JP2021004638A - フリクションワッシャ - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦プレートの歩留まりを向上する。【解決手段】この摩擦部材は、環状の第2摩擦部材本体58と、複数の分割プレート591と、を備えている。複数の分割プレート591は、第2摩擦部材本体58の一側面に環状に並べて固定されている。【選択図】図11

Description

本発明はフリクションワッシャに関する。
クラッチディスク組立体のダンパ機構に用いられるヒステリシストルク発生機構は、フリクションワッシャやコーンスプリング等から構成されている(例えば特許文献1参照)。フリクションワッシャは、相対回転可能な入力側部材と出力側部材の間に配置され、コーンスプリングによって例えば入力側部材に押圧されている。そして、入力側部材と出力側部材とが捩じり振動により相対回転すると、フリクションワッシャは、入力側部材と出力側部材のいずれか一方と一体回転するとともに他方と摩擦接触し、これによりヒステリシストルクが発生する。
特開平9−242823号公報
フリクションワッシャは、円環状であり、シート状の摩擦材をプレス加工によって円環状に打ち抜いて作成される。この場合、製品以外の部分(内周側部分及び外周側部分)は廃棄される。このため、歩留まりが悪いという問題がある。
本発明の課題は、フリクションワッシャの歩留まりを向上することにある。
(1)本発明に係るフリクションワッシャは、環状の保持部材と、複数の摩擦材と、を備えている。複数の摩擦材は、保持部材の一側面に環状に並べて固定されている。
ここでは、従来、円環状に形成されていた1つの摩擦材が複数に分割され、この分割された複数の摩擦材が保持部材に環状に並べて固定されている。このため、シート状の部材から摩擦材を形成する際に、廃棄する部分が少なくなり、歩留まりが向上する。なお、保持部材は環状であるが、一般的に保持部材は樹脂製で形成されることが多いので、歩留まりが問題になることはない。
(2)好ましくは、複数の摩擦材は、円周方向の一方の端部に第1係合部を有し、円周方向の他方の端部に隣接する摩擦材の前記第1係合部と係合する第2係合部を有する。
ここでは、複数の摩擦材を、第1及び第2係合部によって組み付けることができる。このため、保持部材の側面に複数の摩擦材を配置する際に、作業が容易になる。
(3)好ましくは、第1係合部は円周方向に突出する凸部であり、第2係合部は円周方向に凹む凹部である。
(4)好ましくは、複数の摩擦材は、シート状部材を打ち抜いて形成されている。
(5)好ましくは、保持部材は樹脂製である。そして、複数の摩擦材は、インサート成形により保持部材に一体化されている。
以上のような本発明では、環状の摩擦材の歩留まりが向上する。
本発明の一実施形態としてのクラッチディスク組立体の縦断面概略図。 クラッチディスク組立体の正面部分図。 クラッチディスク組立体の捩り特性線図。 図1の拡大部分図。 出力側回転部材、高剛性スプリング等の正面図。 図1の拡大部分図。 主に低剛性ダンパの分解斜視図。 スプラインハブの外観斜視図。 ヒス機構の一部の分解斜視図。 第2摩擦部材をリティングプレート側から視た外観斜視図。 第2摩擦部材をクラッチプレート側から視た外観斜視図。
図1は、本発明の一実施形態による摩擦部材(フリクションワッシャの一例)を有するクラッチディスク組立体の断面図である。図1のO−O線は、クラッチディスク組立体1の回転軸線である。このクラッチディスク組立体1は、図1の左側に配置されるエンジン及びフライホイールからのトルクを、図1の右側に配置されるトランスミッションに伝達し、かつトルク変動を減衰する。また、図2はクラッチディスク組立体1の正面部分図である。
[全体構成]
クラッチディスク組立体1は、摩擦係合によりフライホイールからトルクが入力されるクラッチディスク2と、クラッチディスク2から入力されるトルク変動を減衰及び吸収するダンパ機構3と、スプラインハブ4と、を有している。
[クラッチディスク2]
クラッチディスク2は、図示しないプレッシャプレートによってフライホイールに押し付けられる。クラッチディスク2は、クッショニングプレート6と、クッショニングプレート6の両面にリベット7によって固定される1対の摩擦フェーシング8と、を有している。クッショニングプレート6はダンパ機構3の外周部に固定されている。
[ダンパ機構3]
