JP2018082109A - ガラス板の分割方法及び板状ワークの分割方法 - Google Patents

ガラス板の分割方法及び板状ワークの分割方法 Download PDF

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Abstract

【課題】欠け等の発生を抑止しつつ、ガラス板を分割する。【解決手段】ガラス板W2の他方の面W2a側からガラス板W2に対し透過性を有する波長のパルスレーザ光線を照射しガラス板W2の内部に集光しガラス板W2の厚み方向に延在する細孔M1aと細孔M1aを包囲する非晶質M1bとを備える分割起点M1をガラス板W2の内部に配列させ形成する分割起点形成工程と、分割起点M1が形成されたガラス板W2の他方の面W2aに先端がV字に尖った切削ブレード640を切り込ませ分割起点M1に沿ってV溝VMを形成するV溝形成工程と、V溝形成工程の後、分割起点M1に外力を加えて分割起点M1を起点にガラス板W2を分割する分割工程と、を備えるガラス板の分割方法である。【選択図】図8

Description

本発明は、ガラス板の分割方法及びガラス板と半導体ウエーハとからなる板状ワークの分割方法に関する。
イメージセンサやカメラモジュール等のチップパッケージは、例えば、CMOSを形成したウエーハとロジックICを形成したウエーハとを酸化膜で貼り合わせてなるシリコンウエーハを、ガラス板に適宜の接着剤でさらに貼り合わせて板状ワークとし、この板状ワークをシリコンウエーハの分割予定ラインに沿って分割することで作製される(例えば、特許文献1参照)。ガラス板は、デバイスが形成されたウエーハへの貼り合わせを容易にする為にある程度の厚みを備えると好ましいが、その一方で、チップの熱対策のためには薄化する必要がある。
特開2014−168790号公報 特開2016−164908号公報
シリコンウエーハとガラス板とをウエーハの分割予定ラインに沿って分割する際には、例えば、予めシリコンウエーハ及びガラス板に分割起点をそれぞれ形成し、この分割起点に外力を加えて亀裂を厚み方向に伸長させて分割している。しかし、ガラス板は、分割によりガラス板の表面、すなわち、分割され作製されたガラスチップの表面の外周部分にチッピングや欠けが生じることが多く、これが問題となる。また、例えば、回転する切削ブレードをガラス板を完全切断するまでガラス板に対して切り込ませて分割を行うと、ガラス板が硬質な難切削材であることから、加工時間が多く掛かる。
よって、ガラス板を分割する場合には、チッピングや欠けの発生を抑止しつつ分割を行うという課題がある。
上記課題を解決するための本発明は、ガラス板の一方の面側を保持する保持工程と、ガラス板の他方の面側からガラス板に対し透過性を有する波長のパルスレーザ光線を照射しガラス板の内部に集光しガラス板の厚み方向に延在する細孔と該細孔を包囲する非晶質とを備える分割起点をガラス板の内部に配列させ形成する分割起点形成工程と、該分割起点が形成されたガラス板の他方の面に先端がV字に尖った切削ブレードを切り込ませ該分割起点に沿ってV溝を形成するV溝形成工程と、該V溝形成工程の後、該分割起点に外力を加えて該分割起点を起点にガラス板を分割する分割工程と、を備えるガラス板の分割方法である。
また、上記課題を解決するための本発明は、表面に分割予定ラインで区画された領域にデバイスが形成された半導体ウエーハの該表面とガラス板の一方の面とが樹脂で接着された板状ワークを該分割予定ラインに沿って分割してチップを形成する板状ワークの分割方法であって、ガラス板に対して透過性を有する波長のパルスレーザ光線を照射しガラス板の内部に集光しガラス板の厚み方向に延在する細孔と該細孔を包囲する非晶質とを備えるガラス板分割起点を該分割予定ラインに沿ってガラス板の内部に直線状に配列させ形成するガラス板分割起点形成工程と、該ガラス板分割起点形成工程の後、該ガラス板分割起点に沿ってガラス板の他方の面に先端がV字に尖った切削ブレードを切り込ませ該ガラス板分割起点に沿ってV溝を形成するV溝形成工程と、半導体ウエーハに対して透過性を有する波長のパルスレーザ光線を照射し半導体ウエーハの内部に集光し該分割予定ラインに沿ってウエーハ分割起点となる改質層を形成するウエーハ分割起点形成工程と、該ガラス板分割起点と該ウエーハ分割起点とに外力を加えて半導体ウエーハとガラス板とを該分割予定ラインに沿って分割しチップを形成する分割工程と、を備える板状ワークの分割方法である。
前記ガラス板分割起点形成工程の前にガラス板の他方の面を保護する保護膜を形成する保護膜形成工程を備え、該保護膜形成工程で形成された該保護膜は、前記V溝形成工程で切削ブレードに供給する切削水で除去すると好ましい。
本発明に係るガラス板の分割方法は、ガラス板の一方の面側を保持する保持工程と、ガラス板の他方の面側からガラス板に対し透過性を有する波長のパルスレーザ光線を照射しガラス板の内部に集光しガラス板の厚み方向に延在する細孔と細孔を包囲する非晶質とを備える分割起点をガラス板の内部に配列させ形成する分割起点形成工程と、分割起点が形成されたガラス板の他方の面に先端がV字に尖った切削ブレードを切り込ませ分割起点に沿ってV溝を形成するV溝形成工程とを備えており、V溝形成工程の後に分割起点に外力を加えて分割起点を起点にガラス板を分割する分割工程をさらに行うことで、分割され作製されたガラスチップの他方の面の主に外周部分にチッピングや欠けが生じてしまうことを、V溝によって防ぐことが可能となる。
