JP2018081086A - 定義のように切換可能な磁気ホルダ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気試料ホルダ又は試料本体を解除可能に保持するホルダ装置を提供する。【解決手段】磁気試料ホルダ又は試料本体を解除可能に保持する、走査型プローブ顕微鏡のためのホルダ装置50であって、磁気試料ホルダ又は試料本体を収容する収容手段と、保持モードにおいて、収容手段に磁気保持力を及ぼすための磁界をガイドするように構成された磁界ガイド手段56と、選択的に保持モード又は解放モードを設定するために、磁界ガイド手段56及び磁界切換手段58との間で少なくとも2つの相対的配置の間を切り換えるように構成された磁界切換手段58であって、解放モードにおいて、前記収容手段から取り外すために、磁気試料ホルダ又は試料本体が解放される、磁界切換手段58と、を備えるホルダ装置50。【選択図】図2
Description
本発明は、ホルダ装置、走査型プローブ顕微鏡、及び走査型プローブ顕微鏡の磁気試料ホルダ又は試料本体を解除可能に保持する方法に関する。
走査型力顕微鏡(原子間力顕微鏡、AFM)は、主に、表面の横方向又は垂直方向の高解像検査(特に表面のトポグラフィカル検査)に役立つ。その際、表面上にナノスケールの探針(測定端又は測定プローブ端とも呼ばれる)を有する測定プローブ(例えば、カンチレバとも呼ばれる湾曲梁)が、表面上を案内され(すなわち、走査又はスキャンされ)、カンチレバの変位が、表面とカンチレバの相互座用に基づいて、検出される。試料の表面性質に応じて、カンチレバの変位は位置依存性であり、又は探針のトラッキングが描かれる。カンチレバ又は先端の変位は、容量的に(特に圧電的に)又は光学センサを用いて測定される。この方法は、試料の表面の構造検査を原子的解像度までにわたって可能にする。検査されるべき試料の表面までのカンチレバの距離は、非常に正確に設定される。従って、種々の測定方法、例えば接触モード(contact mode)、非接触モード(non contact mode)、タッピングAFMモード(Tapping Mode)等が、実現される。US5406832Aには、AFMが説明されている。
走査型力顕微鏡で測定されるべき試料本体は、試料準備の目的で試料ホルダ上に配置される。この試料ホルダは試料本体と一緒に測定機器内に固定される。測定の開始前に、試料本体又は試料ホルダはホルダ装置の収容手段に固定される。そのような工程は、従来、手間のかかるものであった。
US8302456B2に、特に小さい構造を測定できる、AFM用の試料ホルダないしはセンサホルダが開示されている。キーサイト社から販売されている機器5600LS AFMにおいて、真空吸引の一例が使用される。JP2003−329562Aでは、試料ホルダは、固定部と、出し入れ可能な永久磁石とを備えており、これはバネと一種のバヨネットロックとを用いて固定される。US5260577には、複数の磁石を用いて、その上方に位置するプレート上に固定される試料キャリアが開示されている。EP0373742B2には、試料プラットフォーム上に設けられる試料が記載されており、この試料プラットフォームは補助プラットフォーム上に設けられる。両プラットフォームには、各自の軸まわりに90°回転可能な磁石が存在する。
従来の他の固定の一態様は、強磁性の試料ホルダと、1つ又は複数の永久磁石とを、測定機器において、組み合わせたものである。かかる手段の欠点は、ユーザが、測定機器からの作用する磁力に抗して著しく大きな筋力をかけながら試料ホルダを引っ張ることを強いられることである。このことによって、走査型プローブ顕微鏡の影響を受けやすい構成要素の周囲と、影響を受けやすい小さな試料本体の周囲とにおいて、損傷のおそれが生じることとなり、あまりユーザフレンドリーではない。
本発明の目的は、例えば走査型プローブ顕微鏡上への試料本体の取り付けを、迅速に、容易に、エラーに強く、正確に行い得る可能性を提供することである。
この目的は、独立請求項に記載の特徴を有する対象により解決される。さらなる実施形態は、従属請求項に示されている。
本発明の実施形態によれば、磁気試料ホルダ(試料担体とも称される)を解除可能に保持するためのホルダ装置であって、即ち磁性材料(特は強磁性材料、フェリ磁性材料、常磁性材料及び/又は永久磁石材料)を有する又はから成る試料ホルダ、若しくは、磁性試料本体、即ち磁性材料(特に強磁性材料、フェリ磁性材料、常磁性材料、及び/又は永久磁石材料)を有する又はから成る試料本体(この場合には試料本体は試料ホルダなしでも取り付けされる)、を解除可能に保持するためのホルダ装置において、
このホルダ装置は、
磁気試料ホルダ又は試料本体を収容する収容手段(例えば、窪部又は取り付けプレートの中皿)と、
保持モードにおいて、収容手段に収容される磁気試料ホルダ又は試料本体を保持するために、収容手段に磁気保持力を及ぼすための磁界をガイドするように構成された磁界ガイド手段と、
選択的に保持モード又は解放モードを設定するために、磁界ガイド手段及び磁界切換手段との間の少なくとも2つの相対的配置の間で切り換わるように構成された磁界切換手段であって、
解放モードにおいて、収容手段から取り外すために、磁気試料ホルダ又は試料本体が解放される、磁界切換手段と、を有する。
収容手段は例えば試料ホルダ又は試料本体を介して対向する面に形成されることもできる。
このホルダ装置は、
磁気試料ホルダ又は試料本体を収容する収容手段(例えば、窪部又は取り付けプレートの中皿)と、
保持モードにおいて、収容手段に収容される磁気試料ホルダ又は試料本体を保持するために、収容手段に磁気保持力を及ぼすための磁界をガイドするように構成された磁界ガイド手段と、
選択的に保持モード又は解放モードを設定するために、磁界ガイド手段及び磁界切換手段との間の少なくとも2つの相対的配置の間で切り換わるように構成された磁界切換手段であって、
解放モードにおいて、収容手段から取り外すために、磁気試料ホルダ又は試料本体が解放される、磁界切換手段と、を有する。
収容手段は例えば試料ホルダ又は試料本体を介して対向する面に形成されることもできる。
本発明のさらなる実施形態によれば、試料本体の表面を走査スキャンすることによって、前記試料本体に関する表面情報を取得するための走査型プローブ顕微鏡が提供され、
走査型プローブ顕微鏡は、試料本体を保持するための磁気試料ホルダ又は試料ホルダを有さない磁気試料本体と、
磁気試料ホルダ又は試料本体を解除可能に保持する上述のホルダ装置と、を有する。
走査型プローブ顕微鏡は、試料本体を保持するための磁気試料ホルダ又は試料ホルダを有さない磁気試料本体と、
磁気試料ホルダ又は試料本体を解除可能に保持する上述のホルダ装置と、を有する。
さらなる例示的実施形態によれば、(特に走査型プローブ顕微鏡の)磁気試料ホルダ又は磁気試料本体を解除可能に保持するための方法が得られ、
この方法において、磁気試料ホルダ又は試料本体は収容手段に収容され、
保持モードにおいて、収容手段に収容される前記磁気試料ホルダ又は試料本体を保持するための収容手段に磁気保持力(特に吸引する磁気保持力)を及ぼすために、磁界を磁気ガイド手段によって、ガイドし、
前記収容手段から取り出すために磁気試料ホルダ又は試料本体が開放される解放モードへ、保持モードから切り換えるために、磁界ガイド手段及び磁界切換手段との間の少なくとも2つの相対的配置の一方から他方へ切り換えられる(特に終了手段の場所において、磁力を完全に又は少なくとも大部分をなくすこと、又は保持モードにおいて、吸引する磁力を、解放モードにおいて、反発する磁力に切り換えることによって、)。
この方法において、磁気試料ホルダ又は試料本体は収容手段に収容され、
保持モードにおいて、収容手段に収容される前記磁気試料ホルダ又は試料本体を保持するための収容手段に磁気保持力(特に吸引する磁気保持力)を及ぼすために、磁界を磁気ガイド手段によって、ガイドし、
前記収容手段から取り出すために磁気試料ホルダ又は試料本体が開放される解放モードへ、保持モードから切り換えるために、磁界ガイド手段及び磁界切換手段との間の少なくとも2つの相対的配置の一方から他方へ切り換えられる(特に終了手段の場所において、磁力を完全に又は少なくとも大部分をなくすこと、又は保持モードにおいて、吸引する磁力を、解放モードにおいて、反発する磁力に切り換えることによって、)。
本出願の枠組みにおいて、「磁界ガイド手段」の用語は、少なくとも部分的に磁性構造であると理解され、この磁性構造は、(例えば磁界切換手段によって、)提供される磁界を(特にその形状及び/又は材料組成に基づいて)上述のように空間的にガイドすることができ、即ち経路に、この磁界の磁力線の経過方向又は軌道が、所定の方法で影響を与える、ように構成されている。ここで、磁界ガイド手段は、保持モードにおいて、磁力線が収容手段を通過するように、かつ、解放モードにおいて、収容領域から遠ざかるように構成されている。
本願の枠組み内で「磁界切換手段」の用語は、少なくとも部分的に磁性構造であると理解され、この磁性構造は、磁界ガイド手段によって、(特にその形状及び/又は材料組成に基づいて)空間的にガイドされる磁界を生成し、特に、磁界切換手段の全体又は磁界切換手段の一部の異なる位置が割り当てられている(少なくとも2つの)異なる切換状態に、異なる磁力線のガイド経路を設定できるように構成されている。
