JP2018071558A - ワンウェイクラッチ付きダンパー、及び、ワンウェイクラッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数を削減してコストを抑制するとともにコンパクト化を可能とするワンウェイクラッチ付きダンパー、及び、ワンウェイクラッチを提供する。【解決手段】ワンウェイクラッチ付きダンパー10は、クラッチ軸22dの外周面に切欠き部22eが形成され、切欠き部22eとクラッチ部材24の挿入孔24bの内周面との間に、一方向に向かうに従って半径方向の厚みが縮幅するくさび部材23が介挿され、軸部材がクラッチ部材24に対して一方向に回動した際にはくさび部材23が挿入孔24bの内周面から離間し、軸部材がクラッチ部材24に対して他方向に回動した際にはくさび部材23と挿入孔24bの内周面との間に摩擦力が生じることにより、軸部材をクラッチ部材24に対して他方向に回動した際の回動抵抗が一方向に回動した際の回動抵抗に比べて大きくなる。【選択図】図3
Description
本発明は、例えばギア等の回転部材に対して、一方向の回転を伝達し、他方向の回転を規制する、ワンウェイクラッチ付きダンパー、及び、ワンウェイクラッチに関する。
従来、電気機器等において回転力を伝達する構成において、一方向の回転を伝達し、他方向の回転を遮断するためにワンウェイクラッチが用いられている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
前記特許文献1及び特許文献2に記載のワンウェイクラッチによれば、ケース内におけるクラッチ部材にバネ等による付勢力を付与し、このバネ等による弾性を用いて回転の伝達又は遮断を行っている。
しかし、前記従来技術におけるワンウェイクラッチによれば、内部構造にバネ等の弾性部材を備えているために構成が複雑となり、部品点数が多くなることによるコスト増、及び、ワンウェイクラッチの大径化に繋がる。このため、構造を簡素化することにより、部品点数を削減してコストを抑制するとともにコンパクト化を可能とするワンウェイクラッチが求められていた。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、部品点数を削減してコストを抑制するとともにコンパクト化を可能とするワンウェイクラッチ付きダンパー、及び、ワンウェイクラッチを提供することである。
以下では、上記課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、一端部に開口部を有する円筒状のケーシングと、前記ケーシングの内部で前記ケーシングの軸心回りに回動可能に収容され、その一端側が前記開口部から延出され、その他端側にはクラッチ軸が延出される軸部材と、前記軸部材に隣接して配設され、前記クラッチ軸が挿入される挿入孔が開口されるクラッチ部材と、前記クラッチ部材の外周面と前記ケーシングの内周面との間に介挿され、前記クラッチ部材と前記ケーシングとの間で回動抵抗を生じさせるダンパー部材と、を備え、前記軸部材を他方向に回動した際の回動抵抗が、一方向に回動した際の回動抵抗に比べて大きくなるように構成される、ワンウェイクラッチ付きダンパーであって、前記クラッチ軸の外周面には切欠き部が形成され、該切欠き部と前記挿入孔の内周面との間に、前記一方向に向かうに従って半径方向の厚みが縮幅するくさび部材が介挿され、前記軸部材が前記クラッチ部材に対して前記一方向に回動した際には前記くさび部材が前記挿入孔の内周面から離間し、前記軸部材が前記クラッチ部材に対して前記他方向に回動した際には前記くさび部材と前記挿入孔の内周面との間に摩擦力が生じることにより、前記軸部材を前記クラッチ部材に対して前記他方向に回動した際の回動抵抗が前記一方向に回動した際の回動抵抗に比べて大きくなるように構成されるものである。
請求項2においては、前記くさび部材は、前記挿入孔の内周面に当接する外周面の摩擦係数が、前記切欠き部に当接する内周面の摩擦係数と比較して大きくなるように構成されるものである。
請求項3においては、前記挿入孔の内周面には内周ギア部が形成され、前記くさび部材の外周面には、前記軸部材が前記クラッチ部材に対して前記他方向に回動した際に前記内周ギア部と歯合する外周ギア部が形成されるものである。
