JP2018084008A - 極細偏平短繊維及びその水分散体 - Google Patents

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Abstract

【課題】分散性に優れた、繊維径が細く、繊維長が短い極細偏平短繊維およびその水分散体を提供すること。【解決手段】熱可塑性樹脂からなる、繊維長が50〜1500μmの極細偏平短繊維であって、その両端各10%を除いた中心部分の繊維太さが均一でないことを特徴とする極細偏平短繊維。さらには極細偏平繊維の両端各10%を除いた中心部分の太さの最大値D1と、最小値D2の比Xが、1.1以上5.0以下であることや、極細偏平繊維が長さ方向に曲がっていることが好ましい。また、熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂であることや、抽出成分が繊維重量の0.2〜3.0重量%であること、水分率が0.2〜50重量%であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維径が細く、繊維長が短く、分散性に優れた極細偏平短繊維およびその水分散体に関する。
合成繊維等の紡糸された長繊維から短繊維を製造する方法としては、従来紡糸工程にて得られた長繊維からなる繊維束を、ロータリー式カッターやギロチンカッターでカットする手法が知られている。例えば特許文献1では、ナイロン長繊維をギロチンカッターで切断することにより、短繊維状とする技術が開示されている。しかしながらこのようなカッター刃を用いて短繊維とする場合には、繊維長として400μmとのカッターの設備的限界が存在しており、分散性が困難な比較的長い短繊維しか得られないという問題があった。
一方、例えば特許文献2では、熱可塑性ポリマーからなる超極細繊維を出発材料とし、分散媒中に分散させた繊維分散液を粒状化して乾燥する超極細繊維からなる粉体が知られている。しかし得られる粉体は、出発材料こそ繊維形状であるものの最終的には球体に近い形状であり、短繊維補強等の目的にはあまり適合しないものであった。
特開平6−136611号公報 特開2007−77563号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は分散性に優れた、繊維径が細く、繊維長が短い極細偏平短繊維およびその水分散体を提供することにある。
本発明の極細偏平短繊維は、熱可塑性樹脂からなる、繊維長が50〜1500μmの極細偏平短繊維であって、その両端各10%を除いた中心部分の繊維太さが均一でないことを特徴とする。
さらには極細偏平繊維の両端各10%を除いた中心部分の太さの最大値Dと、最小値Dの比Xが、1.1以上5.0以下であることや、極細偏平繊維の繊維長Lと中心平均繊維径Dの比L/Dが、3〜400の範囲内であること、極細偏平繊維が長さ方向に曲がっており、繊維両末端間の実繊維長さを繊維両末端間の直線距離で除した値Pが、1.05以上6.00以下の値であることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂であることや、抽出成分が繊維重量の0.2〜3.0重量%であること、水分率が0.2〜50重量%であることが好ましい。
もう一つの本発明の偏平極細繊維の水分散体は、上記の本発明の極細偏平短繊維を水に分散したことを特徴とする。
本発明によれば、分散性に優れた、繊維径が細く、繊維長が短い極細偏平短繊維およびその水分散体を提供される。
本発明の極細偏平短繊維は、熱可塑性樹脂からなる、繊維長が50〜1500μmの極細偏平短繊維であって、その中心部分の繊維太さが均一でない極細偏平短繊維である。
ここで本発明の極細偏平短繊維を構成する熱可塑性樹脂は、繊維成形性が有れば良く、特に限定されないが、例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、セルロース繊維が挙げられる。その中でも、加工性と焼成温度のバランスの観点から、ポリエステル繊維やナイロン繊維が好ましい。さらに、品質の安定性、物性、価格などの点からポリエステル系ポリマーであることが好ましい。