本願の枠組み内で「相対的配置」の用語は、特に、一方の磁界ガイド手段(全体として又はその個別の部品)と他方の磁界切換手段(全体として又はその個別の部品)との間の相対的な空間配置であると理解されよう。特に、相対的配置は、この文脈において、磁界切換手段に関する磁界ガイド手段の相対的位置、又は磁界切換手段に関する磁界ガイド手段の相対的方向づけと理解されよう。保持モードと解放モードとを選択的に設定するための磁界ガイド手段と磁界切換手段との間の相対的配置の変更は、磁界ガイド手段又は磁界切換手段の部品が、磁界ガイド手段又は磁界切換手段の対応する残りに対して相対的に、かつ、磁界ガイド手段及び磁界切換手段のそれぞれ他方に対して相対的に移動することによっても行われることができる。
本願の枠組みにおいて、「切り換える」の用語は、特に、明確に定義された(wohldefinierten)切換状態から他の明確に定義された切換状態に移行することと、理解されよう。従って、「切換」の用語は、この文脈において、無段階の移行としてではなく、一の動作モードから他の動作モードへの定義された離散的移行と理解されよう。
本願の枠組みにおいて、「走査型プローブ顕微鏡」の用語は、特に、試料本体の画像又はその他の表面情報が光学的又は電子光学的な結像(即ち、レンズの使用による)によって、ではなく、試料本体と測定プローブの相互作用を介して生成される顕微鏡と理解される。検査されるべき試料表面は、この測定プローブで走査プロセスにおいて、点々(Punkt fuer Punkt)と調査(abgetastet)される。各個別の点に対して生じる測定値は、1つの画像に組み込まれ、又は他の方法で評価される。
本発明の例示的実施形態によれば、少なくとも2つの明確に定義された相対的配置の間で定義され、磁界切換手段と磁界ガイド手段との間において、切換られることが可能であるホルダ装置が得られる。
保持モードに相当する第1相対的配置では、一方では収容手段に磁気試料ホルダ又は試料本体が形成され、他方では磁界ガイド手段及び磁界切換手段の組み合わが、試料を収容手段に堅固に固定する磁気保持機構を形成する。解放モードに相当する大2相対的配置では、かかる磁力は十分に又は完全に不活性化され、又は少なくとも大幅に低減され、又はさらに符号が逆にされる。これは、磁界ガイド手段と磁界切換手段との協働によって、切換プロセス後に、それまで吸引する向きであった磁界を偏向又は極反転することにより、達成される。従って、例示的実施形態によれば、例えば永久磁石の磁界生成に基づき、試料関連の空間領域において、スイッチオフ又は逆転させることができる磁力が作用する、シンプルに設計され、容易に操作可能な保持機構が提供される。磁気試料ホルダ/試料本体の場所における磁力のアクティブ化又はスイッチオフ又は反転は、有利には純機械的に行われ、そのためには非常に小さい駆動力しか必要とされない。かかる構成は、構造がコンパクトでシンプルであり、稼働の際に振動が無く、堅牢である。さらに、この点において、ホルダ装置の動作による顕著な不所望な熱の発生は、誰にも利点をもたらさない。
小さい試料ホルダのためには機能する、スイッチオフされない永久磁石とは対照的に、本発明の例示的な実施形態は、大きな試料ホルダ又は試料本体であっても、組み付け及び取り外し(Montage sowie Demontage)の際の安全な動作を可能にする。保持の際に必要な磁気吸引力を顧慮することなく、本発明の例示的実施形態によれば、力の少ない試料ホルダの取り外しが磁力の切換後に成し遂げられ、従って試料ホルダは関連する切換状態において、低減され、消され、又は、さらに反転された保持力において、収容手段から取り外されることができる。
本発明の例示的実施形態によれば、少なくとも2つの明確に定義された相対的配置の間で定義され、磁界切換手段と磁界ガイド手段との間において、切換られることが可能であるホルダ装置が得られる。
保持モードに相当する第1相対的配置では、一方では収容手段に磁気試料ホルダ又は試料本体が形成され、他方では磁界ガイド手段及び磁界切換手段の組み合わが、試料を収容手段に堅固に固定する磁気保持機構を形成する。解放モードに相当する大2相対的配置では、かかる磁力は十分に又は完全に不活性化され、又は少なくとも大幅に低減され、又はさらに符号が逆にされる。これは、磁界ガイド手段と磁界切換手段との協働によって、切換プロセス後に、それまで吸引する向きであった磁界を偏向又は極反転することにより、達成される。従って、例示的実施形態によれば、例えば永久磁石の磁界生成に基づき、試料関連の空間領域において、スイッチオフ又は逆転させることができる磁力が作用する、シンプルに設計され、容易に操作可能な保持機構が提供される。磁気試料ホルダ/試料本体の場所における磁力のアクティブ化又はスイッチオフ又は反転は、有利には純機械的に行われ、そのためには非常に小さい駆動力しか必要とされない。かかる構成は、構造がコンパクトでシンプルであり、稼働の際に振動が無く、堅牢である。さらに、この点において、ホルダ装置の動作による顕著な不所望な熱の発生は、誰にも利点をもたらさない。
小さい試料ホルダのためには機能する、スイッチオフされない永久磁石とは対照的に、本発明の例示的な実施形態は、大きな試料ホルダ又は試料本体であっても、組み付け及び取り外し(Montage sowie Demontage)の際の安全な動作を可能にする。保持の際に必要な磁気吸引力を顧慮することなく、本発明の例示的実施形態によれば、力の少ない試料ホルダの取り外しが磁力の切換後に成し遂げられ、従って試料ホルダは関連する切換状態において、低減され、消され、又は、さらに反転された保持力において、収容手段から取り外されることができる。
さらに、ホルダ装置の追加の例示的実施形態において、走査型プローブ顕微鏡及び方法が述べられる。
本発明の実施形態によれば、磁界切換手段が、(保持状態においては吸引し解放状態においては遠ざける(weggeleiteten)、低減された、又は反発する極反転された)磁界を生成するための磁石、特に永久磁石、を有する。従って、磁界切換手段は磁界発生手段と共通に構成されることができる。上記の磁石は上記の磁界の源となることができる。豊富(aufwaendiges)な不所望な排熱を生成する電磁石の動作は、永久磁石が設けられている場合は、なしで済ますことができる。磁界切換手段はこのようにして電気エネルギの供給なしに動作できる。代替的な実施形態によれば、特に電磁石の動作のための、電気エネルギ源が設けられていてもよい。
本発明の実施形態によれば、磁界ガイド手段は、磁化可能な材料、特に強磁性材料を有する、又はから成ることができる。この材料は、例えば磁界切換手段により生成される磁界があるときに、この磁界は所期のように空間的に影響を与えることができ、磁束を定義された経路を通し、又は迂回させることができる。
本発明の実施形態によれば、解放モードでは磁界が収容手段から離れるように導かれることができる。換言すると、磁界切換手段が解放位置を取ると、磁界切換手段から生成される磁界は磁界ガイド手段の材料を通って空間的にガイドされ、迂回され、従ってもはや磁気吸引力が磁気試料ホルダ又は試料本体に収容手段の領域内でかからず、別の空間領域に磁気作用を発揮する。
本発明の実施形態によれば、磁界切換手段は、少なくとも磁界切換手段の一部の、長手方向の、特に直線運動により、2つの(又は2以上の)相対配置間で切り換えることができるように調整されていることができる。長手方向の乃至は直線の運動とは、正確に又は少なくとも実質的に又は大部分が直線的に延在し、(例えばある程度の許容誤差の範囲内で)わずかな非直線的な成分を有する運動であると解される。異なる動作モード間のかかる切換によって、簡単な長手運動の実行によって、定義された切換位置の定義された設定が少ないコスト又は手間(Aufwand)で可能となる。並進切換運動も、定義された切換状態の設定を容易にする。代替的に、回転切換運動もちろん可能である。
本発明の実施形態によれば、磁界切換手段は、純機械的に少なくとも2つの相対的配置の間で切換られるように調整されていることができる。かかる純機械的な移行は、例えば、切換のために操作素子を操作し、又はレバーを倒すことができるユーザによって、筋力を付加することで行われる。このようにして、ホルダ装置の操作による容易な運転が可能になり、測定機器に不所望なアーティファクトを導き得る不所望な電気的排熱が回避される。ホルダ装置の操作は、適切な工具によって、又は工具なしで行うこともできる。本願の枠組みにおいて、「工具なしで操作可能」との用語は、特に、ユーザが、磁気試料ホルダ又は試料本体の取り付け及び取り外しのためにホルダ装置を操作するために、ホルダ装置以外の工具又はその他の補助具をしなくてもよいことと理解されよう。ユーザの定義する切換に代えて、ホルダ装置の機械的操作も可能である。
本発明の実施形態によれば、磁界ガイド手段及び磁界切換手段は、解放モードにおいて、収容手段に収容される次期試料ホルダ又は試料本体を収容手段に保持するための磁気保持力がスイッチオフするように調整されていることができる。このようにして試料本体とともに試料ホルダを測定機器の取り付け台から取り外すことは、ほぼ完全に力なしで、大きな磁力の克服なしに行われることができる(小さな重力だけが克服すべきものである)。このようにて特にユーザフレンドリーな、確実な運転が可能になる。
本発明の実施形態によれば、磁界ガイド手段及び磁界切換手段は、保持モードにおいて、磁力線が試料ホルダ又は試料本体を通って、収容手段へと流れるように形成され、解放モードにおいて、磁力線が別の経路を通って流れるように形成されるように調整されていることができる。磁界を迂回させるだけで、保持モードと放出モードとの間の移行を簡単な方法で行うことができる。これは、特に、エネルギーを節約し、簡単でユーザフレンドリーである、試料ホルダの収容領域への又はからの選択的な固定又は解放の形式を表す。
