JP2018086208A - 下顎奥歯用印象トレー - Google Patents

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Abstract

【課題】印象を採得する際に患者への苦痛を少なくし、下顎奥歯の印象を適切に採得する。
【解決手段】湾曲した印象材保持部41が中央部11と、内側壁部21と、外側壁部31とを具備し、外側壁部の長手方向の長さが内側壁部の長手方向の長さより短く、中央部の一方の端縁部の辺12と外側壁部の一方の端縁部の辺32との境界点である外側境界点16が、中央部の一方の端縁部の辺12と内側壁部の一方の端縁部の辺22との境界点である内側境界点15よりも、中央部の中央に近い位置にあるので、外側境界点付近や外側壁部の端縁部の辺が口腔内の下顎隆起101や下顎枝頬筋稜103の表皮に当たることなく、患者に苦痛を与えず、正確に精度よく印象を採得できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、特に下顎奥歯の印象採得を行う場合に用いることができる印象トレーに関するものである。
従来の下顎奥歯の印象採得を行う場合に用いることができる印象トレーとしては、特許文献1に記載のものを挙げることができる。この印象トレーは、プラスチック製でありながら印象材の浮き上がりを起こり難くするために、内壁の端縁部と外壁の端縁部とにリムを形成したものである。また、印象材の剥離を起こり難くするために、底部から内壁まで延びる長穴と底部から外壁まで延びる長穴を適宜な間隔で形成している。
上記印象トレーの凹部に印象材を収容して、印象採得作業を行うことになる。このとき、上顎と下顎を連絡する顎間筋肉へ、印象トレーの底部の先端辺を当接させて印象採得を行うと、上記印象トレーにおける底部の先端部と内壁の先端部の結合部分や上記印象トレーにおける底部の先端部と外壁の先端部の結合部分が、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に当接する。この当接が患者に苦痛を与える(特に強く当接すると激しい苦痛を与える)という課題の存在と問題点については、上記引用文献1に全く開示されていない。
上記に対し、特許文献2には、印象保持部が内周壁部と外周壁部に加えて奥歯側の端部を印象材のストッパーとして機能する奥壁部により囲繞された全顎型の上顎歯牙既成トレーが開示されている。このトレーにあっては、壁部の係合縁が顎堤粘膜に合致したときに印象材保持部の内壁面上顎歯牙及び顎堤粘膜との間に3mm前後の間隙を形成させる。
上記の構成のトレーによれば、トレーの印象材保持部が周囲の壁によって囲繞された構成であるので、印象材が印象材保持部の外に漏れて喉へ流れるなどの不具合を防止できる。また、印象採得時には、トレーの印象材保持部における奥壁部を奥歯に被せて、奥壁部を中心にトレーを手前に引くようにして回転させて印象採得作業を行うので、上顎歯牙既成トレーを水平にして口腔内の挿入でき、患者負担が一層軽減されると開示されている。しかしながら、トレーの印象材保持部における奥壁部を、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に、当接させると(特に、強く当接させると)、患者に苦痛を与えるという課題の存在と問題点については、上記引用文献2にも全く開示されていない。
更に、特許文献3には、本体の縁に丸い形をした丸縁を設けた印象トレーが開示されている。この印象トレーは、本体の辺縁全体あるいは辺縁の一部に丸縁を設けることにより、歯型の印象を採得する際に、しばしば患者を痛がらせていた従来の欠点を完全に解消することができると開示されている。しかしながら、印象トレー本体の辺縁を、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に、当接させると(特に、強く当接させると)、患者に苦痛を与えるという課題の存在と問題点については、上記引用文献3にも全く開示されていない。
特開2013−208258号公報 特開2003−275225号公報 特開2001−204744号公報
上記特許文献1のトレーでは、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に強く当接させると患者に苦痛を与えるという課題の存在と問題点については、全く開示されていないので、前述の通り、患者に苦痛を与える場合があり問題である。
特許文献2のトレーでは、トレーの印象材保持部における奥壁部を奥歯に被せて、奥壁部を中心にトレーを手前に引くようにして回転させて印象採得作業が行われる。このため、上顎歯牙既成トレーを水平にして口腔内の挿入でき、患者負担が一層軽減される患者への苦痛を改善する点において一定の評価を得られる。しかしながら、この特許文献2のトレーは、全顎型の上顎歯牙既成トレーであり、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に、当接させると(特に、強く当接させると)、患者に苦痛を与えるという下顎奥歯特有の課題を認識していない。従って、特許文献2のトレーでは係る課題を解決することは出来ず、顎歯牙の特に奥歯用トレーとしては適用できない。
また、特許文献3のトレーは、単に、本体の縁に丸い形をした丸縁を設けただけのものであり、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に、当接させると(特に、強く当接させると)、患者に苦痛を与えるという下顎奥歯特有の課題を認識していない。従って、特許文献3のトレーでは係るこの課題を解決は出来ず、顎歯牙の特に奥歯用トレーとしては適用できない。下顎奥歯の印象採得に特有の患者への苦痛を改善するものではない。
本発明者は、このような印象を採得するときに、患者に与える苦痛の原因を取り除き、精度よく正確な印象採得を行う方法と、それに適した印象トレーについて鋭意研究した。
すなわち、人の左下顎に生えている左側歯列群は、前歯側から奥へ向かって緩やかに左方向へ湾曲しており、また、右側歯列群は、前歯側から奥へ向かって緩やかに右方向へ湾曲している。従って、印象トレーで奥歯側歯列(最奥の3本程度)をカバーするには、下奥歯用印象トレーの印象材保持部は、右或いは左に緩やかなカーブを描いていることが求められる。
ところが、従来の奥歯用印象トレーは、印象材を保持させる中央部の両サイドに側壁部が連続して設けられている。歯茎の内側に位置付けられる内側側壁部と歯茎の外側に位置付けられる外側側壁部とを比較すると、面積が内側側壁部より外側側壁部が大きくされている。しかも、奥歯に印象トレーをセットした場合に、外側側壁部の前方辺が内側側壁部の前方辺より奥側に位置する。
即ち、人の下顎及び歯列は図12〜図13に示す通りである。図12は、下顎部全体の斜視図を示し、図13は、左下顎部の平面図を示す。人の奥歯3本を上から見たときには、図13に示すように下顎骨100の中央から内側に偏った位置に奥歯3本が並んでいる。この奥歯部分において歯茎部分の骨では、図12や図13に示すように、最奥歯の僅かに奥の位置で外側に突出した下顎隆起101が生じていることが多い。
従って、奥歯3本に前述の如く構成された従来の印象トレーをセットすると、外側側壁部の前方辺が下顎隆起101に触れて患者が苦痛を訴えることになる。
しかも、下顎の最奥歯から僅かに奥の位置102から上顎に向かって顎間筋肉が存在している。この顎間筋肉は、図14のレントゲン写真にPL、PRとして現れている。このため、印象用トレーのレバーを把持して、印象材を載置した印象材保持部を左右の下奥歯の方向に挿入させ、最奥歯から僅かに奥の位置で印象材保持部の先端部を、顎間筋肉に強く当接させると患者は苦痛を訴える。
患者が苦痛を訴えたときには、歯科医は、印象用トレーを更に歯の方向へ押圧したり奥側へ挿入したりすることを躊躇し、その位置で挿入を停止して、その位置での印象採得を行う。このようにして印象採得してしまうと、奥歯を印象材が完全に覆っていない状態や押圧が不足している状態が多く、精度の良い正確な印象採得が困難である。
つまり、印象採得の対象である下顎奥歯の歯列群と、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉との間には、上述の通り、下顎奥歯の局部的な印象採得時の特有の問題が存在している。しかし、従来の印象トレーは、係る腔内構造特有な問題があることを全く考慮せずに製作されていることが判明した。
従って、現状において印象採得を精度よく正確に行うためには、印象トレー顎間筋肉に強く当接させざるを得ないと考えて印象採得を行う必要がある。これに対し、出来るだけ患者に苦痛を与えないように印象採得を行うことを目指すと、印象材が載置された印象トレーを患者が苦痛を訴えない範囲に挿入し奥歯の上に押し下げて、固定保持し、印象採得作業を行わざるを得ない。しかし、このような印象採得作業によっては精度の良い正確な印象採得は不可能である。現在の印象採得にあっては、係る二律背反的な矛盾した課題が存在している。
