JP5529615B2 - 高圧ポンプ - Google Patents

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本発明は、高圧ポンプに関する。
従来、エンジンへ高圧燃料を供給する燃料供給システムでは、高圧ポンプから圧送される燃料は、デリバリパイプに蓄圧され、デリバリパイプに接続するインジェクタからエンジンの各気筒内に噴射される。
特許文献1に記載の燃料供給システムでは、燃料を加圧する加圧室とデリバリパイプとを接続する燃料通路に定残圧弁が設けられている。定残圧弁は、デリバリパイプ内の燃料と加圧室内の燃料との差圧が所定値より高くなると開弁し、デリバリパイプ側から加圧室側への燃料の流れを許容する。
特開2009−121395号公報
ところで、特許文献1に記載の発明では、オリフィスのデリバリパイプ側の開口は凹部の底部に開口している。このため、異物がオリフィスの中に流れ込みやすくなり、異物によるオリフィスの詰まりが発生するおそれがある。よって、エミッション悪化の原因となるおそれがある。
また、デリバリパイプ側から加圧室側に流れる燃料は、オリフィスの流路を通過した直後、弁部材と弁座との隙間を通過する。弁部材が弁座から離座するときの隙間は小さいので、燃料中に含まれる例えば異物等の弁着座性や高圧燃料ポンプの性能を悪化させる物質が、弁部材と弁座との隙間に付着、堆積するおそれがある。このため、弁部材と弁座との着座安定性が悪化し、弁部材の圧力保持力が低下するおそれがある。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、エミッション悪化を抑制し、圧力保持性能を維持することが可能な高圧ポンプを提供することを目的とする。
上述した問題を解決するため、請求項1に係る発明によると、高圧ポンプは往復移動可能なプランジャ、ハウジング、吸入弁部材、吐出弁部材、リリーフ弁部材、及び、定残圧弁部材を備える。ハウジングは、プランジャの往復移動により燃料が加圧又は減圧される加圧室、この加圧室と燃料入口とを連通する供給通路、及び加圧室と燃料出口とを連通する吐出通路を有する。吸入弁部材は、供給通路の内壁に設けられた吸入弁座に着座可能に設けられ、燃料入口側から加圧室側への燃料の流れを許容し、加圧室側から燃料入口側への燃料の流れを規制する。吐出弁部材は、吐出通路の内壁に設けられた吐出弁座に着座可能に設けられ、加圧室側から燃料出口側への燃料の流れを許容し、燃料出口側から加圧室側への燃料の流れを規制する。リリーフ弁部材は、吐出弁部材を迂回して高圧通路と低圧通路とを連通するリリーフ通路の内壁に設けられたリリーフ弁座に着座可能に設けられる。ここで、高圧通路というのは吐出弁座よりも燃料出口側の吐出通路を意味する。また、低圧通路というのは吐出弁座よりも加圧室側の吐出通路、加圧室、及び、供給通路を含む。リリーフ弁部材は、高圧通路と低圧通路とを連通するオリフィスを有し、高圧通路から低圧通路への燃料の流れを許容し、低圧通路から高圧通路への燃料の流れを規制する。ここで、リリーフ弁部材は、リリーフ弁座に当接する当接部よりも高圧通路側に位置する突出部を有し、この突出部にオリフィスを有する。オリフィスは、高圧通路側の端部が、リリーフ弁座を形成する面の高圧通路側の端部より高圧通路側に位置するよう形成されている。また、突出部の形状として、例えば円錐形状又は円錐台形状等が考えられる。定残圧弁部材は、リリーフ弁部材に有する定残圧弁座に着座可能に設けられ、定残圧弁部材が定残圧弁座を離座しオリフィスの燃料流路を開放することで高圧通路側から低圧通路側への燃料の流れを許容し、定残圧弁部材が定残圧弁座に着座しオリフィスの燃料流路を遮断することで低圧通路側から高圧通路側への燃料の流れを規制する。
この構成により、オリフィスの高圧通路側開口は、異物が溜まりやすいところよりも上流側に開口される。ここで、異物が溜まりやすいところというのは、リリーフ弁部材とリリーフ弁座との当接部の近傍を意味する。このため、異物が高圧通路側開口からオリフィスの中に入り込むことを抑制することができ、異物によるオリフィスの詰まり、及び、エミッション悪化を抑制することができる。また、異物が定残圧弁座と定残圧弁部材との間に堆積することを抑制することができ、定残圧弁座と定残圧弁部材との着座安定性の悪化、及び、定残圧弁部材の圧力保持力の低下を抑制することができる。
請求項2に係る発明によると、オリフィスの高圧通路側開口は突出部の先端に開口される。
この構成により、オリフィスの高圧通路側開口は、燃料中の異物が溜まりにくいところに開口される。このため、異物が高圧通路側開口からオリフィスの中に入り込むことを抑制することができる。
請求項3に係る発明によると、リリーフ弁部材の高圧通路側開口の径方向外側には、流体の流れ方向に窪む環状の収容凹部が形成される。
この構成により、流体中の異物はリリーフ弁部材の収容凹部に堆積する。このため、異物がリリーフ弁座に着座しているリリーフ弁部材とリリーフ弁座とが形成する環状となる凹部に堆積することを抑制することができる。したがって、異物がリリーフ弁座とリリーフ弁部材との間に挟まれることを抑制することができる。
請求項4に係る発明によると、オリフィスの高圧通路側開口は、低圧通路側開口よりも小径である。
異物がオリフィスの中に入ることを抑制するために、オリフィスの高圧通路側開口のみを小径にすればよい。このため、オリフィスの高圧通路側開口を、低圧通路側開口より小径にする構成は、加工精度を緩和し生産性を向上させることができる。
請求項5に係る発明によると、高圧通路のリリーフ弁座近傍の内壁には、径方向外側に窪む環状の凹部が形成される。
この構成により、燃料は径方向外側へ流れやすくなり、燃料中に含まれる異物は高圧通路側開口に入り難くなる。このため、異物がオリフィスの中に入ることを抑制することができる。
請求項6〜請求項10に係る発明は、吐出弁部材の内部に設けられる定残圧弁部材によって、吐出弁部材に有するオリフィスの燃料流路の開放又は遮断するものである。また、請求項6〜請求項10に係る発明は、請求項1〜請求項5に係る発明と同様の効果を果すことができる。
