JP2019207988A - 薄膜コンデンサ及び電子部品内蔵基板 - Google Patents

薄膜コンデンサ及び電子部品内蔵基板 Download PDF

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Abstract

【課題】低ESL化を実現する。【解決手段】薄膜コンデンサ1は、複数の電極層と、複数の電極層のうち隣接する電極層に挟まれた誘電体層と、を含む容量部10と、容量部10に対して積層され、互いに異なる電位が与えられる第1導体61および第2導体62と、を含む配線層と、複数の電極層のいずれかと、第1導体61または第2導体62と、を接続する複数のビア導体70と、第1導体61または第2導体62と接続されると共に、容量部10の周囲を囲む導体枠体80と、を有する。導体枠体80が、複数のビア導体のうちインダクタンス値が最も大きいビア導体が接続する電極層と、第1導体61および第2導体62のうち、複数のビア導体のうちインダクタンス値が最も大きいビア導体が接続する導体と、を接続する。【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜コンデンサ及び電子部品内蔵基板に関する。
電子部品等に用いられる薄膜コンデンサについては、ESL(等価直列インダクタンス値)を低くすることが求められている。特許文献1では、再配線層に相当する中間電極層の導体部の形状及び配置を変更することで、ESLを低減することが検討されている。
国際公開第2016/136411号
しかしながら、近年、通信の高速化に対するニーズの高まりに伴って信号の高周波化が進み、薄膜コンデンサにおけるESLの低減に関する要求が高まっている。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、低ESL化を実現可能な薄膜コンデンサ及び電子部品内蔵基板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る薄膜コンデンサは、複数の電極層と、複数の電極層のうち隣接する電極層に挟まれた誘電体層と、を含む容量部と、前記容量部に対して積層され、互いに異なる電位が与えられる第1導体および第2導体と、を含む再配線層と、前記複数の電極層のいずれかと、前記第1導体または前記第2導体と、を接続する複数のビア導体と、前記第1導体または前記第2導体と接続されると共に、前記容量部の周囲を囲む導体枠体と、を有し、前記導体枠体は、前記複数の電極層に含まれて前記複数のビア導体のうちインダクタンス値が最も大きいビア導体が接続する電極層と、前記第1導体および前記第2導体のうち、前記複数のビア導体のうちインダクタンス値が最も大きいビア導体が接続する導体と、を接続する。
上記の薄膜コンデンサによれば、複数のビア導体のうちインダクタンス値が最も大きいビア導体と、インダクタンス値が最も大きいビア導体が接続する電極層と、前記第1導体および前記第2導体のうち、前記複数のビア導体のうちインダクタンス値が最も大きいビア導体が接続する導体と、を接続する導体枠体と、が並列に接続されることになる。このような構成を有することで、ビア導体のインダクタンス値が低減されて、薄膜コンデンサ全体としての低ESL化が達成される。
ここで、前記第1導体および前記第2導体のうち、前記導体枠体が接続する導体には、グランド電位が与えられる態様とすることができる。
導体枠体が接続する導体にグランド電位が与えられている場合、グランド電位が与えられる導体枠体が、容量部と外部の他の部品との間の電磁的な干渉を防ぐことができる。
また、前記導体枠体は、前記容量部の周囲の全周を囲っている態様とすることができる。
このような構成とすることで、薄膜コンデンサの大型化を防ぎながら、導体枠体の断面積をより大きく確保することができる。
前記インダクタンス値が最も大きいビア導体は、複数の電極層のうち最下層の電極層に対して接続するビア導体である態様とすることができる。
このような構成とすることで、最下層の電極層に対して接続するビア導体のインダクタンス値を低減させ、薄膜コンデンサとしての低ESL化を実現することができる。
また、本発明の一形態に係る電子部品内蔵基板は、上記の薄膜コンデンサを有する。このような構成とすることで、薄膜コンデンサの低ESL化が達成された電子部品内蔵基板を得ることができる。
