JP2018084291A - 弁構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】弁座面の摩耗が進んだ場合でも、シール機能を維持可能な弁構造体の提供。【解決手段】弁構造体である調圧弁は、弁座面40aを有する弁ボディ30、着座面61を有する弁体60、及び弁体60を駆動する駆動機構を備える。弁ボディ30には、高圧室、低圧室32、及びこれらを連通する連通路33が形成されている。加えて弁ボディ30の弁座面40aには、低圧室32に臨む連通路33の流出開口35を環状に囲む形状で着座面61を着座させる第一弁座面部41と、第一弁座面部41よりも外周側にて着座面61を着座させる第二弁座面部42とが設けられている。そして、弁体60の変位方向DDにて着座面61の外縁62と対向する環状の領域には、各弁座面部41,42に対して窪む環状低面部47が設けられている。【選択図】図3

Description

この明細書による開示は、弁構造体に関する。
従来、流体の流量を調整する弁構造体を備えた構成の一種として、例えば特許文献1には、内燃機関用の燃料噴射弁が開示されている。この燃料噴射弁には、昇圧された燃料が供給される高圧のセントラルボア(central bore)と、セントラルボアよりも低圧なフローオフスペース(flow-off space)とが形成されている。セントラルボアの燃料は、コントロールボア(control bore)を通じてフローオフスペースへ流通可能である。
そして、フローオフスペースに臨むコントロールボアの開口の周囲には、平面状に形成された端面(end face)が弁座面として形成されている。燃料噴射弁は、パイロットバルブステム(pilot-valve stem)をソレノイドによって駆動し、当該ステムの端面を開口周囲の弁座面に離着座させることで、セントラルボアからフローオフスペースへ流れる流体の流量を調整可能である。
米国特許第5694903号明細書
さて、特許文献1の燃料噴射弁の弁座面、具体的には、コントロールボアの開口周囲のシーリングサーフェース及びその外周側の領域は、パイロットバルブステムの端面との接触や燃料の流れによって生じるエロージョン等の要因により、次第に摩耗していく。その結果、弁座面のうちでパイロットステムの端面の外縁と対向する環状の領域には、中央のシーリングサーフェース(sealing surface)等の領域に対して、パイロットステム側に突き出した凸状の段差が形成され得る。この凸状の段差部分に端面の外縁が乗り上げることによれば、パイロットステムは、弁座面に対して傾いた姿勢となり、シーリングサーフェース等の領域に、端面を安定して着座させることが困難となる。以上のように、特許文献1の燃料噴射弁に採用された弁構造体では、弁座面の摩耗が進んだ場合に、シール機能が維持されなくなり得た。
本開示は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、弁座面の摩耗が進んだ場合でも、シール機能を維持可能な弁構造体を提供することにある。
上記目的を達成するため、開示された第一の態様は、昇圧された液体が供給される高圧室(31)、高圧室よりも低圧となる低圧室(32)、及び高圧室と低圧室とを連通する連通路(33)、を形成しており、低圧室に臨む連通路の開口(35)の周囲に平面状に形成された弁座面(40a)、を有する弁ボディ(30)と、弁座面と対向する着座面(61)を有し、弁ボディに対する相対変位によって着座面を弁座面に離着座させる弁体(60)と、弁体の駆動によって着座面を弁座面に離着座させることで、連通路を通じて高圧室から低圧室へ流れる液体の流量を変える駆動部(70)と、を備え、弁座面には、開口を環状に囲む形状で着座面を着座させる第一弁座面部(41)と、第一弁座面部よりも開口の外周側にて着座面を着座させる第二弁座面部(42)と、弁体の変位方向(DD)にて着座面の外縁(62)と対向する環状の領域に形成され、第一弁座面部及び第二弁座面部に対して窪む環状低面部(47,247,347,447,547)と、が設けられている弁構造体とされる。
この態様において、弁座面のうちで着座面の外縁と弁体の変位方向にて対向する環状の領域には、第一弁座面部及び第二弁座面部に対して窪む環状低面部が予め形成されている。故に、弁座面に対する弁体の離着座の繰り返しにより、第一弁座面部及び第二弁座面部が摩耗したとしても、弁座面のうちで着座面の外縁と対向する環状の領域は、第一弁座面部及び第二弁座面部に対して弁体側に突き出した凸状とはなり難い。以上によれば、摩耗した弁座面に生じた凸状の部分に着座面の外縁が乗り上げて、弁体が弁座面に対して傾いた姿勢となることは、回避される。したがって、弁座面の摩耗が進んだ場合でも、弁構造体は、第一弁座面部及び第二弁座面部に着座面を安定して着座させることができ、弁体及び弁座面の間のシール機能を維持可能となる。
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
