JP2018074069A - 薄膜コンデンサ - Google Patents

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英子 若田
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Abstract

【課題】ESLを劇的に低下させることが可能な薄膜コンデンサを提供する。【解決手段】薄膜コンデンサは、複数の電極層11、12a,12b、12cと、複数の電極層11、12a,12b、12c間に配置された複数の誘電体層20a、20b、20cと、電極層11、12a,12b、12cから厚み方向に沿って延びた貫通電極とを備えている。下から延びてきた貫通電極の数Nvは、全部でNv=16本であり、全てがコンタクト電極70(A)、70(B)に電気的に接続され、コンデンサを構成する誘電体層を挟む電極層の数Nc=4個である。薄膜コンデンサが所望の条件を満たすと、ESLが劇的に低下する。【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜コンデンサに関する。
電子機器の小型化に伴い、電子機器に用いられる電子部品に対しても小型化及び高機能化が求められている。例えば、特許文献1には、膜電極及び膜誘電体材料が交互に積層された構造を有する多層膜コンデンサが記載されている。薄膜コンデンサにおいては、ESL(等価直列インダクタンス)を低下することが望まれている。
特許5093327号
しかしながら、従来の薄膜コンデンサは、ESLが高いため、更なる改良が期待されている。例えば、特許文献1は改良の手がかりとして、薄膜キャパシタにおいては接続部を数多く設けるほどESLが低下する現象を開示している。しかし、現実には薄膜キャパシタのESLは、接続部の数が一定に達すると、ESLは飽和してそれ以上の低下が望めない傾向がある。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、ESLを劇的に低下させることが可能な薄膜コンデンサを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、第1態様に係る薄膜コンデンサは、複数の電極層と、複数の前記電極層間に配置された複数の誘電体層と、前記電極層から厚み方向に沿って延びた貫通電極と、を備え、前記薄膜コンデンサの平面視における実効領域の最大面積S、前記貫通電極の数Nv、前記電極層の数Nc、パラメータA=S×Nc/Nv、とした場合に、以下の関係式:0.1≦A≦0.25を満たすことを特徴とする。
上記薄膜コンデンサによれば、非常にコンデンササイズが小さい領域(0.02mm≦S≦25mm)において、小型化のスケーリングに伴う特殊な挙動が発生し、ESLが増加するようになる。このような条件下において、A≦0.25の領域において、ESLを劇的に低下させることができることが確認された。また、0.1≦Aであれば、コンデンサの容量も十分に確保することができることが確認された。
第2態様に係る薄膜コンデンサは、前記貫通電極に垂直な面内で延びており、同極の電位が与えられる複数の前記貫通電極を電気的に接続する配線部と、前記配線部に電気的に接続され外部との入出力を行うコンタクト電極と、を備え、平面視において前記配線部の下方に接続された前記貫通電極の重心位置から、これに電気的に接続された前記コンタクト電極の重心位置までの距離Fは、以下の関係式:0μm≦F≦100μmを満たすことを特徴とする。
上記薄膜コンデンサによれば、さらにESLを低下させることができることが確認された。
第3態様に係る薄膜コンデンサは、平面視において、前記配線部に対して離間して隣接し、グランド電位が与えられるグランド電位配線部を更に備え、前記配線部の長手方向に垂直な幅C、この配線部と前記グランド電位配線部との間の離間距離D、とした場合に、以下の関係式:D<Cを満たすことを特徴とする。
この場合、グランド電位配線部が、配線部を流れる信号のノイズを抑制し、ESLを更に大きく低下させることができることが確認された。
上記薄膜コンデンサによれば、ESLを劇的に低下させることができる。
薄膜コンデンサの構造を説明する図である。 薄膜コンデンサの斜視図である。 薄膜コンデンサの断面構成を示す図である。 薄膜コンデンサの貫通電極部分の変形構成を示す図である。 同極の貫通電極を接続する電極層の構成を示す平面図である。 実験結果を示す図表である。 薄膜コンデンサのコンタクト電極の部分を変形した例を示す図である。 薄膜コンデンサのコンタクト電極の位置を変形した例を示す図である。
