JP6819231B2 - インク吐出装置、及びインク吐出方法 - Google Patents
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Description
また、前記アクリルアミド化合物、及び前記N−ビニル化合物としては、硬化性、粘度、他の成分との相溶性等の点から、その溶解パラメーターが、11(cal/cm3)1/2付近であり、かつモル体積が小さい化合物が好適に使用されている。
また、インク吐出ヘッドの耐久性に優れ、吐出信頼性にも優れた紫外線硬化型インクジェット用インク組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
弾性率の減少率(%)={(E1−E2)/E1}×100 ・・・ 式(1)
本発明のインク吐出装置は、活性エネルギー線硬化型インクと、液室、ノズル孔を有するノズルプレート、及び流路を有し、前記活性エネルギー線硬化型インクが接する部材がエポキシ接着剤により接合されてなり、前記ノズル孔から前記活性エネルギー線硬化型インクを吐出するインク吐出ヘッドと、を備えるインク吐出装置であって、前記活性エネルギー線硬化型インクが、アクリルアミド化合物、及びN−ビニル化合物の少なくともいずれかを含有し、前記エポキシ接着剤を90℃において4時間硬化させた硬化物の弾性率をE1(GPa)とし、前記硬化物を前記活性エネルギー線硬化型インクに60℃において4週間浸漬させた後の浸漬物の弾性率をE2(GPa)としたときに、下記式(1)で表される弾性率の減少率が、50%以下であり、さらに必要に応じてその他の部材を有してなる。
弾性率の減少率(%)={(E1−E2)/E1}×100 ・・・ 式(1)
本発明のインク吐出方法は、本発明のインク吐出装置により好適に実施することができる。
前記インク吐出ヘッドは、液室、ノズル孔を有するノズルプレート、及び流路を有し、活性エネルギー線硬化型インクが接する部材がエポキシ接着剤により接合されてなる。
前記液室は、インク吐出ヘッド内でインクが充填される空間をいい、形状に特に制限はなく、目的に応じて適宜公知のものを選択することができる。
前記ノズルプレート(以下、「ノズル板」とも称することがある)としては、ノズル孔を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜公知のものを選択することができる。ノズル孔とは、インクの液滴が吐出される孔を意味する。
前記流路とは、前記液室、及び前記ノズルプレートを通過する活性エネルギー線硬化型
インクの経路を意味する。
前記接合としては、エポキシ接着剤を介していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記接合においては、接着強度を向上する点から、圧力をかけることが好ましい。
前記活性エネルギー線硬化型インクが接する部材としては、活性エネルギー線硬化型インクが接すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液室を構成する部材、ノズルプレートを構成する部材、流路を構成する部材、刺激発生手段を構成する部材などが挙げられる。
前記ノズルプレートは、ノズル基板と、前記ノズル基板上に撥インク膜とを有する。
前記ノズル基板には、ノズル孔が設けられており、その数、形状、大きさ、材質、構造などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ノズル基板は、前記ノズル孔からインクが吐出されるインク吐出側のノズル面と、前記インク吐出側の面とは反対側に位置する液室接合面とを有する。
前記撥インク膜は、前記ノズル基板の前記インク吐出側のノズル面に形成されている。
前記ノズル基板の大きさとしては、特に制限はなく、前記ノズルプレートの大きさに応じて適宜選択することができる。
前記ノズル孔としては、その数、配列、間隔、開口形状、開口の大きさ、開口の断面形状などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ノズル孔の配列としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複数の前記ノズル孔が、前記ノズル基板の長さ方向に沿って等間隔に並んで配列されている態様などが挙げられる。
前記ノズル孔の配列は、吐出するインクの種類に応じて適宜選定することができるが、1列〜複数列が好ましく、1列〜4列がより好ましい。
前記1列当たりの前記ノズル孔の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、10個〜10,000個が好ましく、50個〜500個がより好ましい。
隣接する前記ノズル孔の中心間の最短距離である間隔(ピッチ)Pとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、21μm〜169μmが好ましい。
前記ノズル孔の開口形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円形、楕円形、四角形などが挙げられる。これらの中でも、インクの液滴を吐出する点から、円形が好ましい。
前記撥インク膜は、前記ノズル基板における複数の前記凹部を有するインク吐出側のノズル面上に形成されており、その形状、構造、材質、厚みなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記液室は、前記ノズルプレートに設けられた複数の前記ノズル孔に個別に対応して配置され、前記ノズル孔と連通する複数の個別流路であり、加圧液室、圧力室、吐出室、加圧室などと称することもある。