ダンパ機構3は、エンジンから伝達されるトルク変動を減衰及び吸収するために、図3に示すように、正側(駆動側の回転方向)において4段の捩り特性を有している。なお、ここでは、負側の捩り特性については省略している。
ダンパ機構3は、低剛性ダンパ11と、高剛性ダンパ12と、ヒス発生機構13と、を有している。
図3に示すように、低剛性ダンパ11は、1段目捩り角度領域L1で作動する。高剛性ダンパ12は、1段目捩り角度領域L1よりも、順に捩り角度の大きい2段目捩り角度領域H2、3段目捩り角度領域H3、及び4段目捩り角度領域H4で作動する。
ヒス発生機構13は、各段の捩り角度領域においてヒステリシストルクを発生する。
<高剛性ダンパ12>
高剛性ダンパ12は、図4に示すように、入力側回転部材20と、ハブフランジ21と、複数の高剛性スプリング22と、を有している。高剛性スプリング22は、図5に示すように、それぞれ4つの第1コイルスプリング221、第2コイルスプリング222、及び第3コイルスプリング223を含んでいる。第1コイルスプリング221と第2コイルスプリング222とは同じ長さを有している。また、第1コイルスプリング221は第2コイルスプリング222の内周部に収容されている。
−入力側回転部材20−
入力側回転部材20には、クラッチディスク2を介してエンジンからトルクが入力される。入力側回転部材20は、クラッチプレート24及びリティニングプレート25を有している。
クラッチプレート24及びリティニングプレート25は、実質的に環状に形成され、軸方向に間隔を隔てて配置されている。クラッチプレート24はエンジン側に配置され、リティニングプレート25はトランスミッション側に配置されている。クラッチプレート24及びリティニングプレート25は、外周部がストップピン26(図2及び図5参照)によって連結されており、一体で回転する。
クラッチプレート24及びリティニングプレート25には、図2及び図4に示すように、それぞれ4個の第1保持部24a,25a及び第2保持部24b,25bが円周方向に間隔を隔てて形成されている。第1保持部24a,25aと第2保持部24b,25bとは円周方向に交互に配置されている。また、リティニングプレート25には、複数の係合用の切欠25cが形成されている。
なお、図2では、リティニングプレート25のみが表れているが、クラッチプレート24の保持部24a,24bも同様の構成である。
−ハブフランジ21−
ハブフランジ21は、略円板状の部材であり(図5参照)、スプラインハブ4の外周に配置されている。ハブフランジ21は、クラッチプレート24及びリティニングプレート25と所定の角度範囲内で相対回転可能である。ハブフランジ21は、円板部211と、複数の歯21cと、を有している。円板部211は、クラッチプレート24とリティニングプレート25との軸方向間に配置されている。複数の歯21cは円板部211の内周面に形成されている。
図5に示すように、ハブフランジ21とスプラインハブ4とは、互いの内周部及び外周部に形成された複数の歯21c,4cによって噛み合っている。なお、互いの歯21c,4cの間には所定の隙間G1が設定されている。すなわち、ハブフランジ21とスプラインハブ4とは、歯21c,4cの隙間G1の角度分(1段目捩り角度領域L1に相当)だけ相対回転が可能である。
ハブフランジ21には、図5に示すように、クラッチプレート24及びリティニングプレート25の第1保持部24a,25a及び第2保持部24b,25bと対向する位置に、それぞれ第1窓孔21a及び第2窓孔21bが形成されている。そして、第1窓孔21aに第1及び第2コイルスプリング221,222が収容され、この第1及び第2コイルスプリング221,222がクラッチプレート24及びリティニングプレート25の第1保持部24a,25aによって軸方向及び径方向に保持されている。また、第2窓孔21bに第3コイルスプリング223が収容され、この第3コイルスプリング223がクラッチプレート24及びリティニングプレート25の第2保持部24b,25bによって軸方向及び径方向に保持されている。
なお、クラッチプレート24及びリティニングプレート25の第1保持部24a,25a及び第2保持部24b,25bの円周方向の両端は、各コイルスプリング221〜223の端面に係合可能である。
