JP6915348B2 - 液体吐出装置、処理方法、及び液体吐出装置の制御プログラム - Google Patents

液体吐出装置、処理方法、及び液体吐出装置の制御プログラム Download PDF

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本発明は、液体吐出装置、処理方法、及び液体吐出装置の制御プログラムに関する。
紫外線硬化型樹脂等の活性エネルギー線硬化型組成物を含む液体を吐出し、吐出された液体に活性エネルギー線を照射することにより、画像形成処理、表面処理等を行う装置がある。例えば、紫外線硬化型インクを媒体上に吐出し、媒体上に紫外線を照射することにより、画像形成処理、表面処理等を行うインクジェットプリンタがある。
活性エネルギー線を照射し主走査方向に走査する活性光線照射部を備えるインクジェット描画装置において、画像の高画質化を目的として、媒体を副走査方向に搬送する距離をdxとし、活性エネルギー線の射出口の副走査方向の長さをDとしたときに、1.0≦(D/dx)≦3.0を満たすことを特徴とする構造が開示されている(特許文献1)。
第一方向に搬送される媒体に対して光を照射する光照射装置において、照射強度のムラを防止することを目的として、第一方向に直交する第二方向に並ぶように設けられた複数の点光源と、複数の点光源のそれぞれに設けられ射出される光の第二方向の照射強度を均一化する均一化機構とを備える構造が開示されている(特許文献2)。
インクジェットプリンタに用いられる活性エネルギー線硬化型組成物であって、臭気の低減、反応性の向上、安全性の向上等が図られた組成物として、ジエチレングリコールジメタクリレートを含有する組成物が開示されている(特許文献3)。
活性エネルギー線の照射範囲が液体の吐出領域(媒体の面積)より小さい場合、吐出領域を複数の区画に分割して活性エネルギー線を照射しなければならない。このような照射を行う場合、複数の区画間で活性エネルギー線が照射されるタイミングが異なるため、液体の硬化の進行に時間差が生じる。そのため、隣接する複数の区画間でシワ等の不具合が発生する場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、活性エネルギー線硬化型組成物により得られた物体の表面の平滑性を向上させることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物を含む液体を対象物に対して吐出する吐出部と、前記液体を硬化させる活性エネルギー線を吐出された前記液体に照射する照射部と、前記液体が吐出された対象物と前記照射部とのうち少なくとも一方を移動部とを備え、前記照射部は、前記対象物の第1の区画に対して所定の積算光量より少ない積算光量の前記活性エネルギー線を照射する仮照射を行い、前記第1の区画に対して前記仮照射が行われた後でありかつ次の照射工程の際に、前記第1の区画に対して前記移動部が移動する方向と直交する方向に隣接する前記対象物の第2の区画に対して前記所定の積算光量以上となるように前記活性エネルギー線を照射する本照射を行い、前記第2の区画に対して前記活性エネルギー線を前記本照射した後に前記第1の区画に対して前記所定の積算光量以上になるように前記活性エネルギー線を照射する本照射を行うことを特徴とする液体吐出装置である。
本発明によれば、活性エネルギー線硬化型組成物により得られた物体の表面の平滑性を向上させることが可能となる。
図1は、実施の形態に係る液体吐出装置の機能的構成を例示する図である。 図2は、実施の形態に係る液体吐出装置のハードウェア構成を例示するブロック図である。 図3は、実施の形態に係る液体吐出装置のハードウェア構成を例示する側面図である。 図4は、実施の形態に係る液体吐出装置のハードウェア構成を例示する上面図である。 図5は、実施の形態に係るヘッドユニットにおける駆動電流と液体の吐出量との関係を例示する図である。 図6は、比較例に係る表面処理の手順を例示する図である。 図7は、実施の形態の第1の例に係る表面処理の手順を例示する図である。 図8は、実施の形態の第2の例に係る表面処理の手順を例示する図である。 図9は、実施の形態の第3の例に係る表面処理の手順を例示する図である。 図10は、実施の形態に係る液体吐出装置における表面処理の流れを例示するフローチャートである。 図11は、実施の形態に係る4つの区画を有する吐出領域と各区画に対する仮照射又は本照射の実行順を例示する図である。 図12は、実施の形態に係る6つの区画を有する吐出領域と各区画に対する仮照射又は本照射の実行順を例示する図である。 図13は、実施の形態に係る7つの区画を有する吐出領域と各区画に対する仮照射又は本照射の実行順を例示する図である。 図14は、比較例に係る液体吐出装置により表面処理が施された吐出領域の表面と実施の形態に係る液体吐出装置により表面処理が施された吐出領域の表面とを比較する図である。 図15は、インク収容形態の一例を示す図である。 図16は、インク袋を収容したインクカートリッジを例示する図である。
図1は、実施の形態に係る液体吐出装置1の機能的構成を例示する図である。液体吐出装置1は、活性エネルギー線硬化型組成物を含む液体を用いて画像形成処理、表面処理等を行う装置であり、例えばインクジェットプリンタ、ファクシミリ、複合機等であり得る。活性エネルギー線硬化型組成物とは、活性エネルギー線が照射されることにより硬化する物質であり、例えば紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂等である。液体は、例えばインク、表面処理用コーティング剤、立体造形物形成用吐出液、接着剤等であり得る。
本実施の形態に係る液体吐出装置1は吐出部11、照射部12、移動部13、及び制御部14を含む。
吐出部11は液体を媒体21に吐出する。媒体21は吐出された液体が付着、硬化、及び定着可能なものであればよいが、活性エネルギー線硬化型組成物の性質上、これを含む液体の浸透性が低い材料、例えばプラスチック、金属、非浸透性のコーティングが施された材料等からなることが好ましい。吐出部11は活性エネルギー線硬化型組成物を含まない液体を更に吐出してもよい。吐出部11は、例えばインクジェット機構等を利用して構成される。本実施の形態に係る液体吐出装置1による画像形成処理、表面処理等における「対象物」は、「媒体21の表面」及び「媒体21上に形成された画像の表面」を含む。
照射部12は媒体21に吐出された液体に活性エネルギー線を照射する。照射部12は、例えば紫外光源、電子線源、光学素子等を利用して構成される。