本発明は、上記のような印象トレーの現状と抱えている欠点に鑑みてなされたもので、その目的は、印象を採得する際に患者への苦痛を少なくし、かつ、下顎奥歯の印象を精度よく正確に採得することが可能な印象トレーを提供することである。
本発明に係る印象トレーは、使用状態において下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に当接する前方辺が形成された中央部と、前記中央部の前記前方辺に繋がる前方辺を有し、前記中央部の一方の側方に位置する内側壁部と、前記中央部の前記前方辺に繋がる前方辺を有し、前記中央部を挟んで前記内側壁部と対向する側の前記中央部の側方に位置する外側壁部と、を具備し、前記中央部の前記前方辺と前記外側壁部の前記前方辺の境界である外側境界が、前記中央部の前記前方辺と前記内側壁部の前記前方辺の境界である内側境界より後方に存在しており、前記外側壁部の前記前方辺は、前記外側境界から前記外側壁部の前記前方辺の端部へ向かって後方へ延びており、前記中央部、前記内側壁部、前記外側壁部は、それぞれ多数の孔を有することを特徴とする。
本発明に係る印象トレーでは、前記内側壁部は、平面形状が略長方形であることを特徴とする。
本発明に係る印象トレーでは、前記外側壁部は、平面形状が略台形であることを特徴とする。
本発明に係る印象トレーでは、前記中央部の前記前方辺、前記内側壁部の前記前方辺及び前記外側壁部の前記前方辺は、それぞれ前方に向かって凸形状であり、緩やかに湾曲して形成されていることを特徴とする。
本発明に係る印象トレーでは、前記中央部と前記内側壁部と前記外側壁部の、それぞれの前記前方辺と反対側の端縁部には、前記それぞれの前記前方辺と同様に辺が形成されており、前記中央部と前記内側壁部と前記外側壁部の向きを逆方向に回転させ、前記辺の部位を現在適用中の下顎の左右いずれかと反対側の下顎奥歯に対して適用したときに、前記辺が前記前方辺として機能することを特徴とする。
本発明に係る印象トレーでは、前記中央部の中央に引いた直線と前記内側壁部の前記前方辺の中央に引いた直線とのなす第1の鋭角角度が30度から60度の範囲であり、前記中央部の中央に引いた直線と前記中央部の前記前方辺の中央に引いた直線とのなす第2の鋭角角度が30度から60度の範囲であることを特徴とする。
本発明に係る印象トレーでは、前記前方辺による第1の鋭角角度をθ11とし、前記辺を前記前方辺として機能させたときの第1の鋭角角度をθ12とし、前記前方辺による第2の鋭角角度をθ21とし、前記辺を前記前方辺として機能させたときの第2の鋭角角度をθ22としたとき、θ11とθ12とが同一または異なる角度であり、θ21とθ22とが同一または異なる角度であることを特徴とする。
本発明によれば、前記中央部の前記前方辺と前記外側壁部の前記前方辺の境界である外側境界が、前記中央部の前記前方辺と前記内側壁部の前記前方辺の境界である内側境界より後方に存在しており、前記外側壁部の前記前方辺は、前記外側境界から前記外側壁部の前記前方辺の端部へ向かって後方へ延びているので、前記外側壁部の前記前方辺の部分が下顎隆起101に触れることがなく、印象を採得する際に患者への苦痛を少なくし、かつ、下顎奥歯の印象を精度よく正確に採得することが可能であり、従来の印象トレーが抱えている二律背反的な矛盾した問題を克服出来る。
患者の左下顎に適用する本発明に係る印象トレーの第1の実施形態を示す斜視図。 患者の右下顎に適用する本発明に係る印象トレーの第1の実施形態を示す斜視図。 本発明に係る印象トレーの第1の実施形態の印象材を充填する状態としたときの斜視図。 本発明に係る印象トレーを適用する患者の右下顎部を示す斜視図。 本発明に係る印象トレーの第1の実施形態における構成を説明するための斜視図。 本発明に係る印象トレーの第1の実施形態における構成を説明するための斜視図。 本発明に係る印象トレーの第1の実施形態における構成を説明するための斜視図。 本発明に係る印象トレーの第2の実施形態の説明図であり、平面で180度回転させるタイプの構成を説明するための斜視図。 本発明に係る印象トレーの第2の実施形態の説明図であり、平面で180度回転させるタイプの構成を説明するための斜視図。 本発明に係る印象トレーの第3の実施形態の説明図であり、平面で180度回転させないタイプの構成を示す斜視図。 本発明に係る印象トレーの第3の実施形態の説明図であり、平面で180度回転させないタイプの構成を示す斜視図。 人の下顎骨と下顎の歯を示す斜視図。 人の左下顎骨の奥歯(3本)を示す平面図。 人の歯を正面から撮影した写真を示す斜視図。
以下添付図面を参照して、本発明の印象トレーの実施形態を説明する。各図において、同一の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1〜3に、第1の実施形態に係る印象トレー10の斜視図を示す。第1の実施形態の印象トレー10は、患者の左(右)の下顎奥歯用として用いる状態から平面において逆方向に(例えば、180度)回転させて、患者の右(左)の下顎奥歯用として用いることができる。印象トレー10は、下顎奥歯に対し印象材を介して被さるように位置付けられる中央部11を備える。
中央部11は、平面形状が概ね四辺形形状を有し、使用状態において顎間筋肉に、上記四辺形形状の前方辺12が当接するように形成されている。図4に患者の左側口腔内下顎部分の斜視図を示す。この斜視図において、上記顎間筋肉61は、下顎奥歯62の奥側に存在し、上顎と下顎を連絡する筋肉を指す。印象トレー10は例えば奥歯3個分の印象を採得するものとし、中央部11の長さは、奥歯の平面形状が3個にマージンを加えて4個の奥歯分程度の寸法とすることができる。また、幅は、1個の奥歯の幅にマージンを加えて2個の奥歯分程度の寸法とすることができる。
中央部11の2長辺の一方の長辺は内側壁部21に隣接する境界13となっている。つまり、中央部11には、境界13を介して直角方向より少し鈍角に角が生じないように緩やかに折り曲げられた内側壁部21が設けられている。内側壁部21は、平面形状が略長方形形状であり、中央部11の前方辺12に繋がる前方辺22を有し、中央部11の一方(境界13側)の側方に位置する。内側壁部21の高さは、歯茎から奥歯までの高さにマージンを加えた18mm〜20mm程度の寸法とすることができる。
中央部11の2長辺の他方の長辺は外側壁部31との境界14となっている。つまり、中央部11には、境界14を介して直角方向より少し鈍角に角が生じないように緩やかに折り曲げられた外側壁部31が設けられている。外側壁部31は、平面形状が中央部11側を底辺とする略台形形状であり、中央部11の前方辺12に繋がる前方辺32を有し、中央部11を挟んで内側壁部21と対向する側の中央部11の側方に位置する。外側壁部31の高さも上記内側壁部21の高さと同様に、歯茎から奥歯までの高さにマージンを加えた18mm〜20mm程度の寸法とすることができる。
中央部11の上記前方辺12と内側壁部21の上記前方辺22の境界点15から、内側壁部21の上記前方辺22はその端部22Eへ向かって後方へ延びている。また、中央部11の上記前方辺12と外側壁部31の上記前方辺32の境界点16から、外側壁部31の前方辺32はその端部32Eへ向かって後方へ延びている。
上記中央部11の前方辺12と上記外側壁部31の前方辺32の境界点16である外側境界点が、上記中央部11の前方辺12と上記内側壁部21の前方辺22の境界点15である内側境界点より後方に存在している。上記中央部11の前方辺12、上記内側壁部21の前方辺22及び上記外側壁部31の前方辺32は、それぞれ前方に向かって凸形状であり、緩やかに湾曲して形成されている。また、上記中央部11の前方辺12は、顎間筋肉に当接したときに痛みを与えないようにするため、図1、図2の形状と異なり手前方向に凹形状であっても良い。
また、上記中央部11と上記内側壁部21の境界13と上記中央部11と上記外側壁部31の境界14とが、奥歯の歯茎に沿って湾曲されている。印象トレー10の外周縁部は、織り返しされたり、丸められたり、或いは成型により、先端に丸縁19が形成されている。
本実施形態に係る印象トレー10では、上記中央部11の概ね中央位置に、施術時に把持するための把持部17が支承されている。把持部17は、上記中央部11の概ね中央位置に、例えばリベットなどによって回動可能に固着される。従って、把持部17は、以下の通りに平面において逆方向に(例えば、180度或いは360度)回転が可能である。
この実施形態の印象トレー10は、図1の状態では、患者の左の下顎奥歯用として用いることができる。この図1の状態から把持部17を例えば180度回転させて図2の状態とし、この状態で患者の右の下顎奥歯用として用いることができる。従って、図1と図2において、上記中央部11と上記内側壁部21と上記外側壁部31の、それぞれの前方辺12、22、32と反対側の端縁部には、上記それぞれの前方辺12、22、32と同様に辺12A、22A、32Aが形成されている。
