JP2018089881A - 孔版印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷済みの用紙を版胴側から剥離できずに版胴の外周面に沿って上方に舞い上がった舞い上がり用紙を確実に検出できる孔版印刷装置を提供する。【解決手段】印刷済みの用紙Pの先端部を用紙剥離部70によって版胴51の外周面51aに巻回させた孔版原紙Mから剥離できずに版胴51の外周面51aに沿って舞い上がった舞い上がり用紙PMを検出する舞い上がり用紙検出手段58を備え、且つ、制御部95は、舞い上がり用紙検出手段58によって舞い上がり用紙PMを検出した際、版胴51を更に回転させながら用紙剥離手段70で舞い上がり用紙PMを剥離して自動的に排出する動作を行うことを特徴とする孔版印刷装置10である。【選択図】図1
Description
本発明は、回転可能な円筒状の版胴を用いて用紙上にインク画像を印刷して、印刷済みの用紙を剥離手段によって版胴側から剥離する際に、版胴側から剥離できずに版胴の外周面に沿って舞い上がった舞い上がり用紙を確実に検出できる孔版印刷装置に関する。
一般的に、孔版印刷装置は、回転可能な円筒状の版胴(ドラム)の外周面の一部に開閉可能に設けたクランプ板により製版済みの孔版原紙(マスタ)をクランプして、この孔版原紙を版胴の外周面に沿って巻回させている。
そして、給紙部から送られた用紙を版胴側に対して接離自在に設けたプレスローラで孔版原紙側に押圧しながら版胴内に供給したインクを孔版原紙に感熱穿孔した穿孔画像を通過させて、孔版原紙の穿孔画像と対応したインク画像を用紙上に印刷している。
この後、インク画像を印刷された印刷済みの用紙を版胴の外周面に接近して設置した剥離ファンと剥離爪とにより版胴側から剥離して排紙部に排出することで、1版分の孔版原紙により同一のインク画像を多数枚印刷することができるので多用されている。
この種の孔版印刷装置において、本出願人は、回転する版胴(公報中ではドラムと記載されている)に用紙を押圧搬送して印刷する途中で発生する各種の用紙ジャムを検出できる印刷装置を先に提案している(例えば、特許文献1参照)。
ここで、特許文献1に開示された従来例の印刷装置について、図3及び図4を用いて簡略に説明する。
図3は特許文献1に開示された従来例の印刷装置の構成を示している。また、図4は図3中に示したペーパーセンサ131,2次給紙センサ132,排紙センサ133の検出動作を示している。
図3に示す如く、従来例の孔版印刷装置100では、円筒状の版胴101が中心軸102を中心にして反時計方向(矢印方向)に回転可能に設けられている。そして、円筒状の版胴101の外周面101aに製版済みの孔版原紙(マスタ)Mが開閉可能なクランプ板103によりクランプされた状態で巻回している。
また、版胴101の中央下方外側には、用紙Pを孔版原紙Mを介して版胴101側に押圧するプレスローラ104が版胴101側に対して接離自在に設置されている。
また、版胴101の回転方向下流側の外周面101aの右側方近傍に、印刷済みの用紙Pの用紙搬送方向の先端部を版胴101側から剥離する剥離ファン105と剥離爪106とが上下に分かれて設置されている。
また、版胴101の左下方でプレスローラ104よりも用紙搬送方向の上流側には、給紙部の一部を構成する給紙台111が設置されており、この給紙台111上に未印刷の用紙Pが複数枚積層されている。
また、給紙台111から最上位の用紙Pのみを搬送させる1次給紙手段である1次給紙ローラ112,113と、この1次給紙ローラ112,113によって搬送された用紙Pを版胴101とプレスローラ104との間に給紙する2次給紙手段である一対の2次給紙ローラ114,114とが設置されている。
また、版胴101の右下方でプレスローラ104よりも用紙搬送方向の下流側には、印刷済みの用紙Pを排出する排紙部の一部を構成するエンドレスベルト121が一対のプーリ122,122間に回転自在に架け渡されている。また、一対のプーリ122,122間にエンドレスベルト121上の用紙Pを吸引するサクションファン123が設置されている。また、エンドレスベルト121よりも用紙搬送方向の下流側に印刷済みの用紙Pを積層する排紙台124が設置されている。
更に、給紙台111から排紙台124に向かう用紙搬送路には、1次給紙ローラ112,113による1次給紙を検出するペーパーセンサ(1次給紙センサ)131と、一対の2次給紙ローラ114,114による2次給紙を検出する2次給紙センサ132と、エンドレスベルト121によって排出される印刷済みの用紙Pを検出する排紙センサ133とがそれぞれ図示位置に設置されている。
