JP2018089614A - ろ過膜モジュールおよびその製造方法並びにろ過膜モジュールの設置方法 - Google Patents

ろ過膜モジュールおよびその製造方法並びにろ過膜モジュールの設置方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ろ過膜のろ過性能を保持し、微生物の繁殖を抑制しつつ、かつ使用開始後の水質に与える影響が無いろ過膜モジュール及びその製造方法を提供する。【解決手段】液体のろ過に使用される中空糸膜3aと、その中空糸膜3aが収容されるケース5とを備えた中空糸膜モジュール1において、ケース5内に、中空糸膜3aのろ過性能を保持するための保存液として、殺菌された純水が充填されている。【選択図】図1

Description

本発明は、超純水製造プロセスにおいて、被処理水中の微粒子を取り除くファイナルフィルターとして好適なろ過膜モジュールおよびその製造方法並びにろ過膜モジュールの設置方法に関する。
半導体や表示素子等の電子・電気部品の製造で用いられる超純水を製造するラインにおいては、精密ろ過膜やイオン交換樹脂、逆浸透ろ過膜を用いて製造した超純水をユースポイントに供給する直前に超純水から微粒子を取り除くファイナルフィルターとしてろ過膜モジュールが用いられている。本用途のろ過膜モジュールとしては、1モジュールあたりのろ過流量が大きく出来るメリットがあることから、中空糸膜の外側に原水を供給してろ過する外圧ろ過式の中空糸膜モジュールが主に使用されている。
本用途のろ過膜モジュールに求められる性質として、使用開始後短い時間で超純水としての水質、すなわち、ろ過水中の微粒子数、ろ過水の導電率、およびTOC(Total
Organic Carbon)などが要求レベルに達することが求められる。その為、一般的に本用途のろ過膜モジュールでは、製品の製造工程の最後に、フィルターからの微粒子発塵、イオン成分および有機物の溶出を低減するための洗浄工程が設けられ、清浄な状態まで洗浄された状態で出荷されている。
一方、ろ過膜モジュールはそのろ過性能を保ち、かつ製品内での微生物の増殖を抑えるために、製造後は殺菌、制菌作用のある保存液を用いて湿潤状態で保管することが必要であり、一般的な膜モジュールでは、グリセリン水溶液、アルコール水溶液、または次亜塩素酸ナトリウム水溶液などが保存液として用いられる(たとえば特許文献1参照)。
しかし、超純水の製造ラインで使用されるろ過膜モジュールは上述の通り使用開始から短い時間で超純水としての水質を満足することが求められるため、グリセリン、アルコールなどの有機物、ナトリウムなどの金属イオン成分を含む保存液を用いるとその洗浄に時間を要する問題があった。その為、本用途の保存液としては、低濃度であっても微生物の繁殖を抑制するホルムアルデヒド水溶液や、有機物、イオン成分を残留させずに殺菌効果が有る過酸化水素水溶液が用いられてきた。
特開平6−296838号公報
しかしながら、ホルムアルデヒド水溶液を用いた場合は、1%未満の低濃度で微生物の繁殖は抑制できるものの、TOCの低減に影響を及ぼしてしまう。一方、過酸化水素水は微生物の繁殖を抑制しつつ、かつTOCにも影響しないが、過酸化水素の酸化力が強いため、本用途のろ過膜の素材として一般的に用いられる高分子膜を少しずつであるが劣化させ、膜の分離性能低下や破損等が発生する可能性がある。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としており、ろ過膜のろ過性能を保持し、微生物の繁殖を抑制しつつ、かつ使用開始後の水質に与える影響が無いろ過膜モジュール及びその製造方法並びにろ過膜モジュールの設置方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の多様な要求項目を満足すべく鋭意研究を重ね、検証を行った。その結果、保存液としては高温で殺菌された状態の水を封入することですべての要求事項を満足する事を確認し、その製造方法を見出し本発明に想到した。
すなわち、本発明のろ過膜モジュールは、液体のろ過に使用されるろ過膜と、そのろ過膜が収容されるケースとを備えたろ過膜モジュールにおいて、ケース内に、ろ過膜のろ過性能を保持するための保存液として、殺菌された純水が充填されていることを特徴とする。
また、上記本発明のろ過膜モジュールにおいて、保存液中の有機物含有量は、TOC(Total Organic Carbon)として5ppm以上50ppm未満であることが好ましい。
また、上記本発明のろ過膜モジュールにおいて、保存液に含まれる金属イオンの濃度は、10ppb以上100ppb未満であることが好ましい。
また、上記本発明のろ過膜モジュールにおいて、保存液に含まれる塩化物イオンの濃度は、25ppb以上250ppb未満であることが好ましい。
本発明のろ過膜モジュールの製造方法は、液体のろ過に使用されるろ過膜と、そのろ過膜が収容されるケースとを備えたろ過膜モジュールであって、ケース内に、ろ過膜のろ過性能を保持するための保存液として、殺菌された純水が充填されているろ過膜モジュールの製造方法であって、ろ過膜が収容されたケース内に、ろ過によって除菌された純水を封入し、その純水が封入されたケースを80℃以上100℃未満で加熱処理することによって、ろ過膜モジュール内の純水を滅菌して保存液とすることを特徴とする。