本発明の第1実施形態の高圧ポンプの特徴を示す断面図。 本発明の第1実施形態の高圧ポンプを備える燃料供給システムを示す模式図。 本発明の第1実施形態の高圧ポンプを示す断面図。 図3のVI方向から見た一部切り欠き図。 図4の要部拡大断面図。 本発明の第1実施形態の高圧ポンプをエンジンに適用したときの特性図。 本発明の第2実施形態の高圧ポンプの特徴を示す断面図。 本発明の第3実施形態の高圧ポンプの特徴を示す断面図。 本発明の第4実施形態の高圧ポンプの特徴を示す断面図。 本発明の第5実施形態の高圧ポンプの特徴を示す断面図。 本発明の第5実施形態の高圧ポンプの吐出弁部材の特徴を示す断面図。 本発明の第6実施形態の高圧ポンプの吐出弁部材の特徴を示す断面図。 本発明の第7実施形態の高圧ポンプの吐出弁部材の特徴を示す断面図。 本発明の第8実施形態の高圧ポンプの吐出弁部材の特徴を示す断面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の高圧ポンプ10は、図2に示すように、エンジンの燃料供給システム1に用いられ、燃料タンク2から低圧ポンプ3によって供給される燃料を加圧し、デリバリパイプ4へ圧送する。デリバリパイプ4に蓄圧された高圧燃料は、デリバリパイプ4に接続するインジェクタ5からエンジンの各気筒内に噴射される。
まず、高圧ポンプ10の基本構成および作動について説明する。
図3および図4に示すように、高圧ポンプ10は、ハウジングとしてのポンプボディ11、プランジャ12、電磁駆動部20、吸入弁30、吐出弁40、及び、リリーフ弁50などを備えている。なお、ポンプボディ11は特許請求範囲における「ハウジング」に相当している。
ポンプボディ11には、円筒状のシリンダ16が形成されている。シリンダ16は、プランジャ12を軸方向に往復移動可能に収容し、プランジャ12の往復移動により容積が変化する加圧室161を形成する。
ポンプボディ11には、加圧室161に対してプランジャ12の反対側にダンパ室60が形成されている。
図3に示すように、ダンパ室60は、低圧燃料配管6を通じて燃料タンク2と接続している図示しない燃料入口を有する。このため、ダンパ室60は燃料入口から燃料タンク2の燃料が供給される。また、ダンパ室60内の燃料はダンパ通路65を経由して加圧室161と繋がる吸入筒部13の吸入通路131へ導かれる。
吸入筒部13はシリンダ16の中心軸と略垂直に形成されている。吸入通路131は吸入筒部13の内側に形成され、ダンパ通路65と繋がっている。吸入通路131の加圧室161側に吸入通路131より小径の吸入弁収容穴132が形成されている。吸入弁収容穴132は、加圧室161と繋がる吸入口163と連通し、吸入弁30を収容する。
吸入弁30は、係止部材133により吸入通路131内に固定されている。吸入弁30は、吸入弁ボディ31及び吸入弁部材32を備える。吸入弁ボディ31には、凹テーパ状の円周面を有する吸入弁座33、及び、吸入弁通路311が形成される。吸入弁部材32は吸入弁ボディ31の内壁に案内され往復移動する。吸入弁部材32の加圧室161に対して反対側の面には、吸入弁座33に着座可能な凸テーパ状の円周面が形成されている。
吸入弁ボディ31の内壁には吸入弁ストッパ34が固定される。吸入弁ストッパ34は吸入弁部材32の開弁方向(図3の右方向)への移動を規制する。吸入弁ストッパ34の内側には、吸入弁部材32側に開口する容積室342が形成されている。容積室342内には、吸入弁部材32を吸入弁座33に着座させる方向へ付勢するスプリング35が設けられている。
吸入弁ストッパ34の外壁と吸入弁ボディ31の内壁との間には、環状の環状燃料通路36が形成されている。吸入弁部材32が開弁すると吸入通路131と環状燃料通路36とが連通され、吸入弁部材32が閉弁すると吸入通路131と環状燃料通路36との連通が遮断される。
吸入弁ストッパ34の加圧室161側の周方向には、吸入弁ストッパ34の軸に対して傾斜する傾斜通路341が複数形成される。傾斜通路341は、加圧室161に繋がる吸入口163と環状燃料通路36とを連通する。
上述したダンパ通路65、吸入通路131、吸入弁通路311、環状燃料通路36、傾斜通路341、及び吸入口163は燃料供給通路130を形成し、特許請求範囲における「供給通路」に相当している。燃料がダンパ室60側から加圧室161側へ向かうとき、燃料は、ダンパ通路65、吸入通路131、吸入弁通路311、環状燃料通路36、傾斜通路341、及び吸入口163の順に流れる。
次に、プランジャ12及びその周辺について説明する。
図3に示すように、プランジャ12は、ポンプボディ11のシリンダ16に軸方向へ往復移動可能に収容されている。プランジャ12は、小径部121、及び小径部121に繋がる大径部123を有する。
ポンプボディ11のシリンダ16の加圧室161と反対側の端部の外壁には、加圧室161側へ略円環状に凹む凹部17が設けられている。凹部17には、オイルシールホルダ18が嵌め込まれている。
プランジャ12の小径部121の加圧室161と反対側にはヘッド125が形成される。ヘッド125はスプリング座191と結合している。スプリング座191とオイルシールホルダ18との間には、スプリング19が設けられている。スプリング座191は、スプリング19の付勢力により、カム7の方向へ付勢されている。プランジャ12は、タペット8を介してカム7と接することにより軸方向へ往復駆動される。スプリング19は、一方の端部がオイルシールホルダ18に接し、他方の端部がスプリング座191に接しており、軸方向へ伸びる力を有している。これにより、スプリング19は、スプリング座191を介してタペット8をカム7側へ付勢する。
次に吐出弁40について説明する。
図3に示すように、ポンプボディ11には、シリンダ16の中心軸と略垂直に吐出筒部14が形成されている。吐出筒部14の内側には、加圧室161の吐出口164に連通する吐出通路141が形成される。