本発明によれば、低ESL化を実現可能な薄膜コンデンサ及び電子部品内蔵基板が提供される。
本発明の一形態に係る薄膜コンデンサの概略構成図である。 第1配線層の平面図である。 本発明の一形態に係る電子部品内蔵基板の概略構成図である。 変形例に係る薄膜コンデンサの第1配線層の平面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一形態に係る薄膜コンデンサの概略構成図である。図1に示すように、薄膜コンデンサ1は、基材2と、基材2上に積層された容量部10と、容量部10上に積層された第1配線層31及び第2配線層32と、外部端子50(50A,50B)と、を含む。容量部10と第1配線層31との間、第1配線層31と第2配線層32との間、第2配線層32と外部端子50との間には、絶縁層40が介在している。
なお、本明細書中において「積層方向」とは、基材2、容量部10、第1配線層31、第2配線層32というように、基材2から外部端子50に向けて各層が順次重なる方向である。また、以下の説明では、積層方向に沿って外部端子50側を「上」、積層方向に沿って基材2側を「下」として説明する場合がある。
容量部10は、基材2上に、電極層11,12,13,14,15,16,17,18が順次積層されていて、隣接する電極層の間には、基材2側から順に誘電体層20(20a〜20g)が順次積層されている。
容量部10の各電極層(電極層11〜18)は、導電性を有する材料によって形成される。具体的には、主成分としてニッケル(Ni)や銅(Cu)を含有する材料が電極層として好適に用いられ、Niが特に好適に用いられる。なお、「主成分」であるとは、当該成分の占める割合が50質量%以上であることをいう。また、各電極層の主成分がNiである場合、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、レニウム(Re)、タングステン(W)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、及び銀(Ag)からなる群より選ばれる少なくとも一種(以下、「添加元素」と記す。)を更に含有してもよい。
また、各電極層の厚さは、例えば、10nm〜1000nm程度である。なお、薄膜コンデンサ1は、基材2を省略した構成としてもよい。その場合、最下層の電極層である電極層11を他の電極層と比べて厚くして剛性を高める構成とすることができる。その場合、電極層11を例えば、300nm〜100μm程度とすることができる。
電極層11〜18のうち、電極層11,13,15,17は、外部端子50A等を介して外部のグランド配線に接続されるため、グランド電位が与えられる第1電極層として機能する。また、電極層12,14,16,18は、グランド電位とは異なる電位が与えられる第2電極層として機能する。
誘電体層20(20a〜20g)は、ペロブスカイト系の誘電体材料によって構成される。本実施形態におけるペロブスカイト系の誘電体材料としては、BaTiO(チタン酸バリウム)、(Ba1−XSr)TiO(チタン酸バリウムストロンチウム)、(Ba1−XCa)TiO、PbTiO、Pb(ZrTi1−X)O等のペロブスカイト構造を持った(強)誘電体材料や、Pb(Mg1/3Nb2/3)O等に代表される複合ペロブスカイトリラクサー型強誘電体材料や、BiTi12、SrBiTa等に代表されるビスマス層状化合物、(Sr1−XBa)Nb、PbNb等に代表されるタングステンブロンズ型強誘電体材料等から構成される。ここで、ペロブスカイト構造、ペロブスカイトリラクサー型強誘電体材料、ビスマス層状化合物、タングステンブロンズ型強誘電体材料において、AサイトとBサイト比は、通常整数比であるが、特性向上のため、意図的に整数比からずらしてもよい。なお、誘電体層20の特性制御のため、誘電体層20に適宜、副成分として添加物質が含有されていてもよい。なお、誘電体層20の特性制御のため、誘電体層20に適宜、副成分として添加物質が含有されていてもよい。誘電体層20の厚さは、例えば、10nm〜1000nmである。