そして、図4に示す如く、従来例の孔版印刷装置100内でのステップS10〜ステップS21の動作フローにおいて、版胴101の回転角度と、各センサ131,132,133の検出結果とに応じて用紙Pの搬送が正常行われたか否かを検出し、複数種の用紙ジャム処理ができるようになっている。
ところで、特許文献1に記載された従来例の孔版印刷装置100において、印刷済みの用紙Pを剥離ファン105と剥離爪106とを用いて版胴101側から剥離するときに、印刷済みの用紙Pが版胴101側から剥離できない場合がある。
特に、用紙P上に印刷される絵柄にベタ画像部があると、印刷済みの用紙Pの先端部を剥離できず、印刷済みの用紙Pが版胴101の外周面101aに巻回した孔版原紙Mに貼りついたまま版胴101の外周面101aに沿って上方に舞い上がる舞い上がり用紙PMが発生する。
そこで、従来例の孔版印刷装置100において、先に図4を用いて示したステップS20では、印刷済みの用紙Pを版胴101側から剥離できずに舞い上がった舞い上がり用紙PMを検出する際に、版胴101の回転角度が350度のタイミングで排紙センサ133の出力がONか否かをチェックしている。
このタイミングで排紙センサ133の出力がOFFであれば、印刷済みの用紙Pが版胴101側から剥離されずに排出されていない舞い上がりジャムが発生したと判断し、ステップS21で舞い上がりジャム処理に移行している。
しかしながら、版胴101の回転角度が350度のタイミングで排紙センサ133の出力がOFFの状態は、2次給紙センサ132を正常に通過した用紙Pが排紙部のエンドレスベルト121上に到達していないことを検出しているにすぎない。
即ち、版胴101の回転角度が350度のタイミングで排紙センサ133の出力がOFFの状態では、印刷済みの用紙Pが版胴101から剥離されない用紙舞い上がりジャムの他に、用紙Pがプレスローラ104に巻き付いて排紙部側に搬送できないプレスローラ用紙巻き付きジャムや、用紙Pが剥離爪106に引っ掛かって排紙部側に搬送できない剥離爪用紙引っ掛かりジャムを含むことになる。
従って、ステップS21での舞い上がりジャム処理は、用紙舞い上がりジャム,プレスローラ用紙巻き付きジャム,剥離爪用紙引っ掛かりジャムの3種類のうちいずれかであるかを検出できないために、ユーザは3種類のいずれかの用紙ジャムが発生したかを目視して処理しなければならず問題である。
更に、用紙舞い上がりジャムが発生したときに、舞い上がり用紙PMのみを自動的に排出したいが、排紙センサ133の出力がOFFの状態では舞い上がり用紙PMであるか否かを確実に検出できないために、舞い上がり用紙PMを自動的に排出処理することができない問題点も生じている。
そこで、本発明は、回転可能な円筒状の版胴の外周面に巻回させた孔版原紙に用紙をプレスローラで押圧しながら用紙上にインク画像を印刷して、印刷済みの用紙を剥離手段によって版胴側から剥離する際、版胴側から剥離できずに版胴の外周面に沿って舞い上がった舞い上がり用紙を確実に検出でき、且つ、舞い上がり用紙を自動的に排出できる孔版印刷装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、穿孔画像を形成した孔版原紙を回転可能な円筒状の版胴の外周面に巻回させ、且つ、前記版胴の外周面から前記孔版原紙側に滲み出したインクで用紙上に前記穿孔画像と対応してインク画像を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段で印刷した印刷済みの前記用紙の先端部を前記孔版原紙から剥離する用紙剥離手段と、
前記用紙剥離手段によって前記孔版原紙から剥離できずに前記版胴の外周面に沿って舞い上がった舞い上がり用紙を検出する舞い上がり用紙検出手段と、
前記用紙剥離手段によって前記孔版原紙から剥離できた前記用紙を排出する排紙手段と、
装置を全体的に制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記舞い上がり用紙検出手段によって前記舞い上がり用紙を検出した際、前記版胴を更に回転させながら前記用紙剥離手段で前記舞い上がり用紙を剥離して自動的に排出する動作を行うことを特徴とする孔版印刷装置である。
前記印刷手段で印刷した印刷済みの前記用紙の先端部を前記孔版原紙から剥離する用紙剥離手段と、
前記用紙剥離手段によって前記孔版原紙から剥離できずに前記版胴の外周面に沿って舞い上がった舞い上がり用紙を検出する舞い上がり用紙検出手段と、
前記用紙剥離手段によって前記孔版原紙から剥離できた前記用紙を排出する排紙手段と、
