JP2019025456A - 注射用水の製造方法及び製造装置 - Google Patents

注射用水の製造方法及び製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019025456A
JP2019025456A JP2017150170A JP2017150170A JP2019025456A JP 2019025456 A JP2019025456 A JP 2019025456A JP 2017150170 A JP2017150170 A JP 2017150170A JP 2017150170 A JP2017150170 A JP 2017150170A JP 2019025456 A JP2019025456 A JP 2019025456A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
injection
membrane filtration
polymer membrane
filtration device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017150170A
Other languages
English (en)
Inventor
野村 有宏
Arihiro Nomura
有宏 野村
徹 天谷
Toru Amaya
徹 天谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nomura Micro Science Co Ltd
Original Assignee
Nomura Micro Science Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nomura Micro Science Co Ltd filed Critical Nomura Micro Science Co Ltd
Priority to JP2017150170A priority Critical patent/JP2019025456A/ja
Publication of JP2019025456A publication Critical patent/JP2019025456A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】注射用水の水質の低下を迅速に検知して、簡易かつ確実に注射用水の水質を保障する注射用水の製造装置及び製造方法を提供する。【解決手段】原水を逆浸透膜処理とイオン交換処理の組み合わせによって処理して得られる処理対象水をろ過する高分子膜ろ過装置10と、高分子膜ろ過装置10の透過水中の微粒子数を測定する微粒子測定装置11とを具備する注射用水製造装置1及び透過水中の微粒子数の増加によって、透過水の水質低下を判断する注射用水の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、注射用水の製造方法及び製造装置に関する。
製薬用水には、その精製の度合いに応じて、精製水、注射用水等の品質がある。これらはそれぞれ、各国の薬局方によって、所定の水質が要求され、また、日常的あるいは定期的な水質管理が要求されている。例えば、日常的な管理項目としては、精製水では、生菌数試験及び特定微生物試験の2つの項目による、微生物限度試験適合性と、導電率、純度試験適合性(全有機炭素濃度(TOC))がある。注射用水では、無菌試験適合性(特定の培養試験で、コロニーの生成が見られないこと。)、エンドトキシン、純度試験適合性、導電率などがある。
製薬用水の定期的な管理においては、例えば、製造された製薬用水の一部がサンプリングされて培地に接種され、所定の条件下で培養された生菌などの微生物のコロニー形成数が検査される(培養法)。これにより、製造された製薬用水について、微生物に対する処置基準値を超えていないかが検査される。
ところが、例えば、従来の培養法による生菌の管理方法では、検査結果が出るまでに数日を要するために、突発的な水質劣化のトラブルに対応することが難しかった。そのため、微生物迅速法として生菌特有の蛍光反応を利用した迅速検出法も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この方法では、検出機器が高価であることや、検出基準が統一されておらず、安定的な水質管理が難しいなどの問題点がある。
ところで、注射用水は、従来、蒸留法で製造されていた。蒸留法では、前処理され、イオン交換処理などを施された水が、最終段階で蒸留されて製薬用水が製造される。この蒸留の工程において水中の生菌類が死滅、除去されるため、蒸留法で製造される製薬用水に関しては、生菌やエンドトキシンに対する要求水質が高い確実性をもって実現される。
