JP2019162742A - 液体を吐出する装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定して吐出することができ、高硬度及び均一なマット感を有する硬化物が得られる液体を吐出する装置を提供する。【解決手段】液体と、液体吐出ヘッドとを有する液体を吐出する装置であって、前記液体吐出ヘッドは、前記液体が吐出されるノズルに連通する個別液室と、前記液体を前記個別液室に流入させるための流入流路と、前記液体を前記個別液室から流出させるための流出流路とを有し、前記液体は、前記流入流路及び前記流出流路を介して循環されるとともに、活性エネルギー線硬化型組成物からなり、平均一次粒径が100nm〜200nmの微粒子を含有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、液体を吐出する装置に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を吐出し、前記インク液滴を記録媒体上に付着させて、文字や画像を形成する記録方式である。この方式は、他の記録方式に比べてフルカラー化が容易であり、簡易な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点があるため、近年広く用いられている。
インクジェット記録方式に使用されるインクの一つとして、活性エネルギー線硬化型インクが挙げられる。活性エネルギー線硬化型インクは、オフセット、シルクスクリーン、トップコート剤などに供給、使用されてきたが、乾燥工程の簡略化によるコストダウンや、環境対応として溶剤の揮発量低減などのメリットから近年使用量が増加している。
最近では、産業用途として、加工を施す基材に対しても、活性エネルギー線硬化型インクを用いて加飾印刷を施す用途が増加している。高延伸、高硬度を保ちつつ、加飾性を確保できることが求められているが、これらを全て両立することは難しい。
高延伸と高硬度を両立する方法の一つとして、ガラス転移温度の高い材料を用い、低温で硬く、高温で延びるような材料を用いる方法があり、特許文献1ではガラス転移温度90℃以上の単官能モノマーを配合することで、延伸性と硬度を両立させている。また、無機粒子を添加することで強度を付与することができ、特許文献2では、第一層のインク層に対し、第二層のモノマー成分を下層へ浸透させ、表層での粒子密度を増大させることで、延伸性と硬度の両立を図っている。
しかし、これまでのインクジェットにおいては、吐出可能なインク粘度に制限があるため、無機粒子の高密度化は難しく、特許文献2では平均一次粒径70nm未満の無機粒子を10〜30%添加することとなっており、より粒径が大きく、高濃度な無機粒子分散体を含ませることができない。これでは、インクの加飾性に制限が加わることになり、特にマット調の風合いを出すことが難しい。また、粒経の大きい無機粒子を含むので、時間経過によってインク内の無機粒子の沈降が発生したり、インクの増粘の立ち上がりが早く、吐出不良になりやすいという問題もある。吐出が可能であっても、インク内の無機粒子の濃度が不均一となるため、硬化物の光沢度にムラができてしまう。
更に、添加する無機粒子の粒経によって、硬化後のインク硬化物の風合いを変化させることができるが、添加する無機粒子の粒経が大きすぎると不透明感が強く出てしまい、逆に小さすぎると、マット調の風合いが出せない、もしくは、無機粒子を大量に添加する必要が出てきてしまう。
本発明は、安定して吐出することができ、高硬度及び均一なマット感を有する硬化物が得られる液体を吐出する装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、液体と、液体吐出ヘッドとを有する液体を吐出する装置であって、前記液体吐出ヘッドは、前記液体が吐出されるノズルに連通する個別液室と、前記液体を前記個別液室に流入させるための流入流路と、前記液体を前記個別液室から流出させるための流出流路とを有し、前記液体は、前記流入流路及び前記流出流路を介して循環されるとともに、活性エネルギー線硬化型組成物からなり、平均一次粒径が100nm〜200nmの微粒子を含有することを特徴とする。
本発明によれば、安定して吐出することができ、高硬度及び均一なマット感を有する硬化物が得られる液体を吐出する装置を提供することができる。
本発明における像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明における別の像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明におけるさらに別の像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッドの外観斜視説明図である。 同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向の断面説明図である。 同ヘッドのノズル配列方向と平行な方向の一部断面説明図である。 同ヘッドのノズル板の平面説明図である。 同ヘッドの流路部材を構成する各部材の平面説明図である。 同ヘッドの共通液室部材を構成する各部材の平面説明図である。 本発明に係る液体循環システムの一例を示すブロック図である。 図5のA−A’断面図である。 図5のB−B’断面図である。 本発明に係る液体を吐出する装置の一例の要部平面説明図である。 同装置の要部側面説明図である。 本発明に係る液体吐出ユニットの他の例の要部平面説明図である。
以下、本発明に係る液体を吐出する装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明者は、従来の問題を鑑みて鋭意検討を行った結果、液体に添加する微粒子の一次粒経を一定の範囲内にすることで、硬化物の表面にマット調の風合いを出せることを見出した。更に、ヘッド内で液体を循環させることにより、液体内の微粒子の沈降を防ぐとともに、乾燥による粘度上昇を防ぐことができ、吐出及び硬化物の光沢ムラについての課題を解決し得ることを見出した。
本発明は、液体と、液体吐出ヘッドとを有する液体を吐出する装置であって、前記液体吐出ヘッドは、前記液体が吐出されるノズルに連通する個別液室と、前記液体を前記個別液室に流入させるための流入流路と、前記液体を前記個別液室から流出させるための流出流路とを有し、前記液体は、前記流入流路及び前記流出流路を介して循環されるとともに、活性エネルギー線硬化型組成物からなり、平均一次粒径が100nm〜200nmの微粒子を含有することを特徴とする。
以下、詳細を説明する。
(活性エネルギー線硬化型組成物)
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、単官能モノマーと、2官能以上の官能基を有する多官能モノマーと、微粒子の分散体を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<重合性化合物>