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、刺激発生手段などが挙げられる。
前記刺激発生手段は、活性エネルギー線硬化型インクに印加する刺激を発生する手段である。
前記刺激発生手段における刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱(温度)、圧力、振動、光などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられる。前記刺激発生手段としては、具体的には、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いてインクの膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどが挙げられる。
前記刺激が「圧力」の場合、例えば、前記インク吐出ヘッド内の流路内にある前記圧力室と呼ばれる位置に接着された前記圧電素子に電圧を印加することにより、前記圧電素子が撓む。それにより、前記圧力室の容積が収縮して、前記インク吐出ヘッドの前記ノズル孔から前記インクを液滴として吐出させる方法などが挙げられる。
これらの中でも、ピエゾ素子に電圧を印加してインクを飛翔させるピエゾ方式が好ましい。
なお、以下でいう液体は、インクと同一の意味である。
なお、以下でいう液体は、インクと同一の意味である。
前記エポキシ接着剤は、エポキシ化合物、及び硬化剤を含有し、さらに必要に応じてその他の成分を含有してなる。なお、エポキシ接着剤とは、エポキシ化合物を主成分として含むエポキシ系接着剤も含む意味である。
前記エポキシ接着剤を90℃において4時間硬化させた硬化物の弾性率をE1(GPa)とし、前記硬化物を前記活性エネルギー線硬化型インクに60℃において4週間浸漬させた後の浸漬物の弾性率をE2(GPa)としたときに、下記式(1)で表される弾性率の減少率としては、50%以下であり、10%以下が好ましい。前記弾性率の減少率が、50%以下であると、弾性率の減少による吐出安定性の低下を防止できる。
弾性率の減少率(%)={(E1−E2)/E1}×100 ・・・ 式(1)
前記エポキシ接着剤を90℃において4時間硬化させた硬化物のマルテンス硬度をM1(N/mm2)とし、前記硬化物を前記活性エネルギー線硬化型インクに60℃において4週間浸漬させた後の浸漬物のマルテンス硬度をM2(N/mm2)としたときに、下記式(2)で表されるマルテンス硬度の減少率としては、50%以下であり、10%以下が好ましい。前記マルテンス硬度の減少率が、50%以下であると、マルテンス硬度の減少による吐出安定性の低下を防止できる。
マルテンス硬度の減少率(%)={(M1−M2)/M1}×100 ・・・ 式(2)
なお、前記エポキシ接着剤中のエポキシ基の含有量は、前記エポキシ接着剤中に含有する各エポキシ化合物のエポキシ当量をQ1、Q2、・・・、Qx(g/mol)、及び各エポキシ化合物の前記エポキシ接着剤中の質量百分率をW1、W2、・・・、Wx(%)としたときに、下記式(3)により算出することができる。なお、前記エポキシ化合物のエポキシ当量の測定方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、日本工業規格(JIS)K7236に規格化されている滴定法などが挙げられる。
エポキシ接着剤中のエポキシ基の含有量(mol/100g)=Σi(Wi/Qi) ・・・ 式(3)
ただし、前記式(3)中、Σは総和を表し、iは整数を表す。
前記エポキシ化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、ウレタン変性エポキシ化合物、ポリスルフィド変性エポキシ化合物、ゴム変性エポキシ化合物(例えば、CTBN:末端にカルボキシル基を持つブタジエン−アクリロニトリル共重合液状ゴム、ATBN:末端にアミノ基を持つブタジエン−アクリロニトリル共重合液状ゴム等による変性)、ポリアルキレングリコール型エポキシ化合物、エーテルエラストマー添加ビスフェノールA型エポキシ化合物、液状ウレタン樹脂添加ビスフェノールA型エポキシ化合物、ダイマー酸変性エポキシ化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、硬化性、及び接着性の点から、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物が好ましい。
また、前記エポキシ化合物の反応性希釈剤として、n−ブチルグリシジルエーテル、スチレンオキシド等の低粘度のエポキシ化合物を用いてもよい。
前記硬化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知のエポキシ硬化剤を選択することができ、例えば、芳香族アミン、脂肪族アミン、脂環族アミン、複素環式アミン、ジシアンジアミド、ヒドラジド、アミンアダクト等のアミン系化合物、酸無水物、フェノール化合物、チオール化合物、イミダゾール化合物などが挙げられる。
前記その他の成分としては、例えば、3級アミン化合物やイミダゾール化合物等の硬化促進剤;シリカ等のフィラー;シランカップリング剤等の添加剤などが挙げられる。
前記硬化温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、室温(25℃)以上200℃以下が好ましく、40℃以上180℃以下がより好ましい。
前記硬化時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間以上48時間以下が好ましく、1時間以上24時間以下がより好ましい。
