JP6976874B2 - 動力伝達構造及び動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝達構造及び動力伝達装置に関する。
車両のクラッチに用いられるクラッチディスク組立体は、入力側回転部材としてのクラッチプレート及びリティニングプレートと、出力側部材としてのスプラインハブと、それらの間に配置された複数のトーションスプリングと、を有している。クラッチプレート及びリティニングプレートは、軸方向に間隔をあけて対向して配置されており、複数のストップピンによって互いに固定されている。
ストップピンは、クラッチプレートとリティニングプレートとの間でトルクを伝達するために、強度を確保する必要がある。そのために、特許文献1では、ストップピンをカラーとピンとで構成し、1対のプレート間のスペース保持機能と、両プレートの締結機能と、を分担させ、ストップピンの耐久強度を確保するようにしている。また、特許文献2のストップピンでは、スナップリングを利用してかしめを不要とし、ストップピンの本体部を、高強度を有する硬い材料で形成するようにしている。
特開平10−54423号公報 特開2000−130462号公報
特許文献1及び特許文献2のストップピンは、いずれもストップピン本体に加えて、スナップリングやカラーが必要になる。したがって、コストが高くなるとともに、組付けのための工数も増えるという問題がある。
本発明の課題は、ストップピン等の連結部材を用いて1対の部材を連結する動力伝達構造において、簡単な構造で、かつより大きいトルクを伝達できるようにすることにある。
(1)本発明に係る動力伝達構造は、第1回転部材と、第2回転部材と、連結部材と、を備えている。第1回転部材は、回転軸心及び回転軸心の軸方向に貫通する複数の第1連結用孔を有する。第2回転部材は、第1回転部材と軸方向に間隔を開けて配置され、第1回転部材の回転軸心の回りに回転可能で、複数の第1連結用孔と対応する位置に複数の第2連結用孔を有する。連結部材は、第1連結用孔に挿入された第1連結軸と、第2連結用孔に挿入された第2連結軸と、第1連結軸と第2連結軸との間に第1及び第2連結軸よりも回転方向において長く形成された胴部と、を有する。
そして、第1回転部材は、第2回転部材と対向する側面に、複数の第1連結用孔の少なくとも1つの連結用孔の周囲に形成された第1受用凹部を有している。また、連結部材は、胴部の少なくとも回転方向の外周面に、第1受用凹部に当接してトルク伝達を行う第1トルク伝達部を有する。
この動力伝達構造では、第1回転部材と第2回転部材とが連結部材によって連結されている。連結部材には、胴部の外周面に第1トルク伝達部が設けられており、第1トルク伝達部は第1回転部材に形成された第1受用凹部に当接している。
ここでは、例えば第1回転部材にトルクが入力されると、このトルクは、第1受用凹部及び第1トルク伝達部を介して連結部材に伝達され、さらに第2回転部材に伝達される。このため、少なくとも第1回転部材と連結部材との間では、トルクが第1受用凹部及び第1トルク伝達部(すなわち、胴部)を介して伝達される。そして、胴部は、回転方向の長さが両連結軸よりも長いので、より大きいトルクを伝達することが可能になる。
(2)好ましくは、第1連結軸及び第2連結軸は、それぞれ第1連結用孔及び第2連結用孔を通過して外部に突出し、頭部がかしめられている。
連結部材は、第1及び第2回転部材に対してかしめによって固定される。したがって、ねじ等によって固定する場合に比較して構造が簡単になる。
(3)好ましくは、第1回転部材は、第1受用凹部が形成された第1連結用孔の周囲に第2回転部材側に押し加工されたコイニング部を有している。そして、第1受用凹部は、コイニング部に形成されている。
(4)好ましくは、胴部は、径方向の長さが回転方向の長さに比較して短い。すなわち、胴部は、楕円形等の異形断面であり、径方向の長さが回転方向の長さに比較して短いのが好ましい。
この場合は、連結部材の内周側に部材を配置した場合に、連結部材とその部材との干渉を避けることが容易になる。
(5)好ましくは、第1連結軸及び第2連結軸は、径方向の長さが回転方向の長さに比較して短い。この場合も、前記同様に、連結部材の内周側に他の部材を配置しやすくなる。
(6)好ましくは、第2回転部材は、第1回転部材と対向する側面に、複数の第2連結用孔の少なくとも1つの連結用孔の周囲に形成された第2受用凹部を有している。そして、連結部材は、胴部の少なくとも回転方向の外周面に、第2受用凹部に当接してトルク伝達を行う第2トルク伝達部を有する。
ここでは、第1回転部材と連結部材との間だけではなく、第2回転部材と連結部材との間も受用凹部とトルク伝達部を介してトルクが伝達されるので、前記同様に、より大きいトルクの伝達が可能になる。