前記重合性化合物は、活性エネルギー線(紫外線、電子線等)により重合反応を生起し、硬化する化合物であり、本発明においては、単官能モノマー、2官能以上の官能基を有する多官能モノマーを含むことが好ましい。また、単官能モノマーは重合性化合物全量に対して50質量%以上含まれることが好ましい。その他、必要に応じて重合性オリゴマー等を含んでいてもよい。
単官能モノマーを重合性化合物の主成分(50質量%以上)とすることで、重合体の網掛け構造が少なくなり、ガラス転移温度(Tg)以上の温度での延伸性を得ることができる。また、これは重合体のガラス転移温度が高いほどポリマー鎖が解けにくいことを意味しており、一定の温度域までの強度、硬度が高い傾向にある。重合体のガラス転移温度が高ければよく、単独重合体のガラス転移温度が50℃以上のモノマーが、重合性化合物全量に対して50質量%以上、90質量%以下含まれていることがより好ましい。
<<単官能モノマー>>
単官能モノマーであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(メタ)アクリレート、t−ブチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレートなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも特に硬化物のガラス転移温度の高いモノマーを含むことが好ましい。前記ガラス転移温度の高いモノマーをインク成分中に配合すると低温での硬度が高くなり、高温では延伸性が得られるため、延伸性と硬度の両立性が高くなる。単官能モノマーのガラス転移温度が50℃以上のモノマーを含むことが好ましく、更には80℃以上のモノマーを含むことが好ましい。
単官能モノマーのみが含まれていた場合、重合生成物の硬度低下が著しいため、2官能以上の官能基を持つ多官能モノマーを含むことによって、硬度を向上させることができる。多官能モノマーの含有量としては、延伸性を大きく阻害しない程度であることが好ましく、多官能モノマーの官能基数や分子量にもよるが、重合性化合物に対して30質量%以下、好ましくは10質量%以下がよい。
<<多官能モノマー>>
多官能モノマーとは、2つ以上の活性エネルギー線重合性の官能基を有する化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド(PO)付加物ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(EO)付加物ジ(メタ)アクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、PO変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトリレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、ポリエーテルアクリレートオリゴマー、シリコーンアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、官能基数としては、2〜6官能が好ましく、特に2官能モノマーが延伸性を阻害しにくいという点から好ましい。
これらの中でもウレタンアクリレートオリゴマーを用いることが好ましい。前記ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、日本化学合成社製のUV−2000B、UV−2750B、UV−3000B、UV−3010B、UV−3200B、UV−3300B、UV−3700B、UV−6640B、UV−8630B、UV−7000B、UV−7610B、UV−1700B、UV−7630B,UV−6300B、UV−6640B、UV−7550B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7610B、UV−7630B、UV−7640B、UV−7650B、UT−5449、UT−5454;巴工業社製のCN929、CN961E75、CN961H81、CN962、CN963、CN963A80、CN963B80、CN963E75、CN963E80、CN963J85、CN965、CN965A80、CN966A80、CN966H90、CN966J75、CN968、CN981、CN981A75、CN981B88、CN982、CN982A75、CN982B88、CN982E75、CN983、CN985B88、CN9001、CN9002、CN9788、CN970A60、CN970E60、CN971、CN971A80、CN972、CN973A80、CN973H85、CN973J75、CN975、CN977C70、CN978、CN9782、CN9783、CN996、CN9893;ダイセル・サイテック社製のEBECRYL210、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL270、KRM8200、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8301、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260、KRM7735、KRM8296、KRM8452、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL9270、EBECRYL8311、EBECRYL8701などが挙げられる。
多官能モノマーの含有量が多いほど、硬度が向上するが、延伸性が低下する傾向にある。分子量/官能基数の値が大きいほど少ない含有量で上記の効果を発揮し、小さいほど効果が少ない。また、分子量が大きいほど、インク粘度が上昇する傾向にある。重量平均分子量としては15000以下が好ましい。
ここで重量平均分子量とは、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(日本Water社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×10、分離範囲:100〜2×10、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定した値を指す。
多官能モノマーの含有量としては、重合性化合物全量に対して2質量%以上30質量%以下が好ましく、2質量%以上20質量%以下がより好ましく、10質量%以上20質量%以下が更に好ましい。30質量%以下の場合、延伸性を向上させることができ、またインク粘度が著しく高くなることを防ぐことができる。
また、インクジェット用インクとしては20質量%以下が好ましい。
<<その他の単官能モノマー>>
重合性化合物としてその他のモノマーを含んでいてもよく、例えば単独重合体のガラス転移温度が50℃未満の単官能モノマーを含むことができる。
かかる単官能モノマーとしては、目的に応じて適宜選択することができ、例えばテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ガラス転移温度について特に制限はないが、50℃未満が好ましく、20℃以下がより好ましい。
<微粒子>