装置を全体的に制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記舞い上がり用紙検出手段によって前記舞い上がり用紙を検出した際、前記版胴を更に回転させながら前記用紙剥離手段で前記舞い上がり用紙を剥離して自動的に排出する動作を行うことを特徴とする孔版印刷装置である。
また、第2の発明は、上記した第1の発明の孔版印刷装置において、
前記用紙剥離手段は、前記版胴の側方近傍に剥離ファンと剥離爪とを備えており、前記舞い上がり用紙検出手段によって前記舞い上がり用紙を検出した際、前記制御手段を介して前記剥離ファンの風量を通常よりも増加させることを特徴とする孔版印刷装置である。
前記用紙剥離手段は、前記版胴の側方近傍に剥離ファンと剥離爪とを備えており、前記舞い上がり用紙検出手段によって前記舞い上がり用紙を検出した際、前記制御手段を介して前記剥離ファンの風量を通常よりも増加させることを特徴とする孔版印刷装置である。
また、第3の発明は、上記した第2の発明の孔版印刷装置において、
前記排紙手段は、印刷済みの前記用紙を搭載して排出する用紙排出路に沿ってサクションファンを設置しており、前記舞い上がり用紙検出手段によって前記舞い上がり用紙を検出した際、前記制御手段を介して前記サクションファンの風量を通常よりも増加させることを特徴とする孔版印刷装置である。
前記排紙手段は、印刷済みの前記用紙を搭載して排出する用紙排出路に沿ってサクションファンを設置しており、前記舞い上がり用紙検出手段によって前記舞い上がり用紙を検出した際、前記制御手段を介して前記サクションファンの風量を通常よりも増加させることを特徴とする孔版印刷装置である。
また、第4の発明は、上記した第2又は第3の発明の孔版印刷装置において、
前記舞い上がり用紙検出手段によって前記舞い上がり用紙を検出した際、前記制御手段を介して前記版胴の回転速度を通常よりも減速させることを特徴とする孔版印刷装置である。
前記舞い上がり用紙検出手段によって前記舞い上がり用紙を検出した際、前記制御手段を介して前記版胴の回転速度を通常よりも減速させることを特徴とする孔版印刷装置である。
第1の発明の孔版印刷装置によると、印刷済みの用紙の先端部を用紙剥離手段によって版胴の外周面に巻回させた孔版原紙から剥離できずに版胴の外周面に沿って舞い上がった舞い上がり用紙を検出する舞い上がり用紙検出手段を備え、且つ、制御手段は、舞い上がり用紙検出手段によって舞い上がり用紙を検出した際、版胴を更に回転させながら用紙剥離手段で舞い上がり用紙を剥離して自動的に排出する動作を行っている。
この結果、印刷済みの用紙が用紙剥離手段によって剥離できずに版胴の外周面に沿って舞い上がったときに、舞い上がり用紙を舞い上がり用紙検出手段により確実に検出でき、且つ、舞い上がり用紙のみを自動的に排出する動作を行うことができるので、ユーザによる舞い上がり用紙の排出判断を行う必要がなくなるために、従来例よりも舞い上がり用紙に対して舞い上がりジャム処理を信頼性高く迅速に実行できる。
また、第2の発明の孔版印刷装置によると、舞い上がり用紙検出手段により舞い上がり用紙を検出して舞い上がり用紙自動排出動作を実行する際に、制御手段を介して剥離ファンの風量を通常よりも増加させることで、舞い上がり用紙を剥離する能力が向上するために、舞い上がり用紙が剥離ファンに再度向かったときに舞い上がり用紙を版胴側から剥離し易くなり、舞い上がり用紙を自動的に確実に排出することができる。
また、第3の発明の孔版印刷装置によると、舞い上がり用紙検出手段により舞い上がり用紙を検出して舞い上がり用紙自動排出動作を実行する際に、制御手段を介してサクションファンの風量を通常よりも増加させることで、舞い上がり用紙を搬送する能力が向上するために、舞い上がり用紙を自動的に確実に排出することができる。
また、第4の発明の孔版印刷装置によると、舞い上がり用紙検出手段により舞い上がり用紙を検出して舞い上がり用紙自動排出動作を実行する際に、制御手段を介して版胴の回転速度を通常よりも減速させることで、舞い上がり用紙の搬送速度が遅くなるために、剥離ファンからの風が舞い上がり用紙の先端部に長い時間あたるので舞い上がり用紙を確実に剥離することができる。
以下に本発明に係る孔版印刷装置の一実施形態について、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る孔版印刷装置の全体構成を示している。また、図2は図1中に示した給紙センサ46,孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58,排紙センサ86の検出動作を示している。