移動部13は照射部12から照射される活性エネルギー線の照射範囲を媒体21上の液体の吐出領域に対して相対的に移動させる。照射範囲とは、活性エネルギー線が同時的に照射される範囲である。照射範囲は照射部12の構成(発光素子の配置等)により決定され、照射範囲の形状は特に限定されるものではない。照射範囲は、例えば、照射部12の発光素子が1次元的に配置されている場合には一次元的形状(直線状)となり、発光素子が2次元的に配置されている場合には2次元的形状(面状)となる。また、照射範囲は変形可能であってもよい。移動部13は、例えば照射部12又は媒体21のどちらか一方又は両方を移動させることにより、吐出領域内における照射範囲の相対的位置を変化させる。移動部13は、例えば電動モータ、リンク機構、搬送ベルト等を利用して構成される。
移動部13は液体の吐出範囲(媒体21の面積)を複数の区画に分割するように照射範囲を移動させる。例えば、照射部12の照射範囲のY方向(副走査方向)の長さが吐出範囲のY方向の長さより小さい場合、移動部13は照射部12をX方向(主走査方向)と平行な方向に連続的に移動させた後、Y方向にずらし、その後再度X方向と平行な方向に連続的に移動させる動作を繰り返す。このような動作を行う場合、活性エネルギー線がX方向に連続的に照射される部分(照射部12が主走査方向に1回移動する間に活性エネルギー線が照射される部分)を1つの区画と捉えることができる。このとき、複数の区画間で活性エネルギー線が連続的に照射されるタイミングが異なるため、液体の硬化の進行に時間差が生じることとなる。
制御部14は吐出部11、照射部12、及び移動部13を制御する。本実施の形態に係る制御部14は画像形成処理部25及び表面処理部26を含む。制御部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)、CPUを制御するプログラム、プログラム等を記憶する記憶装置等を利用して構成される。
画像形成処理部25は媒体21上に画像を形成するための処理を行う。画像形成処理部25は、例えば画像データに基づいて媒体21上に所定の画像が形成されるようにインクの吐出位置、吐出量等を制御するための制御演算処理を行う。
表面処理部26は媒体21上の任意の位置に表面処理を施すための処理を行う。表面処理部26は、例えば画像形成処理部25により形成された画像の表面又は画像が形成されていない媒体21の表面に所定の機能を有するコーティング層を形成するコーティング剤の吐出位置、吐出量等を制御するための制御演算処理を行う。コーティング層の機能としては、光沢化、非光沢化、耐摩耗化、高硬度化、非浸透化等が挙げられる。
上述したように、本実施の形態に係る移動部13は液体の吐出範囲を複数の区画に分割するように照射部12の照射範囲を移動させる。複数の区画間で活性エネルギー線が連続的に照射されるタイミングが異なるため、最初に活性エネルギー線が照射された区画上の液体と、その後に活性エネルギー線が照射された区画上の液体とでは硬化の進行が異なる。このような硬化の進行差は区画間にシワ等の不具合が発生する原因となる。
上記のような問題を解決するために、本実施の形態に係る制御部14は照射部12に仮照射及び本照射を実行させる。仮照射とは、ある区画に対して所定の積算光量より少ない積算光量の活性エネルギー線を照射する照射方法である。所定の積算光量とは、ある区画における液体が使用上十分に硬化することができる光量であり、例えば(UV強度×照射時間)により算出される値である。使用上十分に硬化することとは、例えば硬化物を触ってもタック感が無い状態等である。仮照射が施された区画の液体は完全には硬化していないがある程度硬化が進んだ状態となる。本照射とは、ある区画に対して所定の積算光量以上の活性エネルギー線を照射する照射方法である。本照射が施された区画の液体は完全に(使用上十分に)硬化された状態となる。例えば、所定の積算光量が2である場合、仮照射において積算光量1の活性エネルギー線を照射し、本照射において更に積算光量1の活性エネルギー線を照射することにより、液体を完全に硬化させることができる。
照射部12は、先ず第1の区画に対して仮照射を行い、その後第1の区画に隣接する第2の区画に対して本照射又は仮照射を行い、その後第1の区画に対して本照射を行う。このように、隣接する2つの区画のうちの一方に仮照射を行うことにより、両区画間における液体の硬化の進行差を低減させることができる。これにより、隣接する複数の区画間にシワ等の不具合が発生することを防止することが可能となる。なお、隣接する第1の区間と第2の区間とが重なる領域があってもよい。照射部12の移動に誤差が生じた場合等に、両区間の境目部分における活性エネルギー線の照射量が不足する場合がある。そこで、活性エネルギー線の照射幅を重複させることにより、境目部分に必要十分な積算光量を確実に照射することが可能となる。
上記仮照射及び本照射による処理は、画像形成処理部25による画像形成処理及び表面処理部26による表面処理のいずれにおいても実施することができる。
なお、上記においては媒体21上に2次元的な画像を形成する装置を想定して説明したが、液体吐出装置1は空間に紫外線硬化型樹脂組成物を含む液体等を吐出して所定の三次元造形物を製造する3Dプリンタ等であってもよい。
図2は、実施の形態に係る液体吐出装置1のハードウェア構成を例示するブロック図である。図3は、実施の形態に係る液体吐出装置1のハードウェア構成を例示する側面図である。図4は、実施の形態に係る液体吐出装置1のハードウェア構成を例示する上面図である。
図2〜4の例に係る液体吐出装置1は搬送ユニット101、キャリッジユニット102、ヘッドユニット103、照射ユニット104、メンテナンスユニット105、センサ群106、及び制御ユニット107を含む。図3,図4,図6〜図9において、X方向は照射ユニット104の主走査方向(媒体21の表面に連続的に活性エネルギー線(紫外線)を照射する方向)である。Y方向は照射ユニット104の副走査方向(媒体21の表面と平行な面上においてX方向に直交する方向)である。Z方向は媒体21の表面に対して垂直な方向である。
搬送ユニット101は媒体21を移動させる。搬送ユニット101は、例えば媒体21を所定の格納場所から搬送するベルトコンベア機構、搬送されてきた媒体21が載置される載置台111、媒体21を載置台111上に固定する吸着機構等を利用して構成される。
キャリッジユニット102はヘッドユニット103及び照射ユニット104を移動させる。キャリッジユニット102は、例えばヘッドユニット103及び照射ユニット104が固定される筐体、筐体と連結するリンク機構、リンク機構を駆動させるモータ等を利用して構成される。