請求項4においては、その一端側に入力部が形成され、その他端側にはクラッチ軸が延出される軸部材と、前記軸部材に隣接して配設され、前記クラッチ軸が挿入される挿入孔が開口されるクラッチ部材と、を備える、ワンウェイクラッチであって、前記クラッチ軸の外周面には切欠き部が形成され、該切欠き部と前記挿入孔の内周面との間に、前記一方向に向かうに従って半径方向の厚みが縮幅するくさび部材が介挿され、前記軸部材が前記クラッチ部材に対して前記一方向に回動した際には前記くさび部材が前記挿入孔の内周面から離間することにより、前記軸部材の前記クラッチ部材に対する一方向への回動を許容し、前記軸部材が前記クラッチ部材に対して前記他方向に回動した際には前記くさび部材と前記挿入孔の内周面との間に摩擦力が生じることにより、前記軸部材の前記クラッチ部材に対する他方向への回動を規制するものである。
請求項5においては、前記くさび部材は、前記挿入孔の内周面に当接する外周面の摩擦係数が、前記切欠き部に当接する内周面の摩擦係数と比較して大きくなるように構成されるものである。
請求項6においては、前記挿入孔の内周面には内周ギア部が形成され、前記くさび部材の外周面には、前記軸部材が前記クラッチ部材に対して前記他方向に回動した際に前記内周ギア部と歯合する外周ギア部が形成されるものである。
本発明に係るワンウェイクラッチ付きダンパー、及び、ワンウェイクラッチは、部品点数を削減してコストを抑制するとともにコンパクト化を可能とする、という効果を奏する。
以下では図1から図10を用いて、本発明の第一実施形態であるワンウェイクラッチ付きダンパー10(以下、単に「ダンパー10」と記載する)について説明する。本実施形態に係るダンパー10は、ケース本体11及び蓋部材12からなるケーシングと、ケーシングの内部に収容される、第一軸部材21と第二軸部材22からなる軸部材、くさび部材23、クラッチ部材24、ダンパー部材25等で構成される。以下、各部材について順に説明する。
図1から図4に示す如く、ケース本体11は有底の円筒状に形成され、底部の反対側には封止口11aが開口されている。ケース本体11の上部は大径部11U、下部は小径部11Dとして形成されている。小径部11Dにはダンパー10を固定対象物に固定するための固定リブ11b・11bが半径方向外側に突出して形成されている。ケース本体11における大径部11Uの内周面には半径方向内側に突出する内周リブ11cが周方向に120度ごとに三箇所形成されている。ケース本体11における小径部11Dの内周面には半径方向内側に突出する内周ギア11dが形成されている。ケース本体11の内周側底部における軸心部分は、ケース本体11の内部空間に向かって上方に突出する軸部11eが形成されている。
ケース本体11の封止口11aは円板状の蓋部材12で封止される。蓋部材12の中央部には開口部12aが形成される。ケース本体11の封止口11aが蓋部材12で封止されることにより、一端部に開口部12aを有する円筒状のケーシングが構成される。
第一軸部材21はケーシングの内部上側(大径部11Uの内側)に収容される、略円柱状の部材である。第一軸部材21はケーシングの軸心A(図1を参照)を中心に回動可能に配設される。本実施形態においては、図1中の鎖線矢印R1に示す如く平面視で時計回りの方向を「正方向」、図1中の鎖線矢印R2に示す如く平面視で反時計回りの方向を「逆方向」として記載する。第一軸部材21の一端側である上部はケーシングの開口部12aから延出され、延出部分には半径方向外側に突出する入力ギア21aが形成されている。第一軸部材21の下部における外周面には、半径方向外側に突出する外周リブ21bが周方向に120度ごとに三箇所形成されている。外周リブ21bは、第一軸部材21がケース本体11に対して相対的に回動した際、ケース本体11の内周リブ11cと当接する。
また、第一軸部材21における外周リブ21bの内側には、上下方向に貫通する貫通孔21cが形成されている。この貫通孔21cにより、外周リブ21bに外側から押圧力が加わった際には、外周リブ21bが内側に弾性変形可能とされている。これにより、第一軸部材21がケース本体11に対して相対的に回動した際に、外周リブ21bと内周リブ11cとが当接して外周リブ21bが弾性変形し、節度感を生じるように構成されている。また、図5に示す如く、第一軸部材21の下側端面には挿入孔が形成され、挿入孔の内周面には内周ギア21dが形成されている。
