社製「n−AmylMethacrylate」(陰性)文献での評価(試験方法:マキシマイゼーション法)
・n−ヘキシルメタクリレート、東京化成工業株式会社製「n−HexylMethacrylate」(陰性)文献での評価(試験方法:マキシマイゼーション法)
・エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート:新中村化学工業株式会社製、商品名:A−TMPT−3EO、(陽性)
・グリセロールジメタクリレート:新中村化学工業株式会社製、商品名:701、(1.2)
・トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート:新中村化学工業株式会社製、商品名:、DCP、(1.3)
・エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリメタクリレート:新中村化学工業株式会社製、商品名:TMPT−3EO、(1.0)
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:日本化薬株式会社製(陰性)MSDSでの評価(試験方法:OECDテストガイドライン406)
・1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン:BASF社製「Irgacure184」(なし)MSDSでの評価(試験方法:OECDテストガイドライン406)
・2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン:BASF社製「Irgacure379」(なし)MSDSでの評価(試験方法:OECDテストガイドライン406)
−ポリエステル構造を有する重合体−
・ポリエステル構造を有する重合体1:東洋紡株式会社製、商品名:バイロン802、数平均分子量:3,000、水酸基価:37mgKOH/g、酸価:1mgKOH/g未満
・ポリエステル構造を有する重合体2:東洋紡株式会社製、商品名:バイロンGK810、数平均分子量:6,000、水酸基価:19mgKOH/g、酸価:5mgKOH/g
酸化チタン:テイカ株式会社製、JR403を配合した。
酸化亜鉛:日本化学工業株式会社製、商品名:pigment white4
インク1を、図4に示す形状のアルミニウム製パウチ袋に気泡が入らないようにインクを密封し、図5に示すようなプラスチック製の組成物収容容器にインクを密封した前記のパウチ袋を収納し、この組成物収容容器が収納できるようにした筐体において組成物収容容器からGEN5ヘッド(吐出ヘッド、リコープリンティングシステムズ株式会社製)に達するまでインク流路、及び温度センサを設置した。また、前記吐出ヘッドは、図9のノズル板301の平均板厚みt:50μmとし、循環動作は循環タンクの真空ポンプを引く動作を入れた。微駆動動作は圧電素子にインクが吐出しない程度の電圧を掛けて微駆動動作を行い、インク室の膨張、収縮、膨張を繰り返し、インクメニスカスを揺動させた。以上のようにして、実施例1のインクジェット記録装置を得た。
実施例1において、インクの種類、吐出ヘッドの平均板厚みt、循環動作の有無、及び微駆動動作の有無を下記表5に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜12及び比較例1〜5のインクジェット記録装置を得た。
各インクを本発明の図4の容器に入れ、供給動作を行い吐出ヘッドに充填した。各実施例の条件で、50℃(夏季空調なし想定環境)で24時間放置直後に全ノズル吐出画像を出力し不吐出ノズル数をカウントした。また、印刷動作時の圧電素子への印加電圧を100%とするとの120%の印加電圧での強制吐出を100パルス印加することでリカバリーし、リカバリー後の不吐出ノズル数をカウントした。結果を下記表5に示す。
リカバリーは印加電圧とパルス数を変更することによりリカバリーの強弱を制御できる。また、供給部のチューブを外してシリンジ等でヘッドにエアーを送り込み空圧でインクを強制排出するリカバリーも行われることもある。
得られた活性エネルギー線硬化型組成物を、記録媒体(商品名:コスモシャインA43
00コートPETフィルム、東洋紡株式会社製、平均厚み:100μm、色:透明)に、
プリンタ(装置名:SG7100、株式会社リコー製)を改造した評価用プリンタを用い
て、下記表5に示す吐出温度にて、10cm×10cmのベタ画像を得た。得られたベタ画像を、フュージョンシステムズジャパン社製UV照射機LH6(Dバルブ)によりUVA領域に相当する波長域において0.2(mW/cm2)で、3,000(mJ/cm2)の光量条件で光照射して硬化処理を行い、平均厚みが10μmである10cm×10cmの像(硬化物)を得た。
前記記録媒体の得られた像(硬化物)を形成した側とは反対側にブラックペーパー(商
品名:エキストラブラック、株式会社竹尾製、濃度:1.65)を置き、反射分光濃度計
(装置名:X−Rite939、X−Rite社製)を用いて、黒色に対する像(硬化物
)の濃度を測定し、下記式(1)に基づいて隠蔽率を算出して「隠蔽性」を評価した。隠
蔽率が高いほど隠蔽性が良好である。
式(1)
隠蔽率(%)=[1−(像(硬化物)の濃度/ブラックペーパーの濃度(1.65))
]×100
また、実施例1〜3からノズル板の板厚t(ノズル孔表面と循環流路の距離)が70μm以下で微駆動動作を有りにすると、リカバリー動作を入れなくとも不吐出ノズルの発生がないことを確認した。実施例4はtが80μmである場合、微駆動動作が有りでも放置後は不吐出ノズルが発生するが、リカバリーで回復することを確認した。実施例5〜7はtが本発明範囲内で微駆動動作が無しの場合だが、実施例4同様放置後は不吐出ノズルが発生するが、リカバリーで回復することを確認した。また、実施例10〜12はtを更に厚くし、微駆動動作を有り又は無しにした場合であり、循環有りでも多数の不吐出ノズルが発生した。更に、前記表5には記載がないがtを150μmまで厚くした場合は循環有りでは吐出できなかった。実施例8、及び9はインクに酸化チタン、酸化亜鉛を添加した本発明に適した条件で放置後の不吐出ノズル確認と硬化物の隠蔽率を測定した結果である。放置後の不吐出ノズルの発生はなく、隠蔽率も高いことを確認した。
一方、比較例4、及び5は実施例8、及び9のインクで循環流路を有さないヘッドを用いた結果である。放置後、不吐出ノズルが発生し、リカバリーでも回復しない。更に酸化チタン、及び酸化亜鉛の沈殿により隠蔽率が低いことを確認した。酸化亜鉛は酸化チタンより隠蔽率が低下しているが、実施例9と比較例5の比較では酸化亜鉛沈殿による隠蔽率低下が抑制されていることが確認できた。
<1> ポリエステル構造単位を有する重合体を含有する硬化性インクと、
前記硬化性インクが循環する循環流路を有する個別液室と、ノズルと、を有する吐出ヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置である。