また、上記本発明のろ過膜モジュールの製造方法においては、純水が封入されたケースを加熱処理する工程において、封入した純水の熱膨張による圧力上昇を軽減するため、ろ過膜モジュールの原水側に圧力緩衝機構を設けることが好ましい。
また、上記本発明のろ過膜モジュールの製造方法において、純水が封入されたケースを加熱処理する工程において、封入した純水の熱による体積膨張を吸収するため、ろ過膜モジュールの原水側に体積膨張吸収機構を設けることが好ましい。
また、上記本発明のろ過膜モジュールの製造方法において、ろ過によって除菌された純水は、限外ろ過膜または逆浸透膜でろ過された水であって、純水に含まれる50nm以上の微粒子が10個/L以上200個/L以下であることが好ましい。
また、上記本発明のろ過膜モジュールの製造方法において、純水中の有機物含有量は、TOC(Total Organic Carbon)として5ppm以上50ppm未満であることが好ましい。
また、上記本発明のろ過膜モジュールの製造方法において、純水に含まれる金属イオンの濃度は、10ppb以上100ppb未満であることが好ましい。
また、上記本発明のろ過膜モジュールの製造方法において、純水に含まれる塩化物イオンの濃度は、25ppb以上250ppb未満であることが好ましい。
また、純水が封入されたケースを加熱処理する工程において、封入した純水の熱膨張に

よる圧力上昇を軽減するため、ろ過膜モジュールの原水側に圧力緩衝機構を設けるとともに、封入した純水の熱による体積膨張を吸収するため、ろ過膜モジュールの原水側に体積膨張吸収機構を設け、ろ過膜モジュールのろ過側は密閉状態とすることが好ましい。
また、上記本発明のろ過膜モジュールの製造方法において、ろ過膜モジュールは、ケース内にろ過膜として中空糸膜を収容した中空糸膜モジュールであって、中空糸膜の中空部と連通するろ過側ポートと、中空糸膜の外側と連通する原水側ポートとを有することができ、純水が封入されたケースを加熱処理する工程において、原水側ポートに、体積膨張吸収機構を設けるとともに、圧力緩衝機構をその圧力緩衝機構内に密栓部材を含有した状態で設け、かつろ過側ポートを密閉状態とし、加熱処理の工程後に、圧力緩衝機構内で、体積膨張吸収機構を密栓部材に付け替え、その後、圧力緩衝機構と体積膨張吸収機構を取り外すことが好ましい。
また、上記本発明のろ過膜モジュールの製造方法において、ろ過膜モジュールは、ケース内にろ過膜として中空糸膜を収容した中空糸膜モジュールであって、中空糸膜の中空部と連通するろ過側ポートと、中空糸膜の外側と連通する原水側ポートとを有することができ、純水が封入されたケースを加熱処理する工程において、原水側ポートに、体積膨張吸収機構を設けるとともに、その体積膨張吸収機構に対して、気体を透過可能であってかつ菌体を透過させない圧力緩衝機構を設け、さらに原水側ポートに外気が流入するのを防止する気体流入防止部材をその気体流入部材内に密栓部材を含有した状態で設け、かつろ過側ポートを密閉状態とし、加熱処理の工程後に、気体流入防止部材内で、体積膨張吸収機構を密栓部材に付け替え、その後、圧力緩衝機構が設けられた体積膨張吸収機構および気体流入防止部材を取り外すことが好ましい。
本発明のろ過膜モジュールの設置方法は、上述したろ過膜モジュールを、水処理装置の配管に取り付ける方法において、ろ過膜モジュールのろ過側ポートおよび原水側ポートを密閉している密栓部材を取り外し、ろ過膜モジュール内に封入した純水を、水処理装置の配管以外に廃棄した後、水処理装置の配管の取り付けることを特徴とする。
本発明のろ過膜モジュールによれば、ろ過性能を保持する為のろ過膜モジュールの保存液として、殺菌された純水が封入されているため、膜のろ過性能を保ちつつ、モジュール内での微生物の増殖を抑えることが出来る。すなわち、薬品類を使用せずとも、ろ過モジュールの長期保管が可能となると共に、使用開始時の洗浄時間を大幅に低減できる。
また、上記本発明のろ過膜モジュールにおいて、保存液中の有機物含有量を、TOCとして5ppm以上50ppm未満とした場合には、このように有機物成分が少ない水とすることで、使用開始時の有機物の洗浄時間を大幅に低減出来る。
さらに、保存液に含まれる金属イオンを、10ppb以上100ppb未満とした場合には、使用開始時の金属成分の洗浄時間を大幅に低減できる。
また、保存液に含まれる塩化物イオンを、25ppb以上250ppb未満とした場合には、このように塩化物イオンを微量含むことで、過剰な温度を加えずとも十分な殺菌性を得ることが出来る。
本発明のろ過膜モジュールの製造する方法によれば、ろ過によって除菌された純水をケース内に封入し、その純水が封入されたケースを80℃以上100℃未満で加熱処理することによって、ろ過膜モジュール内の純水を滅菌して保存液とするようにしたので、膜のろ過性能を保ちつつ、モジュール内での微生物の増殖を抑えることが出来る。
さらに純水が封入されたケースを加熱処理する工程において、封入した純水の熱膨張による圧力上昇を軽減するため、ろ過膜モジュールの原水側に圧力緩衝機構を設けるようにした場合には、加熱による水の膨張でろ過モジュール内の圧力が上昇し、ケースや中空糸膜が破損することを防ぐことが出来る。また、ろ過側を完全に封止するようにした場合には、外部からのコンタミネーションを防ぐことが可能となる。