本発明においては、液体は平均一次粒径が100〜200nmである微粒子を含有する。この微粒子としては、特に制限はないが、コストや表面処理のしやすさなどからシリカ粒子が好ましい。
更にシリカ粒子の種類としては、特に制限はないが、粘度の観点から、湿式で合成され、有機系の表面処理がなされ、有機系分散媒に溶媒置換されたシリカ分散液が好ましい。また、コストの観点からは、シリカ粉末に表面処理剤や分散剤などを加えながらミル分散させて得るシリカ分散液なども好ましい。
従来、インクジェットでは高濃度の微粒子分散体を吐出することは、インク流路内での微粒子の沈降や、乾燥による極度の増粘、硬化が発生するために困難であった。これに対し、本発明では、前述のように液体の循環を行うことによって、安定した吐出を可能としている。
本発明においては、液体に平均一次粒径が100〜200nmである微粒子を含むことにより、液体の硬化物に適切な硬度を持たせることができる。また、平均一次粒径を100〜200nmとすることにより、硬化物に対して適切なマット調の風合いを持たせることができる。平均一次粒径が100nm未満の場合、十分なマット調の風合いを出すことができず、平均一次粒径が200nmより大きい場合は不透明感が強く出たり、粘度が高くなりすぎて吐出が困難となる場合がある。
<硬化手段>
本発明の硬化型組成物(活性エネルギー線硬化型組成物)を硬化させる手段としては、加熱硬化又は活性エネルギー線による硬化が挙げられ、これらの中でも活性エネルギー線による硬化が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
<重合開始剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、中でもラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。また、重合開始剤は、十分な硬化速度を得るために、組成物の総質量(100質量%)に対し、5〜20質量%含まれることが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物などが挙げられる。
また、上記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。重合促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン化合物が好ましく、その含有量は、使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
<色材>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、色材を含有していてもよい。色材としては、本発明における組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色、などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、組成物の総質量(100質量%)に対して、0.1〜20質量%であることが好ましい。なお、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、その場合には、例えば、画像を保護するためのオーバーコート層として好適である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<有機溶媒>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
<その他の成分>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、必要に応じてその他の公知の成分を含んでもよい。その他成分としては、特に制限されないが、例えば、従来公知の、界面活性剤、重合禁止剤、レべリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
<活性エネルギー線硬化型組成物の調製>
本実施形態の活性エネルギー線硬化型組成物は、上述のように、微粒子及び重合性化合物を含み、前記微粒子は平均一次粒径100〜200nmである。また、前記重合性化合物は、単官能モノマーを重合性化合物全量に対して50質量%以上と、2官能以上の官能基を持つ多官能モノマーとを含むことが好ましい。
本実施形態の活性エネルギー線硬化型組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、重合性化合物、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて無機粒子あるいは顔料分散液を調製し、当該無機粒子あるいは顔料分散液に更に重合性化合物、開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
<粘度>
本実施形態の活性エネルギー線硬化型組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されない。例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3〜40mPa・sが好ましく、5〜30mPa・sがより好ましく、6〜15mPa・sが特に好ましい。また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。
なお、上記粘度は、東機産業社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34'×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
<用途>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の用途は、一般に活性エネルギー線硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などが挙げられる。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、インクとして用いて2次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。この立体造形用材料は、例えば、粉体層の硬化と積層を繰り返して立体造形を行う粉体積層法において用いる粉体粒子同士のバインダーとして用いてもよく、また、図2や図3に示すような積層造形法(光造形法)において用いる立体構成材料(モデル材)や支持部材(サポート材)として用いてもよい。なお、図2は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行う方法であり(詳細後述)、図3は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う方法である。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を用いて立体造形物を造形するための立体造形装置としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、該組成物の収容手段、供給手段、吐出手段や活性エネルギー線照射手段等を備えるものが挙げられる。