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、薄膜コンデンサの構造を説明する図である。
図1に示すように、第1電極層11、第2電極層12a、第3電極層12b、第4電極層12c、共通接続用の配線部50(配線パターン)、外部端子70(コンタクト電極)が順次積層されており、これらの間には、絶縁層が介在している。第1電極層11、第2電極層12a、第3電極層12b及び第4電極層12cからなる電極層群間に介在する絶縁層は、強誘電体材料などからなる誘電体層20(20a、20b、20c)であり、第4電極層12cと配線部50との間に介在する第1絶縁層40や、配線部50と外部端子70との間に介在する第2絶縁層60は、ポリイミド(誘電率3.2〜3.4)などの低誘電率の材料からなる。
なお、図1(a)、図1(b)、図1(c)、図1(d)、図1(e)、図1(f)は、中央に記載された断面構成図(図1(g))における各電極層の平面図を示しており、また、中央に記載された断面構成図(図1(g))は、上記平面図における点線上の断面構成を示している。
第1電極層11の平面形状は四角形であり、対角線上に4つの貫通電極50b(t)が延びている(図1(a))。
第2電極層12aの平面形状は四角形であり、下から延びてきた対角線上に4つの貫通電極50b(t)を通す4つの貫通孔を備え、これに並列して並ぶ3つの貫通電極50a(t)が上方に延びている(図1(b))。また、1つの角部からも貫通電極50a(t)が延びている。
第3電極層12bの平面形状は四角形であり、下から延びてきた前述の全ての8つの貫通電極50b(t)を通す8つの貫通孔を備え、これに並列して並ぶ2つの貫通電極50b(t)が上方に延びている(図1(c))。また、1つの角部の近傍からも2つの貫通電極50a(t)が延びている。
第4電極層12cの平面形状は四角形であり、下から延びてきた前述の全ての12個の貫通電極を通す12個の貫通孔を備え、残余の領域から貫通電極50a(t)が上方に延びている(図1(d))。また、1つの角部の近傍からも2つの貫通電極50a(t)が延びている。
配線部50は、下から延びてきた一方の極性(グランド電位)の貫通電極50b(t)を共通して接続する第1共通プレート電極50b(u)と、他方の極性の貫通電極50a(t)を幾つかまとめて(本例では2つずつ)接続する、複数の第2共通プレート電極50a(u)を備えている。
配線部50からは、下から延びてきた貫通電極と同一のパターンの貫通電極が上方に延び、それぞれ外部端子70に接続される。外部端子70は、一方の極性の第1コンタクト電極70(B)と、他方の極性の第2コンタクト電極70(A)とからなる。
図2は、薄膜コンデンサの斜視図である。
一方の極性の第1コンタクト電極70(B)と、他方の極性の第2コンタクト電極70(A)は、X軸方向に沿って交互に配置されると共に、Y軸方向に沿って交互に配置されている。
この薄膜コンデンサは、複数の電極層(11、12a,12b、12c)と、複数の電極層(11、12a,12b、12c)間に配置された複数の誘電体層(20a、20b、20c)と、電極層(11、12a,12b、12c)から厚み方向に沿って延びた上記貫通電極とを備えており、貫通電極は電極層に電気的に接続されている。
ここで、薄膜コンデンサの平面視(Z軸方向かた見た図)における実効領域の最大面積S=X1×Y1とする。X1は、薄膜コンデンサの実効領域(コンデンサとして実際に機能する領域であり、誘電体層を介して電極層の重なった領域)のX軸方向の寸法、Y1は、薄膜コンデンサの実効領域のY軸方向の寸法である。
本例では、下から延びてきた貫通電極の数Nvは、全部でNv=16本であり、全てがコンタクト電極に電気的に接続されている。また、コンデンサを構成する誘電体層を挟む電極層の数Nc=4個である。
この場合、薄膜コンデンサは、以下の関係式を満たす。
・0.4Q≦A≦Q、
・Q≦S≦36Q、
・Q=0.25mm
なお、基準面積Q、上記貫通電極の数Nv、上記電極層の数Nc、パラメータA=S×Nc/Nvとする。
薄膜コンデンサでは、非常にコンデンササイズが小さい領域(Q≦S≦36Q、Q=0.25mm)において、小型化のスケーリングに伴う特殊な挙動が発生し、ESLが増加するようになるが、このような条件下において、A≦Qの領域においては、ESLを劇的に低下させることができる。また、0.4Q≦Aであれば、コンデンサの容量も十分に確保することができる。
次に、薄膜コンデンサ―の断面構成の一例について説明する。
図3は、薄膜コンデンサの一例の断面構成を示す図である。