ここで、図5に示すように、ハブフランジ21の第1窓孔21aにおいて、円周方向の一方の端面21dの一部には、他方側に向かって突出する突起21eが形成されている。そして、この突起21eが第1コイルスプリング221の端面に当接している。一方、第1窓孔21aの一方の端面21dと第2コイルスプリング222の端面との間には、隙間G2(2段目捩り角度領域H2に相当)が確保されている。
また、クラッチプレート24及びリティニングプレート25の第1保持部24a,25aには第1及び第2コイルスプリング221,222が円周方向に隙間なく配置されているが、両プレート24,25の第2保持部24b,25bには、第3コイルスプリング223が円周方向に隙間G3(図2参照:3段目捩り角度領域H3に相当)を介して配置されている。
なお、ハブフランジ21の第2窓孔21bのそれぞれの内周側には、軸方向に貫通する係合孔21fが形成されている。
以上の構成により、詳細は後述するが、2段目〜4段目捩り角度領域では、まず第1コイルスプリング221のみが圧縮され、次に第1コイルスプリング221に加えて第2コイルスプリング222が圧縮される。そして、その後、第3コイルスプリング223も圧縮されることになる。
<低剛性ダンパ11>
低剛性ダンパ11は、図6及び図7に示すように、第1摩擦部材30及びスプリングホルダ31と、ドライブプレート32と、複数の低剛性スプリング33と、を有している。
−第1摩擦部材30−
第1摩擦部材30は、円板状に形成され、クラッチプレート24とハブフランジ21の内周部との軸方向間に配置されている。第1摩擦部材30は、第1摩擦部材本体35(以下、「第1本体35」と記載する)と、第1摩擦プレート36と、を有している。
第1本体35は、図7に示すように、中央部に円形の開口を有しており、4個の保持部35aと、4個の第1係合突起35cと、第1係合突起35cより突起長さが短い4個の第2係合突起35dと、を有している。保持部35aは、各係合突起35c,35dの内周側に形成されている。第1係合突起35c及び第2係合突起35dは、第1本体35の外周部から軸方向においてハブフランジ21側に突出して形成されている。
第1摩擦プレート36は、第1本体35のクラッチプレート24側の側面に、第1本体35と一定的に固定されている。第1摩擦プレート36は、第1本体35の内周端からさらに径方向内方に延びて形成されている。第1摩擦プレート36の内周端部において、リティニングプレート25側の側面が内周摩擦部36aを構成している。
−スプリングホルダ31−
スプリングホルダ31は、第1摩擦部材30とハブフランジ21との軸方向間で、第1本体35と間隔をあけて対向して配置されている。スプリングホルダ31は第1本体35とほぼ同様の形状である。スプリングホルダ31は、中央部に円形の開口を有しており、4個の保持部31aと、4個のボス部31bと、4個の第1切欠31cと、4個の第2切欠31dと、を有している。第1切欠31cは、ボス部31bに形成されている。
保持部31aは、第1本体35の保持部35aと対向する位置に形成されている。ボス部31bの第1切欠31cには、第1本体35の第1係合突起35cが係合し、さらにボス部31bがハブフランジ21の係合孔21fに係合している。また、第2切欠31dは、第1本体35の第2係合突起35dに対応して形成されており、この第2切欠31dに第2係合突起35dが係合している。
以上のように、第1摩擦部材30とスプリングホルダ31とが、第1係合突起35cと第1切欠31cとの係合、及び第2係合突起35dと第2切欠31dとの係合、によって一体化されている。そして、スプリングホルダ31とハブフランジ21とが、第1係合突起35c及びボス部31bと係合孔21fとの係合によって一体化されている。したがって、第1摩擦部材30及びスプリングホルダ31はハブフランジ21と一体に回転する。
−ドライブプレート32−
ドライブプレート32は、第1摩擦部材30とスプリングホルダ31との軸方向間に配置され、第1摩擦部材30及びスプリングホルダ31と所定の角度範囲内で相対回転可能である。ドライブプレート32は、中央部に開口を有しており、4個の窓孔32aと、ドライブプレート32の内周面に形成された複数の係合凹部32bと、を有している。
窓孔32aは、第1本体35及びスプリングホルダ31の保持部35a,31aと対向する位置に形成されている。そして、各窓孔32aに低剛性スプリング33が収容され、この低剛性スプリング33が第1本体35及びスプリングホルダ31の保持部35a,31aによって軸方向及び径方向に保持されている。