本発明の実施形態によれば、磁界ガイド手段及び磁界切換手段は、保持モードにおいて、試料ホルダ又は試料本体を介して収容手段に閉磁路が形成され、解放モードにおいて、収容手段を通過(vorbei)するように試料ホルダ又は試料本体に代替の閉磁路が形成されるように調整されていることができる。この文脈において、閉磁路の用語は、相応の空間領域における閉じられた磁力線の形成と理解されよう。保持モードにある間、高い保持力を生成するために、磁力線は高い密度で試料ホルダ又は試料本体の領域を流れる、又は、そこに集中する。解放モードにおける高密度の磁力線は、試料ホルダから離れるように伝導し、代替の経路を通って伝導する。磁気試料ホルダ又は試料本体は、後者の運転状態では実質的に磁気保持力が無くなったと感じられる。
本発明の実施形態によれば、磁界切換手段は磁束の源として調製されることができ(特に、永久磁石として設けられる)、その磁束は、少なくとも2つの相対的配置の間を切り換えることによって、磁気ガイド手段により定義される少なくとも2つの異なる磁気経路をガイドされることができる。磁界切換手段の磁束源は、磁界切換手段の少なくとも1つの永久磁石により実現されることができる。磁界ガイド手段がその磁束を、収容手段にかかる磁気保持力を生成するように調製する、又は磁気試料ホルダ又は試料本体の解放のために収容手段から遠ざけるようにガイドする、という課題を実現できる。
本発明の実施形態によれば、磁界ガイド手段及び磁界切換手段は、少なくとも2つの相対的配置間の移行の間、両磁気経路の磁気抵抗の合計が実質的に一定になるように調整されることができる。このようにして、保持モードと解放モードの間の、ホルダ装置の移行が力なしで実現できる。なぜなら、磁界ガイド手段全体の中の磁束は全く変化しないか、わずかしか変化しないからである。これは、ホルダ装置のユーザフレンドリー性を向上させる。
本発明の実施形態によれば、少なくとも2つの相対的配置のうちの少なくとも1つが、磁界ガイド手段の内部の凹部内の境界壁にある、磁界切換手段の関連するストッパ位置に割り当てられるようにすることができる。磁界切換手段又はその部品(例えば磁石スライダ)が、磁界切換手段の凹部の端面(例えば、磁界切換手段の自若スライダの凹部の端面)に対して当接すると、これは、ユーザに、所望の切換状態(特に解放モード)が設定されている直感的な触覚フィードバックを表す。さらに、機械的ストッパにより、実際に安定した切換状態が実現されていることが視認できる。
代替的に又は付加的に、保持モードも、ストッパによって、端面で定義され得る。これに代えて、複数のモードのうちの1つ(特に保持モード)において、外力の無いときに、付勢手段(例えばバネ)が磁界切換手段又はその部品(例えば磁気スライダ)を付勢することで、複数のモードのうちの1つ(特に保持モード)を定義することも可能である。本発明の実施形態によれば、ホルダ装置は、付勢手段(例えば、バネ、ゴムブロック、又は2つの同様に充電され(gleichnamig elektrisch geladene)電気的に絶縁された物体)を有し、これらは磁界切換手段の機械的付勢のために、両相対的配置のうちの1つ、特に有利には保持モード、を構成できる。かかる不正手段が設けられていることにより、外力が無いときに、システムが、十分に定義された切換状態に保たれることが確実となる。外力の無いとき、及びしたがって付勢手段の作用の無いときに、試料ホルダの不所望な解除を避けるために、ホルダ装置が保持モードに付勢されていることが好ましい。試料ホルダ又は試料本体の故意でない解放(例えば、ホルダ装置の周囲の不特定の衝撃又は振動)は、従って不可能にされることができる。換言すると、ユーザは、磁気試料ホルダ又は試料本体を収容手段方取り出せるようにするために、解放するための能動的な操作を行わなければならない。
本発明の実施形態によれば、磁界ガイド手段(特に板形状)は凹部を有する磁石シューを備え、磁界切換装置は、凹部内での走行のために取り付けられた磁石スライダを備える。凹部内の磁気スライダの往復運動の方法は、保持モードと解放モードとの間の切り換えに対応し得る。磁気スライダの磁性体は、収容手段の領域と異なる領域との間で高密度の磁力線の伝導を行えるからである。
本発明の実施形態によれば、磁石シューは、磁石スライダの走行方向又はスライド方向に対して実質的に垂直に、非磁性又は不磁性材料によって、定義ざれる磁気バリア(特に1以上の空隙、好ましくは磁石シュー内の1組の空隙)を有する。かかる磁気バリア、例えば磁石シューの局所的に肉薄箇所は、そこを介して延在する磁気経路エネルギー的に不可能にし、別の経路を促進し、それに沿って高密度の磁力線が保持モードと解放モードとの間でずらされることができる。
本発明の実施形態によれば、磁石スライダの永久磁石ブロックは、解放モードにおいて、磁気バリアの面上に凹部の境界壁の第1接点面を有し及び/又は保持モードにおいて、磁気バリアの別の面上に凹部の境界壁の第2接点面を有する接触面を備えることができる。永久磁石ブロックの相応の部分面としてのこの接触面は、第1接点面よりも小さく、及び/又は第2接点面より小さく、特に第1接点面の最大90%、好ましくは最大80%、特に好ましくは最大70%であり、及び/又は第2接点面の最大90%、好ましくは最大80%、特に好ましくは70%、であり得る(図15参照)。接触面に対して著しく大きい(複数の)接点面の存在により、永久磁石体の位置不正確性に対して著しく許容性のあるホルダ装置を得ることができ、かかる位置のズレ又は不正確性の場合において、そのそれぞれ定義された切換状態(特に保持モード又は解放モード)を離れることなはない。接触面が各接点面のどの位置に位置決めされているかに依存することなく、1つの同じ切換状態を保って残ることができる。係るホルダ装置は、従って過酷な条件下及び許容範囲内であっても、特にエラーに強い(fehlerrobust)。
本発明の実施形態によれば、磁気シューは、収容手段に対向する表面上に、磁気材料から成る2つの極突起を有する。1つの又は少なくとも3つの極突起も可能である。例えば、2つの実質的に円筒状又はポスト状の極突起が、磁気シューの他は平面の表面に対向して突出することができ、それによって、高密度の磁力線が複数の運転モード(特に保持モード)において、定義されたように通り抜ける領域を画定できる。
本発明の実施形態によれば、磁気シューは、(一方又は両方が)非磁性材料に取り付け形成された(angeformt)永久磁石ブロックを有する。磁気シューは例えば磁気シューの凹部内を前後に往復移動できるピストン状の物体でありえる。例えば、ピストン状の物体の全領域は特に永久磁石材料から形成されることができ、他方では、ピストン状の物体の裏側領域は非磁性材料から形成されることができる。
本発明の実施形態によれば、磁界ガイド手段及び磁界切換手段は、磁界ガイド手段全体と磁界切換手段全体との間の距離を変化することによって、少なくとも2つの相対的配置の間を切り換えるように調整されていてもよい。かかる実施例によれば、磁界切換手段を磁界ガイド手段から又は収容手段から遠ざけることにより、収容手段の領域における磁界強度を弱めることができ、それにより解放モードがアクティブ化(aktiviert)されることができる。反対に、磁界切換手段を収容手段に近づけることにより保持モードがアクティブ化されることができる。
本発明の実施形態によれば、磁界切換手段(又は磁界ガイド手段)は、磁界切換手段(又は磁界ガイド手段)の部分磁石セクションを残りの磁石セクションから分離することにより、少なくとも2つの相対的配置の間を切り換えられるように調整されていることができる。磁界切換手段又は磁界ガイド手段からの磁気部品の分離によって、同様に、磁力線が迂回することができ、従って分離の結果として保持モードと解放モードとの間の移行が生じる。
本発明の実施形態によれば、磁界切換手段(又は磁界ガイド手段)は、追加磁石セクションを磁界切換手段(又は磁界ガイド手段)の基礎磁石セクションへ付加することにより、少なくとも2つの相対的配置の間を切り換えることができるように調整されていることができる。磁界切換手段又は磁界ガイド手段の磁気部品を継ぎ足すことにより、同様に、磁力線が迂回することができ、従って継ぎ足の結果として保持モードと解放モードとの間の移行が生じる。
本発明の実施形態によれば、ホルダ装置は、エネルギ自給型のホルダ装置として構成され、特に電気的エネルギの供給なしに(例えば純粋に筋力によって、)動作可能である。このようにして、ホルダ装置の、及びしたがって試料ホルダ上の試料本体の、(例えば真空システムの動作によって、生じうるような)不所望な振動及び(例えば電気エネルギ供給手段の動作により起こりうるような)不所望な加熱が回避されることができる。試料本体における測定はこのようにして高い精度で、アーティファクトフリーで行われることができる。
本発明の実施形態によれば、ホルダ装置は、上述の特徴を有する、少なくとも1つのさらなる磁界ガイド手段及び少なくとも1つのさらなる磁界切換手段を有することができ、磁界ガイド手段及び前記磁界切換手段、並びに少なくとも1つのさらなる磁界ガイド手段及び少なくとも1つのさらなる磁界切換手段が、一緒に同一の収容手段に作用するように調整されていることができる(図6及び図7参照)。所望の又は所要の保持力をかけられるように、任意の数の磁界ガイド手段及び磁界切換手段が、ホルダ装置の枠内で、対毎に組み合わせられることが可能である。特に対は直列で動作できる。
本発明の実施形態によれば、ホルダ装置は、磁界切換手段及び少なくとも1つのさらなる磁界切換手段とに同時に作用するように駆動可能な(特に剛性の)制御本体を有することができる。このようにして、選択的に、ホルダ装置の一部の又は全部の保持力を生成する部品を、共通の操作で、特に保持モード又は解放モードの所望の状態に移行できる。したがって、制御本体によって、磁気ロックのすべて又は一部のみを操作することが可能である。