ポンプボディ11の吐出口164側に設けられている吐出弁40は、加圧室161において加圧された燃料の排出を許容または遮断する。吐出弁40は、吐出筒部14を弁ボディとし、吐出弁部材42、規制部材43、スプリング44などを備える。
吐出弁部材42は、底部421、及び底部421からデリバリ通路154側へ延びる筒部422から有底筒状に形成され、吐出筒部14の内壁に案内され往復移動可能に設けられている。規制部材43は、筒状に形成され、吐出筒部14の内壁に固定されている。スプリング44は、一方の端部が規制部材43に接し、他方の端部が吐出弁部材42の筒部422に接している。スプリング44は吐出弁部材42を加圧室161側に付勢する。吐出弁部材42は、スプリング44によって底部421側の端部が吐出弁座114に着座することで吐出通路141を閉鎖し、吐出弁座114から離座することで吐出通路141を開放する。
加圧室161の燃料の圧力が上昇すると、加圧室161側の燃料から吐出弁部材42が受ける力は増大する。そして、加圧室161側の燃料から吐出弁部材42が受ける力が、スプリング44の付勢力とデリバリパイプ4内の燃料から受ける力との合力よりも大きくなると、吐出弁部材42は吐出弁座114から離座する。これにより、加圧室161内の燃料は、吐出弁部材42の筒部422に形成された通孔423、及び筒部422の内側通路を経由してデリバリパイプ4へ吐出される。
一方、加圧室161の燃料の圧力が低下すると、加圧室161側の燃料から吐出弁部材42が受ける力は減少する。そして、加圧室161側の燃料から吐出弁部材42が受ける力がスプリング44の付勢力とデリバリパイプ4内の燃料から受ける力との和よりも小さくなると、吐出弁部材42は吐出弁座114に着座する。これにより、デリバリパイプ4内の燃料が吐出通路141を経由して加圧室161内に逆流することを防止する。しかし、デリバリパイプ4内の燃料の圧力が第1所定圧力以上になると、デリバリパイプ4内の燃料はリリーフ弁50を経由して加圧室161内に逆流する(図4を参照)。
ここで、リリーフ弁50について、図1、図2、図4及び図5を参照して説明する
図2に示すように、リリーフ弁50は吐出通路141を迂回するリリーフ通路150に設けられる。リリーフ通路150は、ポンプボディ11に形成され、図4に示すように、加圧室161からポンプボディ11の外壁側へ向かう加圧室通路151、シリンダ16の中心軸と略垂直に第1燃料通路152、及び、吐出弁座114よりも吐出通路141からポンプボディ11の外壁側へ向かうデリバリ通路154を備える。また、第1燃料通路152は、加圧室通路151とデリバリ通路154との間に形成される。
図5に示すように、リリーフ弁50は、第1燃料通路152を形成するポンプボディ11を弁ボディとし、リリーフ弁部材510、定残圧弁53、第1の付勢部材52、アジャストパイプ58、及びプラグ59等を備える。
第1燃料通路152は、デリバリ通路154よりも大径であり、デリバリ通路154側の内壁に凹テーパ状の円周面を有するリリーフ弁座115が形成される。リリーフ弁部材510は、筒状であり、第1燃料通路152内のリリーフ弁座115に着座可能に設けられる。リリーフ弁部材510がリリーフ弁座115に着座すると、リリーフ弁部材510の環状となる当接部518とリリーフ弁座115とが当接する。リリーフ弁部材510の内部には、加圧室161と繋がっている連通路54及び第2燃料通路153が形成される。連通路54は、第2燃料通路153より小径であり、第2燃料通路153よりもデリバリ通路154側に形成される。また、リリーフ弁部材510には、デリバリ通路154と連通路54とを連通するオリフィス515が形成される。
ここで、特許請求範囲における「高圧通路」は、デリバリ通路154と吐出弁座114の規制部材43側の吐出通路141とを含む。また、特許請求範囲における「低圧通路」は、第1燃料通路152と第2燃料通路153と加圧室通路151と加圧室161と燃料供給通路130と吐出弁座114の加圧室161側の吐出通路141とを含む。
図1に示すように、本実施形態のリリーフ弁部材510は当接部518よりもデリバリ通路154側に突出する突出部511を有する。突出部511は、デリバリ通路154側に、第1テーパ部512、及び第2テーパ部513を有する。第1テーパ部512は、リリーフ弁部材510の軸線O1を軸心とする円錐の側面を呈する。また、第2テーパ部513は、リリーフ弁部材510の軸線O1に対して傾斜する環状テーパ面を呈し、第1テーパ部512の径方向外側に形成される。なお、第1テーパ部512及び第2テーパ部513は、リリーフ弁部材510の軸線O1に対して、同じ角度で傾斜しても良いし、異なる角度で傾斜しても良い。本実施形態の場合、第1テーパ部512と第2テーパ部513とは、リリーフ弁部材510の軸線O1を含む平面において所定角度で接する。
ここで、本実施形態の特徴となるリリーフ弁部材510のオリフィス515について、図1に基づいて詳しく説明する。
オリフィス515は、デリバリ通路154と第2燃料通路153とを連通し、デリバリ通路側開口514と加圧室側開口516とを有する。本実施形態では、デリバリ通路側開口514が特許請求範囲における「高圧通路側開口」に相当している。オリフィス515のデリバリ通路側開口514は、円錐の側面である第1テーパ部512の円錐頂点近傍に形成することが好ましい。本実施形態の場合、オリフィス515のデリバリ通路側開口514は、リリーフ弁部材510の突出部511の先端に開口される。
次に、図5に基づいて、オリフィス515の燃料流路を開放又は遮断する定残圧弁53について説明する。