第一実施形態による調圧弁が適用されるコモンレールシステムの全体構成を内燃機関と共に示す図である。 調圧弁の構成を示す縦断面図である。 図2における弁体及び弁座面の近傍を拡大した拡大図である。 弁座面に形成された各溝の形状を示す図であって、図3のIV−IV線断面を矢印方向に見た図である。 図4のV−V線断面を矢印方向に見た断面図であって、図3における弁体及び弁座面の近傍をさらに拡大した拡大図である。 環状低面部が弁座面に形成されていない形態にて、弁座面に段差が生じる原理を説明する図である。 環状低面部が弁座面に形成されていない形態にて、段差に乗り上げた弁体が傾く様子を示す図である。 環状低面部が弁座面に形成された形態にて、燃料の流れの様子を示す図である。 弁座面に形成された環状低面部が段差の形成を防ぎ、着座面を弁座面に安定的に着座させる様子を示す図である。 第二実施形態における弁座面及び弁体の近傍を拡大した拡大図である。 第三実施形態における弁座面及び弁体の近傍を拡大した拡大図である。 第四実施形態における弁座面及び弁体の近傍を拡大した拡大図である。 第五実施形態における弁座面及び弁体の近傍を拡大した拡大図である。
以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第一実施形態)
図1に示す本開示の第一実施形態による弁構造体は、燃料タンクFTに貯留された燃料を内燃機関ICEに供給するコモンレールシステム10に、調圧弁100として用いられている。コモンレールシステム10は、サプライポンプ12、コモンレール20、複数のインジェクタ13、機関制御装置17等によって構成されている。
サプライポンプ12は、燃料タンクFTに貯留されている軽油等の液体燃料を、例えば200〜300MPa程度まで昇圧し、コモンレール20に圧送する。サプライポンプ12は、一例として内燃機関ICEより駆動されるプランジャポンプ等である。サプライポンプ12と燃料タンクFTとを繋ぐ燃料配管には、燃料に含まれる異物を除去する燃料フィルタ11が設けられている。
コモンレール20は、金属材料によって長細い筒状に形成されている。コモンレール20には、サプライポンプ12から供給された高圧の燃料を蓄えるレール室21(図2参照)が形成されている。コモンレール20には、サプライポンプ12から高圧燃料が圧送される燃料配管15と、レール室21から排出された燃料(以下「リーク燃料」)を燃料タンクFTに還流させる燃料配管16とが接続されている。加えてコモンレール20には、レール室21の圧力を計測する圧力センサ14と、レール室21の圧力を調整する調圧弁100とが設けられている。コモンレール20は、複数の分配配管によって各インジェクタ13と接続されており、レール室21に蓄えられた高圧燃料を、各インジェクタ13に供給する。
各インジェクタ13は、内燃機関ICEの各気筒に一つずつ設けられている。各インジェクタ13には、コモンレール20から高圧の燃料が供給される。各インジェクタ13は、機関制御装置17から入力される制御信号に基づき、各気筒に適切な量の燃料を最適なタイミングで噴射する。
機関制御装置17は、プロセッサ、RAM、記憶媒体、及び入出力部を含む演算回路、電源回路、及び駆動回路等によって構成されている。機関制御装置17は、サプライポンプ12、圧力センサ14、調圧弁100、及び各インジェクタ13と直接的又は間接的に電気接続されている。機関制御装置17は、内燃機関ICEに関連した多数の検出情報に基づき、サプライポンプ12、調圧弁100、及びインジェクタ13等を制御する。
機関制御装置17は、検出情報の一つとして、レール室21の燃料圧力に対応した圧力信号を、圧力センサ14から取得する。機関制御装置17は、圧力信号等に基づき、サプライポンプ12の吐出量及び調圧弁100の開閉弁を制御する。具体的に、機関制御装置17は、圧力信号に基づくレール室21の燃料圧力が目標圧力値よりも高い場合、調圧弁100を開弁させる又は開弁時間を長くする等の制御を行う。以上により、コモンレール20から燃料タンクFTへと燃流を流出させ、レール室21を減圧する。
次に、コモンレール20及び調圧弁100の構成の詳細を、図2及び図3に基づき、図1を参照しつつ説明する。
コモンレール20は、内燃機関ICEのクランクシャフトの軸方向に沿う姿勢にて、内燃機関ICEの本体構造系に取り付けられている。コモンレール20には、レール室21に加えて、弁収容室22、レール排出路24、雌ねじ部25、及びシール突部26等が形成されている。
弁収容室22は、コモンレール20の軸方向における一方の端部に形成されている。コモンレール20の軸方向における他方の端部には、圧力センサ14が取り付けられている。弁収容室22は、コモンレール20の内部に形成された空間であって、レール室21と連続した円柱状の空間である。コモンレール20において弁収容室22を区画する部分の内径は、レール室21を区画する部分の内径よりも大きくされている。弁収容室22は、調圧弁100の少なくとも一部を収容している。弁収容室22のうちで、コモンレール20及び調圧弁100によって区画される一部の空間は、リーク燃料が排出される排出室23となる。
レール排出路24は、コモンレール20の円筒壁を径方向に貫通している。レール排出路24は、排出室23と連続しており、燃料タンクFTに繋がる燃料配管16に連通している。レール排出路24は、排出室23に排出されたリーク燃料を燃料配管16に流出させる。
雌ねじ部25は、弁収容室22を区画するコモンレール20の円筒壁のうちで、コモンレール20の端面と連続する区間に形成されている。雌ねじ部25は、調圧弁100の外周部分に螺合することで、調圧弁100を保持可能である。
シール突部26は、レール室21と弁収容室22とを連続させる内周壁の段差部分に形成されている。シール突部26は、コモンレール20の軸方向に沿って、段差部分から調圧弁100へ向かって円環状に突出している。シール突部26は、弁収容室22に挿入された調圧弁100の挿入方向の先端面に押し当てられる。シール突部26は、調圧弁100の先端面に密着することにより、高圧のレール室21と低圧の排出室23との間を実質的に液密に区画している。