本発明の実施形態によれば、制御本体は、磁界切換手段及び少なくとも1つのさらなる磁界切換手段に同時に作用するために、回転駆動可能な制御板として形成されることができ、これらの磁気切換手段は、少なくとも部分的に磁界ガイド手段及び少なくとも1つのさらなる磁界ガイド手段と一緒に、制御板周りに配置されることができる(代替的に又は付加的に、制御板内への配置も可能である)。 制御板の回転により、制御板の周辺外部の駆動体は各磁界切換手段に作用することができ、従って全ての磁界切換手段が同時に所望の動作モードに移行できる。関連する磁界ガイド手段とともに制御板の周りを囲む磁界切換手段の配置により、実質的に均一な固定力が磁気試料ホルダ又は試料本体にかけられることが可能である。
代替的実施形態によれば、制御本体は制御板とは異なって形成されることができる。従ってそのような代替的実施形態によれば、例えば、磁気ロックの直線的な配置を制御レバーで走査することが可能になる。そのような制御レバーは、例えば複数の磁界切換手段に、複数の直線的に配置されたホルダ手段から、同時に作用できる。
本発明の実施体によれば、走査型プローブ顕微鏡は、測定プローブを有し、測定プローブは、試料本体の表面の走査スキャンのために磁気試料ホルダに又は収容手段に直接設けられる。このようにして測定端又は測定プローブは、試料本体の表面を走査し、これにより試料本体の表面特性についての情報を供給する。
本発明の実施形態によれば、走査型プローブ顕微鏡は、走査型力顕微鏡として構成されることができる。力顕微鏡又は原子間力顕微鏡(AFM)とも称される、走査型力顕微鏡は、特別な走査型力顕微鏡である。表面化学における又は表面特徴解析における道具として役立ち、表面の機械的スキャン及びナノメータスケールの原子間力の測定のための機能を果たす。
以下において、本発明の例示的実施形態を以下の図面を参照して詳細に説明する。
本発明の例示的実施形態によるホルダ装置を有する走査型プローブ顕微鏡を示す図である。
磁気ロックとして形成された本発明の例示的実施形態によるホルダ装置の斜視図を示す図である。
図2のホルダ装置の、保持モードによる切換状態における垂直断面を示す図である。
図2のホルダ装置の、保持モードによる切換状態における水平断面を示す図である。
図4のホルダ装置の、解放モードによる切換状態における水平断面を示す図である。
複数の図2乃至5による磁界切換手段及び磁界ガイド手段を有し、全ての磁界切換手段を同時に操作するために制御本体と組み合わせられたホルダ装置を解放モードによる切換状態において、示す図である。
保持モードによる別の切換状態における図6の配置を示す図である。
保持モードによる切換状態にある別の例示的実施形態によるホルダ装置の側面を模式的に示す図である。
磁界切換手段の部品の追加により設定される解放モードによる別の切換状態にある図8のホルダ装置を示す図である。
保持モードにおける切換状態にある、磁界切換手段の2つの永久磁石を有する別の例示的実施形態によるホルダ装置の横断面を示す図である。
解放モードによる切換状態にある、図10によるホルダ装置の横方向断面を示す図である。
本発明の別の例示的実施形態によるホルダ装置を模式的に示す図である。
本発明のさらなる例示的実施形態によるホルダ装置を模式的に示す図である。
本発明の例示的実施形態によるホルダ装置の切換手順を模式的に示す図である。
図12に対応する、図2乃至図5による実施形態を模式的に示す図である。
複数の異なる図面における同じ又は同様の構成要素には、同じ参照番号が付されている。
図面を参照しながら本発明の実施例について説明する前に、本発明のいくつかの一般的な態様及びその基礎となる技術についてさらに説明する:
従来の走査型プローブ顕微鏡では、試料ボディとも呼ばれる測定すべき試料を単独で又は試料ホルダと共に試料ステージ上に固定するために、例えば固定的に取り付けられた永久磁石、又は手動で解離可能な 永久磁石が使用される。永久磁石の磁界をスイッチオフすることはできないので、磁石又は試料ホルダのいずれかを多大な労力を以て磁界に対抗して移動させなければならない。特に、試料ホルダが大きい場合には磁気吸引力が非常に大きいので、簡単な取り外し又は取り除きは、さらに多大な労力を以てのみ可能であるか、又はもはや全く不可能である。
これに代えて、吸引力をスイッチオン又はスイッチオフすることができる従来の電磁石が使用される。コストが高く、配線が面倒である他に、このような構成の別の欠点は、保持電流による望ましくない温度上昇にある。
さらには、試料ホルダを走査型プローブ顕微鏡の取り付けベースに固定するために、真空吸引機構も使用される。しかしながら、このような真空吸引機構は複雑かつ高価であり、追加的な配管を必要とし、さらには振動を引き起こし、この振動自体によって、測定値が特に望ましくない方法で歪められる可能性がある。
このような従来のアプローチから出発して本発明の1つの実施例は、磁気試料ホルダ又は磁気試料ボディを、測定に対して有害な影響を与えることなくステージ上に確実に安定的に固定させることを可能にし、かつ測定の実施後に試料ホルダ又は試料ボディを容易にかつ確実に取り外せることを可能にするホルダ装置を提供する。
本発明の例示的な実施例によれば、試料ステージ内に位置する、磁界切換手段の少なくとも1つの永久磁石を、少なくとも2つの相互に明確に区切られた切換位置の間で往復移動させることができる。1つ又は複数の強磁性の構成要素の間に非磁性材料(例えば空隙)が位置するという適切な配置により、磁力線は、保持モードに相当し得る第1位置において、試料ホルダ又は試料ボディを通るように流れて、この試料ホルダ又は試料ボディを固定する。解除モードに 相当し得る第2位置では、同様の強磁性材料を通過する代替の経路を 磁力線に提供することができ、したがって、このモードでは試料ホルダ又は試料ボディに対して磁気吸引力が作用しないか、又は非常に小さい磁気吸引力しか作用しない。磁気試料ホルダ又は磁気試料ボディは、解除モードでは容易に取り外すことが可能であるが、これに対して強力な磁力を有する保持モードでは、ホルダ装置の収容手段に固定されている。
本発明の例示的な実施例によれば、測定中に試料ホルダ又は試料ボディを安定的に固定し、その後この試料ホルダ又は試料ボディを容易に解離させることが問題となっている任意の測定装置に対して、このようなホルダ装置を使用できる。しかしながら、このようなホルダ装置を走査型プローブ顕微鏡のために使用することが特に有利である。なぜなら、振動がなく、加熱がなく、さらには安定的であって信頼性の高い動作方式が、走査型プローブ顕微鏡の要求を特に良好に満たすからである。
したがって、本発明の例示的な実施例によれば、試料ボディ又は試料ホルダを磁力作用によって、解離可能に固定するためのホルダ装置がもたらされ、このホルダ装置では、以下の構成要素を使用できる:
・試料ホルダ又は試料ボディを収容するための収容手段が設けられており、試料ステージとも呼ぶことができるベースプレート又は取り付けプレート、この収容手段には、磁界ガイド手段及び磁界切換手段を作用接続させることができ、これらの磁界ガイド手段及び磁界切換手段は、磁気保持力の生成及び空間的なガイドに関与できる。
・試料プレートとして構成できる試料ホルダ。
・例えば磁界切換手段又は磁界切換手段の一部を形成できる少なくとも1つの永久磁石。
・試料ホルダ又は試料ボディを収容するための収容手段が設けられており、試料ステージとも呼ぶことができるベースプレート又は取り付けプレート、この収容手段には、磁界ガイド手段及び磁界切換手段を作用接続させることができ、これらの磁界ガイド手段及び磁界切換手段は、磁気保持力の生成及び空間的なガイドに関与できる。
・試料プレートとして構成できる試料ホルダ。
・例えば磁界切換手段又は磁界切換手段の一部を形成できる少なくとも1つの永久磁石。
このような配置構成によれば、永久磁石と収容手段との間の相対移動によって、磁気試料ホルダ又は試料ボディの固定又は解離が可能となり、この相対移動によって、磁界の代替回路を形成できる。このようなホルダ装置は、多種多様な測定機器のために使用できるが、本発明の例示的な実施例によれば、このようなホルダ装置を走査型プローブ顕微鏡(SPM)又は原子間力顕微鏡(AFM)のために使用することが特に有利である。なぜなら、ホルダ装置の格別の利点は、このような用途において、特に顕著に効力を発揮するからである。
例えば上述した磁石の移動は、線形又は略線形に実施できる。このことによって、有利には、磁気バリアによって、相互に分離され、かつ相互に明確に分離された複数の切換位置の間における移動が可能になる。
ばね力に対抗するスライドは、必ずしも必須ではないが非常に有利である。基本的には、付勢手段がなくとも(例えば押圧又は引張によって、)磁石を往復移動させることは可能である。しかしながら、特に図6及び図7に図示された実施形態のように、(特に好ましくは制御ディスクとして構成されている制御ボディの)楔形部材の回転によって、押し出しが実施される場合には、開始位置への復路移動を、ばね力又は他の付勢力によって、特に簡便に、簡単に、かつ正確に実現することが可能となる。これに代わる実施形態では、例えば他方の側に逆楔形部材を設けることが可能であり、この場合には、この逆楔形部材によって、復路移動が引き起こされる。有利には、「試料ホルダ又は試料ボディが固定されている」状態(上述した保持モードに相当する)は、ばねが弛緩している場合に付与できる。このことは、その後、試料ホルダ又は試料ボディを解離させるために、ばね力に対抗して能動的に動作が行われること、すなわちばねに向かって磁石が押し出されることを意味する。これによって、磁気試料ホルダ又は磁気試料ボディがホルダ装置から不所望に脱落しなくなることが保証されている。なぜなら、脱落するためには付勢力を能動的に克服することが必要となるからである。