上記中央部11と上記内側壁部21と上記外側壁部31の向きを例えば180度回転させ、上記辺12A、22A、32Aの部位を現在適用中の下顎の左右いずれかと反対側の下顎奥歯に対して適用したときに、前記辺12A、22A、32Aが上記前方辺12、22、32として機能する。つまり、図1の状態において前方辺12、22、32側を先にして患者の口腔に挿入し、左の下顎奥歯用として用いることができる。平面において、この状態の把持部17を例えば180度回転させ、辺12A、22A、32A側を先にして患者の口腔に挿入し、右の下顎奥歯用として用いることができる。
印象トレー10は、ステンレスなどの金属やプラスチックなどの樹脂によって構成することができる。印象トレー10においては、上記中央部11、上記内側壁部21、上記外側壁部31は、それぞれ多数の孔を有する。本実施形態においは、印象トレー10が金属製または樹脂製の網により構成され、網目が孔として機能する。上記中央部11と上記内側壁部21と上記外側壁部31とにより形成される凹部を印象保持部41(図3)として印象材を保持させて、印象採得作業を行ったときに、印象材が上記網目から外部へ突出して印象トレー10に固着された状態となる。この状態において、把持部17を歯科医師などが持ってトレー10を歯から引き離すように操作することで、印象採得後の印象材を型崩れなどすることなくトレー10と共に回収することが可能である。なお、孔は、特許文献1や特許文献2に示したような丸孔や長孔を組み合わせた孔であっても良い。
本実施形態に係る印象トレー10では、網目を省略した図5に示すように、中央部11の中央に引いた直線L1(実際には、境界13の中央の線)と上記内側壁部21の前方辺22の長手方向の中央に引いた直線L2とのなす第1の鋭角角度θ11が30度から60度の範囲とすることができる。また、網目を省略した図6に示すように、中央部11の中央に引いた直線L1と上記中央部11の前方辺12の中央に引いた直線L3とのなす第2の鋭角角度θ21が30度から60度の範囲とすることができる。また、網目を省略した図7に示すように、中央部11の中央に引いた直線L1(実際には、境界14の中央の線)と上記外側壁部31の前方辺32の中央に引いた直線L4とのなす角度θ31が30度から70度の範囲とすることができる。
以上の通りに構成された印象トレー10を用いて、中央部11と上記内側壁部21と上記外側壁部31とにより形成される凹部を印象保持部41(図3)として印象材を保持させる。更に、これをひっくり返して図1の状態とし、前方辺12、22、32側を先にして患者の口腔に挿入し、印象採得作業を行うことができる。このとき中央部11の前方辺12を顎間筋肉61に軽く当接させることになるが、境界点16が境界点15より後方に位置するため、外側壁部31の前方辺32が図4の歯茎63と頬肉64との連結部65や図13に示した下顎隆起101に当たることなく、患者に苦痛を与えることはない。
また、境界点15からは内側壁部21の前方辺22が延びており、内側壁部21は外側壁部31に比べて口内の奥に位置付けられる。しかし、図4の奥歯62と奥歯62の下部内側の歯茎より奥には、内側壁部21の前方辺22が当接する筋肉などが存在しないので、患者に苦痛を与えることはない。そして、中央部11の前方辺12を顎間筋肉61に当接したとき、前方辺12よりも内側の中央部11における直下位置に最奥歯62が存在するので、この位置に印象材を保持させることにより奥歯62の印象を確実に精度良く採得することができる。
網目を省略した図8〜図9に、第2の実施形態に係る印象トレー10Bの斜視図を示す。この実施形態では、上記中央部11と上記内側壁部21と上記外側壁部31の、それぞれの前方辺12、22、32と反対側の端縁部には、上記それぞれの前方辺12、22、32と傾きが異なる辺12B、22B、32Bが形成されている。
上記前方辺12と直線L1による第1の鋭角角度をθ21とし、上記辺12Bを上記前方辺12として機能させたときの第1の鋭角角度をθ22とし、上記前方辺22と直線L1(実際には、境界13の中央の線)による第2の鋭角角度をθ11とし、上記辺22Bを上記前方辺22として機能させたときの第2の鋭角角度をθ12としたとき、θ11とθ12とが同一または異なる角度であり、θ21とθ22とが同一または異なる角度である。
第1の実施形態では、θ11とθ12とが同一角度であり、θ21とθ22とが同一角度であった。これに対し、本実施形態では、θ11とθ12とが同一角度であり、及び又はθ21とθ22とが異なる角度であるか、θ11とθ12とが異なる角度であり、且つθ21とθ22とが同一角度である。また、図示しないが、上記前方辺32と直線L1(実際には、境界14の中央の線)による第3の鋭角角度をθ31とし、上記辺32Bを上記前方辺32として機能させたときの第3の鋭角角度をθ32としたとき、θ31とθ32とが同一または異なる角度であるように構成しても良い。
この第2の実施形態によれば、左右の奥歯付近の形状が異なる場合に対応して患者の苦痛を緩和することができる。つまり、左と右の奥歯62付近を比べた場合において、頬肉64への連結部分までの距離が異なったり、歯茎63の内側或いは外側に下顎隆起が生じていたりして、左右の奥歯62に対し同形状の先端部分を備える印象トレー10では適切に対応できない場合に好的である。
図10と図11に、第3の実施形態に係る印象トレー10CRと印象トレー10CLを示す。この実施形態は、第1の実施形態や第2の実施形態のように、平面において逆方向へ(例えば、180)回転を行っても用いることはできない。つまり、印象トレー10CRは右側奥歯用であり、印象トレー10CLは左側奥歯用である。この実施形態では、上記中央部11と上記内側壁部21と上記外側壁部31の、それぞれの前方辺12、22、32と反対側の端縁部には、境界13、14に概ね直交する辺12C、22C、32Cが形成されている。本実施形態は、第1の実施形態や第2の実施形態に比べて安価に作成できる利点がある。
10、10B、10CL、10CR 印象トレー
11 中央部
12 前方辺
12A、12B、12C 辺
13、14 境界
15、16 境界点
17 把持部
19 丸縁
21 内側壁部
22 前方辺
22B、32B 辺
22E 端部
31 外側壁部
32 前方辺
32E 端部
41 印象保持部
61 顎間筋肉
62 奥歯
63 歯茎
64 頬肉
65 連結部
この発明は、特に下顎奥歯の印象採得を行う場合に用いることができる下顎奥歯用印象トレーに関するものである。
従来の下顎奥歯の印象採得を行う場合に用いることができる印象トレーとしては、特許文献1に記載のものを挙げることができる。この印象トレーは、プラスチック製でありながら印象材の浮き上がりを起こり難くするために、内壁の端縁部と外壁の端縁部とにリムを形成したものである。また、印象材の剥離を起こり難くするために、底部から内壁まで延びる長穴と底部から外壁まで延びる長穴を適宜な間隔で形成している。
上記印象トレーの凹部に印象材を収容して、印象採得作業を行うことになる。このとき、上顎と下顎を連絡する顎間筋肉へ、印象トレーの底部の先端辺を当接させて印象採得を行うと、上記印象トレーにおける底部の先端部と内壁の先端部の結合部分や印象トレーにおける底部の先端部と外壁の先端部の結合部分が、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に当接する。この当接が患者に苦痛を与える(特に強く当接すると激しい苦痛を与える)という課題の存在と問題点については、上記引用文献1に全く開示されていない。
上記に対し、特許文献2には、印象材保持部が内周壁部と外周壁部に加えて奥歯側の端部を印象材のストッパーとして機能する奥壁部により囲繞された全顎型の上顎歯牙既成トレーが開示されている。このトレーにあっては、壁部の係合縁が顎堤粘膜に合致したときに印象材保持部の内壁面上顎歯牙及び顎堤粘膜との間に3mm前後の間隙を形成させる。
このトレーによれば、トレーの印象材保持部が周囲の壁によって囲繞された構成であるので、印象材が印象材保持部の外に漏れて喉へ流れるなどの不具合を防止できる。また、印象採得時には、トレーの印象材保持部における奥壁部を奥歯に被せて、奥壁部を中心にトレーを手前に引くようにして回転させて印象採得作業を行うので、上顎歯牙既成トレーを水平にして口腔内の挿入でき、患者負担が一層軽減されると開示されている。しかしながら、トレーの印象材保持部における奥壁部を、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に、当接させると(特に、強く当接させると)、患者に苦痛を与えるという課題の存在と問題点については、引用文献2にも全く開示されていない。
更に、特許文献3には、本体の縁に丸い形をした丸縁を設けた印象トレーが開示されている。この印象トレーは、本体の辺縁全体あるいは辺縁の一部に丸縁を設けることにより、歯型の印象を採得する際に、しばしば患者を痛がらせていた従来の欠点を完全に解消することができると開示されている。しかしながら、印象トレー本体の辺縁を、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に、当接させると(特に、強く当接させると)、患者に苦痛を与えるという課題の存在と問題点については、引用文献3にも全く開示されていない。