定残圧弁53は、リリーフ弁部材510を弁ボディとし、定残圧弁部材531、支持体532、及び第2付勢部材533を備える。定残圧弁部材531は、第2燃料通路153に収容され、第2燃料通路153と連通路54との間に形成する定残圧弁座519に着座可能に設けられる。支持体532は、デリバリ通路154に対して定残圧弁部材531の反対側の第2燃料通路153内に往復移動可能に収容される。定残圧弁部材531に対して支持体532の反対側には、ストッパ56が第2燃料通路153内に圧入されている。また、ストッパ56と支持体532との間には、支持体532を連通路54側に付勢する第2付勢部材533が設けられる。この第2付勢部材533の付勢力によって、定残圧弁部材531は定残圧弁座519に着座する。
第1燃料通路152のポンプボディ11の外壁側の開口は、プラグ59によって閉塞されている。アジャストパイプ58は、筒状に形成され、プラグ59側で、第1燃料通路152を形成するポンプボディ11の内壁に固定されている。第1の付勢部材52は、一方の端部がリリーフ弁部材510に接し、他方の端部がアジャストパイプ58に接している。リリーフ弁部材510は、第1の付勢部材52の付勢力によりリリーフ弁座115に着座する。
アジャストパイプ58のデリバリ通路154への圧入により、第1の付勢部材52の荷重が調整される。第1の付勢部材52の荷重は任意に設定可能である。本実施形態では、例えばエンジンの通常運転におけるデリバリパイプ4の燃料圧力以上、電磁式のインジェクタ5が燃料噴射不能となる圧力未満でリリーフ弁部材510が開弁するように第1の付勢部材52の荷重を設定することが例示される。
リリーフ弁部材510は、テーパ部がリリーフ弁座115に着座することによりリリーフ弁部材510の径方向外側の第1燃料通路152を閉鎖し、リリーフ弁座115から離座することによりリリーフ弁部材510の径方向外側の第1燃料通路152を開放する。リリーフ弁部材510は、リリーフ弁座115に対して反対方向へ移動したとき、アジャストパイプ58と当接することにより移動量が制限される。
次に電磁駆動部20について説明する。
図3に示すように、電磁駆動部20は、コイル21、固定コア22、可動コア23、フランジ25などから構成される。コイル21は樹脂製のスプール28に巻回され、通電されることにより磁界を発生する。固定コア22は磁性材料で作られ、コイル21の内側に収容されている。可動コア23は磁性材料で作られ、固定コア22と対向して配置されている。可動コア23は、筒部材29及びフランジ25の内側に軸方向に往復移動可能に収容されている。
筒部材29は非磁性材料で作られ、固定コア22とフランジ25との間の磁気的な短絡を防止する。フランジ25は磁性材料で作られ、ポンプボディ11の吸入筒部13に取り付けられ、電磁駆動部20をポンプボディ11に保持するとともに、吸入筒部13の端部を塞いでいる。フランジ25には、中央部に筒状に形成されたガイド筒26が設けられている。
ニードル24は略円筒状に形成され、ガイド筒26の内壁に案内されて往復移動する。ニードル24は、一方の端部が可動コア23に一体に組み付けられ、他方の端部が吸入弁部材32の電磁駆動部20側の端面に当接するように設置されている。
固定コア22と可動コア23との間にスプリング27が設けられている。スプリング27は、スプリング35が吸入弁部材32を閉弁方向に付勢する力よりも強い力で、可動コア23を吸入弁部材32側、すなわち吸入弁部材32の開弁方向へ付勢している。
コイル21に通電していないとき、可動コア23は固定コア22に吸引されず、互いに離れている。そのため、スプリング27の付勢力により、可動コア23と一体のニードル24が吸入弁部材32側へ移動し、ニードル24の端面が吸入弁部材32を押圧することで吸入弁部材32が開弁する。
次に高圧ポンプ10の作動について説明する。高圧ポンプ10は、吸入行程、調量行程、加圧行程を繰り返す動作をする。
(1)吸入行程
プランジャ12が上死点から下死点に向かって下降することで、加圧室161の燃料が減圧される。このとき、コイル21への通電が停止され、吸入弁部材32は開弁状態となり、燃料供給通路130が連通している。また、吐出弁部材42は吐出弁座114に着座し、吐出通路141を閉塞している。そのため、ダンパ室60の燃料が燃料供給通路130を経由して加圧室161に吸入される。
(2)調量行程
プランジャ12が下死点から上死点に向かって上昇するとき、所定の時期まではコイル21への通電が停止され、吸入弁部材32は開弁状態となっている。そのため、加圧室161の低圧燃料は燃料供給通路130を経由してダンパ室60に戻す。
調量行程の途中の所定の時刻にコイル21への通電を開始すると、コイル21に発生する磁界によって、固定コア22と可動コア23との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力がスプリング27の付勢力よりも大きくなると、可動コア23及び可動コア23と一体のニードル24は固定コア22側へ移動する。すると、吸入弁部材32とニードル24とが離間し、吸入弁部材32は、スプリング35の付勢力、及び加圧室161からダンパ室60側へ排出される低圧燃料の流れによって生じる力によって、吸入弁座33側へ移動する。結果、吸入弁部材32が吸入弁座33に着座し、吸入弁30は閉弁状態となる。
吸入弁30が閉弁することにより、燃料供給通路130の燃料の流れが遮断され、加圧室161からダンパ室60へ低圧燃料を戻す調量行程は終了する。すなわち、コイル21の通電時刻を調整することにより、加圧室161からダンパ室60へ戻される低圧燃料の量が調整される。これにより、加圧室161で加圧される燃料の量が決定される。
(3)加圧行程
加圧室161とダンパ室60との間の燃料の流れが遮断された状態で、プランジャ12がさらに上死点に向けて上昇すると、加圧室161の燃料の圧力は上昇する。加圧室161の燃料の圧力が所定の圧力以上になると、吐出弁部材42が、スプリング44の付勢力、及び吐出通路141内の燃料圧力に抗して開弁し、加圧室161で加圧された燃料は吐出通路141を経由して高圧ポンプ10から吐出される。高圧ポンプ10から吐出された燃料は、デリバリパイプ4に供給されて蓄圧され、インジェクタ5に供給される。