<2> 画像形成吐出時以外に、前記硬化性インクを吐出しないレベルで微駆動動作を行う機構を有する前記<1>に記載のインクジェット記録装置である。
<3> 前記循環流路と、前記ノズルのノズル面との距離が、70μm以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<4> 前記ノズルが、対向する前記個別液室の中央より前記循環流路側にノズル穴を有する前記<3>に記載のインクジェット記録装置である。
<5> 前記インクジェットヘッドが、温度センサを更に有する前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<6> 前記硬化性インクのStimulation Index(SI値)が、3未満である前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<7> 前記硬化性インクが、酸化チタン、シリカ、及び酸化亜鉛から選択される少なくとも1種の白色顔料を含み、
前記白色顔料の含有量が、硬化性インク全量に対して、5質量%以上15質量%以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<8> 前記白色顔料が、酸化チタン、及び酸化亜鉛の少なくともいずれかである前記<7>に記載のインクジェット記録装置である。
<9> 前記硬化性インクの25℃における粘度が、2mPa・s以上150mPa・s以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<10> 前記粘度が、3mPa・s以上40mPa・s以下である前記<9>に記載のインクジェット記録装置である。
<11> 前記ポリエステル構造単位を有する重合体が、単官能(メタ)アクリレート、及び多官能(メタ)アクリレートの少なくともいずれかである前記<1>から<10>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<12> 前記単官能(メタ)アクリレートが、t−ブチルメタクリレート、n−ペンチルメタクリレート、及びn−ヘキシルメタクリレートから選択される少なくとも1種である前記<11>に記載のインクジェット記録装置である。
<13> 前記単官能(メタ)アクリレートの含有量が、モノマー成分100質量部に対して、50質量部以上85質量部以下である前記<11>から<12>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<14> 前記多官能(メタ)アクリレートが、グリセロールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートから選択される少なくとも1種である前記<11>から<13>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<15> 前記多官能(メタ)アクリレートの含有量が、モノマー成分100質量部に対して、15質量部以上50質量部以下である前記<11>から<14>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<16> 前記インクが、重合開始剤を更に含む前記<1>から<15>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<17> 前記重合開始剤が、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、及び2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オンの少なくともいずれかである前記<16>に記載のインクジェット記録装置である。
<18> 前記硬化性インクを収容する組成物収容容器を更に有する前記<1>から<17>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<19> 前記<1>から<18>のいずれかに記載のインクジェット記録装置を用いてインク膜を形成する手段と、
前記形成されたインク膜を光硬化する光硬化手段と、を有することを特徴とする印刷装置である。
<20> 前記<1>から<18>のいずれかに記載のインクジェット記録装置を用いて硬化物を製造することを特徴とする硬化物製造方法。
Claims (11)
- ポリエステル構造単位を有する重合体を含有する硬化性インクと、
前記硬化性インクが循環する循環流路を有する個別液室と、ノズルと、を有する吐出ヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 画像形成吐出時以外に、前記硬化性インクを吐出しないレベルで微駆動動作を行う機構を有する請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記循環流路と、前記ノズルのノズル面との距離が、70μm以下である請求項1から2のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記ノズルが、対向する前記個別液室の中央より前記循環流路側にノズル穴を有する請求項3に記載のインクジェット記録装置。
- 前記吐出ヘッドが、温度センサを更に有する請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記硬化性インクのStimulation Index(SI値)が、3未満である請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記硬化性インクが、酸化チタン、シリカ、及び酸化亜鉛から選択される少なくとも1種の白色顔料を含み、
前記白色顔料の含有量が、硬化性インク全量に対して、5質量%以上15質量%以下である請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。 - 前記硬化性インクの25℃における粘度が、2mPa・s以上150mPa・s以下である請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記硬化性インクを収容する組成物収容容器を更に有する請求項1から8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録装置を用いてインク膜を形成する手段と、
前記形成されたインク膜を光硬化する光硬化手段と、を有することを特徴とする印刷装置。 - 請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録装置を用いて硬化物を製造することを特徴とする硬化物製造方法。
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