調圧弁100は、機関制御装置17から入力される制御信号に基づき、レール室21から燃料タンクFTへ向けて排出されるリーク燃料量を調整する。調圧弁100は、弁収容室22に挿入され、雌ねじ部25によってコモンレール20に保持されている。調圧弁100は、弁ボディ30、弁体60、及び駆動機構70を備えている。
弁ボディ30は、流路形成部材40及び嵌合部材50等によって構成されている。流路形成部材40及び嵌合部材50は、共に金属材料によって全体として円柱状に形成されている。コモンレール20の仮想の中心軸線をCLとすると、流路形成部材40及び嵌合部材50は、中心軸線CLと実質的に同軸となるよう、コモンレール20の軸方向に並んでいる。流路形成部材40は、嵌合部材50に対し挿入方向に位置している。弁ボディ30には、高圧室31、連通路33、低圧室32、及びボディ排出路36等が形成されている。
高圧室31及び連通路33は、流路形成部材40を軸方向に貫通する一つの貫通孔によって形成されている。高圧室31及び連通路33は、流路形成部材40の径方向の中心部分に、中心軸線CLと同軸となるよう形成されている。高圧室31は、連通路33よりもレール室21側に位置している。高圧室31の内径は、連通路33の内径よりも大きい。レール室21に臨む流路形成部材40の先端面の中央には、真円状の流入開口34が形成されている。高圧室31には、流入開口34を通じて、昇圧された高圧燃料が供給される。高圧室31の燃料圧力は、レール室21と実質同一に維持される。
連通路33は、高圧室31と低圧室32とを連通させている。連通路33には、高圧室31から低圧室32への燃料の流出流量を制限する絞り部33aが形成されている。絞り部33aの内径は、連通路33において絞り部33aを除く領域の内径よりも小さくされている。流路形成部材40において嵌合部材50と対向する基端面の中心には、低圧室32に臨む真円状の流出開口35が形成されている。
低圧室32は、流路形成部材40及び嵌合部材50によって区画された円盤状の空間である。低圧室32は、高圧室31及び連通路33と同様に、中心軸線CLと同軸となるよう形成されている。低圧室32には、絞り部33aの通過によって圧力の低下した燃料が、流出開口35を通じて供給される。低圧室32の燃料圧力は、高圧室31の燃料圧力よりも低くなる。
ボディ排出路36は、流路形成部材40にて高圧室31の外周側に形成され、中心軸線CLに沿って伸びる複数の貫通孔によって形成されている。各貫通孔の両端のうちの一方は、嵌合部材50と対向する流路形成部材40の基端面に開口し、低圧室32に臨んでいる。各貫通孔の両端のうちの他方は、流路形成部材40の外周壁面に開口し、排出室23に臨んでいる。以上の貫通孔の形状により、ボディ排出路36は、低圧室32と排出室23とを連通させており、低圧室32に排出されたリーク燃料を排出室23に流通させている。
加えて流路形成部材40には、弁座面40aが形成されており、弁フィルタ38が設けられている。弁座面40aは、流路形成部材40の基端面の中央にて、低圧室32に突き出した円錐柱状部48の頂面48bに形成されている。円錐柱状部48は、頂面48bに向かうに従って、外径の減少するテーパ状に形成されている。円錐柱状部48の頂面48bと連続する側面48aは、頂面48bに向かうに従って縮径している部分円錐面状である。弁座面40aは、頂面48bの中央に開口する流出開口35の周囲に、中心軸線CLに対して実質的に直交する平滑な平面状に形成されている。
弁フィルタ38は、例えばステンレス系の金属の薄板をプレス加工することで形成されている。弁フィルタ38は、高圧室31に圧入されており、高圧室31を区画する内周壁に嵌合している。弁フィルタ38には、複数の貫通孔を有する捕捉部38aが形成されている。捕捉部38aは、高圧室31から低圧室32へと流れる高圧燃料の異物を捕捉する。
嵌合部材50には、ロッド挿通孔51及び雄ねじ部52が形成されている。ロッド挿通孔51は、嵌合部材50を軸方向に貫通する貫通孔によって形成されている。ロッド挿通孔51は、内径が一定の円柱状を呈しており、中心軸線CLと同軸となるよう形成されている。雄ねじ部52は、嵌合部材50の外周壁に、雌ねじ部25と螺合するよう形成されている。雄ねじ部52の雌ねじ部25への嵌合により、流路形成部材40の先端面がシール突部26に押し付けられた状態で、調圧弁100がコモンレール20に保持される。
弁体60は、金属材料により、全体として球状に形成されている。弁体60において弁座面40aと対向する部分には、着座面61が形成されている。着座面61は、弁座面40aと同様に、中心軸線CLに対して実質的に直交する平滑な平面状に形成されている。弁体60は、着座面61が弁座面40aに対して実質的に平行となる姿勢にて、駆動機構70によって保持されている。弁体60は、弁ボディ30に対する相対変位により、着座面61を弁座面40aに離着座させる。弁体60の変位方向DDは、中心軸線CLに沿っている。弁体60は、弁座面40aに着座させた着座面61により、連通路33の流出開口35を塞き、高圧室31及び低圧室32間の連通路33による連通を遮断する。
