JP2019132288A - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019132288A
JP2019132288A JP2018012530A JP2018012530A JP2019132288A JP 2019132288 A JP2019132288 A JP 2019132288A JP 2018012530 A JP2018012530 A JP 2018012530A JP 2018012530 A JP2018012530 A JP 2018012530A JP 2019132288 A JP2019132288 A JP 2019132288A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
low
rigidity
angle region
hysteresis torque
torsion angle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018012530A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019132288A5 (ja
Inventor
秀幸 今中
Hideyuki Imanaka
秀幸 今中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Exedy Corp
Original Assignee
Exedy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Exedy Corp filed Critical Exedy Corp
Priority to JP2018012530A priority Critical patent/JP2019132288A/ja
Priority to CN201920065417.4U priority patent/CN209539917U/zh
Publication of JP2019132288A publication Critical patent/JP2019132288A/ja
Publication of JP2019132288A5 publication Critical patent/JP2019132288A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】低捩り角度領域において、長期にわたり安定したヒステリシストルクを得る。【解決手段】この装置は、低剛性ダンパ11と、高剛性ダンパ12と、低捩り角度領域ヒステリシストルク発生機構14と、高捩り角度領域ヒステリシストルク発生機構16と、を備えている。低剛性ダンパ11は低捩り角度領域で作動する。高剛性ダンパ12は、低捩り角度領域よりも捩り角度の大きい高捩り角度領域で作動し、低剛性ダンパ11よりも高い捩り剛性を有する。低捩り角度領域ヒステリシストルク発生機構14は、低捩り角度領域の全領域でのみヒステリシストルクを発生する。高捩り角度領域ヒステリシストルク発生機構16は、高捩り角度領域でのみヒステリシストルクを発生する。【選択図】図9

Description

本発明は、動力伝達装置、特に、駆動源からのトルクをトランスミッション側に伝達するとともに、トルク変動を減衰する動力伝達装置に関する。
車輌におけるアイドリング時及び走行時には、例えばエンジンから伝達されるトルク変動に起因する振動及び異音が発生する場合がある。この問題を解決するために、特許文献1に示されるようなダンパが設けられている。このダンパは、4段の捩り特性を有するとともに、低捩り角度領域から高捩り角度領域の全領域にわたってヒステリシストルクを発生する機構と、高捩り角度領域においてのみヒステリシストルクを発生する機構と、が設けられている。
特開2009−19746号公報
特許文献1の装置では、低捩り角度領域でヒステリシストルクを発生させるための低ヒステリシストルク発生機構が、高捩り角度領域を含めて全領域で作動する。このため、低ヒステリシストルク発生機構を構成する樹脂製の摩擦部材が早期に摩耗し、設定された低ヒステリシストルクを長期にわたり安定して発生させることができない。
特にアイドリング時の異音は、低捩り角度領域におけるヒステリシストルクによって抑えることができる。したがって、安定した低ヒステリシストルクが得られない場合は、アイドリング時の異音を長期にわたって抑えることができない。
本発明の課題は、低捩り角度領域において、長期にわたって安定したヒステリシストルクが得られるようにすることにある。
(1)本発明に係る動力伝達装置は、駆動源からのトルクが入力される入力側部材と、トランスミッションにトルクを出力する出力側部材と、の間でトルクを伝達するとともに、入力側部材と出力側部材との捩り振動を減衰する。この動力伝達装置は、低剛性ダンパと、高剛性ダンパと、第1ヒステリシストルク発生機構と、第2ヒステリシストルク発生機構と、を備えている。低剛性ダンパは低捩り角度領域で作動する。高剛性ダンパは、低捩り角度領域よりも捩り角度の大きい高捩り角度領域で作動し、低剛性ダンパよりも高い捩り剛性を有する。第1ヒステリシストルク発生機構は、低捩り角度領域の全領域でのみヒステリシストルクを発生する。第2ヒステリシストルク発生機構は、高捩り角度領域でのみヒステリシストルクを発生する。
この動力伝達装置にトルクが入力されると、入力されたトルクは低剛性ダンパ及び高剛性ダンパを介してトランスミッション側に伝達される。このとき、入力側部材と出力側部材との捩じり角度が小さい低捩り角度領域では、低剛性ダンパの作動及び第1ヒステリシストルク発生機構によるヒステリシストルクによってトルク変動による捩り振動が抑えられ、捩り角度が大きい高捩り角度領域では、高剛性ダンパの作動及び第2ヒステリシストルク発生機構によるヒステリシストルクによってトルク変動による捩り振動が抑えられる。
ここでは、第1ヒステリシストルク発生機構は、低捩り角度領域でのみヒステリシストルクを発生するので、従来の全領域で作動する場合に比較して、例えばブッシュ等の摩擦部材の摩耗が抑えられる。したがって、低捩り角度領域において、長期にわたり安定したヒステリシストルクが得られる。また、低捩り角度領域の全領域において安定したヒステリシストルクが得られるので、特にアイドリング時の異音を効果的に抑えることができる。