図1に示す如く、本発明に係る孔版印刷装置10では、この装置10の外観を形成する装置筐体11が箱状に形成されている。
上記した孔版印刷装置10は、この装置10を操作する操作パネル部15と、画像や文字などの画像情報が記載された原稿(図示せず)を読み取る原稿読取部20と、原稿読取部20で読み取った原稿の画像情報に基いて1版分の孔版原紙(マスタ)Mを製版する製版部25と、後述する印刷部50内に設けた版胴(ドラム)51の外周面51aの一部に開閉可能に取り付けたクランプ板56を開閉するカム駆動部30とを備えている。
また、孔版印刷装置10は、未印刷の用紙Pを1枚ずつ給紙する給紙部40と、回転可能な円筒状の版胴51の外周面51aにクランプ板56を介して1版分の孔版原紙Mを巻回させて未印刷の用紙Pを印刷する印刷部50とを備えている。
更に、孔版印刷装置10は、印刷済みの用紙Pの用紙搬送方向の先端部を版胴51の外周面51aに巻回させた孔版原紙Mから剥離する剥離ファン71及び剥離爪73を有する用紙剥離部70と、用紙剥離部70で剥離された印刷済みの用紙Pを排出する排紙部80と、使用済みの孔版原紙Mを排版する排版部90と、孔版印刷装置10を全体的に制御する制御部95とで概略構成されている。
ここで、孔版印刷装置10内の各部について順を追って具体的に説明する。
まず、操作パネル部15は、装置筐体11の天面11aの左方(又は前面)に設置されている。この操作パネル部15は、詳細な図示を省略するが、印刷ジョブを行うための各種の機能釦と、テンキーと、液晶表示パネルなどを備えている。
そして、操作パネル部15では、ユーザが各種の機能釦を操作することにより、各部を動作させている。
次に、原稿読取部20は、装置筐体11の天面11a上に設置されている。この原稿読取部20は、画像や文字などの画像情報が記載された原稿を読み取るスキャナを備えており、読み取った画像情報は製版部25に送られている。
次に、製版部25は、装置筐体11内の右上方部位に設置されている。この製版部25は、ロール状に巻回された孔版原紙(マスタ)M上に原稿読取部20からの画像情報に応じて穿孔画像を感熱穿孔するサーマルヘッドと、感熱穿孔した孔版原紙Mを所定の長さの1版分に切断するカッタ刃とを備えており、カッタ刃により最大サイズとなる例えばA3サイズ(420mm×297mm)の用紙Pと対応するサイズに切断されて1版分の孔版原紙Mを製版した後に、製版済みの孔版原紙Mを印刷部50内の版胴51に向けて搬送している。
次に、カム駆動部30は、印刷部50内の版胴51の上部及び製版部25の下流に接近して設置されており、1版分の孔版原紙Mを版胴51に着版させるときに版胴51の外周面51aの一部に取り付けたクランプ板56を開くためのカム(図示せず)を駆動している。
次に、給紙部40は、装置筐体11の左側面11b側に設置されている。この給紙部40は、未印刷の用紙Pを複数枚積層する給紙台41と、給紙台41上に積層された用紙Pを給紙するために後述する版胴モータ53の回転をギア列42を介して伝達されて用紙給紙方向に回転する給紙ローラ43及び捌きローラ44と、捌きローラ44と対向して設置された捌き板45とを有する。
更に、給紙部40は、捌きローラ44及び捌き板45よりも下流に配置された反射型光センサを用いた給紙センサ46と、この給紙センサ46よりも下流に配置されたレジストローラ対47とを有する。
そして、給紙部40では、給紙台41上に積層した複数枚の用紙Pのうちで最上層の用紙Pに給紙ローラ43が回転しながら圧接して上層の用紙Pを取り出している。
この後、給紙ローラ43で取り出された用紙Pは、捌きローラ44と捌き板45との間で挟持搬送される際に1枚ずつに分離され、下流の給紙センサ46,レジストローラ対47に向けて給紙されている。
ここで、レジストローラ対47は、回転停止中に用紙Pを突き当ててループLを形成することで用紙Pの斜行を補正した後に、所定のタイミングで回転している。この後、用紙Pの先端部を下流の印刷部50に送っている。
次に、印刷部(印刷手段)50は、装置筐体11内の略中央部位に設置されている。この印刷部50では、版胴51が最大サイズとなる例えばA3サイズの用紙Pの長手方向の寸法420mmに対応して外径φDが180mm程度に円筒状に形成され、且つ、A3サイズの用紙Pの短手方向の寸法297mmに対応して軸方向が長尺に形成されている。
そして、版胴51は、中心軸52を中心にして版胴モータ53によって反時計方向(矢印方向)に予め設定した所定の速度で回転駆動されるようになっている。尚、版胴51の中心軸52の一端面側には、インクIKを挿入するためのインク挿入口52aが形成されている。