ヘッドユニット103は画像形成処理に用いられるカラーインク及び表面処理に用いられるクリアインク(コーティング剤)を吐出する。ヘッドユニット103はブラックインクを吐出するヘッド103K、シアンインクを吐出するヘッド103C、マゼンタインクを吐出するヘッド103M、イエローインクを吐出するヘッド103Y、クリアインクを吐出するヘッド103CL、及びホワイトインクを吐出するヘッド103Wを有する。本例では、カラーインク(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、及びホワイト)及びクリアインクとして、紫外線硬化型インクが使用される。好適な紫外線硬化型インクとして、アクリレート系モノマー又はメタクリレート系モノマーを含むインクを挙げることができる。アクリレート系モノマーは硬化性が良く、硬化エネルギーを低くできるという利点がある。また、メタクリレート系モノマーとしては後述する皮膚感さ性が陰性のモノマーを用いることが好ましい。一般的にメタクリレート系の方がアクリレート系より硬化時間を要するため、メタクリレート系を用いた場合の方が本実施の形態による効果が大きくなる。なお、表面処理に用いられるコーティング剤はクリア(透明)であることに限られるものではなく、色彩を有するものであってもよい。また、画像形成用に準備されているカラーインクを表面処理用のコーティング剤として用いてもよい。ヘッドユニット103はキャリッジユニット102の筐体に固定され、キャリッジユニット102と共に変位する。
<モノマー>
活性エネルギー線硬化型組成物としては、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、又はビニルエーテルを併用することができる。具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトンアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ホルマール化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート〔CH=CH−CO−(OC)n−OCOCH=CH(n≒9)、同(n≒14)、同(n≒23)〕、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクレート〔CH=C(CH)−CO−(OC)n−OCOC(CH)=CH(n≒7)〕、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、プロピレンオキサイド変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルペンタ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタントリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタンペンタ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルオキセタンメチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
従来の活性エネルギー線硬化型組成物において使用されているモノマーの多くは毒性を有している。特に、安価で容易に調達可能であり、十分に低粘度な(メタ)アクリル酸エステルのほとんどは、皮膚に触れるとアレルギーを引き起こす皮膚感さ性について高い毒性を有している。現状ではそのようなインクであっても保護具を着用するなどして使用される場合がある。しかし、皮膚感さ性について問題がなく、ポリマー成分を配合してもなお室温で吐出できる程度に十分に低粘度な活性エネルギー線硬化型組成物を使用することが望ましい。
ここで、皮膚感さ性が陰性であるモノマーとは、次の(1)〜(3)の少なくとも一つに該当する化合物を言う。
(1)LLNA法(Local Lymph Node Assay)による皮膚感さ性試験において、感さ性の程度を示すSI(Stimulation Index)値が3未満である化合物。
(2)MSDS(化学物質安全性データシート)において、「皮膚感さ性陰性」又は「皮膚感さ性なし」と評価された化合物。
(3)文献〔例えば、Contact Dermatitis 8 223-235(1982)〕において「皮膚感さ性陰性」又は「皮膚感さ性なし」と評価された化合物。
上記(1)については、例えば「機能材料」2005年9月号、Vol.25、No.9、P55にも示されるように、SI値が3未満の場合に皮膚感さ性が陰性であると判断される。SI値が低いほど皮膚感さ性が低いことになるから、SI値がなるべく低いモノマーを用いることが好ましい。SI値は3未満が好ましく、2以下がより好ましく、1.6以下が更に好ましい。
皮膚感さ性が陰性であるモノマーとして、t−ブチルメタクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリロールヘキサアクリレート、トリクロデカンジメタノールジメタクリレート等を挙げることができる。また、これらのモノマーの群から選択される少なくとも1種を配合してもよい。
<活性エネルギー線>
媒体21に吐出された液体は照射部12から照射された活性エネルギー線により硬化する。照射部12は、例えば紫外光源、電子線源、光学素子等を利用して構成される。
<重合開始剤>
活性エネルギー線硬化型組成物は、重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカル、カチオン等の活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、塩基発生剤等を1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができ、特にラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。また、重合開始剤は、十分な硬化速度を得るために、組成物の総質量(100質量%)に対し、5〜20質量%含まれることが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物等が挙げられる。
また、上記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。重合促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルベンジルアミン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン化合物が好ましい。重合促進剤の含有量は、使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
<色剤>
活性エネルギー線硬化型組成物は、色材を含有していてもよい。色材としては、本実施の形態に係る組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、光沢色(金、銀等)等を付与する種々の顔料や染料を用いることができる。色材の含有量は、所望の色濃度、組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、組成物の総質量(100質量%)に対して、0.1〜20質量%であることが好ましい。なお、活性エネルギー線硬化型組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、その場合には、例えば、画像を保護するためのオーバーコート層として好適である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタン等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