また、純水が封入されたケースを加熱処理する工程において、封入した純水の熱による体積膨張を吸収するため、ろ過膜モジュールの原水側に体積膨張吸収機構を設けるようにした場合には、加熱処理時の体積膨張を吸収し、その後、膨張分を冷却によって収縮させることでろ過膜モジュールの原水側からモジュール内に再流入させることが可能となり、ろ過モジュール内を満液状態とすることが可能となる。
本発明のろ過膜モジュールの一実施形態を用いた中空糸膜モジュールの構成を示す断面図 中空糸膜モジュールの分解斜視図 圧力緩衝機構および体積膨張吸収機構の具体的な例を示す図 圧力緩衝機構および体積膨張吸収機構のその他の例を示す図 図1に示す中空糸膜モジュールを用いた濾過装置の各部の詳細な構成を示す図
以下、本発明のろ過膜モジュールの一実施形態を用いた中空糸膜モジュールについて、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の中空糸膜モジュールは、超純水製造用のろ過装置にて利用することができる。本実施形態の中空糸膜モジュールは、精密ろ過膜、イオン交換樹脂、または逆浸透ろ過膜を用いて製造した超純水をユースポイントに供給する直前に行う外圧式ろ過に利用することができ、ファイナルフィルターとして微粒子除去の機能を担うことができる。また、中空糸膜モジュールとしては、設備のコンパクト化のために、高いろ過性能が要求されるが、本実施形態の中空糸膜モジュールは、単位容積あたりのろ過流量を大きくすることが出来る中空糸膜モジュールとすることができる。
図1は、本実施形態の中空糸膜モジュール1の概略構成を示す断面図である。また、図2は、図1に示す中空糸膜モジュール1を分解した斜視図である。
本実施形態の中空糸膜モジュール1は、図1に示されるように、複数の中空糸膜3aが束ねられた中空糸膜束3と、中空糸膜束3を収容する筒状のケース5とを備えるものである。
ケース5の両端開口には、配管が接続される管路10a,11aが形成された配管接続用のキャップ10,11が設けられており、配管接続用のキャップ10,11はナット13によってケース5に固定装着されている。ナット13は、ケース5の両端の側面に形成された雄ネジに螺合し、ナット13を締めることによって、キャップ10,11の溝に配置されたOリング12によりケーシング両端とキャップ10,11の間がシールされる。
また、ケース5の両端部には、流体が流れる上側ノズル5aと下側ノズル5bとがそれぞれ形成されている。上側ノズル5aと下側ノズル5bは、ケース5の長手方向に直交する方向に突き出すように設けられている。
中空糸膜束3の両端面においては、各中空糸膜3aは開口されており、かつ各中空糸膜3a間がポッティング材によって接着されて接着部14が形成されている。
外圧式ろ過においては、たとえば下側ノズル5bから液体が流入され、その液体が両端部の接着部14の間の各中空糸膜3aの外表面から染み込み、各中空糸膜3aの中空部を通過した液体が、キャップ10,11の管路10a,11aから流出される。
中空糸膜3aとしては、精密ろ過膜、限外ろ過膜等を用いることができる。中空糸膜の素材は特に限定されず、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン)、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロース、酢酸セルロース、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられ、また、これらの複合素材も使用できる。
中空糸膜3aの内径は50μm〜3000μmであり、好ましくは500μm〜2000μmである。内径が小さい場合、圧損が大きくなり、ろ過に悪影響を及ぼすため、中空糸膜3aの内径は50μm以上とすることが好ましい。また、内径を大きくした場合、紡糸時に膜の形状を保持することが困難になるため、3000μm以下とすることが好ましい。
ポッティング材としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、オレフィン系ポリマー、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂等の高分子材料が好ましく、これらの高分子材料のいずれかでもよいし、複数の高分子材料を組み合わせて用いるようにしてもよい。
なお、超純水製造プロセスにおいて、構成部材には熱水に対する耐熱性と、低い溶出性が求められる。そのため中空糸膜3aやケース5の素材としては、ポリスルホン系の溶出の少ない素材であることが好ましい。また、同様の理由からポッティング材にはエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
また、本実施形態の中空糸膜モジュール1では、保存液として、殺菌された純水が用いられる。保存液とは、中空糸膜3aのろ過性能を保持するための液体であって、ケース5内の両端部の接着部14の間に形成された貯留部5c、キャップ10、11と接着部14との間の空間、さらに中空糸膜3aの中空部および多孔質部に充填される液体である。