(2)好ましくは、高剛性ダンパは、第1入力側回転部材と、第1出力側回転部材と、高剛性弾性部材と、を有する。第1入力側回転部材はトルクが入力される。第1出力側回転部材は、第1入力側回転部材に対して相対回転自在に配置されている。高剛性弾性部材は、第1入力側回転部材と第1出力側回転部材とを回転方向に弾性的に連結する。
(3)好ましくは、低剛性ダンパは、第2入力側回転部材と、第2出力側回転部材と、低剛性弾性部材と、を有する。第2入力側回転部材は第1出力側回転部材からトルクが入力される。第2出力側回転部材は、第2入力側回転部材に対して相対回転自在に配置されている。低剛性弾性部材は、第2入力側回転部材と第2出力側回転部材とを回転方向に弾性的に連結し、高剛性弾性部材よりも低剛性である。そして、この場合は、第1ヒステリシストルク発生機構は、第2入力側回転部材及び第2出力側回転部材の一方に組み込まれ、第2入力側回転部材と第2出力側回転部材とを互いに圧接するための付勢部材を有する。
ここでは、第1ヒステリシストルク発生機構を構成する付勢部材が、低剛性ダンパの部材の一部に組み込まれているので、第1ヒステリシストルク発生機構の軸方向のスペースが抑えられる。
(4)好ましくは、第2入力側回転部材及び第2出力側回転部材の一方は、他方に対向する側面に環状溝を有している。そして、付勢部材は、環状の線材で形成されて、環状溝に装着されている。
ここでは、付勢部材が線材で形成されているので、軸方向スペースをより短縮することができる。
(5)好ましくは、低捩り角度領域及び高捩り角度領域の全領域においてヒステリシストルクを発生する第3ヒステリシストルク発生機構をさらに備えている。
ここでは、捩り角度領域の全領域においてヒステリシストルクを発生する機構を有しているので、仮に第1ヒステリシストルク発生機構によるヒステリシストルクが得られない場合であっても、トルク変動を抑えることができる。
また、第3ヒステリシストルク発生機構によって捩り角度の全領域においてヒステリシストルクが得られるので、第1ヒステリシストルク発生機構においては、比較的小さいヒステリシストルクであってもトルク変動を効果的に抑えることができる。したがって、第1ヒステリシストルク発生機構の設計の自由度が上がる。また、同様の理由により、第1ヒステリシストルク発生機構の部材の摩耗を抑えることができる。
(6)好ましくは、低剛性弾性部材は、第1弾性部材と、第2弾性部材と、を有している。第1弾性部材は少なくとも第1捩り角度領域で作動する。第2弾性部材は、第1捩り角度領域よりも大きい第2捩り角度領域でのみ作動する。そして、この場合、第2捩り角度領域でのみヒステリシストルクを発生する第4ヒステリシストルク発生機構をさらに備えている。
以上のような本発明では、低捩り角度領域において、安定したヒステリシストルクを長期にわたって得ることができ、特にアイドリング時の異音を効果的に抑えることができる。
本発明の位置実施形態としてのクラッチディスク組立体の縦断面概略図。 クラッチディスク組立体の正面部分図。 クラッチディスク組立体の捩り特性線図。 図1の拡大部分図。 図2の拡大部分図。 ストップピンの正面図及び底面図。 ストップピンの取付構造を示す平面図。 図1の拡大部分図。 主に低剛性ダンパの分解斜視図。 図9の一部を示す図。
図1は、本発明に一実施形態による動力伝達装置としてのクラッチディスク組立体の断面図である。図1のO−O線は、クラッチディスク組立体1の回転軸線である。このクラッチディスク組立体1は、図1の左側に配置されるエンジン及びフライホイールからのトルクを、図1の右側に配置されるトランスミッションに伝達し、かつトルク変動を減衰する。また、図2はクラッチディスク組立体1の正面部分図である。
[全体構成]
クラッチディスク組立体1は、摩擦係合によりフライホイールからトルクが入力されるクラッチディスク2(入力側部材)と、クラッチディスク2から入力されるトルク変動を減衰及び吸収するダンパ機構3と、スプラインハブ4(出力側部材)と、を有している。
[クラッチディスク2]
クラッチディスク2は、図示しないプレッシャプレートによってフライホイールに押し付けられる。クラッチディスク2は、クッショニングプレート6と、クッショニングプレート6の両面にリベット7によって固定される1対の摩擦フェーシング8と、を有している。クッショニングプレート6はダンパ機構3の外周部に固定されている。
[ダンパ機構3]
ダンパ機構3は、エンジンから伝達されるトルク変動を効果的に減衰及び吸収するために、図3に示すように、正側(駆動側の回転方向)及び負側において4段の捩り特性を有している。具体的には、捩り特性の正側及び負側において、1段目(L1)領域及び2段目(L2)領域は低捩り剛性及び低ヒステリシストルクの領域であり、3段目(H3)領域及び4段目(H4)領域は高捩り剛性及び高ヒステリシストルクの領域である。
ダンパ機構3は、低剛性ダンパ11と、高剛性ダンパ12と、全領域ヒステリシストルク発生機構(以下、「L−Hヒス発生機構」と記す)13と、低捩り角度領域ヒステリシストルク発生機構(以下、「Lヒス発生機構」と記す)14と、中捩り角度領域ヒステリシストルク発生機構(以下、「L2ヒス発生機構」と記す)15と、高捩り角度領域ヒステリシストルク発生機構(以下、「Hヒス発生機構」と記す)16と、ストッパ機構17と、を有している。
低剛性ダンパ11は、低捩り角度領域(L1+L2)で作動する。高剛性ダンパ12は、低捩り角度領域よりも捩り角度の大きい高捩り角度領域(H3+H4)で作動する。また、高剛性ダンパ12は低剛性ダンパ11よりも高い捩り剛性を有する。
L−Hヒス発生機構13は、低捩り角度領域(L1+L2)及び高捩り角度領域(H3+H4)の全捩り角度領域においてヒステリシストルクを発生する機構であり、第3ヒステリシストルク発生機構に相当する。Lヒス発生機構14は、低捩り角度領域の全領域(L1+L2)でのみヒステリシストルクを発生する機構であり、第1ヒステリシストルク発生機構に相当する。L2ヒス発生機構15は、2段目の第2捩り角度領域(L2)でのみヒステリシストルクを発生する機構であり、第4ヒステリシストルク発生機構に相当する。Hヒス発生機構16は、高捩り角度領域(H3+H4)でのみヒステリシストルクを発生する機構であり、第2ヒステリシストルク発生機構に相当する。