また、接着強度を高めるため、被接着体との接触部に圧力を加えながら硬化させることが好ましい。
前記活性エネルギー線硬化型インクは、アクリルアミド化合物、及びN−ビニル化合物の少なくともいずれかを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記その他の成分としては、前記アクリルアミド化合物及び前記N−ビニル化合物以外のラジカル重合性化合物を含有してなる。
前記ラジカル重合性化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等のアクリル酸誘導体;メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のメタクリル酸誘導体、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物、ジエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等のビニルエーテル化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アクリル酸誘導体及びメタクリル酸誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知のオリゴマー類やプレポリマー類を選択することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、中でもラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。また、重合開始剤は、十分な硬化速度を得るために、組成物の総質量(100質量%)に対し、5〜20質量%含まれることが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物などが挙げられる。
また、上記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。重合促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン化合物が好ましく、その含有量は、使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、色材を含有していてもよい。色材としては、本発明における組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色、などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、組成物の総質量(100質量%)に対して、0.1〜20質量%であることが好ましい。なお、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、その場合には、例えば、画像を保護するためのオーバーコート層として好適である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。 分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、必要に応じてその他の公知の成分を含んでもよい。その他成分としては、特に制限されないが、例えば、従来公知の、界面活性剤、重合禁止剤、レべリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、重合性モノマー、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液にさらに重合性モノマー、開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3〜40mPa・sが好ましく、5〜15mPa・sがより好ましく、6〜12mPa・sが特に好ましい。また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34'×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の用途は、一般に活性エネルギー線硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などが挙げられる。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、インクとして用いて2次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。この立体造形用材料は、例えば、粉体層の硬化と積層を繰り返して立体造形を行う粉体積層法において用いる粉体粒子同士のバインダーとして用いてもよく、また、図2や図3に示すような積層造形法(光造形法)において用いる立体構成材料(モデル材)や支持部材(サポート材)として用いてもよい。なお、図2は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行う方法であり(詳細後述)、図3は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う方法である。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を用いて立体造形物を造形するための立体造形装置としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、該組成物の収容手段、供給手段、吐出手段や活性エネルギー線照射手段等を備えるものが挙げられる。
