JP2010156254A - 高圧ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の圧力調節機能を備える高圧ポンプを提供する。
【解決手段】ハウジング本体11は、プランジャ31の往復移動によって燃料を加圧する加圧室14、高圧燃料を吐出する吐出通路19、この吐出通路19と加圧室14とを連通するリターン通路20を有する。リリーフ弁80は、リリーフ用弁座85に離座および着座することでリターン通路20を開閉する。リリーフ用スプリング83は、リリーフ弁ニードル82を閉弁方向へ付勢している。定残圧弁90は、リリーフ弁ニードル82の有する内側通路821に設けられ、定残圧用弁座98に離座または着座することで内側通路821を開閉する。定残圧用スプリング93は、定残圧弁ボール91を閉弁方向へ付勢している。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関(以下、「エンジン」という)に用いられる高圧ポンプに関する。
従来、燃料タンクから低圧ポンプで汲み上げた燃料を、シリンダに往復移動自在に支持されたプランジャによって加圧し、燃料レールへ吐出する高圧ポンプが知られている。燃料レールに備蓄された高圧燃料は、燃料レールに接続されるインジェクタから各気筒内に噴射される。
このような高圧ポンプでは、吐出量を調節する調量弁部に故障等が生じると、燃料レール内の燃料圧力が高圧となり、インジェクタを適切に動作させることが困難になることがある。
このため、特許文献1では、燃料レール内の燃料圧力がこのような高圧となるときに開弁するリリーフ弁を高圧ポンプ内に設けている。
しかし、燃料レール内の燃料圧力が上記のような高圧にならない場合であっても、次のような不具合が懸念される。
(1)エンジンを停止した場合における燃料レール内の燃料圧力の上昇による不具合
イグニッションOFFなどによりエンジンを停止すると、エンジン冷却水の循環がなくなる。このため、エンジンルームの温度は、エンジン停止直後から一定の期間上昇し、その後、下降する。これにより、燃料レール内の圧力も、エンジン停止直後から一定の期間上昇し、その後、下降する。このような燃料レール内の圧力の上昇は、インジェクタから気筒内へ燃料漏れを生じさせることにつながる。この結果、次回のエンジン始動時に、気筒内へ漏れ出した燃料蒸気が点火前の未燃焼成分として大気中へ排出されてしまうおそれがある。
(2)エンジンの運転中における燃料レール内の燃料圧力の維持による不具合
エンジンの運転中にアクセルペダルの踏み込みを中断すると、インジェクタからの燃料噴射が停止するとともに、高圧ポンプから燃料レールへの燃料の供給が停止する。このとき、燃料レール内の圧力は維持される。その後、再びアクセルペダルが踏み込まれると、インジェクタへの通電を制御したとしても、インジェクタから気筒内への燃料噴射量が大きくなってしまうことがある。このような必要以上の燃料噴射は、燃費の悪化や加速移行時のショックにつながるおそれがある。
上述した(1)、(2)の不具合は、燃料レール内の燃料圧力の上昇、または、高圧維持によるものであるが、このような場合、燃料レール内の燃料圧力を下げすぎてしまうと、次のような不具合が懸念される。
(3)高温再始動時における燃料レール内の燃料圧力の下降による不具合
エンジン停止後、例えば数十分というような時間が経過した後にエンジンを再始動する高温再始動時に、燃料レール内の燃料圧力が蒸気圧近くまで下降すると、ベーパが発生し、始動性能が悪化するおそれがある。
(4)アイドリングストップ後の再始動時における燃料レール内の燃料圧力の下降による不具合
ハイブリッドシステムなどにおけるアイドリングストップ後の再始動時にも、燃料レール内の燃料圧力が下降しすぎると、インジェクタから噴射される燃料の微粒化が悪化することで再始動性能が悪化するおそれがある。
特開2004−138062号公報
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の圧力調節機能を備える高圧ポンプを提供することにある。
上述した課題を解決するため、請求項1に係る発明によると、ハウジング本体は、プランジャの往復移動によって燃料を加圧する加圧室、この加圧室で加圧された高圧燃料を吐出口から吐出する吐出通路、この吐出通路と加圧室とを連通するリターン通路を有する。第1弁体は、第1弁座に離座および着座することでリターン通路を開閉する。第1付勢手段は、吐出通路の燃料圧力が第1圧力未満のとき第1弁体が第1弁座へ離座するように、第1弁体を閉弁方向へ付勢している。
第1弁体は、第1弁体よりも吐出通路側のリターン通路と第1弁体よりも加圧室側のリターン通路とを連通する内側通路を内部に有している。この第1弁体の内側通路に設けられる第2弁体は、第2弁座に離座および着座することで流体通路を開閉する。第2付勢手段は、吐出通路の燃料圧力が第2圧力未満のとき第2弁体が第2弁座へ着座するように、第2弁体を閉弁方向へ付勢している。