中でもポリエステル系ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、あるいはこれらに第3成分を含んだものなどが例示される。第3成分としては、カチオン染料可染性アニオン成分、例えば、ナトリウムスルホイソフタル酸;テレフタル酸以外のジカルボン酸、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸;及びアルキレングリコール以外のグリコール化合物、例えばジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールスルフォンの1種以上を挙げることができる。さらにかかるポリエステルとしては、ポリ乳酸などの生分解性を有するポリエステル、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。また、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。さらには、ポリ乳酸やステレオコンプレックスポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルであってもよい。
この本発明にて用いられる繊維形成性の熱可塑性樹脂には、必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
そしてこのような熱可塑性樹脂からなる本発明の極細偏平短繊維は、繊維長が50〜1500μmであり、その両端各10%を除いた中心部分の繊維太さが均一でないことが必要である。
極細偏平短繊維の繊維長である長さLとしては、50〜1500μmであることが必要であるが、好ましくは50〜1300μm、さらには50〜1000μmの範囲であることが好ましい。繊維長Lが50μmよりも小さいと、加工にかかるコストが多大となる。逆に繊維径長Lが1500μmよりも大きいと、分散性の良好な極細偏平短繊維を得ることができない。
この本発明の極細偏平短繊維の太さの絶対値としては、繊維の両末端部分のそれぞれ10%の長さ部分は除き、太さが0.2〜500μmの範囲にあることが好ましく、さらには0.5〜50μm、特には1〜15μmの範囲にあることが好ましい。
また極細偏平短繊維の太さとしては、偏平繊維を上から見て繊維の両末端部分のそれぞれ10%を除いた中心部分における太さが均一でないことが必要である。さらにはその上から見た太さの最大部分をDとし、太さの最小部分をDとした場合、DをDで除したパラメータXが、1.1以上5.0以下であることが好ましい。より好ましくは4.0以下、さらに好ましくは1.2以上3.0以下である。X値が小さすぎて太さが均一な場合、繊維同士の絡み合いが少なくなり、特に構造調整材等に利用した場合に、極細偏平短繊維の脱落が発生しやすい傾向にある。逆にX値が大きすぎる場合は、繊維同士の絡み合いが大きくなり過ぎ、良好な分散性を維持することができない傾向にある。太さの最大部分をDの絶対値としては2〜15μmであることが、太さの最小部分をDの絶対値としては1〜10μmであることが好ましい。なお、ここでD、Dはその長さ方向の位置において観察したときに、繊維軸方向に対して垂直な断面で切断した断面の最大径である。
上記本発明の極細偏平短繊維の繊維長Lと中心平均繊維径Dの比L/Dは3〜400の範囲内であることが好ましい。ただし、極細偏平短繊維における中心平均繊維径Dとは、繊維両末端部分それぞれ10%を除いた中心部分の、繊維軸方向に対して垂直な断面で切断した断面の最大径Dとその直交する径Dの平均値とする。L/Dが小さすぎる場合には、繊維同士の絡み合いが少なく、例えば構造調整材等の目的に利用した場合に、極細偏平短繊維が脱落する傾向が増加する。逆にL/Dが大きすぎる場合には、繊維同士の絡み合いが大きくなり、良好な分散性を維持することができない傾向にある。ここで中心平均繊維長Dの値としては0.5〜200μmの範囲にあることが好ましく、さらには2〜10μmの範囲にあることが好ましい。また繊維の偏平度であるD/Dの値は1より大きい値であれば良く、好ましくは5以下、特には1.05〜2.00の範囲である。
また本発明の極細偏平短繊維は長さ方向に曲がっていることが好ましい。より具体的には、繊維両末端間の実繊維長さを繊維両末端間の直線距離で除した値Pが、1.05以上6.00以下の値であることが好ましい。通常、本発明のように長さが極端に短い短繊維は、繊維長方向の形状が直線状のものとなる。しかし本発明の極細偏平短繊維は長さ方向に曲がっていることが好ましく、このようなカールしている特徴的な形状であることにより、極細偏平短繊維を構成する繊維同士、もしくは極細偏平短繊維を構成する繊維と他繊維の絡み合いが容易となり、非常に有用である。本発明におけるカールの程度を示すP値は、先に述べたように1.05以上6.00以下の範囲が好ましい。P値が小さすぎると、形態として直線状と同等であり効果的では無い。逆にP値が大きすぎる場合には、個々の繊維が屈曲し過ぎることにより繊維が球状となって、逆に繊維同士の絡み合いに寄与しにくくなる傾向にある。