上記した版胴モータ53は減速ギアを内蔵したギアードモータであり、この版胴モータ53の後端軸部(図示せず)にエンコーダ54が取り付けられており、このエンコーダ54によって版胴51が回転したときの回転角度を示すパルスが順次出力されている。
また、版胴51の外周面51aの一部には版取付台55が固着されており、この版取付台55上に1版分の孔版原紙Mをクランプするクランプ板56が開閉可能に取り付けられている。
この際、版胴51の外周面51aは、版取付台55の前後の一部分がインクIKが滲み出さない部位であり、この版取付台55の前後の一部分を除いてインクIKが滲み出るように多孔性を有している。
また、版胴51の外周面51aのうちで版取付台55よりも回転方向下流側でこの版胴51の軸線方向の略中央部位に反射材57が取り付けられている。
また、版胴51の外周面51aに取り付けた反射材57を覆い隠して孔版原紙Mと舞い上がり用紙PMとを兼用して検出する孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58が、版胴51の外周面51aの上部外側には設置されている。
上記した孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58は、反射型光センサを用いており、且つ、本発明の要部の一部を構成する舞い上がり用紙検出手段として機能している。
この孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58では、着版時又は排版時に反射材57からの反射光の有無により孔版原紙Mの有無を検出する機能と、後述するように印刷時に印刷済みの用紙Pが版胴51側から剥離できずに版胴51の外周面51aに沿って上方に向かって舞い上がった舞い上がり用紙PMを検出する機能とを備えている。
この際、孔版原紙Mと舞い上がり用紙PMとで孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58に対する反射光量が異なることから、両者M,PM間の反射光量閾値を設定することにより孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58で両者M,PMを判別できる。
尚、本発明では、舞い上がり用紙検出手段として孔版原紙M及び舞い上がり用紙PMを兼用して検出できる孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58を用いてコストダウン化を図っているが、舞い上がり用紙PMだけを検出できる専用の舞い上がり用紙検出センサ(図示せず)を版胴51の外周面51aの右側方で剥離ファン71よりも上方に設置しても良い。
また、版胴51内の下方には、固定されたドクターローラ59と、版胴51と同じ方向に回転するインクローラ60とが互に添接しながら設置されている。また、ドクターローラ59とインクローラ60と間に版胴51のインク挿入口52aから供給されたインクIKが溜まっており、このインクIKはドクターローラ59とインクローラ60との隙間を通過してこのインクローラ60の外周面から版胴51の外周面51aに巻回された孔版原紙Mの穿孔画像に供給されるようになっている。
また、版胴51の中央下方外側には、揺動自在なアーム61に取り付けたプレスローラ62が版胴51の外周面51aに対して所定の押圧力で接離自在に設けられている。
上記したプレスローラ62は、版胴51の回転に伴って外周面51aの一部に設けたクランプ板56が下方に至って通過するときに、版胴51の外周面51aから離間するようになっている。
そして、印刷部50では、版胴51が右上方部位に設定した版胴基準位置から反時計方向に回転を開始して、版胴51の外周面51aの一部に開閉可能に取り付けたクランプ板56が上方の着版位置に至ったときに、カム駆動部30によりクランプ板56を開いて製版部25から送られた製版済みの孔版原紙Mをクランプしている。
この後、孔版原紙Mをクランプしたクランプ板56がプレスローラ62を通過した後に、プレスローラ62で給紙部40から送られた未印刷の用紙Pを版胴51の外周面51aに巻回した製版済みの孔版原紙Mに押し当てて、用紙Pを下流側に向けて搬送しながら版胴51の外周面51aから孔版原紙M側に滲み出したインクIKで孔版原紙Mの穿孔画像に対応したインク画像を用紙P上に印刷している。
次に、用紙剥離部(用紙剥離手段)70は、版胴51の回転方向下流側の外周面51aの右側方近傍に設置されている。