吐出通路の燃料圧力が第1圧力以上になると、第1弁体は第1弁座から離座することでリターン通路を開放する。また、吐出通路の燃料圧力が第2圧力以上となると、第2弁体は第2弁座から離座することで第1弁体内の内側通路を開放する。内側通路の開放によってリターン通路が開放する。第1弁体内の有する内側通路に第2弁体を設け、それぞれ異なる機能を有する第1弁体と第2弁体は、一体で構成されている。このため、ハウジング内の限られたスペースにおいて、第1弁体、第1付勢手段、または、第2弁体、第2付勢手段の大きさ等、設計の自由度を向上することができる。さらに、第1弁体と第2弁体を一体で構成した圧力調整弁を高圧ポンプに適用することで、高圧ポンプの体格を小さくすることができる。
上述した第1圧力は、任意の所定圧として設定されるものである。ここで、請求項2に記載の発明では、第1圧力を、吐出通路から燃料レールを経由して接続されるインジェクタが適切に動作する圧力より大きい所定圧に設定することが例示される。これにより、高圧ポンプの適用される燃料供給系において、高圧ポンプの吐出量を調節する調量弁部に故障等が生じた場合であっても、燃料レールの燃料圧力をインジェクタを適切に動作させる圧力に低下させ、インジェクタの適切な動作を保障することができる。
第2圧力もまた任意の所定圧として設定されるものである。ここで、請求項3に記載の発明では、第2圧力を、第1圧力より小さく、吐出通路から接続される燃料レール内の燃料圧力が燃料の飽和蒸気圧より大きい所定圧(以下、「定残圧」という)に設定することが例示される。これにより、エンジン停止時に燃料レールの燃料圧力を低下させ、燃料レールの接続するインジェクタから各気筒への燃料漏れを抑制することができる。この結果、気筒内へ漏れ出した燃料蒸気が、次回のエンジン始動時に、点火前の未燃焼成分として大気中へ排出されてしまうことを抑制することができる。
また、エンジンの運転中にアクセルペダルの踏み込みを中断する燃料噴射停止時に燃料レールの燃料圧力を低下させることで、再加速におけるインジェクタから気筒内への燃料噴射量を適正にし、燃費の悪化や加速移行時のショックを抑制することができる。
燃料レール内の燃料圧力が低下して定残圧より小さくなると、第2弁体が第2弁座へ着座することで、第1弁体内の内側通路を閉塞する。このため、エンジン停止時および燃料噴射停止時のベーパの発生を抑制し、高温再始動時における始動性能を向上することができる。
請求項4に係る発明によると、第1弁体は、第2弁座よりも吐出通路側の内側通路にオリフィスを設けている。プランジャが往復移動することで加圧室の燃料を加圧し、吐出通路から吐出する高圧ポンプの作動時においても、第2弁体が第2弁座から離座することで、高圧燃料の一部は、吐出通路からリターン通路および第1弁体の内側通路を経由して加圧室へ戻される。オリフィスが内側通路を流れる燃料の流量を調節することで、第2弁体の動作によるポンプ効率の低下を抑制することができる。特に、エンジンの低速運転時および始動時には、プランジャの往復周期が長くなることで、加圧行程の繰り返し周期が長くなる。このため、オリフィスを設けることで、ポンプ効率の低下を抑制することが望ましい。
請求項5に係る発明によると、第1付勢手段は、一端が第1弁体の径外方向に設けられるフランジ部に係止され、他端がリターン通路に設けられる係止部に係止される。第1付勢手段を、ハウジング内において広いスペースを確保可能な第1弁体の径外方向に配置することで、軸方向の長さおよび径の大きさについて、第1付勢手段の設計の自由度を向上することができる。
請求項6に係る発明によると、第1弁体は、径外方向の外壁に面取り部を形成し、この面取り部とリターン通路を形成するハウジング本体の内壁との間に燃料を流通させる。燃料レール内の燃料圧力が第1圧力以上となるときに燃料圧力を低下させる機能を第1弁体の径外側に配置することで、燃料圧力に適する第1弁体の設計の自由度を向上することができる。さらに、第1弁体の内側通路に設けられる第2弁体および第2付勢手段の設計の自由度を向上することができる。
請求項7に係る発明によると、リターン通路は、吐出通路と燃料通路とを連通する。リターン通路を比較的低圧の燃料通路に接続することで、吐出通路から接続される燃料レールの燃料圧力を迅速に減圧することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の高圧ポンプを図1−図7示す。高圧ポンプ10は、例えば直噴型のガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンのインジェクタに燃料を供給する燃料供給ポンプである。
図2に示すように、高圧ポンプ10は、ハウジング本体11を中心に構成されている。このハウジング本体11は、例えばマルテンサイト系のステンレスなどで形成されている。ハウジング本体11の一方向(図中では上方)に、カバー12が取り付けられている。これにより、ハウジング本体11とカバー12との間に燃料室13が形成される。燃料室13の反対側には、プランジャ部30が構成されている。また、燃料室13とプランジャ部30の配列方向に直交する方向に、調量弁部50、吐出弁部70および圧力調整部101が構成されている。燃料室13には、燃料ポンプによって燃料タンクから燃料が供給される(燃料ポンプおよび燃料タンクは不図示)。燃料室13に供給された燃料は、調量弁部50を経由し、ハウジング本体11の中央付近の加圧室14を経由して、吐出弁部70からインジェクタが接続される燃料レール(不図示)へ圧送される。