特開2013−208258号公報 特開2003−275225号公報 特開2001−204744号公報
上記特許文献1のトレーでは、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に強く当接させると患者に苦痛を与えるという課題の存在と問題点については、全く開示されていないので、前述の通り、患者に苦痛を与える場合があり問題である。
特許文献2のトレーでは、トレーの印象材保持部における奥壁部を奥歯に被せて、奥壁部を中心にトレーを手前に引くようにして回転させて印象採得作業が行われる。このため、上顎歯牙既成トレーを水平にして口腔内の挿入でき、患者負担が一層軽減される患者への苦痛を改善する点において一定の評価を得られる。しかしながら、この特許文献2のトレーは、全顎型の上顎歯牙既成トレーであり、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に、当接させると(特に、強く当接させると)、患者に苦痛を与えるという下顎奥歯特有の課題を認識していない。従って、特許文献2のトレーでは係る課題を解決することは出来ず、顎歯牙の特に奥歯用トレーとしては適用できない。
また、特許文献3のトレーは、単に、本体の縁に丸い形をした丸縁を設けただけのものであり、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に、当接させると(特に、強く当接させると)、患者に苦痛を与えるという下顎奥歯特有の課題を認識していない。従って、特許文献3のトレーでは係るこの課題を解決は出来ず、顎歯牙の特に奥歯用トレーとしては適用できない。下顎奥歯の印象採得に特有の患者への苦痛を改善するものではない。
本発明者は、このような印象を採得するときに、患者に与える苦痛の原因を取り除き、精度よく正確な印象採得を行う方法と、それに適した下顎奥歯用印象トレーについて鋭意研究した。
すなわち、人の左下顎に生えている左側歯列群は、前歯側から奥へ向かって緩やかに左方向へ湾曲しており、また、右側歯列群は、前歯側から奥へ向かって緩やかに右方向へ湾曲している。従って、印象トレーで奥歯側歯列(最奥の3本程度)をカバーするには、下奥歯用印象トレーの印象材保持部は、右或いは左に緩やかなカーブを描いていることが求められる。
ところが、従来の奥歯用印象トレーは、印象材を保持させる中央部の両サイドに側壁部が連続して設けられている。歯茎の内側に位置付けられる内側側壁部と歯茎の外側に位置付けられる外側側壁部とを比較すると、面積が内側側壁部より外側側壁部が大きくされている。しかも、奥歯に印象トレーをセットした場合に、外側側壁部の前方辺が内側側壁部の前方辺より奥側に位置する。
なお、人の下顎及び歯列は図8、図9に示す通りである。図8は、下顎部全体の斜視図を示し、下顎枝頬筋稜103が立ち上がっている。図9は、左下顎部の平面図を示す。人の奥歯3本を上から見たときには、図9に示すように下顎骨100の中央から内側に偏った位置に奥歯3本が並んでいる。この奥歯部分において歯茎部分の骨では、図8や図9に示すように、最奥歯の僅かに奥の位置で外側に突出した下顎隆起101が生じていることが多い。
このため、奥歯3本に前述の如く構成された従来の印象トレーをセットすると、外側側壁部の前方辺が下顎隆起101及び下顎枝頬筋稜103を覆っている口腔に触れて患者が苦痛を訴えることになる。
しかも、下顎の最奥歯から僅かに奥の位置102から上顎に向かって顎間筋肉が存在している。この顎間筋肉は、図10のレントゲン写真にPL、PRとして現れている。このため、印象用トレーのレバーを把持して、印象材を載置した印象材保持部を左右の下奥歯の方向に挿入させ、最奥歯から僅かに奥の位置で印象材保持部の先端部を、顎間筋肉に強く当接させると患者は苦痛を訴える。
患者が苦痛を訴えたときには、歯科医は、印象用トレーを更に歯の方向へ押圧したり奥側へ挿入したりすることを躊躇し、その位置で挿入を停止して、その位置での印象採得を行う。このようにして印象採得してしまうと、奥歯を印象材が完全に覆っていない状態や押圧が不足している状態が多く、精度の良い正確な印象採得が困難である。
つまり、印象採得の対象である下顎奥歯の歯列群と、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉との間には、上述の通り、下顎奥歯の局部的な印象採得時の特有の問題が存在している。しかし、従来の印象トレーは、係る腔内構造特有な問題があることを全く考慮せずに製作されていることが判明した。
従って、現状において印象採得を精度よく正確に行うためには、印象トレー顎間筋肉に強く当接させざるを得ないと考えて印象採得を行う必要がある。これに対し、出来るだけ患者に苦痛を与えないように印象採得を行うことを目指すと、印象材が載置された印象トレーを患者が苦痛を訴えない範囲に挿入し奥歯の上に押し下げて、固定保持し、印象採得作業を行わざるを得ない。しかし、このような印象採得作業によっては精度の良い正確な印象採得は不可能である。現在の印象採得にあっては、係る二律背反的な矛盾した課題が存在している。
本発明は、従来の印象トレーの現状と抱えている欠点に鑑みてなされたもので、その目的は、印象を採得する際に患者への苦痛を少なくし、かつ、下顎奥歯の印象を精度よく正確に採得することが可能な下顎奥歯用印象トレーを提供することである。
本発明に係る下顎奥歯用印象トレーは、使用状態において下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に当接する辺(12、12A)が長手方向の両方の端縁部に有り、把持部(17)を中央で回転可能に支承する中央部(11)と、前記中央部の幅方向の側方に連なって設けられ、前記中央部(11)の長手方向の両方の端縁部の前記辺(12,12A)に連なる辺(22、22A)をそれぞれ有する内側壁部(21)と、該内側壁部(21)と対向して前記中央部(11)の幅方向の側方に連なって設けられ、前記中央部(11)の長手方向の両方の端縁部の前記辺(12,12A)に連なる辺(32,32A)を有する外側壁部(31)とが、それぞれ多数の孔を有して、下顎奥歯の歯列に沿って緩やかに湾曲して印象材を保持する空間を形成する印象材保持部(41)を具備し、左右どちらか一方の下顎奥歯用の印象採得に用いられる下顎奥歯用印象トレーにおいて、
湾曲した印象材保持部(41)の前記外側壁部(31)の長手方向の長さが前記内側壁部(21)の長手方向の長さより短く、前記中央部(11)の両方の端縁部の前記辺(12,12A)と前記外側壁部(31)の両方の端縁部の辺(32,32A)との境界にある両方の外側境界点(16、16A)が、前記中央部(11)の両端縁部の辺(12,12A)と前記内側壁部(21)の両端縁部の前記辺(22,22A)の境界にある両方の内側境界点(15、15A)よりも、前記中央部(11)の長手方向中央に近い位置にあって、且つ、前記中央部(11)の幅方向の中央を通り内側境界点(15)と外側境界点(16)を結ぶ辺(12)の中点と内側境界点(15A)と外側境界点(16A)を結ぶ辺(12A)の中点とを結んだ直線(L1)に対して、前記外側境界点(16)の一方と前記内側境界点(15)の一方との間を結ぶ直線(L3)がなす鋭角角度(θ21)が、30度から60度の角度であることを特徴とする。
本発明に係る下顎奥歯用印象トレーは、中央部(11)の幅方向の中央を通る前記直線(L1)に対して、外側境界点(16)と反対側の外側壁部(31)の端縁部の角(32E)を結ぶ直線(L4)とがなす鋭角角度(θ31)が、30度から70度の角度をなすように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、下顎奥歯用印象トレーの湾曲した印象材保持部の外側壁部の長手方向の長さが内側壁部の長手方向の長さより短く、中央部の一方の端縁部の辺と外側壁部の一方の端縁部の辺との境界点である外側境界点が、中央部の一方の端縁部の辺と内側壁部の一方の端縁部の辺との境界点である内側境界点よりも、中央部の長手方向中央に近い位置にあって、且つ、中央部の幅方向の中央を通る直線に対して、外側境界点の一方と内側境界点の一方との間を結ぶ直線とがなす角度が、30度から60度の角度であるので、印象採得の使用状態において、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に、内側壁部の一方の端縁部や内側境界点付近を当接させた状態でも、外側境界点付近や外側壁部の一方の端縁部の辺の部分が、下顎隆起101や下顎枝頬筋稜103を覆っている口腔内の表皮に触れることがなく、印象を採得する際に患者への苦痛を少なくし、かつ、下顎奥歯の印象を精度よく正確に採得することが可能であり、従来の印象トレーが抱えている二律背反的な矛盾した問題を克服出来る。