(7)本発明に係る動力伝達装置は、駆動源からのトルクが入力される入力側部材と、トランスミッションにトルクを出力する出力側部材と、の間でトルクを伝達するとともに、入力側部材と出力側部材との捩り振動を減衰する装置である。この動力伝達装置は、入力側回転部材と、出力側回転部材と、連結部材と、複数の弾性部材と、を備えている。入力側回転部材は、回転軸心及び回転軸心の軸方向に貫通する複数の第1連結用孔を有する。出力側回転部材は、入力側回転部材と軸方向に間隔を開けて配置され、入力側回転部材の回転軸心の回りに回転可能で、複数の第1連結用孔と対応する位置に複数の第2連結用孔を有する。連結部材は、第1連結用孔に挿入された第1連結軸と、第2連結用孔に挿入された第2連結軸と、第1連結軸と第2連結軸との間に第1及び第2連結軸よりも回転方向に長く形成された胴部と、を有する。複数の弾性部材は、入力側部材と出力側部材とを回転方向に弾性的に連結する。
そして、入力側回転部材は、出力側回転部材と対向する側面に、複数の第1連結用孔の少なくとも1つの連結用孔の周囲に形成された受用凹部を有している。また、連結部材は、胴部の少なくとも回転方向の外周面に、受用凹部に当接してトルク伝達を行うトルク伝達部を有する。
以上のような本発明では、簡単な構造で、高いトルク伝達力を有する動力伝達構造及び動力伝達装置を得ることができる。
本発明の一実施形態としてのクラッチディスク組立体の縦断面概略図。 クラッチディスク組立体の正面部分図。 クラッチディスク組立体の捩り特性線図。 図1の拡大部分図。 図2の拡大部分図。 ストップピンの正面図及び底面図。 ストップピンの取付構造を示す平面図。 図1の拡大部分図。 主に低剛性ダンパの分解斜視図。 図9の一部を示す図。
図1は、本発明に一実施形態による動力伝達装置としてのクラッチディスク組立体の断面図である。図1のO−O線は、クラッチディスク組立体1の回転軸線である。このクラッチディスク組立体1は、図1の左側に配置されるエンジン及びフライホイールからのトルクを、図1の右側に配置されるトランスミッションに伝達し、かつトルク変動を減衰する。また、図2はクラッチディスク組立体1の正面部分図である。
[全体構成]
クラッチディスク組立体1は、摩擦係合によりフライホイールからトルクが入力されるクラッチディスク2(入力側部材)と、クラッチディスク2から入力されるトルク変動を減衰及び吸収するダンパ機構3と、スプラインハブ4(出力側部材)と、を有している。
[クラッチディスク2]
クラッチディスク2は、図示しないプレッシャプレートによってフライホイールに押し付けられる。クラッチディスク2は、クッショニングプレート6と、クッショニングプレート6の両面にリベット7によって固定される1対の摩擦フェーシング8と、を有している。クッショニングプレート6はダンパ機構3の外周部に固定されている。
[ダンパ機構3]
ダンパ機構3は、エンジンから伝達されるトルク変動を効果的に減衰及び吸収するために、図3に示すように、正側(駆動側の回転方向)及び負側において4段の捩り特性を有している。具体的には、捩り特性の正側及び負側において、1段目(L1)領域及び2段目(L2)領域は低捩り剛性及び低ヒステリシストルクの領域であり、3段目(H3)領域及び4段目(H4)領域は高捩り剛性及び高ヒステリシストルクの領域である。
ダンパ機構3は、低剛性ダンパ11と、高剛性ダンパ12と、全領域ヒステリシストルク発生機構(以下、「L−Hヒス発生機構」と記す)13と、低捩り角度領域ヒステリシストルク発生機構(以下、「Lヒス発生機構」と記す)14と、中捩り角度領域ヒステリシストルク発生機構(以下、「L2ヒス発生機構」と記す)15と、高捩り角度領域ヒステリシストルク発生機構(以下、「Hヒス発生機構」と記す)16と、ストッパ機構17と、を有している。
低剛性ダンパ11は、低捩り角度領域(L1+L2)で作動する。高剛性ダンパ12は、低捩り角度領域よりも捩り角度の大きい高捩り角度領域(H3+H4)で作動する。また、高剛性ダンパ12は低剛性ダンパ11よりも高い捩り剛性を有する。
L−Hヒス発生機構13は、低捩り角度領域(L1+L2)及び高捩り角度領域(H3+H4)の全捩り角度領域においてヒステリシストルクを発生する機構であり、第3ヒステリシストルク発生機構に相当する。Lヒス発生機構14は、低捩り角度領域の全領域(L1+L2)でのみヒステリシストルクを発生する機構であり、第1ヒステリシストルク発生機構に相当する。L2ヒス発生機構15は、2段目の第2捩り角度領域(L2)でのみヒステリシストルクを発生する機構であり、第4ヒステリシストルク発生機構に相当する。Hヒス発生機構16は、高捩り角度領域(H3+H4)でのみヒステリシストルクを発生する機構であり、第2ヒステリシストルク発生機構に相当する。
ストッパ機構17は、入力側の部材であるクラッチディスク2と、出力側の部材であるスプラインハブ4と、の捩り角度(相対回転角度)が所定の角度になると、それ以上の両部材の相対回転角度を禁止する機構である。
<高剛性ダンパ12>
高剛性ダンパ12は、図4に示すように、第1入力側回転部材20と、第1出力側回転部材としてのハブフランジ21と、高剛性弾性部材としての複数の高剛性スプリング22と、を有している。
−第1入力側回転部材20−
第1入力側回転部材20には、クラッチディスク2を介してエンジンからトルクが入力され、クラッチプレート24(第1回転部材)及びリティニングプレート25(第2回転部材)を有している。