特に有利には、本発明の実施例によれば、複数のホルダ装置を規則的な配置で設けることができる(例えば図6及び図7参照)。これにより、保持力を増加させることが可能となると同様に、保持力を特に均一又は均質にすることが可能となる。
図1は、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope, AFM)として構成された、本発明の一実施形態の走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope, SPM)1を示している。
走査型プローブ顕微鏡1では、カンチレバ撓み、すなわち測定プローブ11(「カンチレバ」とも称される)の位置変化ないしは形状変化を、光学センサ系によって、検出する。この走査型プローブ顕微鏡1では、電磁放射源2(たとえばレーザ源)が集光装置12(1つ又は複数の光学レンズの配置体として構成できる)を介して1次電磁ビーム13(特にレーザ光)を測定プローブ11へ送出する。測定プローブ11により反射された2次電磁ビーム3は、感光式の位置検知検出器10へ伝播する(とりわけ、2次電磁ビーム3は偏向ミラー14を用いて、又は他の光偏向要素を用いて、位置検知検出器10へ向けて偏向され得る)。測定プローブ11がアクチュエータ4(図1では垂直方向であるz方向において、位置変化を引き起こすことができるもの)によって、運動し、及び/又は、測定プローブ11がその形状を変化させると、位置検知検出器10において、レーザ光の変化を検出できる。測定プローブ11の測定端5(「カンチレバ端」とも称される)と、本発明の一実施形態のホルダ装置50の表面又は内部に設けられた試料ホルダ52上の検査対象ないしはキャラクタリゼーション対象の試料本体6との相互作用如何によって、測定プローブ11の撓みが変わり、これに対応する、検出器10の領域に、2次電磁ビーム3が当たる。その後、検出器信号を処理ユニット8において、処理できる。これにより得られた、試料本体6の表面の高解像度の像は、表示装置9を用いて表示できる。これにより得られた、試料本体6の表面の高解像度の像は、表示装置9を用いて表示できる。試料本体6の表面は、測定端5を用いて(すなわち、測定プローブ11の感知端を用いて)走査できる。試料台17は、図1では水平方向の平面内(すなわち、z軸に対して直交するx方向とy方向とにおいて、)アクチュエータ18を用いて移動できる。走査型プローブ顕微鏡1はこのようにして、測定プローブ11を用いて試料本体6の表面をラスタ走査することによって、試料本体6に関する表面情報を求めるように機能する。
既に述べた、試料本体6が取り付けられた磁気試料ホルダ52を解除可能に保持するホルダ装置50は、収容手段54と、磁界ガイド手段56と、磁界切換手段58とから構成されている。ホルダ装置50の実施形態について、図2乃至図15を参照して詳細に説明する。試料本体6を磁気試料ホルダ52に設けることに代えて、磁性の試料本体6を収容手段54に直接(すなわち、試料ホルダ52無しで)設けることも可能である。その際には、その磁気保持力は、磁性の試料本体6とホルダ装置50との間で作用する。
図2は、本発明の一実施形態の、磁気ロックとして構成されたホルダ装置50の3次元図である。図3は、保持モードの切換状態にある、図2のホルダ装置50の垂直方向の断面図である。図4は、保持モードの切換状態にある、図2のホルダ装置50の水平方向の断面図である。図5は、解放モードの切換状態にある、図4のホルダ装置50の水平方向の断面図である。
図2乃至図5のホルダ装置50は、磁性材料を有する試料ホルダ52を解除可能に保持するように機能し、このホルダ装置50上に測定対象の試料を配置することができ、又は、ホルダ装置50は測定対象の試料となり得る(図1参照、図2乃至図5には示されていない)。ホルダ装置50は特に有利には、図1に示されているもののように、走査型プローブ顕微鏡1に実装できる。
ホルダ装置50は、同様に図2に示されていない収容手段54(図1参照)を備えており、これは、磁気試料ホルダ52を収容するように構成されている。収容手段54は、図2に示されているように、ホルダ装置50の構成要素上に存在しているのが分かる。収容手段54はたとえば、試料台17又は試料ホルダ52用の他の搭載プラットフォームの窪部、又は、他の態様で構造的に画定された若しくは空間的に区切られた表面領域とすることができる。簡単な事例では、収容手段はたとえば、ホルダ装置50の、試料ホルダ52ないしは試料本体6を向いた面により構成される。ユーザは試料ホルダ52を、当該試料ホルダ52上又は当該試料ホルダ52の表面に配置された測定対象の試料本体6と共に、収容手段54に搭載できる。
図示の実施形態において、試料台17に対して固定位置に非可動に構成された磁界ガイド手段56の全部又は一部は、磁性材料(たとえば強磁性材料)から成ることができ、収容手段54と作用結合するように位置決めされている。磁界ガイド手段56は、保持モードでは、収容手段54に磁気保持力を及ぼすための磁界を空間的にガイドするように機能する。その結果、この保持力によって、収容手段54に収容された磁気試料ホルダ52を磁気的に保持することが可能になる。
さらにホルダ装置50では、図示の実施形態において、部分的に永久磁性材料(たとえば強磁性材料)から成る、可動に構成された磁界切換手段58も設けられている。磁界切換手段58は、保持モード又は解放モードを選択的に設定するために、磁界ガイド手段56と磁界切換手段58との間の2つの相対的位置間で切り換わるように構成されている。解放モードでは、磁気試料ホルダ52が解放されて収容手段54から取り外される。それは、保持モードでは試料ホルダ52を貫通してこれを引き付ける磁界が試料ホルダ52から空間的に遠ざけられて、試料ホルダ52に磁気吸引力を全く及ぼさず、又は、有意な磁気吸引力を及ぼさないからである。磁界ガイド手段56と磁界切換手段58とは、2つの相対的位置間において、選択的に切り換わることができるように、互いに協働する。ここで、図2乃至図4に示されている第1相対的位置は、相応に発生した磁力によって、磁気試料ホルダ52が収容手段54に磁気的に固定される保持モードに相当する。この磁力は、磁界ガイド手段56と磁界切換手段58との間の協働によって、発生して、かつ空間的に制御される。これに対して、図5に示されている第2相対的位置は、ホルダ装置50の解放モードに相当する。この解放モードでは、保持モードとは異なり、引き付ける磁力が磁気試料ホルダ52に作用しなくなるので、磁気試料ホルダ52は解放されて収容手段54から取り外される。このことは、第2相対的位置における磁界ガイド手段56と磁界切換手段58との間の協働によって、引き起こされ、この第2相対的位置において、磁界切換手段58によって、発生した磁界が顕著に空間的に偏向され、収容手段54の領域において、有意な磁界を発生しなくなる。このことによって、ユーザは解放モードにおいて、大きな力を及ぼすことなく、試料ホルダ52をホルダ装置50から取り外すことができるようになる。
図4と図5との対比から分かるように、磁界ガイド手段56及び磁界切換手段58は、水平方向における磁界切換手段58の長手方向直線移動によって、ホルダ装置50を2つの相対的位置間で切り換えるように構成されている。図4の状態は、外部の機械的力が加わらないと生じるものであり、この状態では、螺旋バネとして構成された付勢手段64がホルダ装置50を保持モードに移行させ、ないしは強制的に保持モードにする。よって付勢手段64は、磁界切換手段58を機械的に保持モードに付勢するように搭載される(たとえば機械的な)戻しバネとして実現できる。付勢手段64によって、磁界切換手段58にかけられる付勢力を克服して(この克服はたとえば、筋力をかけることにより、又は機械によって、達成できる)、付勢力に抗して磁界切換手段58を凹部62内の前方のストッパ位置まで前進させることによって、初めて、解放位置を働かせることができる。このようにして、保持位置(外部の力作用が無いホルダ装置50の状態)及び解放位置(バネ力に抗して磁気切換手段58を前方のストッパまで前進させる)のいずれも、ホルダ装置50の構成要素の十分に定義された空間的位置に割り当てられる。
有利には、磁界ガイド手段56及び磁界切換手段58は、純機械的に2つの相対的位置間で切り換わり、ないしは切り換えられるように構成されている。かかる構成によって、ホルダ装置50を切り換えるために電気的駆動エネルギ及び真空力が不要となり、測定動作中に不所望の加熱が生じることも、また、測定動作に対して特に障害となる振動が生じることもなくなる。よって、ホルダ装置50をエネルギ自給型の構成とすることができ、これによりコンパクトな構成とすることができる。ホルダ装置50を保持モードと解放モードとの間で移行させるためには、磁界切換手段58を移動させるだけで十分である。
図2乃至図5の実施形態では、磁界ガイド手段56及び磁界切換手段58は、解放モードでは、収容手段54に収容された磁気試料ホルダ52を当該収容手段54に保持するための磁気保持力を切るように構成されている。このことは、磁力線98を手がかりに認識できる。この磁力線98は、図3の保持モードでは、概略的に示された収容手段54の領域において、延在し、ここで高密度になっているのに対し、図5の解放モードでは磁力線98は、他の場所において、測定される。換言すると、保持モードでは磁力線98は、収容手段54にある試料ホルダ52を貫通するように構成されているのに対し、解放モードでは磁力線98は、代替的な経路を通るように構成されており、収容手段54から離れる方向に湾曲する。よって、磁界ガイド手段56と磁界切換手段58とは、保持モードでは、収容手段54にある試料ホルダ52を通る閉磁路を形成し、解放モードでは、収容手段54を通過する代替的な閉磁路を試料ホルダ52に形成する。よって磁界切換手段58は、図2乃至図4と図5とに示された2つの相対的位置間での切り換えによって、磁界ガイド手段56の形状によって、定まった異なる2つの磁路を通るようにガイドされることが可能な磁束を有する磁束源として構成されている。