次に、プランジャ部30、調量弁部50、吐出弁部70、および、圧力調整部101の構成について、順に説明する。
最初にプランジャ部30について説明する。
プランジャ部30は、プランジャ31、プランジャ支持部32、オイルシール33、ロアシート34、リフター35、および、プランジャスプリング36等を備えている。
上述のハウジング本体11は、内部にシリンダ15を形成している。シリンダ15は、プランジャ31を軸方向へ往復移動可能に支持している。シリンダ15の一端側に加圧室14が形成されている。ハウジング本体11のシリンダ15側の端部には、プランジャ支持部32が配置されており、シリンダ15と共にプランジャ31を往復移動可能に支持している。プランジャ支持部32は、内部に、加圧室14からエンジンへの燃料漏れを防止する燃料シール37を有している。また、プランジャ支持部32は、加圧室14とは反対側の端部に、エンジン内から加圧室14へのオイルの浸入を防止するオイルシール33を有している。
加圧室14とは反対側のプランジャ31の端部にはロアシート34が取り付けられている。ロアシート34とハウジング本体11との間には、プランジャスプリング36が配置されている。
ロアシート34は、有底円筒状のリフター35の底部の内壁と当接している。リフター35の下方にはカムシャフトに取り付けられたカム(カムシャフトおよびカムはいずれも不図示)が当接している。カムシャフトの回転によりカムプロフィールに応じてリフター35が軸方向に往復移動する。これに伴い、プランジャ31が軸方向に往復移動する。プランジャスプリング36は、プランジャ31の戻しバネであり、リフター35をカム面に当接させる方向へ付勢している。
次に、調量弁部50について説明する。
調量弁部50は、ハウジング本体11に形成される筒部17、筒部17の開口を覆う弁部カバー52、コネクタ53、および、コネクタハウジング54等を備えている。
筒部17は、略円筒状に形成され、内部に燃料流路18、および、この燃料流路18と燃料室13とを連通する連通路16を形成している。筒部17と弁部カバー52と間にはゴムシール55が設けられており、燃料流路18からの燃料漏れを防止している。燃料流路18には、略円筒状のシートボデー56が配置されている。シートボデー56の外周と筒部17の内壁との間は、ゴムシール57によってシールされている。これにより、シートボデー56の内部を燃料が通過する。
シートボデー56の内部には、吸入弁58が配置されている。吸入弁58は、円板状の底部59と円筒状の壁部60とで構成されている。底部59と壁部60とによって形成される内部空間には、スプリング61が収容されている。スプリング61は、一端を吸入弁58よりも加圧室14側に配置される係止部62に係止されている。係止部62は、シートボデー56の内壁に取り付けられたスナップリング63により、ハウジング本体11に係止されている。
吸入弁58の底部59には、ニードル64が当接している。ニードル64は、弁部カバー52を貫通し、コネクタ53の内部まで延びている。コネクタ53は、コイル65と、このコイル65へ通電するための端子51とを有している。コイル65の内周側には、所定位置に保持される固定コア66、可動コア68およびスプリング67が配置されている。ニードル64は、可動コア68に溶接固定され、一体となっている。スプリング67は、一端を固定コア66に係止され、他端を可動コア68に係止され、可動コア68を固定コア66から離間する方向へ付勢している。
上述した構成により、コネクタ53の端子51を介してコイル65に通電が行われると、コイル65の発生する磁束によって固定コア66と可動コア68との間に磁気吸引力が発生し、可動コア68が固定コア66側へ移動する。これによりニードル64は、加圧室14から離れる方向へ移動する。このとき、ニードル64は、吸入弁58の移動を規制しない。このため、吸入弁58の底部59はシートボデー56の座部69に着座可能となり、吸入弁58の底部59がシートボデー56の座部69に着座することで、燃料流路18と加圧室14とが遮断される。
一方、調量弁部50に通電が行われないと、磁気吸引力は発生せず、スプリング67の付勢力によって、可動コア68およびニードル64が固定コア66から離間する方向へ移動する。ニードル64は、吸入弁58を加圧室14側へ移動する。これにより、吸入弁58の底部59は座部69から離座することで、燃料流路18と加圧室14とが連通する。
なお、燃料室13、連通路16、および、燃料流路18は、特許請求の範囲に記載の燃料通路に相当する。
次に、吐出弁部70について説明する。
吐出弁部70は、図1に示すように、吐出弁ニードル71、スプリング72、係止部73、および、吐出口74等を備えている。吐出弁ニードル71、スプリング72、および、係止部73は、ハウジング本体11に形成された円筒状の吐出通路19内に収容されている。
吐出弁ニードル71は、有底筒状に形成され、内部に内部通路75を形成している。また、吐出弁ニードル71は、吐出弁ニードル71の外部から内部通路75へ燃料を流通させる内部通路76を、軸方向と直交する方向に形成している。