クラッチプレート24及びリティニングプレート25は、実質的に環状に形成され、軸方向に間隔を隔てて配置されている。クラッチプレート24はエンジン側に配置され、リティニングプレート25はトランスミッション側に配置されている。クラッチプレート24及びリティニングプレート25は、外周部がストップピン26によって連結されており、一体で回転する。
クラッチプレート24及びリティニングプレート25には、図2に示すように、それぞれ4個の第1保持部24a,25a及び第2保持部24b,25bが円周方向に間隔を隔てて形成されている。第1保持部24a,25aと第2保持部24b,25bとは円周方向に交互に配置されている。また、リティニングプレート25には、複数の係合孔25cが形成されている。
なお、図2では、リティニングプレート25を示しているが、各保持部24a,24b,24b,25bに関しては、逆側に配置されたクラッチプレート24も同様の構成である。また、図2では、リティニングプレート25の一部を破断して示している。
−ハブフランジ21−
ハブフランジ21は、略円板状の部材であり(図9参照)、スプラインハブ4の外周に配置されている。ハブフランジ21は、クラッチプレート24とリティニングプレート25との軸方向間に配置され、これらの両プレート24,25と所定の角度範囲内で相対回転可能である。図5に示すように、ハブフランジ21とスプラインハブ4とは、互いの内周部及び外周部に形成された複数の歯21c,4cによって噛み合っている。なお、互いの歯21c,4cの間には所定の隙間G1が設定されている。すなわち、ハブフランジ21とスプラインハブ4とは、歯21c,4cの隙間G1の角度分(低捩り角度領域(L1+L2)に相当)だけ相対回転が可能である。
ハブフランジ21には、図5に示すように、クラッチプレート24及びリティニングプレート25の第1保持部24a,25a及び第2保持部24b,25bと対向する位置に、それぞれ第1窓孔21a及び第2窓孔21bが形成されている。そして、第1窓孔21aに第1高剛性スプリング22aが収容され、この第1高剛性スプリング22aがクラッチプレート24及びリティニングプレート25の第1保持部24a,25aによって軸方向及び径方向に保持されている。また、第2窓孔21bに第2高剛性スプリング22bが収容され、この第2高剛性スプリング22bがクラッチプレート24及びリティニングプレート25の第2保持部24b,25bによって軸方向及び径方向に保持されている。
なお、クラッチプレート24及びリティニングプレート25の第1保持部24a,25a及び第2保持部24b,25bの円周方向の両端は、各高剛性スプリング22a,22bの端面に係合可能である。
ここで、ハブフランジ21の第1窓孔21aには第1高剛性スプリング22aが、第2窓孔21bには第2高剛性スプリング22bが、それぞれ円周方向に隙間なく配置されている。一方、クラッチプレート24及びリティニングプレート25の第1保持部24a,25aには第1高剛性スプリング22aが円周方向に隙間なく配置されているが、両プレート24,25の第2保持部24b,25bには、第2高剛性スプリング22bが円周方向に隙間G2(図2及び図5参照)を介して配置されている。この隙間G2が3段目の捩り角度分(角度領域H3)に相当している。
なお、ハブフランジ21の第2窓孔21bのそれぞれの内周側には、軸方向に貫通する係合孔21eが形成されている。
以上の構成により、詳細は後述するが、高捩り角度領域H3,H4では、まず第1高剛性スプリング22aのみが圧縮され(H3領域)、その後、第1高剛性スプリング22aに加えて第2高剛性スプリング22bが圧縮される(H4領域)ことになる。
<ストッパ機構17>
ストッパ機構17は、図5に示すように、ハブフランジ21の外周部に形成された複数のストッパ用切欠21dと、前述のストップピン26(連結部材)と、から構成されている。ストッパ用切欠21dは、所定の角度範囲にわたって形成されており、径方向外方に開いている。そして、このストッパ用切欠21dをストップピン26が軸方向に貫通している。
また、切欠21dは、円周方向の両端部が内周側に向かって深く形成され、中央部分が浅く形成されている。この浅い部分の内周側に、第2窓孔21bが形成されている。
ストップピン26及びその取り付け部分を、図6及び図7に拡大して示している。なお、図6は、かしめる前のストップピン26を示しており、同図(a)は正面図、(b)は底面図である。また、図7はストップピン26がかしめられて固定された状態を径方向外方から視た平面図である。
ストップピン26は、胴部26aと、胴部26aより小型で相似形の首部26b(第1及び第2連結軸)と、を有している。首部26bは胴部26aの両端に形成されている。胴部26a及び首部26bは、それぞれ大径部及び小径部を有する異形断面である。詳細には、胴部26a及び首部26bは、それぞれ断面が小判形状である。このストップピン26は、図5に示すように、小径部が径方向を、大径部が円周方向を向くように組み付けられる。
図7に示すように、クラッチプレート24及びリティニングプレート25には、ストップピン26が装着される孔24d,25d(第1及び第2連結用孔)が形成されている。この孔24d,25dに、ストップピン26の首部26bが挿入され、胴部26aの端面が、クラッチプレート24及びリティニングプレート25の側面に当接している。そして、首部26bの頭部をかしめることによって、クラッチプレート24とリティニングプレート25とが、軸方向に所定の隙間を介して固定される。