なお、本発明の極細偏平短繊維の断面形状は特に限定されず、単繊維の繊維長軸方向と直交する断面の形状としては、丸断面、中空断面、異型断面(扁平、H字、十字、多孔、多フィンなど)などの形状が例示される。もっとも、加工性、生産の安定性の点からは丸断面または偏平な楕円断面であることが好ましい。
また本発明の極細偏平短繊維の表面には、界面活性剤が存在することが好ましい。各種界面活性剤を付与することにより、水への分散性を改善することができる。界面活性剤としては用途にもよるが親水性の界面活性剤であることが好ましく、特にはポリエーテルエステル系の界面活性剤であることが好ましい。また、繊維表面を化学的に親水加工したり、熱可塑性樹脂そのものとして親水性を有するものを用いることも好ましい。界面活性剤の付与量としては、繊維重量の0.2〜3.0重量%であることが好ましい。
さらに本発明の極細偏平短繊維を有機溶剤で抽出した際の抽出成分が繊維重量の0.2〜3.0重量%であることが好ましい。ここで選択される有機溶剤としては、メタノール/アセトン=50vol%/50vol%の溶剤であることが好ましい。抽出される成分としては前記の界面活性剤のほか、繊維を構成するポリマーのモノマー成分やオリゴマー成分が該当する。この抽出される成分が少なすぎる場合は、一般的に水への分散性が悪くなる傾向にある。逆に、抽出される成分が多すぎる場合には、水に分散させた際等の発泡が多くなり、気泡を巻き込むために製品欠点に繋がるおそれが増加する。
このような本発明の極細偏平短繊維は、その保持している水分率が0.2〜50重量%であることが好ましい。より好ましくは0.3〜45重量%、さらに好ましくは0.5〜40重量%の範囲である。極細偏平短繊維が保持している水分率が少なすぎる場合には、水等への分散性が悪くなる傾向にある。逆に、水分率が大きすぎる場合には、分散性は増大するものの製品の輸送コストや保管管理費などが増大するネガティブな影響が大きくなる。
このような本発明の極細偏平短繊維は、公知の方法にて得られる熱可塑性樹脂からなる繊維を例えば一対の金属ロールを用いたロールプレス法によって得ることが可能である。一対の金属ロールにて圧縮、剪断力を加え、さらに引きちぎることにより、中心部分の繊維太さが均一でない本発明の極細偏平短繊維を得ることができる。この本発明を得るために使用する原料繊維の太さとしては、せいぜい500μm以下の範囲にあることが好ましく、さらには0.2〜50μm、特には0.5〜15μmの範囲にあることが好ましい。一方、繊維長としては特に指定はなく、マルチフィラメント状であっても、これらをあらかじめ短カットしたステープルファイバー状であってもよい。通常の繊維のカット工程では加工前はその生産効率性、均一性の観点から長繊維のマルチフィラメントを用いることが常法であるが、ロールプレス法では水などを含有した短繊維分散液を処理することも好ましい加工方法の一つであり、特に制限は無い。ただし、出発材料に長繊維を選択した場合には、金属ロールによる処理回数を増加させる必要が生じるため、あらかじめ短繊維としておくことが好ましい。短繊維へのカット方法は公知のロータリー式カッターやギロチンカッターで繊維束をカットする手法が好ましく用いられる。ロールプレス処理前の繊維長としては0.5〜20mm、さらには1〜10mmの範囲であることが好ましい。
ロールプレス法では、回転する一対の金属製ロールの間に、原料繊維を投入して圧縮粉砕するのであるが、このようなロール圧縮粉砕工程を実施することにより、一対の金属製ロールによって繊維に圧縮力が作用するとともに、ロールの回転によって繊維がロールの排出方向に延伸されることとなるため、繊維が引きちぎられ、短い繊維となり、粉砕物が綿状となることもなく効率的に粉砕することができる。また、一対のロールを主構成とする粉砕装置のみで繊維を粉砕することができるため、粉砕設備を小型化することができるうえ、装置の構造の簡素化を図ることができる。
さらにロール圧縮粉砕工程により得られた粉砕物を、解砕する解砕工程備えているのが好ましい。ここで、解砕工程は、種々の公知の解砕機を用いて行うことができる。解砕機は、剪断力、衝撃力、摩砕力等のいずれかで物理的に粉砕する機器を採用することができる。