また、本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させて得られた硬化物や当該硬化物が基材上に形成された構造体を加工してなる成形加工品も含む。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。
上記基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチック基材が好ましい。
<組成物収容容器>
本発明の組成物収容容器は、活性エネルギー線硬化型組成物が収容された状態の容器を意味し、上記のような用途に供する際に好適である。例えば、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物がインク用途である場合において、当該インクが収容された容器は、インクカートリッジやインクボトルとして使用することができ、これにより、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。また、容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく、特に限定されないが、その材質は光を透過しない遮光性材料であるか、または容器が遮光性シート等で覆われていることが望ましい。
<像の形成方法、形成装置>
本発明の像の形成方法は、活性エネルギー線を用いてもよいし、加温なども挙げられる。本発明の硬化型組成物を活性エネルギー線で硬化させるためには、活性エネルギー線を照射する照射工程を有し、本発明の像の形成装置は、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を収容するための収容部と、を備えていてもよく、該収容部には前記容器を収容してもよい。さらに、活性エネルギー線硬化型組成物を吐出する吐出工程、吐出手段を有していてもよい。吐出させる方法は特に限定されないが、連続噴射型、オンデマンド型等が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例である。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色活性エネルギー線硬化型インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dにより、供給ロール21から供給された被記録媒体22にインクが吐出される。その後、インクを硬化させるための光源24a、24b、24c、24dから、活性エネルギー線を照射して硬化させ、カラー画像を形成する。その後、被記録媒体22は、加工ユニット25、印刷物巻取りロール26へと搬送される。各印刷ユニット23a、23b、23c、23dには、インク吐出部でインクが液状化するように、加温機構を設けてもよい。また必要に応じて、接触又は非接触により記録媒体を室温程度まで冷却する機構を設けてもよい。また、インクジェット記録方式としては、吐出ヘッド幅に応じて間欠的に移動する記録媒体に対し、ヘッドを移動させて記録媒体上にインクを吐出するシリアル方式や、連続的に記録媒体を移動させ、一定の位置に保持されたヘッドから記録媒体上にインクを吐出するライン方式のいずれであっても適用することができる。
被記録媒体22は、特に限定されないが、紙、フィルム、セラミックスやガラス、金属、これらの複合材料等が挙げられ、シート状であってもよい。また片面印刷のみを可能とする構成であっても、両面印刷も可能とする構成であってもよい。一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、ダンボール、壁紙や床材等の建材、コンクリート、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。
更に、光源24a、24b、24cからの活性エネルギー線照射を微弱にするか又は省略し、複数色を印刷した後に、光源24dから活性エネルギー線を照射してもよい。これにより、省エネ、低コスト化を図ることができる。
本発明のインクにより記録される記録物としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する被印刷面に印刷されたものや、金属やセラミックなどの種々の材料からなる被印刷面に印刷されたものも含む。また、2次元の画像を積層することで、一部に立体感のある画像(2次元と3次元からなる像)や立体物を形成することもできる。
図2は、本発明に係る別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。図2の像形成装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の活性エネルギー線硬化型組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の活性エネルギー線硬化型組成物とは組成が異なる第二の活性エネルギー線硬化型組成物を吐出し、隣接した紫外線照射手段33、34でこれら各組成物を硬化しながら積層するものである。より具体的には、例えば、造形物支持基板37上に、第二の活性エネルギー線硬化型組成物を支持体用吐出ヘッドユニット31、32から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成した後、当該溜部に第一の活性エネルギー線硬化型組成物を造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、図2では、造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
(液体を吐出する装置の一実施形態)
本発明者が鋭意検討した結果、前述の活性エネルギー線硬化型組成物を含む液体(一例としてインク)を、後述の循環機構を有する液体を吐出する装置を用いて吐出させることによって初めて、マット調の均一な硬化物が得られることを見出した。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッドの一例について図4〜図9を参照して説明する。図4は同液体吐出ヘッドの外観斜視説明図、図5は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向の断面説明図、図6は同ヘッドのノズル配列方向と平行な方向の断面説明図、図7は同ヘッドのノズル板の平面説明図、図8は同ヘッドの流路部材を構成する各部材の平面説明図、図9は同ヘッドの共通液室部材を構成する各部材の平面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、ノズル板1と、流路板2と、壁面部材としての振動板部材3とを積層接合している。そして、振動板部材3を変位させる圧電アクチュエータ11と、共通液室部材20と、カバー29を備えている。