第1配線層31及び第2配線層32は、容量部10に含まれる各電極層と外部端子50とを接続するための再配線層として機能する。すなわち、薄膜コンデンサ1は、2層の再配線層を有する。第1配線層31及び第2配線層32は、導体パターンにより形成される。なお、本実施形態では、第1配線層31及び第2配線層32のそれぞれが、与えられる電位が互いに異なる2種類の導体である第1導体61と第2導体62とから構成される。第1導体61は、グランド電位が与えられる電極層11,13,15,17とビア導体を介して接続されると共に、一方側の外部端子50Aとも接続される導体である。また、第2導体62は、グランド電位とは異なる電位が与えられる電極層12,14,16,18とビア導体を介して接続されると共に、一方側の外部端子50Bと接続される導体である。
第1配線層31及び第2配線層32を構成する第1導体61及び第2導体62は、それぞれ導電性を有する材料によって形成される。具体的には、主成分としてニッケル(Ni)や銅(Cu)を含有する材料が第1導体61及び第2導体62として好適に用いられ、Cuが特に好適に用いられる。また、第1配線層31及び第2配線層32の厚さは、例えば、1μm〜5μm程度である。
容量部10の電極層11以外の各電極層と第1配線層31との間、第1配線層31と第2配線層32との間には、複数のビア導体70(70a〜70h)が設けられる。ビア導体70の配置の詳細については後述するが、ビア導体70が設けられることで、容量部10の各電極層と外部端子50A、50Bとがそれぞれ接続される。ビア導体70は、それぞれ導電性を有する材料によって形成される。具体的には、主成分としてニッケル(Ni)や銅(Cu)を含有する材料がビア導体70として好適に用いられる。ビア導体70a〜70hは、それぞれ、電極層11〜18と接続される。したがって、ビア導体70a,70c,70e,70gは、グランド電位が与えられる第1導体61と接続し、導体70b,70d,70f,70hは、グランド電位とは異なる電位が与えられる第2導体62と接続する。
また、ビア導体70とは別に、容量部10の周囲を囲うように形成された導体枠体80が設けられる。導体枠体80は、電極層11に対して接続するビア導体70aとは別に設けられて、最下層の電極層11と第1配線層31の第1導体61とを接続するように積層方向に延びる。ビア導体70および導体枠体80については後述する。
絶縁層40は、容量部10と第1配線層31との間、第1配線層31と第2配線層32との間、第2配線層32と外部端子50との間を埋めるように設けられる。また、絶縁層40は、ビア導体70および導体枠体80の周囲にも設けられる。絶縁層40の材料は、絶縁性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば、ポリイミド等の非導電性樹脂、ガラス(SiO)、アルミナ(Al)、シリコンナイトライド(SiN)等の無機材料、あるいはこれらを混合又は積層させた絶縁材料等を用いることができるが、樹脂材料が好適に用いられる。絶縁層40の厚さ(容量部と第1配線層31との間、第1配線層31と第2配線層32との間、第2配線層32と外部端子50の取り付けられる表面との間、等の長さ)は、例えば、0.5μm以上10μm以下である。なお、絶縁層40は、複数の絶縁層を積層して形成されていてもよい。
薄膜コンデンサ1における導体枠体80とビア導体70の配置例について図2を参照しながら説明する。図2は、第1配線層31の平面図である。
図2に示すように、第1配線層31では、容量部10から延びてきたグランド電位とは異なる電位が与えられるビア導体70b,70d,70f,70hをまとめて接続する第2導体62を有する。第2導体62は、第1配線層31において複数分散配置されていてもよい。また、第1配線層31では、第2導体62の周囲を覆いながら、下から延びてきたグランド電位が与えられるビア導体70a,70c,70e,70gをまとめて接続する第1導体61と、を有している。なお、図2では、そのほかのビア導体も接続されている状態を示している。図2に示すように、第1配線層31では、外形が四角形状の第1導体61の内側に複数の第2導体62が島状に配置された状態となっている。
さらに、第1配線層31には、グランド電位が与えられる第1導体61に対して電極層11から延びてきた導体枠体80が接続する。導体枠体80は、第1配線層31における第1導体61の外周に沿った四角形の環状を呈している。