また、活性エネルギー線硬化型組成物は、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を含んでもよい。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤等の顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
色材を入れることで紫外線照射の通過を妨げ、硬化時間が長くなることは、本実施の形態による平滑化の効果がより大きくなるように作用する。
<有機溶剤>
活性エネルギー線硬化型組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることが可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエ等の一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
<その他の成分>
活性エネルギー線硬化型組成物は、必要に応じてその他の公知の成分を含んでもよい。その他成分としては、特に制限されないが、例えば、公知の界面活性剤、重合禁止剤、レべリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、増粘剤等などが挙げられる。
<活性エネルギー線硬化型組成物の調製>
活性エネルギー線硬化型組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができる。活性エネルギー線硬化組成物の調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、重合性モノマー、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミル等の分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、顔料分散液に更に重合性モノマー、開始剤、重合禁止剤、界面活性剤等を混合させることにより調製することができる。
<粘度>
活性エネルギー線硬化型組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3〜40mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましく、6〜12mPa・sであることが特に好ましい。また、当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34'×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
ヘッドユニット103の吐出機構は周知又は新規の適宜な方式を利用して構成され得るものであるが、例えばピエゾインクジェット方式、サーマルインクジェット方式等を利用することができる。図5は、実施の形態に係るヘッドユニット103における駆動電流と液体(カラーインク又はクリアインク)の吐出量との関係を例示する図である。本例はピエゾインクジェット方式を利用した場合の例である。各ヘッド103K,103C,103M,103Y,103CL,103Wはピエゾ素子に駆動信号(電圧)が印加されると、ピエゾ素子の収縮運動による圧力変化によりインクを吐出する。このとき、ON/OFFのマスク信号によりインクの吐出力が変更される。画素の階調、コーティング層の厚さ等に応じて適切なマスク信号が選択される。
照射ユニット104はカラーインク及びクリアインクを硬化させる紫外線を媒体21上に照射する。照射ユニット104は、例えば紫外線を出力する半導体発光素子、レンズ等の光学素子等を利用して構成される。照射ユニット104はヘッドユニット103と同様にキャリッジユニット102の筐体に固定され、キャリッジユニット102及びヘッドユニット103と共に変位する。本例においては2つの照射ユニット104が用いられ、各照射ユニット104はキャリッジユニット102の筐体のX方向の両端部にそれぞれ固定されている。
メンテナンスユニット105はヘッドユニット103の各ヘッド103K,103C,103M,103Y,103CL,103Wのメンテナンス(詰まり防止等)を行う。メンテナンスユニット105は画像形成時又は表面処理時に媒体21が載置されるエリアとは別のメンテナンスエリアに設置され、メンテナンス時にはキャリッジユニット102がメンテナンスユニット105上の位置まで移動する。メンテナンスユニット105は、例えば各ヘッド103K,103C,103M,103Y,103CL,103Wのノズルの乾燥を防ぐキャップ、ノズルを清掃するワイプブレード等を利用して構成される。
センサ群106は画像形成処理、表面処理、メンテナンス等に必要な各種データを取得するセンサである。センサ群106により、搬送ユニット101、キャリッジユニット102、ヘッドユニット103、照射ユニット104、メンテナンスユニット105等の各状態を示す検出値が取得される。センサ群106にはキャリッジユニット102に固定された高さセンサ112が含まれる。
制御ユニット107は搬送ユニット101、キャリッジユニット102、ヘッドユニット103、照射ユニット104、及びメンテナンスユニット105を制御する。制御ユニット107はユニット制御回路121、メモリ122、CPU123、及びI/F(Interface)124を含む。ユニット制御回路121はCPU123による演算結果を各ユニット101〜105に対応する制御信号に変換する回路である。CPU123はメモリ122に記憶されたファームウェア、センサ群106から取得される検出値、I/F124に接続されたPC(Personal Computer)131から送信されるデータ等に基づいて各種演算処理を行う。PC131には液体吐出装置1を制御・操作するためのドライバがインストールされている。
制御ユニット107は画像形成処理及び表面処理を行うために、キャリッジユニット102の動作(移動方向、移動量、移動速度等)、ヘッドユニット103の動作(液体の種類の選択、吐出量、吐出時期等)、照射ユニット104の動作(光量、照射時期等)を制御する。キャリッジユニット102を移動させながらヘッドユニット103により媒体21上にインク(カラーインク又はクリアインク)を吐出し、その後キャリッジユニット102を移動させながら照射ユニット104によりインクに紫外線を照射することにより、媒体21上に画像又はコーティング層を形成する。