ノズル板1は、液体を吐出する複数のノズル4を有している。
流路板2は、ノズル4に通じる個別液室6、個別液室6に通じる流体抵抗部7、流体抵抗部7に通じる液導入部8を形成している。また、流路板2は、ノズル板1側から複数枚の板状部材41〜45を積層接合して形成され、これらの板状部材41〜45と振動板部材3を積層接合して流路部材40が構成されている。
振動板部材3は、液導入部8と共通液室部材20で形成される共通液室10とを通じる開口としてのフィルタ部9を有している。
振動板部材3は、流路板2の個別液室6の壁面を形成する壁面部材である。この振動板部材3は2層構造(限定されない)とし、流路板2側から薄肉部を形成する第1層と、厚肉部を形成する第2層で形成され、第1層で個別液室6に対応する部分に変形可能な振動領域30を形成している。
ここで、ノズル板1には、図7にも示すように、複数のノズル4が千鳥状に配置されている。
流路板2を構成する板状部材41には、図8(a)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部(溝形状の貫通穴の意味)6aと、流体抵抗部51、循環流路52を構成する貫通溝部51a、52aが形成されている。
同じく板状部材42には、図8(b)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6bと、循環流路52を構成する貫通溝部52bが形成されている。
同じく板状部材43には、図8(c)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6cと、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53aが形成されている。
同じく板状部材44には、図8(d)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6dと、流体抵抗部7なる貫通溝部7aと、液導入部8を構成する貫通溝部8aと、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53bが形成されている。
同じく板状部材45には、図8(e)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6eと、液導入部8を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部8b(フィルタ下流側液室となる)と、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53cが形成されている。
振動板部材3には、図8(f)に示すように、振動領域30と、フィルタ部9と、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53dが形成されている。
このように、流路部材を複数の板状部材を積層接合して構成することで、簡単な構成で複雑な流路を形成することができる。
以上の構成により、流路板2及び振動板部材3からなる流路部材40には、各個別液室6に通じる流路板2の面方向に沿う流体抵抗部51、循環流路52及び循環流路52に通じる流路部材40の厚み方向の循環流路53が形成される。なお、循環流路53は後述する循環共通液室50に通じている。
一方、共通液室部材20には、供給・循環機構494から液体が供給される共通液室10と循環共通液室50が形成されている。
共通液室部材20を構成する第1共通液室部材21には、図9(a)に示すように、圧電アクチュエータ用貫通穴25aと、下流側共通液室10Aとなる貫通溝部10aと、循環共通液室50となる底のある溝部50aが形成されている。
同じく第2共通液室部材22には、図9(b)に示すように、圧電アクチュエータ用貫通穴25bと、上流側共通液室10Bとなる溝部10bが形成されている。
また、図4も参照して、第2共通液室部材22には、共通液室10のノズル配列方向の一端部と供給ポート71を通じる供給口部となる貫通穴71aが形成されている。
同様に、第1共通液室部材21及び第2共通液室部材22には、循環共通液室50のノズル配列方向の他端部(貫通穴71aと反対側の端部)と循環ポート81を通じる貫通穴81a、81bが形成されている。
なお、図9において、底のある溝部については面塗りを施して示している(以下の図でも同じである)。
このように、共通液室部材20は、第1共通液室部材21及び第2共通液室部材22によって構成され、第1共通液室部材21を流路部材40の振動板部材3側に接合し、第1共通液室部材21に第2共通液室部材22を積層して接合している。
ここで、第1共通液室部材21は、液導入部8に通じる共通液室10の一部である下流側共通液室10Aと、循環流路53に通じる循環共通液室50とを形成している。また、第2共通液室部材22は、共通液室10の残部である上流側共通液室10Bを形成している。
このとき、共通液室10の一部である下流側共通液室10Aと循環共通液室50とはノズル配列方向と直交する方向に並べて配置されるとともに、循環共通液室50は共通液室10内に投影される位置に配置される。
これにより、循環共通液室50の寸法が流路部材40で形成される個別液室6、流体抵抗部7及び液導入部8を含む流路に必要な寸法による制約を受けることがなくなる。
そして、循環共通液室50と共通液室10の一部が並んで配置され、循環共通液室50は共通液室10内に投影される位置に配置されることで、ノズル配列方向と直交する方向のヘッドの幅を抑制することができ、ヘッドの大型化を抑制できる。共通液室部材20は、ヘッドタンクや液体カートリッジから液体が供給される共通液室10と循環共通液室50を形成する。
一方、振動板部材3の個別液室6とは反対側に、振動板部材3の振動領域30を変形させる駆動手段としての電気機械変換素子を含む圧電アクチュエータ11を配置している。
この圧電アクチュエータ11は、図6に示すように、ベース部材13上に接合した圧電部材12を有し、圧電部材12にはハーフカットダイシングによって溝加工して1つの圧電部材12に対して所要数の柱状の圧電素子12A、12Bを所定の間隔で櫛歯状に形成している。
ここでは、圧電部材12の圧電素子12Aは駆動波形を与えて駆動させる圧電素子とし、圧電素子12Bは駆動波形を与えないで単なる支柱として使用しているが、すべての圧電素子12A、12Bを駆動させる圧電素子として使用することもできる。
そして、圧電素子12Aを振動板部材3の振動領域30に形成した島状の厚肉部である凸部30aに接合している。また、圧電素子12Bを振動板部材3の厚肉部である凸部30bに接合している。
この圧電部材12は、圧電層と内部電極とを交互に積層したものであり、内部電極がそれぞれ端面に引き出されて外部電極が設けられ、外部電極にフレキシブル配線部材15が接続されている。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば圧電素子12Aに与える電圧を基準電位から下げることによって圧電素子12Aが収縮し、振動板部材3の振動領域30が下降して個別液室6の容積が膨張することで、個別液室6内に液体が流入する。