クラッチプレート24において、孔24dの周囲には、コイニング加工によってリティニングプレート25側に凹む凹部24e(コイニング部)が形成されている。この凹部24eのリティニングプレート25側の面には、ストップピン26の胴部26aの端部外周面(トルク伝達部)を受ける受け部24f(受用凹部)が形成されている。受け部24fの形状は、胴部26aの形状と同様であり、胴部26aは受け部24fに隙間なく嵌合している。このような構成により、クラッチプレート24とストップピン26とは、受け部24fと胴部26aとの接触によってトルクの伝達が可能になっている。
なお、リティニングプレート25においては、クラッチプレート24の凹部24eに相当する部分は形成されていないが、クラッチプレート24の受け部24fと同様の受け部25fが形成されている。
このようなストッパ機構17では、以下のような特徴を有している。
(1)ストップピン26を異形断面にし、小径部分が径方向を向くように装着しているので、従来に比較してストッパ機構17の径方向スペースを小さくできる。このため、ストッパ機構17を比較的外周側に配置でき、高剛性スプリング22を配置するための円周方向スペースを従来に比較して長く確保できる。したがって、捩り角度の広角化を実現できる。
(2)ストップピン26は、異形断面にもかかわらず、胴部26aの全周に座(プレート側面に当接する部分)が存在するので、ストップピン26をかしめた際の充填率が損なわれることはない。
(3)ストップピン26に伝達されるトルクを、首部26bではなく受け部24f,25fを介して胴部26aで受けるので、従来構造のように首部でトルクを伝達する場合に比較して、同サイズの場合に、より大きなトルクを伝達することが可能になる。
<低剛性ダンパ11>
低剛性ダンパ11は、図8及び図9に示すように、第2入力側回転部材としてのサブプレート34及びスプリングホルダ35と、第2出力側回転部材としてのドライブプレート36と、低剛性弾性部材としての複数の低剛性スプリング37と、を有している。
−サブプレート34−
サブプレート34は、クラッチプレート24とハブフランジ21との軸方向間に配置され、ほぼ矩形であって、角部が円弧状に形成されている。サブプレート34は、図9に示すように、中央部に円形の開口を有しており、それぞれ2個の第1保持部34a及び第2保持部34bと、4個の第1係合突起34cと、第1係合突起34cより突起長さが短い4個の第2係合突起34dと、環状溝34eと、を有している。
第1保持部34a及び第2保持部34bは、各係合突起34cの内周側に形成されている。4個の第1係合突起34cは、4つの角部外周にハブフランジ21側に突出して形成されている。環状溝34eは第1保持部34a及び第2保持部34bの内周側で、開口部の縁に形成されている。
−スプリングホルダ35−
スプリングホルダ35は、サブプレート34とハブフランジ21との軸方向間で、サブプレート34と間隔をあけて対向して配置されている。スプリングホルダ35はサブプレート34とほぼ同様の形状である。スプリングホルダ35は、中央部に円形の開口を有しており、それぞれ2個の第1保持部35a及び第2保持部35bと、4個のボス部35cと、4個の切欠35dと、を有している。各ボス部35cには切欠35eが形成されている。また、第2保持部35bの円周方向両端には、円周方向に延びる円弧状溝35fが形成されている。
第1保持部35a及び第2保持部35bは、それぞれサブプレート34の第1保持部34a及び第2保持部34bと対向する位置に形成されている。4個のボス部35cは、4つの角部外周に形成されている。この4個のボス部35cの切欠35eにサブプレート34の第1係合突起34cが係合し、さらにボス部35cがハブフランジ21の係合孔21eに係合している。切欠35dは、サブプレート34の第2係合突起34dに対応して形成されており、この切欠35dに第2係合突起34dが係合している。
以上のように、サブプレート34とスプリングホルダ35とが、第1係合突起34cと切欠35eとの係合、及び第2係合突起34dと切欠35dとの係合、によって一体化されている。そして、スプリングホルダ35とハブフランジ21とが、第1係合突起34c及びボス部35cと係合孔21eとの係合によって一体化されている。したがって、サブプレート34及びスプリングホルダ35はハブフランジ21と一体に回転する。
−ドライブプレート36−
ドライブプレート36は、サブプレート34とスプリングホルダ35との軸方向間に配置され、サブプレート34及びスプリングホルダ35と所定の角度範囲内で相対回転可能である。ドライブプレート36は、中央部に開口を有しており、それぞれ2個の第1窓孔36a及び第2窓孔36bと、ドライブプレート36の内周面に形成された複数の係合凹部36cと、を有している。