制御ユニット107は先ず高さセンサ112の検出値に基づいてヘッドユニット103の各ノズルの先端と媒体21の表面との間隔が設定値となるようにキャリッジユニット102のZ方向の位置を制御する。その後、制御ユニット107はキャリッジユニット102の移動、ヘッドユニット103によるインクの吐出、照射ユニット104による紫外線の照射等を行う。具体的には、PC131から取得される画像データに基づいて媒体21上にカラーインクにより画像を形成する画像形成処理、形成された画像上にクリアインクによりコーティング層を形成する表面処理、画像が形成されていない媒体21上にクリアインク又はカラーインクによりコーティング層を形成する表面処理等が行われる。
インクが媒体21上に吐出されてから紫外線が照射されるまでの時間間隔は使用状況に応じて適宜設定されるべき事項であるが、例えばインクが吐出されてから直ちに紫外線を照射してもよいし、インクが吐出されてから所定の時間が経過した後に紫外線を照射してもよい。所定の時間は、例えばインクが引力の作用によりある程度平滑化されるまでに要するレベリング時間であってもよい。レベリング時間はインクの粘度、表面張力、膜厚等に応じて変化する。
図6は、比較例に係る表面処理の手順を例示する図である。本例においては、Y方向の長さがDの吐出領域41にインク(主にクリアインクが想定されるが、カラーインクであってもよい)を吐出した後、Y方向の長さがLの照射範囲を有する照射ユニット104により吐出領域41を2つの区画50A,50Bに分割して紫外線を照射する状態が示されている。本例ではD=2Lの関係が成り立っている。この場合、キャリッジユニット102は1回目の照射においてX方向と平行な方向に連続的に移動して区画50Aに紫外線を照射し、その後Y方向にずれ、その後2回目の照射においてX方向と平行な方向に連続的に移動して区画50Bに紫外線を照射する。
本比較例においては、1回目の照射及び2回目の照射においてそれぞれ本照射が行われる。これにより、区画50A,50B上のインクは個別に完全硬化状態となる。完全硬化状態とは、インクの硬化が使用上十分に進行した状態であり、例えばインクに含まれる紫外線硬化型樹脂のモノマー又はオリゴマーが完全(略完全)にポリマー化した状態である。制御ユニット107は本照射における紫外線の積算光量が、インクが完全にポリマー化される所定の積算光量に達するように調整する。
1回目の照射において区画50Aに本照射が行われることにより区画50A上のインクは完全に硬化する。このとき、未照射の区画50B上のインクは液体状態であるため、区画50A上のインクと区画50B上のインクとの間には大きな物性差が生じる。そのため、区画50Aと区画50Bとの間に境界シワ55が発生する場合がある。このような境界シワ55は区画50Bに対して本照射が行われて区画50B上のインクが完全に硬化した後にも高い確率で残留する。
図7は、実施の形態の第1の例に係る表面処理の手順を例示する図である。本例においては、1回目の照射において区画50Aに対して仮照射を行い、2回目の照射において区画50Bに対して本照射を行い、3回目の照射において区画50Aに対して本照射を行う。
1回目の照射において区画50Aに対して仮照射を行うことにより、区画50A上のインクは不完全硬化状態となる。不完全硬化状態とは、インクの硬化が使用上十分には進行していない状態であり、インクに含まれる紫外線硬化型樹脂のポリマー化がある程度は進んでいるが、モノマー又はオリゴマーが所定量以上残留している状態である。不完全硬化状態におけるインクはある程度の流動性を有する。仮照射は所定の積算光量より少ない積算光量の紫外線をインクに照射することにより行われる。例えば、紫外線の単位時間当たりのUV強度が少なくなるように照射ユニット104を制御したり、UV強度を一定に保ったままキャリッジユニット102の移動速度を本照射時における移動速度より速くしたりすることにより仮照射を実行することができる。
その後、2回目の照射において区画50Bに対して本照射を行うことにより、区画50B上のインクは完全硬化状態となる。このとき、区画50A上のインクは不完全硬化状態であり多少硬化が進んだ状態であるため、区画50A上のインクと区画50B上のインクとの間の物性差は比較的小さくなる。そのため、区画50Aと区画50Bとの間に境界シワ55が発生する可能性が低くなる。
その後、3回目の照射において区画50Aに対して本照射を行うことにより、不完全硬化状態のインクが完全硬化状態となる。このときの区画50A上のインクと区画50B上のインクとの間の物性差は上記2回目の照射時と同様に小さいため、境界シワ55が発生する可能性は低くなる。
以後、上記のように互いに隣接する複数の区画50A,50Bのうち最初に仮照射を行う区画50Aを基準区画51(第1の区画)と称し、基準区画51に隣接し基準区画51への仮照射後に紫外線が照射される区画50Bを隣接区画52(第2の区画)と称する。
図8は、実施の形態の第2の例に係る表面処理の手順を例示する図である。本例においては、1回目の照射において区画50Aに対して仮照射を行い、2回目の照射において区画50Bに対して仮照射を行い、3回目の照射において区画50Aに対して本照射を行い、4回目の照射において区画Bに対して本照射を行う。本例は2回目の照射において区画50Bに対して仮照射を行い、4回目の照射において区画50Bに対して本照射を行う点で図7に示す第1の例と相違している。
本例のように、基準区画51に対して仮照射を行った後に隣接区画52に対しても仮照射を行うことにより、区画50A上のインクと区画50B上のインクとの間の物性差をより小さくすることができる。これにより、境界シワ55の発生をより確実に防止することが可能となる。
図9は、実施の形態の第3の例に係る表面処理の手順を例示する図である。本例に係る吐出領域41の長さDは照射範囲の長さLの3倍であり、吐出領域41は3つの区画50A,50B,50Cに分割されている。
中心の区画50Bは2つの隣接する区画50A,50Cを有する。これに対し、両端の区画50A,50Cはそれぞれ1つの隣接する区画50Bを有する。すなわち、3つの区画50A,50B,50Cのうち隣接する区画が最も多い区画は50Bである。本例においては、隣接する区画が相対的に最も多い区画50Bを基準区画51とする。
本例においては、1回目の照射において区画50Bに対して仮照射を行い、2回目の照射において区画50Aに対して本照射を行い、3回目の照射において区画50Cに対して本照射を行い、4回目の照射において区画50Bに対して本照射を行う。