患者の左下顎に適用する本発明に係る下顎奥歯用印象トレーの第1の実施形態を示す斜視図。 患者の右下顎に適用する本発明に係る下顎奥歯用印象トレーの第1の実施形態を示す斜視図。 本発明に係る下顎奥歯用印象トレーの第1の実施形態の印象材を充填する状態としたときの斜視図。 本発明に係る下顎奥歯用印象トレーを適用する患者の左下顎部を示す斜視図。 本発明に係る下顎奥歯用印象トレーの第1の実施形態における構成を説明するための斜視図。 本発明に係る下顎奥歯用印象トレーの第1の実施形態における構成を説明するための斜視図。 本発明に係下顎奥歯用印象トレーの第1の実施形態における構成を説明するための斜視図。 人の下顎骨と下顎の歯を示す斜視図。 人の左下顎骨の奥歯(3本)を示す平面図。 人の歯を正面から撮影した写真を示す斜視図。
以下、添付図面を参照して、本発明の下顎奥歯用印象トレーの実施形態を説明する。各図において、同一の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1〜3に、第1の実施形態に係る下顎奥歯用印象トレー10の斜視図を示す。第1の実施形態の下顎奥歯用印象トレー10は、患者の左(右)の下顎奥歯用として用いる状態から平面において逆方向に(例えば、180度)回転させて、患者の右(左)の下顎奥歯用として用いることができる。下顎奥歯用印象トレー10は、下顎奥歯に対し印象材を介して被さるように位置付けられる中央部11を備える。
なお、以下の説明では、下顎奥歯の印象を採得する作業のため、下顎奥歯用印象トレーを患者の口腔に挿入した状態において、図4に示す左下奥歯の喉側を前方と称し、喉側と反対側に位置するときを後方と称する
湾曲した印象材保持部41の中央部11は、平面形状が概ね四辺形形状を有し、使用状態において顎間筋肉に、上記四辺形形状の前方辺12が当接するように形成されている。図4に患者の左側口腔内下顎部分の斜視図を示す。この斜視図において、顎間筋肉61は、下顎奥歯62の奥側に存在し、上顎と下顎を連絡する筋肉を指す。下顎奥歯用印象トレー10は例えば奥歯3個分の印象を採得するものとし、中央部11の長さは、奥歯の平面形状が3個にマージンを加えて4個の奥歯分程度の寸法とすることができる。また、幅は、1個の奥歯の幅にマージンを加えて2個の奥歯分程度の寸法とすることができる。
中央部11の2長辺の一方の長辺は内側壁部21に隣接する境界13となっている。つまり、中央部11には、境界13を介して直角方向より少し鈍角に角が生じないように緩やかに折り曲げられた内側壁部21が設けられている。内側壁部21は、平面形状が略長方形形状であり、中央部11の前方辺12に繋がる前方辺22を有し、中央部11の一方(境界13側)の側方に位置する。内側壁部21の高さは、歯茎から奥歯までの高さにマージンを加えた18mm〜20mm程度の寸法とすることができる。
中央部11の2長辺の他方の長辺は外側壁部31との境界14となっている。つまり、中央部11には、境界14を介して直角方向より少し鈍角に角が生じないように緩やかに折り曲げられた外側壁部31が設けられている。外側壁部31は、平面形状が中央部11側を底辺とする略台形形状であり、中央部11の前方辺12に繋がる前方辺32を有し、中央部11を挟んで内側壁部21と対向する側の中央部11の側方に位置する。外側壁部31の高さも内側壁部21の高さと同様に、歯茎から奥歯までの高さにマージンを加えた18mm〜20mm程度の寸法とすることができる。
中央部11の上記前方辺12と内側壁部21の上記前方辺22の内側境界点15から、内側壁部21の上記前方辺22はその端部22Eへ向かって後方へ延びている。また、中央部11の上記前方辺12と外側壁部31の上記前方辺32の境界点16から、外側壁部31の前方辺32はその端部32Eへ向かって後方へ延びている。
上記中央部11の前方辺12と上記外側壁部31の前方辺32の境界点である外側境界点16が、上記中央部11の前方辺12と上記内側壁部21の前方辺22の境界点である内側境界点15より後方に存在している。また、外側壁部31の長手方向の長さが内側壁部21の長手方向の長さより短く、中央部11の両方の端縁部の辺12,12Aと外側壁部31の両方の端縁部の辺32,32Aとのそれぞれの境界にある両方の外側境界点16、16Aが、中央部11の両端縁部の辺12,12Aと内側壁部22の両端縁部の辺22,22Aの境界にある両方の内側境界点15、15Aよりも、中央部11の長手方向中央に近い位置にある。上記中央部11の前方辺12、上記内側壁部21の前方辺22及び上記外側壁部31の前方辺32は、それぞれ前方に向かって凸形状であり、緩やかに湾曲して形成されている。また、上記中央部11の前方辺12は、顎間筋肉61及び下顎枝頬筋稜103に当接したときに痛みを与えないようにするため、図1、図2の形状と異なり手前方向に凹形状であっても良い。
また、上記中央部11と上記内側壁部21の境界13と上記中央部11と上記外側壁部31の境界14とが、奥歯の歯茎に沿って湾曲されている。下顎奥歯用印象トレー10の外周縁部は、折り返しされたり、丸められたり、或いは成型により、先端に丸縁19が形成されている。
本実施形態に係る下顎奥歯用印象トレー10では、上記中央部11の概ね中央位置に、施術時に把持するための把持部17が支承されている。把持部17は、上記中央部11の概ね中央位置に、例えばリベットなどによって回動可能に固着される。従って、把持部17は、以下の通りに平面において逆方向に(例えば、180度或いは360度)回転が可能である。
この実施形態の下顎奥歯用印象トレー10は、図1の状態では、患者の左の下顎奥歯用として用いることができる。この図1の状態から把持部17を例えば180度回転させて図2の状態とし、この状態で患者の右の下顎奥歯用として用いることができる。従って、図1と図2において、湾曲した中央部11と上記内側壁部21と上記外側壁部31の、それぞれの前方辺12、22、32と反対側の端縁部には、上記それぞれの前方辺12、22、32と同様に辺12A、22A、32Aが形成されている。
湾曲した上記中央部11と上記内側壁部21と上記外側壁部31の向きを例えば180度回転させ、上記辺12A、22A、32Aの部位を現在適用中の下顎の左右いずれかと反対側の下顎奥歯に対して適用したときに、前記12A、22A、32Aが上記前方辺12、22、32として機能する。つまり、図1の状態において前方辺12、22、32側を先にして患者の口腔に挿入し、左の下顎奥歯用として用いることができる。平面において、この状態の把持部17を例えば180度回転させ、辺12A、22A、32A側を先にして患者の口腔に挿入し、右の下顎奥歯用として用いることができる。
下顎奥歯用印象トレー10は、ステンレスなどの金属やプラスチックなどの樹脂によって構成することができる。この下顎奥歯用印象トレー10においては、湾曲した上記中央部11、上記内側壁部21、上記外側壁部31は、それぞれ多数の孔を有する。本実施形態においは、下顎奥歯用印象トレー10が金属製または樹脂製の網により構成され、網目が孔として機能する。湾曲した上記中央部11と上記内側壁部21と上記外側壁部31とにより形成される凹部を印象材保持部41(図3)として印象材を保持させて、印象採得作業を行ったときに、印象材が上記網目から外部へ突出して下顎奥歯用印象トレー10に固着された状態となる。この状態において、把持部17を歯科医師などが持って下顎奥歯用印象トレー10を歯から引き離すように操作することで、印象採得後の印象材を型崩れなどすることなく下顎奥歯用印象トレー10と共に回収することが可能である。なお、孔は、特許文献1や特許文献2に示したような丸孔や長孔を組み合わせた孔であっても良い。
本実施形態に係る下顎奥歯用印象トレー10では、網目を省略した図5に示すように、中央部11の中央に引いた内側境界点15と外側境界点16を結ぶ辺12の中点と内側境界点15Aと外側境界点16A結ぶ辺12Aの中点とを結んだ直線L1と上記内側壁部21の前方辺22の長手方向の中央に引いた直線L2とのなす第1の鋭角角度θ11が30度から60度の範囲とすることができる。また、網目を省略した図6に示すように、中央部11の中央に引いた前記直線L1と中央部11の前方辺12の内側境界点15と外側境界点16との間を結ぶ直線L3とのなす第2の鋭角角度θ21が30度から60度の範囲とすることができる。また、網目を省略した図7に示すように、中央部11の中央に引いた前記線L1と上記外側壁部31の前方辺32の前記外側境界点16と反対側の外側壁部の端縁部の角32Eを結ぶ直線L4とのなす角度θ31が30度から70度の範囲とすることができる。