第1窓孔36a及び第2窓孔36bは、それぞれサブプレート34及びスプリングホルダ35の第1保持部34a,35a及び第2保持部34b,35bと対向する位置に形成されている。そして、第1窓孔36aに第1低剛性スプリング37aが収容され、この第1低剛性スプリング37aがサブプレート34及びスプリングホルダ35の第1保持部34a,35aによって軸方向及び径方向に保持されている。また、第2窓孔36bに第2低剛性スプリング37bが収容され、この第2低剛性スプリング37bがサブプレート34及びスプリングホルダ35の第2保持部34b,35bによって軸方向及び径方向に保持されている。
なお、サブプレート34及びスプリングホルダ35の第1保持部34a,35a及び第2保持部34b,35bの円周方向の両端は、各低剛性スプリング37a,37bの端面に係合可能である。
ここで、ドライブプレート36の第1窓孔36aには第1低剛性スプリング37aが、第2窓孔36bには第2低剛性スプリング37bが、それぞれ円周方向に隙間なく配置されている。一方、サブプレート34及びスプリングホルダ35の第1保持部34a,35aには第1低剛性スプリング37aが円周方向に隙間なく配置されているが、両部材34,35の第2保持部34b,35bには、第2低剛性スプリング37bが円周方向に隙間を介して配置されている。この隙間が1段目の捩り角度分(低捩り角度領域L1)に相当している。
低剛性スプリング37のバネ定数は、高剛性スプリング22のバネ定数に比べて大幅に小さく設定されている。すなわち、高剛性スプリング22は低剛性スプリング37よりもはるかに剛性が高い。このため、1段目領域(L1)及び2段目領域(L2)では、高剛性スプリング22は圧縮されず、低剛性スプリング37のみが圧縮される。
[スプラインハブ4]
スプラインハブ4は、クラッチプレート24及びリティニングプレート25の内周側に配置されている。スプラインハブ4は、図4及び図8に示すように、軸方向に延びる筒状のボス41と、ボス41から径方向外側に延びるフランジ42と、を有している。ボス41の内周部には、トランスミッションの入力シャフト(図示せず)に係合するスプライン孔4aが形成されている。
ボス41の外周面において、フランジ42のエンジン側には複数の係合凸部4dが形成されている。係合凸部4dはドライブプレート36の係合凹部36cに、実質的に隙間なく係合している。また、フランジ42の外周面には、歯4cが形成されている。図5で説明したように、この歯4cが、ハブフランジ21の歯21cと噛合可能であり、両歯4c,21cの円周方向間には隙間G1が存在する。
<L−Hヒス発生機構13>
L−Hヒス発生機構13は、捩り角度領域の全領域(L1+L2+H3+H4)においてヒステリシストルクHを発生する。
L−Hヒス発生機構13は、図8に示すように、第1摩擦ワッシャ51と、第2摩擦ワッシャ52と、第1コーンスプリング54と、を有している。
第1摩擦ワッシャ51は、樹脂製であり、スプラインハブ4のボス41の外周において、係合凸部4dの側面とクラッチプレート24の内周端部との間に配置されている。
第2摩擦ワッシャ52は、樹脂製であり、スプラインハブ4のフランジ42とリティニングプレート25の内周端部との軸方向間に配置されている。第2摩擦ワッシャ52の外周部には、後述する第3摩擦ワッシャ53に係合する係合部(図示せず)を有しており、両部材は一体回転する。
また、第1コーンスプリング54は、第2摩擦ワッシャ52とリティニングプレート25の内周端部との軸方向間に配置され、第2摩擦ワッシャ52とリティニングプレート25とが互いに離れるように、両部材25,52を付勢している。
以上から、クラッチプレート24及びリティニングプレート25と、スプラインハブ4と、が相対回転する全捩り角度領域において、第1摩擦ワッシャ51とクラッチプレート24又はスプラインハブ4との間に摩擦抵抗が発生するとともに、第2摩擦ワッシャ52とスプラインハブ4との間に摩擦抵抗が発生する。これらの摩擦抵抗によって、全捩り角度領域においてヒステリシストルクHが発生する。
<Lヒス発生機構14>
Lヒス発生機構14は、1段目領域及び2段目領域である低捩り角度領域の全領域(L1+L2)でのみヒステリシストルクhLを発生する。
Lヒス発生機構14は、図9に示すように、サブプレート34の環状溝34eに装着された付勢部材としての波線56を有している。波線56は、一部に欠落部を有する環状の線材で形成されている。波線56は、円周方向に所定の間隔で複数の押圧部56aを有している。押圧部56aはドライブプレート36側に突出して形成されている。この押圧部56aがドライブプレート36をスプリングホルダ35側に付勢している。
ここで、前述のように、サブプレート34及びスプリングホルダ35はハブフランジ21と一体回転する。また、ドライブプレート36はスプラインハブ4と一体回転する。そして、ハブフランジ21とスプラインハブ4とは、前述のように、隙間G1の角度分だけ相対回転可能である。言い換えれば、ハブフランジ21(スプリングホルダ35と一体回転)とスプラインハブ4(ドライブプレート36と一体回転)とは、捩り特性の1段目領域と2段目領域の低捩り角度領域の全領域(L1+L2)においてのみ相対回転可能である。