また、このロール圧縮粉砕工程は、複数回繰り返して実施されるのが好ましい。ここで、ロール圧縮粉砕工程を複数回繰り返して実施するには、1組の金属製ロールを備えた粉砕装置に、1度投入された粉砕物を再び投入して複数回のロール圧縮粉砕工程を実施するようにしてもよいし、1つの装置に複数組の金属製ロールを設けておき、第1組目の金属製ロールで粉砕された粉砕物を第2組目の金属製ロールに投入するように構成し、さらに第2組目の金属製ロールで粉砕された粉砕物を第3組目の金属製ロールでさらに粉砕するように構成することも好ましい。
ロール圧縮粉砕工程を複数回繰り返して実施することにより、延伸による繊維の引きちぎりが多段階で行われ、より短い短繊維を得ることができる。
このロール圧縮粉砕工程における一対の金属製ロールは、線圧0.5t/cm以上、好ましくは1〜10t/cmの圧力で繊維を圧縮するのが好ましい。ここで、圧力は、一対の金属製ロールのうち、一方の金属製ロールの軸に作用させる軸力ではなく、金属製ロールの当接部分に沿った線状部分において繊維質材料に作用する圧力を意味する。
このように金属製ロール間にて繊維を圧縮することにより、ロールの回転に伴う繊維の延伸を行いより効率的に処理を行うことができる。
また、このロール圧縮粉砕工程では、繊維の投入時に水を添加することが好ましい。添加する水の量は、被粉砕物の投入量に応じて適宜の量を添加すればよいが、概ねの目安としては繊維の投入量に対して2〜10重量%程度添加するのがよい。このように水を添加することにより、繊維の粉砕効率が向上する。
本発明に使用する原料繊維は、前述のロールプレス法により短くカットされるが、目標の繊維長を得るためには繰り返しロールプレス装置に通してもよい。また、ロールプレス装置を通過した後の繊維集合体を開繊させる方法として、スクリーンミル、ターボミル、ビーズミル、ボールミル、振動ボールミル、ローラーミル遠心分級型ミル、ハンマーミル、ジェットミル等の機器を採用して、極細偏平短繊維を得ることができる。
そしてもう一つの本発明の偏平極細繊維の分散体は、上記の方法等にて得られた本発明の極細偏平短繊維を、水に分散したものである。
本発明の極細偏平短繊維は、繊維径が細く、繊維長が短く、水に対する分散性に優れる。この効果により、化粧品、塗料、各種補強材等の用途において、その性能向上に非常に有用である。また、前記の極細偏平短繊維を含む水分散体は、前記の極細偏平短繊維を含んでいるので水に対する分散性に優れ、例えば、フィルム等に塗工し、スペーサーや機能剤凝集抑制剤などの用途、シート状構造物に添加することで孔径や通気性等の構造調整材用途等に好適に用いることができる。また、扁平形状により、丸断面形状の繊維を用いた場合よりも、少ない使用量で構造調整材としての機能を発揮することが期待できる。化粧品、塗料、各種補強材等の用途において好適に用いられるのである。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)繊維長・繊維の太さ
走査型電子顕微鏡(SEM)により、繊維を基盤上に寝かせた状態とし、20〜500倍で繊維全体を観察し、SEMの測長機能を活用して単糸200本を測定した。また、繊維の長さ方向の幅の変化は、まず単糸の端から各10%の長さを除いた、中心部80%の領域においてもっとも太い部分Dと、細い部分Dを測定した。
(2)抽出成分量
極細偏平短繊維10gから、抽出可能な成分を有機溶剤(メタノール/アセトン=50vol%/50vol%の溶剤)を使用して90分間ソックスレー抽出器にて加熱還流して抽出し、乾固物の重量より次式で抽出成分量を算出した。
抽出成分量(重量%)=(乾固物の重量(g)/抽出前の極細偏平短繊維重量(g))×100
(3)水分率
極細偏平短繊維5gを150℃で1時間乾燥させた後、重量を測定した。次式で水分率を算出した。
水分率(%)=((加熱前の重量(g)−加熱後の重量(g))/加熱後の重量(g))×100
(4)水中での分散性
極細偏平短繊維0.06gを100mlの容器に入れ、精製水70mlを添加して上下に5回振った後、凝集物や沈殿物が見られるかどうかで判定した。
○:凝集物なく良好。
△:上澄みは分散しているが、凝集物もしくは未分散の沈殿がわずかに見られる。
×:凝集物もしくは未分散の沈殿が多量に見られる。
(5)発泡性