同図では、第1電極層11と、第2電極層12aに接続された貫通電極を含む断面が示されているが、第3電極層、第4電極層にも、これらと同様の構造で、貫通電極が接続されており、5層以上の電極層を用いる場合も、同様の構造で貫通電極を接続することができる。
薄膜コンデンサ1は、三層以上積層された複数の電極層10と、複数の電極層10の間に積層された複数の誘電体層20と、積層方向に沿って上方から複数の電極層10の少なくとも一部及び複数の誘電体層20の少なくとも一部を貫通する側面30aと、複数の電極層10のうち一の電極層10が露出する底面30bとを有する開口部30(31,32)と、開口部30内において開口部30の側面30aから離間して設けられ、開口部30の底面30bにおいて露出する電極層10に対して電気的に接続された配線部50と、を備えている。また、薄膜コンデンサ1は、開口部30を埋めるように電極層10及び誘電体層20に対して積層された第1絶縁層40と、第1絶縁層40及び配線部50上に積層された第2絶縁層60と、第2絶縁層60を貫通し、配線部50と電気的に接続された外部端子70とを備えている。
電極層10は、下地電極層11(第1電極層)と内部電極層12(第2〜4電極層)とを含んでいる。また、内部電極層12及び誘電体層20は、下地電極層11上に交互に積層されている。本実施形態においては、薄膜コンデンサ1は3つの内部電極層12a,12b,12c及び3つの誘電体層20a,20b,20cを有している。すなわち、本実施形態では、薄膜コンデンサ1には、4層の電極層と、3層の誘電体層とが含まれる。内部電極層12a,12b,12c及び誘電体層20a,20b,20cは、内部電極層12a、誘電体層20a、内部電極層12b、誘電体層20b、内部電極層12c、誘電体層20cの順に下地電極層11上に積層されている。
薄膜コンデンサ1は2つの開口部31,32を有している。開口部31では、側面30aにおいては誘電体層20a、内部電極層12b、誘電体層20b及び内部電極層12c、誘電体層20cが露出し、底面30bにおいては内部電極層12aが露出している。開口部31の側面30aは、連続した平面状となっている。すなわち、側面30aを構成する誘電体層20a、内部電極層12b、誘電体層20b及び内部電極層12c、誘電体層20cの端面は、積層方向に連続していて、各層の膜厚程度の凹凸しか有しない。このため、側面30aには、ほぼ段差等が形成されていない。また、開口部32では、側面30aにおいては内部電極層12a、誘電体層20a、誘電体層20a、内部電極層12b、誘電体層20b及び内部電極層12c、誘電体層20cが露出し、底面30bにおいては下地電極層11が露出している。開口部32の側面30aについても、連続した平面状となっている。配線部50は、第1配線部50a及び第2配線部50bを含んでおり、第1配線部50aは開口部31内で底面の内部電極層12aと電気的に接続されており、第2配線部50bは開口部32内で底面の下地電極層11と電気的に接続されている。これにより、内部電極層12a、誘電体層20a、及び下地電極層11は1つのコンデンサを構成している。
なお、本明細書中において「積層方向」とは、下地電極層11、誘電体層20a、内部電極層12a、というように下地電極層11から第2絶縁層60に向けて各層が順次重なる方向である。また、積層方向に沿って上方とは第2絶縁層60側をいい、積層方向に沿って下方とは下地電極層11側をいう。
薄膜コンデンサ1において、開口部30の底面30bにおいて露出する電極層10の直上に積層された誘電体層20は、開口部30を形成する側面30aに対して配線部50側へ延伸する延伸部を有している。具体的には、開口部31では、底面30bにおいて露出し、第1配線部50aと電気的に接続された内部電極層12aの直上に積層された誘電体層20bが延伸部21を有する。また、開口部32では、底面30bにおいて露出し、第2配線部50bと電気的に接続された下地電極層11の直上に積層された誘電体層20aが延伸部22を有している。誘電体層20bの延伸部21は第1配線部50aまで到達しておらず、誘電体層20bの延伸部21と第1配線部50aとの間には第1絶縁層40が設けられている。誘電体層20aの延伸部22は第2配線部50bと接する位置まで到達している。