なお、第1本体35及びスプリングホルダ31の保持部35a,31aの円周方向の両端は、低剛性スプリング33の端面に係合可能である。
低剛性スプリング33のバネ定数は、高剛性スプリング22のバネ定数に比べて大幅に小さく設定されている。すなわち、高剛性スプリング22は低剛性スプリング33よりもはるかに剛性が高い。このため、1段目捩り角度領域では、高剛性スプリング22は圧縮されず、低剛性スプリング33のみが圧縮される。
[スプラインハブ4]
スプラインハブ4は、クラッチプレート24及びリティニングプレート25の内周側に配置されている。スプラインハブ4は、図4、図6、及び図8に示すように、軸方向に延びる筒状のボス41a,41bと、ボス41a,41bから径方向外側に延びるフランジ42と、を有している。
ボス41a,41bは、クラッチプレート24の内周部及びリティニングプレート25の内周部を軸方向に貫通して延びている。エンジン側のボス41aの外周面とクラッチプレート24の内周面との隙間は、従来の構造に比較して狭くなっている。すなわち、ボス41aの外周面とクラッチプレート24の内周面との隙間を小さくすることによって、クラッチプレート24はスプラインハブ4に対して径方向に位置決めされている。また、ボス41a,41bの内周部には、トランスミッションの入力シャフト(図示せず)に係合するスプライン孔4aが形成されている。
エンジン側のボス41aの外周面には複数の係合凸部4dが形成されている。係合凸部4dのエンジン側の側面4eは、球面(より詳細には外側に膨らむ球面)の一部である。係合凸部4dはドライブプレート32の係合凹部32bに、実質的に隙間なく係合している。また、フランジ42の外周面には、歯4cが形成されている。図5で説明したように、この歯4cが、ハブフランジ21の歯21cと噛合可能であり、両歯4c,21cの円周方向間には隙間G1が存在する。
<ヒス発生機構13>
ヒス発生機構13は、図4及び図6に示すように、第1ヒス発生部45と、第2ヒス発生部46と、第3ヒス発生部47と、を有している。第1ヒス発生部45は1段目捩り角度領域L1でのみ作動する。第2ヒス発生部46は、2段目〜4段目捩り角度領域H2,H3,H4で作動する。第3ヒス発生部47は、全捩り角度領域で作動する。
−第1ヒス発生部45−
第1ヒス発生部45は、第1ブッシュ51と、第1コーンスプリング52と、を有している。
第1ブッシュ51は、冷間鍛造により形成された鉄製の環状部材であり、表面には、リン酸マンガン等の表面処理層を有している。第1ブッシュ51は、スプラインハブ4のボス41aの外周において、係合凸部4dの側面と、摩擦プレート36の内周摩擦部36aと、の間に配置されている。
第1ブッシュ51は、図7に詳細に示すように、第1当接面51aと、第2当接面51bと、複数の係合部51cと、を有している。
第1当接面51aは、平坦面であり、摩擦プレート36の内周摩擦部36aに当接している。すなわち、この第1当接面51aと内周摩擦部36aとが当接し、摩擦接触することによって、ヒステリシストルクが発生する。
第2当接面51bは、球面(より詳細には内側に凹む球面)の一部であり、スプラインハブ4のボス41aの係合凸部4dの側面4eに当接している。係合凸部4dの側面4eは、前述のように、外側に膨らむ球面の一部である。このため、第2当接面51bと係合凸部4dの球面同士51b,4eが当接することにより、スプラインハブ4の回転軸線に対するミスアライメントが吸収される。また、係合凸部4dの側面(球面)4eの曲率半径は、第2当接面51bの曲率半径より大きい。このため、係合凸部4dの側面4eと第2当接面51bとは常に外周側が当接する。
複数の係合部51cは、スプラインハブ4の係合凸部4d側に突出して形成されている。そして、この係合部51cが、隣接する係合凸部4dの間に挿入されている。すなわち、係合部51cと係合凸部4dとは噛み合っている。このため、第1ブッシュ51はスプラインハブ4に対して相対回転不能である。
また、第1ブッシュ51の内周面と、スプラインハブ4のボス41の外周面と、の径方向隙間は、クラッチプレート24の内周面とボス41の外周面との径方向隙間よりも大きく設定されている。したがって、第1ブッシュ51の内周面がボス41の外周面と接触して発熱するのを抑えることができる。