以上の通りに構成された下顎奥歯用印象トレー10を用いて、湾曲した中央部11と上記内側壁部21と上記外側壁部31とにより形成される凹部を印象材保持部41(図3)として印象材を保持させる。更に、これをひっくり返して図1の状態とし、前方辺12、22、32側を先にして患者の口腔に挿入し、印象採得作業を行うことができる。このとき、中央部11の前方辺12を顎間筋肉61に軽く当接させることになるが、前方辺12、前方辺32間の外側境界点16は、内側境界点15より後方に位置する。すなわち、湾曲した外側壁部31の長手方向の長さが、湾曲した内側壁部21の長手方向の長さより短く、中央部11の両方の端縁部の辺12,12Aと外側壁部31の両方の端縁部の辺32,32Aとの境界にある両方の外側境界点16、16Aが、中央部11の両端縁部の辺12,12Aと内側壁部22の両端縁部の辺22,22Aの境界にある両方の内側境界点15、15Aよりも、中央部11の長手方向中央に近い位置にあるため、外側壁部31の前方辺32が図4の歯茎63と頬肉64との連結部65や図9に示した口腔内の下顎隆起101や、図8に示した下顎枝頬筋稜103周辺の口腔内の表皮に当たることなく、患者に苦痛を与えることはない。
また、内側境界点15からは内側壁部21の前方辺22が延びており、内側壁部21は外側壁部31に比べて口内の奥に位置付けられる。しかし、図4の奥歯62と奥歯62の下部内側の歯茎より奥には、内側壁部21の前方辺22が当接する筋肉などが存在しないので、患者に苦痛を与えることはない。そして、中央部11の前方辺12を顎間筋肉61に当接したとき、前方辺12よりも内側の中央部11における直下位置に最奥歯62が存在するので、この位置に印象材を保持させることにより奥歯62の印象を確実に精度良く採得することができる。
10 下顎奥歯用印象トレー
11 中央部
12、12A、22,22A,32,32A 前方辺(辺)
13、14 境界
15 内側境界点
16 外側境界点
17 把持部
19 丸縁
21 内側壁部
22E、32E 端縁部の角
31 外側壁部
41 印象材保持部
61 顎間筋肉
62 奥歯
63 歯茎
64 頬肉
65 連結部
101 下顎隆起
102 顎間筋肉
103 下顎枝頬筋稜

この発明は、特に奥歯3個分にマージンを加えた4個分程度の長さで内側に若干湾曲して長手方向に延びた、下顎奥歯の印象採得を行う場合に用いることができる下顎奥歯用印象トレーに関するものである。
従来の下顎奥歯の印象採得を行う場合に用いることができる印象トレーとしては、特許文献1に記載のものを挙げることができる。この印象トレーは、プラスチック製でありながら印象材の浮き上がりを起こり難くするために、内壁の端縁部と外壁の端縁部とにリムを形成したものである。また、印象材の剥離を起こり難くするために、底部から内壁まで延びる長穴と底部から外壁まで延びる長穴を適宜な間隔で形成している。
上記印象トレーの凹部に印象材を収容して、印象採得作業を行うことになる。このとき、上顎と下顎を連絡する顎間筋肉へ、印象トレーの底部の先端辺を当接させて印象採得を行うと、上記印象トレーにおける底部の先端部と内壁の先端部の結合部分や 印象トレーにおける底部の先端部と外壁の先端部の結合部分が、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に当接する。この当接が患者に苦痛を与える(特に強く当接すると激しい苦痛を与える)という課題の存在と問題点については、上記引用文献1に全く開示されていない。
上記に対し、特許文献2には、印象材保持部が内周壁部と外周壁部に加えて奥歯側の端部を印象材のストッパーとして機能する奥壁部により囲繞された全顎型の上顎歯牙既成トレーが開示されている。このトレーにあっては、壁部の係合縁が顎堤粘膜に合致したときに印象材保持部の内壁面上顎歯牙及び顎堤粘膜との間に3mm前後の間隙を形成させる。
このトレーによれば、トレーの印象材保持部が周囲の壁によって囲繞された構成であるので、印象材が印象材保持部の外に漏れて喉へ流れるなどの不具合を防止できる。また、印象採得時には、トレーの印象材保持部における奥壁部を奥歯に被せて、奥壁部を中心にトレーを手前に引くようにして回転させて印象採得作業を行うので、上顎歯牙既成トレーを水平にして口腔内の挿入でき、患者負担が一層軽減されると開示されている。しかしながら、トレーの印象材保持部における奥壁部を、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に、当接させると(特に、強く当接させると)、患者に苦痛を与えるという課題の存在と問題点については、上記引用文献2にも全く開示されていない。
更に、特許文献3には、本体の縁に丸い形をした丸縁を設けた印象トレーが開示されている。この印象トレーは、本体の辺縁全体あるいは辺縁の一部に丸縁を設けることにより、歯型の印象を採得する際に、しばしば患者を痛がらせていた従来の欠点を完全に解消することができると開示されている。しかしながら、印象トレー本体の辺縁を、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に、当接させると(特に、強く当接させると)、患者に苦痛を与えるという課題の存在と問題点については、上記引用文献3にも全く開示されていない。
特開2013−208258号公報 特開2003−275225号公報 特開2001−204744号公報
上記特許文献1のトレーでは、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に強く当接させると患者に苦痛を与えるという課題の存在と問題点については、全く開示されていないので、前述の通り、患者に苦痛を与える場合があり問題である。
特許文献2のトレーでは、トレーの印象材保持部における奥壁部を奥歯に被せて、奥壁部を中心にトレーを手前に引くようにして回転させて印象採得作業が行われる。このため、上顎歯牙既成トレーを水平にして口腔内の挿入でき、患者負担が一層軽減される患者への苦痛を改善する点において一定の評価を得られる。しかしながら、この特許文献2のトレーは、全顎型の上顎歯牙既成トレーであり、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に、当接させると(特に、強く当接させると)、患者に苦痛を与えるという下顎奥歯特有の課題を認識していない。従って、特許文献2のトレーでは係る課題を解決することは出来ず、顎歯牙の特に奥歯用トレーとしては適用できない。
また、特許文献3のトレーは、単に、本体の縁に丸い形をした丸縁を設けただけのものであり、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に、当接させると(特に、強く当接させると)、患者に苦痛を与えるという下顎奥歯特有の課題を認識していない。従って、特許文献3のトレーでは係るこの課題を解決は出来ず、顎歯牙の特に奥歯用トレーとしては適用できない。下顎奥歯の印象採得に特有の患者への苦痛を改善するものではない。
本発明者は、このような印象を採得するときに、患者に与える苦痛の原因を取り除き、精度よく正確な印象採得を行う方法と、それに適した奥歯3個分にマージンを加えた4個分程度の長さで内側に若干湾曲して長手方向に延びた下顎奥歯用印象トレーについて鋭意研究した。
すなわち、人の左下顎に生えている左側歯列群は、前歯側から奥へ向かって緩やかに左方向へ湾曲しており、また、右側歯列群は、前歯側から奥へ向かって緩やかに右方向へ湾曲している。従って、印象トレーで奥歯側歯列(最奥の3本程度)をカバーするには、下奥歯用印象トレーの印象材保持部は、右或いは左に緩やかなカーブを描いていることが求められる。
ところが、従来の奥歯用印象トレーは、印象材を保持させる中央部の両サイドに側壁部が連続して設けられている。歯茎の内側に位置付けられる内側側壁部と歯茎の外側に位置付けられる外側側壁部とを比較すると、面積が内側側壁部より外側側壁部が大きくされている。しかも、奥歯に印象トレーをセットした場合に、外側側壁部の前方辺が内側側壁部の前方辺より奥側に位置する。
なお、人の下顎及び歯列は図7、図8に示す通りである。図7は、下顎部全体の斜視図を示し、下顎枝頬筋稜103が立ち上がっている。図8は、左下顎部の平面図を示す。人の奥歯3本を上から見たときには、図8に示すように下顎骨100の中央から内側に偏った位置に奥歯3本が並んでいる。この奥歯部分において歯茎部分の骨では、図7、図8に示すように、最奥歯の僅かに奥の位置で外側に突出した下顎隆起101が生じていることが多い。
このため、奥歯3本に前述の如く構成された従来の印象トレーをセットすると、外側側壁部の前方辺が下顎隆起101及び下顎枝頬筋稜103を覆っている口腔に触れて患者が苦痛を訴えることになる。
しかも、下顎の最奥歯から僅かに奥の位置102から上顎に向かって顎間筋肉が存在している。この顎間筋肉は、図9のレントゲン写真にPL、PRとして現れている。このため、印象用トレーのレバーを把持して、印象材を載置した印象材保持部を左右の下奥歯の方向に挿入させ、最奥歯から僅かに奥の位置で印象材保持部の先端部を、顎間筋肉に強く当接させると患者は苦痛を訴える。
患者が苦痛を訴えたときには、歯科医は、印象用トレーを更に歯の方向へ押圧したり奥側へ挿入したりすることを躊躇し、その位置で挿入を停止して、その位置での印象採得を行う。このようにして印象採得してしまうと、奥歯を印象材が完全に覆っていない状態や押圧が不足している状態が多く、精度の良い正確な印象採得が困難である。