そして、スプリングホルダ35とドライブプレート36とは、波線56によって互いに押圧されているので、スプリングホルダ35とドライブプレート36とは低捩り角度の全領域(L1+L2)においてのみ相対回転して摩擦抵抗が生じる。また、波線56とサブプレート34の環状溝34eの底部との間にも摩擦抵抗が生じる。これらの摩擦抵抗によって、ヒステリシストルクhLが発生する。
<L2ヒス発生機構15>
L2ヒス発生機構15は、2段目の捩り角度領域(L2)でのみヒステリシストルクhL2を発生する。
L2ヒス発生機構15はウェーブスプリング60を有している。ウェーブスプリング60は、軸方向に弾性変形可能な環状の弾性体であり、軸方向に圧縮された状態でスプラインハブ4のフランジ42とスプリングホルダ35との間に配置されている。ウェーブスプリング60は、ハブフランジ21及びスプリングホルダ35に当接しており、ハブフランジ21に対して回転すると摩擦抵抗を発生する。
図10に、ウェーブスプリング60及びその周辺の部材を抽出して示している。ウェーブスプリング60は、環状の本体部60aと、本体部60aから径方向外側へ延びる2対の爪部60bと、を有している。爪部60bの先端部は、軸方向に折り曲げられており、スプリングホルダ35に形成された円弧状溝35fを通過して第2低剛性スプリング37bの両端部に当接している。2つの爪部60b間の円周方向の距離は、第2低剛性スプリング37bの自由長とほぼ一致している。これにより、第2低剛性スプリング37bによりウェーブスプリング60の円周(回転)方向の位置決めが行われるとともに、第2低剛性スプリング37b及びウェーブスプリング60は一体で回転可能となっている。なお、溝35fの円周方向の距離は、2つの爪部60b間の円周方向の距離より長い。
また、本体部60aの内周部には、複数の係合凹部60cが形成されている。係合凹部60cは、スプラインハブ4の係合凸部4dに所定の隙間を介して係合している。この隙間が、1段目の捩り角度領域(L1)の角度分に相当している。したがって、1段目領域ではウェーブスプリング60によるヒステリシストルクは発生しないが、2段目領域(L2)でのみウェーブスプリング60によるヒステリシストルクhL2が得られる。
<Hヒス発生機構16>
Hヒス発生機構16は、3段目領域及び4段目領域である高捩り角度領域(H3+H4)でのみヒステリシストルクhHを発生する。
Hヒス発生機構16は、図4及び図8に示すように、サブプレート34に装着された環状の第1摩擦材61と、環状の第2摩擦材62を有する第3摩擦ワッシャ53と、第2コーンスプリング64と、を有している。
第1摩擦材61は、サブプレート34のエンジン側の側面に固定されており、クラッチプレート24の内周部の側面に当接可能である。第1摩擦材61はサブプレート34とともにハブフランジ21と一体回転する。
第3摩擦ワッシャ53は、ハブフランジ21内周部とリティニングプレート25内周部との間に配置されており、リティニングプレート25側に突出する複数の係合突起53aを有している。この係合突起53aがリティニングプレート25の係合孔25cに係合している。したがって、第3摩擦ワッシャ53はリティニングプレート25と一体回転する。第2摩擦材62は、第3摩擦ワッシャ53のハブフランジ21側の側面に固定され、ハブフランジ21の内周部の側面に当接可能である。
第2コーンスプリング64は、第3摩擦ワッシャ53とリティニングプレート25との間に配置されている。第2コーンスプリング64は、第3摩擦ワッシャ53とリティニングプレート25とを、両者が軸方向に互いに離れる方向に付勢している。したがって、第2コーンスプリング64により、第1摩擦材61とクラッチプレート24とが互いに押圧され、第2摩擦材62とハブフランジ21とが互いに押圧される。
以上から、クラッチプレート24及びリティニングプレート25と、ハブフランジ21と、が相対回転する高捩り角度領域の全領域(H3+H4)において、第1摩擦材61とクラッチプレート24との間、及び第2摩擦材62とハブフランジ21との間において摩擦抵抗が生じる。これらの摩擦抵抗によって、ヒステリシストルクhHが発生する。
以上をまとめると、図3に示すように、各角度領域では以下のようなヒステリシストルクが発生する。
1段目領域(L1):H(L−Hヒス発生機構13)+hL(Lヒス発生機構14)
2段目領域(L2):H+hL+hL2(L2ヒス発生機構15)
3段目領域及び4段目領域(H3+H4):H+hH(Hヒス発生機構16)
以上のヒステリシストルク発生機構13〜16によるヒステリシストルクについて、低捩り角度領域(L1+L2)におけるL−Hヒス発生機構13によるヒステリシストルクHと、Lヒス発生機構14によるヒステリシストルクhLと、の割合は、ヒステリシストルクhLが50%以上であることが望ましい。
[動作]
本実施形態のクラッチディスク組立体1の捩り特性は、角度範囲の大きさは異なるが基本的に正側と負側とで対称である。したがって、ここでは正側のみの動作を説明し、負側の動作についての説明は省略する。
<1段目>