有利には磁界ガイド手段56及び磁界切換手段58は、2つの相対的位置間の移行中に両磁路の磁気抵抗の和が実質的に一定となるように構成されている。このようにすると、克服する必要があるのは実質的に付勢手段62の付勢力のみとなるが、磁力線98の分布配置を変えるために行わなければならない有意な作業は追加されないので、図4と図5との間での移行を小さい力で実現できる。
図2乃至図5を見るとさらに、解放モードには、磁界ガイド手段56の内部の凹部62の端面にある磁界切換手段58の対応するストッパ位置が割り当てられているのが分かる。このことによって、ユーザは磁界切換手段58を解放モードに移行させる場合、この移行が完了したときに触覚フィードバックを得ることができるので、解放モードの正確な調整が可能になる。
具体的に言うと、図2乃至図5の磁界ガイド手段56は、スリット形の貫通孔として形成された凹部62を有するディスク状の強磁性磁気シュー66として構成されている。これに対応するように、磁界切換手段58は磁気スライダ68を備えており、これは、凹部62内において、長手方向移動するように搭載されている。磁気シュー66は、磁気スライダ68の移動方向に対して実質的に垂直方向に、非磁性材料を用いて画定される磁気バリア70を有しており、これは図示の実施形態では、1組の空隙71として形成されている。正確に表現すると、空隙71と磁気シュー66の縁部との間の各肉薄箇所96によって、磁界に対するバリアが形成されている。
図3において、最も良好に認識できるように、磁気シュー66は、収容手段54を向いた平坦な表面上に、磁性材料から成る2つの極突起72(「極」とも称することができる)を有する。磁気バリア70と極突起72とは、磁力線98の形状を制御するように、ないしは、保持モードと解放モードとの間でのホルダ装置50の移行時における磁力線98の移動の動きを制御するよう
図示の実施形態では、磁気スライダ68は永久磁石ブロック76を有し、この永久磁石ブロック76の両側に、磁気スライダ68の非磁性材料78が取り付け形成されている。永久磁石ブロック76と非磁性材料78とは、筋力と凹部62内の付勢手段64の付勢力とによって、往復移動できるピストン状の磁気スライダ68を構成する。
図2乃至図5に示されているアセンブリは、「磁気ロック」とも称され得るものである。これは、磁束を偏向又はガイドする強磁性の磁気シュー66と、永久磁石ブロック76を有する磁気スライダ68と、戻しバネとして構成された付勢手段64とから構成されている。
図3及び図4は、磁気ロックの断面図を示す。永久磁石ブロック76は、磁界を生成又は発生させ、この磁界は、磁気シュー66の幾何形状によって、その大部分が2つの極又は極突起72にわたって案内される(主磁界)。ここで、2つの極突起72を強磁性の試料ホルダ52又は試料ボディ6に接触させると、この場所で磁気吸引力が発生する。磁界の小さな部分は、磁気バリア70(肉薄箇所96)及び分路94(これは副磁界と呼ぶこともできる)にわたって案内される。このしばしば無視できるわずかな部分は、保持力を発生させるために失われる。
磁石スライダ68が永久磁石ブロック76とともに、付勢手段64の復元力に抗して、磁気バリア70(又は肉薄箇所96)を通過すると、磁界分布は逆転する。これを図8に示す。副磁界に対して、もはや磁気バリア70(又は参照符号96)を進まない分路94を介した経路が生じているので、磁界のこの部分は決定的である。 しかし、主磁界は無視できる程度になる。試料ホルダ52又は試料本体6と磁気ロックとの間の磁気吸引力は消滅する。
永久磁石ブロック68を含む磁石スライダ68が、図示の両位置又は図4及び図5による相対的配置の間でスライドする間、主磁界及び副磁界のための両経路の磁気抵抗の合計はほぼ等しいままである。その結果、永久磁石ブロック76をスライドさせるために、復元バネとして形成された付勢手段64のバネ力は別として、駆動力はほとんど必要ない。
図2乃至ず5により示される実施形態によれば、(例えば電磁石ー保持電流の使用による)不所望な温度変化及び/又は(例えば、真空固定の場合の)不所望な振動に基づくAFM測定への障害影響なしで試料ホルダ52の固定が可能になる。
図2乃至図5からもわかるように、図示の構成によれば、磁気ロックの線形駆動が可能になる。これは、簡単な操作とシンプルな設計を可能にする。ホルダ装置50の形態の磁気ロックは、さらにエネルギ自給型で(autark)動作することができ、特に電気配線又は真空配線が不要である。
図6は、図2乃至図5による複数の磁界切換手段58及び磁界ガイド手段56の配置を有する、全ての磁界切換手段58を解放モードによる切換状態において、同時に走査するための制御本体90と組み合わせられたホルダ装置50を示す。図7は、保持モードによる別の切換状態における、図6の配置を示す。
図6及び図7に示すように、そこに示されるホルダ装置50は、複数の図2乃至図5による磁界ガイド手段56及びともに協働する図2乃図ず5による複数の磁界切換手段58を有する。磁界ガイド手段56及び関連する磁界切換手段58は、従って、全てがともに同一の収容手段54上に、従って同一の試料ホルダ52又は試料本体6に作用するように調整されている。このために、図6及び図7によるホルダ装置50は、例えばモータ又は筋力によって、回転運動に置かれることができる、制御板として設計された制御本体90を有する。所定の角度だけ回転すると、駆動体としての制御本体90の半径方向外側領域は、全ての磁界切換手段58に一緒に又は同時に(gleichzeitig bzw. simultan)、これらを解放モードにするために作用する(図6参照)。全ての磁界切換装置58を保持モードにするために(図7参照)、制御本体90の回転角度は、制御本体90によって、付勢手段64に力が加えられないように調整されている。したがって、図6及び図7によれば、制御本体90は、制御板又は制御環として形成される。この制御体90は、回転可駆動可能であり、これにより、磁界ガイド手段56と共に制御板の周りに部分的に円周方向に配置された磁界切換手段58に同時に作用する。機能的に関連する磁界ガイド手段56及び関連する磁界切換手段58のさらなる対は、図6及び図7による配置の中心に、すなわち、制御環の中央凹部に配置される。最後に述べた磁界切換手段58は、制御環の駆動体として機能する突起部に作用する。図6及び図7によるホルダ装置50によれば、省スペースかつ容易に制御可能な構成で高い保持力を得ることができる。
特に高い吸引力及び特に均一な力分布をより大きな試料ホルダ52にわたってえるためには、例えば、図6及び図7に示されるように、複数の磁気ロックを組み合わせて使用できる。(それぞれ磁界ガイド手段56及び関連する磁界切換手段56を有する)アセンブリは、制御本体90の形態の共通の制御板を介して案内される(gelenkt)。制御本体90が回転すると、すべての磁気ロックの磁気スライダ68の大部分の同時の到着又は出発につながり、従って吸引力のオンとオフの同時切り替えにつながる。 したがって、図6及び図7の実施形態によれば、離散的に調節可能な保持力が可能になる、N個の磁気ロックの並列回路によって、可能になり、ここで、Nは、2以上の任意の整数であり得る。
図8は、保持モードに応じた切換状態の別の例示的な実施形態による保持装置50の概略的側面図を示す。図9は、解放モードによる別の切換状態にある図8のホルダ装置50を示し、ホルダ装置50は磁界切換装置58の追加又は空間的な接近により調整されうる。
従って、図8及び図9によれば、ホルダ装置50は、ここでは磁界切換手段58として形成されている追加磁石セクション84を、ここでは磁界ガイド手段56を形成する基礎磁石セクション86に付け足すことにより、2つの相対的な配置の間で、特に保持モード(図8参照)から解放モード(図9参照)に切り替える、ように調整されている。図8及び図9によるホルダ装置50は、図示の両相対的配置の間を移行するために、磁界切換装置58の移動によって、磁力線98に相当する磁気回路が迂回される。図8によれば、磁力線98の磁気回路が磁気試料ホルダ52を通って延在し、磁気試料ホルダ52を通過する磁力線98の磁気回路によれば、従って、これを磁気的に吸引する。図9によれば、磁力線98の磁気回路が、磁界切換手段を磁界ガイド手段56に付け足すことにより迂回し、試料ホルダ52から離れるように導かれ、従って磁気試料ホルダ52にかかる磁気保持力がスイッチオフされる。図8及び図9による実施形態において、(ここでは磁界切換手段58ではなく)永久磁石ブロック76は磁界ガイド手段56の一部を形成し、従って上述した実施形態による磁界発生の機能は、磁界ガイド手段の専任となることに留意すべきである。
図8及び図9に示されるように、分路は、明らかにより少ない磁気抵抗で用意され、試料ホルダ52を通る磁力線も同様に低減される。
図8及び図9による実施形態では(図2乃至図7、図10乃至図15による実施形態とは対照的に)、システム全体の磁気抵抗のかなりの増加が生じるため、図8及び図9によれば、保持力の規模の機械的な力を使用しなければならない。
図10は、保持モードによる切換状態における、磁界切換手段58の2つの永久磁石ブロック76を有する、別の例示的実施形態によるホルダ装置50の横断面を示す図である。図11は、解放モードによる切換状態における、図10のホルダ装置50の横断面を示す図である。