この用紙剥離部70では、ダクト71a内にファン71bが内蔵され、且つ、ファン71bからのエアーARを版胴51の外周面51aの下方に向かって送風する剥離ファン71と、印刷部50で印刷された印刷済みの用紙Pの先端部を版胴51側から剥離する剥離爪73とを有する。
この際、剥離爪73は、版胴51の軸線方向の略中央部位に所定の横幅を持って取り付けられている。また、この剥離爪73の先端部には、版胴51の外周面51aの下方に向けてエアーノズル(図示せず)が設けられており、このエアーノズルからエアーポンプ(図示せず)により圧縮されたエアーが印刷済みの用紙Pの剥離タイミングで吐出されてようになっている。
また、印刷済みの用紙Pの先端部を版胴51側から剥離させるための用紙剥離ポイントHPが、版胴51の外周面51aの下方でプレスローラ62と剥離爪68の先端部との間の略中間部位に設定されている。
上記から、剥離ファン71から送風されたエアーARが版胴51の外周面51a側に沿いながら版胴51の外周面51aの右下方に設定した用紙剥離ポイントHPに向かう。そして、版胴51の外周面51aに巻回した孔版原紙Mから印刷済みの用紙Pの先端部の略中央部位を剥離爪73で剥がして、この剥離爪73で剥がすきっかけをつくり、その後最終的にエアーARにより用紙Pの先端部を用紙剥離ポイントHPの近傍で剥離するようになっている。
この際、先に背景技術で説明したように、用紙P上に印刷される絵柄にベタ画像部があると、印刷済みの用紙Pの先端部を用紙剥離部70で剥離できず、印刷済みの用紙Pが版胴51の外周面51aに巻回した孔版原紙Mに貼りついたまま用紙剥離ポイントHPを通過して版胴51の外周面51aに沿って上方に舞い上がる舞い上がり用紙PMが発生する。
そこで、本発明では、舞い上がり用紙PMを確実に検出するために、先に説明した孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58を版胴51の外周面51aの上部外側に設置したが、この孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58の検出動作については後で詳述する。
次に、排紙部(排紙手段)80は、用紙剥離部70の下方で装置筐体11の右側面11c側に設置されている。
この排紙部80では、用紙剥離部70で剥離された印刷済みの用紙Pの搬送をガイドする用紙搬送ガイド部材81が固定設置されている。この用紙搬送ガイド部材81は、上面が平板状に形成され、且つ、この上面に複数のエアー吸引孔が貫通して形成されていると共に、用紙幅方向の両端が下方に折り曲げられている。
また、用紙搬送ガイド部材81の上面上には、複数のエアー吸引孔を形成したエンドレスベルト82が用紙排出方向に向かって回転自在に設けられている。この際、エンドレスベルト82は、印刷済みの用紙Pを排出する用紙排出路として機能しており、モータ83によって反時計方向に回転駆動する駆動プーリ84とこれに従動する従動プーリ85との間に掛け渡されている。
更に、用紙搬送ガイド部材81内には、駆動プーリ84と従動プーリ85との間に反射型光センサを用いた排紙センサ86が設置され、且つ、印刷済みの用紙Pを用紙搬送ガイド部材81に形成した複数のエアー吸引孔及びエンドレスベルト82に形成した複数のエアー吸引孔を通ってエアー吸引するサクションファン87が設けられている。用紙Pの印刷中、サクションファン87及びエンドレスベルト82は、常時、駆動されている。
次に、排版部90は、装置筐体11内で版胴51の左上方部位に設置されている。この排版部90では版胴51の外周面51aから剥された使用済みの孔版原紙Mが不図示の排版箱内に収納されている。
次に、制御部(制御手段)95は、装置筐体11内の適宜な位置に設置されている。この制御部95は、本発明に係る孔版印刷装置10を全体的に制御しており、且つ、給紙センサ46,孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58,排紙センサ86の各検出結果に応じて後述の図2に示す動作フローを実行している。
ここで、上記のように構成した本発明に係る孔版印刷装置10の要部となるセンサ検出動作について、図1と図2とを併用して説明する。
本発明に係る孔版印刷装置10では、用紙Pへの印刷時に生じる複数種の用紙ジャムを図2に示す動作フローより検出してジャム処理を施している。
即ち、図2に示す如く、まず、用紙Pへの印刷時に、ステップS1で給紙センサ46がONであれば、制御部95は用紙Pが正常に給紙されたと判断して、この用紙Pを印刷部50で印刷して、印刷済みの用紙Pを排紙方向に搬送してステップS2に移行する。