近年、注射用水の製造において、高分子膜を用いた超ろ過法が採用されるようになってきた。超ろ過法では、エネルギー消費量を著しく低減できるという利点がある。そのため、超ろ過法によって、蒸留法で製造されるのと同等の要求水質を安定的に得る方法が検討されてきた(例えば、特許文献2、3参照。)。水質管理の方法については、精製水の場合には生菌の数が管理項目となっているが、注射用水では生菌が存在しないことが条件となっているので、注射用水の水質管理に対して、上記の生菌の蛍光反応を利用した迅速検出法を適用することはできない。
さらに、超ろ過法によって、要求水質を安定的に得られるのかという疑問が依然として存在しており、超ろ過法によって製造した注射用水が要求水質を満たしているか否かを連続的にモニターすることを求められている。特に、注射用水では、エンドトキシンが管理項目となっているが、エンドトキシンを連続的にモニターできる装置は実用化されていない。
特開2015−224941号公報 特開平7−60291号公報 特表2001−522719号公報
本発明は、注射用水の水質の低下を迅速に検知して、簡易かつ確実に、安定的に要求水質を実現することのできる注射用水の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
本発明の注射用水の製造装置は、原水を逆浸透膜処理とイオン交換処理の組み合わせによって処理して得られる処理対象水をろ過する高分子膜ろ過装置と、前記高分子膜ろ過装置の透過水中の微粒子数を測定する微粒子測定装置とを具備することを特徴とする。
本発明の注射用水の製造装置は、前記高分子膜ろ過装置の透過水の導電率を測定する導電率測定装置を具備することが好ましい。
本発明の注射用水の製造装置は、前記高分子膜ろ過装置の膜間差圧を測定する膜間差圧測定装置を具備することが好ましい。
本発明の注射用水の製造装置において、前記高分子膜ろ過装置は限外ろ過膜装置であることが好ましい。
本発明の注射用水の製造装置において、前記高分子膜ろ過装置の分画分子量は、6000以下であることが好ましい。
本発明の注射用水の製造装置は、前記微粒子測定装置から流出される前記透過水を、前記高分子膜ろ過装置の上流側に供給する循環配管を具備することが好ましい。
本発明の注射用水の製造装置において、前記処理対象水の温度は60℃以上90℃以下であることが好ましい。
本発明の注射用水の製造方法は、原水を逆浸透膜処理とイオン交換処理の組み合わせによって処理して得られる処理対象水を高分子膜ろ過装置でろ過して注射用水を製造する方法であって、前記高分子膜ろ過装置の透過水中の微粒子数を測定する工程を具備し、前記透過水中の微粒子数の増加によって、前記透過水の水質低下を判断することを特徴とする。
本明細書において「〜」の符号は、その左側の数値以上、右側の数値以下の範囲を表す。
本発明の注射用水の製造装置及び製造方法によれば、注射用水の水質の低下を迅速に検知して、簡易かつ確実に安定的に、要求水質を実現することができる。
実施形態の注射用水の製造装置を概略的に表す図である。
図1は、本発明の実施形態に係る注射用水の製造装置を概略的に表す図である。図1に示す注射用水製造装置1は、処理対象水中の、生菌やエンドトキシンなどの発熱物質を除去して、注射用水を製造する。注射用水製造装置1は、高分子膜ろ過装置10と、微粒子測定装置11とを有する。
高分子膜ろ過装置10は、処理対象水中の、生菌やエンドトキシンなどの発熱物質を除去する。高分子膜ろ過装置10は、例えば、ポリスルホン製あるいはポリエーテルスルホン製の膜である。このような材質の膜であれば、耐薬品性や耐熱性に優れるため、装置の殺菌ないし滅菌が行われる注射用水製造装置1において、劣化が少ないという利点がある。
微粒子測定装置11は、高分子膜ろ過装置10の透過水中の微粒子、例えば0.05μm以上、好ましくは0.2μm以上の微粒子数を測定する。これにより、高分子膜ろ過装置10の透過水水質に対する要求を安定的に実現するのであるが、その理由は次のとおりである。
高分子膜ろ過装置10は、異物の除去性能が極めて優れている。そのため、高分子膜ろ過装置10によれば、膜の破損や故障、劣化等がない限り、極めて安定的に高度に微粒子の除去された透過水を得ることができる。ここで、注射用水製造装置1では、装置の殺菌ないし滅菌のため、熱水や殺菌剤の通水が行われることがある。そのため、殺菌ないし滅菌を行わない通常の純水製造装置に比べて、膜の破損や故障、劣化等が、生じ易い環境にある。膜が破損したり、劣化した場合、膜からの発塵や膜の阻止率の低下により、透過水質が低下する。このような水質の低下した透過水は、注射用水として用いることはできない。膜の破損や故障などは、突発的に生じることが多い。そのために、高分子膜ろ過装置10によって注射用水を製造する場合には、高分子膜ろ過装置10の透過水水質の監視が必要となる。