吐出弁ニードル71は、加圧室14側の端部に吐出弁シート78を形成している。吐出弁シート78は、吐出通路19を形成するハウジング本体11の内壁の円錐面に形成された吐出用弁座79に着座および離座可能である。
係止部73は、筒状に形成され、吐出弁ニードル71の吐出口74側で、吐出通路19に圧入等により固定されている。係止部73は、内径が大きい薄肉部731と、内径の小さい厚肉部732とから構成され、薄肉部731と厚肉部732とによって内側に段差部733が形成されている。係止部73の薄肉部731は、吐出弁ニードル71を軸方向へ往復移動可能に支持している。吐出弁ニードル71は、段差部733へ当接することで、軸方向の可動範囲を制限されている。スプリング72は、一端を係止部73の段差部733に係止され、他端を吐出弁ニードル71の内部に形成された段差部77に係止され、吐出弁ニードル71を係止部73から離間する方向へ付勢している。
上述した構成により、吐出弁ニードル71の加圧室14側の端部が加圧室14側の燃料から受ける力(F1)が、スプリング72の付勢力(F2)と吐出弁ニードル71の吐出口74側の面が吐出用弁座79よりも吐出口74側の燃料から受ける力(F3)との和よりも小さいとき、吐出弁ニードル71の吐出弁シート78が吐出用弁座79に着座することで、加圧室14と吐出通路19とが遮断される。
一方、加圧室14の燃料圧力が上昇し、吐出弁ニードル71の加圧室14側の端部が加圧室14側の燃料から受ける力(F1)が、スプリング72の付勢力(F2)と吐出弁ニードル71の吐出口74側の面が吐出用弁座79よりも吐出口74側の燃料から受ける力(F3)との和よりも大きいとき、吐出弁ニードル71の吐出弁シート78が吐出用弁座79から離座することで、加圧室14と吐出通路19とが連通する。このため、吐出通路19へ流入した燃料は、吐出弁ニードル71の内部通路76、75、および、係止部73の内側を経由して吐出口74から吐出される。これにより、吐出弁部70は、加圧室14において加圧された燃料の吐出を断続する逆止弁として機能する。
次に、圧力調整部101について説明する。
圧力調整部101は、図1、図3−図5に示すように、リリーフ弁80および定残圧弁90から構成される圧力調整弁100を備えている。
圧力調整部101には、リターン通路20が形成されている。リターン通路20は、一方を吐出用弁座79よりも吐出口74側の吐出通路19と連通し、他方を加圧室14と連通している。リターン通路20は、吐出通路19側から順に形成された第1リターン通路21、第2リターン通路22、第3リターン通路23、および、第3リターン通路23と加圧室14と連通する第4リターン通路24から構成されている。各リターン通路21、22、23、24は円筒状に形成されている。また、第2リターン通路22は第1リターン通路21より径が大きく形成され、第3リターン通路23は、第2リターン通路22より径が大きく形成されている。第1リターン通路21と第2リターン通路22との間の円錐面にはリリーフ用弁座85が設けられている。
リリーフ弁80は、リリーフ弁ニードル82、リリーフ用スプリング83、および、リリーフ用ストッパ84等を備えている。リリーフ弁ニードル82、リリーフ用スプリング83、および、リリーフ用ストッパ84は、ハウジング本体11に形成されたリターン通路20に収容されている。
リリーフ弁ニードル82、リリーフ用スプリング83、リリーフ用ストッパ84、および、リリーフ用弁座85は、それぞれ特許請求の範囲に記載の第1弁体、第1付勢手段、係止部、および、第1弁座に相当する。
リリーフ弁ニードル82は、略円筒状に形成された筒部86と、筒部86の吐出弁部70側で筒部より外径を小さく形成された小径部87と、筒部86の中間で径外方向に突出して形成されたフランジ部88とから構成されている。筒部86の外径は第2リターン通路22の径より僅かに小さく形成され、フランジ部88の外径は第3リターン通路23の外径より僅かに小さく形成されている。このため、リリーフ弁ニードル82は、第2リターン通路22および第3リターン通路23を軸方向に摺動可能である。小径部87の外壁には、リリーフ用弁座85に着座および離座可能なリリーフ用弁シート89が設けられている。
筒部86の径外方向の外壁には、軸方向に延びる面取り部861が形成されている。面取り部861は、筒部86の径外方向の外壁に2か所形成され、筒部86と第2リターン通路22を形成するハウジング本体11の内壁との間に燃料を流通させている。また、フランジ部88の径外方向の外壁には、軸方向に延びる面取り部881が形成され、フランジ部88と第3リターン通路23を形成するハウジング本体11の内壁との間に燃料を流通させている。
リリーフ用スプリング83はリリーフ弁ニードル82の径外側に設置されている。リリーフ用スプリング83は、一端をリリーフ弁ニードル82のフランジ部88に係止され、他端をリリーフ用ストッパ84に係止され、リリーフ弁ニードル82を吐出弁部70側に付勢している。リリーフ用スプリング83の付勢力は、高圧ポンプ10が適用される燃料供給系において、吐出用弁座79よりも吐出口74側の燃料の圧力が、吐出口から燃料レールを経由して接続するインジェクタが適切に動作するよりも大きい所定圧力以上になるとき、リリーフ弁ニードル82がリリーフ用弁座85から離座するように設定されている。リリーフ用ストッパ84は、第3リターン通路23の吐出弁部70とは反対側に形成されたねじ穴26に、スペーサ842を介して固定されている。リリーフ用ストッパ84にはリリーフ弁ニードル82側へ延びるストッパ部841が形成されている。ストッパ部841は、リリーフ弁ニードル82の吐出弁部70とは反対側の端部と当接することで、リリーフ弁ニードル82の可動範囲を制限している。