本発明に係る板状ワークの分割方法は、ガラス板に対して透過性を有する波長のパルスレーザ光線を照射しガラス板の内部に集光しガラス板の厚み方向に延在する細孔と細孔を包囲する非晶質とを備えるガラス板分割起点を分割予定ラインに沿ってガラス板の内部に直線状に配列させ形成するガラス板分割起点形成工程と、ガラス板分割起点形成工程の後、ガラス板分割起点に沿ってガラス板の他方の面に先端がV字に尖った切削ブレードを切り込ませガラス板分割起点に沿ってV溝を形成するV溝形成工程と、半導体ウエーハに対して透過性を有する波長のパルスレーザ光線を照射し半導体ウエーハの内部に集光し分割予定ラインに沿ってウエーハ分割起点となる改質層を形成するウエーハ分割起点形成工程と、ガラス板分割起点とウエーハ分割起点とに外力を加えて半導体ウエーハとガラス板とを分割予定ラインに沿って分割しチップを形成する分割工程と、を備えているため、分割され作製されたデバイスチップのガラス板面側の主に外周部分にチッピングや欠けが生じてしまうことを、V溝によって防ぐことが可能となる。
また、本発明に係る板状ワークの分割方法は、ガラス板分割起点形成工程の前にガラス板の他方の面を保護する保護膜を形成する保護膜形成工程を備えることで、ガラス板分割起点形成工程において、パルスレーザ光線がガラス板に対して照射されデブリが発生した場合においても、ガラス板への付着を保護膜によって防止することができる。また、デブリが付着した保護膜は、V溝形成工程で切削ブレードに供給する切削水で効率よくデブリと共に除去することができる。
半導体ウエーハとガラス板とが樹脂で接着されて構成された板状ワークの一例を示す断面図である。 板状ワークのガラス板の他方の面に水溶性の保護膜を形成している状態を示す断面図である。 板状ワークに対してパルスレーザ光線を照射して、ガラス板分割起点を分割予定ラインに沿ってガラス板の内部に配列させ形成している状態を示す断面図である。 ガラス板分割起点が分割予定ラインに沿ってガラス板の内部に配列されるように形成されている板状ワークを上方からみた場合の説明図である。 ガラス板の他方の面にガラス板分割起点に沿ってV溝を形成している状態を示す断面図である。 環状フレームに支持された状態の板状ワークの一例を示す断面図である。 半導体ウエーハに対して分割予定ラインに沿ってウエーハ分割起点となる改質層を形成している状態を示す断面図である。 ガラス板分割起点とウエーハ分割起点とに外力を加えて半導体ウエーハとガラス板とを分割予定ラインに沿って分割し板状ワークからチップを作製している状態を示す断面図である。
図1に示す外形が円盤状の板状ワークWは、半導体ウエーハW1の表面W1aとガラス板W2の一方の面W2bとが樹脂Jで接着されて構成されている。半導体ウエーハW1は、例えば、外形が円盤状のシリコンウエーハであり、半導体ウエーハW1の表面W1a上には、分割予定ラインSによって区画された格子状の領域に複数のデバイスDが形成されている。半導体ウエーハW1の裏面W1bには、例えば、図示しない保護部材が貼着されており、保護部材によって裏面W1bは保護されている。ガラス板W2は、外形が円盤状であり半導体ウエーハW1と同等の外径を備えており、ガラス板W2の一方の面W2bと反対側の面である他方の面W2aは+Z方向に向かって露出している。
以下に本発明に係るガラス板の分割方法及び本発明に係る板状ワークの分割方法を実施して、ガラス板W2を分割し、かつ、板状ワークWを分割する場合の各工程について説明していく。
(1)保護膜形成工程
例えば、図2に示す保護膜形成手段2によって、板状ワークWのガラス板W2の他方の面W2aに水溶性の保護膜を形成する。図2に示す保護膜形成手段2は、例えば、スピンコータ(回転式塗布装置)であり、保持面20aで板状ワークWを吸引保持することができZ軸方向の軸心周りに回転可能なチャックテーブル20と、ガラス板W2の他方の面W2aに水溶性保護膜剤を供給するノズル21と、ノズル21に水溶性保護膜剤を供給する水溶性保護膜剤供給手段22とを備えている。なお、チャックテーブル20は、図示しないケースによって周囲を囲まれており保護膜形成中において水溶性保護膜剤が周囲に飛散しない構成になっている。水溶性保護膜剤供給手段22がノズル21に供給する水溶性保護膜剤は、例えば、株式会社ディスコ製のHogoMaxである。
図2に示すチャックテーブル20に、板状ワークWをガラス板W2の他方の面W2a側が上になるように載置し、チャックテーブル20に接続された図示しない吸引手段を作動させることにより保持面20a上で板状ワークWを吸引保持する。次に、チャックテーブル20上で吸引保持された板状ワークWの他方の面W2aの中心部にノズル21から所定量の水溶性保護膜剤を滴下し、チャックテーブル20を所定速度で回転させることにより、滴下された水溶性保護膜剤が遠心力によりガラス板W2の他方の面W2aの中心から外周側に向けて流れていき、ガラス板W2の他方の面W2aの全面にいきわたり、ほぼ一様な厚さの保護膜Gがガラス板W2の他方の面W2a上に形成される。その後、回転を継続して保護膜Gを回転乾燥させる。また、必要に応じて、保護膜Gを例えばベーキングすることにより硬化させる。