高分子膜ろ過装置10の透過水水質の監視を行う場合、透過水を断続的にサンプリングして水質測定を行う方法と、連続的にサンプリングして水質測定を行う方法がある。また、透過水の水質を管理する方法としては、透過水中の微粒子数を測定する方法、導電率を測定する方法、TOCを測定する方法、高分子膜ろ過装置10の膜間差圧を測定する方法等などがある。
本実施形態においては、高分子膜ろ過装置10が破損や故障、劣化などを生じずに完全性を維持していて、高分子膜ろ過装置10の透過水質が、定常的に、必要とされる良好な水質であることを示すため、透過水中の微粒子数を測定する微粒子測定装置11を設置することとした。微粒子測定装置11によれば、微小な微粒子数の変化を測定することができるので、高分子膜ろ過装置10の透過水質のわずかな低下まで検知することができる。何らかの原因で、高分子膜ろ過装置10における阻止率が低下した場合、微粒子測定装置11で測定される微粒子数が増加する。微粒子数の測定値が上昇した場合、高分子膜ろ過装置10に破損や故障、劣化などの何らかのトラブルが発生したものと推測され、微粒子数の上昇とともに、エンドトキシンの濃度も上昇しているものと推測される。そのため、微粒子数の測定値の上昇をもって、注射用水の製造停止の基準とすることができる。
一方、微粒子測定装置11による微粒子数の測定値が安定していて、経時変化がなければ、高分子膜ろ過装置10の破損等がなく、パーティクル(微粒子)やエンドトキシン等の水質基準は満たされていると判断することができる。
高分子膜ろ過装置10は、発熱物質を高度に除去する点で、限外ろ過膜装置が好ましく、分画分子量が6000以下の限外ろ過膜装置が好ましい。通常、生菌やエンドトキシンは数万から数十万分子量に相当すると考えられる。したがって、分画分子量が6000以下の限外ろ過膜装置を用いることで、発熱物質を高度に除去することができる。分画分子量は、分子量の異なる数種類の分子を用いて、阻止率を測定することによって測定することができる。例えば、評価対象の膜について、分子量の異なる数種類の分子の阻止率を所定の温度で測定して、測定結果を分子量に対してプロットする。この分画曲線から、阻止率が90%の分子量をその膜の分画分子量とするのが通常である。このようにして測定される分画分子量の測定結果は、温度依存性がほとんどないため、本発明においては、より簡便に、水温25℃で、3種類の分子量の分子の阻止率を測定し、測定結果を分子量に対してプロットした分画曲線において、阻止率が85〜95%、好ましくは88〜92%の分子量をその膜の分画分子量の範囲とすることができる。
高分子膜ろ過装置10の膜構造は、中空子膜、スパイラル膜、チューブラー膜、平膜などである。高分子膜ろ過装置10の膜構造が中空子膜である場合、膜の破損や故障、劣化が極めて微小領域で生じるため、通常の方法では膜のトラブルが検出されにくく、本発明の多大な効果が得られる。
微粒子測定装置11としては、光散乱法や光遮蔽法によるパーティクルカウンターを使用することができる。この光散乱法方式のパーティクルカウンターでは、サンプル水に所定の波長のレーザー光を当て、サンプル水中の微粒子によって散乱された光を受光・分析する。そのため、サンプル水中の微粒子数を連続的に測定することができる。光遮蔽法によるパーティクルカウンターでは、光源と受光素子が対面しており、粒子が通過する際に、光が遮蔽され、光が弱くなるのを分析する。光散乱法によるパーティクルカウンターの市販品としては、パーティクルメジャリングシステムズ社製のUDI20、UDI50など、光遮蔽法によるパーティクルカウンターの市販品としては、パーティクルメジャリングシステムズ社製のLiquilaz S02などを使用することができる。
微粒子測定装置11に供給する高分子膜ろ過装置10の透過水の温度は、微粒子測定装置11の仕様に応じて調整することができる。例えば、冷却器等で常温まで冷却して、微粒子測定装置11に供給してもよく、高温のまま微粒子測定装置11に供給してもよい。
エンドトキシンは、少なくともその一部は微粒子として測定できないので、微粒子測定装置の値から、エンドトキシンの量を直接求めることはできない。しかし、微粒子数の測定値とエンドトキシンの間には概ね正の相関関係があるので、微粒子数の測定値が上昇していないことで、エンドトキシンの濃度が上昇していないことを間接的に確認することができる。
さらに、あらかじめ、微粒子の値とエンドトキシンの相関関係を求めておけば、微粒子数の測定値から、そのときのエンドトキシンの濃度を推算することができる。この方法を用いれば、エンドトキシンの基準値をもとに、微粒子数の基準値が決められ、後述のように、この値をもとに、注射用水製造装置1を停止するか否かを判断することも可能である。