下地電極層11は導電性を有する材料から形成されている。具体的には、下地電極層11を形成する導電性材料としては、主成分としてニッケル(Ni)や白金(Pt)を含有する合金が好ましく、特に、主成分としてNiを含有する合金が好適に用いられる。下地電極層11を構成するNiの純度は高いほど好ましく、99.99重量%以上であることが好ましい。なお、下地電極層11に微量の不純物が含まれていてもよい。主成分としてNiを含有する合金からなる下地電極層11に含まれ得る不純物としては、例えば、鉄(Fe)、チタン(Ti)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)またはクロム(Cr)、バナジウム(V)、亜鉛(Zn)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セシウム(Ce)等の遷移金属元素あるいは希土類元素等、塩素(Cl)、硫黄(S)、リン(P)等が挙げられる。
下地電極層11の厚さは、10nm〜100μmであることが好ましく、1μm〜70μmであることがより好ましく、10μm〜30μm程度であることが更に好ましい。下地電極層11の厚さが薄過ぎる場合、薄膜コンデンサ1の製造時に下地電極層11をハンドリンクし難くなる傾向があり、下地電極層11の厚さが厚過ぎる場合、リーク電流を抑制する効果が小さくなる傾向がある。なお、下地電極層11の面積は、例えば、1×0.5mm程度である。また、上述の下地電極層11は金属箔からなることが好ましく、基板と電極とを兼用している。このように、本実施形態に係る下地電極層11は基板としても兼用する構成であることが好ましいが、Siやアルミナなどからなる基板上に下地電極層11を設けた基板/電極膜構造を採用してもよい。
内部電極層12(内部電極層12a,12b,12c)は導電性を有する材料から形成されている。具体的には、主成分としてニッケル(Ni)や白金(Pt)を含有する材料が内部電極層12として好適に用いられ、Niが特に好適に用いられる。内部電極層12に主成分としてNiを含有する材料を用いる場合、その含有量は、内部電極層12全体に対して、50mol%以上であることが好ましい。また、内部電極層12の主成分がNiである場合、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、レニウム(Re)、タングステン(W)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)及び銀(Ag)からなる群より選ばれる少なくとも一種(以下、「添加元素」と記す。)を更に含有する。内部電極層12が添加元素を含有することによって、内部電極層12の途切れが防止される。なお、内部電極層12は複数種の添加元素を含有してもよい。内部電極層12の厚さは、例えば、10nm〜1000nm程度である。
誘電体層20(誘電体層20a,20b,20c)は、BaTiO(チタン酸バリウム)、(Ba1−XSr)TiO(チタン酸バリウムストロンチウム)、(Ba1−XCa)TiO、PbTiO、Pb(ZrTi1−X)O等のペロブスカイト構造を持った(強)誘電体材料や、Pb(Mg1/3Nb2/3)O等に代表される複合ペロブスカイトリラクサー型強誘電体材料や、BiTi12、SrBiTa等に代表されるビスマス層状化合物、(Sr1−XBa)Nb、PbNb等に代表されるタングステンブロンズ型強誘電体材料等から構成される。ここで、ペロブスカイト構造、ペロブスカイトリラクサー型強誘電体材料、ビスマス層状化合物、タングステンブロンズ型強誘電体材料において、AサイトとBサイト比は、通常整数比であるが、特性向上のため、意図的に整数比からずらしてもよい。なお、誘電体層20の特性制御のため、誘電体層20に適宜、副成分として添加物質が含有されていてもよい。誘電体層20の厚さは、例えば、10nm〜1000nmである。
第1絶縁層40及び第2絶縁層60は、絶縁性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば、ポリイミドなどの非導電性樹脂、SiO、アルミナ、SiN(シリコンナイトライド)等の無機材料、あるいはこれらを混合、又は積層させた絶縁材料等を用いることができる。第1絶縁層40の厚さ(内部電極層12cの上面と第1絶縁層40の上面との距離)は、例えば、0.5μm〜10μmであり、第2絶縁層60の厚さ(第1絶縁層40の上面と第2絶縁層60の上面との距離)は、例えば、0.5μm〜10μmである。
配線部50は、例えば、銅(Cu)などの導電性を有する材料から構成されている。また、配線部50と電気的に接続される外部端子70も、例えば、銅(Cu)などの導電性を有する材料から構成されている。