ストッパ機構17は、入力側の部材であるクラッチディスク2と、出力側の部材であるスプラインハブ4と、の捩り角度(相対回転角度)が所定の角度になると、それ以上の両部材の相対回転角度を禁止する機構である。
<高剛性ダンパ12>
高剛性ダンパ12は、図4に示すように、第1入力側回転部材20と、第1出力側回転部材としてのハブフランジ21と、高剛性弾性部材としての複数の高剛性スプリング22と、を有している。
−第1入力側回転部材20−
第1入力側回転部材20には、クラッチディスク2を介してエンジンからトルクが入力され、クラッチプレート24及びリティニングプレート25を有している。
クラッチプレート24及びリティニングプレート25は、実質的に環状に形成され、軸方向に間隔を隔てて配置されている。クラッチプレート24はエンジン側に配置され、リティニングプレート25はトランスミッション側に配置されている。クラッチプレート24及びリティニングプレート25は、外周部がストップピン26によって連結されており、一体で回転する。
クラッチプレート24及びリティニングプレート25には、図2に示すように、それぞれ4個の第1保持部24a,25a及び第2保持部24b,25bが円周方向に間隔を隔てて形成されている。第1保持部24a,25aと第2保持部24b,25bとは円周方向に交互に配置されている。また、リティニングプレート25には、複数の係合孔25cが形成されている。
なお、図2では、リティニングプレート25を示しているが、各保持部24a,24b,24b,25bに関しては、逆側に配置されたクラッチプレート24も同様の構成である。また、図2では、リティニングプレート25の一部を破断して示している。
−ハブフランジ21−
ハブフランジ21は、略円板状の部材であり(図9参照)、スプラインハブ4の外周に配置されている。ハブフランジ21は、クラッチプレート24とリティニングプレート25との軸方向間に配置され、これらの両プレート24,25と所定の角度範囲内で相対回転可能である。図5に示すように、ハブフランジ21とスプラインハブ4とは、互いの内周部及び外周部に形成された複数の歯21c,4cによって噛み合っている。なお、互いの歯21c,4cの間には所定の隙間G1が設定されている。すなわち、ハブフランジ21とスプラインハブ4とは、歯21c,4cの隙間G1の角度分(低捩り角度領域(L1+L2)に相当)だけ相対回転が可能である。
ハブフランジ21には、図5に示すように、クラッチプレート24及びリティニングプレート25の第1保持部24a,25a及び第2保持部24b,25bと対向する位置に、それぞれ第1窓孔21a及び第2窓孔21bが形成されている。そして、第1窓孔21aに第1高剛性スプリング22aが収容され、この第1高剛性スプリング22aがクラッチプレート24及びリティニングプレート25の第1保持部24a,25aによって軸方向及び径方向に保持されている。また、第2窓孔21bに第2高剛性スプリング22bが収容され、この第2高剛性スプリング22bがクラッチプレート24及びリティニングプレート25の第2保持部24b,25bによって軸方向及び径方向に保持されている。
なお、クラッチプレート24及びリティニングプレート25の第1保持部24a,25a及び第2保持部24b,25bの円周方向の両端は、各高剛性スプリング22a,22bの端面に係合可能である。
ここで、ハブフランジ21の第1窓孔21aには第1高剛性スプリング22aが、第2窓孔21bには第2高剛性スプリング22bが、それぞれ円周方向に隙間なく配置されている。一方、クラッチプレート24及びリティニングプレート25の第1保持部24a,25aには第1高剛性スプリング22aが円周方向に隙間なく配置されているが、両プレート24,25の第2保持部24b,25bには、第2高剛性スプリング22bが円周方向に隙間G2(図2及び図5参照)を介して配置されている。この隙間G2が3段目の捩り角度分(角度領域H3)に相当している。
なお、ハブフランジ21の第2窓孔21bのそれぞれの内周側には、軸方向に貫通する係合孔21eが形成されている。
以上の構成により、詳細は後述するが、高捩り角度領域H3,H4では、まず第1高剛性スプリング22aのみが圧縮され(H3領域)、その後、第1高剛性スプリング22aに加えて第2高剛性スプリング22bが圧縮される(H4領域)ことになる。
<ストッパ機構17>
ストッパ機構17は、図5に示すように、ハブフランジ21の外周部に形成された複数のストッパ用切欠21dと、前述のストップピン26と、から構成されている。ストッパ用切欠21dは、所定の角度範囲にわたって形成されており、径方向外方に開いている。そして、このストッパ用切欠21dをストップピン26が軸方向に貫通している。
また、切欠21dは、円周方向の両端部が内周側に向かって深く形成され、中央部分が浅く形成されている。この浅い部分の内周側に、第2窓孔21bが形成されている。
ストップピン26及びその取り付け部分を、図6及び図7に拡大して示している。なお、図6は、かしめる前のストップピン26を示しており、同図(a)は正面図、(b)は底面図である。また、図7はストップピン26がかしめられて固定された状態を径方向外方から視た平面図である。
ストップピン26は、胴部26aと、胴部26aより小型で相似形の首部26bと、を有している。首部26bは胴部26aの両端に形成されている。胴部26a及び首部26bは、それぞれ大径部及び小径部を有する異形断面である。詳細には、胴部26a及び首部26bは、それぞれ断面が小判形状である。このストップピン26は、図5に示すように、小径部が径方向を、大径部が円周方向を向くように組み付けられる。
図7に示すように、クラッチプレート24及びリティニングプレート25には、ストップピン26が装着される孔24d,25dが形成されている。この孔24d,25dに、ストップピン26の首部26bが挿入され、胴部26aの端面が、クラッチプレート24及びリティニングプレート25の側面に当接している。そして、首部26bの頭部をかしめることによって、クラッチプレート24とリティニングプレート25とが、軸方向に所定の隙間を介して固定される。