(2)保持工程
ガラス板W2の他方の面W2aに保護膜Gが形成された板状ワークWは、図3に示すレーザ加工装置4に搬送される。このレーザ加工装置4は、例えば、板状ワークWを吸引保持するチャックテーブル40と、チャックテーブル40に保持された板状ワークWに対してパルスレーザ光線を照射するパルスレーザ光線照射手段41と、を少なくとも備えている。図3において模式的に示すチャックテーブル40は、例えば、ポーラス部材等からなる保持面上で板状ワークWを吸引保持する。チャックテーブル40は、鉛直方向(Z軸方向)の軸心周りに回転可能であるとともに、X軸方向に往復移動可能となっている。
パルスレーザ光線照射手段41は、パルスレーザ光線発振手段410から発振されたパルスレーザ光線を、光ファイバー等の伝送光学系を介して集光器411の内部の集光レンズ411aに入光させることで、集光器411によりパルスレーザ光線をチャックテーブル40で保持された板状ワークWの所定箇所に位置調整をしつつ正確に集光することができる。パルスレーザ光線発振手段410は、例えば、YAGレーザやYVO4レーザ等のパルスレーザ光線発振器410aと、パルスレーザ光線発振器410aが発振するパルスレーザ光線の繰り返し周波数、パルス幅、及び波長をそれぞれ調整して設定できる設定部410bとを備えている。
パルスレーザ光線照射手段41の近傍には、チャックテーブル40上に保持された板状ワークWの分割予定ラインSを検出するアライメント手段44が配設されている。アライメント手段44は、半導体ウエーハW1の表面W1aを撮像する撮像手段440を備えており、撮像手段440により取得した画像に基づき板状ワークWのパルスレーザ光線を照射する際の基準線となる分割予定ラインSを検出することができる。アライメント手段44とパルスレーザ光線照射手段41とは一体となって構成されており、両者は連動してY軸方向及びZ軸方向へと移動する。
図3に示すように、板状ワークWが、半導体ウエーハW1の裏面W1b側を下にしてチャックテーブル40の保持面に載置される。そして、図示しない吸引源により生み出される吸引力がチャックテーブル40の保持面に伝達されることにより、ガラス板W2の他方の面W2aが上方に向かって露出した状態、すなわち、ガラス板W2の一方の面W2b側が保持された状態で板状ワークWがチャックテーブル40によって吸引保持される。なお、前記(1)保護膜形成工程を実施せずに、本保持工程から開始するものとしてもよい。
(3)ガラス板分割起点形成工程
チャックテーブル40に保持された板状ワークWが−X方向(往方向、例えば、紙面手前側の方向)に送られるとともに、撮像手段440により保護膜G及びガラス板W2を透過して半導体ウエーハW1の表面W1aに形成された分割予定ラインSが検出される。撮像手段440によって撮像された分割予定ラインSの画像に基づいて、アライメント手段44がパターンマッチング等の画像処理を実行し、分割予定ラインSの位置を検出する。分割予定ラインSが検出されるのに伴って、パルスレーザ光線照射手段41がY軸方向に駆動され、パルスレーザ光線を照射する基準となる分割予定ラインSと集光器411とのY軸方向における位置合わせがなされる。この位置合わせは、例えば、集光器411に備える集光レンズ411aの直下に分割予定ラインSの中心線が位置するように行われる。
次いで、パルスレーザ光線発振器410aがガラス板W2に対して透過性を有する波長(例えば、可視光領域の波長)のパルスレーザ光線を発振できるように、設定部410bによる調整を行う。また、集光器411で、ガラス板W2に対して透過性を有するパルスレーザ光線の集光点を、分割予定ラインSに対応するガラス板W2の内部の所定の高さ位置、すなわち、例えば、ガラス板W2の一方の面W2bよりも僅かに上方にある高さ位置に位置付ける。さらに、設定部410bにより、パルスレーザ光線発振器410aが発振するパルスレーザ光線の繰り返し周波数及びパルス幅を任意の値に設定する。
そして、パルスレーザ光線発振器410aから発振され集光レンズ411aで集光されたパルスレーザ光線を、ガラス板W2の他方の面W2a側からガラス板W2に対して分割予定ラインSに沿って照射しつつ、チャックテーブル40を−X方向に所定の加工送り速度で加工送りし、図3に示すようにガラス板W2の内部に厚み方向(Z軸方向)に延在する細孔M1aと細孔M1aを包囲する非晶質M1bとを備えるガラス板分割起点M1を形成する。細孔M1aは、例えば、パルスレーザ光線の集光点の周囲のガラス板W2が蒸発することで、集光点から−Z方向に向かって僅かにトンネル状に伸びるとともに、集光点から+Z方向に向かってトンネル状に長く伸びていく。また、非晶質M1bは、細孔M1aの伸長に伴って細孔M1aを包囲するように形成されていく。