このように、隣接する区画が相対的に最も多い区画50Bを基準区画51とすることにより、全体を完全硬化させるまでに要する照射回数を減らすことが可能となる。例えば、区画50Bを隣接区画52とする場合、2つの区画50A,50Cを基準区画51としなければならない。この場合、全体を完全硬化させるまでに要する照射回数は5回となる。例えば、1回目の照射において区画50Aに対して仮照射を行い、2回目の照射において区画50Cに対して仮照射を行い、3回目の照射において区画50Bに対して本照射を行い、4回目の照射において区画50Aに対して本照射を行い、5回目の照射において区画50Cに対して本照射を行うことが必要となる。本例の手順によれば、3つ以上の区画が存在する場合に最小の照射回数で境界シワ55のない表面処理を実現することが可能となる。
図10は、実施の形態に係る液体吐出装置1における表面処理の流れを例示するフローチャートである。クリアインク等によるコーティング層の形成が開始されると(S101)、吐出領域41(コーティングを施す領域)の幅Dが照射ユニット104の照射範囲の幅L以下であるか否かが判定される(S102)。吐出領域41の幅Dが照射範囲の幅L以下である場合(S102:Yes)、照射範囲の幅Lの中心と吐出領域41の幅Dの中心とが一致するようにキャリッジユニット102のY方向の位置を調整し(S103)、その後吐出領域41に対して本照射を行う(S104)。
一方、吐出領域41の幅Dが照射範囲の幅L以下でない場合(S102:No)、吐出領域41の区画数n(D/L)が偶数であるか否かが判定される(S105)。
図11は、実施の形態に係る4つの区画50A〜50Dを有する吐出領域41と各区画50A〜50Dに対する仮照射又は本照射の実行順45を例示する図である。図12は、実施の形態に係る6つの区画50A〜50Fを有する吐出領域41と各区画50A〜50Fに対する仮照射又は本照射の実行順45を例示する図である。図13は、実施の形態に係る7つの区画50A〜50Gを有する吐出領域41と各区画50A〜50Gに対する仮照射又は本照射の実行順45を例示する図である。図11〜図13において、各区画50A〜50D,50A〜50F,50A〜50Gには、吐出領域41の下端部から上端部へ向かって昇順に区画番号(1)〜(4),(1)〜(6),(1)〜(7)が割り当てられている。
区画数nが偶数である場合(S105:Yes)、基準区画51への仮照射は区画番号(2)→(4)→(6)→…→(n)の順に行われる(S106)。図11に示す区画数n=4の場合には、仮照射は区画50B(区画番号(2))→区画50D(区画番号(4))の順に行われる。図12に示す区画数n=6の場合には、仮照射は区画50B(区画番号(2))→区画50D(区画番号(4))→区画50F(区画番号(6))の順に行われる。すなわち、基準区画51への仮照射は吐出領域41の下端側から上端側へ向かって行われる。
その後、隣接区画52への本照射が区画番号(n−1)→(n−3)→(n−5)→…→1の順に行われる(S107)。図11に示す区画数n=4の場合には、本照射は区画50C(区画番号(3))→区画50A(区画番号(1))の順に行われる。図12に示す区画数n=6の場合には、本照射は区画50E(区画番号(5))→区画50C(区画番号(3))→区画50A(区画番号(1))の順に行われる。すなわち、隣接区画52への本照射は吐出領域41の上端側から下端側へ向かって行われる。
その後、基準区画51への本照射が区画番号(2)→(4)→(6)→…→(n)の順に行われる(S108)。図11に示す区画数n=4の場合には、本照射は区画50B(区画番号(2))→区画50D(区画番号(4))の順に行われる。図12に示す区画数n=6の場合には、本照射は区画50B(区画番号(2))→区画50D(区画番号(4))→区画50F(区画番号(6))の順に行われる。すなわち、基準区画51への本照射は吐出領域41の下端側から上端側へ向かって行われる。
一方、区画数nが偶数でない場合(S105:No)、基準区画51への仮照射は区画番号(2)→(4)→(6)→…→(n−1)の順に行われる(S109)。図13に示す区画数n=7の場合には、仮照射は区画50B(区画番号(2))→区画50D(区画番号(4))→区画50F(区画番号(6))の順に行われる。すなわち、基準区画51への仮照射は吐出領域41の下端側から上端側へ向かって行われる。
その後、隣接区画52への本照射が区画番号n→(n−2)→(n−4)→…→1の順に行われる(S110)。図13に示す区画数n=7の場合には、本照射は区画50G(区画番号(7))→区画50E(区画番号(5))→区画50C(区画番号(3))→区画50A(区画番号(1))の順に行われる。すなわち、隣接区画52への本照射は吐出領域41の上端側から下端側へ向かって行われる。
その後、基準区画51への本照射が区画番号(2)→(4)→(6)→…→(n−1)の順に行われる(S111)。図13に示す区画数n=7の場合には、本照射は区画50B(区画番号(2))→区画50D(区画番号(4))→区画50F(区画番号(6))の順に行われる。すなわち、基準区画51への本照射は吐出領域41の下端側から上端側へ向かって行われる。
上記のように、図10に示す例においては、基準区画51への仮照射、隣接区画52への本照射、及び基準区画51への本照射は、吐出領域41を往復するように行われる。これにより、照射ユニット104(キャリッジユニット102)の動作を最小限にすることが可能となる。なお、上記においては仮照射及び本照射の往復動作の始点を吐出領域41の下端部とする例を示したが、上端部を始点としてもよいことは無論である。
図14は、比較例に係る液体吐出装置により表面処理が施された吐出領域201の表面と実施の形態に係る液体吐出装置1により表面処理が施された吐出領域41の表面とを比較する図である。比較例に係る吐出領域201の表面には隣接する2つの区画50A,50Bの間に境界シワ55が発生していることが認められる。一方、実施の形態に係る吐出領域41の表面には両区画50A,50Bの間に境界シワ55は認められず、優れた平滑性が実現されていることがわかる。なお、図14中、60で示される映像は写真を撮影する際に使用された発光装置の一部が写り込んだものであり、吐出領域41,201の表面の状態を示すものではない。
上記液体吐出装置1の機能を実現するプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供され得る。
プログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由で液体吐出装置1又はPC131にダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。プログラムをネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。プログラムを液体吐出装置1のメモリ122、PC131の記憶装置等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。プログラムは各機能部を含むモジュール構成であってもよい。