ここで、デリバリパイプ4内の燃料の圧力が第2所定圧力以上になると、定残圧弁53が開弁する。そして、デリバリパイプ4内の燃料は、デリバリ通路154、オリフィス515、第2燃料通路153、及び加圧室通路151を経由して加圧室161に戻る。第2所定圧力というのは、例えばエンジンの停止後にデリバリパイプ4内に発生するベーパを許容値以下とし、かつインジェクタ5からの燃料漏れを許容値以下とすることのできる圧力に設定されることが例示される。
また、デリバリパイプ4内の燃料の圧力が第2所定圧力より大きい第1所定圧力以上になると、リリーフ弁50が開弁する。そして、デリバリパイプ4内の燃料は、デリバリ通路154、第1燃料通路152、及び加圧室通路151を経由して加圧室161に戻る。第1所定圧力というのは、デリバリパイプ4及びデリバリ通路154が受ける圧力損傷を許容値以下とすることのできる圧力に設定されることが例示される。
プランジャ12が上死点まで上昇するとコイル21への通電が停止され、吸入弁30は再び開弁状態となる。そして、プランジャ12は再び下降し、加圧室161の燃料の圧力は低下して、再び吸入行程が行われる。
このように(1)から(3)の行程を繰り返すことにより、高圧ポンプ10は吸入した燃料を加圧して吐出する。
次に、本実施形態の上記構成による作用効果を図6を参照して説明する。
通常、定残圧弁53は閉弁状態となっているが、デリバリパイプ4内の燃料の圧力が第2所定圧力以上になると、定残圧弁53が開弁し、デリバリパイプ4内の燃料は、オリフィス515及び第2燃料通路153を経由して加圧室161に戻る。よって、デリバリパイプ4内の燃料の圧力は、第2所定圧力より低い状態を維持することができ、デリバリパイプ4内のベーパの発生及びインジェクタ5からの燃料漏れを抑制することができる。
エンジンを停止したときのデリバリパイプ内の圧力及びインジェクタの燃料漏れ量の時間的推移を図6に示す。実線Aで示すように、時刻T1でエンジンを停止すると、エンジン回転数が0となる。するとエンジンの冷却水が循環しなくなり、実線Bで示すように、デリバリパイプ4の温度はエンジン停止直後から一定期間上昇し(時刻T1−T2)、この温度が一定時間維持され(時刻T2−T3)、その後下降する(時刻T3以降)。
仮にオリフィス515が異物などにより詰まった場合、破線Cに示すように、デリバリパイプ内の圧力もデリバリパイプの温度と同様に推移する。このため、破線Fに示すように、インジェクタの燃料漏れ量が多くなる。インジェクタから気筒内へ漏れ出した燃料は、次回のエンジンの始動時に未燃焼成分として大気中へ排出され、エミッション悪化などが生じるおそれがある。
また、異物が定残圧弁部材531と定残圧弁座519との間に挟まれると、定残圧弁53の圧力保持性能が低下するおそれがある。定残圧弁53の圧力保持性能が低下すると、図6の破線Eに示すように、エンジン停止後、デリバリパイプ4内の燃料の圧力は下降し続け、エンジンの再始動性が悪化する可能性がある。
これに対し、本実施形態の高圧ポンプ10は、リリーフ弁座115に着座しているリリーフ弁部材510とリリーフ弁座115とが当接する当接部518よりもデリバリ通路154の上流側に、デリバリ通路側開口514が開口されている。よって、デリバリ通路側開口514は、異物が溜まるところよりも燃料流れの上流側に開口される。また、オリフィス515のデリバリ通路側開口514はリリーフ弁部材510の突出部511の先端に開口されている。よって、燃料の流れに沿って突出部511の第1テーパ部512及び第2テーパ部513へ流れる異物は、デリバリ通路側開口514に入りにくくなる。
このため、異物がオリフィス515の中に入り込むことを抑制することができ、異物がオリフィス515に詰まること、及び、異物が定残圧弁部材531と定残圧弁座519との間に挟まれることを抑制することができる。これにより、定残圧弁部材531と定残圧弁座519との着座安定性が向上し、定残圧弁53は圧力保持性能を維持することができる。したがって、本実施形態の高圧ポンプ10は、図6の実線Dに示すように、デリバリパイプ4内の燃圧を略一定に維持することが可能となる。これにより、実線Gに示すように、インジェクタ5の燃料漏れ量が許容値内に抑制される。この結果、高圧ポンプ10は、エンジンの始動性を向上することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による高圧ポンプの一部を図7に示す。第2実施形態では、突出部の形状が第1実施形態と異なる。ここでは、上記実施形態と異なっている部分のみを説明し、上記実施形態と同様の構成についての説明を割愛する。また、同様の構成部分については同一の符号を付す。
第2実施形態では、図7に示すように、リリーフ弁部材520のデリバリ通路154側に突出する突出部521は、デリバリ通路154側に円錐側面部527、流体衝突部528、第1テーパ部522、及び第2テーパ部513を有する。円錐側面部527は、リリーフ弁部材520の軸線O2を中心とする円錐体の側面を呈する。流体衝突部528は、円錐側面部527の径方向外側に形成され、円錐側面部527と接することで、流体の流れ方向に窪む環状の収容凹部529を形成する。第1テーパ部523は、リリーフ弁部材520の軸線O2に対して傾斜する環状テーパ面を呈し、流体衝突部528の径方向外側に形成される。また、第2テーパ部513は、リリーフ弁部材520の軸線O2に対して傾斜する環状テーパ面を呈し、第1テーパ部522の径方向外側に形成される。
本実施形態の場合、オリフィス525のデリバリ通路側開口524は、円錐体の側面である円錐側面部527の円錐頂点近傍に形成され、リリーフ弁部材520の軸心O2の上に形成される。また、オリフィス525のデリバリ通路側開口524の径方向外側に、流体の流れ方向に窪む環状の収容凹部529が形成される。