一方、ステップS1で給紙センサ46がOFFであれば、制御部95はステップS3で給紙ミスが発生したと判断して全ての動作を停止し、且つ、ユーザは手動で給紙ジャム用紙(図示せず)を取り除いている。
次に、ステップS2では、給紙センサ46を通過した用紙Pが通常の速度で用紙剥離ポイントHPに至る用紙剥離ポイント通過時間を経過した後に、排紙センサ86がONであれば、制御部95はステップS4で印刷済みの用紙Pの先端部が用紙剥離部70で剥離されて正常に排出されていると判断している。
この際、上記した用紙剥離ポイント通過時間は、制御部95内に設けた不図示のRAMに予め記憶させておき、この用紙剥離ポイント通過時間に至るまでを制御部95内に設けた不図示のタイマで計測しているが、この用紙剥離ポイント通過時間に代えて従来例と同様に版胴51の回転角度位置を用いても良い。
一方、ステップS2で上記した用紙剥離ポイント通過時間を経過後に、排紙センサ86がOFFであれば、制御部95は印刷済みの用紙Pが排紙センサ86に正常に到達していないと判断し、印刷済みの用紙Pを版胴51とプレスローラ62とで引き続いて挟持搬送して、ステップS5に移行する。
次に、ステップS5では、上記した用紙剥離ポイント通過時間を経過した後に排紙センサ86がOFFの状態で、孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58がONであれば、制御部95はステップS6で印刷済みの用紙Pの先端部が用紙剥離部70で剥離されずに版胴51の外周面51aに沿って上方に舞い上がり、この舞い上がり用紙PMが孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58の位置まで搬送されて舞い上がりジャムが発生したと判断している。
ここで、舞い上がりジャムが発生したときに、制御部95は版胴51を更に回転させながら舞い上がり用紙PMを用紙剥離部70まで再度送って、この用紙剥離部70で舞い上がり用紙PMを剥離して、舞い上がり用紙PMを自動的に排出する舞い上がり用紙自動排出動作を実行する。
そして、孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58により舞い上がり用紙PMを検出して舞い上がり用紙自動排出動作を実行する際に、制御部95を介して剥離ファン71の風量を通常よりも増加させることで、舞い上がり用紙PMを剥離する能力が向上するために、舞い上がり用紙PMが用紙剥離部70に再度向かったときに舞い上がり用紙PMが版胴51側から剥離し易くなり、舞い上がり用紙PMを自動的に確実に排出することができる。
また、孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58により舞い上がり用紙PMを検出して舞い上がり用紙自動排出動作を実行する際に、制御部95を介してサクションファン87の風量を通常よりも増加させることで、舞い上がり用紙PMを搬送する能力が向上するために、舞い上がり用紙PMを自動的に確実に排出することができる。
また、孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58により舞い上がり用紙PMを検出して舞い上がり用紙自動排出動作を実行する際に、制御部95を介して版胴51の回転速度を通常よりも減速させることで、舞い上がり用紙PMの搬送速度が遅くなるために、剥離ファン71からの風が舞い上がり用紙PMの先端部に長い時間あたるので舞い上がり用紙PMを確実に剥離することができる。
一方、ステップS5で上記した用紙剥離ポイント通過時間を経過後に排紙センサ86がOFFの状態で、孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58がOFFであれば、制御部95は印刷済みの用紙Pが排紙センサ86及び孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58に到達していないと判断している。そして、制御部95はステップS7でその他の排紙ジャムが発生したと判断して全ての動作を停止し、且つ、ユーザは手動でその他の排紙ジャム用紙(図示せず)を取り除いている。
この際、上記したその他の排紙ジャムは、用紙Pがプレスローラ62に巻き付いて排紙部80側に排出できないプレスローラ用紙巻き付きジャムや、用紙Pが剥離爪73に引っ掛かって排紙部80側に排出できない剥離爪用紙引っ掛かりジャムなどがある。