以下に、図7に示す手順で行われた表面処理の具体的な実施例について説明する。
<<アクリレート系モノマー>>
(実施例1〜実施例6)
下記(A)〜(D)の材料を下記表1の各実施例の各欄に示す配合割合(数値は質量部)で用い、インクジェット用インクを調製する際の常法にしたがって各実施例のインクを調製した。
(A)単官能アクリレート
A1:アクリロイルモルホリン
A2:ベンジルアクリレート
A3:フェノキシエチルアクリレート
A4:イソボルニルアクリレート
A5:N−ビニルカプロラクタム
(B)多官能アクリレート
B1:1,9−ノナンジオールジアクリレート
B2:2官能ウレタンアクリレート(重量平均分子量3000)
B3:2官能ウレタンアクリレート(重量平均分子量4000)
(C)不活性樹脂
C:アクリル樹脂(重量平均分子量5000〜10000)
(D)光ラジカル重合開始剤
D:2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン
−カーボンブラック−
三菱化学株式会社製カーボンブラック#10に対して日本ルーブリゾール社製高分子分散剤Solsperse39000を3:1の質量比で含む状態として配合量を示した。
まず、インクの取り扱いについて説明する。図15は、インク収容形態の一例を示す図である。図16は、インク袋241を収容したインクカートリッジ200を例示する図である。インク袋(パウチ袋)241に気泡が入らないようにインクを密封した。インク注入口242からインクをインク袋241内に充填し、インク袋241中に残った空気を排気した後、インク注入口242を融着により閉じた。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に針を刺してインクを供給した。インク袋241は透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成した。インクカートリッジ200はインク袋241をプラスチック製のカートリッジケース244内に収容したものである。インクカートリッジ200を筐体に収納し、インクカートリッジ200からリコープリンティングシステムズ株式会社製GEN4ヘッドに達するインク流路を介してインクを媒体21上に吐出した。なお、インクをタンクに収容し、タンクを液体吐出装置1(画像形成装置)の外側から接続してもよい。
図6に示すように、照射ユニット104の1パスでの照射幅をLとすると、2L(副走査方向の長さD)の吐出範囲41にインクを吐出し、媒体21上にベタパッチを作成した。その後、図7に示すように、区画50Aに仮照射1を行い、次に区画50Bに本照射2を行い、最後に区画50Aに本照射3を行った。
上記のように照射を行った後、境界シワ55の有無を評価した結果を表1に示す。境界シワ55は下記の基準に則って評価を行った。
○:目視でシワが認識できない
△:目視でシワが若干認識できるが、実使用上問題ない
×:目視でシワがはっきり認識できる
Figure 0006915348
<<メタクリレート系モノマー>>
(実施例7〜実施例10)
LLNA法(Local Lymph Node Assay)による皮膚感さ性試験において、感さ性の程度を示すSI値が1.6以下若しくは、MSDS(化学物質安全性データシート)又は文献において「皮膚感さ性陰性」又は「皮膚感さ性なし」と評価された化合物を使用した。
(E)単官能メタクリレート
E1:t−ブチルメタクリレート、三菱レイヨン株式会社製「アクリエステルTB」(陰性)文献での評価(試験方法:マキシマイゼーション法)
E2:n−ペンチルメタクリレート、Zhangjiagang Render Chemical社製「n−AmylMethacrylate」(陰性)文献での評価(試験方法:マキシマイゼーション法)
(F)多官能メタクリレート
F1:グリセロールジメタクリレート、新中村化学工業株式会社製「701」(1.2)
F2:トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、新中村化学工業株式会社製「DCP」(1.3)
(G)皮膚感さ性が陰性である光ラジカル重合開始剤
G:2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン、BASF社製「Irgacure379」(なし)MSDSでの評価(試験方法:OECDテストガイドライン406)
−カーボンブラック−
三菱化学株式会社製カーボンブラック#10に対して日本ルーブリゾール社製高分子分散剤Solsperse39000を3:1の質量比で含む状態として配合量を示した。
メタクリレート系モノマーに関してもアクリレート系モノマー同様の評価を行い、境界シワを確認した結果を表2に示す。
Figure 0006915348
(考察)
ここで、実施例1〜実施例6及び実施例7〜実施例10の結果について考察する。一般的に、アクリレート系モノマーの硬化速度はメタクリレート系モノマーの硬化速度より速い。すなわち、アクリレート系モノマーの本照射における積算光量はメタクリレート系モノマーの本照射における積算光量より低い。境界シワ55は硬化速度の差に起因して生じるため、境界シワ55が生じる可能性は硬化速度が速いほど高くなる。上記結果によれば、境界シワ55はアクリレート系モノマーの中でも特に硬化速度が速い(本照射における積算光量が低い)条件で若干確認されたが、実使用上問題ないレベルであった。従って、図7に示す表面処理の手順によれば、実使用上問題のある境界シワ55は発生しないと言える。
<<アクリレート系モノマーとメタクリレート系モノマーの混合系>>
(実施例11〜実施例15)
表3にはアクリレート系モノマーとメタクリレート系モノマーの混合系についての実施例を示す。アクリレート系モノマーの含有量が混合系の組成物の全量の80%程度である場合、硬化速度が速くなり、若干境界シワ55が確認されたが、実使用上問題のある境界シワ55は確認されなかった。また、アクリレート系モノマーの含有量を減らすことにより、境界シワ55を改善できることが確認された。従って、アクリレート系モノマーとメタクリレート系モノマーの混合系(混合液)を利用する場合、アクリレート系モノマーの含有量を全量の80%以下とすることが好ましい。
Figure 0006915348
以上のように、本実施の形態によれば、活性エネルギー線硬化型組成物により得られた物体の表面の平滑性を向上させることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記実施の形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図するものではない。この新規な実施の形態はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施の形態及びその変形は発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 液体吐出装置