導体枠体80は、下方の電極層12〜18および誘電体層20の周囲にも延びている。内部の電極層12〜18および誘電体層は、それぞれ平面形状が四角形であって、各層に適宜ビア導体が形成される。また、各層の周囲を囲うように四角形の環状の導体枠体80が設けられる。
上記の薄膜コンデンサ1は、例えば以下の方法で製造することができる。まず、基材2上に各電極層(電極層11〜電極層18)と誘電体層20(20a〜20g)とを交互に積層すると共に各層のパターニングを行って容量部10を形成する。各電極層の積層方法としては、例えばDCスパッタリング等が挙げられる。また、誘電体層20の積層方法としては、溶液法、スパッタリング等のPVD(Physical Vapor Deposition)法、又はCVD(Chemical Vapor Deposition)法等の成膜技術を用いることができる。ただし、積層方法は特に限定されない。また、誘電体層の形成時に焼成を行ってもよい。
その後、基材2上に形成された容量部10上に溶液法、スパッタリング等のPVD法を用いて絶縁層40を形成する。その後、レーザ加工又は露光現像法等により開口を形成し、開口内および絶縁層40表面に、ビア導体70、第1配線層31、導体枠体80を形成することができる。その後、再び絶縁層40を積層し、積層された絶縁層90上に第2配線層32を形成し、最後に外部端子50を取り付けることで、図1に示す薄膜コンデンサが得られる。
ここで、本実施形態に係る薄膜コンデンサ1では、複数層の電極層および隣接する電極層の間に設けられる誘電体層を含む容量部10の周囲に、第1配線層31に対して接続する導体枠体80が形成される。導体枠体80は電極層11に対して接続される。また、導体枠体80は、第1配線層31を介してビア導体70aと接続される。ビア導体70aは、薄膜コンデンサ1に設けられるビア導体70a〜70hのうち、インダクタンス値(L)が高いビア導体となる。すなわち、導体枠体80は、第1配線層31および電極層11を介して、インダクタンス値(L)が高いビア導体70aと並列に接続される。このような構成とすることで、薄膜コンデンサ1としての低ESL化を達成することができる。
図1に示す薄膜コンデンサ1では、インダクタンス値(L)が高いビア導体70aが設けられているため、薄膜コンデンサ1に電流が流れた場合のESL(等価直列インダクタンス値)が上昇することが考えられる。これに対して、このインダクタンス値(L)が高いビア導体70aと同じ電位が与えられる導体枠体80とを並列に接続する構成とすることで、ビア導体70aのインダクタンス値(L)を実質的に低くすることができる。したがって、薄膜コンデンサ1全体としての低ESL化が達成される。
なお、図1における薄膜コンデンサ1では、インダクタンス値(L)が高いビア導体がビア導体70aである場合について説明しているが、インダクタンス値(L)が高いビア導体は、ビア導体70aに限定されない。薄膜コンデンサにおけるビア導体のインダクタンス値(L)は、ビア導体の径および長さによって変化する。したがって、ビア導体70a〜70hの径(導体が占める領域の断面積:積層方向に対して直交する面の断面積)が均一である場合には、長さ(電極層と配線層等とを結ぶ長さ)がより大きなビア導体においてインダクタンス値(L)が高くなる。同一の薄膜コンデンサでは、複数のビア導体の径(断面積)が同一とされている場合が多いため、より長いビア導体、すなわちより下層の電極層に接続されたビア導体が、インダクタンス値(L)が高いビア導体となる。本実施形態に係る薄膜コンデンサ1では、各ビア導体の径(断面積)が同一であると仮定し、最下層の電極層11に対して接続するビア導体70aが最もインダクタンス値(L)の高いビア導体であり、導体枠体80はこのビア導体70aと並列になるように接続されている。
なお、最もインダクタンス値(L)が高いビア導体がどのビア導体になるかは、シミュレーションを用いて特定することができる。薄膜コンデンサの設計を行った段階で、各ビア導体のインダクタンス値(L)は計算により求めることができるため、インダクタンス値(L)が高いビア導体を特定することができる。このように特定されたインダクタンス値(L)が高いビア導体について、導体枠体と並列になるように配線の設計を行うことで、薄膜コンデンサの低ESL化が達成される。