伝達トルク及びトルク変動が小さい場合は、本装置は捩り特性の1段目(L1)で作動する。この1段目では、剛性の低い第1及び第2低剛性スプリング37a,37bのうち、自由長が長い第1低剛性スプリング37aのみが圧縮される。このため、サブプレート34及びスプリングホルダ35と、ドライブプレート36と、が相対回転する。一方で、第1及び第2高剛性スプリング22a,22bは剛性が高いためにほとんど圧縮されない。したがって、入力側回転部材20(クラッチプレート24及びリティニングプレート25)とハブフランジ21とは一体回転する。
以上から、捩り特性の1段目では、{入力側回転体2+ハブフランジ21+サブプレート34+スプリングホルダ35}が一体回転し、これらの部材に対して{ドライブプレート36+スプラインハブ4}が回転する。
この場合は、L−Hヒス発生機構13によるヒステリシストルクHと、Lヒス発生機構14によるヒステリシストルクhLとが発生する。具体的には、第1摩擦ワッシャ51とクラッチプレート24又はスプラインハブ4との間、及び第2摩擦ワッシャ52とスプラインハブ4との間、において摩擦抵抗が発生する。また、同時に、波線56とサブプレート34との間、及びドライブプレート36とスプリングホルダ35との間においても摩擦抵抗が発生する。
なお、ウェーブスプリング60は爪部60bが第2低剛性スプリング37bに係合しているので、この1段目ではウェーブスプリング60は自由に回転し得る状態であり、ウェーブスプリング60とハブフランジ21との間には摩擦抵抗は発生しない。
<2段目>
伝達トルク又はトルク変動がより大きくなると、第1低剛性スプリング37aが圧縮されつつ、さらに自由長の短い第2低剛性スプリング37bも圧縮され始める。第1低剛性スプリング37aと第2低剛性スプリング37bとは並列に配置されているので、第2低剛性スプリング37bが圧縮され始めると、第1低剛性スプリング37aのみが圧縮されている場合(1段目)に比較して捩り剛性は高くなる。すなわち、捩り特性の2段目に移行する。
この2段目においては、1段目と同様のヒステリシストルク発生機構13,14に加えて、L2ヒス発生機構15が作動する。
すなわち、1段目と同様の部材間に摩擦抵抗が発生するとともに、ウェーブスプリング60とハブフランジ21との間においても摩擦抵抗が発生する。具体的には、第2低剛性スプリング37bが圧縮されると、第2低剛性スプリング37bが圧縮された分だけウェーブスプリング60がハブフランジ21に対して回転し、両部材60,21間に摩擦抵抗が発生する。したがって、2段目においては、1段目と同様のヒステリシストルクH+hLに加えて、ウェーブスプリング60とハブフランジ21との間の摩擦抵抗によるヒステリシストルクhL2が発生する。
<3段目>
伝達トルク又はトルク変動がさらに大きくなると、第1及び第2低剛性スプリング37a,37bがさらに圧縮され、スプラインハブ4に対して入力側回転部材20がさらに回転する。すると、ハブフランジ21の歯21cとスプラインハブ4の歯4cとが当接し、ハブフランジ21とスプラインハブ4とは一体に回転することになる。この状態では、第1及び第2低剛性スプリング37a,37bは先の状態以上に圧縮されることはなく、高剛性スプリング22のうちの自由長の長い第1高剛性スプリング22aの圧縮が開始される。第1高剛性スプリング22aは第1及び第2低剛性スプリング37a,37bよりも剛性が高いので、2段目よりもさらに高い3段目の捩り剛性が得られる。
3段目においては、第1高剛性スプリング22aが圧縮されるので、入力側回転部材20とハブフランジ21(及びスプラインハブ4)との間で相対回転が発生する。一方で、リティニングプレート25と第3摩擦ワッシャ53とは一体回転し、ハブフランジ21とサブプレート34とは一体回転する。したがって、この3段目では、L−Hヒス発生機構13及びHヒス発生機構16が作動する。
すなわち、第3摩擦ワッシャ53に固定された第2摩擦材62とハブフランジ21との間で摩擦抵抗が発生する。また、サブプレート34に固定された第1摩擦材61とクラッチプレート24との間で摩擦抵抗が発生する。これらの摩擦抵抗によって、ヒステリシストルクhHが発生する。すなわち、合計でヒステリシストルクH+hHが発生する。
ここで、この3段目では、サブプレート34及びスプリングホルダ35と、ドライブプレート36と、は相対回転せず、これらの部材の間では摩擦抵抗は発生しない。すなわち、Lヒス発生機構14及びL2ヒス発生機構15は作動しない。
<4段目>
伝達トルク又はトルク変動がさらに大きくなると、第1高剛性スプリング22aが圧縮されつつ、さらに自由長の短い第2高剛性スプリング22bも圧縮され始める。第1高剛性スプリング22aと第2高剛性スプリング22bとは並列に配置されているので、第2高剛性スプリング22bが圧縮され始めると、第1高剛性スプリング22aのみが圧縮されている場合(3段目)に比較して捩り剛性は高くなる。すなわち、捩り特性の4段目に移行する。
この4段目において、相対回転する部材は3段目と同様であり、L−Hヒス発生機構13及びHヒス発生機構16が作動し、ヒステリシストルクH+hHが得られる。
<ストッパ機構17の作動>
そして、さらに伝達トルク又はトルク変動が大きくなると、クラッチプレート24及びリティニングプレート25とハブフランジ21との相対回転角度が大きくなる。すると、ストップピン26がストッパ用切欠21dの側面に当接し、クラッチプレート24及びリティニングプレート25とハブフランジ21との相対回転が停止する。