本実施形態では、オリフィス525のデリバリ通路側開口524の径方向外側に、流体の流れ方向に窪む環状の収容凹部529が形成され、流体中の異物はリリーフ弁部材520の収容凹部529に堆積する。このため、リリーフ弁座115に着座しているリリーフ弁部材520とリリーフ弁座115とが当接する環状となる当接部518の近傍に堆積することを抑制することができる。したがって、異物がリリーフ弁座115とリリーフ弁部材520との間に挟まれることを抑制することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による高圧ポンプの一部を図8に示す。第3実施形態では、突出部の形状、及び、オリフィスの形状が第1実施形態と異なる。ここでは、第1実施形態と異なっている部分のみを説明し、第1実施形態と同様の構成についての説明を割愛する。また、同様の構成部分については同一の符号を付す。
第3実施形態では、図8に示すように、リリーフ弁部材530のデリバリ通路154側に突出する突出部539は、デリバリ通路154側に平面部537、第1テーパ部538、及び第2テーパ部513を有する。平面部537は、デリバリ通路154より小径であり、リリーフ弁部材530の軸線O3に対して垂直に形成される。第1テーパ部538は、リリーフ弁部材530の軸線O3に対して傾斜する環状を呈し、平面部537の径方向外側に形成される。第2テーパ部513は、リリーフ弁部材530の軸線O3に対して傾斜する環状を呈し、第1テーパ部538の径方向外側に形成される。なお、第1テーパ部538及び第2テーパ部513は、リリーフ弁部材530の軸線O3に対して、同じ角度で傾斜しても良いし、異なる角度で傾斜しても良い。本実施形態の場合、第1テーパ部538と第2テーパ部513とは、リリーフ弁部材530の軸線O3を含む平面において所定角度で接する。
本実施形態の場合、オリフィス535のデリバリ通路側開口534は、加圧室側開口536よりも小径である。本実施形態では、加圧室側開口536が特許請求範囲における「低圧通路側開口」に相当する。また、デリバリ通路側開口534は、リリーフ弁部材530の軸心O3の上に形成されることが好ましい。
本実施形態では、オリフィス535のデリバリ通路側開口534は、加圧室側開口536よりも小径であるため、オリフィス535を加工する時、加工精度を緩和し生産性を向上させることができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による高圧ポンプの一部を図9に示す。第4実施形態では、リリーフ弁座近傍のデリバリ通路の形状が第1実施形態と異なる。ここでは、第1実施形態と異なっている部分のみを説明し、第1実施形態と同様の構成についての説明を割愛する。また、同様の構成部分については同一の符号を付す。
第4実施形態では、図8に示すように、リリーフ弁座115近傍のデリバリ通路154は、径方向外側に窪む環状の凹部116が形成される。凹部116は、下側テーパ部117、上側テーパ部119、及び、底部118を有する。下側テーパ部117及び上側テーパ部119は、リリーフ弁部材510の軸線O1に対して所定角度で傾斜している環状のテーパ面を呈する。
本実施形態では、リリーフ弁座115近傍のデリバリ通路154は、径方向外側に窪む環状の凹部116が形成されている。そのため、燃料は第1テーパ部512、第2テーパ部513及び下側テーパ部117に沿って、デリバリ通路側開口514と離れる径方向外側へ流れやすくなり、燃料中に含まれる異物はデリバリ通路側開口514に入り難くなる。このため、異物がオリフィス515の中に入ることを抑制することができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態による高圧ポンプを図10及び図11に示す。第5実施形態では、定残圧弁部材の配置、リリーフ弁部材、及び、吐出弁部材が第1実施形態と異なる。ここでは、第1実施形態と異なっている部分のみを説明し、第1実施形態と同様の構成についての説明を割愛する。また、同様の構成部分については同一の符号を付す。
本実施形態では、図10に示すように、ポンプボディ11の吐出口164側に設けられている吐出弁400は、吐出筒部14を弁ボディとし、吐出弁部材450、規制部材43、スプリング44などを備える。
規制部材43は、筒状に形成され、吐出筒部14の吐出通路141の内壁に固定されている。吐出弁部材450は、吐出通路141内の規制部材43と吐出弁座114との間に吐出弁座114に着座可能に収容される。スプリング44は、一方の端部が規制部材43に接し、他方の端部が吐出弁部材450に接している。スプリング44は吐出弁部材450を加圧室161側に付勢する。吐出弁部材450は、スプリング44によって吐出弁座114に着座することで吐出通路141を閉鎖し、吐出弁座114から離座することで吐出通路141を開放する。
図11に示すように、吐出弁部材450が吐出弁座114に着座すると、吐出弁部材450の環状となる当接部506と吐出弁座114とが当接する。吐出弁部材450は、隔離壁453、隔離壁453から吐出弁座114側へ延びる第1筒部451、及び、隔離壁453から規制部材43側へ延びる第2筒部452を有する。隔離壁453は第2筒部452側に突出する円錐形状の突出部454を有し、第2筒部452側に窪む凹部458を有する。ここで、突出部454は吐出弁部材450の当接部506よりも吐出通路141の上流側に位置することが好ましい。円錐形状の突出部454は、第2筒部452側にテーパ部459が形成され、軸方向にオリフィス455を有する。オリフィス455は、第2筒部452側に開口される高圧通路側開口456、及び、凹部458側に開口される低圧通路側開口457を有する。また、高圧通路側開口456は、突出部454の先端に開口されることが好ましい。
ここで、オリフィス455の燃料流路を開放又は遮断する定残圧弁500について説明する。
定残圧弁500は、第1筒部451を弁ボディとし、定残圧弁部材501、支持体502、及びスプリング503を備え、第1筒部451内に収容される。第1筒部451の加圧室161側の端部にはストッパ504が圧入されている。定残圧弁部材501は、凹部458の第1筒部451側の開口に形成される定残圧弁座505に着座可能に設けられる。支持体502は、定残圧弁部材501の加圧室161側に設けられる。支持体502とストッパ504との間にはスプリング503が介在し、このスプリング503の付勢力によって、定残圧弁部材501は定残圧弁座505に着座する。