第二軸部材22は第一軸部材21の下方に隣接して配設される。第二軸部材22の上部は第一軸部材21の挿入孔に挿入される。第二軸部材22の上部における外周面には外周ギア22aが形成されており、第二軸部材22の上部が第一軸部材21の挿入孔に挿入された際には、内周ギア21dと外周ギア22aとが歯合する。これにより、第二軸部材22は第一軸部材21に対して相対回転不能とされ、第一軸部材21と第二軸部材22とで軸部材を構成している。
本実施形態においては、第一軸部材21と第二軸部材22とを別部材として構成することにより、外周リブ21bの半径方向高さが異なる第一軸部材21に交換可能としている。これにより、第一軸部材21を回動した際の節度感の大きさを変更することが可能となる。なお、第一軸部材21と第二軸部材22とを一体的に形成することも可能である。
第二軸部材22の上下方向中途部には半径方向外側に広がる円板部22bが形成され、円板部22bの外周縁部にはシール部材であるOリング22cが設けられる。円板部22bの他端側である下面には下方に向かって延出するクラッチ軸22dが形成される。図5に示す如く、クラッチ軸22dの外周面の一部には切欠き部22eが形成されている。また、クラッチ軸22dの軸心部分における下側には、ケース本体11の底面に形成された軸部11eを挿入可能な軸挿入孔22fが形成されている。
クラッチ部材24は第二軸部材22の下方に隣接して配設される筒状部材である。クラッチ部材24の外周面には半径方向外側に突出するクラッチギア24aが形成されている。クラッチ部材24には挿入孔24bが開口され、挿入孔24bには第二軸部材22のクラッチ軸22dが挿入される。
図9に示す如く、クラッチ軸22dにおける切欠き部22eと、クラッチ部材24の挿入孔24bの内周面との間にはくさび部材23が介挿される。換言すれば、クラッチ軸22dは、切欠き部22eにくさび部材23を配置した状態で、クラッチ部材24の挿入孔24bに挿入されるのである。本実施形態においてくさび部材23は図9に示す如く、正方向(時計回りの方向)に向かうに従って半径方向の厚みが縮幅するように形成されている。また、クラッチ軸22dにおける切欠き部22eは、くさび部材23とほぼ同じ形状に切り欠かれている。即ち、くさび部材23を切欠き部22eに配置した際には、クラッチ軸22d及びくさび部材23の外形は、挿入孔24bよりもやや小径のほぼ円形状となる。また、くさび部材23は、挿入孔24bの内周面に当接する外周面23aの摩擦係数が、切欠き部22eに当接する内周面23bの摩擦係数と比較して大きくなるように構成されている。
クラッチ部材24の外周面とケース本体11の内周面との間には、クラッチ部材24とケース本体11との間で摺動抵抗を生じさせるダンパー部材25が介挿される。ダンパー部材25は図7に示す如く、11枚の円板状の外ギア部材26と、10枚の円板状の内ギア部材27とが交互に重ねられて構成されている。
外ギア部材26の外周縁部には外周ギア26aが形成され、ケース本体11の内周面に形成された内周ギア11dと歯合している。これにより、外ギア部材26はケース本体11に対して相対回転不能とされる。また、内ギア部材27の内周縁部には内周ギア27aが形成され、クラッチ部材24のクラッチギア24aと歯合している。これにより、内ギア部材27はクラッチ部材24に対して相対回転不能とされる。ダンパー部材25の周囲には、グリスが充填されている。これにより、クラッチ部材24がケース本体11に対して回動する際には、グリスの粘性抵抗と、外ギア部材26と内ギア部材27との摺動抵抗により、クラッチ部材24とケーシングとの間で抵抗が生じる。
上記の如く構成したダンパー10において、第一軸部材21の入力ギア21aを他方向である逆方向に回動した際の回動抵抗は、一方向である正方向に回動した際の回動抵抗に比べて大きくなるように構成される。具体的には図10(a)中の矢印r1に示す如く、第一軸部材21及び第二軸部材22がクラッチ部材24に対して正方向に回動した際には、くさび部材23は切欠き部22eにおける半径方向幅が広い部分に位置するため、くさび部材23は挿入孔24bの内周面から離間する。この場合、第一軸部材21及び第二軸部材22は空回りし、第一軸部材21及び第二軸部材22の回動はクラッチ部材24へは伝達されないため、クラッチ部材24が回動することはない(クラッチ部材24に対する第一軸部材21及び第二軸部材22の回動は遮断される)。