次に、注射用水製造装置1が任意に有するその他の構成及び注射用水製造装置1を用いた注射用水製造方法について説明する。注射用水製造装置1は、処理対象水を貯留するタンク13と、タンク13に貯留される処理対象水を製造する精製部14と、タンク13内の処理対象水を下流側に送るポンプ15を備えている。また、注射用水製造装置1は、さらに、水温を調節する熱交換器16a〜16cを備えている。
注射用水製造装置1において、ポンプ15、熱交換器16a、高分子膜ろ過装置10は、処理対象水を通流させる配管21の経路に設置されている。高分子膜ろ過装置10の透過水は、透過水配管22によってタンク17に供給され、貯留された後、循環配管25内を循環する。循環配管25には、バルブ19を介装した供給管27が接続されており、注射用水は、供給管27から注射用水使用場所(ユースポイント:POU)26に供給される。
高分子膜ろ過装置10の濃縮水の出口は、循環配管23によって、タンク13に接続されている。透過水配管22には、高分子膜ろ過装置10の透過水をサンプリングするサンプリング管24が分岐して接続されており、このサンプリング管24の経路に微粒子測定装置11が設置されている。サンプリング管24の透過水配管22に接続された側と反対側の端は、タンク13に接続されている。また、透過水配管22には、高分子膜ろ過装置10内で水を循環させる透過水循環配管28が分岐して接続されている。透過水循環配管28の、透過水配管22に接続された側と反対側の端は、タンク13に接続されている。透過水配管22及び透過水循環配管28にはそれぞれ、下流側への水の通流とその上流側への返送を切り替えるバルブ18とバルブ29が設けられている。
注射用水製造装置1において、精製部14に供給される原水は例えば、市水、井水、工業用水などである。
精製部14は、例えば、逆浸透膜装置とイオン交換装置の組み合わせを有する。具体的には、精製部14は、逆浸透膜装置と混床式イオン交換樹脂装置を有するか、逆浸透膜装置と電気式脱イオン装置を有することが好ましい。この逆浸透膜装置は多段で構成されていてもよい。
精製部14は、逆浸透膜装置と混床式イオン交換樹脂装置を有する場合、混床式イオン交換装置としては、非再生型であることが好ましい。この非再生型混床式イオン交換樹脂装置は、2台以上が直列に配置されていてもよい。
精製部14はその他、プレフィルターや活性炭装置などを備えていてもよい。精製部14の構成は、用いる原水の水質によって適宜設計される。
精製部14によって処理された処理対象水の水質は、例えば、導電率が2.1μS/cm以下(25℃)、全有機炭素濃度は0.5mg/L以下、0.2μm以上の微粒子は、2psc./L以下である。
処理対象水は、ポンプ15によって加圧されて、熱交換器16aを経て高分子膜ろ過装置10に供給される。このときのポンプ15の加圧力は、例えば、処理対象水の流量が0.1m/h〜3m/hの場合に、0.1MPa〜0.5MPaである。これにより、高分子膜ろ過装置10において不純物(発熱物質や微粒子など)を十分に除去することができる。
熱交換器16aは、熱媒体などを用いて処理対象水を加熱する。熱交換器16b、16cも同様である。処理対象水中の細菌の増殖などを防ぎ、清浄な状態を保つ点で、熱交換器16aは処理対象水を60℃〜90℃に加熱することが好ましい。
このようにして、高分子膜ろ過装置10によって、処理対象水が処理されて、透過水を得ることができる。透過水は、貯留タンク17に貯留されて、その後、循環配管25を循環する過程で、その使用に応じて、バルブ19の開閉により、ユースポイント26に送られて注射用水として使用されるか、貯留タンク17を介さずに、そのままユースポイント26に送られて使用される。
透過水を貯留タンク17に貯留する場合、貯留タンク17内の透過水の温度は細菌の増殖などを防ぎ清浄な状態を保つ点で、60℃〜90℃に維持されることが好ましい。この場合、透過水配管22に、必要に応じて熱交換器16bを設けて、透過水を上記好ましい温度に加熱することができる。また、同様の観点から、通常、循環配管25の経路に、熱交換器16cが配置されて、循環配管25内の注射用水の温度は、60℃〜90℃に維持される。
注射用水製造装置1によって製造される注射用水の水質は、例えば、導電率が1μS/cm以下(25℃)、全有機炭素濃度は0.3mg/L以下、0.2μm以上の微粒子は、2psc./mL以下、エンドトキシン濃度は、0.25EU/L未満である。
高分子膜ろ過装置10の透過水は循環配管28によって、タンク13に還流することができる。高分子膜ろ過装置10の透過水は、貯留タンク17内の貯留量に応じてバルブ18とバルブ29の開閉を操作して、下流側(貯留タンク17側)への送水と上流側(タンク13側)への返送を調整することができる。これにより、高分子ろ過膜装置10を止めることなく、注射用水製造装置1を連続的に運転して注射用水を製造することができる。