上記(4)と同じく、極細偏平短繊維0.06gを100mlの容器に入れ、精製水70mlに添加して上下に5回振った後に、発生した泡が以下の指標で消えるかどうかで判定した。
○:直ちに消える。
△:10秒以内に消える。
×:1分以上消えない。
[実施例1]
出発材料としてポリエーテルエステル系の油剤が表面に付着したポリエチレンテレフタレート繊維(直径4μm、長さ3mm、帝人株式会社製)を用意した。その短繊維を、ロールプレス装置(株式会社セイシン企業製、ロール径:300mm、ロール長300mm)を使用し、5回通過させる毎に1回、繊維重量に対して5重量%の純水を添加しながら、線圧2ton/cm条件下で10回、ロールプレス装置に通過させた。実施例1はその後その短繊維を、ジェットミル装置STJ−200(株式会社セイシン企業製、エアー圧力0.7MPa、処理量6kg/hr)で開繊させ、極細偏平短繊維を得た。
得られた極細偏平短繊維の物性を表1に示す。
なおこの実施例1の条件下にて、出発材料のポリエチレンテレフタレート繊維を事前に水洗し、表面の界面活性剤を除去したものを用い、ロールプレス処理をおこなったところ、発泡性こそ向上するものの、水中への分散性が若干低下した。なおこの時の抽出成分量は0.1重量%であった。
逆に出発材料のポリエチレンテレフタレート繊維に追油して表面の界面活性剤の量を増やしたものを用い、ロールプレス処理をおこなったところ、水中への分散性こそ向上するものの、発泡性が若干低下した。なおこの時の抽出成分量は3.4重量%であった。
[実施例2]
ロールプレス装置を通過させる回数を10回から5回とした以外は、実施例1と同様の条件で加工し、極細偏平短繊維を得た。得られた極細偏平短繊維の物性を表1に併せて示す。
さらに得られた極細偏平短繊維に純水を添加し、水分率42.0%の偏平極細繊維の水分散体を得た。
なお、この実施例2で得られた極細偏平短繊維を150℃1時間処理したところ、抽出成分量は0%となったものの、水中への分散性に若干劣るものであった。
[実施例3]
出発材料として実施例1の繊維に代えて、直径の太いポリエチレンテレフタレート繊維(直径8μm、長さ5mm、帝人株式会社製)を用意した。その他には、ロールプレス装置を通過させる回数を10回から15回とした以外は、実施例1と同様の条件で加工し、極細偏平短繊維を得た。得られた極細偏平短繊維の物性を表1に併せて示す。
[実施例4]
ロールプレス装置を通過させる回数を15回から5回とした以外は、実施例3と同様の条件で加工し、極細偏平短繊維を得た。得られた極細偏平短繊維の物性を表1に併せて示す。
[比較例1]
ロールプレス装置を通過させる回数を10回から2回とした以外は、実施例1と同様の条件で加工し、極細偏平短繊維を得た。得られた極細偏平短繊維の物性を表1に併せて示す。
Figure 2018084008

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂からなる、繊維長が50〜1500μmの極細偏平短繊維であって、その両端各10%を除いた中心部分の繊維太さが均一でないことを特徴とする極細偏平短繊維。
  2. 極細偏平短繊維の両端各10%を除いた中心部分の太さの最大値Dと、最小値Dの比Xが、1.1以上5.0以下である請求項1に記載の極細偏平短繊維。
  3. 極細偏平短繊維の繊維長Lと中心平均繊維径Dの比L/Dが、3〜400の範囲内である請求項1または2に記載の極細偏平短繊維。
  4. 極細偏平短繊維が長さ方向に曲がっており、繊維両末端間の実繊維長さを繊維両末端間の直線距離で除した値Pが、1.05以上6.00以下の値である請求項1〜3のいずれか1項に記載の極細偏平短繊維。
  5. 熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の極細偏平短繊維。
  6. 抽出成分が繊維重量の0.2〜3.0重量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の極細偏平短繊維。
  7. 水分率が0.2〜50重量%である請求項1〜6のいずれか1項に記載の極細偏平短繊維。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の極細偏平短繊維を水に分散したことを特徴とする偏平極細繊維の水分散体。
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