[特徴]
以上のように、本実施形態のクラッチディスク組立体1では、以下のような特徴を有している。
(1)Lヒス発生機構14は、低捩り角度領域でのみヒステリシストルクhLを発生するので、全捩り角度領域で作動する場合に比較して、摩擦部材の摩耗が抑えられる。したがって、低捩り角度領域において、長期にわたり安定したヒステリシストルクが得られ、特にアイドリング時の異音を効果的に抑えることができる。
(2)Lヒス発生機構14は、低剛性ダンパ11の構成部材及びサブプレート34の環状溝34eに装着された波線56によって構成されている。したがって、Lヒス発生機構14の軸方向のスペースが抑えられる。
(3)Lヒス発生機構14に加えて、L−Hヒス発生機構13を設けている。したがって、それぞれのヒス発生機構で発生すべきヒステリシストルクを比較的小さくでき、摩擦部材の摩耗を抑えることができる。
[他の実施形態]
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
(a)前記実施形態では、ストップピンが異形断面の場合を例にとって説明したが、従来と同様に円形断面の場合であっても、本発明を同様に適用することができる。
(b)ストッパ機構(ストップピンとその受け部)の構成については、全部のストップピンについてではなく、一部のストップピンについて、前記実施形態のような構成であってもよい。
(c)前記実施形態では、ストップピンの胴部とプレートの受け部とが隙間なく嵌合している構成を例にとって説明したが、胴部と受け部とは、少なくとも回転方向において隙間なく嵌合していればよい。
(d)前記実施形態では、4段の捩り特性を有するクラッチディスク組立体に本発明を適用したが、捩じり特性の段数は限定されない。例えば、2段の捩じり特性を有するクラッチディスク組立体にも本発明を同様に適用することができる。
(e)各ヒステリシストルク発生機構で発生するヒステリシストルクの大きさは限定されない。求められる捩じり特性に応じてヒステリシストルクの大きさを適宜変更が可能である。
(d)Lヒス発生機構を構成する付勢部材としての波線56は、この形状に限定されない。例えば、折れ部を有する線材や、コイル等の軸方向に付勢のための曲がり部を有する線材であれば、同様に付勢部材として適用できる。
(e)前記実施形態では、動力伝達装置の一例としてクラッチディスク組立体を例に説明したが、本発明は、例えば、2マスフライホイールや流体式トルク伝達装置のロックアップ装置などの他の動力伝達装置にも適用可能である。
1 クラッチディスク組立体(動力伝達装置)
2 クラッチディスク(入力側部材)
3 ダンパ機構
4 スプラインハブ(出力側部材)
11 低剛性ダンパ
12 高剛性ダンパ
17 ストッパ機構
22 高剛性スプリング(高剛性弾性部材)
24 クラッチプレート(第1回転部材)
24e 凹部(コイニング部)
24f 受け部(受用凹部)
25 リティニングプレート(第2回転部材)
26 ストップピン(連結部材)
26a 胴部
26b 首部(連結軸)
37 低剛性スプリング(低剛性弾性部材)

Claims (5)

  1. 回転軸心及び前記回転軸心の軸方向に貫通する複数の第1連結用孔を有する第1回転部材と、
    前記第1回転部材と軸方向に間隔を開けて配置され、前記第1回転部材の回転軸心の回りに回転可能で、前記複数の第1連結用孔と対応する位置に複数の第2連結用孔を有する第2回転部材と、
    前記第1連結用孔に挿入された第1連結軸と、前記第2連結用孔に挿入された第2連結軸と、前記第1連結軸と前記第2連結軸との間に前記第1及び第2連結軸よりも回転方向において長く形成された胴部と、を有する連結部材と、
    を備え、
    前記第1回転部材は、前記複数の第1連結用孔の少なくとも1つの連結用孔の周囲に前記第2回転部材側に押し加工されたコイニング部と、前記コイニング部の前記第2回転部材側の面に形成された第1受用凹部と、を有し、
    前記連結部材は、前記胴部の少なくとも回転方向の外周面に、前記第1受用凹部に当接してトルク伝達を行う第1トルク伝達部を有する、
    動力伝達構造。
  2. 前記第1連結軸及び前記第2連結軸は、それぞれ前記第1連結用孔及び前記第2連結用孔を通過して外部に突出し、頭部がかしめられている、請求項1に記載の動力伝達構造。
  3. 前記胴部は、径方向の長さが回転方向の長さに比較して短い、請求項1又は2に記載の動力伝達構造。
  4. 前記第1連結軸及び前記第2連結軸は、径方向の長さが回転方向の長さに比較して短い、請求項に記載の動力伝達構造。
  5. 前記第2回転部材は、前記第1回転部材と対向する側面に、前記複数の第2連結用孔の少なくとも1つの連結用孔の周囲に形成された第2受用凹部を有し、
    前記連結部材は、前記胴部の少なくとも回転方向の外周面に、前記第2受用凹部に当接してトルク伝達を行う第2トルク伝達部を有する、
    請求項1からのいずれかに記載の動力伝達構造。
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