また、高分子膜ろ過装置10の濃縮水の一部また全部は循環配管23によって、タンク13に還流される。これにより、水回収率を向上させることができ、注射用水の製造効率が向上される。
循環配管23及び循環配管28を、熱交換器16aを介してタンク13に接続して、熱交換器によって濃縮水を上記好ましい温度に加熱することで、熱効率を向上させることができる。なお、図1では、循環配管23と循環配管28の両者が熱交換器16aを介する態様を示したが、循環配管23と循環配管28は必要に応じて、熱交換器16aを介すればよく、いずれか一方のみが熱交換器16aを介してもよく、両者がいずれも熱交換器16aを介しなくてもよい。
微粒子測定装置11は、注射用水の製造過程において、高分子膜ろ過装置10の透過水からサンプリング管24を介して採取されたサンプル水中の好ましくは0.2μm以上の微粒子数を測定する。微粒子測定装置で微粒子数を測定された後のサンプル水はサンプリング管24を介して、タンク13に還流される。
注射用水製造装置1は、一般的には処理流量が150L/h〜800L/h程度の小流量の製造装置であり、微粒子測定装置11の流量が製造する注射用水量の5〜10%程度となる場合がある。このような場合にも、微粒子測定装置11から排出される透過水を排水してしまうことによる、水回収率の悪化を防ぐことができる。
高分子膜ろ過装置10の透過水は、冷却器等で常温まで冷却して微粒子測定装置11に供給されてもよいが、高温のまま微粒子測定装置11に供給されて、微粒子数を測定されると、熱効率の面でより好ましい。
また、サンプリング管24を、熱交換器16aを介してタンク13に接続して、熱交換器によってサンプル水を上記好ましい温度に加熱することで、熱効率を向上させることができる。なお、図1では、サンプリング管24が熱交換器16aを介する態様を示したが、サンプリング管24が熱交換器16aを介せずにタンク13に接続されてもよい。
高分子膜ろ過装置10の膜に破損や故障、劣化がない場合、微粒子測定装置11によって測定される微粒子数は、注射用水製造装置1への通水初期から所定の値(例えば、2psc.m/L)以下でほぼ一定の値を保つ。ところが、高分子膜ろ過装置10の膜に何らかの不具合が生じた場合には、この微粒子数が、2〜10倍程度上昇する。そのため、微粒子測定装置11により測定される微粒子数をモニタリングすることで、高分子膜ろ過装置10の破損や故障、劣化を検知することができる。これにより、製造される注射用水の要求水質を簡易かつ確実に実現することができる。
なお、万が一、微粒子測定装置11により測定される微粒子数が上昇した場合には、高分子膜ろ過装置10の膜に破損、故障、あるいは劣化が生じたものと判断して、バルブ18を閉じて、透過水の下流側への供給を停止する。これにより、発熱物質などの混入の可能性のある注射用水がタンク17及びユースポイント26へ供給されるのを防ぐことができる。
上記透過水の下流側への供給停止は、制御装置を設けて、この制御装置により行ってもよい。この場合、透過水の下流側への供給停止を判断するための微粒子濃度の基準値をあらかじめ決定しておき、微粒子測定装置11が、その測定した微粒子数を制御装置に入力して、この微粒子数があらかじめ決定した微粒子数の基準値を超えたときに、制御装置がバルブ18を閉じるようにすることができる。
さらに高度に注射用水の水質を保障するために、透過水配管22を通流する透過水の導電率を測定する導電率測定装置を設置してもよい。例えば、微粒子測定装置11により測定される微粒子数の上昇が、透過水水質の低下によるものか、微粒子測定装置11の測定誤差や不具合によるものかが判断しにくい場合もあり得る。このような場合には、導電率測定装置によって、透過水水質を監視することが好ましい。
高分子膜ろ過装置10の膜に破損や故障、劣化がなく、透過水中に不純物の混入がない場合、導電率は、注射用水製造装置1への通水初期から所定の値(例えば、0.5μS/cm)以下でほぼ一定の値を保つ。ところが、高分子膜ろ過装置10の膜に何らかの不具合が生じたりして、透過水中に不純物が混入した場合には、この導電率が、2〜10倍程度上昇する。そのため、導電率測定装置により測定される導電率をモニタリングすることで、より確実に、高分子膜ろ過装置10の破損や故障、劣化などによる透過水への不純物の混入を検知することができる。
さらに、高分子膜ろ過装置10の膜間差圧を測定する膜間差圧測定装置を設けて、高分子膜ろ過装置10の透過水の水質を監視してもよい。高分子膜ろ過装置10の膜に破損や故障、劣化が生じた場合、その膜間差圧が低下する。そのため、膜間差圧測定装置により測定される膜間差圧をモニタリングすることで、高分子膜ろ過装置10の破損や故障、劣化などによる透過水への不純物の混入を検知することができる。上記微粒子測定装置11及び導電率測定装置に加えて、膜間差圧測定装置を設けることで、透過水水質の低下をより確実に検知することができ、簡易な方法で、注射用水の水質に対する高い安全性を実現することができる。