例えば、ガラス板W2に対して透過性を有するパルスレーザ光線の集光点を、分割予定ラインSに対応するガラス板W2の他方の面W2a付近に位置付けて、ガラス板分割起点を集光点から−Z方向に向かって長く伸ばすようなレーザ加工を行うと、デブリ(例えば、ガラス板W2由来の酸化物)を集光点付近に発生・飛散させ続けながらガラス板分割起点を形成することになり、板状ワークWの分割後のデバイスチップにデブリが付着しており、デバイスチップの品質が低下する問題が発生する。また、細孔M1aが整った状態ではなく水平面方向に凹凸するように、ガラス板分割起点M1が形成されるという問題も発生する。これに対して、図3に示すように、ガラス板分割起点M1の上端側がガラス板W2の他方の面W2aにおいて開口しないガラス板W2の内部の所定の高さ位置に到るまで、ガラス板分割起点M1を+Z方向に向かって長く伸ばすように形成することで、ガラス板W2の他方の面W2a上にデブリが発生・飛散しないので、板状ワークWを分割して作製されたデバイスチップのデブリ付着による品質低下という問題が生じず、また、形成されたガラス板分割起点M1の細孔M1aも線状に整った形となる。なお、本実施形態のように、(1)保護膜形成工程を実施して、板状ワークWのガラス板W2の他方の面W2aに水溶性の保護膜Gを形成している場合においては、ガラス板分割起点M1の上端側がガラス板W2の他方の面W2aにおいて開口するまでガラス板分割起点M1を伸長させ形成するものとしてもよい。
パワー密度の高い連続発振のレーザビームをいきなりガラス板W2に照射すると、瞬時に多量のガラス板W2が溶融し蒸発するため不整形の大きなガラス板分割起点M1が形成されてしまうが、入熱を制御したパルス発振により、図4に示すように−X方向から+X方向に向かって分割予定ラインSに沿って、X軸方向に微細な所定間隔を設けてガラス板分割起点M1をガラス板W2の内部に直線状に配列させ形成していくことができる。本実施形態においては互いに隣接する図3に示す非晶質M1b同士がつながるように形成される形態となっている。
図3に示すように、ガラス板W2の内部に分割予定ラインSの中心線に沿ってガラス板分割起点M1を連続的に形成し、例えば、一本の分割予定ラインSにパルスレーザ光線を照射し終えるX軸方向の所定の位置まで板状ワークWを−X方向に進行させる。次いで、パルスレーザ光線の照射を停止するとともに板状ワークWの−X方向(往方向)での加工送りを一度停止させ、パルスレーザ光線照射手段41を+Y方向へ移動させて、パルスレーザ光線が照射された分割予定ラインSの隣に位置しパルスレーザ光線がまだ照射されていない分割予定ラインSと集光器411とのY軸方向における位置合わせを行う。次いで、板状ワークWが+X方向(復方向)へ加工送りされ、往方向でのパルスレーザ光線の照射と同様に分割予定ラインSにパルスレーザ光線が照射されていく。順次同様のパルスレーザ光線の照射を行うことにより、X軸方向に延びる全ての分割予定ラインSに沿ってパルスレーザ光線がガラス板W2の他方の面W2a側から照射され、ガラス板W2の内部にガラス板分割起点M1が形成されていく。
順次同様のパルスレーザ光線の照射を行うことにより、X軸方向に延びる全ての分割予定ラインSに沿ってパルスレーザ光線が照射され、分割予定ラインSに沿ってガラス板分割起点M1が形成されていく。さらに、チャックテーブル40を90度回転させてから同様のパルスレーザ光線の照射を行うと、縦横全ての分割予定ラインSに沿ってガラス板分割起点M1が形成される。ガラス板分割起点M1が形成された板状ワークWは、図5に示す切削装置6に搬送される。
(4)V溝形成工程
図5に示す切削装置6は、例えば、板状ワークWを保持するチャックテーブル65と、チャックテーブル65上に保持された板状ワークWのガラス板W2に切り込む切削ブレード640を備えた切削手段64と、チャックテーブル65上に保持された板状ワークWのガラス板分割起点M1を検出するアライメント手段63と、ガラス板W2に対して切削ブレード640が接触する加工点に切削水を供給する切削水供給ノズル62とを備えている。
アライメント手段63は、ガラス板W2の他方の面W2aを撮像する撮像手段630を備えており、撮像手段630により取得した画像に基づき、切削ブレード640を切り込ませるべきガラス板分割起点M1が複数直線状に配列されて構成されるラインを検出する。図5において模式的に示すチャックテーブル65は、例えば、ポーラス部材等からなる保持面上で板状ワークWを吸引保持でき、鉛直方向(Z軸方向)の軸心周りに回転可能であるとともに、X軸方向に往復移動可能となっている。
切削ブレード640は、例えば、ハブブレードであり、円盤状に形成された基台640aと、基台640aの外周部に固定した切り刃640bとを備える。切り刃640bは、切削ブレード640の先端となり、鋭角に尖った形状をしており、断面形状がV字状となる。そして、切削手段64に備えられ軸方向がX軸方向に対し水平方向に直交する方向(Y軸方向)であるスピンドル641に、切削ブレード640は回転可能に装着され、図示しないモータによりスピンドル641が回転駆動されることに伴って、切削ブレード640も高速回転する。なお、切削ブレード640はハブブレードに限定されるものではなく、先端が鋭角に尖っており断面形状がV字状形状であれば、例えば、外形が環状のワッシャー型ブレードであってもよい。