なお、導体枠体80の断面積(積層方向に対して直交する面の断面積)によって、インダクタンス値(L)が最も高いビア導体に係るインダクタンス値(L)の低減効果は高められ、薄膜コンデンサ全体のESLの低減効果も高められる。導体枠体80の断面積(積層方向に対して直交する面の断面積)は、インダクタンス値(L)が最も高いビア導体(本実施形態の場合ビア導体70a)の断面積(積層方向に対して直交する面の断面積)に対して10倍以上確保されていることが好ましい。このような構成とすることで、インダクタンス値(L)の低減効果が高められる。なお、この場合、導体枠体80と第1導体61との接続部分の断面積、および、導体枠体80と電極層11との接続部分の断面積も、導体枠体80の断面積と同程度確保されることで、インダクタンス値(L)の低減効果が得られる。
導体枠体80は、容量部10の全周を囲っていなくてもよい。導体枠体80の断面積が十分に確保されていれば、インダクタンス値(L)の低減効果は得られるので、導体枠体80が容量部10の一部のみを囲うように導体枠体が設けられていてもよい。容量部10の周囲を囲うように配置することで、導体枠体80を設けることによる薄膜コンデンサ1の大型化を防ぎながら、インダクタンス値(L)の低減および薄膜コンデンサ1の低ESLを達成することができる。ただし、容量部10の全周を囲うように導体枠体80を設けることで、後述のように、容量部10と外部電子部品との間での電磁波の干渉等を防ぐという副次的な効果が得られる。
導体枠体80と並列に接続されるビア導体70aは、導体枠体80と近接配置されることが好ましい。導体枠体80とビア導体70aとが近接配置されることで、並列接続によるインダクタンス値(L)の低減効果が高められる。薄膜コンデンサ1の場合、図1に示すように、ビア導体70aを容量部10の外周側に配置することで、ビア導体70aと導体枠体80とを近接させることができる。
また、薄膜コンデンサ1の第1導体61、および、導体枠体80、に対してグランド電位が与えられている場合、グランド電位が与えられたこれらの導体が容量部10の周囲を囲うように設けられることになる。このような構成とすることで、薄膜コンデンサ1の使用時に電流が流れることでグランド電位とは異なる電位が与えられる第2導体62において電界放出が発生した場合でも、第2導体62の周囲に設けられたグランド電位が与えられる第1導体61により緩和することができる。したがって、第2導体62がアンテナとして機能して他の電子部品等に対するノイズ源となることを防ぐことができる。さらに、容量部10が周囲の電子部品等からの電磁波の影響を受けることを防ぐこともできる。
導体枠体80を設けることで、ESLが低減した効果について説明する。ESLの低減効果の評価は以下の手順で行った。まず、予め所定の形状を有する薄膜コンデンサについて、導体枠体80を設ける場合のモデルと、導体枠体80を設けない場合のモデルと、の2種類のモデルを作成した。そして、2種類のモデルのそれぞれにおける薄膜コンデンサのESLをシミュレーションにより評価した。評価に利用した薄膜コンデンサのモデルでは、容量部は11層の電極層を有する。また、導体枠体を設ける場合のモデルでは、最下層の電極層と上部の再配線層の導体とを接続するビア導体と、外周側の導体枠体とが同じ電位となるように、導体枠体を設けた。したがって、導体枠体は、再配線層の導体と、最下層の電極層とを接続する。さらに、導体枠体は容量部の周囲の全周を囲むように配置した。導体枠体を設けない場合のモデルでは、導体枠体が設けられている位置には絶縁層を配置する構成とした。導体枠体の有無以外は、2種類のモデルは同一の形状および同一の材料であると仮定した。例えば、電極層は銅であり、誘電体層はチタン酸バリウムであると仮定した。
このような条件で、2種類のモデルのESLをシミュレーションにより評価した結果を表1に示す。表1に示すように、導体枠体を設けることで、薄膜コンデンサとしてのESLが低下されることが確認された。