クラッチプレート24において、孔24dの周囲には、コイニング加工によってリティニングプレート25側に凹む凹部24eが形成されている。この凹部24eのリティニングプレート25側の面には、ストップピン26の胴部26aの端部外周面を受ける受け部24fが形成されている。受け部24fの形状は、胴部26aの形状と同様であり、胴部26aは受け部24fに隙間なく嵌合している。このような構成により、クラッチプレート24とストップピン26とは、受け部24fと胴部26aとの接触によってトルクの伝達が可能になっている。
なお、リティニングプレート25においては、クラッチプレート24の凹部24eに相当する部分は形成されていないが、クラッチプレート24の受け部24fと同様の受け部25fが形成されている。
このようなストッパ機構17では、以下のような特徴を有している。
(1)ストップピン26を異形断面にし、小径部分が径方向を向くように装着しているので、従来に比較してストッパ機構17の径方向スペースを小さくできる。このため、ストッパ機構17を比較的外周側に配置でき、高剛性スプリング22を配置するための円周方向スペースを従来に比較して長く確保できる。したがって、捩り角度の広角化を実現できる。
(2)ストップピン26は、異形断面にもかかわらず、胴部26aの全周に座(プレート側面に当接する部分)が存在するので、ストップピン26をかしめた際の充填率が損なわれることはない。
(3)ストップピン26に伝達されるトルクを、首部26bではなく受け部24f,25fを介して胴部26aで受けるので、従来構造のように首部でトルクを伝達する場合に比較して、同サイズの場合に、より大きなトルクを伝達することが可能になる。
<低剛性ダンパ11>
低剛性ダンパ11は、図8及び図9に示すように、第2入力側回転部材としてのサブプレート34及びスプリングホルダ35と、第2出力側回転部材としてのドライブプレート36と、低剛性弾性部材としての複数の低剛性スプリング37と、を有している。
−サブプレート34−
サブプレート34は、クラッチプレート24とハブフランジ21との軸方向間に配置され、ほぼ矩形であって、角部が円弧状に形成されている。サブプレート34は、図9に示すように、中央部に円形の開口を有しており、それぞれ2個の第1保持部34a及び第2保持部34bと、4個の第1係合突起34cと、第1係合突起34cより突起長さが短い4個の第2係合突起34dと、環状溝34eと、を有している。
第1保持部34a及び第2保持部34bは、各係合突起34cの内周側に形成されている。4個の第1係合突起34cは、4つの角部外周にハブフランジ21側に突出して形成されている。環状溝34eは第1保持部34a及び第2保持部34bの内周側で、開口部の縁に形成されている。
−スプリングホルダ35−
スプリングホルダ35は、サブプレート34とハブフランジ21との軸方向間で、サブプレート34と間隔をあけて対向して配置されている。スプリングホルダ35はサブプレート34とほぼ同様の形状である。スプリングホルダ35は、中央部に円形の開口を有しており、それぞれ2個の第1保持部35a及び第2保持部35bと、4個のボス部35cと、4個の切欠35dと、を有している。各ボス部35cには切欠35eが形成されている。また、第2保持部35bの円周方向両端には、円周方向に延びる円弧状溝35fが形成されている。
第1保持部35a及び第2保持部35bは、それぞれサブプレート34の第1保持部34a及び第2保持部34bと対向する位置に形成されている。4個のボス部35cは、4つの角部外周に形成されている。この4個のボス部35cの切欠35eにサブプレート34の第1係合突起34cが係合し、さらにボス部35cがハブフランジ21の係合孔21eに係合している。切欠35dは、サブプレート34の第2係合突起34dに対応して形成されており、この切欠35dに第2係合突起34dが係合している。
以上のように、サブプレート34とスプリングホルダ35とが、第1係合突起34cと切欠35eとの係合、及び第2係合突起34dと切欠35dとの係合、によって一体化されている。そして、スプリングホルダ35とハブフランジ21とが、第1係合突起34c及びボス部35cと係合孔21eとの係合によって一体化されている。したがって、サブプレート34及びスプリングホルダ35はハブフランジ21と一体に回転する。
−ドライブプレート36−
ドライブプレート36は、サブプレート34とスプリングホルダ35との軸方向間に配置され、サブプレート34及びスプリングホルダ35と所定の角度範囲内で相対回転可能である。ドライブプレート36は、中央部に開口を有しており、それぞれ2個の第1窓孔36a及び第2窓孔36bと、ドライブプレート36の内周面に形成された複数の係合凹部36cと、を有している。
第1窓孔36a及び第2窓孔36bは、それぞれサブプレート34及びスプリングホルダ35の第1保持部34a,35a及び第2保持部34b,35bと対向する位置に形成されている。そして、第1窓孔36aに第1低剛性スプリング37aが収容され、この第1低剛性スプリング37aがサブプレート34及びスプリングホルダ35の第1保持部34a,35aによって軸方向及び径方向に保持されている。また、第2窓孔36bに第2低剛性スプリング37bが収容され、この第2低剛性スプリング37bがサブプレート34及びスプリングホルダ35の第2保持部34b,35bによって軸方向及び径方向に保持されている。
なお、サブプレート34及びスプリングホルダ35の第1保持部34a,35a及び第2保持部34b,35bの円周方向の両端は、各低剛性スプリング37a,37bの端面に係合可能である。
ここで、ドライブプレート36の第1窓孔36aには第1低剛性スプリング37aが、第2窓孔36bには第2低剛性スプリング37bが、それぞれ円周方向に隙間なく配置されている。一方、サブプレート34及びスプリングホルダ35の第1保持部34a,35aには第1低剛性スプリング37aが円周方向に隙間なく配置されているが、両部材34,35の第2保持部34b,35bには、第2低剛性スプリング37bが円周方向に隙間を介して配置されている。この隙間が1段目の捩り角度分(低捩り角度領域L1)に相当している。