リリーフ弁ニードル82の内部には、内側通路821が形成されている。内側通路821は、吐出弁部70側の第1内側通路822と、この第1内側通路822より径の大きい第2内側通路823から構成されている。第1内側通路822と第2内側通路823との間の円錐面には定残圧用弁座98が設けられている。
リリーフ弁ニードル82の第1内側通路822には、オリフィス81が設けられ、通路断面積を小さくしている。この通路断面積を設定することで、第1リターン通路21から内側通路821を経由して、第3リターン通路23へ流れる燃料の流量が調節される。
定残圧弁90は、定残圧弁ボール91、ボール保持部92、定残圧用スプリング93、および、定残圧用ストッパ94を備え、リリーフ弁ニードル82の内部に形成された内側通路821に収容されている。
定残圧弁ボール91、定残圧用弁座98、および、定残圧用スプリング93は、それぞれ特許請求の範囲に記載の第2弁体、第2弁座、および、第2付勢手段に相当する。
定残圧弁ボール91は、球状に形成され、定残圧用弁座98に着座および離座可能である。定残圧弁ボール91の定残圧用弁座98とは反対側に設置される略円柱状のボール保持部92は、外径を第2内側通路823の内径より僅かに小さく形成され、第2内側通路823を軸方向へ往復移動可能である。ボール保持部92は、定残圧弁ボール91側の凹曲面に形成された端部により、定残圧弁ボール91の揺動を抑制している。また、ボール保持部92は、加圧室側の燃料圧力を、定残圧弁ボール91とは反対側の平面状に形成された端部に受ける。
ボール保持部92の径外方向の外壁には、軸方向に延びる面取り部921が形成されている。面取り部921は、ボール保持部92の径外方向の外壁に3か所形成されており、ボール保持部92と第2内側通路823を形成するリリーフ弁ニードル82の内壁との摺動摩擦を低減している。
定残圧用スプリング93は、一端がボール保持部92に係止され、他端が定残圧用ストッパ94に係止され、ボール保持部92および定残圧弁ボール91を定残圧用弁座98側へ付勢している。定残圧用スプリング93の付勢力は、高圧ポンプが適用される燃料供給系において、高圧ポンプが燃料レールを経由して接続するインジェクタの適切に作動する圧力以下で燃料の飽和蒸気圧力より大きい所定圧としての定残圧以上になるとき、定残圧弁ボール91が定残圧用弁座98から離座するように設定されている。
定残圧用ストッパ94は、第2内側通路823に圧入等により固定されている。定残圧用ストッパ94は、軸方向に内部通路99を形成し、内側通路821と第3リターン通路23とを連通している。
上述した構成により、リリーフ弁ニードル82の吐出弁部70側の端部が吐出弁部70側の燃料から受ける力(F4)が、リリーフ用スプリング83の付勢力(F5)とリリーフ弁ニードル82の吐出弁部70とは反対側の面が加圧室14側の燃料から受ける力(F6)との和より小さいとき、リリーフ用弁シート89がリリーフ用弁座85に着座することで、吐出用弁座79よりも吐出口74側の吐出通路19と加圧室14とが遮断される。
一方、吐出用弁座79よりも吐出口74側の燃料の圧力が高圧となり、リリーフ弁ニードル82の吐出口74側の端部が吐出口74側の燃料から受ける力(F4)が、リリーフ用スプリング83の付勢力(F5)とリリーフ弁ニードル82の加圧室14側の面が加圧室14側の燃料から受ける力(F6)との和よりも大きくなると、リリーフ用弁シート89がリリーフ用弁座85から離座することで、吐出通路19と加圧室14とが連通する。このため、吐出弁部70から加圧室14へ燃料が流入する。
また、吐出用弁座79よりも吐出口74側の燃料の圧力が定残圧以上であり、定残圧弁ボール91の吐出口74側の端部が吐出口74側の燃料から受ける力(F7)が、定残圧用スプリング93の付勢力(F8)とボール保持部92の加圧室14側の面が加圧室14側の燃料から受ける力(F9)との和よりも大きくなると、定残圧弁ボール91が定残圧用弁座98から離座することで、リリーフ弁ニードル82の内側通路821が開放する。このため、吐出弁部70と加圧室14とが連通し、吐出通路19から加圧室14へ燃料が流入する。
そして、吐出用弁座79よりも吐出口74側の燃料の圧力が定残圧より小さくなり、定残圧弁ボール91の吐出口74側の端部が吐出口74側の燃料から受ける力(F7)が、定残圧用スプリング93の付勢力(F8)とボール保持部92の加圧室14側の面が加圧室14側の燃料から受ける力(F9)との和より小さくなると、定残圧弁ボール91が定残圧用弁座98に着座することで、内側通路821が閉塞され、吐出用弁座79よりも吐出口74側の吐出通路19と加圧室14とが遮断される。
次に、高圧ポンプ10の作動について説明する。
(1)吸入行程