図10及び図11と比較してさらなる代替として、磁気ロックは、磁界がオン及びオフに切り換えられるのではなく、磁界の極性が反対にされるという形態で構成されることができる。図10及び図11に対応する磁気スライダ68は、反転された極性の第2永久磁石(すなわち、追加の永久磁石ブロック76)が備え付けられており、磁気スライダ68のスライドによって、極の極性又は磁気ロック若しくはホルダ装置50の極突起72が反転される。試料ホルダ52のさらなる永久磁石との組み合わせによれば、例えば図12の右側と比較して)吸引から反発に切り替えることができる。
一般的には、本発明の例示的実施形態によるホルダ装置50が、正確に2つの切換状態(すなわち、保持モードと解放モード)の間で選択的に動作されうること、又は、少なくとも2つの切換状態の間で代替的に動作されうることが明確にされるべきである。正確に3つの切換状態が設けられる場合は、例えば吸引磁気力を有する保持モードと、収容手段にかかる力が実質的に又は全く無い解放モードと、収容手段に反発するように作用する磁力を有する反発モードとの間で切り換えられることが可能である。 3つ以上の切換状態が設けられる場合には、ホルダ装置もまた複数の収容手段又は複数の試料ホルダ52又は複数の試料本体6を操作できる(例えば)、及び/又はさらなる機能を利用することもできる。
図12は、本発明の別の例示的実施形態によるホルダ装置560を模式的に示す図である。
図12による磁気ロックは永久磁石ブロック76としての少なくとも1つの永久磁石であり、少なくとも2つの選択的に使用可能な磁気回路81、83が形成される。永久磁石ブロック76は、全体的又は部分的に磁界切換手段58を構成し、図12に2つの矢印で示されるように長手方向に移動できる。
両磁気回路81、83のそれぞれは、相応の磁界ガイド手段56、56’を構成する。磁界ガイド手段56は、第1試料ホルダ52の領域内で磁界を案内する。それに反して、磁界ガイド手段56’は第2試料ホルダ52’の領域内で磁界を案内する。図示の実施形態では、試料ホルダ52は(例えば磁化可能な材料からなる)磁気試料ホルダであり、試料ホルダ52’は、永久磁石試料ホルダとして構成されている。代替的に、両試料ホルダ52、52’を磁化可能な材料から形成すること、又は、両試料ホルダ52、52’を永久磁石材料から形成することも可能である。図12には、さらに、磁界切換手段58の永久磁石ブロック76が、(1)、(2)、(3)、(4)で示される、4つの切り替え位置に又は4つの切り替え状態にあってもよいことが模式的に示されている。これらの切換状態(1)、(2)、(3)、(4)の各々は、磁界誘導装置56,56’のそれぞれに対する磁界切換手段58の相対的配置又は相対的位置に対応する。
両磁気回路81、83のそれぞれは、相応の磁界ガイド手段56、56’を構成する。磁界ガイド手段56は、第1試料ホルダ52の領域内で磁界を案内する。それに反して、磁界ガイド手段56’は第2試料ホルダ52’の領域内で磁界を案内する。図示の実施形態では、試料ホルダ52は(例えば磁化可能な材料からなる)磁気試料ホルダであり、試料ホルダ52’は、永久磁石試料ホルダとして構成されている。代替的に、両試料ホルダ52、52’を磁化可能な材料から形成すること、又は、両試料ホルダ52、52’を永久磁石材料から形成することも可能である。図12には、さらに、磁界切換手段58の永久磁石ブロック76が、(1)、(2)、(3)、(4)で示される、4つの切り替え位置に又は4つの切り替え状態にあってもよいことが模式的に示されている。これらの切換状態(1)、(2)、(3)、(4)の各々は、磁界誘導装置56,56’のそれぞれに対する磁界切換手段58の相対的配置又は相対的位置に対応する。
永久磁石ブロック76の形態の永久磁石は、ホルダ装置50の磁束源として機能する。この流れのガイドのために(磁界ガイド手段56、56’参照)少なくとも2つの異なる、構造上相互に識別可能な磁気経路が実施される。これらの経路の各々は、永久磁石ブロック76が各回路の接点面間を行ったり来たり移動できるように形成された、2つのインタフェース面又は接点面を備える。永久磁石ブロック76の極が磁気回路の接点面と一致する(zusammenfallen)ように永久磁石ブロック76が配置されると、磁束の大部分がこの回路によって、導かれる。この回路は(以下では能動回路として示される)その各課題(例えば試料ホルダ52又は試料ホルダ52’を磁気的に固定する)を満たす。
回路は、動作状態において、隣り合う回路の磁気抵抗が近くなるように調整されることができる。このように、少なくとも1つの永久磁石ブロック76のシフトのために、ほとんど力消費が必要ない。
好ましくは、インタフェース面又は接点面は、少なくとも1つの永久磁石ブロック76の対応する面より明らかに大きい(図15及びその説明参照)。このように、シフトの際に、明らかに相互に異なり識別可能で、定義された切換位置又は切換状態(1)、(2)、(3)、(4)が生じる。
例えば、切換状態(1)は、磁界の分路に相当する。切換状態(2)は、試料ホルダ52の保持モードに相当する。切換状態(3)は、試料ホルダ52’の保持モードに相当する。切換状態(4)は、磁界の分路に相当する。
例えば、磁気回路において、以下のような機能が可能である。:
− 切換状態(1):磁気回路は可能な限り低い磁気分路から形成される。このように、機構からの特記すべき流が生じない(磁石はオフになる)。
− 切換状態(2):極A+及び極B−が分極される。これらが強磁性の試料ホルダ(53)によって、相互に連結されると、磁束が生じ、従って吸引力が生じる。
− 切換状態(3):極B+及びB−が分極される。力作用は極対Aから極対Bへ移動する。
極B+及びB−が磁性(特に永久磁石)試料ホルダ52’と接続されると、強磁性試料ホルダ52だけの場合よりも、より強い力作用を生じる。
− 切換状態(4):
極B+及びB−は反対に分極される。極の極性を反転することで、機構と試料ホルダ52との間に反発作用が生じる。
− 切換状態(1):磁気回路は可能な限り低い磁気分路から形成される。このように、機構からの特記すべき流が生じない(磁石はオフになる)。
− 切換状態(2):極A+及び極B−が分極される。これらが強磁性の試料ホルダ(53)によって、相互に連結されると、磁束が生じ、従って吸引力が生じる。
− 切換状態(3):極B+及びB−が分極される。力作用は極対Aから極対Bへ移動する。
極B+及びB−が磁性(特に永久磁石)試料ホルダ52’と接続されると、強磁性試料ホルダ52だけの場合よりも、より強い力作用を生じる。
− 切換状態(4):
極B+及びB−は反対に分極される。極の極性を反転することで、機構と試料ホルダ52との間に反発作用が生じる。
図13は、本発明のさらなる例示的実施形態によるホルダ装置50を模式的に示す図である。図14は、本発明による例示的実施来によるホルダ装置50の切換手順を模式的に示す図である。
磁界切換装置58(の少なくとも一部)としての永久磁石ブロック76と磁気経路との間の相対的移動は、永久磁石ブロック76の移動又は経路の伝導構造、又はその両方の組み合わせによって、実現できる。相対的移動は、並進運動、回転運動又は両方の組み合わせの形で行われることができる。図13は、異なる図示の離散的切換状態を設定するための回転運動の例を示す。図14は、これに対して、異なる図示の切換状態を設定するための並進運動の例を示す。
図15は、図2乃至図5による実施形態について、図12に対応する状態を概略的に示す図である。
上述の原理の実施形態において、2つの磁気経路を有する本発明の例示的実施形態による機構が生じる。ここで、図5の第1経路は符号104が付され、図3及び図4の第2経路は符号102が付されている。第1経路104は、上述の回路1による分路を表す。 第2経路102は、2つの磁極突起72の分極を介して、強磁気試料ホルダ52の吸引をもたらし、したがって上記の回路2の実施形態である。
図15は、凹部62が、凹部62のめくら孔から磁石バリア70の両スリット又はエア孔71までの第1部分セクションと、磁石バリアの両スリット又はエア孔71から凹部62の開口端までの第2部分セクションと、を有することを示す。凹部62を画定する磁気シュー66の周壁は、第1部分セクションにおいて、第1接点面106として示される。凹部62を画定する磁気シュー66の周壁は、第2部分セクションにおいて、第2接点面108として示される。磁界切換手段58の永久磁石ブロック76の各対向面又は接触面110(すなわち、動作モード(保持モード又は解放モード)に応じて第1接触面106又は第2接触面108に当接する面は、有利には、小さい面、特に最大でも第1接触面106の半分の大きさの面を有し、また、小さい面、特に最大でも第2接触面108の半分の大きさの面を有する。
第1接点面106のどの部分面領域が接触面110に当接するかにかかわらず、保持装置50は常に解放モードにある。これに対応して、第2接点面108のどの部分面領域に接触面110が当接するかにかかわらず、ホルダ装置50は保持モードにある。言い換えれば、解放モードにおける磁力線98の経路は、接触面110が第1接点面106のどの部分面領域に当接するかとは本質的に無関係である。相応に、保持モードにおける磁力線98の経路は、接触面110がどの第2接点面108のどの部分領域に支えられているかと本質的に無関係である。このようにして、切換状態を設定するための永久磁石ブロック76の堅固な正確な位置決めが有利には不要になる。従って、永久磁石ブロック76が理想位置から有意な空間的なずれがあったとしても、所定の切換状態を確保できる。永久磁石ブロック76が第1接点面106の領域に配置されている場合、磁力線98は、磁気バリア70のスロットの左側(図5参照)に重点的に又は完全に延びている。対照的に、永久磁石ブロック76が第2接点面108の領域に配置されている場合、磁力線98は、スロット又は磁気障壁70(図4参照)に対して適時に重点的に又は完全に時間的に延びている。