そして、プレスローラ用紙巻き付きジャムや剥離爪用紙引っ掛かりジャムは、自動排出が不可能であるために、装置全体を停止してユーザが手動で各ジャム用紙(図示せず)を取り除いている。
従って、紙剥離ポイント通過時間を経過した後に排紙センサ86がOFFの状態で、孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ58により舞い上がりジャムとその他の排紙ジャムとを判別できるので、装置10を損傷させずに各ジャム処理を実行することができる。
以上詳述した本発明に係る孔版印刷装置10によれば、印刷済みの用紙Pの先端部を用紙剥離部70によって版胴51の外周面51aに巻回させた孔版原紙Mから剥離できずに版胴51の外周面51aに沿って舞い上がった舞い上がり用紙PMを検出する舞い上がり用紙検出手段58を備え、且つ、制御部95は、舞い上がり用紙検出手段58によって舞い上がり用紙PMを検出した際、版胴51を更に回転させながら用紙剥離手段70で舞い上がり用紙PMを剥離して自動的に排出する動作を行っている。
この結果、印刷済みの用紙Pが用紙剥離部70によって剥離できずに版胴51の外周面51aに沿って舞い上がったときに、舞い上がり用紙PMを舞い上がり用紙検出手段58により確実に検出でき、且つ、舞い上がり用紙PMのみを自動的に排出する動作を行うことができるので、ユーザによる舞い上がり用紙PMの排出判断を行う必要がなくなるために、従来例よりも舞い上がり用紙PMに対して舞い上がりジャム処理を信頼性高く迅速に実行できる。
10…孔版印刷装置、11…装置筐体、15…操作パネル部、20…原稿読取部、25…製版部、30…カム駆動部、40…給紙部、41…給紙台、43…給紙ローラ、44…捌きローラ、45…捌き板、46…給紙センサ、47…レジストローラ対、50…印刷部(印刷手段)、51…版胴、51a…外周面、52…中心軸、52a…インク挿入口、53…版胴モータ、54…エンコーダ、56…クランプ板、57…反射材、58…孔版原紙及び舞い上がり用紙検出センサ(舞い上がり用紙検出手段)、59…ドクターローラ、60…インクローラ、61…アーム、62…プレスローラ、70…用紙剥離部(用紙剥離手段)、71…剥離ファン、73…剥離爪、80…排紙部(排紙手段)、81…用紙搬送ガイド部材、82…エンドレスベルト、83…モータ、84…駆動プーリ、85…従動プーリ、86…排紙センサ、87…サクションファン、88…排紙台、90…排版部、95…制御部(制御手段)、AR…エアー、HP…用紙剥離ポイント、IK…インク、M…孔版原紙(マスタ)、P…用紙、PM…舞い上がり用紙。
Claims (4)
- 穿孔画像を形成した孔版原紙を回転可能な円筒状の版胴の外周面に巻回させ、且つ、前記版胴の外周面から前記孔版原紙側に滲み出したインクで用紙上に前記穿孔画像と対応してインク画像を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段で印刷した印刷済みの前記用紙の先端部を前記孔版原紙から剥離する用紙剥離手段と、
前記用紙剥離手段によって前記孔版原紙から剥離できずに前記版胴の外周面に沿って舞い上がった舞い上がり用紙を検出する舞い上がり用紙検出手段と、
前記用紙剥離手段によって前記孔版原紙から剥離できた前記用紙を排出する排紙手段と、
装置を全体的に制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記舞い上がり用紙検出手段によって前記舞い上がり用紙を検出した際、前記版胴を更に回転させながら前記用紙剥離手段で前記舞い上がり用紙を剥離して自動的に排出する動作を行うことを特徴とする孔版印刷装置。 - 前記用紙剥離手段は、前記版胴の側方近傍に剥離ファンと剥離爪とを備えており、前記舞い上がり用紙検出手段によって前記舞い上がり用紙を検出した際、前記制御手段を介して前記剥離ファンの風量を通常よりも増加させることを特徴とする請求項1に記載の孔版印刷装置。
- 前記排紙手段は、印刷済みの前記用紙を搭載して排出する用紙排出路に沿ってサクションファンを設置しており、前記舞い上がり用紙検出手段によって前記舞い上がり用紙を検出した際、前記制御手段を介して前記サクションファンの風量を通常よりも増加させることを特徴とする請求項2に記載の孔版印刷装置。
- 前記舞い上がり用紙検出手段によって前記舞い上がり用紙を検出した際、前記制御手段を介して前記版胴の回転速度を通常よりも減速させることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の孔版印刷装置。
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