続いて、本実施形態のリリーフ弁70について説明する。
図10に示すように、リリーフ弁70は第1燃料通路152を形成するポンプボディ11を弁ボディとし、リリーフ弁部材71、付勢部材72、及びプラグ73等を備える。リリーフ弁部材71は、リリーフ弁座115に着座可能に設けられ、デリバリ通路154側に突出部を有する底部からプラグ73側へ延びる筒部を有する。また、付勢部材72はリリーフ弁部材71とプラグ73との間に介在し、リリーフ弁部材71をデリバリ通路154側に付勢する。
本実施形態では、オリフィス455を有する突出部454は、吐出弁部材450の当接部506よりも吐出通路141の上流側に位置する。よって、オリフィス455の高圧通路側開口456は、燃料中の異物が溜まりやすいところよりも上流側に開口される。このため、異物が高圧通路側開口456からオリフィス455の中に入り込むことを抑制することができ、異物によるオリフィス455の詰まり、及び、エミッション悪化を抑制することができる。また、異物が定残圧弁座505と定残圧弁部材501との間に堆積することを抑制することができ、定残圧弁座505と定残圧弁部材501との着座安定性の悪化、及び、定残圧弁部材501の圧力保持力の低下を抑制することができる。
また、高圧通路側開口456は、突出部454の先端に開口する。よって、オリフィス455の高圧通路側開口456は、燃料中の異物が溜まりにくいところに開口される。このため、異物が高圧通路側開口456からオリフィス455の中に入り込むことを抑制することができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態による高圧ポンプの一部を図12に示す。第6実施形態では、吐出弁部材の突出部の形状が第5実施形態と異なる。ここでは、第5実施形態と異なっている部分のみを説明し、第5実施形態と同様の構成についての説明を割愛する。また、同様の構成部分については同一の符号を付す。
本実施形態では、図12に示すように、隔離壁453の第2筒部452側に突出する突出部464は、第2筒部452側に円錐側面部461、流体衝突部462、テーパ部463を有する。円錐側面部461は、吐出弁部材460の軸線O6を中心とする円錐の側面を呈する。流体衝突部462は、円錐側面部461の径方向外側に形成され、円錐側面部461と接することで、流体の流れ方向に窪む環状の収容凹部464を形成する。テーパ部463は、吐出弁部材460の軸線O6に対して傾斜する環状テーパ面を呈し、流体衝突部462の径方向外側に形成される。
本実施形態の場合、オリフィス465の高圧通路側開口466は、円錐の側面である円錐側面部461の円錐頂点近傍に開口され、吐出弁部材460の軸心O6の上に形成される。また、吐出弁部材460の高圧通路側開口466の径方向外側には流体の流れ方向に窪む環状の収容凹部464が形成される。
本実施形態の構成により、流体中の異物は吐出弁部材460の収容凹部464に堆積する。そのため、異物が吐出弁座114に着座している吐出弁部材460と吐出弁座114とが当接する環状となる当接部506の近傍に堆積することを抑制することができる。したがって、異物が吐出弁部材460と吐出弁座114との間に挟まれることを抑制することができる。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態による高圧ポンプの一部を図13に示す。第7実施形態では、吐出弁部材の突出部の形状、及び、オリフィスの形状が第5実施形態と異なる。ここでは、第5実施形態と異なっている部分のみを説明し、第5実施形態と同様の構成についての説明を割愛する。また、同様の構成部分については同一の符号を付す。
本実施形態では、図13に示すように、吐出弁部材470の隔離壁453の第2筒部452側に突出する突出部474は円錐台形状であり、突出部474の第2筒部452側に平面部471、及びテーパ部472を有する。オリフィス475の高圧通路側開口476は、低圧通路側開口477よりも小径である。
本実施形態では、オリフィス475の高圧通路側開口476を、低圧通路側開口477より小径にすることで、加工精度を緩和し生産性を向上させることができる。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態による高圧ポンプの一部を図14に示す。第8実施形態では、吐出弁部材の突出部の近傍の形状が第5実施形態と異なる。ここでは、第5実施形態と異なっている部分のみを説明し、第5実施形態と同様の構成についての説明を割愛する。また、同様の構成部分については同一の符号を付す。
本実施形態では、図14に示すように、吐出弁部材480の隔離壁483の第2筒部452側に突出する突出部484は円錐形状であり、突出部484の第2筒部452側には側面として第1テーパ部487が形成される。第2筒部452の内壁には、隔離壁483と接するところで、第1テーパ部487と対向する環状の第2テーパ部486が形成される。ここで、第1テーパ部487と第2テーパ部486とによって、オリフィス455の高圧通路側開口456の近傍は、渦流を生成する形状を有する。なお、第2テーパ部は特許請求範囲における「環状のテーパ部」に相当する。
本実施形態の構成により、燃料は径方向外側へ流れやすくなり、燃料中に含まれる異物は高圧通路側開口456に入り難くなる。このため、異物がオリフィス455の中に入ることを抑制することができる。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