さらに、「有する又は備える(aufweisend)」は他の要素又はステップを排除せず、「1つ(”eine” oder ”ein”)」は多数を排除しないことに留意すべきである。また、上述の実施形態のいずれかを参照して説明した特徴又はステップを、上述した他の実施形態の他の特徴又はステップと組み合わせて使用することもできることを理解されたい。特許請求の範囲における参照符号は、限定するものであるとみなされるべきではない。
Claims (26)
- 磁気試料ホルダ(52)又は試料本体(6)を解除可能に保持する、特に走査型プローブ顕微鏡(1)のためのホルダ装置(50)であって、当該ホルダ装置(50)は、
前記磁気試料ホルダ(52)又は試料本体(6)を収容する収容手段(54)と、
保持モードにおいて、前記収容手段(54)に収容される前記磁気試料ホルダ(52)又は試料本体(6)を保持するために、前記収容手段(54)に磁気保持力を及ぼすための磁界をガイドするように構成された磁界ガイド手段(56)と、
選択的に保持モード又は解放モードを設定するために、前記磁界ガイド手段(56)及び前記磁界切換手段(58)との間で少なくとも2つの相対的配置の間を切り換えるように構成された磁界切換手段(58)であって、
前記解放モードにおいて、前記収容手段(54)から取り外すために、前記磁気試料ホルダ(52)又は試料本体(6)が解放される、磁界切換手段(58)と、
を備える、ホルダ装置(50)。 - 前記磁界切換手段(58)は、前記磁界を発生するための磁石(76)、特に永久磁石を備える、
請求項1記載のホルダ装置(50)。 - 前記磁界ガイド手段(56)は、磁化可能材料、特に強磁性材料を備える、又はから成る、
請求項1又は2記載のホルダ装置(50)。 - 前記解放モードにおいて、前記磁界は前記収容手段(54)から遠ざけられる、
請求項1乃至3いずれか1項記載のホルダ装置(50)。 - 前記磁界切換手段(58)は、前記磁界切換手段(58)の少なくとも一部の長手方向移動、特に直線移動によって、前記少なくとも2つの相対的配置の間を切り換えるように構成されている、
請求項1乃至4いずれか1項記載のホルダ装置(50)。 - 前記磁界切換手段(58)は、純機械的に前記少なくとも2つの相対的配置の間を切り換えるように構成されている、
請求項1乃至5いずれか1項記載のホルダ装置(50)。 - 前記収容手段(54)に収容される磁気試料ホルダ(52)又は試料本体(6)を前記収容手段(54)に保持するために前記保持モードにおいて、作用する磁気保持力を、前記解放モードにおいて、オフするように構成されている、
請求項1乃至6いずれか1項記載のホルダ装置(50)。 - 前記磁界ガイド手段(56)及び磁界切換装置(58)は、
前記保持モードにおいて、前記試料ホルダ(52)又は試料本体を通って前記収容手段(54)に流れるように磁力線(98)を形成し、
前記解放モードにおいて、別の経路を通って流れるように磁力線(98)を形成するように構成されている、
請求項1乃至7いずれか1項記載のホルダ装置(50)。 - 前記磁界ガイド手段(56)及び磁界切換装置(58)は、
前記保持モードにおいて、前記試料ホルダ(52)又は試料本体(6)を介して、前記収容手段(54)に磁気回路を形成し、
前記解放モードにおいて、前記収容手段(54)を通り過ぎて、前記試料ホルダ(52)又は試料本体(6)に別の閉磁路を形成するように構成されている、
請求項1乃至8いずれか1項記載のホルダ装置(50)。 - 前記磁界切換手段(58)は、磁束源として構成されており、その磁束は、前記少なくとも2つの相対的配置の間の切り換えによって、前記磁界ガイド手段(56)により定義される2つの異なる磁気経路を通ってガイドされることができる、
請求項1乃至9いずれか1項記載のホルダ装置(50)。 - 前記磁界ガイド手段(56)及び前記磁界切換手段(58)は、
前記少なくとも2つの相対的配置の間の移行の間に、前記の両磁気経路の磁気抵抗の和が実質的に一定になるように、
構成されている、
請求項10記載のホルダ装置(50)。 - 前記少なくとも2つの相対的配置のうちの少なくとも1つが、前記磁界ガイド手段(56)の内部の凹部(62)内の境界壁にある前記磁界切換手段(58)の関連するストッパ位置に割り当てられている、
請求項1乃至11いずれか1項記載のホルダ装置(50)。 - 前記ホルダ装置(50)は、前記2つの相対的配置のうちの1つにおいて、特に前記保持モードにおいて、前記磁界切換手段(58)を機械的に付勢するために構成される付勢手段(64)、特にバネ、を備える、
請求項1乃至12いずれか1項記載のホルダ装置(50)。 - 前記磁界ガイド手段(56)は、凹部(62)を有する、特に板状の、磁気シュー(66)を有し、
前記磁界ガイド手段(58)は、走行のために前記凹部内に組み付けられた磁気スライダ(68)を有する、
請求項1乃至13いずれか1項記載のホルダ装置(50)。 - 前記磁気シュー(66)は、前記磁気スライダの走行方向に対して実質的に垂直に、非磁性材料によって、特に1つ以上の空隙によって、好ましくは1組の空隙により定義された磁気バリア(70)を有する、
請求項14記載のホルダ装置(50)。 - 前記磁石スライダ(68)の永久磁石ブロック(76)は、前記解放モードにおいて、前記磁気バリアの面上に前記凹部(62)の境界壁の第1接点面(106)を有し、及び/又は、前記保持モードにおいて、磁気バリアの別の面上に前記凹部の境界壁の第2接点面(108)を有する接触面(110)を備え、
前記接触面(110)は、前記第1接点面(106)よりも小さく、及び/又は前記第2接点面(108)より小さく、特に前記第1接点面(106)の最大90%、好ましくは最大80%、特に好ましくは最大70%、であり、及び/又は、前記第2接点面(108)の最大90%、好ましくは最大80%、特に好ましくは70%、である、
請求項15記載のホルダ装置(50)。 - 前記磁気シュー(66)は、前記収容手段(54)に対向する表面上に、磁気材料から成る2つの極突起(72)を有する、
請求項14乃至16いずれか1項記載のホルダ装置(50)。 - 前記磁気スライダ(66)は、前記磁気スライダの非磁性材料(78)に取り付け形成された永久磁石ブロック(66)を有する、
請求項14乃至17いずれか1項記載のホルダ装置(50)。 - 当該ホルダ装置(50)は、エネルギ自給型のホルダ装置(50)として構成され、特に電気的エネルギの供給なしに動作可能である、
請求項1乃至18いずれか1項記載のホルダ装置(50)。 - 当該ホルダ装置(50)は、請求項1乃至19のいずれか1項記載の特徴を有する、少なくとも1つのさらなる磁界ガイド手段(56)及び少なくとも1つのさらなる磁界切換手段(58)を備え、
前記磁界ガイド手段(56)及び前記磁界切換手段(58)、並びに少なくとも1つのさらなる磁界ガイド手段(56)及び前記少なくとも1つのさらなる磁界切換手段(58)が、一緒に同一の収容手段(54)に作用するように調整されている、
請求項1乃至19いずれか1項記載のホルダ装置(50)。 - 当該ホルダ装置(50)は、駆動可能な制御本体(90)を有し、同時に前記磁界切換手段(58)及び前記少なくとも1つのさらなる磁界切換手段(58)に作用する、
請求項20記載のホルダ装置(50)。 - 前記制御本体(90)は、同時に前記磁界切換手段(58)及び前記少なくとも1つのさらなる磁界切換手段(58)に作用するために、回転駆動可能な制御板として形成されており、前記磁界ガイド手段(56)及び前記少なくとも1つのさらなる磁界ガイド手段(56)と一緒に、前記制御板周りに及び/又は前記制御板内部に配置されている、
請求項21記載のホルダ装置(50)。 - 試料本体(6)の表面を走査スキャンすることによって、前記試料本体(6)に関する表面情報を取得するための走査型プローブ顕微鏡(1)であって、当該走査型プローブ顕微鏡は、
前記試料本体(6)を保持するための磁気試料ホルダ(52)又は磁気試料本体(6)と、
前記磁気試料ホルダ(52)又は試料本体(6)を解除可能に保持する請求項1乃至22のうちいずれか1項記載のホルダ装置(50)と、を有する、
走査型プローブ顕微鏡(1)。 - 走査型力顕微鏡として形成されている、請求項23記載の走査型プローブ顕微鏡(1)。
- 当該走査型プローブ顕微鏡は、前記試料本体(6)の前記表面の走査スキャンのための測定プローブ(11)を有する、
請求項23又は24記載の走査型プローブ顕微鏡(1)。 - 特に走査型プローブ顕微鏡(1)の、磁気試料ホルダ(52)又は試料本体(6)を解除可能に保持するための方法であって、当該方法は、
前記磁気試料ホルダ(52)又は試料本体(6)を収容手段(54)に収容するステップと、
保持モードにおいて、前記収容手段(54)に収容される前記磁気試料ホルダ(52)又は試料本体(6)を保持するための前記収容手段(54)に磁気保持力を及ぼすために、磁界を磁界ガイド手段(56)によって、ガイドするステップと、
前記収容手段(54)から取り出すために前記磁気試料ホルダ(52)又は試料本体(6)が開放される解放モードへ、前記保持モードから切り換えるために、前記磁界ガイド手段(56)及び磁界切換手段(58)との間の少なくとも2つの相対的配置の一方から他方へ切り換えるステップと、
を有する方法。
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