ここで、本発明における純水とは、イオン成分を低減させ、水の電気導電度が1μS/cm以下で、さらに逆浸透膜または限外ろ過膜などでろ過された水のことを示す。
また、本実施形態の中空糸膜モジュール1においては、保存液中の有機物含有量が、TOC(Total Organic Carbon)として1ppm以上50ppm未満であることが好ましい。TOCが1ppm以上であれば、後述する純水の加熱殺菌時に、純水中の有機物が優先的に酸化されるため、加熱による中空糸膜3aの酸化劣化を抑制できる。なお、TOCは5ppm以上であることがさらに好ましい。
また、50ppm未満であれば、中空糸膜モジュール1の使用開始時における保存液中の有機物濃度を速やかに低減できる共に、加熱殺菌で菌が完全に死滅しなかった場合にも、その炭素源を少なく出来る為に菌の増殖を抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態の中空糸膜モジュール1においては、保存液に含まれる金属イオンの濃度が10ppb以上100ppb未満であることが好ましい。超純水製造プロセスでは、半導体製造に悪影響を与える金属イオンの混入は避けるべきであり、その含有量は少ない程良い。一方、殺菌について考えた場合、金属イオンは殺菌作用を示すことが知られており、半導体製造に悪影響を与えない範囲で金属イオンを含むことで加熱による殺菌作用を向上させることが可能となる。
同様に、本実施形態の中空糸膜モジュール1においては、保存液に含まれる塩化物イオンの濃度が25ppb以上250ppb未満であることが好ましい。塩化物イオンも半導体製造においては、回路を侵食する為、超純水中では極低濃度に管理することが求められる。一方で、塩化物イオンは殺菌作用を示すため、保存液として用いる純水中には半導体製造に悪影響を与えない範囲で含むことが好ましい。
上述した本実施形態の中空糸膜モジュール1であれば、保存中に菌類が増殖することを抑制しつつ、半導体製造に用いられる際の水質要求を満たす超純水を容易に製造することが可能となる。
次に、本実施形態の中空糸膜モジュール1の製造方法について説明する。
本実施形態の中空糸膜モジュール1の製造方法においては、まず、保存液が充填される前の状態の図1に示す中空糸膜モジュール1のケース5内に、ろ過によって除菌された純水が封入される。
純水としては、上述したように逆浸透膜または限外ろ過膜などでろ過された水が用いられる。純水に含まれる50nm以上の微粒子は、10個/L以上200個/L以下であることが好ましい。
また、純水中の有機物含有量は、TOCとして1ppm以上50ppm未満の水を用いることが好ましい。なお、TOCは5ppm以上であることがさらに好ましい。
さらに、純水に含まれる金属イオンの濃度は、10ppb以上100ppb未満であることが好ましく、純水に含まれる塩化物イオンの濃度は、25ppb以上250ppb未満であることが好ましい。
そして、本実施形態の中空糸膜モジュール1の製造方法においては、ろ過によって除菌された純水が封入された中空糸膜モジュール1(ケース5)を80℃以上100℃未満で加熱処理する。このように、ろ過で除菌された純水を、さらに加熱殺菌することで中空糸膜モジュール1の保存液が菌を含まない状態とすることが可能となる。
なお、水の殺菌方法としては、薬品の添加などもあるが、超純水製造プロセスで使用される中空糸膜モジュールの場合、余計な成分を添加しない加熱による殺菌でなければならない。
また、本実施形態のように純水を加熱によって殺菌する場合、80℃未満であっても、多くの生菌は時間を掛けることで死滅するが、3ヶ月以上の長期間の保管を考えた場合、80℃以上に加熱し、十分に菌を死滅させておくのが良い。また、加熱温度を100℃以上とした場合、純水が沸騰して中空糸膜モジュール1内で中空糸膜3aが揺れ動き、これにより破損してしまうことや、部材の熱膨張率の差で破損が生じる可能性がある。これらの観点から、加熱処理の温度としては、本実施形態のように、80℃以上100℃未満であることが好ましく、さらに好ましくは85℃以上95℃以下である。
ここで、上述したように中空糸膜モジュール1を加熱処理する際、圧力による変形がほとんどない剛直な部材で密閉されていると、純水の熱膨張によってモジュール内部の圧力上昇が発生し、中空糸膜3aやケース5が破損する危険性がある。この圧力上昇を回避する方法として、モジュール内部と外部を通じた状態とする方法があるが、この場合、加熱処理によって体積膨張した水が外部にあふれてしまい、さらに冷却される際の体積収縮によって外気を吸入してしまうため、その際に大気中から菌類がモジュール内に取り込まれてしまう可能性がある。これを回避するためには、加熱処理工程を無菌室内で実施することが考えられるが、超純水製造プロセスに用いられるような大きな中空糸膜モジュールでは無菌室内で製造することは困難である。
そこで、本実施形態の中空糸膜モジュール1の製造方法においては、加熱処理する工程において、封入した純水の熱膨張による圧力上昇を軽減するため、中空糸膜モジュール1の下側ノズル5bに圧力緩衝機構を設ける。なお、本実施形態の中空糸膜モジュール1は、外圧式ろ過に用いられるものであるので、下側ノズル5bは、本発明の原水側ポートに相当するものである。