なお、上記では、微粒子測定装置11と導電率測定装置を使用する方法、微粒子測定装置11、導電率測定装及び膜間差圧測定装置を使用する方法について説明したが、微粒子測定装置11に加えて使用されるのは、導電率測定装置又は膜間差圧測定装置のいずれかであってもよい。
上記した実施形態の注射用水製造装置1は、微粒子測定装置11を用いて、連続的に、極めて微細な微粒子を検出するため、製薬用水の中でも、特に、発熱物質などがほぼ完全に除去されることを要求される注射用水の製造に適している。もちろん、注射用水製造装置1は、精製水や製薬用水など、注射用水以外の製薬用水の製造に用いることもできる。また、微粒子測定装置11に、導電率測定装置及び膜間差圧測定装置を併用することで、水質の低下をより確実に検知することができる。そのため、注射用水の製造において、簡易かつ確実に、注射用水の水質を保障することができる。
特に、注射用水製造装置の場合、微粒子測定装置11によって、末端のエンドトキシンの値がどの程度となっているかを推測が可能なので、微粒子数の測定値をモニターすることで、エンドトキシンフリーの注射用水を安定して製造することができる。
1…注射用水製造装置、10…高分子膜ろ過装置、11…微粒子測定装置、13…タンク、14…精製部、15…ポンプ、16a,16b,16c…熱交換器、17…タンク、18,19,29…バルブ、21…配管、22…透過水配管、23,25,28…循環配管、24…サンプリング管、26…ユースポイント、27…供給管。

Claims (8)

  1. 原水を逆浸透膜処理とイオン交換処理の組み合わせによって処理して得られる処理対象水をろ過する高分子膜ろ過装置と、
    前記高分子膜ろ過装置の透過水中の微粒子数を測定する微粒子測定装置と
    を具備することを特徴とする注射用水の製造装置。
  2. 前記高分子膜ろ過装置の透過水の導電率を測定する導電率測定装置を具備することを特徴とする請求項1に記載の注射用水の製造装置。
  3. 前記高分子膜ろ過装置の膜間差圧を測定する膜間差圧測定装置を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の注射用水の製造装置。
  4. 前記高分子膜ろ過装置は限外ろ過膜装置であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の注射用水の製造装置。
  5. 前記高分子膜ろ過装置の分画分子量は、6000以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の注射用水の製造装置。
  6. 前記微粒子測定装置から排出される透過水を、前記高分子膜ろ過装置の上流側に供給する循環配管を具備することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の注射用水の製造装置。
  7. 前記処理対象水の温度は60℃以上90℃以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の注射用水の製造装置。
  8. 原水を逆浸透膜処理とイオン交換処理の組み合わせによって処理して得られる処理対象水を高分子膜ろ過装置でろ過して注射用水を製造する方法であって、
    前記高分子膜ろ過装置の透過水中の微粒子数を測定する工程を具備し、前記透過水中の微粒子数の増加によって、前記透過水の水質低下を判断することを特徴とする注射用水の製造方法。
JP2017150170A 2017-08-02 2017-08-02 注射用水の製造方法及び製造装置 Pending JP2019025456A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017150170A JP2019025456A (ja) 2017-08-02 2017-08-02 注射用水の製造方法及び製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017150170A JP2019025456A (ja) 2017-08-02 2017-08-02 注射用水の製造方法及び製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019025456A true JP2019025456A (ja) 2019-02-21

Family

ID=65477218