また、本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させて得られた硬化物や当該硬化物が基材上に形成された構造体を加工してなる成形加工品も含む。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。
上記基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチック基材が好ましい。
本発明の組成物収容容器は、活性エネルギー線硬化型組成物が収容された状態の容器を意味し、上記のような用途に供する際に好適である。例えば、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物がインク用途である場合において、当該インクが収容された容器は、インクカートリッジやインクボトルとして使用することができ、これにより、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。また、容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく、特に限定されないが、その材質は光を透過しない遮光性材料であるか、または容器が遮光性シート等で覆われていることが望ましい。
本発明の像の形成方法は、少なくとも、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために、活性エネルギー線を照射する照射工程を有し、本発明の像の形成装置は、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を収容するための収容部と、を備え、該収容部には前記容器を収容してもよい。さらに、活性エネルギー線硬化型組成物を吐出する吐出工程、吐出手段を有していてもよい。吐出させる方法は特に限定されないが、連続噴射型、オンデマンド型等が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例である。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色活性エネルギー線硬化型インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dにより、供給ロール21から供給された被記録媒体22にインクが吐出される。その後、インクを硬化させるための光源24a、24b、24c、24dから、活性エネルギー線を照射して硬化させ、カラー画像を形成する。その後、被記録媒体22は、加工ユニット25、印刷物巻取りロール26へと搬送される。各印刷ユニット23a、23b、23c、23dには、インク吐出部でインクが液状化するように、加温機構を設けてもよい。また必要に応じて、接触又は非接触により記録媒体を室温程度まで冷却する機構を設けてもよい。また、インクジェット記録方式としては、吐出ヘッド幅に応じて間欠的に移動する記録媒体に対し、ヘッドを移動させて記録媒体上にインクを吐出するシリアル方式や、連続的に記録媒体を移動させ、一定の位置に保持されたヘッドから記録媒体上にインクを吐出するライン方式のいずれであっても適用することができる。
被記録媒体22は、特に限定されないが、紙、フィルム、金属、これらの複合材料等が挙げられ、シート状であってもよい。また片面印刷のみを可能とする構成であっても、両面印刷も可能とする構成であってもよい。
更に、光源24a、24b、24cからの活性エネルギー線照射を微弱にするか又は省略し、複数色を印刷した後に、光源24dから活性エネルギー線を照射してもよい。これにより、省エネ、低コスト化を図ることができる。
本発明のインクにより記録される記録物としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する被印刷面に印刷されたものや、金属やセラミックなどの種々の材料からなる被印刷面に印刷されたものも含む。また、2次元の画像を積層することで、一部に立体感のある画像(2次元と3次元からなる像)や立体物を形成することもできる。
図2は、本発明に係る別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。図2の像形成装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の活性エネルギー線硬化型組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の活性エネルギー線硬化型組成物とは組成が異なる第二の活性エネルギー線硬化型組成物を吐出し、隣接した紫外線照射手段33、34でこれら各組成物を硬化しながら積層するものである。より具体的には、例えば、造形物支持基板37上に、第二の活性エネルギー線硬化型組成物を支持体用吐出ヘッドユニット31、32から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成した後、当該溜部に第一の活性エネルギー線硬化型組成物を造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、図2では、造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
前記像としては、本発明のインク吐出装置を用いて形成される。
前記像としては、2次元又は3次元であることが好ましい。
なお、弾性率、マルテンス硬度、及び未硬化のエポキシ接着剤中のエポキシ基の含有量は、以下のようにして測定した。