例えば、切削水供給ノズル62は、切削ブレード640をY軸方向両側から挟むように2本配設されており、切削ブレード640の側面に向く噴射口を備えており、図示しない切削水供給源に連通している。切削手段64、アライメント手段63、及び切削水供給ノズル62は連動してY軸方向及びZ軸方向へと移動する。
板状ワークWが、半導体ウエーハW1の裏面W1b側を下にしてチャックテーブル65の保持面に載置される。そして、図示しない吸引源により生み出される吸引力がチャックテーブル65の保持面に伝達されることにより、ガラス板W2の他方の面W2aが上方に向かって露出した状態で板状ワークWがチャックテーブル65によって吸引保持される。
板状ワークWを吸引保持するチャックテーブル65が−X方向に送られるとともに、撮像手段630によって保護膜Gを透過してガラス板W2が撮像されて、切削ブレード640を切り込ませるべきガラス板分割起点M1が複数直線状にX軸方向に配列されて構成されたラインが検出される。ガラス板分割起点M1からなるラインが検出されるのに伴って、切削手段64がY軸方向に割り出し送りされ、切削すべきガラス板分割起点M1からなるX軸方向に延びるラインと切削ブレード640とのY軸方向における位置合わせがなされる。
次いで、切削手段64が−Z方向に降下していき、例えば、切削ブレード640の切り刃640bの最下端がガラス板分割起点M1の上端側に僅かに切り込む高さ位置に切削手段64が位置付けられる。板状ワークWを保持するチャックテーブル65がさらに所定の切削送り速度で−X方向に送り出されるとともに、図示しないモータがスピンドル641を高速回転させ、スピンドル641に固定された切削ブレード640がスピンドル641の回転に伴って高速回転することで、切削ブレード640がガラス板分割起点M1に沿って保護膜G及びガラス板W2の他方の面W2aに切り込んでいく。そして、X軸方向に直線状に配列されたガラス板分割起点M1に沿って、例えば、溝の最深部がガラス板分割起点M1の上端から−Z方向に少し下方にある位置となりかつ断面がV字形状となるV溝VMが、ガラス板W2の他方の面W2aに形成される。なお、V溝VMの深さは、本実施形態における深さに限定されるものではなく、少なくともV溝VMとガラス板分割起点M1とが繋がる深さであればよい。ガラス板W2の厚みがより厚い場合には、より刃厚の厚い切削ブレードを用いることでV溝VMの開口幅(図5におけるY軸方向幅)を広くすると好ましく、また、V溝VMの深さがより深くなると好ましい。
また、切削によるV溝VMの形成中においては、切削ブレード640の切り刃640bとガラス板W2との接触部位及びその周囲に対して、切削水供給ノズル62から切削水を噴射する。切削水供給ノズル62から噴射された切削水は、加工点を冷却・洗浄するとともに、水溶性の保護膜Gを溶解してガラス板W2の他方の面W2aから除去していく。
切削ブレード640が、ガラス板分割起点M1からなる一本のラインを切削し終えるX軸方向の所定の位置まで板状ワークWが送られると、板状ワークWの切削送りを一度停止し、切削ブレード640をガラス板W2から離間させ、次いで、板状ワークWを切削加工開始当初の位置に戻す。そして、ガラス板分割起点M1からなり隣り合うそれぞれラインの間隔ずつ切削ブレード640をY軸方向に割り出し送りしながら順次同様の切削を行うことにより、ガラス板W2の他方の面W2aの同方向の全てのガラス板分割起点M1からなるラインに沿ってV溝VMを形成する。さらに、板状ワークWを90度回転させてから同様の切削加工を行うことで、ガラス板W2のガラス板分割起点M1からなる各ラインの全てに沿ってV溝VMを形成することができる。
ガラス板W2が硬質な難切削材であることから、例えば、回転する切削ブレード640でガラス板W2を加工すると加工時間が多く掛かる場合があるが、V溝形成工程においては上記のように切削ブレード640を深くガラス板W2に切り込ませなくてもよいため、加工時間の短縮を図ることができる。また、切削ブレード640の磨耗も抑えることが可能となる。
本発明に係る板状ワークの分割方法においては、ガラス板分割起点形成工程の前にガラス板W2の他方の面W2aを保護する保護膜Gを形成する保護膜形成工程を備えることで、ガラス板分割起点形成工程において、パルスレーザ光線がガラス板W2に対して照射されデブリが発生する場合、すなわち、ガラス板分割起点M1の上端側がガラス板W2の他方の面W2aにおいて開口するまでガラス板分割起点M1を伸長させて形成する場合においても、ガラス板W2へのデブリ付着を保護膜Gによって防止することができる。また、デブリGが付着した保護膜Gは、本V溝形成工程で切削ブレード640に供給する切削水で効率よくデブリと共に除去することができる。
なお、V溝の形成は、切削ブレード640による切削加工でなされるものに限定されない。特開2016−164908号公報(特許文献2)に記載されているように、板状ワークWのガラス板W2に対して吸収性の波長を有するレーザ光線を斜めから照射し、断面がV形状のV溝を形成してもよい。この場合、保護膜GによってV溝形成の時のガラス板W2へのデブリ付着を防止できる。そして、V溝形成後に、例えば、板状ワークWをスピンテーブル等を備える洗浄装置へと搬送し、洗浄装置内で板状ワークWから保護膜Gを除去する。