一方、図10(b)中の矢印r2に示す如く、第一軸部材21及び第二軸部材22がクラッチ部材24に対して逆方向に回動した際には、くさび部材23は切欠き部22eにおける半径方向幅が狭い部分に位置し、クラッチ軸24dによって挿入孔24bの内周面に押圧される。これにより、クラッチ軸24d、くさび部材23、及び、挿入孔24bの内周面の間に摩擦力が生じ、図10(b)中の矢印r3に示す如く、クラッチ部材24はダンパー部材25によって生じるケース本体11との摺動抵抗を受けながら回動する(クラッチ部材24に対する第一軸部材21及び第二軸部材22の回動は伝達される)のである。即ち、第一軸部材21及び第二軸部材22をクラッチ部材24に対して逆方向に回動した際の回動抵抗は、正方向に回動した際の回動抵抗に比べて大きくなるように構成されているのである。
上記の如く、本実施形態に係るダンパー10によれば、内部構造にバネ等の弾性部材を備えていないために構成を簡素化することができる。このため、部品点数を削減することによるコスト抑制、及び、ダンパー10のコンパクト化を実現することができる。
また、本実施形態に係るダンパー10において、くさび部材23は、挿入孔24bの内周面に当接する外周面23aの摩擦係数が、切欠き部22eに当接する内周面23bの摩擦係数と比較して大きくなるように構成されている。これにより、第一軸部材21及び第二軸部材22がクラッチ部材24に対して逆方向に回動した際の、くさび部材23と挿入孔24bの内周面との摩擦力を増大させることができる。このため、第二軸部材22のクラッチ軸22dとクラッチ部材24とが空回りすることを防止し、軸部材に生じる摺動抵抗を大きくすることができる。また、第一軸部材21及び第二軸部材22がクラッチ部材24に対して正方向に回動した際に、くさび部材23の内周面23bを切欠き部22eに対してすべらせることにより、クラッチ軸22dによるくさび部材23に対する押圧を解除しやすくしている。
なお、本実施形態において、ダンパー10はダンパー部材25を備える構成としているが、ダンパー部材25を排して単なるワンウェイクラッチとして構成することも可能である。この場合、ワンウェイクラッチを、その一端側に入力部が形成され、その他端側にはクラッチ軸が延出される軸部材と、軸部材に隣接して配設され、クラッチ軸が挿入される挿入孔が開口されるクラッチ部材と、これらを収容するケーシングと、で構成する。そして、クラッチ軸の外周面に切欠き部を形成し、切欠き部と挿入孔の内周面との間に、一方向に向かうに従って半径方向の厚みが縮幅するくさび部材を介挿する。このように構成したワンウェイクラッチにおいて、軸部材がクラッチ部材に対して一方向に回動した際にはくさび部材が挿入孔の内周面から離間することにより、軸部材のクラッチ部材に対する一方向への回動を許容し、軸部材がクラッチ部材に対して他方向に回動した際にはくさび部材と挿入孔の内周面との間に摩擦力が生じることにより、軸部材のクラッチ部材に対する他方向への回動を規制するのである。これにより、内部構造にバネ等の弾性部材を備えていないためにワンウェイクラッチの構成を簡素化することができる。このため、部品点数を削減することによるコスト抑制を図ることができる。
次に、図11を用いて、本発明の第二実施形態であるワンウェイクラッチ付きダンパーについて説明する。以降で説明するワンウェイクラッチ付きダンパーについては、第一実施形態に係るダンパー10と共通する構成が多いため、異なる部分を中心に説明する。
本実施形態に係るワンウェイクラッチ付きダンパーにおいて、クラッチ部材124における挿入孔の内周面には内周ギア部124bが形成されている。また、くさび部材123の外周面には、軸部材がクラッチ部材124に対して一方向に回動した際に内周ギア部124bと歯合する外周ギア部123aが形成される。
上記の如く構成したワンウェイクラッチ付きダンパーにおいて、軸部材を逆方向に回動した際の回動抵抗は、正方向に回動した際の回動抵抗に比べて大きくなるように構成される。具体的には図11(a)中の矢印r1に示す如く、第二軸部材22のクラッチ軸22dがクラッチ部材24に対して正方向に回動した際には、くさび部材123は切欠き部22eにおける半径方向幅が広い部分に位置するため、くさび部材123は内周ギア部124bから離間し、外周ギア部123aは内周ギア部124bと歯合しない。この場合、軸部材は空回りし、軸部材の回動はクラッチ部材124に伝達されないため、クラッチ部材124が回動することはない(クラッチ部材124に対する軸部材の回動は遮断される)。