第1絶縁層40が導入される開口部31,32の径(側面30aにより囲われる領域の径)は特に限定されないが、配線部50と開口部31,32の側面30aとが離間するように(すなわち、配線部50と側面30aとの間に第1絶縁層40が設けられるように)、且つ、上述の延伸部21,22を形成することができるように設定される。延伸部21,22の長さ(開口部31,32の側面30aから突出している部分の最大長さ)は、延伸部21,22が設けられる誘電体層20の厚みに対して2倍以上とすることができる。
ここで、貫通電極に垂直な面内(XY平面内)で延びており、同極の電位が与えられる複数の貫通電極を電気的に接続する配線部(第2共通プレート電極50a(u))と、この配線部に電気的に接続され外部との入出力を行うコンタクト電極70(A)とを備えており、平面視において配線部の下方に接続された貫通電極50a(t)の重心位置から、これに電気的に接続されたコンタクト電極70(A)の重心位置までの距離Fは、或いは、平面視における配線部の下方に接続された貫通電極50b(t)の重心位置から、これに電気的に接続されたコンタクト電極70(B)の重心位置までの距離Fは、以下の関係式を満たす。
0μm≦F≦100μm
この薄膜コンデンサによれば、さらにESLを低下させることができる。
図4は、薄膜コンデンサの貫通電極部分の変形構成を示す図である。
第1絶縁層40に設けられた開口内において貫通電極50a(t)、50b(t)が埋め込まれるように設けられたが、これらは図4に示すように、第1絶縁層40に設けられた開口内の側壁を覆うように設けられてもよい。この場合、第1絶縁層40の貫通孔内には、第2絶縁層60も埋め込まれる。
図5は、同極の貫通電極を接続する電極層の構成を示す平面図である。
第1共通プレート電極50b(u)は、合計で8個の貫通電極50b(t)に与えられる電位(グランド電位)を共通化している。第2共通プレート電極50a(u)は、2個ずつの貫通電極50a(t)に与えられる電位を共通化し、それぞれの貫通電極50a(t)は、第2共通プレート電極50a(u)の下部に位置する電極層12c又は電極層12a(図1参照)に電気的に接続されているので、結局のところ、グランド電位ではない方の極性の全ての貫通電極50a(t)の電位は共通化され、同電位とされている。
同図では、4つの第2共通プレート電極50a(u)の領域が示されているが、電極層表面に平行な平面(XY平面)内においては、これらは離間しており、また、それぞれが、第1共通プレート電極50b(u)とも離間している。
このように、薄膜コンデンサにおいては、平面視において、第2共通プレート電極50a(u)(配線部)に対して離間して隣接し、グランド電位が与えられる第1共通プレート電極50b(u)(グランド電位配線部)を備えており、第2共通プレート電極50a(u)の長手方向に垂直な幅C(線幅)、第2共通プレート電極50a(u)と第1共通プレート電極50b(u)との間の離間距離Dとした場合に、関係式:D<Cを満たしている。なお、幅Cが、配線部の長手方向の端部において極小化する形状の場合や、製造上の揺らぎ等がある場合には、配線部の中央の値(極小化した形状の場合には、長手方向端部の幅に比較すると最大値となる)を採用することができる。
この場合、第1共通プレート電極50b(u)が、第2共通プレート電極50a(u)を流れる信号のノイズを抑制し、ESLを更に大きく低下させることができる。なお、各第2共通プレート電極50a(u)の形状は、長方形の角部を丸くした形状であり、角部の形状に起因して発生する高周波ノイズを抑制している。
図6は、図1及び図3に示した構造を有する薄膜コンデンサの特性を調べた実験結果(シミュレーション計算結果)を示す図表である。条件を満たす場合には丸が記載され、満たさない場合にはバツが記載されている。この実験では、3つの条件を変化させて、ESLの挙動を調べた。
第1条件C1の設定においては、パラメータA=S×Nc/Nvを設定し、パラメータAを変化させ、パラメータAが所望の条件範囲(0.4Q≦A≦Q、Q=0.25mm)内にあるかどうかを設定した。なお、薄膜コンデンサの平面視における実効領域の最大面積S=X1×Y1−ΔSである。X1及びY2は薄膜コンデンサの縦横の寸法(図2参照)であり、ΔSは、平面視における貫通電極や貫通孔など、電荷蓄積機能を奏さない領域の面積の合計である。なお、1つの貫通電極の水平断面積は1256μm、貫通電極が通る1つの貫通孔の水平断面積は5024μmである。
第2条件C2の設定においては、コンタクト電極の重心位置と第2共通プレート電極直下の貫通電極の重心位置との間の距離Fを変化させ、距離Fが、0(μm)≦F≦100(μm)を満たすかどうかを設定した。