低剛性スプリング37のバネ定数は、高剛性スプリング22のバネ定数に比べて大幅に小さく設定されている。すなわち、高剛性スプリング22は低剛性スプリング37よりもはるかに剛性が高い。このため、1段目領域(L1)及び2段目領域(L2)では、高剛性スプリング22は圧縮されず、低剛性スプリング37のみが圧縮される。
[スプラインハブ4]
スプラインハブ4は、クラッチプレート24及びリティニングプレート25の内周側に配置されている。スプラインハブ4は、図4及び図8に示すように、軸方向に延びる筒状のボス41と、ボス41から径方向外側に延びるフランジ42と、を有している。ボス41の内周部には、トランスミッションの入力シャフト(図示せず)に係合するスプライン孔4aが形成されている。
ボス41の外周面において、フランジ42のエンジン側には複数の係合凸部4dが形成されている。係合凸部4dはドライブプレート36の係合凹部36cに、実質的に隙間なく係合している。また、フランジ42の外周面には、歯4cが形成されている。図5で説明したように、この歯4cが、ハブフランジ21の歯21cと噛合可能であり、両歯4c,21cの円周方向間には隙間G1が存在する。
<L−Hヒス発生機構13>
L−Hヒス発生機構13は、捩り角度領域の全領域(L1+L2+H3+H4)においてヒステリシストルクHを発生する。
L−Hヒス発生機構13は、図8に示すように、第1摩擦ワッシャ51と、第2摩擦ワッシャ52と、第1コーンスプリング54と、を有している。
第1摩擦ワッシャ51は、樹脂製であり、スプラインハブ4のボス41の外周において、係合凸部4dの側面とクラッチプレート24の内周端部との間に配置されている。
第2摩擦ワッシャ52は、樹脂製であり、スプラインハブ4のフランジ42とリティニングプレート25の内周端部との軸方向間に配置されている。第2摩擦ワッシャ52の外周部には、後述する第3摩擦ワッシャ53に係合する係合部(図示せず)を有しており、両部材は一体回転する。
また、第1コーンスプリング54は、第2摩擦ワッシャ52とリティニングプレート25の内周端部との軸方向間に配置され、第2摩擦ワッシャ52とリティニングプレート25とが互いに離れるように、両部材25,52を付勢している。
以上から、クラッチプレート24及びリティニングプレート25と、スプラインハブ4と、が相対回転する全捩り角度領域において、第1摩擦ワッシャ51とクラッチプレート24又はスプラインハブ4との間に摩擦抵抗が発生するとともに、第2摩擦ワッシャ52とスプラインハブ4との間に摩擦抵抗が発生する。これらの摩擦抵抗によって、全捩り角度領域においてヒステリシストルクHが発生する。
<Lヒス発生機構14>
Lヒス発生機構14は、1段目領域及び2段目領域である低捩り角度領域の全領域(L1+L2)でのみヒステリシストルクhLを発生する。
Lヒス発生機構14は、図9に示すように、サブプレート34の環状溝34eに装着された付勢部材としての波線56を有している。波線56は、一部に欠落部を有する環状の線材で形成されている。波線56は、円周方向に所定の間隔で複数の押圧部56aを有している。押圧部56aはドライブプレート36側に突出して形成されている。この押圧部56aがドライブプレート36をスプリングホルダ35側に付勢している。
ここで、前述のように、サブプレート34及びスプリングホルダ35はハブフランジ21と一体回転する。また、ドライブプレート36はスプラインハブ4と一体回転する。そして、ハブフランジ21とスプラインハブ4とは、前述のように、隙間G1の角度分だけ相対回転可能である。言い換えれば、ハブフランジ21(スプリングホルダ35と一体回転)とスプラインハブ4(ドライブプレート36と一体回転)とは、捩り特性の1段目領域と2段目領域の低捩り角度領域の全領域(L1+L2)においてのみ相対回転可能である。
そして、スプリングホルダ35とドライブプレート36とは、波線56によって互いに押圧されているので、スプリングホルダ35とドライブプレート36とは低捩り角度の全領域(L1+L2)においてのみ相対回転して摩擦抵抗が生じる。また、波線56とサブプレート34の環状溝34eの底部との間にも摩擦抵抗が生じる。これらの摩擦抵抗によって、ヒステリシストルクhLが発生する。
<L2ヒス発生機構15>
L2ヒス発生機構15は、2段目の捩り角度領域(L2)でのみヒステリシストルクhL2を発生する。
L2ヒス発生機構15はウェーブスプリング60を有している。ウェーブスプリング60は、軸方向に弾性変形可能な環状の弾性体であり、軸方向に圧縮された状態でスプラインハブ4のフランジ42とスプリングホルダ35との間に配置されている。ウェーブスプリング60は、ハブフランジ21及びスプリングホルダ35に当接しており、ハブフランジ21に対して回転すると摩擦抵抗を発生する。
図10に、ウェーブスプリング60及びその周辺の部材を抽出して示している。ウェーブスプリング60は、環状の本体部60aと、本体部60aから径方向外側へ延びる2対の爪部60bと、を有している。爪部60bの先端部は、軸方向に折り曲げられており、スプリングホルダ35に形成された円弧状溝35fを通過して第2低剛性スプリング37bの両端部に当接している。2つの爪部60b間の円周方向の距離は、第2低剛性スプリング37bの自由長とほぼ一致している。これにより、第2低剛性スプリング37bによりウェーブスプリング60の円周(回転)方向の位置決めが行われるとともに、第2低剛性スプリング37b及びウェーブスプリング60は一体で回転可能となっている。なお、溝35fの円周方向の距離は、2つの爪部60b間の円周方向の距離より長い。
また、本体部60aの内周部には、複数の係合凹部60cが形成されている。係合凹部60cは、スプラインハブ4の係合凸部4dに所定の隙間を介して係合している。この隙間が、1段目の捩り角度領域(L1)の角度分に相当している。したがって、1段目領域ではウェーブスプリング60によるヒステリシストルクは発生しないが、2段目領域(L2)でのみウェーブスプリング60によるヒステリシストルクhL2が得られる。
<Hヒス発生機構16>
Hヒス発生機構16は、3段目領域及び4段目領域である高捩り角度領域(H3+H4)でのみヒステリシストルクhHを発生する。
Hヒス発生機構16は、図4及び図8に示すように、サブプレート34に装着された環状の第1摩擦材61と、環状の第2摩擦材62を有する第3摩擦ワッシャ53と、第2コーンスプリング64と、を有している。