一方、図11(b)中の矢印r2に示す如く、軸部材がクラッチ部材124に対して逆方向に回動した際には、くさび部材123は切欠き部22eにおける半径方向幅が狭い部分に位置し、クラッチ軸124dによって内周ギア部124bに押圧される。これにより、くさび部材123の外周ギア部123aが内周ギア部124bと歯合し、図11(b)中の矢印r3に示す如く、クラッチ部材124はダンパー部材によって生じるケース本体との摺動抵抗を受けながら回動する(クラッチ部材124に対する軸部材の回動は伝達される)のである。即ち、軸部材をクラッチ部材124に対して逆方向に回動した際の回動抵抗は、正方向に回動した際の回動抵抗に比べて大きくなるように構成されているのである。
このように、本実施形態に係るワンウェイクラッチ付きダンパーにおいて、くさび部材123の外周ギア部123aが内周ギア部124bと歯合するように構成されている。これにより、軸部材がクラッチ部材124に対して逆方向に回動した際の回動抵抗を大きくすることができる。
次に、図12を用いて、本発明の第三実施形態であるワンウェイクラッチ付きダンパーについて説明する。本実施形態において、クラッチ軸222には二箇所の切欠き部222e・222eが形成されている。そして、それぞれの切欠き部222e・222eと、クラッチ部材24の挿入孔24bの内周面との間にはくさび部材223・223が介挿される。
本実施形態においてくさび部材223・223は図12に示す如く、正方向(時計回りの方向)に向かうに従って半径方向の厚みが縮幅するように形成されている。また、切欠き部222e・222eは、くさび部材223とほぼ同じ形状に切り欠かれている。
上記の如く構成したワンウェイクラッチ付きダンパーにおいて、軸部材を逆方向に回動した際の回動抵抗は、正方向に回動した際の回動抵抗に比べて大きくなるように構成される。具体的には図12(a)中の矢印r1に示す如く、軸部材のクラッチ軸222がクラッチ部材24に対して正方向に回動した際には、くさび部材223・223は切欠き部222e・222eにおける半径方向幅が広い部分に位置するため、くさび部材223・223は挿入孔24bの内周面から離間する。この場合、軸部材は空回りし、軸部材の回動はクラッチ部材24に伝達されないため、クラッチ部材24が回動することはない(クラッチ部材24に対する軸部材の回動は遮断される)。
一方、図12(b)中の矢印r2に示す如く、軸部材のクラッチ軸222がクラッチ部材24に対して逆方向に回動した際には、くさび部材223・223は切欠き部222e・222eにおける半径方向幅が狭い部分に位置し、クラッチ軸222によって挿入孔24bの内周面に押圧される。これにより、クラッチ軸222、くさび部材223、及び、挿入孔24bの内周面の間に摩擦力が生じ、図12(b)中の矢印r3に示す如く、クラッチ部材24はダンパー部材によって生じるケース本体との摺動抵抗を受けながら回動する(クラッチ部材24に対する軸部材の回動は伝達される)のである。即ち、軸部材をクラッチ部材24に対して逆方向に回動した際の回動抵抗は、正方向に回動した際の回動抵抗に比べて大きくなるように構成されているのである。
上記の如く、本実施形態に係るワンウェイクラッチ付きダンパーによれば、くさび部材223・223を二個用いることにより、軸部材をクラッチ部材24に対して逆方向に回動した際の回動抵抗をより大きく生じさせる構成としている。
10 ワンウェイクラッチ付きダンパー(ダンパー)
21 第一軸部材
22 第二軸部材
22d クラッチ軸
22e 切欠き部
23 くさび部材
24 クラッチ部材
21 第一軸部材
22 第二軸部材
22d クラッチ軸
22e 切欠き部
23 くさび部材
24 クラッチ部材
Claims (6)
- 一端部に開口部を有する円筒状のケーシングと、
前記ケーシングの内部で前記ケーシングの軸心回りに回動可能に収容され、その一端側が前記開口部から延出され、その他端側にはクラッチ軸が延出される軸部材と、
前記軸部材に隣接して配設され、前記クラッチ軸が挿入される挿入孔が開口されるクラッチ部材と、
前記クラッチ部材の外周面と前記ケーシングの内周面との間に介挿され、前記クラッチ部材と前記ケーシングとの間で回動抵抗を生じさせるダンパー部材と、を備え、前記軸部材を他方向に回動した際の回動抵抗が、一方向に回動した際の回動抵抗に比べて大きくなるように構成される、ワンウェイクラッチ付きダンパーであって、