膨張による圧力を緩衝させつつ、外気の流入を防ぐ圧力緩衝機構としては、たとえば図3に示すように中空糸膜モジュール1の下側ノズル5bに対して、しぼんだ状態のゴム風船またはポリ袋などからなる圧力緩衝機構21を接続する方法が簡便であり好ましい。ただし、一般にゴム状の柔軟な物質は加熱に弱く、柔軟性を持たせるために添加されている物質が接触した純水中に溶け込んでしまい、保存液の純度を低下させてしまう可能性があるため、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどからなるポリ袋のような、加熱処理に対しても耐熱性を持つ添加剤の少ない材質の袋で覆う事がより好ましい。
また、上述したように、しぼんだ状態のポリ袋をノズルに設置することでも体積膨張を吸収することは可能であるが、袋中に大量の水があふれ出てしまうと、モジュール内に本来封入すべき保存液の量が減少し、封入目的の1つである膜の乾燥防止機能が十分でなくなってしまう。
これを回避するため、本実施形態の中空糸膜モジュール1の製造方法においては、加熱処理工程において、封入した純水の加熱による体積膨張を吸収するため、中空糸膜モジュール1の下側ノズル5bに体積膨張吸収機構を設けることが好ましい。
体積膨張吸収機構としては、たとえば図3に示すように、加熱に強く、溶出の心配も少ない超純水設備の配管に用いられるポリフッ化ビニリデン製またはポリプロピレン製の液受けからなる体積膨張吸収機構20を下側ノズル5bに接続することが好ましい。そして、その液受けを覆う形で、圧力を緩衝可能な部材、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン製の袋などからなる圧力緩衝機構21を接続するのがより好ましい。このように圧力緩衝機構21と体積膨張吸収機構20を合わせて持たせることで加熱による熱膨張の影響を抑えつつ、冷却によって外気が吸入されることもなく、加熱処理による殺菌を実施することが出来る。
なお、上述した加熱処理の際には、図3に示すように、上側の管路10a、下側の管路11aおよび上側ノズル5aは、それぞれ密栓部材10b、11b、23によって塞がれて密閉状態となっている。上側の管路10aおよび下側の管路11aは、本発明におけるろ過側ポートに相当するものである。
さらに、本実施形態の中空糸膜モジュール1の製造方法においては、図3に示すように、圧力緩衝機構21内に密栓部材22を含めることが好ましい。そして、加熱処理の工程後に、圧力緩衝機構21内で、体積膨張吸収機構20を密栓部材22に付け替え、その後、圧力緩衝機構21と体積膨張吸収機構20を取り外すようにすることが好ましい。
このような方法を採用することによって、閉鎖系のままで下側ノズル5bを密閉することができる。また、本実施形態の中空糸膜モジュール1の製造方法においては、体積膨張吸収機構20および圧力緩衝機構21の設置並びに密栓部材22の付け替えを、全て原水側の下側ノズル5bで行うようにしたので、万が一、菌類のコンタミが起きたとしても、密栓部材22の付け替えがある原水側でしか起きず、中空糸膜3aによって仕切られた完全密閉系であるろ過側において菌類のコンタミが生じるのを防止することができる。
また、加熱処理する工程において、封入した純水の熱膨張による圧力上昇を軽減し、かつ封入した純水の体積膨張を吸収するための構成としては、図3に示す構成に限らず、図4に示すような構成を採用するようにしてもよい。図4に示す中空糸膜モジュール1においては、体積膨張吸収機構として、ポリプロピレン(PP)製ボトル24およびチューブ25が設けられている。ポリプロピレン製ボトル24は、チューブ25を介した状態で原水側の下側ノズル5bに取り付けられ、そのポリプロピレン製ボトル24の上部に対して、圧力緩衝機構として孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のエアベント用フィルター26が設けられている。エアベント用フィルター26は、気体を透過可能であって、かつ菌体を透過させないものである。
さらに、図4に示す中空糸膜モジュール1においては、下側ノズル5bに外気が流入するのを防止する気体流入防止部材として、ポリエチレン製の袋27が設けられている。ポリエチレン製の袋27は、その中に密栓部材22を含有した状態で下側ノズル5bを覆うように設けられている。なお、チューブ25がポリエチレン製の袋27を通過する部分(図4において点線楕円で示す部分)は、密閉した状態でシールされている。
そして、加熱処理の工程後に、ポリエチレン製の袋27内で、チューブ25を密栓部材22に付け替え、その後、ポリエチレン製の袋27、チューブ25、ポリプロピレン(PP)製ボトル24およびエアベント用フィルター26を下側ノズル5bから取り外すようにすることが好ましい。
次に、本実施形態の中空糸膜モジュール1を超純粋製造用の水処理装置100に設置した態様の一例について、図5を参照して説明し、さらに、本実施形態の中空糸膜モジュール1を用いたろ過方法について説明する。なお、この超純粋製造用の水処理装置100において、外圧ろ過でのクロスフローろ過方式を想定している。