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017150170A Pending JP2019025456A (ja) 2017-08-02 2017-08-02 注射用水の製造方法及び製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019025456A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020138154A (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 野村マイクロ・サイエンス株式会社 注射用水の製造装置及び製造方法
WO2022004167A1 (ja) 2020-06-30 2022-01-06 野村マイクロ・サイエンス株式会社 エンドトキシン検出方法及びエンドトキシン検出装置、精製水製造設備及び注射用水製造設備、並びに精製水製造方法及び注射用水製造方法
WO2022186388A1 (ja) 2021-03-05 2022-09-09 野村マイクロ・サイエンス株式会社 被験物質の検出方法、検出試薬組成物、検出装置、精製水製造設備、注射用水製造設備、精製水製造方法及び注射用水製造方法
WO2023074128A1 (ja) * 2021-10-28 2023-05-04 野村マイクロ・サイエンス株式会社 エンドトキシン検出方法及びエンドトキシン検出装置、精製水製造設備及び注射用水製造設備、並びに精製水製造方法及び注射用水製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59198336A (ja) * 1983-04-27 1984-11-10 Daicel Chem Ind Ltd 半透膜濾過装置の漏洩検出方法および装置
JPH06182164A (ja) * 1992-12-16 1994-07-05 Kurita Water Ind Ltd 膜分離装置
JPH0760291A (ja) * 1993-08-30 1995-03-07 Nippon Millipore Kk パイロジエンフリーの超純水の製造方法
WO2014010628A1 (ja) * 2012-07-10 2014-01-16 東レ株式会社 造水方法および造水装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59198336A (ja) * 1983-04-27 1984-11-10 Daicel Chem Ind Ltd 半透膜濾過装置の漏洩検出方法および装置
JPH06182164A (ja) * 1992-12-16 1994-07-05 Kurita Water Ind Ltd 膜分離装置
JPH0760291A (ja) * 1993-08-30 1995-03-07 Nippon Millipore Kk パイロジエンフリーの超純水の製造方法
WO2014010628A1 (ja) * 2012-07-10 2014-01-16 東レ株式会社 造水方法および造水装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020138154A (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 野村マイクロ・サイエンス株式会社 注射用水の製造装置及び製造方法
JP7213717B2 (ja) 2019-02-28 2023-01-27 野村マイクロ・サイエンス株式会社 注射用水の製造装置及び製造方法
WO2022004167A1 (ja) 2020-06-30 2022-01-06 野村マイクロ・サイエンス株式会社 エンドトキシン検出方法及びエンドトキシン検出装置、精製水製造設備及び注射用水製造設備、並びに精製水製造方法及び注射用水製造方法
JP7460077B2 (ja) 2020-06-30 2024-04-02 野村マイクロ・サイエンス株式会社 エンドトキシン検出方法及びエンドトキシン検出装置、精製水製造設備及び注射用水製造設備、並びに精製水製造方法及び注射用水製造方法
WO2022186388A1 (ja) 2021-03-05 2022-09-09 野村マイクロ・サイエンス株式会社 被験物質の検出方法、検出試薬組成物、検出装置、精製水製造設備、注射用水製造設備、精製水製造方法及び注射用水製造方法
WO2023074128A1 (ja) * 2021-10-28 2023-05-04 野村マイクロ・サイエンス株式会社 エンドトキシン検出方法及びエンドトキシン検出装置、精製水製造設備及び注射用水製造設備、並びに精製水製造方法及び注射用水製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019025456A (ja) 注射用水の製造方法及び製造装置