前記クラッチ軸の外周面には切欠き部が形成され、該切欠き部と前記挿入孔の内周面との間に、前記一方向に向かうに従って半径方向の厚みが縮幅するくさび部材が介挿され、
前記軸部材が前記クラッチ部材に対して前記一方向に回動した際には前記くさび部材が前記挿入孔の内周面から離間し、前記軸部材が前記クラッチ部材に対して前記他方向に回動した際には前記くさび部材と前記挿入孔の内周面との間に摩擦力が生じることにより、前記軸部材を前記クラッチ部材に対して前記他方向に回動した際の回動抵抗が前記一方向に回動した際の回動抵抗に比べて大きくなるように構成される、ことを特徴とする、ワンウェイクラッチ付きダンパー。 - 前記くさび部材は、前記挿入孔の内周面に当接する外周面の摩擦係数が、前記切欠き部に当接する内周面の摩擦係数と比較して大きくなるように構成される、請求項1に記載のワンウェイクラッチ付きダンパー。
- 前記挿入孔の内周面には内周ギア部が形成され、
前記くさび部材の外周面には、前記軸部材が前記クラッチ部材に対して前記他方向に回動した際に前記内周ギア部と歯合する外周ギア部が形成される、請求項1に記載のワンウェイクラッチ付きダンパー。 - その一端側に入力部が形成され、その他端側にはクラッチ軸が延出される軸部材と、
前記軸部材に隣接して配設され、前記クラッチ軸が挿入される挿入孔が開口されるクラッチ部材と、を備える、ワンウェイクラッチであって、
前記クラッチ軸の外周面には切欠き部が形成され、該切欠き部と前記挿入孔の内周面との間に、前記一方向に向かうに従って半径方向の厚みが縮幅するくさび部材が介挿され、
前記軸部材が前記クラッチ部材に対して前記一方向に回動した際には前記くさび部材が前記挿入孔の内周面から離間することにより、前記軸部材の前記クラッチ部材に対する一方向への回動を許容し、
前記軸部材が前記クラッチ部材に対して前記他方向に回動した際には前記くさび部材と前記挿入孔の内周面との間に摩擦力が生じることにより、前記軸部材の前記クラッチ部材に対する他方向への回動を規制する、ことを特徴とする、ワンウェイクラッチ。 - 前記くさび部材は、前記挿入孔の内周面に当接する外周面の摩擦係数が、前記切欠き部に当接する内周面の摩擦係数と比較して大きくなるように構成される、請求項4に記載のワンウェイクラッチ。
- 前記挿入孔の内周面には内周ギア部が形成され、
前記くさび部材の外周面には、前記軸部材が前記クラッチ部材に対して前記他方向に回動した際に前記内周ギア部と歯合する外周ギア部が形成される、請求項4に記載のワンウェイクラッチ。
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JP (1) | JP2018071558A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110217630A (zh) * | 2019-06-05 | 2019-09-10 | 长江大学工程技术学院 | 张力阻尼器 |
CN110296164A (zh) * | 2019-07-10 | 2019-10-01 | 上海杰邦塑料五金制品有限公司 | 一种单向阻尼结构 |
CN110307283A (zh) * | 2019-06-05 | 2019-10-08 | 长江大学工程技术学院 | 阻尼器 |
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2016
- 2016-10-24 JP JP2016207995A patent/JP2018071558A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110217630A (zh) * | 2019-06-05 | 2019-09-10 | 长江大学工程技术学院 | 张力阻尼器 |
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CN110307283B (zh) * | 2019-06-05 | 2020-02-07 | 长江大学工程技术学院 | 阻尼器 |
CN110296164A (zh) * | 2019-07-10 | 2019-10-01 | 上海杰邦塑料五金制品有限公司 | 一种单向阻尼结构 |
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