図5に示されるように、水処理装置100は、例えば、超純水のファイナルフィルター用途であり、下側ノズル5bから中空糸膜3aの外側である貯留部5cに被処理水を供給し、中空糸膜3aの内部(中空部)側にろ過し、中空糸膜束3の両端の管路10a、11aからろ過水(超純水)を排出する。また、循環水(濃縮水)は上側ノズル5aを通じて排出される。
水処理装置100は、中空糸膜モジュール1の下側ノズル5bに接続されて被処理水を供給する供給配管101と、上側ノズル5aに接続されて循環水を送り出す循環配管102とを備えている。さらに、供給配管101や循環配管102の途中には、圧力計や各種弁101a,102aなどが配設されている。また、水処理装置100は、ろ過水の流路となる第1ろ過水集水管103と第2ろ過水集水管104とを備えている。第1ろ過水集水管103や第2ろ過水集水管104は、ろ過水の合流管105に接続されており、合流管105は、外部の配管(図示せず)に連絡している。なお、合流管105には、圧力計や各種弁105aなどが配設されている。
そして、上述した水処理装置100に対して中空糸膜モジュール1を設置する際には、まず、中空糸膜モジュール1を密閉している密栓部材10b、11b、22、23が取り外され、中空糸膜モジュール1内に封入した純水(保存液)が、水処理装置100の配管以外に廃棄される。そして、その後、中空膜モジュール1が水処理装置100の配管に取り付けられる。
通常、滅菌された中空糸膜モジュールを水処理装置に設置する際には、菌類のコンタミ等を防止するため、クローズな形で配管に取り付けるか、中空糸膜モジュール内の保存液を捨てずに取り付けて、供給水で置換しながら中空糸膜モジュール内の保存液を廃棄する。しかしながら、半導体装置などに用いる超純水用の水処理装置の場合、系内に中空糸膜モジュール内の保存液を流入させると、超純水の水の清浄度が下がり、系内を清浄な状態とするために時間がかかる。したがって、本実施形態においては、中空糸膜モジュール1内の保存液を積極的に系外に廃棄した後に水処理装置100に取り付けるようにしている。
空糸膜モジュール1は上側ノズル5a側が上になるように縦に配置され、上側ノズル5aが循環配管102に接続され、また、キャップ10の管路10aが第1ろ過水集水管103に接続される。また、下側ノズル5bは供給配管101に接続され、キャップ11の管路11aが第2ろ過水集水管104に接続される。
被処理水は、供給配管101から下側ノズル5bを通じて所定の圧力で中空糸膜モジュール1の貯留部5cに導入される。ケース5内では、導入された被処理水の大部分が中空糸膜3aでろ過されて中空部に至り、ろ過水として上方または下方に移動する。上方または下方に移動したろ過水は、中空糸膜3aの端部の開口からキャップ10またはキャップ11内に抜け、各管路10a,11a、第1ろ過水集水管103または第2ろ過水集水管104を通って合流管105に排出され、外部配管を通じて採取される。一方で、中空糸膜3aを透過せずにケース5内の貯留部5cを上昇した被処理水は、循環水として上側ノズル5aから排出され、循環配管102に送り出される。
以下、本実施形態を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本実施形態は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
以下の実施例および比較例においては、中空糸膜モジュールを使用した。その特性および各種水質分析方法を以下に示す。
[中空糸膜について]
材質:ポリスルホン
分画分子量:6000Da(限外ろ過膜)
内径/外径:0.6mm/1.0mm
[中空糸膜モジュール作製に用いたケース]
材質:ポリスルホン
形状:円筒状
サイズ:ろ過領域における円筒部内径/外径:154mm/170mm
ノズル部における円筒部内径/外径:162mm/183mm
ノズルの内径:58mm
筒状ケースの長さ/ノズルの中心間距離:1050mm/872mm
[殺菌効果の確認方法]
中空糸膜モジュールに封入された水をサンプリングし、ミリポア社製HPCトータルカウント サンプラー(型式:MHPC10025)を用いて生菌の有無を判断した。また
、中空糸膜モジュールとして使用した際にろ過水中の微粒子としてカウントされる菌の状態をパーティクルメジャリングシステムズ社製UltraDI−50を用いて確認した。
[保存液の含有物分析]
保存液(純水)中の各種成分濃度の分析は、以下の機器を用いて行った。
微粒子:パーティクルメジャリングシステムズ社製 UltraDI−50
TOC:島津製作所製 TOC5000A
金属イオンの濃度:アジレントテクノロジー社製 7500cs
塩化物イオンの濃度:メトローム社製 881CompactIC
[実施例1]
限外ろ過膜を用いてろ過した純水を中空糸膜モジュールに封入し、その中空糸膜モジュールをオーブンに入れ、90℃で、16時間の加熱処理を実施し、殺菌された純水がモジュール内に封入されている状態とした。なお、この加熱処理時には圧力緩衝機構としてポリエチレン(PE)製の袋を、また、体積膨張吸収機構としてポリプロピレン(PP)製のカップを原水側のノズルに取り付けた。加熱処理終了後には、所定の密栓部材でノズルを封止し、20℃〜25℃に温度調整された保管室で3か月間保管した。