その後、圧電素子12Aに印加する電圧を上げて圧電素子12Aを積層方向に伸長させ、振動板部材3の振動領域30をノズル4に向かう方向に変形させて個別液室6の容積を収縮させることにより、個別液室6内の液体が加圧され、ノズル4から液体が吐出される。
そして、表面張力によって液体が共通液室10から引き込まれ液体が充填される。最終的には、供給タンク及び循環タンクや水頭差で規定される負圧と、メニスカスの表面張力とのつり合いにより、メニスカス面が安定するため、次の吐出動作に移行可能となる。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。また、上述した実施形態では、個別液室6に圧力変動を与える圧力発生手段として積層型圧電素子を用いて説明したが、これに限定されず、薄膜状の圧電素子を用いることも可能である。更に、個別液室6内に発熱抵抗体を配し、発熱抵抗体の発熱によって気泡を生成して圧力変動を与えるものや、静電気力を用いて圧力変動を生じさせるものを使用することができる。
次に、本実施形態に係る液体吐出ヘッドを用いた液体循環システムの一例を、図10を用いて説明する。
図10は、本実施形態に係る液体循環システムを示すブロック図である。図10に示すように、本実施形態の液体循環システムは、メインタンク、液体吐出ヘッド、供給タンク、循環タンク、コンプレッサ、真空ポンプ、送液ポンプ、レギュレータ(R)、供給側圧力センサ、循環側圧力センサなどで構成されており、更に全体のインク循環速度を調整する循環速度制御部からなる。
供給側圧力センサは、供給タンクと液体吐出ヘッドとの間であって、液体吐出ヘッドの供給ポート71(図4参照)に繋がった供給流路側に接続されている。循環側圧力センサは、液体吐出ヘッドと循環タンクとの間であって、液体吐出ヘッドの循環ポート81(図4参照)に繋がった循環流路側に接続されている。
なお、本実施形態では、供給側圧力センサと循環側圧力センサを有する構成となっているが、これに限られず、少なくとも一方を有していることが好ましい。
循環タンクの一方は第一送液ポンプを介して供給タンクと接続されており、循環タンクの他方は第二送液ポンプを介してメインタンクと接続されている。これにより、供給タンクから供給ポート71を通って液体吐出ヘッド内に液体が流入し、循環ポート81から排出されて循環タンクへ排出され、更に第1送液ポンプによって循環タンクから供給タンクへ液体が送られることによって液体が循環する。
また、供給タンクにはコンプレッサがつなげられていて、供給側圧力センサで所定の正圧が検知されるように制御される。一方、循環タンクには真空ポンプがつなげられていて、循環側圧力センサで所定の負圧が検知されるよう制御される。これにより、液体吐出ヘッド内を通って液体を循環させつつ、メニスカスの負圧を一定に保つことができる。
また、液体吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出すると、供給タンク及び循環タンク内の液体量が減少していくため、適宜メインタンクから第二送液ポンプを用いて、メインタンクから循環タンクに液体を補充することが望ましい。メインタンクから循環タンクへの液体補充のタイミングは、循環タンク内のインクの液面高さが所定高さよりも下がったら液体補充を行うなど、循環タンク内に設けた液面センサなどの検知結果によって制御することができる。
次に、液体吐出ヘッド内における液体の循環について説明する。図4に示すように、共通液室部材20の端部に、共通液室に連通する供給ポート71と、循環共通液室50に連通する循環ポート81が形成されている。供給ポート71及び循環ポート81は夫々チューブを介して液体を貯蔵する供給タンク・循環タンク(図10参照)につなげられている。そして、供給タンクに貯留されている液体は、供給ポート71、共通液室10、液導入部8、流体抵抗部7を経て、個別液室6へ供給される。
更に、個別液室6内の液体が圧電素子12の駆動によりノズル4から吐出される一方で、吐出されずに個別液室6内に留まった液体の一部もしくは全ては流体抵抗部51、循環流路52、53、循環共通液室50、循環ポート81を経て、循環タンクへと循環される。
上述した液体の循環が図11及び図12に図示されている。図11は図5のA−A’断面図を模式的に示す図であり、供給ポート71を経て供給液室10に供給される液体の流れを矢印で模式的に示している。図12は図5のB−B’断面図を模式的に示す図であり、循環流路52、53、循環共通液室50を経て循環ポート81に循環される液体の流れを矢印で模式的に示している。
なお、図12は微駆動機構を有する構成であり、微駆動機構は、吐出をしていないノズルにも微小なパルスを印加する事で、ノズル付近の乾燥による増粘したインクと、その背後のインクとを微小に循環させ、安定した吐出を保つことを目的とした機構である。
本実施形態において、液体を個別液室6に流入させるための流入流路は、供給ポート71、共通液室10、流体抵抗部7等からなるが、これに限られるものではなく、適宜変更することが可能である。また、液体を個別液室6から流出させるための流出流路は、流体抵抗部51、循環流路52、循環流路53、循環共通液室50、循環ポート81等からなるが、これに限られるものではなく、適宜変更することが可能である。
なお、液体の循環は液体吐出ヘッドの動作時のみならず、動作休止時においても実施することができる。動作休止時に循環することによって、個別液室内の液体は常にリフレッシュされるとともに、液体に含まれる成分の凝集や沈降を抑制できるので好ましい。
更に、本件のように、インク内に沈降しやすい微粒子を含む場合、インクの循環速度が遅いと、循環経路内にて微粒子の沈降や固着が発生する場合がある。すると、循環経路内の抵抗が強くなるため、供給側圧力センサ及び/又は循環側圧力センサでの検出値が小さくなる。その場合は、インクの循環速度を速めるよう制御することで、沈降部を解消させることができる。
具体的には、供給側圧力センサ及び/又は循環側圧力センサでの検出値が、あらかじめ設定した下限目標値(一例として、正常時の圧力の半分未満)にまで低下した場合、あらかじめ設定した圧力変化率で目標圧力(正常時の圧力)にまで昇圧するように流量を制御する。この例では流量を増加させる。検出値が前記目標圧力に到達した時点からあらかじめ定められた時間が経過するまでの間、この増加させた流量を維持する。これにより、沈降部を解消することができる。
次に、本発明に係る液体を吐出する装置の一例について図13及び図14を参照して説明する。図13は同装置の要部平面説明図、図14は同装置の要部側面説明図である。
この装置は、シリアル型装置であり、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
このキャリッジ403には、本発明に係る液体吐出ヘッド404を搭載した液体吐出ユニット440を搭載している。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド404は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