US7501061B2 (en) Production of water for injection using reverse osmosis
KR102092441B1 (ko) 초순수 제조 장치
Kennedy et al. Colloidal organic matter fouling of UF membranes: role of NOM composition & size
US20160159672A1 (en) Ultrapure water production system, ultrapure water production feed system, and method for cleaning thereof
US8045849B2 (en) Water treatment system and process
Kitis et al. Microbial removal and integrity monitoring of RO and NF membranes
US20150001151A1 (en) Water treatment system, and water treating method in water treatment system
WO2014156694A1 (ja) 微粒子測定方法及び微粒子測定システム並びに超純水製造システム
BR112014015007B1 (pt) esterilizador a vapor e processo de esterilização
Gonzalez-Gil et al. Clinical autopsy of a reverse osmosis membrane module
Masakane et al. 2011 JSDT standard on the management of endotoxin retentive filter for dialysis and related therapies
Ferrer et al. Challenge tests with virus surrogates: an accurate membrane integrity evaluation system?
JP2020171892A (ja) 中空糸膜損傷検出装置及び超純水製造装置並びに中空糸膜損傷検出方法
JP2011020047A (ja) 膜欠陥検出方法、膜欠陥検出装置、膜モジュール
JP4475568B2 (ja) 電気式脱塩水製造装置内の菌発生抑制方法
Hong et al. Assessing pathogen removal efficiency of microfiltration by monitoring membrane integrity
JP2018089614A (ja) ろ過膜モジュールおよびその製造方法並びにろ過膜モジュールの設置方法
JP2000005575A (ja) 膜寿命監視システムおよび膜寿命監視方法
JP2020138154A (ja) 注射用水の製造装置及び製造方法
JP5734038B2 (ja) 膜ろ過システム及びろ過膜損傷検知方法
Ohkouchi et al. Determination of log removal values of bacteria by spiral-wound reverse osmosis modules and a hollow fiber ultrafiltration module using Escherichia coli and indigenous heterotrophic bacteria as indicators
US8337702B2 (en) Method for treating wastewater containing heavy metals
JP2007263942A (ja) 膜欠陥検出方法および膜欠陥検出装置、並びに、濾過装置
Gryta et al. Studies of polypropylene membrane fouling during microfiltration of broth with bacteria

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180905

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190730

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191119

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200602