3ヶ月保管後に、保存液のとして封入された純水をサンプリングし、保存液中の生菌数をカウントした。また合わせて保存液中のTOC、金属イオンおよび塩化物イオンのそれぞれの濃度を測定した。その結果を表1に示す。
この中空糸膜モジュールを用いて、超純水の製造を実施したところ、稼働開始から直ちに超純水として使用可能な水質のろ過水が得られた。
[実施例2、3]
加熱温度と加熱時間を表1に記載の条件に変えた以外は、実施例1と同様にして、加熱処理および保管後の生菌数カウント、保存液中のTOC、金属イオン、および塩化物イオンのそれぞれの濃度を測定した。その結果を表1に示す。実施例3においては、3ヶ月保管後に生菌が3カウントされたが、本実施例のそれぞれの中空糸膜モジュールを用いて、超純水の製造を実施したところ、稼働開始から直ちに超純水として使用可能な水質のろ過水が得られた。
[実施例4、5、6]
実施例1と同様にして、加熱処理および保管後の生菌数カウント、保存液中のTOC、金属イオン、および塩化物イオンのそれぞれの濃度を測定した。その結果を表1に示す。本実施例のそれぞれの中空糸膜モジュールを用いて、超純水の製造を実施したところ、稼働開始から直ちに超純水として使用可能な水質のろ過水が得られた。
[実施例7]
圧力緩衝機構を設けることなく原水側のノズルを開放し、体積吸収機構を設けない状態で加熱処理を実施した以外は実施例1と同様にして加熱処理および保管後の生菌数カウント、純水中のTOC、金属イオン、および塩化物イオンのそれぞれの濃度を測定した。その結果を表1に示す。加熱処理中にノズルから多量の水があふれ出てしまった為、常温まで冷ました際には、モジュール内に空気溜まり部が発生してしまった。また、3ヶ月保管後には生菌が29カウントされた為、本実施例の中空糸膜モジュールを用いた、超純水の製造試験は実施しなかった。
[実施例8]
体積膨張吸収機構としてのポリプロピレン製カップを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、加熱処理および保管後の生菌数カウント、純水中のTOC、金属イオン、および塩化物イオンのそれぞれの濃度を測定した。その結果を表1に示す。加熱処理中に圧力緩衝機構としてのポリエチレン製の袋内への水漏れが確認された。本実施例の中空糸膜モジュールを用いて、超純水の製造を実施したところ、稼働開始から直ちに超純水として使用可能な水質のろ過水が得られた。
[実施例9]
限外ろ過膜を用いてろ過した純水を中空糸膜モジュールに封入し、その中空糸膜モジュールをオーブンに入れ、90℃で、16時間の加熱処理を実施し、殺菌された純水がモジュール内に封入されている状態とした。なお、実施例9では、図4に示す構成を採用し、加熱処理を行い際には、体積膨張吸収機構として、ポリプロピレン(PP)製ボトルを、チューブを介した状態で原水側のノズルに取り付け、そのポリプロピレン製ボトルの上部に圧力緩衝機構として孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のエアベント用フィルター(PTFEフィルタ)を取り付けた。加熱処理終了後には、あらかじめノズルに取付けたポリエチレン製の袋内に入れておいた所定の密栓部材でノズルを封止し、20℃〜25℃に温度調整された保管室で3か月間保管した。
3ヶ月保管後に、保存液のとして封入された純水をサンプリングし、保存液中の生菌数をカウントした。また合わせて保存液中のTOC、金属イオンおよび塩化物イオンのそれぞれの濃度を測定した。
実施例9の中空糸膜モジュールを用いて、超純水の製造を実施したところ、稼働開始から直ちに超純水として使用可能な水質のろ過水が得られた。
[比較例1]
実施例1と同時期に、保存液として限外ろ過膜を用いてろ過された純水を中空糸膜モジュールに封入して密閉した。このモジュールを20℃〜25℃に温度調整された保管室で3か月間保管した。3ヶ月保管後に、保存液のとして封入された純水をサンプリングし、保存液中の生菌数をカウントした。また合わせて保存液中のTOC、金属イオン、および塩化物イオンのそれぞれの濃度を測定した。その結果を表1に示す。本比較例においては、保存液である純水中から多数(100以上でカウントが困難)の生菌が確認された。
この中空糸膜モジュールを用いて、超純水の製造を実施したところ、ろ過水中に生菌由来の多数の微粒子が観測され、その低減に実施例1に比べると14倍の時間を要した。

1 中空糸膜モジュール
3 中空糸膜束
3a 中空糸膜
5 ケース
5a 上側ノズル
5b 下側ノズル
5c 貯留部
10,11 キャップ
10a,11a 管路
10b 密栓部材
12 Oリング
13 ナット
14 接着部
20 体積膨張吸収機構
21 圧力緩衝機構
22 密栓部材
23 密栓部材
24 ポリプロピレン(PP)製ボトル
25 チューブ
26 エアベント用フィルター
27 ポリエチレン製の袋
100 過装置
101 供給配管
101a,102a 各種弁
102 循環配管
103 第1ろ過水集水管
104 第2ろ過水集水管
105 合流管
105a 各種弁

Claims (15)

  1. 液体のろ過に使用されるろ過膜と、該ろ過膜が収容されるケースとを備えたろ過膜モジュールにおいて、
    前記ケース内に、前記ろ過膜のろ過性能を保持するための保存液として、殺菌された純水が充填されていることを特徴とするろ過膜モジュール。