液体吐出ヘッド404の外部に貯留されている液体を液体吐出ヘッド404に供給するための供給・循環機構494により、液体が液体吐出ヘッド404内に供給・循環される。なお、本例において、供給・循環機構494は、供給タンク、循環タンク、コンプレッサ、真空ポンプ、送液ポンプ、レギュレータ(R)等で構成される。また、供給側圧力センサは、供給タンクと液体吐出ヘッドとの間であって、液体吐出ヘッドの供給管ポート71に繋がった供給流路側に接続されている。循環側圧力センサは、液体吐出ヘッドと循環タンクとの間であって、液体吐出ヘッドの循環ポート81に繋がった循環流路側に接続されている。
この装置は、用紙410を搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
搬送ベルト412は用紙410を吸着して液体吐出ヘッド404に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
更に、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド404の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド404のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
主走査移動機構493、供給・循環機構494、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
このように構成したこの装置においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド404を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成する。
このように、この装置では、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、高画質画像を安定して形成することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの他の例について図15を参照して説明する。図15は同ユニットの要部平面説明図である。
この液体吐出ユニットは、前記液体を吐出する装置を構成している部材のうち、側板491A、491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403と、液体吐出ヘッド404で構成されている。
なお、この液体吐出ユニットの例えば側板491Bに、前述した維持回復機構420、及び供給・循環機構494の少なくともいずれかを更に取り付けた液体吐出ユニットを構成することもできる。中でも循環機構を有することが好ましい。
本願において、「液体吐出ヘッド」とは、ノズルから液体を吐出・噴射する機能部品である。
吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
「液体吐出ユニット」とは、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体である。例えば、「液体吐出ユニット」は、供給・循環機構、キャリッジ、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドと供給・循環機構が一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドと供給・循環機構が一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットの供給・循環機構と液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、供給・循環機構若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。このチューブを介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッドに供給される。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
本願において、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手
段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装
置である画像形成装置、立体造形物(3次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(3次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液をノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
また、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、以下において、「%」は、特に明示しない限り「質量%」を表す。
<活性エネルギー線硬化型組成物の作製>
表1、表2に示す配合比(活性エネルギー線硬化型組成物全量に対する質量%)にて、活性エネルギー線硬化型組成物を作製した。
<シリカ粒子分散体>
シリカ粒子としては、市販のシリカゾルを用い、シリカの分散媒が水の場合は、一度エタノールに溶媒置換した後に、アクリロイルモルホリンへと溶媒置換した。メチルエチルケトンが分散媒の場合は、アクリロイルモルホリンとの溶媒置換により取り除いた。すなわち、シリカ分散液に揮発性の低いアクリロイルモルホリンを加えた後、エバポレーターを用いて除いた。ここで得られたシリカ粒子分散体(単体での固形分量比50%)を、表1、表2に示した固形分量比となるよう、上記の活性エネルギー硬化型組成物に添加し、インクとした。
<<シリカ粒子>>
(1)MP−1040(日産化学工業)(平均粒子径100nm[BET法])
(2)MEK−ST−2040(日産化学工業)(平均粒子径200nm[遠心沈降法])
(3)MP−4540m(日産化学工業)(平均粒子径450nm[動的光散乱法])
(4)MEK−ST−L(日産化学工業)(平均粒子径40〜50nm[BET法])
<硬化物の作製>
得られた各活性エネルギー線硬化型インクについて、実施例1〜9及び比較例3〜5では図4から図12で示した循環機構を有する装置を用いて、平均厚みが10μmになるようにポリカーボネート基材(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ユーピロン100FE2000マスキング、厚み100μm)上に各インクを吐出した。
比較例1、2では循環機構を有していない装置を用いた。GEN4ヘッド(リコープリンティングシステムズ社製)搭載のインクジェット吐出装置により、同様に、平均厚みが10μmになるようにポリカーボネート基材上にインクを吐出した。吐出の直後、フュージョンシステムズジャパン社製UV照射機LH6により光量1,500mJ/cmで紫外線を照射させ、各硬化物を得た。