第3条件C3の設定においては、第2共通プレート電極の幅Cと、第2共通プレート電極のグランド電位からの離間距離Dの関係を変化させ、D<Cを満たすかどうかを設定した。なお、幅Cは60μmに固定した。
比較例1〜3では、最大面積S=1(mmコンデンサ用の電極層数Nc=4、貫通電極数(ビア数)Nv=12にしたため、第1条件C1のパラメータA=1.32(mm)、Q=0.33(mm)となっている。比較例1〜3では、第2条件C2のパラメータである距離Fは、それぞれ、110、110、0であり、比較例1,2は、第2条件を満たしていない。また、第3条件C3のパラメータである離間距離Dは、比較例1〜3においては、それぞれ、70(μm)、5(μm)、70(μm)であり、比較例1,3において、第3条件C3は満たされていない。
これらの比較例1〜3においては、薄膜コンデンサの容量Cd(nF)は、154.30(nF)であり、パラメータA=Q(=0.25mm)とした場合の実施例3(基準)の容量に対する割合は、101%である。これらの比較例1〜3においては、ESL(pH)は、13.15(pH)、9.75(pH)、6.52(pH)であった。換言すれば、比較例1〜3においては、実施例3に対するESLの割合(変化率)は、それぞれ、542(%)、402(%)、269(%)であった。
実施例1では、A=0.25(mm)、S=1(mm)、Nc=4、Nv=16、F=110(μm)、D=70(μm)に設定した。実施例1は、比較例1に対して、第1条件C1を改善したものであり、第1条件を満たしているが、その他の条件は満たしてない。この場合、コンデンサ容量が大きく低下することなく、ESLは、比較例1に対して大幅に改善し、7.29(pH)まで低下した。
実施例2では、実施例1において、更に、第2条件C2を満たす(F=100μm)設定としたものである。この場合、比較例2に対して、第1条件C1及び第2条件C2を改善したものであるが、実施例2では、コンデンサ容量が大きく低下することなく、ESLは、比較例1及び実施例1に対して大幅に改善し、6.83(pH)まで低下した。
実施例Aでは、実施例1において、更に、第2条件C2を満たす(F=0μm)設定としたものである。この場合、比較例3に対して、第1条件C1を改善したものであるが、実施例Aでは、コンデンサ容量が大きく低下することなく、ESLは、上記の比較例及び実施例に対して大幅に改善し、3.62(pH)まで低下した。
実施例3では、実施例Aにおいて、更に、第3条件C3を満たす(D=5μm)設定としたものである。この場合、比較例3に対して、第1条件C1、第3条件C3を改善したものであるが、実施例3では、コンデンサ容量が大きく低下することなく、ESLは、比較例1〜3及び実施例1、2に対して大幅に改善し、2.43(pH)まで低下した。
実施例Bでは、実施例2において、更に、第3条件C3を満たす(D=5μm)設定としたものである。この場合、実施例2に対して、第3条件C3を改善したものであるが、実施例Bでは、コンデンサ容量が大きく低下することなく、ESLは、比較例1〜3及び実施例1、2に対して大幅に改善し、5.06(pH)まで低下した。
実施例4では、実施例3において、更に、Nv=18、A=0.22(mm)として、第1条件C1を変更したものであり、実施例4では、コンデンサ容量が大きく低下することなく、ESLは、比較例1〜3及び実施例1〜3に対して大幅に改善し、1.90(pH)まで低下した。
実施例5では、実施例4において、更に、Nv=20、A=0.20(mm)として、第1条件C1を変更したものであり、実施例5では、コンデンサ容量が大きく低下することなく、ESLは、比較例1〜3及び実施例1〜4に対して大幅に改善し、1.53(pH)まで低下した。
実施例6では、実施例5において、更に、Nv=27、A=0.15(mm)として、第1条件C1を変更したものであり、実施例6では、コンデンサ容量が大きく低下することなく、ESLは、比較例1〜3及び実施例1〜5に対して大幅に改善し、0.83(pH)まで低下した。
実施例Cでは、実施例6において、更に、Nv=40、A=0.1(mm)として、第1条件C1を変更したものであり、実施例Cでは、コンデンサ容量が大きく低下することなく、ESLは、比較例1〜3及び実施例1〜5に対して大幅に改善し、0.37(pH)まで低下した。
実施例7では、実施例Cにおいて、更に、F=100(μm)として、第2条件C2を変更したものであり、実施例7では、コンデンサ容量が大きく低下することなく、ESLは、実施例Cよりは高くなるものの、その他の比較例及び実施例に対して大幅に改善し、0.77(pH)まで低下した。