駆動機構70は、磁気力の発生により、弁体60を駆動して着座面61を弁座面40aに離着座させることで、高圧室31から低圧室32へ流れるリーク燃料の流量を変える機構である。駆動機構70は、コイル71、ボビン72、ステータコア73、ストッパ部材73a、スプリング73b、アーマチャ75、及びプッシュロッド76と、これらを収容するハウジング79等によって構成されている。
コイル71は、円筒状のボビン72に巻回しされている。コイル71及びボビン72は、円筒状を呈しており、ステータコア73及びアーマチャ75の外周側に配置されている。コイル71及びボビン72は、ステータコア73に対して固定されている。制御信号の入力によってコイル71が通電状態になると、ステータコア73及びアーマチャ75が励磁される。
ステータコア73は、磁性材料によって有底の円筒状に形成されている。ステータコア73に区画された収容室73cには、ストッパ部材73a及びスプリング73bが収容されている。ストッパ部材73aには、プッシュロッド76と対向するストッパ面73sが形成されている。
スプリング73bは、金属製の線材を螺旋状に巻回してなるコイルプリングである。スプリング73bは、ステータコア73及びスプリング73bの間に形成された円筒状の空間に、ストッパ部材73a及びプッシュロッド76によって軸方向に押し縮められた状態で、収容されている。
アーマチャ75は、磁性材料によって円筒状に形成された部材である。アーマチャ75は、プッシュロッド76の外周側に配置されている。アーマチャ75は、プッシュロッド76と一体でステータコア73に対して軸方向に相対変位可能である。アーマチャ75は、励磁によってステータコア73に吸引され、プッシュロッド76と共に中心軸線CLに沿って変位する。
プッシュロッド76は、金属材料によって円柱状に形成されている。プッシュロッド76は、ロッド挿通孔51及びアーマチャ75の中心孔に挿通されている。プッシュロッド76は、スプリング73bの復元力により、ストッパ面73sから弁座面40aへ向かう方向(以下、「閉弁方向」)へ押されている。プッシュロッド76の軸方向の両端には、接触端面76a及び弁体保持部77が形成されている。
接触端面76aは、ストッパ面73sと対向している。接触端面76aは、弁座面40aからストッパ面73sへ向かう方向(以下、「開弁方向」)へのプッシュロッド76の変位により、ストッパ面73sと接触する。接触端面76aは、プッシュロッド76の開弁方向への変位を規制する。弁体保持部77は、弁座面40aと対向するプッシュロッド76の先端面に設けられた凹部である。弁体保持部77は、弁体60を収容しており、且つ、弁体60を保持している。
以上の調圧弁100は、駆動機構70のコイル71が通電状態に無い場合、プッシュロッド76がスプリング73bによって閉弁方向に押されることで、着座面61を弁座面40aに着座させている。これにより、調圧弁100は閉弁状態となる。一方、調圧弁100は、コイル71が通電状態に切り替えられると、励磁されたアーマチャ75によりプッシュロッド76が開弁方向に引き上げられることで、着座面61を弁座面40aから離座させる。これにより、調圧弁100は、開弁状態となる。調圧弁100は、機関制御装置17の制御信号に基づき、閉弁状態と開弁状態と断続的に切り替えることで、レール室21から排出されるリーク燃料量、ひいてはレール室21の燃料圧力を調整する。
次に、弁座面40aの構成の詳細を、図4及び図5に基づき、図2及び図3を参照しつつ説明する。弁座面40aには、第一弁座面部41、第二弁座面部42、径方向溝43、第一環状溝45、及び第二環状溝46が形成されている。
第一弁座面部41及び第二弁座面部42は、頂面48bのうちで着座面61を着座させる領域である。第一弁座面部41及び第二弁座面部42は、中心軸線CLに沿う弁体60の変位方向DDにおいて、実質的に同一の高さに位置している。第一弁座面部41及び第二弁座面部42の高さは、第二環状溝46の外周側に位置する頂面48bの他の領域とも、実質的に同一である。第一弁座面部41は、流出開口35を円環状に囲む形状に形成されている。第一弁座面部41の内縁は、流出開口35の外縁を形成している。
第二弁座面部42は、第一弁座面部41よりも流出開口35の外周側に形成されている。第二弁座面部42は、それぞれ略扇形に形成された四つの領域を含んでいる。第二弁座面部42の各領域は、第一弁座面部41の周方向に互いに間隔を開けつつ並んでいる。第二弁座面部42の面積は、第一弁座面部41の面積よりも広い。第二弁座面部42は、着座面61と弁座面40aとの接触面積を増加させることで、弁体60の閉弁時において着座面61と弁座面40aとの間に生じる接触面圧を低減させている。
径方向溝43は、頂面48bに四つ形成されている。各径方向溝43は、流出開口35の径方向に沿って、第一弁座面部41の外縁から外周側に延伸している。径方向溝43は、第一環状溝45及び第二環状溝46と繋がっている。各径方向溝43は、互いに実質的に90度ずつ異なる方向に延伸している。四つの径方向溝43は、全体として流出開口35を中心とした十字状に形成されている。径方向溝43は、第二弁座面部42を四つの領域に区分けしている。
径方向溝43が形成された領域は、変位方向DDにて、第一弁座面部41及び第二弁座面部42よりも低くなっている。即ち、径方向溝43の形成される領域は、第一弁座面部41及び第二弁座面部42よりも、着座面61から遠ざけられている。こうした形状により、各径方向溝43は、流出開口35から低圧室32に流入したリーク燃料を、外周側に流通させる。その結果、径方向溝43は、弁体60の閉弁に際して、着座面61及び弁座面40aの間からリーク燃料を主に外周側へ逃がす機能を発揮し、弁体60の閉弁に要する閉弁力を低減させる。