1:燃料供給システム、4:デリバリパイプ、10:高圧ポンプ、11:ポンプボディ(ハウジング)、161:加圧室、12:プランジャ、32:吸入弁部材、33:吸入弁座、42、450、460、470、480:吐出弁部材、114:吐出弁座、510、520、530:リリーフ弁部材、115:リリーフ弁座、514、524、534:デリバリ通路側開口(高圧通路側開口)、515、525、535、455、465、475:オリフィス、519、505:定残圧弁座、531、501:定残圧弁部材。

Claims (10)

  1. 往復移動可能なプランジャと、
    前記プランジャの往復移動により燃料が加圧又は減圧される加圧室、この加圧室と燃料入口とを連通する供給通路、及び前記加圧室と燃料出口とを連通する吐出通路を有するハウジングと、
    前記供給通路の内壁に設けられた吸入弁座に着座可能に設けられ、前記燃料入口側から前記加圧室側への燃料の流れを許容し、前記加圧室側から前記燃料入口側への燃料の流れを規制する吸入弁部材と、
    前記吐出通路の内壁に設けられた吐出弁座に着座可能に設けられ、前記加圧室側から前記燃料出口側への燃料の流れを許容し、前記燃料出口側から前記加圧室側への燃料の流れを規制する吐出弁部材と、
    前記吐出弁部材を迂回して前記吐出弁座よりも前記燃料出口側の高圧通路と前記吐出弁座よりも前記加圧室側の低圧通路とを連通するリリーフ通路の内壁に設けられたリリーフ弁座に着座可能に設けられ、前記高圧通路と前記低圧通路とを連通するオリフィスを有し、前記高圧通路から前記低圧通路への燃料の流れを許容し、前記低圧通路から前記高圧通路への燃料の流れを規制するリリーフ弁部材と、
    前記リリーフ弁部材に設けられた定残圧弁座に着座可能に設けられ、前記定残圧弁座から離座し前記オリフィスの燃料流路を開放することで前記高圧通路側から前記低圧通路側への燃料の流れを許容し、前記定残圧弁部材が前記定残圧弁座に着座し前記オリフィスの燃料流路を遮断することで前記低圧通路側から前記高圧通路側への燃料の流れを規制する定残圧弁部材と、
    を備え、
    前記リリーフ弁部材は、前記リリーフ弁座に当接する当接部よりも前記高圧通路側に位置する突出部を有し、当該突出部に前記オリフィスが形成されており、
    前記オリフィスの高圧通路側開口が、前記リリーフ弁座を形成する面の高圧通路側の端部より高圧通路側に位置するよう形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。
  2. 前記オリフィスの高圧通路側開口は前記突出部の先端に開口されることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
  3. 前記リリーフ弁部材の前記高圧通路側開口の径方向外側には、流体の流れ方向に窪む環状の収容凹部が形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の高圧ポンプ。
  4. 前記オリフィスの前記高圧通路側開口は、低圧通路側開口よりも小径であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  5. 前記高圧通路の前記リリーフ弁座近傍の内壁には、径方向外側に窪む環状の凹部が形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  6. 往復移動可能なプランジャと、
    前記プランジャの往復移動により燃料が加圧又は減圧される加圧室、この加圧室と燃料入口とを連通する供給通路、及び前記加圧室と燃料出口とを連通する吐出通路を有するハウジングと、
    前記供給通路の内壁に設けられた吸入弁座に着座可能に設けられ、前記燃料入口側から前記加圧室側への燃料の流れを許容し、前記加圧室側から前記燃料入口側への燃料の流れを規制する吸入弁部材と、
    前記吐出通路の内壁に設けられた吐出弁座に着座可能に設けられ、前記吐出弁座よりも前記燃料出口側の高圧通路と前記吐出弁座よりも前記加圧室側の低圧通路とを連通するオリフィスを有し、前記加圧室側から前記燃料出口側への燃料の流れを許容し、前記燃料出口側から前記加圧室側への燃料の流れを規制する吐出弁部材と、
    前記吐出弁部材を迂回して前記高圧通路と前記低圧通路とを連通するリリーフ通路の内壁に設けられたリリーフ弁座に着座可能に設けられ、前記高圧通路から前記低圧通路への燃料の流れを許容し、前記低圧通路から前記高圧通路への燃料の流れを規制するリリーフ弁部材と、
    前記吐出弁部材に設けられた定残圧弁座に着座可能に設けられ、前記定残圧弁座から離座し前記オリフィスの燃料流路を開放することで前記高圧通路側から前記低圧通路側への燃料の流れを許容し、前記定残圧弁部材が前記定残圧弁座に着座し前記オリフィスの燃料流路を遮断することで前記低圧通路側から前記高圧通路側への燃料の流れを規制する定残圧弁部材と、
    を備え、
    前記吐出弁部材は、前記吐出弁座に当接する当接部よりも前記高圧通路側に位置する突出部を有し、当該突出部に前記オリフィスが形成されており、
    前記オリフィスの高圧通路側開口が、前記吐出弁座を形成する面の高圧通路側の端部より高圧通路側に位置するよう形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。
  7. 前記オリフィスの高圧通路側開口は前記突出部の先端に開口されることを特徴とする請求項6に記載の高圧ポンプ。
  8. 前記吐出弁部材の前記高圧通路側開口の径方向外側には、流体の流れ方向に窪む環状の収容凹部が形成されることを特徴とする請求項6又は7に記載の高圧ポンプ。
  9. 前記オリフィスの前記高圧通路側開口は、低圧通路側開口よりも小径であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  10. 前記吐出弁部材の前記高圧通路側開口近傍は、前記突出部の側面と対向する環状のテーパ部を有することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
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