さらに、第1ブッシュ51の外周面と第1摩擦部材30の第1本体35の内周面との径方向隙間は、クラッチプレート24の内周面とボス41の外周面との径方向隙間よりも大きく設定されている。したがって、第1ブッシュ51の外周面が第1本体35の内周面と接触して発熱するのを抑えることができる。
−第2ヒス発生部46−
図4、図6、及び図9に示すように、第2ヒス発生部46は、第2摩擦部材55(フリクションワッシャの一例)と、第2コーンスプリング56と、を有している。図9はスプラインハブ4とリティニングプレート25との間に配置された各部材を分解して示したものである。第2ヒス発生部46は、第1摩擦プレート36のクラッチプレート24側の側面も含んでいる。すなわち、第1摩擦プレート36のクラッチプレート24側の側面は、クラッチプレート24の側面と摩擦接触してヒステリシストルクを発生する第2摩擦部36bを構成している。
第2摩擦部材55は、樹脂製の第2摩擦部材本体(保持部材の一例:以下、「第2本体」と記載する)58と、第2摩擦プレート59と、を有している。
第2本体58は、図10及び図11に示すように、内周円板部60と、外周円板部61と、複数の連結部62と、摩擦部63と、有している。図10は第2摩擦部材55をリティニングプレート25側から観た図であり、図11は第2摩擦部材55をクラッチプレート24側から視た図である。
内周円板部60は、環状に形成され、内周面には複数の係合凹部60aが形成されている。外周円板部61は、環状であり、内周円板部60の径方向外方に、内周円板部60とは径方向に間隔をあけて配置されている。外周円板部61のリティニングプレート25側の側面には、軸方向に突出する複数の係合突起61aが形成されている。この係合突起61aがリティニングプレート25の切欠25cに係合している。したがって、第2摩擦部材55はリティニングプレート25と相対回転不能である。複数の連結部62は、内周円板部60と外周円板部61とを連結しており、円周方向に所定の間隔で設けられている。摩擦部63は、外周円板部61から、さらに径方向外方に延びて形成されている。
第2摩擦プレート59は、図11に示すように、第2本体58の外周円板部61と摩擦部63の側面(クラッチプレート24側の側面)に設けられている。第2摩擦プレート59は、4個の分割プレート591(摩擦材の一例)によって環状に形成されている。
4個の分割プレート591は、すべて同じ形状であり、シート状の摩擦材をプレス加工によって打ち抜いて形成したものである。各分割プレート591の円周方向の一端には、円周方向に突出する凸部591a(第1係合部の一例)が形成されている。また、各分割プレート591の円周方向の他端には、円周方向に凹む凹部591b(第2係合部の一例)が形成されている。そして、凸部591aが凹部591bにはまり込むことによって、4個の分割プレート591が互いに固定されている。
このような第2摩擦部材55を形成する場合は、まず、シート状の摩擦部材を打ち抜き、4個の分割プレート591を形成する。そして、4個の分割プレート591を、互いの凹凸部591a,591bを嵌め合わせることによって、環状に固定する。その後、第2本体58を樹脂成型するための金型内に組み込み、第2本体58の一部に環状の第2摩擦プレート59をインサート成型する。
第2コーンスプリング56は、第2摩擦部材55とリティニングプレート25との軸方向間に配置されている。より詳細には、第2コーンスプリング56は、第2本体58の外周円板部61と、リティニングプレート25の内周端部と、の軸方向間に配置されている。そして、第2摩擦部材55をハブフランジ21に対して押圧している。
なお、図9に示すように、第2コーンスプリング56の内周面には複数の切欠56aが形成されている。この切欠56aを第2本体58の外周円板部61に形成された係合突起61aが貫通している。したがって、第2コーンスプリング56は、第2摩擦部材55及びリティニングプレート25と相対回転不能である。
以上のような構成により、第2摩擦部材55の第2摩擦プレート59がハブフランジ21の側面に押圧され、第2摩擦部材55とハブフランジ21とが相対回転すると、ヒステリシストルクが発生する。また、同時に、第2コーンスプリング56の付勢力によって、クラッチプレート24がリティニングプレート25を介して第1摩擦部材30の第1摩擦プレート36に押圧される。このため、クラッチプレート24と第1摩擦部材30とが相対回転すると、ヒステリシストルクが発生する。
−第3ヒス発生部47−