第一環状溝45は、流出開口35の径方向にて、第一弁座面部41と第二弁座面部42との間に形成されている。第一環状溝45は、溝幅及び溝深さが共に一定な円環状に形成されている。第一環状溝45は、流出開口35と同心状となるように配置されている。第一環状溝45は、第一弁座面部41の外周側を環状に囲み、第一弁座面部41と第二弁座面部42とを区分けしている。第一環状溝45の内縁は、第一弁座面部41の外縁に臨んでいる。第一環状溝45の外縁は、第二環状溝46の各領域と接している。
第一環状溝45が形成された領域は、径方向溝43が形成された領域と同様に、変位方向DDにて、第一弁座面部41及び第二弁座面部42よりも低くなっている。一例として第一実施形態では、第一弁座面部41及び第二弁座面部42に対する第一環状溝45の深さd1は、径方向溝43の深さd3と実質的に同一とされている。
第二環状溝46の底面46aは、第一弁座面部41及び第二弁座面部42に対して窪む環状低面部47を形成している。環状低面部47は、頂面48bのうちで、変位方向DDにて着座面61の外縁62と対向する環状の領域に、円環状に形成されている。環状低面部47は、径方向溝43及び第一環状溝45が形成された各領域と同様に、変位方向DDにて、第一弁座面部41及び第二弁座面部42よりも低くなっている。
第二環状溝46は、溝幅w2及び溝深さd2が共に一定のまま、中心軸線CLを中心として、着座面61の外縁62に沿って頂面48b上を円環状に延伸している。第二環状溝46の横断面は、深さ方向よりも幅方向が長い横長の矩形形状とされている。第二環状溝46は、全ての径方向溝43と交差しており、各径方向溝43と繋がっている。そのため、環状低面部47の一部は、各径方向溝43によって形成されている。第二環状溝46の底面46a及び径方向溝43の底面によって形成された環状低面部47は、着座面61の外縁62と弁座面40aとの接触を防ぐ機能を発揮する。
第二弁座面部42に対する環状低面部47の深さd2は、少なくとも1マイクロメートル以上確保されている。環状低面部47の深さd2は、10マイクロメートル以上確保されていれば、さらに望ましい。環状低面部47の深さd2は、第二弁座面部42に対する径方向溝43及び第一環状溝45の各深さd3,d1よりも浅く規定されている。
第二環状溝46の溝幅w2は、弁座面40aに沿った第二環状溝46の径方向にて、弁座面40a及び弁体60の間に想定される最大ばらつきよりも広く規定されている。最大ばらつきは、流路形成部材40及び嵌合部材50のそれぞれに設定された最大公差の積み上げに基づく値となる。具体的に、最大ばらつきに関連する公差には、流路形成部材40における頂面48bの中心軸線CLに対する同心度の最大公差、並びに流路形成部材40及び嵌合部材50にて相互の嵌合部分に設定された同軸度の最大公差が含まれる。加えて、嵌合部材50におけるロッド挿通孔51の中心軸線CLに対する同軸度の最大公差、並びにロッド挿通孔51及びプッシュロッド76間に設定された嵌合隙間の最大値も、最大ばらつきに関連する。さらに、プッシュロッド76における弁体保持部77の中心軸線CLに対する同軸度の最大公差等も、最大ばらつきに関連する。
以上説明した環状低面部47の機能を、図6〜図9に基づいて、さらに詳細に説明する。
図6及び図7には、環状低面部47の設けられていない形態が仮定されている。図6に示すように、着座面61が第一弁座面部141及び第二弁座面部142への着座を繰り返すと、第一弁座面部141及び第二弁座面部142には、摩耗が生じる。その結果、頂面148bのうちで着座面61の外縁62よりも外周側の領域148cと、摩耗した第一弁座面部141及び第二弁座面部142との間には、変位方向DDの段差148sが発生する。尚、図6の二点鎖線は、摩耗発生前の状態の第一弁座面部141及び第二弁座面部142を示しており、実線は、摩耗進行後における第一弁座面部141及び第二弁座面部142を示している。
段差148sが生じた場合、流出開口35から低圧室32に流入したリーク燃料の流れFfは、流出開口35から外周側へ向かう途中にて、第二弁座面部142に対し低圧室32側へ突き出した段差148sに衝突し、頂面148bから剥離するようになる。こうした流れの剥離に伴う圧力低下によれば、リーク燃料内では多数の微小な気泡が発生する。そして、発生した気泡は、段差の内周領域及び外周領域にて分裂又は破裂し、段差148sの近傍に壊食(キャビテーションエロージョン)を引き起こす。
以上の原理にて、第二弁座面部142の外周部分に損傷が引き起こされた結果、段差148s近傍の摩耗は、いっそう進行する。その結果、段差148sは、第二弁座面部142の外周側にて、第一弁座面部141及び第二弁座面部142に対して弁体60側に凸状に突き出した形状となる。すると、図7に示すように、弁体60の着座面61の着座位置が何らかの要因で径方向にずれた場合、着座面61の外縁62は、磨耗によって生じた段差148sへ乗上げてしまう。その結果、着座面61は、摩耗後の第一弁座面部141及び第二弁座面部142に密着できず、弁体60が流出開口35を閉塞できなくなるシート不良が生じ得る。シート不良によれば、図1に示すレール室21の燃料圧力が目標圧力値を下回るため、インジェクタ13の噴射量が不足するようになる。