つまり、印象採得の対象である下顎奥歯の歯列群と、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉との間には、上述の通り、下顎奥歯の局部的な印象採得時の特有の問題が存在している。しかし、従来の印象トレーは、係る腔内構造特有な問題があることを全く考慮せずに製作されていることが判明した。
従って、現状において印象採得を精度よく正確に行うためには、印象トレー顎間筋肉に強く当接させざるを得ないと考えて印象採得を行う必要がある。これに対し、出来るだけ患者に苦痛を与えないように印象採得を行うことを目指すと、印象材が載置された印象トレーを患者が苦痛を訴えない範囲に挿入し奥歯の上に押し下げて、固定保持し、印象採得作業を行わざるを得ない。しかし、このような印象採得作業によっては精度の良い正確な印象採得は不可能である。現在の印象採得にあっては、係る二律背反的な矛盾した課題が存在している。
本発明は、従来の印象トレーの現状と抱えている欠点に鑑みてなされたもので、その目的は、印象を採得する際に患者への苦痛を少なくし、かつ、下顎奥歯の印象を精度よく正確に採得することが可能な下顎奥歯用印象トレーを提供することである。
本発明に係る印象トレーは、奥歯3個分にマージンを加えた4個分程度の長さで内側に若干湾曲して長手方向に延び、使用状態において下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に当接する辺(12、12A)が長手方向の両方の端縁部に有り、把持部(17)を中央で回転可能に支承する中央部(11)と、
前記中央部の幅方向の側方に連なって設けられ、前記中央部(11)の長手方向の両方の端縁部の前記辺(12,12A)に連なる辺(22、22A)をそれぞれ有する内側壁部(21)と、
該内側壁部(21)と対向して前記中央部(11)の幅方向の側方に連なって設けられ、前記中央部(11)の長手方向の両方の端縁部の前記辺(12,12A)に連なる辺(32,32A)を有する外側壁部(31)とが、それぞれ多数の孔を有して、下顎奥歯の歯列に沿って緩やかに湾曲して印象材を保持する空間を形成する印象材保持部(41)を具備し、左右どちらか一方の下顎奥歯用の印象採得に用いられる下顎奥歯用印象トレーにおいて、
湾曲した印象材保持部(41)の前記外側壁部(31)の長手方向の長さが前記内側壁部(21)の長手方向の長さより短く、前記中央部(11)の両方の端縁部の前記辺(12,12A)と前記外側壁部(31)の両方の端縁部の辺(32,32A)との境界にある両方の外側境界点(16、16A)が、前記中央部(11)の両端縁部の辺(12,12A)と前記内側壁部(21)の両端縁部の前記辺(22,22A)の境界にある両方の内側境界点(15、15A)よりも、前記中央部(11)の長手方向中央に近い位置にあって、且つ、前記中央部(11)の幅方向の中央を通り内側境界点(15)と外側境界点(16)を結ぶ辺(12)の中点と内側境界点(15A)と外側境界点(16A)結ぶ辺(12A)の中点とを結んだ直線(L1)に対して、前記外側境界点(16)の一方と前記内側境界点(15)の一方との間を結ぶ直線(L3)がなす鋭角角度(θ21)が、30度から60度の角度であることを特徴とする下顎奥歯用印象トレーにある。
本発明によれば、奥歯3個分にマージンを加えた4個分程度の長さで内側に若干湾曲して長手方向に延びた下顎奥歯用印象トレーの湾曲した印象材保持部の外側壁部の長手方向の長さが内側壁部の長手方向の長さより短く、中央部の一方の端縁部の辺と外側壁部の一方の端縁部の辺との境界点である外側境界点が、中央部の一方の端縁部の辺と内側壁部の一方の端縁部の辺との境界点である内側境界点よりも、中央部の長手方向中央に近い位置にあって、且つ、中央部の幅方向の中央を通る直線に対して、外側境界点の一方と内側境界点の一方との間を結ぶ直線とがなす角度が、30度から60度の角度であるので、印象採得の使用状態において、下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に、中央部の一方の辺や内側境界点付近を当接させた状態でも、外側境界点付近や外側壁部の一方の端縁部の辺の部分が、下顎隆起101や下顎枝頬筋稜103を覆っている口腔内の表皮に触れることがなく、印象を採得する際に患者への苦痛を少なくし、かつ、下顎奥歯の印象を精度よく正確に採得することが可能であり、従来の印象トレーが抱えている二律背反的な矛盾した問題を克服出来る。
患者の左下顎に適用する本発明に係る下顎奥歯用印象トレーの第1の実施形 態を示す斜視図。 患者の右下顎に適用する本発明に係る下顎奥歯用印象トレーの第1の実施形 態を示す斜視図。 本発明に係る下顎奥歯用印象トレーの第1の実施形態の印象材を充填する状 態としたときの斜視図。 本発明に係る下顎奥歯用印象トレーを適用する患者の右下顎部を示す斜視図 。 本発明に係る下顎奥歯用印象トレーの第1の実施形態における構成を説明す るための斜視図。 本発明に係る下顎奥歯用印象トレーの第1の実施形態における構成を説明す るための斜視図。 人の下顎骨と下顎の歯を示す斜視図。 人の左下顎骨の奥歯(3本)を示す平面図。 人の歯を正面から撮影した写真を示す斜視図。
以下、添付図面を参照して、本発明の下顎奥歯用印象トレーの実施形態を説明する。各図において、同一の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1〜3に、第1の実施形態に係る下顎奥歯用印象トレー10の斜視図を示す。第1の実施形態の下顎奥歯用印象トレー10は、患者の左(右)の下顎奥歯用として用いる状態から平面において逆方向に(例えば、180度)回転させて、患者の右(左)の下顎奥歯用として用いることができる。印象トレー10は、奥歯3個分にマージンを加えた4個分程度の長さで内側に若干湾曲して長手方向に延び、下顎奥歯に対し印象材を介して被さるように位置付けられる中央部11を備える。
なお、以下の説明では、下顎奥歯の印象を採得する作業のため、下顎奥歯用印象トレーを患者の口腔に挿入した状態において、図4に示す左下奥歯の喉側を前方と称し、喉側と反対側に位置するときを後方と称する。
湾曲した印象材保持部41の中央部11は、平面形状が概ね四辺形形状を有し、使用状態において顎間筋肉に、上記四辺形形状の前方辺12が当接するように形成されている。図4に患者の左側口腔内下顎部分の斜視図を示す。この斜視図において、顎間筋肉61は、下顎奥歯62の奥側に存在し、上顎と下顎を連絡する筋肉を指す。下顎奥歯用印象トレー10は例えば奥歯3個分の印象を採得するものとし、中央部11の長さは、奥歯の平面形状が3個にマージンを加えて4個の奥歯分程度の寸法とすることができる。また、幅は、1個の奥歯の幅にマージンを加えて2個の奥歯分程度の寸法とすることができる。
中央部11の2長辺の一方の長辺は内側壁部21に隣接する境界13となっている。つまり、中央部11には、境界13を介して直角方向より少し鈍角に角が生じないように緩やかに折り曲げられた内側壁部21が設けられている。内側壁部21は、平面形状が略長方形形状であり、中央部11の前方辺12に繋がる前方辺22を有し、中央部11の一方(境界13側)の側方に位置する。内側壁部21の高さは、歯茎から奥歯までの高さにマージンを加えた18mm〜20mm程度の寸法とすることができる。
中央部11の2長辺の他方の長辺は外側壁部31との境界14となっている。つまり、中央部11には、境界14を介して直角方向より少し鈍角に角が生じないように緩やかに折り曲げられた外側壁部31が設けられている。外側壁部31は、平面形状が中央部11側を底辺とする略台形形状であり、中央部11の前方辺12に繋がる前方辺32を有し、中央部11を挟んで内側壁部21と対向する側の中央部11の側方に位置する。外側壁部31の高さも上記内側壁部21の高さと同様に、歯茎から奥歯までの高さにマージンを加えた18mm〜20mm程度の寸法とすることができる。
中央部11の上記前方辺12と内側壁部21の上記前方辺22の内側境界点15から、内側壁部21の上記前方辺22はその端部22Eへ向かって後方へ延びている。また、中央部11の上記前方辺12と外側壁部31の上記前方辺32の境界点16から、外側壁部31の前方辺32はその端部32Eへ向かって後方へ延びている。
上記中央部11の前方辺12と上記外側壁部31の前方辺32の境界点である外側境界点16が、上記中央部11の前方辺12と上記内側壁部21の前方辺22の境界点である内側境界点15より後方に存在している。また、外側壁部31の長手方向の長さが内側壁部21の長手方向の長さより短く、中央部11の両方の端縁部の辺12,12Aと外側壁部31の両方の端縁部の辺32,32Aとの境界にある両方の外側境界点16、16Aが、中央部11の両端縁部の辺12,12Aと内側壁部22の両端縁部の辺22,22Aの境界にある両方の内側境界点15、15Aよりも、中央部11の長手方向中央に近い位置にある。