プランジャ31が図2の下方へ移動するとき、コイル65への通電は停止される。そのため、吸入弁58は、可動コア68およびニードル64を付勢するスプリング67の付勢力によって、加圧室14側へ移動している。このため、吸入弁58は、シートボデー56の座部69から離座することで、燃料室13と加圧室14とが連通する。このとき、加圧室14の圧力は低下するので、燃料室13の燃料は、加圧室14へ吸入される。
(2)戻し行程
プランジャ31が下死点から上死点に向かって上昇をはじめると、加圧室14の燃料が排出され、その動圧を受けて、吸入弁58に、シートボデー56の座部69に着座する方向の力が加わる。しかし、コイル65に通電していないとき、スプリング67の付勢力によって、ニードル64が加圧室14側へ移動している。このため、吸入弁58は、ニードル64によって加圧室14側へ移動したまま、シートボデー56の座部69から離座した状態となる。この結果、加圧室14の燃料は、上述の吸入行程とは逆に、プランジャ31の上昇によって燃料室13へ戻される。
(3)加圧行程
戻し行程の途中でコイル65に通電されると、コイル65に発生した磁界により、固定コア66、コネクタハウジング54、弁部カバー52および可動コア68によって形成される磁気回路に磁束が流れ、固定コア66と可動コア68との間に磁気吸引力が発生する。そして、固定コア66と可動コア68との間の磁気吸引力がスプリング67の付勢力よりも大きくなると、可動コア68は固定コア66側へ移動する。そのため、可動コア68と一体のニードル64も、固定コア66側へ移動する。ニードル64が固定コア66側へ移動すると、吸入弁58とニードル64とが離間する。この結果、吸入弁58は、スプリング61の付勢力および加圧室14から排出された燃料の動圧を受けて、瞬時にシートボデー56の座部69へ着座する。
吸入弁58が座部69に着座することで、燃料室13と加圧室14との間が遮断される。これにより、加圧室14から燃料室13への燃料の戻し行程は終了する。したがって、この遮断のタイミングを調整することにより、加圧室14から燃料室13へ戻される燃料の量が調整され、同時に、加圧室14で加圧される燃料の量が決定されることになる。
加圧室14と燃料室13との間が遮断された状態でプランジャ31がさらに上死点に向けて上昇すると、加圧室14の燃料の圧力は上昇する。加圧室14の燃料の圧力が所定の圧力以上になると、上述したように、吐出弁部70の吐出弁ニードル71が吐出用弁座79から離座し、加圧室14と吐出通路19とが連通する。これにより、加圧室14で加圧された燃料は吐出口74から吐出される。
プランジャ31が上死点まで移動すると、プランジャ31は再び図2の下方へ移動する。これにより、加圧室14の燃料の圧力は低下する。このため、吸入弁58は、座部69から離座し、燃料室13から加圧室14へ燃料が流入する吸入行程が行われる。このように、上記(1)から(3)の行程を繰り返すことにより、高圧ポンプ10は吸入した燃料を加圧して吐出する。
なお、加圧室14の燃料の圧力が所定値まで上昇したとき、コイル65への通電は停止される。加圧室14の燃料の圧力が上昇すると、加圧室14側の燃料の圧力によって、吸入弁58は、シートボデー56の座部69に着座したままとなるためである。
次に、本実施形態の高圧ポンプ10をエンジンに適用した場合の作用を説明する。
エンジンを停止したときの燃料レールおよびインジェクタからの燃料漏れ量の関係を図6に示す。時刻T1でエンジンが停止されると、エンジン冷却水が循環しなくなるため、燃料レール内の温度は上昇し、一定期間経過後に下降する。
従来の高圧ポンプを適用したエンジンでは、燃料レール内の燃料圧力は、破線1で示すように、エンジン停止後、燃料レール内の温度の上昇に伴って上昇し、一定期間経過後に下降する。このとき、燃料レールの接続されるインジェクタは、破線3に示すように、エンジン停止直後から燃料漏れを生じ、燃料レール内の燃料圧力の上昇に伴って漏れ量を多くし、一定期間経過後に漏れ量を少なくする。
これに対し、本実施形態の高圧ポンプ10を適用したエンジンでは、定残圧弁の作用によってエンジン停止後に燃料レールの燃料が加圧室へ戻されるので、燃料レール内の燃料圧力は、実線2で示すように、エンジン停止直後から減小する。このとき、インジェクタは、実線4に示すように、エンジン停止直後には微量の燃料漏れを生じるものの、燃料レール内の燃料圧力の減小に伴ってこの漏れ量を少なくする。
次に、エンジンの運転中にアクセルペダルの踏み込みを中断し、再びアイドリング状態にする減速復帰時における燃料レールおよびインジェクタからの燃料噴射量の関係を図7に示す。
時刻T2でアクセルペダルの踏み込みが中断されると、エンジンは、燃料噴射を停止すると共にスロットル開度を小さくする。その後、時刻T3でエンジンはアイドリング状態に移行する。このとき、エンジンはスロットル開度を小さくした状態を維持する。
時刻T2−T3では、インジェクタに印加される駆動パルスは0となる。時刻T3以降、インジェクタの噴射状態をアイドリングに適したものにするため、小さい駆動パルス幅の電圧がインジェクタに印加される。