第1摩擦材61は、サブプレート34のエンジン側の側面に固定されており、クラッチプレート24の内周部の側面に当接可能である。第1摩擦材61はサブプレート34とともにハブフランジ21と一体回転する。
第3摩擦ワッシャ53は、ハブフランジ21内周部とリティニングプレート25内周部との間に配置されており、リティニングプレート25側に突出する複数の係合突起53aを有している。この係合突起53aがリティニングプレート25の係合孔25cに係合している。したがって、第3摩擦ワッシャ53はリティニングプレート25と一体回転する。第2摩擦材62は、第3摩擦ワッシャ53のハブフランジ21側の側面に固定され、ハブフランジ21の内周部の側面に当接可能である。
第2コーンスプリング64は、第3摩擦ワッシャ53とリティニングプレート25との間に配置されている。第2コーンスプリング64は、第3摩擦ワッシャ53とリティニングプレート25とを、両者が軸方向に互いに離れる方向に付勢している。したがって、第2コーンスプリング64により、第1摩擦材61とクラッチプレート24とが互いに押圧され、第2摩擦材62とハブフランジ21とが互いに押圧される。
以上から、クラッチプレート24及びリティニングプレート25と、ハブフランジ21と、が相対回転する高捩り角度領域の全領域(H3+H4)において、第1摩擦材61とクラッチプレート24との間、及び第2摩擦材62とハブフランジ21との間において摩擦抵抗が生じる。これらの摩擦抵抗によって、ヒステリシストルクhHが発生する。
以上をまとめると、図3に示すように、各角度領域では以下のようなヒステリシストルクが発生する。
1段目領域(L1):H(L−Hヒス発生機構13)+hL(Lヒス発生機構14)
2段目領域(L2):H+hL+hL2(L2ヒス発生機構15)
3段目領域及び4段目領域(H3+H4):H+hH(Hヒス発生機構16)
以上のヒステリシストルク発生機構13〜16によるヒステリシストルクについて、低捩り角度領域(L1+L2)におけるL−Hヒス発生機構13によるヒステリシストルクHと、Lヒス発生機構14によるヒステリシストルクhLと、の割合は、ヒステリシストルクhLが50%以上であることが望ましい。
[動作]
本実施形態のクラッチディスク組立体1の捩り特性は、角度範囲の大きさは異なるが基本的に正側と負側とで対称である。したがって、ここでは正側のみの動作を説明し、負側の動作についての説明は省略する。
<1段目>
伝達トルク及びトルク変動が小さい場合は、本装置は捩り特性の1段目(L1)で作動する。この1段目では、剛性の低い第1及び第2低剛性スプリング37a,37bのうち、自由長が長い第1低剛性スプリング37aのみが圧縮される。このため、サブプレート34及びスプリングホルダ35と、ドライブプレート36と、が相対回転する。一方で、第1及び第2高剛性スプリング22a,22bは剛性が高いためにほとんど圧縮されない。したがって、入力側回転部材20(クラッチプレート24及びリティニングプレート25)とハブフランジ21とは一体回転する。
以上から、捩り特性の1段目では、{入力側回転体2+ハブフランジ21+サブプレート34+スプリングホルダ35}が一体回転し、これらの部材に対して{ドライブプレート36+スプラインハブ4}が回転する。
この場合は、L−Hヒス発生機構13によるヒステリシストルクHと、Lヒス発生機構14によるヒステリシストルクhLとが発生する。具体的には、第1摩擦ワッシャ51とクラッチプレート24又はスプラインハブ4との間、及び第2摩擦ワッシャ52とスプラインハブ4との間、において摩擦抵抗が発生する。また、同時に、波線56とドライブプレート36との間、及びドライブプレート36とスプリングホルダ35との間においても摩擦抵抗が発生する。
なお、ウェーブスプリング60は爪部60bが第2低剛性スプリング37bに係合しているので、この1段目ではウェーブスプリング60は自由に回転し得る状態であり、ウェーブスプリング60とハブフランジ21との間には摩擦抵抗は発生しない。
<2段目>
伝達トルク又はトルク変動がより大きくなると、第1低剛性スプリング37aが圧縮されつつ、さらに自由長の短い第2低剛性スプリング37bも圧縮され始める。第1低剛性スプリング37aと第2低剛性スプリング37bとは並列に配置されているので、第2低剛性スプリング37bが圧縮され始めると、第1低剛性スプリング37aのみが圧縮されている場合(1段目)に比較して捩り剛性は高くなる。すなわち、捩り特性の2段目に移行する。
この2段目においては、1段目と同様のヒステリシストルク発生機構13,14に加えて、L2ヒス発生機構15が作動する。
すなわち、1段目と同様の部材間に摩擦抵抗が発生するとともに、ウェーブスプリング60とハブフランジ21との間においても摩擦抵抗が発生する。具体的には、第2低剛性スプリング37bが圧縮されると、第2低剛性スプリング37bが圧縮された分だけウェーブスプリング60がハブフランジ21に対して回転し、両部材60,21間に摩擦抵抗が発生する。したがって、2段目においては、1段目と同様のヒステリシストルクH+hLに加えて、ウェーブスプリング60とハブフランジ21との間の摩擦抵抗によるヒステリシストルクhL2が発生する。
<3段目>
伝達トルク又はトルク変動がさらに大きくなると、第1及び第2低剛性スプリング37a,37bがさらに圧縮され、スプラインハブ4に対して入力側回転部材20がさらに回転する。すると、ハブフランジ21の歯21cとスプラインハブ4の歯4cとが当接し、ハブフランジ21とスプラインハブ4とは一体に回転することになる。この状態では、第1及び第2低剛性スプリング37a,37bは先の状態以上に圧縮されることはなく、高剛性スプリング22のうちの自由長の長い第1高剛性スプリング22aの圧縮が開始される。第1高剛性スプリング22aは第1及び第2低剛性スプリング37a,37bよりも剛性が高いので、2段目よりもさらに高い3段目の捩り剛性が得られる。
3段目においては、第1高剛性スプリング22aが圧縮されるので、入力側回転部材20とハブフランジ21(及びスプラインハブ4)との間で相対回転が発生する。一方で、リティニングプレート25と第3摩擦ワッシャ53とは一体回転し、ハブフランジ21とサブプレート24とは一体回転する。したがって、この3段目では、L−Hヒス発生機構13及びHヒス発生機構16が作動する。