実施例8では、実施例7において、F=110(μm)として、第2条件C2のみを満たさないようにしたものであるが、実施例8では、コンデンサ容量が大きく低下することなく、ESLは、比較例1〜3よりも大幅に改善しており、0.83(pH)まで低下した。
なお、Aの値が0.05(mm)以下になると、第1条件C1は満たさなくなる。比較例A、B、Cは、それぞれ、実施例C、実施例7、実施例8において、Nv=80、A=0.05(mm)として、第1条件C1を満たさないように変更したものであり、この場合には、150±10(cF)程度あった容量が、この範囲を超えて低下し、コンデンサとしての機能が大きく劣化することが判明した。
以上のように、実施例においては、S=4Q=1mmの場合の薄膜コンデンサにおいて、第1条件C1(0.4Q≦A≦Q)を満たすことで、コンデンサ容量を低下させることなく、ESLを著しく改善することができた。また、0.4Q≦Aであれば、コンデンサの容量も十分に確保することができた。
また、少なくとも、Q≦S≦36Qの場合には、このようなESL改善効果が認めることができた。
なお、上述の実施形態の構造は、幾つかの変形をすることができる。
図7は、薄膜コンデンサのコンタクト電極の部分を変形した例を示す図である。
図3においては、コンタクト電極70(A)、70(B)は、第2絶縁層60を貫通していたが、図7では、それぞれ、上部接続電極層50a(tu)、上部接続電極層50b(tu)を介して、第2絶縁層60上に配置されている。
上部接続電極層50a(tu)、上部接続電極層50b(tu)は、第2絶縁層60に設けられた貫通孔の内壁を通り、この貫通孔の直下に設けられた配線部50a(u)、配線部50b(u)に接触し、貫通電極50a(t)、50b(t)に電気的に接続されている。
その他の構造は、図3に示したものと同一である。
この構造の場合において、上述の第1条件C1を満たすことで、ESLの大幅な低下効果を奏することができる。また、第2条件C2、第3条件C3を満たす場合の効果についても、同様である。また、図7においても、図4の構造を適用することができ、各条件に対しては同様の効果を奏する。
図8は、薄膜コンデンサのコンタクト電極の位置を変形した例を示す図である。
この構造は、図3の構造において、F=0としたものである。この構造の場合において、上述の第1条件C1を満たすことで、ESLの大幅な低下効果を奏することができる。また、第3条件C3を満たす場合の効果についても、同様である。また、図7においても、図4の構造を適用することができ、各条件に対しては同様の効果を奏する。すなわち、0μm≦F≦100μmの場合においては、ESLを低下させることができる。
11…第1電極層、12a…第2電極層、12b…第3電極層、12c…第4電極層、20a、20b、20c…誘電体層、40…第1絶縁層、50…配線部、60…第2絶縁層、70…外部端子。

Claims (3)

  1. 複数の電極層と、
    複数の前記電極層間に配置された複数の誘電体層と、
    前記電極層から厚み方向に沿って延びた貫通電極と、
    を備え、
    薄膜コンデンサの平面視における実効領域の最大面積S、
    前記貫通電極の数Nv、
    前記電極層の数Nc、
    パラメータA=S×Nc/Nv、
    とした場合に、
    以下の関係式:
    0.1≦A≦0.25
    を満たすことを特徴とする薄膜コンデンサ。
  2. 前記貫通電極に垂直な面内で延びており、同極の電位が与えられる複数の前記貫通電極を電気的に接続する配線部と、
    前記配線部に電気的に接続され外部との入出力を行うコンタクト電極と、
    を備え、
    平面視において前記配線部の下方に接続された前記貫通電極の重心位置から、これに電気的に接続された前記コンタクト電極の重心位置までの距離Fは、以下の関係式:
    0μm≦F≦100μm
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の薄膜コンデンサ。
  3. 平面視において、前記配線部に対して離間して隣接し、グランド電位が与えられるグランド電位配線部を更に備え、
    前記配線部の長手方向に垂直な幅C、
    この配線部と前記グランド電位配線部との間の離間距離D、
    とした場合に、
    以下の関係式:
    D<C
    を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜コンデンサ。
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