微小硬度計(装置名:FISCHERSCOPE・HM2000、フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて、ビッカース圧子の押し込みにより測定した。なお、弾性率は、押し込み弾性率「EIT/(1−νs 2)」の値、マルテンス硬度は、「HM」の値を参照して求めた。測定条件は、負荷及び除荷:5mN/10秒間、クリープ:5秒間とした。
前記未硬化のエポキシ接着剤中のエポキシ基の含有量は、前記エポキシ接着剤中に含有する各エポキシ化合物のエポキシ当量をQ1、Q2、・・・、Qx(g/mol)、及び各エポキシ化合物の前記エポキシ接着剤中の質量百分率をW1、W2、・・・、Wx(%)としたときに、下記式(3)により算出した。
エポキシ接着剤中のエポキシ基の含有量(mol/100g)=Σi(Wi/Qi) ・・・ 式(3)
ただし、前記式(3)中、Σは総和を表し、iは整数を表す。
なお、エポキシ当量に幅がある場合は、その中央値を用いて算出した。
<活性エネルギー線硬化型インク1の作製>
アクリロイルモルホリン(KJケミカルズ株式会社製)70.0質量%、ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)24.0質量%、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(BASFジャパン株式会社製)5.5質量%、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬株式会社製)0.3質量%、4−メトキシフェノール(精工化学株式会社製)0.1質量%、及びシリコーン系界面活性剤(商品名:BYK−UV3510、ビックケミー・ジャパン株式会社製)0.1質量%を順に添加して1時間撹拌し、目視にて溶解残りがないことを確認した。その後、メンブランフィルターによりろ過して、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し、活性エネルギー線硬化型インク1を作製した。
<活性エネルギー線硬化型インク2〜12の作製>
前記活性エネルギー線硬化型インクの作製例1において、下記表1の組成及び含有量に変更した以外は、活性エネルギー線硬化型インクの作製例1と同様にして、活性エネルギー線硬化型インク2〜12を作製した。
・アクリロイルモルホリン:KJケミカルズ株式会社製、SP値:11.2(cal/cm3)1/2、モル体積:118.5cm3/mol
・N−ビニルカプロラクタム:東京化成工業株式会社製、SP値:10.8(cal/cm3)1/2、モル体積:130.8cm3/mol
・ベンジルアクリレート:大阪有機化学工業株式会社製
・2−フェノキシエチルアクリレート:大阪有機化学工業株式会社製
・イソボルニルアクリレート:大阪有機化学工業株式会社製
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド:BASFジャパン株式会社製
・2,4−ジエチルチオキサントン:日本化薬株式会社製
・4−メトキシフェノール:精工化学株式会社製
・シリコーン系界面活性剤:ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名:BYK−UV3510
<インク吐出ヘッド1の作製>
ビスフェノールA型エポキシ化合物1(商品名:jER828、三菱化学株式会社製)40.0質量%、ビスフェノールF型エポキシ化合物(商品名:jER806、三菱化学株式会社製)20.0質量%、p−アミノフェノール型エポキシ化合物(商品名:jER630、三菱化学株式会社製)20.0質量%、シリカ(商品名:アエロジルR972、日本アエロジル株式会社製)2.0質量%を順に添加して均一になるまで撹拌混合し、更にアミンアダクト(商品名:アミキュアMY−24、味の素ファインテクノ株式会社製)18.0質量%を添加して均一になるまで撹拌混合し、エポキシ接着剤1を作製した。このエポキシ接着剤1により、活性エネルギー線硬化型インクが接する部材である液室を構成する部材、ノズルプレートを構成する部材、及び流路を構成する部材を接合して、液室、ノズル孔を有するノズルプレート、及び流路を有するインク吐出ヘッド1(株式会社リコー製、MH5440型式)を作製した。
<インク吐出ヘッド2〜4の作製>
前記インク吐出ヘッドの作製例1において、エポキシ接着剤を下記表2の組成及び含有量に変更した以外は、インク吐出ヘッドの作製例1と同様にして、インク吐出ヘッド2〜4を作製した。ここで、下記表2には、未硬化の接着剤のエポキシ基の含有量、接着剤の硬化物の弾性率E1(浸漬前の初期値(GPa))、及びマルテンス硬度M1(浸漬前の初期値(N/mm2))も合わせて示した。
・ビスフェノールA型エポキシ化合物1:三菱化学株式会社製、商品名:jER828
・ビスフェノールA型エポキシ化合物2:三菱化学株式会社製、商品名:jER1001
・ビスフェノールA型エポキシ化合物3:三菱化学株式会社製、商品名:jER1007
・ビスフェノールF型エポキシ化合物:三菱化学株式会社製、商品名:jER806
・p−アミノフェノール型エポキシ化合物:三菱化学株式会社製、商品名:jER630
・アミンアダクト:味の素ファインテクノ株式会社製、商品名:アミキュアMY−24
・シリカ:日本アエロジル株式会社製、商品名:アエロジルR972
作製した活性エネルギー線硬化型インク1と、インク吐出ヘッド1とを組み合わせて、像形成装置に組み込むことでインク吐出装置1を得た。
実施例1において、活性エネルギー線硬化型インク1及びインク吐出ヘッド1を、下記表3に示す活性エネルギー線硬化型インク及びインク吐出ヘッドに変更した以外は、実施例1と同様にして、インク吐出装置2〜28を得た。