すなわち、第3摩擦ワッシャ53に固定された第2摩擦材62とハブフランジ21との間で摩擦抵抗が発生する。また、サブプレート34に固定された第1摩擦材61とクラッチプレート24との間で摩擦抵抗が発生する。これらの摩擦抵抗によって、ヒステリシストルクhHが発生する。すなわち、合計でヒステリシストルクH+hHが発生する。
ここで、この3段目では、サブプレート34及びスプリングホルダ35と、ドライブプレート36と、は相対回転せず、これらの部材の間では摩擦抵抗は発生しない。すなわち、Lヒス発生機構14及びL2ヒス発生機構15は作動しない。
<4段目>
伝達トルク又はトルク変動がさらに大きくなると、第1高剛性スプリング22aが圧縮されつつ、さらに自由長の短い第2高剛性スプリング22bも圧縮され始める。第1高剛性スプリング22aと第2高剛性スプリング22bとは並列に配置されているので、第2高剛性スプリング22bが圧縮され始めると、第1高剛性スプリング22aのみが圧縮されている場合(3段目)に比較して捩り剛性は高くなる。すなわち、捩り特性の4段目に移行する。
この4段目において、相対回転する部材は3段目と同様であり、L−Hヒス発生機構13及びHヒス発生機構16が作動し、ヒステリシストルクH+hHが得られる。
<ストッパ機構17の作動>
そして、さらに伝達トルク又はトルク変動が大きくなると、クラッチプレート24及びリティニングプレート25とハブフランジ21との相対回転角度が大きくなる。すると、ストップピン26がストッパ用切欠21dの側面に当接し、クラッチプレート24及びリティニングプレート25とハブフランジ21との相対回転が停止する。
[特徴]
以上のように、本実施形態のクラッチディスク組立体1では、以下のような特徴を有している。
(1)Lヒス発生機構14は、低捩り角度領域でのみヒステリシストルクhLを発生するので、全捩り角度領域で作動する場合に比較して、摩擦部材の摩耗が抑えられる。したがって、低捩り角度領域において、長期にわたり安定したヒステリシストルクが得られ、特にアイドリング時の異音を効果的に抑えることができる。
(2)Lヒス発生機構14は、低剛性ダンパ11の構成部材及びサブプレート34の環状溝34eに装着された波線56によって構成されている。したがって、Lヒス発生機構14の軸方向のスペースが抑えられる。
(3)Lヒス発生機構14に加えて、L−Hヒス発生機構13を設けている。したがって、それぞれのヒス発生機構で発生すべきヒステリシストルクを比較的小さくでき、摩擦部材の摩耗を抑えることができる。
[他の実施形態]
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
(a)前記実施形態では、4段の捩り特性を有するクラッチディスク組立体に本発明を適用したが、捩じり特性の段数は限定されない。例えば、2段の捩じり特性を有するクラッチディスク組立体にも本発明を同様に適用することができる。
(b)各ヒステリシストルク発生機構で発生するヒステリシストルクの大きさは限定されない。求められる捩じり特性に応じてヒステリシストルクの大きさを適宜変更が可能である。
(c)前記実施形態では、付勢部材として波線を用いたが、折れ部を有する線材や、コイル等の軸方向に付勢のための曲がり部を有する線材であれば、同様に適用できる。
(d)前記実施形態では、動力伝達装置の一例としてクラッチディスク組立体を例に説明したが、本発明は、例えば、2マスフライホイールや流体式トルク伝達装置のロックアップ装置などの他の動力伝達装置にも適用可能である。
1 クラッチディスク組立体(動力伝達装置)
2 クラッチディスク(入力側部材)
3 ダンパ機構
4 スプラインハブ(出力側部材)
11 低剛性ダンパ
12 高剛性ダンパ
13 L−Hヒス発生機構(第3ヒステリシストルク発生機構)
14 Lヒス発生機構(第1ヒステリシストルク発生機構)
15 L2ヒス発生機構(第4ヒステリシストルク発生機構)
16 Hヒス発生機構(第2ヒステリシストルク発生機構)
20 入力側回転部材(第1入力側回転部材)
21 ハブフランジ(第1出力側回転部材)
22 高剛性スプリング(高剛性弾性部材)
34 サブプレート(第2入力側回転部材)
34e 環状溝
35 スプリングホルダ(第2入力側回転部材)
36 ドライブプレート(第2出力側回転部材)
37 低剛性スプリング(低剛性弾性部材)
56 波線(付勢部材)

Claims (6)

  1. 駆動源からのトルクが入力される入力側部材と、トランスミッションにトルクを出力する出力側部材と、の間でトルクを伝達するとともに、前記入力側部材と前記出力側部材との捩り振動を減衰する動力伝達装置であって、
    低捩り角度領域で作動する低剛性ダンパと、
    前記低捩り角度領域よりも捩り角度の大きい高捩り角度領域で作動し、前記低剛性ダンパよりも高い捩り剛性を有する高剛性ダンパと、
    前記低捩り角度領域の全領域でのみヒステリシストルクを発生する第1ヒステリシストルク発生機構と、
    前記高捩り角度領域でのみヒステリシストルクを発生する第2ヒステリシストルク発生機構と、
    を備えた動力伝達装置。
  2. 前記高剛性ダンパは、
    トルクが入力される第1入力側回転部材と、
    前記第1入力側回転部材に対して相対回転自在に配置された第1出力側回転部材と、
    前記第1入力側回転部材と前記第1出力側回転部材とを回転方向に弾性的に連結する高剛性弾性部材と、
    を有する、請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記低剛性ダンパは、
    前記第1出力側回転部材からトルクが入力される第2入力側回転部材と、
    前記第2入力側回転部材に対して相対回転自在に配置された第2出力側回転部材と、
    前記第2入力側回転部材と前記第2出力側回転部材とを回転方向に弾性的に連結し、前記高剛性弾性部材よりも低剛性の低剛性弾性部材と、
    を有し、
    前記第1ヒステリシストルク発生機構は、前記第2入力側回転部材及び前記第2出力側回転部材の一方に組み込まれ、前記第2入力側回転部材と前記第2出力側回転部材とを互いに圧接するための付勢部材を有する、