従来の高圧ポンプを適用したエンジンでは、時刻T2−T3におけるインジェクタからの燃料噴射量が0であるので、燃料レール内の燃料圧力は、破線5で示すように、時刻T2−T3で高圧状態を維持している。この燃料圧力は、時刻T3以降、インジェクタからの燃料噴射によって低下する。時刻T3において、インジェクタの噴孔の開口面積が駆動パルス制御によって小さく開くものの、インジェクタからの燃料噴射量は、燃料レール内の燃料圧力が高圧のため、破線7で示すように、アイドリング運転に必要な噴射量以上の燃料を噴射する。その後、インジェクタからの燃料噴射量は、燃料レール内の燃料圧力の減小に伴って減小する。
これに対し、本実施形態の高圧ポンプ10を適用したエンジンでは、定残圧弁の作用によって燃料レールの燃料が加圧室へ戻されるため、燃料レール内の燃料圧力は、実線6で示すように、時刻T2−T3において減小する。インジェクタからの燃料噴射量は、実線8で示すように、アイドリング運転に必要な噴射量となる。
本実施形態では、吐出用弁座79よりも吐出口74側の吐出通路19の燃料の圧力が、高圧ポンプの適用される燃料供給系においてインジェクタが適切に動作する圧力よりも大きい所定圧力以上となるとき、リリーフ弁ニードル82のリリーフ用弁シート89がリリーフ用弁座85から離座する。このため、吐出通路19と加圧室14とが連通し、吐出口74に接続される燃料レールの燃料圧力が低下する。これにより、調量弁部50に故障等が生じた場合であっても、インジェクタの適切な動作を保障することができる。
吐出用弁座79よりも吐出口74側の燃料の圧力が定残圧以上になると、定残圧弁ボール91が定残圧用弁座98から離座し、リリーフ弁ニードル82の内側通路821が開放する。このため、吐出通路19と加圧室14とが連通し、吐出口74に接続される燃料レールの燃料圧力が低下する。これにより、エンジン停止時および燃料噴射停止時の燃料レールの燃料圧力が低下することで、燃料レールの接続するインジェクタから各気筒への燃料漏れを抑制することができる。さらに、エンジンの運転中にアクセルペダルの踏み込みを中断しているとき、燃料レールの燃料圧力を低下させ、再始動時におけるインジェクタから気筒内への燃料の過剰供給を抑制することができる。
吐出用弁座79よりも吐出口74側の燃料の圧力が定残圧より小さくなるとき、定残圧弁ボール91が定残圧用弁座98に着座し、リリーフ弁ニードル82の内側通路821が閉塞される。このため、吐出通路19と、加圧室14とが遮断される。これにより、エンジン停止時および燃料噴射停止時、燃料レールの燃料圧力を定残圧で維持することで、再始動性を向上することができる。
さらに、本実施形態では、リリーフ弁ニードル82の径外方向の外壁に面取り部861、881を形成し、リリーフ用スプリング83をリリーフ弁ニードル82の径外側に配置している。燃料圧力が所定圧力以上になるときに作動する機能をリリーフ弁ニードル82の径外側に配置し、定残圧で作動する定残圧弁をリリーフ弁ニードル82の内側通路821に配置することで、ハウジング本体内におけるスペースを有効に利用し、リリーフ弁80および定残圧弁の設計の自由度を保つことができる。
また、リリーフ弁ニードル82の第1内側通路822には、オリフィス81が設けられ、プランジャ31をシリンダ15内で往復移動させ加圧室14の燃料を加圧する高圧ポンプの作動時において、吐出弁部70から加圧室14への燃料の戻りを抑制している。このため、プランジャ部30のポンプ効率の低下を抑制することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態の高圧ポンプを図8に示す。第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第2実施形態では、第1リターン通路21にフィルタ40が設けられている。フィルタ40は、フィルタ本体41とフィルタカラー42とから構成されている。フィルタ40は、第3リターン通路23のねじ穴26側から挿入され、第1リターン通路21に圧入等により設置される。
また、ハウジング本体11には、第3リターン通路23と燃料室13とを連通する第5リターン通路25が形成されている。なお、本実施形態では第4リターン通路は形成されていない。
本実施形態では、第1リターン通路21にフィルタ40が設けられていることで、オリフィス81、および、リリーフ用弁シート89とリリーフ用弁座85との間に異物が詰まることを抑制することができる。
また、第5リターン通路25が第3リターン通路23と燃料室13とを連通することで、リリーフ弁80および定残圧弁は、プランジャ31の往復運動に関わらず、吐出口に接続される燃料レールの燃料圧力を迅速に低下させることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態の高圧ポンプを図9に示す。第1、第2実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第3実施形態では、リリーフ弁ニードル82の第1リターン通路21側に形成された凹部43にフィルタ44が設けられている。フィルタ44は、フィルタ本体45とフィルタカラー46とから構成されている。フィルタ40は、凹部43に圧入等により取り付けられる。リリーフ弁ニードル82は、凹部43にフィルタ44を取り付けた後、リターン通路20に設置される。