各エポキシ接着剤1〜4を型に流し込み、90℃において4時間硬化させて、平均厚みが1mmである硬化物を得た。硬化物の弾性率E1(浸漬前の初期値(GPa))及びマルテンス硬度M1(浸漬前の初期値(N/mm2))は、前記表2に示した。次に、下記表3に示すインクとエポキシ接着剤との組合せにて、活性エネルギー線硬化型インク50mLを充填したガラス製遮光瓶に得られた硬化物を入れ、密栓した後、熱風オーブン内にて60℃において4週間浸漬させ、浸漬物を得た。前記浸漬物の弾性率E2(GPa)及びマルテンス硬度M2(N/mm2)を、浸漬前の硬化物の弾性率E1及びマルテンス硬度M1と同様にして測定し、浸漬前の硬化物の弾性率E1(GPa)及びマルテンス硬度M1(N/mm2)に対する浸漬物の弾性率E2(GPa)及び浸漬物のマルテンス硬度M2(N/mm2)の減少率を下記式(1)及び下記式(2)に基づいて算出した。結果を下記表3に示す。
弾性率の減少率(%)={(E1−E2)/E1}×100 ・・・ 式(1)
マルテンス硬度の減少率(%)={(M1−M2)/M1}×100 ・・・ 式(2)
なお、弾性率、及びマルテンス硬度の評価は、評価の簡便性の点から、インク吐出装置ではなく、エポキシ接着剤を用いて評価しているが、エポキシ接着剤における評価結果は、インク吐出装置における評価結果と同一である。
得られたインク吐出装置を用いて、インク液滴の吐出速度が7m/sとなるように吐出条件を設定した。インクをインク吐出ヘッドに充填した状態で4週間放置した後、設定した吐出条件で再び吐出を行い、下記評価基準に基づいて、「吐出安定性」を評価した。
[評価基準]
○:放置後の吐出速度が6m/s以上である
△:放置後の吐出速度が5m/s以上6m/s未満である
×:放置後の吐出速度が5m/s未満である、又は吐出しない
<1> 活性エネルギー線硬化型インクと、液室、ノズル孔を有するノズルプレート、及び流路を有し、前記活性エネルギー線硬化型インクが接する部材がエポキシ接着剤により接合されてなり、前記ノズル孔から前記活性エネルギー線硬化型インクを吐出するインク吐出ヘッドと、を備えるインク吐出装置であって、
前記活性エネルギー線硬化型インクが、アクリルアミド化合物、及びN−ビニル化合物の少なくともいずれかを含有し、
前記エポキシ接着剤を90℃において4時間硬化させた硬化物の弾性率をE1(GPa)とし、前記硬化物を前記活性エネルギー線硬化型インクに60℃において4週間浸漬させた後の浸漬物の弾性率をE2(GPa)としたときに、下記式(1)で表される弾性率の減少率が、50%以下であることを特徴とするインク吐出装置である。
弾性率の減少率(%)={(E1−E2)/E1}×100 ・・・ 式(1)
<2> 前記アクリルアミド化合物が、アクリロイルモルホリンであり、
前記N−ビニル化合物が、N−ビニルカプロラクタムである前記<1>に記載のインク吐出装置である。
<3> 前記硬化物の弾性率の減少率が、10%以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<4> 前記硬化物の弾性率E1が、3.5GPa以上である前記<1>から<3>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<5> 活性エネルギー線硬化型インクと、液室、ノズル孔を有するノズルプレート、及び流路を有し、前記活性エネルギー線硬化型インクが接する部材がエポキシ接着剤により接合されてなり、前記ノズル孔から前記活性エネルギー線硬化型インクを吐出するインク吐出ヘッドと、を備えるインク吐出装置であって、
前記活性エネルギー線硬化型インクが、アクリルアミド化合物、及びN−ビニル化合物
の少なくともいずれかを含有し、
前記エポキシ接着剤を90℃において4時間硬化させた硬化物のマルテンス硬度をM1
(N/mm2)とし、前記硬化物を前記活性エネルギー線硬化型インクに60℃において
4週間浸漬させた後の浸漬物のマルテンス硬度をM2(N/mm2)としたときに、下記
式(2)で表されるマルテンス硬度の減少率が、50%以下であることを特徴とするイン
ク吐出装置である。
マルテンス硬度の減少率(%)={(M1−M2)/M1}×100 ・・・ 式(2
)
<6> 前記アクリルアミド化合物が、アクリロイルモルホリンであり、
前記N−ビニル化合物が、N−ビニルカプロラクタムである前記<5>に記載のインク吐出装置である。
<7> 前記硬化物のマルテンス硬度の減少率が、10%以下である前記<5>から<6>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<8> 前記硬化物のマルテンス硬度M1が、180N/mm2以上である前記<5>から<7>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<9> 未硬化の前記エポキシ接着剤中のエポキシ基の含有量が、0.4mol/100g以上である前記<1>から<8>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<10> 前記アクリルアミド化合物、及び前記N−ビニル化合物の含有量の合計が、前記活性エネルギー線硬化型インク全量に対して、30質量%以上である前記<1>から<9>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<11> エポキシ接着剤により接合されてなる活性エネルギー線硬化型インクが接する部材が、ノズルプレート、流路板、及び振動板の少なくともいずれか1つである前記<1>から<10>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<12> 