第3ヒス発生部47は、第2ブッシュ65を有している。第2ブッシュ65は、樹脂製であり、図9に示すように、環状に形成されている。第2ブッシュ65のリティニングプレート25側の側面には、軸方向に突出する複数の係合突起65aが形成されている。
第2ブッシュ65は、スプラインハブ4のフランジ42と、第2摩擦部材55の内周端部との軸方向間に配置されている。そして、係合突起65aが、第2摩擦部材55の内周円板部60に形成された係合凹部60aに係合している。なお、係合突起65aは第1コーンスプリング52の内周面に形成された切欠52aを貫通している。したがって、第2ブッシュ65及び第1コーンスプリング52は、第2摩擦部材55及びリティニングプレート25と相対回転不能である。
そして、第2ブッシュ65は、第1コーンスプリング52の付勢力によってスプラインハブ4の側面に押圧されている。したがって、リティニングプレート25とスプラインハブ4とが相対回転すると、ヒステリシストルクが発生する。
ここで、第3ヒス発生部47は、第1ヒス発生部45で発生されるヒステリシストルクよりも小さいヒステリシストルクを発生するように構成されている。
より詳細には、第1ヒス発生部45及び第3ヒス発生部47における摩擦接触部の押圧荷重は同じである。しかし、第3ヒス発生部47の第2ブッシュ65の摩擦係数は、0.1〜0.15程度であるのに対して、第1ヒス発生部45の第1ブッシュ51の摩擦係数は、0.4程度に設定されている。
以上のような設定によって、第1ブッシュ51で発生するヒステリシストルクは比較的大きいが、1段目捩り角度領域のみでの作動である。一方、第2ブッシュ65は1段目〜4段目の全捩り角度領域で作動するが、この第2ブッシュ65で発生するヒステリシストルクは比較的小さく、このため長寿命化を図ることができる。
[動作]
本実施形態のクラッチディスク組立体1の捩り特性について、ここでは正側のみの動作を説明し、負側の動作についての説明は省略する。
<1段目捩り角度領域L1>
伝達トルク及びトルク変動が小さい場合は、本装置は捩り特性の1段目捩り角度領域(以下、「1段目」)L1で作動する。この1段目では、剛性の低い低剛性スプリング33が圧縮される。このため、第1摩擦部材30及びスプリングホルダ31と、ドライブプレート32と、が相対回転する。一方で、高剛性スプリング22は剛性が高いためにほとんど圧縮されない。したがって、入力側回転部材20(クラッチプレート24及びリティニングプレート25)とハブフランジ21とは一体回転する。
以上から、捩り特性の1段目では、{入力側回転体2+ハブフランジ21+第1摩擦部材30+スプリングホルダ31}が一体回転し、これらの部材に対して{ドライブプレート32+スプラインハブ4}が回転する。
この1段目においては、第1ブッシュ51は、スプラインハブ4と一体回転するので、ハブフランジ21とともに回転する第1摩擦プレート36と相対回転する。すなわち、第1ブッシュ51と、第1摩擦プレート36の内周摩擦部36aと、の間において摩擦抵抗が発生し、これらの間でヒステリシストルクが発生する。
また、第2ブッシュ65は、入力側回転部材20を構成するリティニングプレート25と一体回転するので、スプラインハブ4と相対回転する。すなわち、第2ブッシュ65とスプラインハブ4との間において摩擦抵抗が発生し、これらの間でヒステリシストルクが発生する。
<2段目捩り角度領域H2>
伝達トルク又はトルク変動が大きくなると、低剛性スプリング33が圧縮され、スプラインハブ4に対して入力側回転部材20がさらに回転する。すると、ハブフランジ21の歯21cとスプラインハブ4の歯4cとが当接し(隙間G1が「0」になる)、ハブフランジ21とスプラインハブ4とは一体に回転することになる。この状態では、低剛性スプリング33は先の状態以上に圧縮されることはなく、高剛性スプリング22のうちの第1コイルスプリング221の圧縮が開始される。より詳細には、ハブフランジ21の窓孔21aには突起21eが形成されており、この突起21eによって、まずは第1コイルスプリング221が圧縮される。第1コイルスプリング221は低剛性スプリング33よりも剛性が高いので、1段目よりも剛性の高い2段目の捩り剛性が得られる。
2段目においては、第1コイルスプリング221が圧縮されるので、入力側回転部材20とハブフランジ21(及びスプラインハブ4)との間で相対回転が発生する。一方で、リティニングプレート25と第2摩擦部材55とは一体回転し、ハブフランジ21と第1摩擦部材30とは一体回転する。