本実施形態では、リリーフ弁ニードル82にフィルタ44を取り付けた後、このリリーフ弁ニードル82をリターン通路20に設置するので、フィルタ44の組付けを容易にすることができる。また、オリフィス81専用のフィルタ44を設けることで定残圧弁の動作の信頼性を向上することができる。
(他の実施形態)
上述した第1実施形態では、定残圧弁のボール保持部92に面取り部921を形成し、ボール保持部92と第2内側通路823を形成するリリーフ弁ニードル82の内壁との摺動摩擦を低減した。しかし、面取り部921を廃止し、ボール保持部92と第2内側通路823を形成するリリーフ弁ニードル82の内壁との摺動隙間により、内側通路821を流れる流量を調節してもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の形態により実施することができる。
本発明の第1実施形態としての高圧ポンプを示す部分断面図。 本発明の第1実施形態としての高圧ポンプを示す断面図。 本発明の第1実施形態としての高圧ポンプを示す要部断面図。 図3のIV方向から見たリリーフ弁の正面図。 図3のV−V線断面図。 本発明の第1実施形態の高圧ポンプをエンジンに適用したときの燃料レールおよびインジェクタからの燃料漏れ量の関係を示す特性図。 本発明の第1実施形態の高圧ポンプをエンジンに適用したときの燃料レールおよびインジェクタからの燃料漏れ量の関係を示す特性図。 本発明の第2実施形態としての高圧ポンプを示す要部断面図。 本発明の第3実施形態としての高圧ポンプを示す要部断面図。
符号の説明
10:高圧ポンプ、11:ハウジング本体、13:燃料室(燃料通路)、14:加圧室(燃料通路)、16:連通路(燃料通路)、18:燃料流路(燃料通路)、20:リターン通路、30:プランジャ部、70:吐出弁部、71:吐出弁ニードル(吐出弁)、74:吐出口、79:吐出弁用弁座、80:リリーフ弁、81:オリフィス、82:リリーフ弁ニードル(第1弁体)、83:リリーフ用スプリング(第1付勢手段)、85:リリーフ用弁座(第1弁座)、90:定残圧弁、91定残圧弁ボール(第2弁体)、93:定残圧用スプリング(第2付勢手段)、98:定残圧用弁座(第2弁座)、101:圧力調整弁、821:内側通路

Claims (7)

  1. 往復移動可能なプランジャと、
    前記プランジャによって燃料を加圧する加圧室、該加圧室で加圧された高圧燃料を吐出口から吐出する吐出通路、および、該吐出通路と前記加圧室とを連通するリターン通路を有するハウジング本体と、
    前記リターン通路の内壁に設けられる第1弁座に着座することで前記リターン通路を閉塞し、前記第1弁座から離座することで前記リターン通路を開放する第1弁体と、
    前記吐出通路の燃料圧力が第1圧力未満のとき前記第1弁体が前記第1弁座への着座を保持するように、前記第1弁体を閉弁方向へ付勢する第1付勢手段と、
    前記第1弁体よりも前記吐出通路側の前記リターン通路と前記第1弁体よりも前記加圧室側の前記リターン通路とを連通するように前記第1弁体の内部に形成された内側通路に設けられ、前記内側通路を形成する内壁に設けられる第2弁座に着座することで前記内側通路を閉塞し、前記第2弁座から離座することで前記内側通路を開放する第2弁体と、
    前記吐出通路の燃料圧力が前記第1圧力よりも小さい第2圧力未満のとき前記第2弁体が前記第2弁座への着座を保持するように、前記第2弁体を閉弁方向へ付勢する第2付勢手段と、
    を備えることを特徴とする高圧ポンプ。
  2. 前記第1圧力は、前記吐出通路から燃料レールを経由して接続されるインジェクタが適切に動作する燃料圧力より大きい所定圧力に設定されることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
  3. 前記第2圧力は、前記吐出通路から接続される燃料レール内の燃料圧力が燃料の飽和蒸気圧より大きい所定圧力に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の高圧ポンプ。
  4. 前記第1弁体は、前記第2弁座よりも前記吐出通路側の前記内側通路にオリフィスを設けていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  5. 前記第1付勢手段は、一端が前記第1弁体の径外方向に設けられるフランジ部に係止され、他端が前記リターン通路に設けられる係止部に係止されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  6. 前記第1弁体は、径外方向の外壁に面取り部を形成し、前記面取り部と前記リターン通路を形成する前記ハウジング本体の内壁との間に燃料を流通させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  7. 前記リターン通路は、前記吐出通路と前記加圧室とを連通することに代えて、前記吐出通路と前記加圧室よりも前記吐出通路とは反対側の燃料通路とを連通することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
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