さらに、V溝の形成は、先に斜めからレーザ光線をガラス板W2に対して照射しV溝の斜面のみを形成した後、分割予定ラインSに沿って先端が尖った切削ブレード640を切り込ませてV溝を形成しても良い。つまり、レーザ光線がV溝の斜面を形成して切削ブレード640の消耗を抑える効果があるとともに、切削水によって保護膜Gを除去することができる。
(5)ガラス板に対する保護テープの貼着
V溝VMが形成された板状ワークWは、例えば、図6に示すように、ガラス板W2の他方の面W2aが保護テープTに貼着され、保護テープTを介して環状フレームFによって支持された状態となり環状フレームFを介したハンドリングが可能になる。なお、半導体ウエーハW1の裏面W1bに図示しない保護部材が貼着されている場合には、保護部材が裏面W1bから剥離される。
保護テープTは、例えば、板状ワークWの外径よりも大きい外径を有する円盤状のテープであり、図6においては上側を向いた状態の保護テープTの粘着面の外周部分に、円形の開口を備えた環状フレームFの裏面が貼着される。さらに、板状ワークWがガラス板W2の他方の面W2a側を下側に向けて、環状フレームFの開口内において露出している保護テープTの粘着面の上方に位置付けられる。この際には、ガラス板W2の中心が環状フレームFの開口の中心に略合致するように位置合わせされる。そして、ガラス板W2の他方の面W2aが保護テープTの粘着面に押し付けられて、ガラス板W2の他方の面W2aに保護テープTが貼着される。こうして板状ワークWが保護テープTを介して環状フレームFに支持された状態となり、さらに、上側に向いている半導体ウエーハW1の裏面W1bから図示しない保護部材が剥離される。なお、本ガラス板に対する保護テープの貼着においては、環状フレームFを使用せず、ガラス板W2と同程度の直径を備える保護テープをガラス板W2の他方の面W2aに貼着し、他方の面W2aを保護するものとしてもよい。
(6)ウエーハ分割起点形成工程
次いで、半導体ウエーハW1に対して透過性を有する波長のパルスレーザ光線を照射し半導体ウエーハW1の内部に集光し分割予定ラインSに沿ってウエーハ分割起点となる改質層を形成する。なお、本ウエーハ分割起点形成工程は、前記(5)ガラス板に対する保護テープの貼着を行う前に実施してもよい。
図7に示すレーザ加工装置4のチャックテーブル40の保持面と板状ワークWの保護テープTにより保護されている他方の面W2aとが対向するように位置合わせを行い、板状ワークWを半導体ウエーハW1の裏面W1bを上側にしてチャックテーブル40上に載置する。そして、チャックテーブル40に接続された図示しない吸引源が作動し板状ワークWをチャックテーブル40上に吸引保持する。
そして、チャックテーブル40に保持された板状ワークWが−X方向(往方向)に送られるとともに、アライメント手段44により分割予定ラインSが検出される。すなわち、撮像手段440によって撮像された分割予定ラインSの画像により、アライメント手段44がパターンマッチング等の画像処理を実行し、パルスレーザ光線を照射すべき分割予定ラインSの位置が検出される。
分割予定ラインSが検出されるのに伴って、パルスレーザ光線照射手段41がY軸方向に駆動され、パルスレーザ光線を照射する分割予定ラインSと集光器411とのY軸方向における位置合わせがなされる。この位置合わせは、例えば、集光器411に備える集光レンズ411aの直下に分割予定ラインSの中心線が位置するように行われる。
次いで、パルスレーザ光線発振器410aが半導体ウエーハW1に対して透過性を有する波長(例えば、近赤外領域の波長)のパルスレーザ光線を発振できるように、設定部410bによる調整を行う。また、集光器411で半導体ウエーハW1に対して透過性を有するパルスレーザ光線の集光点を分割予定ラインSに対応する半導体ウエーハW1の内部の所定の高さ位置に位置付ける。さらに、設定部410bにより、パルスレーザ光線発振器410aが発振するパルスレーザ光線の繰り返し周波数及びパルス幅を設定する。そして、パルスレーザ光線発振器410aから発振され集光レンズ411aで集光されたパルスレーザ光線を分割予定ラインSに沿って照射しつつ、板状ワークWを−X方向に所定の加工送り速度で加工送りし、図7に示すように半導体ウエーハW1の内部にウエーハ分割起点となる改質層M2を形成していく。すなわち、集光点に到達する前のパルスレーザ光線は、半導体ウエーハW1に対して透過性を有しているが、集光点に到達したパルスレーザ光線は半導体ウエーハW1に対して局所的に非常に高い吸収特性を示す。そのため、集光点付近の半導体ウエーハW1はパルスレーザ光線を吸収して改質され、集光点から主に上方に向かって所定長さの改質層M2が形成される。
半導体ウエーハW1の内部に分割予定ラインSの中心線に沿って改質層M2を連続的に形成し、例えば、一本の分割予定ラインSにパルスレーザ光線を照射し終えるX軸方向の所定の位置まで板状ワークWを−X方向に進行させる。次いで、パルスレーザ光線の照射を停止するとともに板状ワークWの−X方向(往方向)での加工送りを一度停止させ、パルスレーザ光線照射手段41を+Y方向へ移動させて、パルスレーザ光線が照射された分割予定ラインSの隣に位置しパルスレーザ光線がまだ照射されていない分割予定ラインSと集光器411とのY軸方向における位置合わせを行う。次いで、板状ワークWが+X方向(復方向)へ加工送りされ、往方向でのパルスレーザ光線の照射と同様に分割予定ラインSにパルスレーザ光線が照射されていく。順次同様のパルスレーザ光線の照射を行うことにより、X軸方向に延びる全ての分割予定ラインSに沿ってパルスレーザ光線が半導体ウエーハW1の裏面W1b側から照射され、半導体ウエーハW1の内部にウエーハ分割起点となる改質層M2が形成されていく。