したがって、第2摩擦部材55と一体成型された第2摩擦プレート59とハブフランジ21との間で摩擦抵抗が発生する。また、第1摩擦部材30に固定された第1摩擦プレート36とクラッチプレート24との間で摩擦抵抗が発生する。さらに、1段目同様に、第2ブッシュ65とスプラインハブ4との間において摩擦抵抗が発生する。これらの摩擦抵抗によって、ヒステリシストルクが発生する。
ここで、この2段目では、ハブフランジ21と一体回転する第1摩擦部材30と、スプラインハブ4と一体回転する第1ブッシュ51と、は相対回転せず、これらの部材の間では摩擦抵抗は発生しない。
<3段目捩り角度領域H3>
伝達トルク又はトルク変動がさらに大きくなると、第1コイルスプリング221が圧縮され、ハブフランジ21の窓孔21aの端面21dが第2コイルスプリング222の端面に当接する。すなわち、隙間G2が「0」になる。このため、第2コイルスプリング222も圧縮され始める。第1コイルスプリング221と第2コイルスプリング222とは並列に配置されているので、第2コイルスプリング222が圧縮され始めると、第1コイルスプリング221のみが圧縮されている場合(2段目)に比較して捩り剛性は高くなる。すなわち、捩り特性の3段目に移行する。
この3段目において、相対回転する部材は2段目と同様であり、2段目と同じヒステリシストルクが発生する。なお、3段目においては、2段目と同様に、第1摩擦部材30と第1ブッシュ51とは相対回転せず、これらの部材の間では摩擦抵抗は発生しない。
<4段目捩り角度領域H4>
伝達トルク又はトルク変動がさらに大きくなると、第1及び第2コイルスプリング221,222が圧縮されつつ、さらに自由長の短い第3コイルスプリング223も圧縮され始める。第1及び第2コイルスプリング221,222と第3コイルスプリング223とは並列に配置されているので、第3コイルスプリング223が圧縮され始めると、第1及び第2コイルスプリング221,222が圧縮されている場合(3段目)に比較して捩り剛性は高くなる。すなわち、捩り特性の4段目に移行する。
この4段目において、相対回転する部材は2段目及び3段目と同様であり、同じヒステリシストルクが発生する。なお、4段目においては、2段目及び3段目と同様に、第1摩擦部材30と第1ブッシュ51とは相対回転せず、これらの部材の間では摩擦抵抗は発生しない。
[他の実施形態]
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
(a)前記実施形態では、4段の捩り特性を有するクラッチディスク組立体に本発明を適用したが、捩じり特性の段数は限定されない。ダンパ装置を有するすべての動力伝達装置に本発明を同様に適用することができる。
(b)前記実施形態では、第1摩擦部材30を、第1本体35と第1摩擦プレート36とによって構成したが、これらを1つの部材で一体に形成してもよい。
(c)第2摩擦部材55を構成する第2摩擦プレート59の分割枚数は、前記実施形態の4枚に限定されない。
1 クラッチディスク組立体
3 ダンパ機構
55 第2摩擦部材(フリクションワッシャ)
58 第2本体
59 第2摩擦プレート
591 分割プレート(摩擦材)
591a 凸部(第1係合部)
591b 凹部(第2係合部)

Claims (5)

  1. 環状の保持部材と、
    前記保持部材の一側面に環状に並べて固定された複数の摩擦材と、
    を備えたフリクションワッシャ。
  2. 前記複数の摩擦材は、円周方向の一方の端部に第1係合部を有し、円周方向の他方の端部に隣接する摩擦材の前記第1係合部と係合する第2係合部を有する、請求項1に記載のフリクションワッシャ。
  3. 前記第1係合部は円周方向に突出する凸部であり、
    前記第2係合部は円周方向に凹む凹部である、
    請求項2に記載のフリクションワッシャ。
  4. 前記複数の摩擦材は、シート状部材を打ち抜いて形成されている、
    請求項1から3のいずれかに記載のフリクションワッシャ。
  5. 前記保持部材は樹脂製であり、
    前記複数の摩擦材は、インサート成形により前記保持部材に一体化されている、
    請求項1から4のいずれかに記載のフリクションワッシャ。
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