前記エポキシ接着剤が、エポキシ化合物、及び硬化剤を含有する前記<1>から<11>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<13> 未硬化の前記エポキシ接着剤中のエポキシ基の含有量が、0.5mol/100g以上である前記<1>から<12>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<14> 前記エポキシ化合物が、ビスフェノールA型エポキシ化合物、及びビスフェノールF型エポキシ化合物の少なくともいずれかである前記<12>から<13>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<15> 前記硬化剤が、アミン系化合物である前記<12>から<14>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<16> 前記活性エネルギー線硬化型インクの25℃における粘度が、3mPa・s以上40mPa・s以下である前記<1>から<15>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<17> 前記活性エネルギー線硬化型インクが、重合開始剤をさらに含有する前記<1>から<16>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<18> 前記活性エネルギー線硬化型インクが、重合禁止剤をさらに含有する前記<1>から<17>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<19> 前記硬化剤の含有量が、エポキシ接着剤全量に対して、1質量%以上30質量%以下である前記<12>から<18>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<20> 前記<1>から<19>のいずれかに記載のいずれかに記載のインク吐出装置を用いて像を形成することを特徴とするインク吐出方法である。
<21> 前記像が、三次元像である前記<20>に記載のインク吐出方法である。
<22> 活性エネルギー線硬化型インクの25℃における粘度が、3mPa・s以上40mPa・s以下である前記<20>から<21>のいずれかに記載のインク吐出方法である。
Claims (9)
- 活性エネルギー線硬化型インクと、液室、ノズル孔を有するノズルプレート、及び流路を有し、前記活性エネルギー線硬化型インクが接する部材がエポキシ接着剤により接合されてなり、前記ノズル孔から前記活性エネルギー線硬化型インクを吐出するインク吐出ヘッドと、を備えるインク吐出装置であって、
前記活性エネルギー線硬化型インクが、アクリルアミド化合物、及びN−ビニル化合物の少なくともいずれかを前記アクリルアミド化合物、及び前記N−ビニル化合物の含有量の合計が、前記活性エネルギー線硬化型インク全量に対して、30質量%以上含有し、
前記エポキシ接着剤を90℃において4時間硬化させた硬化物の弾性率をE1(GPa)とし、前記硬化物を前記活性エネルギー線硬化型インクに60℃において4週間浸漬させた後の浸漬物の弾性率をE2(GPa)としたときに、下記式(1)で表される弾性率の減少率が、50%以下であることを特徴とするインク吐出装置。
弾性率の減少率(%)={(E1−E2)/E1}×100 ・・・ 式(1) - 前記アクリルアミド化合物が、アクリロイルモルホリンであり、
前記N−ビニル化合物が、N−ビニルカプロラクタムである請求項1に記載のインク吐出装置。 - 前記硬化物の弾性率の減少率が、10%以下である請求項1から2のいずれかに記載のインク吐出装置。
- 活性エネルギー線硬化型インクと、液室、ノズル孔を有するノズルプレート、及び流路を有し、前記活性エネルギー線硬化型インクが接する部材がエポキシ接着剤により接合されてなり、前記ノズル孔から前記活性エネルギー線硬化型インクを吐出するインク吐出ヘッドと、を備えるインク吐出装置であって、
前記活性エネルギー線硬化型インクが、アクリルアミド化合物、及びN−ビニル化合物の少なくともいずれかを前記アクリルアミド化合物、及び前記N−ビニル化合物の含有量の合計が、前記活性エネルギー線硬化型インク全量に対して、30質量%以上含有し、
前記エポキシ接着剤を90℃において4時間硬化させた硬化物のマルテンス硬度をM1(N/mm2)とし、前記硬化物を前記活性エネルギー線硬化型インクに60℃において4週間浸漬させた後の浸漬物のマルテンス硬度をM2(N/mm2)としたときに、下記式(2)で表されるマルテンス硬度の減少率が、50%以下であることを特徴とするイン
ク吐出装置。
マルテンス硬度の減少率(%)={(M1−M2)/M1}×100 ・・・ 式(2) - 前記アクリルアミド化合物が、アクリロイルモルホリンであり、
前記N−ビニル化合物が、N−ビニルカプロラクタムである請求項4に記載のインク吐出装置。 - 前記硬化物のマルテンス硬度の減少率が、10%以下である請求項4から5のいずれかに記載のインク吐出装置。
- 未硬化の前記エポキシ接着剤中のエポキシ基の含有量が、0.4mol/100g以上である請求項1から6のいずれかに記載のインク吐出装置。
- エポキシ接着剤により接合されてなる活性エネルギー線硬化型インクが接する部材が、ノズルプレート、流路板、及び振動板の少なくともいずれか1つである請求項1から7のいずれかに記載のインク吐出装置。
- 請求項1から8のいずれかに記載のインク吐出装置を用いて像を形成することを特徴とするインク吐出方法。
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