    請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記第2入力側回転部材及び前記第2出力側回転部材の一方は、他方に対向する側面に環状溝を有しており、
    前記付勢部材は、環状の線材で形成されて、前記環状溝に装着されている、
    請求項3に記載の動力伝達装置。
  5. 前記低捩り角度領域及び前記高捩り角度領域の全領域においてヒステリシストルクを発生する第3ヒステリシストルク発生機構をさらに備えている、請求項1から4のいずれかに記載の動力伝達装置。
  6. 前記低剛性弾性部材は、
    少なくとも第1捩り角度領域で作動する第1弾性部材と、
    前記第1捩り角度領域よりも大きい第2捩り角度領域でのみ作動する第2弾性部材と、
    を有し、
    前記第2捩り角度領域でのみヒステリシストルクを発生する第4ヒステリシストルク発生機構をさらに備えている、
    請求項3に記載の動力伝達装置。
JP2018012530A 2018-01-29 2018-01-29 動力伝達装置 Pending JP2019132288A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018012530A JP2019132288A (ja) 2018-01-29 2018-01-29 動力伝達装置
CN201920065417.4U CN209539917U (zh) 2018-01-29 2019-01-15 动力传递装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018012530A JP2019132288A (ja) 2018-01-29 2018-01-29 動力伝達装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019132288A true JP2019132288A (ja) 2019-08-08
JP2019132288A5 JP2019132288A5 (ja) 2021-02-25

Family

ID=67544790

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018012530A Pending JP2019132288A (ja) 2018-01-29 2018-01-29 動力伝達装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2019132288A (ja)
CN (1) CN209539917U (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62177317A (ja) * 1986-01-31 1987-08-04 Aisin Seiki Co Ltd クラツチデイスク
JPH0754920A (ja) * 1993-06-19 1995-02-28 Luk Lamellen & Kupplungsbau Gmbh トルク伝達装置
JPH11303892A (ja) * 1998-04-17 1999-11-02 Exedy Corp ダンパーディスク組立体
JP2009019746A (ja) * 2007-07-13 2009-01-29 Exedy Corp ダンパー機構

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62177317A (ja) * 1986-01-31 1987-08-04 Aisin Seiki Co Ltd クラツチデイスク
JPH0754920A (ja) * 1993-06-19 1995-02-28 Luk Lamellen & Kupplungsbau Gmbh トルク伝達装置
JPH11303892A (ja) * 1998-04-17 1999-11-02 Exedy Corp ダンパーディスク組立体
JP2009019746A (ja) * 2007-07-13 2009-01-29 Exedy Corp ダンパー機構

Also Published As

Publication number Publication date
CN209539917U (zh) 2019-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008089089A (ja) ダンパー機構
JP4495936B2 (ja) クラッチディスク組立体
JP4370347B2 (ja) ダンパー機構
JP2016145614A (ja) ダンパーディスク組立体
JP4445529B2 (ja) ダンパー機構
JP7053390B2 (ja) ダンパ装置
JP4527134B2 (ja) ダンパー機構
JP2019132288A (ja) 動力伝達装置
JP7299828B2 (ja) ダンパ装置
JP7148419B2 (ja) ダンパ装置
JP7040974B2 (ja) ダンパ装置
JP7376334B2 (ja) ダンパ装置
JP6976874B2 (ja) 動力伝達構造及び動力伝達装置
JP7012564B2 (ja) ダンパ装置
JP7384654B2 (ja) ダンパ装置
JP7040962B2 (ja) ダンパ装置
JP2021038762A (ja) ダンパ装置
JP7306890B2 (ja) ダンパ装置
JP6545972B2 (ja) ダンパーディスク組立体
JP6782349B2 (ja) ダンパーディスク組立体
JP2019158048A (ja) かしめ加工用ピン及び動力伝達構造
JPH11173380A (ja) ダンパーディスク組立体
JP2022184493A (ja) ダンパ装置
JP2000310282A (ja) ダンパーディスク組立体
JP2021004638A (ja) フリクションワッシャ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210112

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211207

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220531