対して、図8及び図9に示す第一実施形態では、弁座面40aのうちで着座面61の外縁62と変位方向DDにて対向する環状の領域に、環状低面部47が予め形成されている。そのため、図8に示すように、流出開口35から低圧室32に流入し、外周側へ向かうリーク燃料の流れFfは、第二環状溝46の溝内を巡る。故に、リーク燃料の流れFfの剥離は、第二環状溝46の溝内と、第二環状溝46を囲む外周領域48cとで生じるようになる。こうした流れFfの態様によれば、キャビテーションエロージョンが生じても、第二環状溝46の底面46aと外周領域48cとが低くなるだけであり、着座面61の外縁62と接触するような段差148s(図6等参照)は、形成されない。
以上によれば、図9に示すように、第一弁座面部41及び第二弁座面部42が摩耗したとしても、第二環状溝46が着座面61の外縁62を径方向に跨いでいるため、着座面61は、摩耗後の第一弁座面部41及び第二弁座面部42と密着する。故に、弁体60は、流出開口35を確実に閉塞可能となる。
ここまで説明したように、第一実施形態では、キャビテーションエロージョンの発生により、弁体60側に突き出した凸状の段差148s(図6等参照)が形成される事態は、生じ得ない。故に、凸状の段差148sに着座面61の外縁62が乗り上げて、弁体60が弁座面40aに対して傾いた姿勢となるシート不良の発生も、回避される。したがって、弁座面40aの摩耗が進んだ場合でも、調圧弁100は、第一弁座面部41及び第二弁座面部42に着座面61を安定して着座させることができるので、弁体60及び弁座面40aの間のシール機能を維持可能となる。
加えて第一実施形態では、第二環状溝46の底面46aによって環状低面部47が形成されている。こうした形態であれば、環状の溝を形成するという簡単な加工工程の追加により、環状低面部47が形成でき、ひいてはシール機能の継続的な維持という顕著な効果の獲得が可能となる。
また第一実施形態における第二環状溝46の溝幅w2は、弁体60に想定される最大ばらつきよりも大きく設定されている。故に、弁座面40aに対して外縁62の位置が最大限ずれたとしても、第二環状溝46は、弁座面40aに着座した着座面61の外縁62を径方向に跨いだ状態となる。以上によれば、着座面61の外縁62が弁座面40aの段差に乗り上げるような事態は、より確実に防がれる。
換言すれば、段差148sへの乗り上げが実質的に生じないため、弁体60は、弁座面40aに沿った左右方向への大きな動き(ずれ)が許容され得る。故に、弁体60の左右方向への動きに関する加工精度及び組付け精度の緩和が可能となるため、環状低面部47を設ける構成は、調圧弁100のコスト削減に寄与し得る。
さらに第一実施形態では、第二弁座面部42に対する環状低面部47の深さd2が予め1マイクロメートル以上確保されている。このように、使用開始前の状態で僅かな深さの第二環状溝46が形成されていれば、キャビテーションエロージョンにより、環状低面部47は、第一弁座面部41及び第二弁座面部42よりも低く位置した状態を維持し続ける。したがって、シール機能の維持が確実に可能となる。 加えて第一実施形態のように、低圧室32に流入するリーク燃料を外周側へ向けて流通させる径方向溝43が環状低面部47の一部を形成していてもよい。こうした構成であれば、弁体60の閉弁を容易にしつつ、弁体60を傾かせるような段差148sの発生も抑制できる。
また第一実施形態では、第二弁座面部42に対する環状低面部47の深さd2は、第一環状溝45の深さd1よりも浅く、且つ、径方向溝43の深さd3よりも浅い。以上のように、環状低面部47の深さd2を抑える構成によれば、環状低面部47の形成に起因した第二弁座面部42の剛性低下が最小限に抑制される。その結果、着座面61は、閉弁時にて第二弁座面部42により確実に密着し、シール機能を発揮するようになる。
さらに第一実施形態では、弁座面40aに第二弁座面部42を形成しつつ、弁体60の段差148sへの乗り上げの懸念が解消されている。このように、第一弁座面部41に加えて第二弁座面部42が設けられることで、第一弁座面部41のみの形態と比較して、着座面61と弁座面40aとの接触面圧は、低下し得る。その結果、弁座面40aの摩耗の進行を遅らせることが可能になるため、調圧弁100の長寿命化が実現される。
尚、第一実施形態において、流出開口35が「開口」に相当し、第一環状溝45が「区分溝」に相当し、第二環状溝46が「環状溝」に相当し、円錐柱状部48が「柱状部分」に相当する。また、駆動機構70が「駆動部」に相当し、調圧弁100が「弁構造体」に相当する。
(第二実施形態)
図10に示す第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態の円錐柱状部48の頂面48bには、第一実施形態の第二環状溝46(図5参照)に替えて、段差部246が形成されている。段差部246は、頂面48bにて着座面61の外縁62と対向する領域よりも内周側に円環状に形成されており、且つ、第二弁座面部42の外縁と連続している。段差部246は、中心軸線CLに沿う方向にて、頂面48bの周縁部分を中央部分よりも低くしている。頂面48bの中央部分は、流出開口35、第一弁座面部41、及び第二弁座面部42を含む範囲である。頂面48bの周縁部分は、着座面61の外縁62と対向する領域よりも外周側の範囲である。