順次同様のパルスレーザ光線の照射を行うことにより、X軸方向に延びる全ての分割予定ラインSに沿ってパルスレーザ光線が照射され、分割予定ラインSに沿って改質層M2が形成されていく。さらに、チャックテーブル40を90度回転させてから同様のパルスレーザ光線の照射を行うと、縦横全ての分割予定ラインSに沿って改質層M2が形成される。
(7)分割工程
改質層M2が形成された板状ワークWは、図8に示すブレーキング装置8に搬送される。
ブレーキング装置8は、例えば、板状ワークWを支持する支持ユニット80と、支持ユニット80が支持する板状ワークWの分割予定ラインSに沿って板状ワークWを押圧する押圧ブレード81と、支持ユニット80が支持する板状ワークWに対して押圧ブレード81を垂直方向(Z軸方向)に接近及び離間させる押圧送り手段82とを備えている。
支持ユニット80は、間にX軸方向に延在する細長い隙間800を形成するように配設された一対の支持部材801からなる。支持ユニット80は、Y軸方向に往復移動可能となっている。例えば、支持ユニット80の上方には、カメラ等からなるアライメントユニット89が配設されている。アライメントユニット89は、カメラにより取得した画像に基づきパターンマッチング等の画像処理を行い、板状ワークWの押圧ブレード81を押し当てるべき分割予定ラインSを検出することができる。なお、アライメントユニット89は、例えば、支持ユニット80の下方に配設されており、隙間800を介して板状ワークWのV溝VMを下方から撮像するように構成されていてもよい。
押圧ブレード81は、例えば鋭角の先端部81aを有しているとともに、先端部81aを下端としてX軸方向に直線的に延在している。押圧ブレード81は、押圧送り手段82に接続されており、押圧送り手段82は、押圧ブレード81を板状ワークWに接近する方向に下降させることにより、押圧ブレード81を介して板状ワークWを押圧することができる。なお、押圧ブレード81は、円形に形成されていてもよい。
分割工程を実施するにあたり、まず、例えば、板状ワークWが半導体ウエーハW1の裏面W1bを上側にして支持ユニット80上に載置され、図示しない固定クランプ等によって環状フレームFを介して板状ワークWが所定の位置に固定される。なお、ガラス板W2の他方の面W2aを上側に向くようにして、板状ワークWを支持ユニット80上に載置するものとしてもよい。アライメントユニット89のカメラによって撮像された半導体ウエーハW1の裏面W1bの画像に基づき、アライメントユニット89が押圧ブレード81で分割すべき分割予定ラインSの位置を検出する。アライメントユニット89の検出結果に基づいて、支持ユニット80がY軸方向に移動し、分割すべき分割予定ラインSが一対の支持部材801により形成された隙間800の中央に来るように位置付けられる。
次いで、押圧送り手段82が押圧ブレード81を−Z方向に下降させ、押圧ブレード81の先端部81aで裏面W1b側から板状ワークWを押圧する。押圧ブレード81から板状ワークWに加えられる垂直方向の押圧力によって、ガラス板W2は、ガラス板分割起点M1を起点に分割され、また、板状ワークWは、ガラス板分割起点M1とウエーハ分割起点M2とを起点に分割予定ラインSに沿って分割される。
押圧ブレード81が、一本のガラス板分割起点M1とウエーハ分割起点M2とを起点に分割予定ラインSに沿って板状ワークWを分割した後、押圧ブレード81を板状ワークWから離間させる。そして、支持ユニット80を各分割予定ラインSの間隔ずつY軸方向にインデックス送りしながらガラス板分割起点M1とウエーハ分割起点M2とを隙間800の中央に位置付けて、押圧ブレード81で板状ワークWを押圧し、X軸方向に伸長する分割予定ラインSに沿って板状ワークWを次々と割断する。なお、支持ユニット80をY軸方向にインデックス送りする構成のほか、板状ワークWをY軸方向にインデックス送りする構成としてもよい。
次いで、板状ワークWを90度回転させてから、Y軸方向に伸長する分割予定ラインSに沿って同様な分割工程を実施することにより、板状ワークWを個々のデバイスチップに分割することができる。
上記のように本発明に係るガラス板の分割方法は、ガラス板W2の一方の面W2b側を保持する保持工程と、ガラス板W2の他方の面W2a側からガラス板W2に対し透過性を有する波長のパルスレーザ光線を照射しガラス板W2の内部に集光しガラス板W2の厚み方向に延在する細孔M1aと細孔M1aを包囲する非晶質M1bとを備える分割起点M1(ガラス板分割起点M1)をガラス板W2の内部に配列させ形成する分割起点形成工程(ガラス板分割起点形成工程)と、ガラス板分割起点M1が形成されたガラス板W2の他方の面W2aに先端がV字に尖った切削ブレード640を切り込ませガラス板分割起点M1に沿ってV溝VMを形成するV溝形成工程とを備えており、V溝形成工程の後にガラス板分割起点M1に外力を加えてガラス板分割起点M1を起点にガラス板W2を分割する分割工程をさらに行うことで、分割されたガラス板W2の他方の面W2aの主に外周部分にチッピングや欠けが生じてしまうことを、V溝VMによって防ぐことが可能となる。