図3では、上記の構成を有する薄膜コンデンサ1を有する電子部品内蔵基板3として、薄膜コンデンサ1がグランド配線層2A上の中央付近に配置されて、薄膜コンデンサ1の周囲に第1配線層33を貫通して上下方向に第2配線層34まで延びるビア導体81が設けられた例を示している。電子部品内蔵基板3では、グランド配線層2Aがニッケル(Ni)や銅(Cu)等の導体材料から構成されていて、容量部10との間には絶縁層40が設けられることで、グランド配線層2Aと薄膜コンデンサ1の間は絶縁される。このような電子部品内蔵基板3では、グランド配線層2Aは、ビア導体81により、第1導体61と同じグランド電位が与えられる。したがって、図3に示す電子部品内蔵基板3は、薄膜コンデンサ1の周囲が、グランド電位が与えられる導体材料により囲われた状態となる。このような構成とした場合、電子部品内蔵基板3に対して電流を流して電場を発生させた場合、内部の薄膜コンデンサ1に対する放出を抑制することも可能となる。
なお、電子部品内蔵基板3では、ビア導体81が設けられている例を示しているが、ビア導体81を有していない場合でも、上述のように導体枠体80が形成された薄膜コンデンサ1を収容する電子部品内蔵基板3では、薄膜コンデンサ1の容量部10からの電磁界放出および外部の電磁界により容量部10が影響を受けることを抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変更を行うことができる。例えば、上記の実施形態では、容量部10が8つの電極層(電極層11〜電極層18)及び7つの誘電体層20(20a〜20g)を有する場合について説明したが、容量部10が有する電極層及び誘電体層の層数は特に限定されず、任意に変更可能である。
また、上記の実施形態では、再配線層として、2層の配線層(第1配線層31及び第2配線層32)を有する場合について説明したが、再配線層の層数は特に限定されず、任意に変更可能である。なお、再配線層の層数が変更された場合であっても、配線層を構成する導体と電極層とを接続する導体枠体を設ける構成とすることで、上述した効果が得られる。
図4では、導体枠体80および再配線層(図4では、第1導体61)の配置に係る変形例を示している。図4に示すように、導体枠体80と第1導体61とは一体型ではなく、それぞれに個別体として形成され、少なくとも一箇所以上の接続導体部100を介して接続してもよい。導体枠体80と第1導体61とが一体型となっている場合と比較して、個別体として形成された導体枠体80および第1導体61に発生する応力が緩和され、絶縁層90との剥離が抑制されるという副次的な効果が得られる。
また、再配線層の各層における第1導体61及び第2導体62の形状は、薄膜コンデンサに求められる機能等に応じて適宜変更することができる。
1…薄膜コンデンサ、2…基材、3…電子部品内蔵基板、10…容量部、11〜18…電極層、20…誘電体層、31…第1配線層、32…第2配線層、40…絶縁層、50…外部端子、61…第1導体、62…第2導体、70…ビア導体、80…導体枠体、100…接続導体部。

Claims (5)

  1. 複数の電極層と、複数の電極層のうち隣接する電極層に挟まれた誘電体層と、を含む容量部と、
    前記容量部に対して積層され、互いに異なる電位が与えられる第1導体および第2導体と、を含む再配線層と、
    前記複数の電極層のいずれかと、前記第1導体または前記第2導体と、を接続する複数のビア導体と、
    前記第1導体または前記第2導体と接続されると共に、前記容量部の周囲を囲む導体枠体と、
    を有し、
    前記導体枠体は、前記複数の電極層に含まれて前記複数のビア導体のうちインダクタンス値が最も大きいビア導体が接続する電極層と、前記第1導体および前記第2導体のうち、前記複数のビア導体のうちインダクタンス値が最も大きいビア導体が接続する導体と、を接続する、薄膜コンデンサ。
  2. 前記第1導体および前記第2導体のうち、前記導体枠体が接続する導体には、グランド電位が与えられる、請求項1に記載の薄膜コンデンサ。
  3. 前記導体枠体は、前記容量部の周囲の全周を囲っている、請求項1または2に記載の薄膜コンデンサ。
  4. 前記インダクタンス値が最も大きいビア導体は、前記複数の電極層のうち最下層の電極層に対して接続するビア導体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜コンデンサ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の薄膜コンデンサを有する、電子部品内蔵基板。
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