環状低面部247は、段差部246によって形成されている。環状低面部247は、第一弁座面部41及び第二弁座面部42と実質的に平行な平面状に形成されている。環状低面部247は、円錐柱状部48の側面48aと連続している。第二弁座面部42に対する環状低面部247の深さd2は、第一実施形態と同様に、第一環状溝45の深さd1及び径方向溝43の深さd3よりも浅く設定されている。段差部246は、変位方向DDに沿って環状低面部247から第二弁座面部42へ向かうに従い、徐々に縮径するテーパ面状に形成されている。
ここまで説明した第二実施形態のように、環状低面部247は、環状の溝ではなく、段差部246によって形成されていてもよい。このような環状低面部247であっても、第一実施形態と同様の効果を奏し、弁体60の傾きの発生が防がれる。したがって、第二実施形態でも、弁体60及び弁座面40aの間のシール機能は、維持可能となる。
加えて第二実施形態のように、段差部246によって環状低面部247が形成されていれば、流出開口35から低圧室32に流入したリーク燃料は、環状低面部247に沿って円滑に外周側に流れ得る。その結果、弁座面40aに発生するキャビテーションエロージョンは、いっそう低減される。
(第三実施形態)
図11に示す第三実施形態は、第一実施形態の別の変形例である。第三実施形態にて、円錐柱状部48の頂面48bに設けられる第二環状溝346は、第一実施形態とは異なる形状に形成されている。具体的に、第二環状溝346の横断面は、V字状に形成されている。中心軸線CLを通過する円錐柱状部48の縦断面において、第二環状溝346は、径方向に対向する二つの傾斜面346b,346cを有している。環状低面部347は、二つの傾斜面346b,346cによって形成されている。
内周側の傾斜面346b及び外周側の傾斜面346cは、共に第二弁座面部42の周囲を円環状に巡る形状である。各傾斜面346b,346cが互いに接する第二環状溝346の底部346aは、変位方向DDにおいて、着座面61の外縁62と概ね対向する位置に形成されている。こうした配置により、第二環状溝346は、弁座面40aに着座した着座面61の外縁62を径方向に跨ぐことができる。
ここまで説明した第三実施形態のように、第二環状溝346が断面V字状に形成されていても、第一実施形態と同様の効果を奏し、弁体60及び弁座面40aの間のシール機能は、維持可能となる。尚、第三実施形態では、第二環状溝346が「環状溝」に相当する。
(第四実施形態)
図12に示す第四実施形態は、第一実施形態のさらに別の変形例である。第四実施形態にて、円錐柱状部48の頂面48bに設けられる第二環状溝446は、第一実施形態とは異なる形状に形成されている。具体的に、第二環状溝446の横断面は、U字状に形成されている。中心軸線CLを通過する円錐柱状部48の縦断面において、第二環状溝446は、閉弁方向に凸状となるよう湾曲した底面446aを有している。環状低面部447は、底面446aによって形成されている。
環状低面部447は、第二弁座面部42の周囲を円環状に巡る形状である。第二弁座面部42に対する環状低面部447の深さd2は、第一環状溝45の深さd1及び径方向溝43の深さd3と実質同一とされている。環状低面部447の最深部は、変位方向DDにて、着座面61の外縁62と概ね対向する位置に設けられている。
ここまで説明した第四実施形態のように、第二環状溝446が断面U字状に形成されていても、第一実施形態と同様の効果を奏し、弁体60及び弁座面40aの間のシール機能は、維持可能となる。尚、第四実施形態では、第二環状溝446が「環状溝」に相当する。
(第五実施形態)
図13に示す第五実施形態は、第一実施形態のさらに別の変形例である。第五実施形態にて、円錐柱状部48の頂面48bに設けられる第二環状溝546の横断面は、台形状に形成されている。中心軸線CLを通過する円錐柱状部48の縦断面において、第二環状溝546の溝幅w2は、開口部分から底面546aに向かう従って、徐々に狭くなっている。第二環状溝546は、第二弁座面部42の周囲を円環状に巡る形状である。環状低面部547は、第二環状溝546の底面546aによって形成されている。
ここまで説明した第五実施形態のように、第二環状溝546が断面台形状に形成されていても、第一実施形態と同様の効果を奏し、弁体60及び弁座面40aの間のシール機能は、維持可能となる。尚、第五実施形態では、第二環状溝546が「環状溝」に相当する。
(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態において、第二環状溝に対する環状低面部の深さd2は、径方向溝と重なる領域を除き、実質的に一定とされていた。しかし、環状低面部の深さd2は、周方向の各位置にて変化していてもよい。例えば、環状低面部の深さd2は、周方向にて径方向溝から離れるに従って、次第に浅くされていてもよい。また環状低面部の深さd2は、第一弁座面部及び径方向溝の各深さd1,d3よりも深く形成されていてもよい。
加えて、第二環状溝の溝幅w2及び横断面の形状も、一定でなくてもよい。例えば、第二環状溝の溝幅は、周方向にて径方向溝から離れるに従って、次第に狭くされていてもよい。また溝幅w2は、弁体に想定される最大ばらつきを超えていなくてもよい。
上記実施形態の弁座面は、低圧室に突き出した円錐柱状部の頂面に形成されていた。しかし、低圧室を区画しつつ弁座面を形成する流路形成部材の区画壁面は、全体が平滑な平面状に形成されていてもよい。また、低圧室に突き出した柱状部分の形状は、上記実施形態のような円錐状に限定されず、例えば円柱状等であってもよい。