(評価)
以下の評価を行った。結果を表1、表2に示す。なお、表2中、比較例2、3における「−」は評価なしを意味する。
<延伸性>
延伸性は180℃破断伸び(引張り試験)で評価した。作製した硬化物について、引張り試験機(オートグラフ AGS−5kNX、島津製作所製)を用い、引張り速度:20mm/min、温度180℃、サンプル:JIS K6251 ダンベル状(6号)の条件で測定し、(引張り試験後の長さ−引張り試験前の長さ)/(引張り試験前の長さ)の比で延伸性を表した。評価基準は以下の通りとした。合格基準は特に定めないが、B以上が好ましく、Aがより好ましい。
[評価基準]
A:200%以上
B:100%以上200%未満
C:50%以上100%未満
D:50%未満
<光沢均質感>
硬化物の光沢度の均一性について、目視評価を行い、評価基準を以下の通りとした。A及びBを合格とし、Cを不合格とした。
[評価基準]
A:硬化物全体において、均質感のある光沢感である。
B:一部、キラキラ感やマット感が気になるが、実用上十分耐えうる光沢感である。
C:キラキラ感やマット感が顕著で光沢が不均質であり、実用に耐えない品質である。
<マット性>
マット性の評価について、評価基準を以下の通りとし、A及びBを合格とし、Cを不合格とした。なお、60°光沢及びヘーズ値は以下のようにして求めた。
[評価基準]
A:60°光沢が40以下かつヘーズ値が20〜50
B:60°光沢が60以下かつヘーズ値が10〜50
C:A及びBの条件に該当しない
<<光沢度>>
光沢度は、マイクロトリグロス(BYK社製)を用いて、60°光沢を測定した。この時、硬化物上の任意の5箇所について測定し、その平均値を光沢度とした。
<<ヘーズ>>
ヘーズは、JIS−K−7136に準拠して、NDH4000(日本電色工業社製)を用いて測定した。
<鉛筆硬度>
鉛筆硬度試験は、JIS K5600−5−4 引っかき硬度(鉛筆法)に準じて行った。装置としては、COTEC株式会社製ひっかき鉛筆硬度 TQC WWテスター(荷重750g専用)を用い、鉛筆は塗面に対して角度45°、荷重750gで押すように取り付ける。0.5〜1mm/sの速度で試験を行った。3B以上を合格とした。
<吐出安定性>
硬化物について、筋、抜け、噴射乱れの有無を目視で観察し、評価した。この時の評価基準は以下の通りとし、Aを合格とし、B及びCを不合格とした。
[評価基準]
A:ベタ部に認められる筋、抜け、噴射乱れがない、または、ほとんど見られない。
B:ベタ部に筋、抜け、噴射乱れが3箇所以上で認められる。
C:インクが吐出されず、像が形成できていない。
(1)吐出安定性:実施例1〜9と、比較例1、2の比較によれば、循環機構を有する装置で吐出させることによって初めて、平均一次粒経100〜200nmの微粒子を含むインクを安定して吐出させることが可能となることが分かる。
(2)吐出安定性:実施例1〜9と、比較例3の比較によれば、循環機構を有する装置で吐出させても、微粒子の粒経が200nmより大きいと、吐出できないことが分かる。
(3)延伸性:実施例1〜9より、単官能モノマーの含有量に応じて延伸性が変化することが分かる。
(4)光沢均質感:実施例1〜9と、比較例1〜5の比較によれば、循環機構を有する装置で吐出させることによって初めて、平均一次粒経100〜200nmの微粒子を含むインクの光沢感が均一なものにできることが分かる。
(5)マット性:実施例1〜9と、比較例4との比較によれば、微粒子がインク中に含まれない場合、十分なマット性が得られないことが分かる。
(6)マット性:実施例1〜9と、比較例5との比較によれば、微粒子の粒経が100nmよりも小さい場合、十分なマット性が得られないことが分かる。
(7)鉛筆硬度:実施例1〜9より、2官能以上の官能基を持つ多官能モノマーの添加量が低いほど、硬度が下がることが分かる。
(図4〜図12)
1 ノズル板
2 流路板
3 振動板部材
4 ノズル
6 個別液室
6a、6b、6c、6d、6e 個別液室を構成する貫通溝部
7 流体抵抗部
7a 流体抵抗部である貫通溝部
8 液導入部
8a、8b 液導入部を構成する貫通溝部
9 フィルタ部
10 共通液室
10A 下流側共通液室
10a 貫通溝部
10B 上流側共通液室
10b 溝部
11 圧電アクチュエータ
12 圧電部材
12A、12B 圧電素子
13 ベース部材
15 フレキシブル配線部材
20 共通液室部材
21 第1共通液室部材
22 第2共通液室部材
25a、25b 圧電アクチュエータ用貫通穴
29 カバー
30 振動領域
30a、30b 凸部
40 流路部材
41〜45 板状部材
50 循環共通液室
50a 溝部
51 流体抵抗部
51a 流体抵抗部を構成する貫通溝部
52、53 循環流路
52a、52b 循環流路を構成する貫通溝部
53a、53b、53c、53d 循環流路を構成する貫通溝部
71 供給ポート
71a 貫通穴
81 循環ポート
81a、81b 貫通穴
特開2015−117359号公報 特開2017−131865号公報

Claims (5)

  1. 液体と、液体吐出ヘッドとを有する液体を吐出する装置であって、
    前記液体吐出ヘッドは、前記液体が吐出されるノズルに連通する個別液室と、前記液体を前記個別液室に流入させるための流入流路と、前記液体を前記個別液室から流出させるための流出流路とを有し、
    前記液体は、前記流入流路及び前記流出流路を介して循環されるとともに、活性エネルギー線硬化型組成物からなり、平均一次粒径が100nm〜200nmの微粒子を含有することを特徴とする液体を吐出する装置。
  2. 前記微粒子がシリカ粒子であることを特徴とする請求項1に記載の液体を吐出する装置。
  3. 前記液体は、重合性化合物を含み、
    前記重合性化合物は、単官能モノマー及び2官能以上の官能基を有する多官能モノマーを含み、
    前記単官能モノマーは、前記重合性化合物全量に対して50質量%以上含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体を吐出する装置。
  4. 前記液体吐出ヘッドに前記液体を流入する供給タンクと、
    前記液体吐出ヘッドから前記液体が流出する循環タンクと、
    前記液体吐出ヘッドと前記供給タンクとの間、及び、前記液体吐出ヘッドと前記循環タンクとの間のうちの少なくとも一方に設けられた圧力センサと、
    前記圧力センサの検出値に応じて前記液体の循環速度を制御する循環速度制御部とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体を吐出する装置。
  5. 前記循環速度制御部は、前記圧力センサの検出値が所定の値より小さい場合、前記液体の循環速度を速くすることを特徴とする請求項4に記載の液体を吐出する装置。
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