上記のように本発明に係る板状ワークの分割方法は、ガラス板W2に対して透過性を有する波長のパルスレーザ光線を照射しガラス板W2の内部に集光しガラス板W2の厚み方向に延在する細孔M1aと細孔M1aを包囲する非晶質M1bとを備えるガラス板分割起点M1を分割予定ラインSに沿ってガラス板W2の内部に直線状に配列させ形成するガラス板分割起点形成工程と、ガラス板分割起点形成工程の後、ガラス板分割起点M1に沿ってガラス板W2の他方の面W2aに先端がV字に尖った切削ブレード640を切り込ませ分割起点に沿ってV溝VMを形成するV溝形成工程と、半導体ウエーハW1に対して透過性を有する波長のパルスレーザ光線を照射し半導体ウエーハW1の内部に集光し分割予定ラインSに沿ってウエーハ分割起点となる改質層M2を形成するウエーハ分割起点形成工程と、ガラス板分割起点M1とウエーハ分割起点M2とに外力を加えて半導体ウエーハW1とガラス板W2とを分割予定ラインSに沿って分割しチップを形成する分割工程と、を備えているため、分割され作製されたデバイスチップのガラス板W2の他方の面W2aの主に外周部分にチッピングや欠けが生じてしまうことを、V溝VMによって防ぐことが可能となる。
なお、本発明に係るガラス板の分割方法及び板状ワークの分割方法は上記実施形態に限定されるものではなく、また、添付図面に図示されている保護膜形成手段2、レーザ加工装置4、切削装置10及びブレーキング装置8の構成等についても、これに限定されず、本発明の効果を発揮できる範囲内で適宜変更可能である。
W:板状ワーク W1:半導体ウエーハ W1a:半導体ウエーハの表面 W1b:半導体ウエーハの裏面 S:分割予定ライン D:デバイス
W2:ガラス板 W2a:ガラス板の他方の面 W2b:ガラス板の一方の面 J:樹脂
2:保護膜形成手段 20:チャックテーブル 20a:保持面 21:ノズル
22:水溶性保護膜剤供給手段
4:レーザ加工装置 40:チャックテーブル
41:パルスレーザ光線照射手段 410:パルスレーザ光線発振手段 410a:パルスレーザ光線発振器 410b:設定部 411:集光器 411a:集光レンズ
44:アライメント手段 440:撮像手段
M1:ガラス板分割起点 M1a:細孔 M1b:非晶質
6:切削装置 65:チャックテーブル 64:切削手段 640:切削ブレード 640a:基台 640b:切り刃 641:スピンドル
63:アライメント手段 630:撮像手段 62:切削水供給ノズル
VM:V溝 M2:改質層
8:ブレーキング装置 80:支持ユニット 81:押圧ブレード 82:押圧送り手段
89:アライメントユニット

Claims (3)

  1. ガラス板の分割方法であって、
    ガラス板の一方の面側を保持する保持工程と、
    ガラス板の他方の面側からガラス板に対し透過性を有する波長のパルスレーザ光線を照射しガラス板の内部に集光しガラス板の厚み方向に延在する細孔と該細孔を包囲する非晶質とを備える分割起点をガラス板の内部に配列させ形成する分割起点形成工程と、
    該分割起点が形成されたガラス板の他方の面に先端がV字に尖った切削ブレードを切り込ませ該分割起点に沿ってV溝を形成するV溝形成工程と、
    該V溝形成工程の後、該分割起点に外力を加えて該分割起点を起点にガラス板を分割する分割工程と、を備えるガラス板の分割方法。
  2. 表面に分割予定ラインで区画された領域にデバイスが形成された半導体ウエーハの該表面とガラス板の一方の面とが樹脂で接着された板状ワークを該分割予定ラインに沿って分割してチップを形成する板状ワークの分割方法であって、
    ガラス板に対して透過性を有する波長のパルスレーザ光線を照射しガラス板の内部に集光しガラス板の厚み方向に延在する細孔と該細孔を包囲する非晶質とを備えるガラス板分割起点を該分割予定ラインに沿ってガラス板の内部に直線状に配列させ形成するガラス板分割起点形成工程と、
    該ガラス板分割起点形成工程の後、該ガラス板分割起点に沿ってガラス板の他方の面に先端がV字に尖った切削ブレードを切り込ませ該ガラス板分割起点に沿ってV溝を形成するV溝形成工程と、
    半導体ウエーハに対して透過性を有する波長のパルスレーザ光線を照射し半導体ウエーハの内部に集光し該分割予定ラインに沿ってウエーハ分割起点となる改質層を形成するウエーハ分割起点形成工程と、
    該ガラス板分割起点と該ウエーハ分割起点とに外力を加えて半導体ウエーハとガラス板とを該分割予定ラインに沿って分割しチップを形成する分割工程と、を備える板状ワークの分割方法。
  3. 前記ガラス板分割起点形成工程の前にガラス板の他方の面を保護する保護膜を形成する保護膜形成工程を備え、
    該保護膜形成工程で形成された該保護膜は、前記V溝形成工程で切削ブレードに供給する切削水で除去する請求項2に記載の板状ワークの分割方法。
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