11 吐出部
12 照射部
13 移動部
14 制御部
21 媒体
25 画像形成処理部
26 表面処理部
41 吐出領域
45 実行順
50A〜50G 区画
51 基準区画
52 隣接区画
55 境界シワ
101 搬送ユニット
102 キャリッジユニット
103 ヘッドユニット
103C ヘッド(シアンインク用)
103CL ヘッド(クリアインク用)
103K ヘッド(ブラックインク用)
103M ヘッド(マゼンタインク用)
103W ヘッド(ホワイトインク用)
103Y ヘッド(イエローインク用)
104 照射ユニット
105 メンテナンスユニット
106 センサ群
107 制御ユニット
111 載置台
112 高さセンサ
121 ユニット制御回路
122 メモリ
123 CPU
124 インターフェイス(I/F)
131 パーソナルコンピュータ(PC)
200 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジケース
特開2008−87221号公報 特開2012−106367号公報 特開2015−71718号公報

Claims (13)

  1. 活性エネルギー線硬化型組成物を含む液体を対象物に対して吐出する吐出部と、
    前記液体を硬化させる活性エネルギー線を吐出された前記液体に照射する照射部と、
    前記液体が吐出された対象物と前記照射部とのうち少なくとも一方を移動させる移動部と、
    を備え、
    前記照射部は、前記対象物の第1の区画に対して所定の積算光量より少ない積算光量の前記活性エネルギー線を照射する仮照射を行い、前記第1の区画に対して前記仮照射が行われた後でありかつ次の照射工程の際に、前記第1の区画に対して前記移動部が移動する方向と直交する方向に隣接する前記対象物の第2の区画に対して前記所定の積算光量以上となるように前記活性エネルギー線を照射する本照射を行い、前記第2の区画に対して前記活性エネルギー線を前記本照射した後に前記第1の区画に対して前記所定の積算光量以上になるように前記活性エネルギー線を照射する本照射を行う、
    液体吐出装置。
  2. 前記移動部が移動する方向と直交する方向に前記対象物を分割した複数の区画には、前記対象物の吐出領域の一方の端部から他方の端部に向かって昇順で区画番号が割り当てられ、
    前記第1の区画は、奇数の前記区画番号が割り当てられた前記区画であり、
    前記第2の区画は、偶数の前記区画番号が割り当てられた前記区画である、
    請求項に記載の液体吐出装置。
  3. 前記照射部は、吐出された前記液体のレベリング時間が経過した後に前記活性エネルギー線を照射する、
    請求項1または2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記仮照射時における前記液体が吐出された対象物と前記照射部との相対的な移動速度は、前記本照射時における前記液体が吐出された対象物と前記照射部との相対的な移動速度より速い、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記液体は、前記対象物の表面に所定の表面処理を施すコーティング剤を含む、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記対象物は、媒体上に形成された画像である、
    請求項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記対象物は、画像が形成される媒体である、
    請求項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記液体は、媒体上に画像を形成するインクを含む、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  9. 前記活性エネルギー線硬化型組成物は、アクリレート系モノマーである、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  10. 前記活性エネルギー線硬化型組成物は、メタクリレート系モノマーである、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  11. 前記活性エネルギー線硬化型組成物は、アクリレート系モノマーとメタクリレート系モノマーの混合液であり、
    前記アクリレート系モノマーの含有量は、全量の80%以下である、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  12. 活性エネルギー線硬化型組成物を含む液体を対象物に対して吐出するステップと、
    前記液体を硬化させる活性エネルギー線を、照射部から、吐出された前記液体に照射するステップと、
    前記液体が吐出された対象物と前記照射部とのうち少なくとも一方を、移動部によって移動させるステップと、
    前記対象物の第1の区画に対して所定の積算光量より少ない積算光量の前記活性エネルギー線を照射する仮照射を行うステップと、
    前記第1の区画に対して前記仮照射が行われた後でありかつ次の照射工程の際に、前記第1の区画に対して前記移動部が移動する方向と直交する方向に隣接する前記対象物の第2の区画に対して前記所定の積算光量以上となるように前記活性エネルギー線を照射する本照射を行うステップと、
    前記第2の区画に対して前記活性エネルギー線を前記本照射した後に前記第1の区画に対して前記所定の積算光量以上になるように前記活性エネルギー線を照射する本照射を行うステップと、
    を含む処理方法。
  13. 活性エネルギー線硬化型組成物を含む液体を対象物に対して吐出する吐出部と、前記液体を硬化させる活性エネルギー線を吐出された前記液体に照射する照射部と、前記液体が吐出された対象物と前記照射部とのうち少なくとも一方を移動させる移動部とを備える液体吐出装置を制御するコンピュータに、
    前記対象物の第1の区画に対して所定の積算光量より少ない積算光量の前記活性エネルギー線を照射する仮照射を行う処理と、
    前記第1の区画に対して前記仮照射が行われた後でありかつ次の照射工程の際に、前記第1の区画に対して前記移動部が移動する方向と直交する方向に隣接する前記対象物の第2の区画に対して前記所定の積算光量以上となるように前記活性エネルギー線を照射する本照射を行う処理と、
    前記第2の区画に対して前記活性エネルギー線を前記本照射した後に前記第1の区画に対して前記所定の積算光量以上になるように前記活性エネルギー線を照射する本照射を行う処理と、
    を実行させる液体吐出装置の制御プログラム。
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