上記中央部11の前方辺12、上記内側壁部21の前方辺22及び上記外側壁部31の前方辺32は、それぞれ前方に向かって凸形状であり、緩やかに湾曲して形成されている。また、上記中央部11の前方辺12は、顎間筋肉61及び下顎枝頬筋稜103に当接したときに痛みを与えないようにするため、図1、図2の形状と異なり手前方向に凹形状であっても良い。
また、上記中央部11と上記内側壁部21の境界13と上記中央部11と上記外側壁部31の境界14とが、奥歯の歯茎に沿って湾曲されている。下顎奥歯用印象トレー10の外周縁部は、折り返しされたり、丸められたり、或いは成型により、先端に丸縁19が形成されている。
本実施形態に係る下顎奥歯用印象トレー10では、上記中央部11の概ね中央位置に、施術時に把持するための把持部17が支承されている。把持部17は、上記中央部11の概ね中央位置に、例えばリベットなどによって回動可能に固着される。従って、把持部17は、以下の通りに平面において逆方向に(例えば、180度或いは360度)回転が可能である。
この実施形態の下顎奥歯用印象トレー10は、図1の状態では、患者の左の下顎奥歯用として用いることができる。この図1の状態から把持部17を例えば180度回転させて図2の状態とし、この状態で患者の右の下顎奥歯用として用いることができる。従って、図1と図2において、湾曲した中央部11と上記内側壁部21と上記外側壁部31の、それぞれの前方辺12、22、32と反対側の端縁部には、上記それぞれの前方辺12、22、32と同様に辺12A、22A、32Aが形成されている。
湾曲した中央部11と上記内側壁部21と上記外側壁部31の向きを例えば180度回転させ、上記辺12A、22A、32Aの部位を現在適用中の下顎の左右いずれかと反対側の下顎奥歯に対して適用したときに、前記辺12A、22A、32Aが上記前方辺12、22、32として機能する。つまり、図1の状態において前方辺12、22、32側を先にして患者の口腔に挿入し、左の下顎奥歯用として用いることができる。平面において、この状態の把持部17を例えば180度回転させ、辺12A、22A、32A側を先にして患者の口腔に挿入し、右の下顎奥歯用として用いることができる。
下顎奥歯用印象トレー10は、ステンレスなどの金属やプラスチックなどの樹脂によって構成することができる。この下顎奥歯用印象トレー10においては、湾曲した上記中央部11、上記内側壁部21、上記外側壁部31は、それぞれ多数の孔を有する。本実施形態においは、下顎奥歯用印象トレー10が金属製または樹脂製の網により構成され、網目が孔として機能する。湾曲した上記中央部11と上記内側壁部21と上記外側壁部31とにより形成される凹部を印象材保持部41(図3)として印象材を保持させて、印象採得作業を行ったときに、印象材が上記網目から外部へ突出して下顎奥歯用印象トレー10に固着された状態となる。この状態において、把持部17を歯科医師などが持って下顎奥歯用印象トレー10を歯から引き離すように操作することで、印象採得後の印象材を型崩れなどすることなく下顎奥歯用印象トレー10と共に回収することが可能である。なお、孔は、特許文献1や特許文献2に示したような丸孔や長孔を組み合わせた孔であっても良い。
本実施形態に係る下顎奥歯用印象トレー10では、網目を省略した図5に示すように、中央部11に引いた内側境界点15と外側境界点16を結ぶ辺12の中点と内側境界点15Aと外側境界点16A結ぶ辺12Aの中点とを結んだ直線L1と上記内側壁部21の前方辺22の長手方向の中央に引いた直線L2とのなす第1の鋭角角度θ11が30度から60度の範囲とすることができる。また、網目を省略した図6に示すように、中央部11の中央に引いた前記直線L1と中央部11の前方辺12の内側境界点15と外側境界点16との間を結ぶ直線L3とのなす第2の鋭角角度θ21が30度から60度の範囲とすることができる。
以上の通りに構成された下顎奥歯用印象トレー10を用いて、湾曲した中央部11と上記内側壁部21と上記外側壁部31とにより形成される凹部を印象材保持部41(図3)として印象材を保持させる。更に、これをひっくり返して図1の状態とし、前方辺12、22、32側を先にして患者の口腔に挿入し、印象採得作業を行うことができる。このとき、中央部11の前方辺12を顎間筋肉61に軽く当接させることになるが、前方辺12、前方辺32間の外側境界点16は、内側境界点15より後方に位置する。すなわち、湾曲した外側壁部31の長手方向の長さが、湾曲した内側壁部21の長手方向の長さより短く、中央部11の両方の端縁部の辺12,12Aと外側壁部31の両方の端縁部の辺32,32Aとの境界にある両方の外側境界点16、16Aが、中央部11の両端縁部の辺12,12Aと内側壁部22の両端縁部の辺22,22Aの境界にある両方の内側境界点15、15Aよりも、中央部11の長手方向中央に近い位置にあるため、外側壁部31の前方辺32が図4の歯茎63と頬肉64との連結部65や図8に示した口腔内の下顎隆起101や図7に示した下顎枝頬筋稜103周辺の口腔内の表皮に当たることなく、患者に苦痛を与えることはない。
また、内側境界点15からは内側壁部21の前方辺22が延びており、内側壁部21は外側壁部31に比べて口内の奥に位置付けられる。しかし、図4の奥歯62と奥歯62の下部内側の歯茎より奥には、内側壁部21の前方辺22が当接する筋肉などが存在しないので、患者に苦痛を与えることはない。そして、中央部11の前方辺12を顎間筋肉61に当接したとき、前方辺12よりも内側の中央部11における直下位置に最奥歯62が存在するので、この位置に印象材を保持させることにより奥歯62の印象を確実に精度良く採得することができる。
10 下顎奥歯用印象トレー
11 中央部
12、12A、22,22A,32,32A 前方辺(辺)
13、14 境界
15 内側境界点
16 外側境界点
17 把持部
19 丸縁
21 内側壁部
22E、32E 縁端部の角
31 外側壁部
41 印象材保持部
61 顎間筋肉
62 奥歯
63 歯茎
64 頬肉
65 連結部
101 下顎隆起
102 顎間筋肉
103 下顎枝頬筋稜

Claims (7)

  1. 使用状態において下顎奥歯の奥側の上顎及び下顎を連絡する顎間筋肉に当接する前方辺が形成された中央部と、
    前記中央部の前記前方辺に繋がる前方辺を有し、前記中央部の一方の側方に位置する内側壁部と、
    前記中央部の前記前方辺に繋がる前方辺を有し、前記中央部を挟んで前記内側壁部と対向する側の前記中央部の側方に位置する外側壁部と、
    を具備し、
    前記中央部の前記前方辺と前記外側壁部の前記前方辺の境界である外側境界が、前記中央部の前記前方辺と前記内側壁部の前記前方辺の境界である内側境界より後方に存在しており、
    前記外側壁部の前記前方辺は、前記外側境界から前記外側壁部の前記前方辺の端部へ向かって後方へ延びており、
    前記中央部、前記内側壁部、前記外側壁部は、それぞれ多数の孔を有することを特徴とする印象トレー。
  2. 前記内側壁部は、平面形状が略長方形であることを特徴とする請求項1に記載の印象トレー。
  3. 前記外側壁部は、平面形状が略台形であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印象トレー。
  4. 前記中央部の前記前方辺、前記内側壁部の前記前方辺及び前記外側壁部の前記前方辺は、それぞれ前方に向かって凸形状であり、緩やかに湾曲して形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印象トレー。
  5. 前記中央部と前記内側壁部と前記外側壁部の、それぞれの前記前方辺と反対側の端縁部には、前記それぞれの前記前方辺と同様に辺が形成されており、前記中央部と前記内側壁部と前記外側壁部の向きを逆方向に回転させ、前記辺の部位を現在適用中の下顎の左右いずれかと反対側の下顎奥歯に対して適用したときに、前記辺が前記前方辺として機能することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印象トレー。
  6. 前記中央部の中央に引いた直線と前記内側壁部の前記前方辺の中央に引いた直線とのなす第1の鋭角角度が30度から60度の範囲であり、前記中央部の中央に引いた直線と前記中央部の前記前方辺の中央に引いた直線とのなす第2の鋭角角度が30度から60度の範囲であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印象トレー。
  7. 前記前方辺による第1の鋭角角度をθ11とし、前記辺を前記前方辺として機能させたときの第1の鋭角角度をθ12とし、前記前方辺による第2の鋭角角度をθ21とし、前記辺を前記前方辺として機能させたときの第2の鋭角角度をθ22としたとき、θ11とθ12とが同一または異なる角度であり、θ21とθ22とが同一または異なる角度であることを特徴とする請求項7に記載の印象トレー。
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