上記実施形態の弁座面には、四つの径方向溝が形成されていた。しかし、弁座面に形成される径方向溝の数、形状、配置等は、適宜変更されてよい。加えて径方向溝は、第一環状溝及び第二環状溝と繋がっていなくてもよい。さらに、弁座面に径方向溝が形成されていなくてもよい。
上記実施形態の駆動機構には、コイルへの通電によりアーマチャを吸引することで弁体を駆動するソレノイドアクチュエータが採用されていた。しかし、圧電素子への電荷の供給によって弁体を駆動する電歪アクチュエータ等が、駆動機構として採用されていてもよい。
また上記実施形態の駆動機構は、非通電時にてスプリングの復元力により、弁体を閉弁状態としていた。しかし、駆動機構は、非通電時にて弁体を閉弁状態とせず、高圧室と低圧室との連通を許容する機構であってもよい。しかしながら、非通電時に弁体を閉弁状態に維持する駆動機構が採用された場合、レール室の圧力調整のために、弁体を弁座面に繰り返し離着座させる制御が実施される。故に、非通電時に弁体が閉弁状態とされる形態では、非通電時に弁体の開弁が許容される形態よりも、弁座面の摩耗が進行し易くなる。そのため、着座面の外縁と対向する領域に環状低面部を設ける構成は、非通電時に閉弁状態が維持される弁構造体に適用されることで、摩耗に起因したシール不良をより効果的に防ぐことが可能となる。
上記実施形態では、レール室の燃料圧力を調整する調圧弁の弁座面に、環状低面部を設ける構成を例示した。しかし、環状低面部を弁座面に形成可能な弁構造体は、調圧弁に限定されない。例えば環状低面部は、燃料を噴射するインジェクタにおいて、ノズルニードルの変位を制御する圧力制御室の圧力を調整する弁構造体の弁座面に形成されてもよい。さらに、弁構造体によって流出流量を調整される液体は、燃料に限定されず、不凍液、冷媒、冷却水、及び潤滑油等であってもよい。
30 弁ボディ、31 高圧室、32 低圧室、33 連通路、35 流出開口(開口)、40a 弁座面、41 第一弁座面部、42 第二弁座面部、43 径方向溝、45 第一環状溝(区分溝)、46,346,446,546 第二環状溝(環状溝)、46a,446a,546a 底面、246 段差部、47,247,347,447,547 環状低面部、48 円錐柱状部(柱状部分)、48a 側面、48b 頂面、60 弁体、61 着座面、62 外縁、70 駆動機構(駆動部)、100 調圧弁(弁構造体)、w2 溝幅、DD 変位方向

Claims (8)

  1. 昇圧された液体が供給される高圧室(31)、前記高圧室よりも低圧となる低圧室(32)、及び前記高圧室と前記低圧室とを連通する連通路(33)、を形成しており、前記低圧室に臨む前記連通路の開口(35)の周囲に平面状に形成された弁座面(40a)、を有する弁ボディ(30)と、
    前記弁座面と対向する着座面(61)を有し、前記弁ボディに対する相対変位によって前記着座面を前記弁座面に離着座させる弁体(60)と、
    前記弁体の駆動によって前記着座面を前記弁座面に離着座させることで、前記連通路を通じて前記高圧室から前記低圧室へ流れる液体の流量を変える駆動部(70)と、を備え、
    前記弁座面には、
    前記開口を環状に囲む形状で前記着座面を着座させる第一弁座面部(41)と、
    前記第一弁座面部よりも前記開口の外周側にて前記着座面を着座させる第二弁座面部(42)と、
    前記弁体の変位方向(DD)にて前記着座面の外縁(62)と対向する環状の領域に形成され、前記第一弁座面部及び前記第二弁座面部に対して窪む環状低面部(47,247,347,447,547)と、が設けられている弁構造体。
  2. 前記環状低面部は、前記外縁に沿って延伸する環状溝(46,446,546)の底面(46a,446a,546a)によって形成されている請求項1に記載の弁構造体。
  3. 前記環状溝の溝幅(w2)は、前記環状溝の径方向にて前記弁座面及び前記弁体の間に想定される最大ばらつきよりも広く規定されている請求項2に記載の弁構造体。
  4. 前記弁座面は、前記低圧室に突き出した柱状部分(48)の頂面(48a)に形成されており、
    前記環状低面部は、前記頂面の周縁部分を中央部分よりも低くする段差部(246)によって形成されており、前記柱状部分の側面(48b)と連続している請求項1に記載の弁構造体。
  5. 前記第二弁座面部に対する前記環状低面部の深さ(d2)は、1マイクロメートル以上確保されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の弁構造体。
  6. 前記弁座面には、前記開口の径方向に沿って前記第一弁座面部の外周側に延伸する径方向溝(43)がさらに設けられており、
    前記径方向溝は、前記環状低面部の一部を形成している請求項1〜5のいずれか一項に記載の弁構造体。
  7. 前記第二弁座面部に対する前記環状低面部の深さ(d2)は、前記第二弁座面部に対する前記径方向溝の深さ(d3)よりも浅い請求項6に記載の弁構造体。
  8. 前記弁座面には、前記第一弁座面部の外周側を環状に囲み、前記第一弁座面部と前記第二弁座面部とを区分けする区分溝(45)が設けられており、
    前記第二弁座面部に対する前記環状低面部の深さ(d2)は、前記第二弁座面部に対する前記区分溝の深さ(d1)よりも浅い請求項1〜7のいずれか一項に記載の弁構造体。
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