  2. 前記保存液中の有機物含有量が、TOC(Total Organic Carbon)として5ppm以上50ppm未満である請求項1記載のろ過膜モジュール。
  3. 前記保存液に含まれる金属イオンの濃度が、10ppb以上100ppb未満である請求項1または2記載のろ過膜モジュール。
  4. 前記保存液に含まれる塩化物イオンの濃度が、25ppb以上250ppb未満である請求項1から3のいずれか1項記載のろ過膜モジュール。
  5. 液体のろ過に使用されるろ過膜と、該ろ過膜が収容されるケースとを備えたろ過膜モジュールであって、前記ケース内に、前記ろ過膜のろ過性能を保持するための保存液として、殺菌された純水が充填されているろ過膜モジュールの製造方法であって、
    前記ろ過膜が収容されたケース内に、ろ過によって除菌された純水を封入し、該純水が封入されたケースを80℃以上100℃未満で加熱処理することによって、前記ろ過膜モジュール内の純水を滅菌して前記保存液とすることを特徴とするろ過膜モジュールの製造方法。
  6. 前記純水が封入されたケースを加熱処理する工程において、
    前記封入した純水の熱膨張による圧力上昇を軽減するため、前記ろ過膜モジュールの原水側に圧力緩衝機構を設けることを特徴とする請求項5記載のろ過膜モジュールの製造方法。
  7. 前記純水が封入されたケースを加熱処理する工程において、
    前記封入した純水の熱による体積膨張を吸収するため、前記ろ過膜モジュールの原水側に体積膨張吸収機構を設けることを特徴とする請求項5または6記載のろ過膜モジュールの製造方法。
  8. 前記ろ過によって除菌された純水が、限外ろ過膜または逆浸透膜でろ過された水であって、前記純水に含まれる50nm以上の微粒子が10個/L以上200個/L以下である請求項5から7のいずれか1項記載のろ過膜モジュールの製造方法。
  9. 前記純水中の有機物含有量が、TOC(Total Organic Carbon)として5ppm以上50ppm未満である請求項5から8のいずれか1項記載のろ過膜モジュールの製造方法。
  10. 前記純水に含まれる金属イオンの濃度が、10ppb以上100ppb未満である請求項5から9のいずれか1項記載のろ過膜モジュールの製造方法。
  11. 前記純水に含まれる塩化物イオンの濃度が、25ppb以上250ppb未満である請求項5から10のいずれか1項記載のろ過膜モジュールの製造方法。
  12. 前記純水が封入されたケースを加熱処理する工程において、
    前記封入した純水の熱膨張による圧力上昇を軽減するため、前記ろ過膜モジュールの原

    水側に圧力緩衝機構を設けるとともに、前記封入した純水の熱による体積膨張を吸収するため、前記ろ過膜モジュールの原水側に体積膨張吸収機構を設け、前記ろ過膜モジュールのろ過側は密閉状態とする請求項5記載のろ過膜モジュールの製造方法。
  13. 前記ろ過膜モジュールが、前記ケース内に前記ろ過膜として中空糸膜を収容した中空糸膜モジュールであって、前記中空糸膜の中空部と連通するろ過側ポートと、中空糸膜の外側と連通する原水側ポートとを有し、
    前記純水が封入されたケースを加熱処理する工程において、
    前記原水側ポートに、前記体積膨張吸収機構を設けるとともに、前記圧力緩衝機構を該圧力緩衝機構内に密栓部材を含有した状態で設け、かつ前記ろ過側ポートを密閉状態とし、
    前記加熱処理の工程後に、前記圧力緩衝機構内で、前記体積膨張吸収機構を前記密栓部材に付け替え、その後、前記圧力緩衝機構と前記体積膨張吸収機構を取り外すことを特徴とする請求項12記載のろ過膜モジュールの製造方法。
  14. 前記ろ過膜モジュールが、前記ケース内に前記ろ過膜として中空糸膜を収容した中空糸膜モジュールであって、前記中空糸膜の中空部と連通するろ過側ポートと、中空糸膜の外側と連通する原水側ポートとを有し、
    前記純水が封入されたケースを加熱処理する工程において、
    前記原水側ポートに、前記体積膨張吸収機構を設けるとともに、該体積膨張吸収機構に対して、気体を透過可能であってかつ菌体を透過させない前記圧力緩衝機構を設け、さらに前記原水側ポートに外気が流入するのを防止する気体流入防止部材を該気体流入部材内に密栓部材を含有した状態で設け、かつ前記ろ過側ポートを密閉状態とし、
    前記加熱処理の工程後に、前記気体流入防止部材内で、前記体積膨張吸収機構を前記密栓部材に付け替え、その後、前記圧力緩衝機構が設けられた前記体積膨張吸収機構および前記気体流入防止部材を取り外すことを特徴とする請求項12記載のろ過膜モジュールの製造方法。
  15. 請求項13または14に記載の製造方法を用いて製造されたろ過膜モジュールを、水処理装置の配管に取り付ける方法において、
    前記ろ過膜モジュールの前記ろ過側ポートおよび前記原水側ポートを密閉している密栓部材を取り外し、
    前記ろ過膜モジュール内に封入した純水を、前記水処理装置の配管以外に廃棄した後、前記水処理装置の配管の取り付けることを特徴とするろ過膜モジュールの設置方法。
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