JP2018071364A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Kunihiko Usui
公二彦 臼井
鈴木 裕介
Yusuke Suzuki
裕介 鈴木
和哉 小山
Kazuya Koyama
和哉 小山
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Abstract

【課題】車両のエンジン1を自動停止条件の成立に応じて停止させる場合に、その停止直前に再始動条件が成立して、スタータレス始動をする場合の始動性を高めながら、再始動条件が成立しない場合のエンジン振動などの抑制を図る。【解決手段】自動停止条件の成立後にエンジン1が停止する前に、少なくとも所定の車両周辺情報に基づいて再始動の可能性を判定し(ステップST204:判定手段)、エンジン1の停止前に再始動条件が成立する可能性が所定以上に高いと判定すれば、スロットルバルブ33の開度を大きくする(ステップST205:スロットル制御手段)。【選択図】図4

Description

本発明は、車両のエンジンを所定の状態で自動停止させるようにした制御装置に関連し、特に再始動に備えたスロットル制御の技術に係る。
従来より一般に、車両のエンジンをアイドル時などに自動で停止させ、その後、自動で再始動させるようにしたシステム(アイドリングストップシステム)は公知である。このようなシステムにおいてエンジンを停止させるときには通常、スロットル開度を全閉とし、燃料噴射および点火を停止する。また、そうして停止させる途中で再始動条件が成立すれば、燃料噴射および点火を再開し、スタータモータを用いずに再始動(スタータレス始動)することも提案されている。
例えば特許文献1の制御装置は、エンジンの停止する途中で未だクランクシャフトの回転が停止しておらず、スタータレス始動が可能な回転速度領域にあれば、再始動条件の成立に応じて燃料噴射および点火を再開し、燃焼トルクをクランクシャフトに付与することによって始動させるようにしている。また、この場合に十分な燃焼トルクを得るために、再始動条件が成立した時点でスロットル開度をアイドル運転時よりも大きくなるように制御して、吸気量を確保するようにしている。
特開2010−248998号公報
しかしながら空気量の制御には遅れがあるので、前記のように再始動条件が成立してからスロットル開度を大きくしても、すぐには十分な吸気量を確保することができず、始動性が低下するおそれがある。そこで、再始動に備えてスロットルバルブを或る程度、開いておくことも考えられるが、こうすると、吸気量の増大によって各気筒の圧縮行程における筒内圧が上昇することになり、ピストンが上死点を越える前後での回転変動が大きくなってしまう。
こうなると、エンジンが停止する過程において振動が増大するとともに、停止間際にはクランクシャフトが一瞬、停止した後に、気筒の圧縮反力によって大きく逆転動作(揺り戻し)するようになる。これによりエンジンが大きく揺動することになるので、仮に再始動条件が成立せずにエンジンが停止する場合は、運転者が違和感を覚えやすいという問題が生じる。
そこで、本発明の目的は、エンジンの自動停止の直前に再始動条件が成立して、スタータレス始動をする場合の始動性を高めながら、再始動条件が成立しない場合のエンジン振動などを抑制することにある。
前記の目的を達成するために本発明は、エンジンを自動停止させるときにその後の再始動の可能性について判定し、この可能性が所定以上に高ければ再始動に備えてスロットル開度を大きめに制御するようにした。
すなわち、本発明は、車両のエンジンの運転中に自動停止条件が成立すれば、エンジンを停止させるようにした制御装置を対象として、前記自動停止条件の成立後にエンジンが停止する前に、少なくとも所定の車両周辺情報に基づいて再始動条件が成立する可能性を判定する判定手段と、この判定手段によって、エンジンの停止前に再始動条件が成立する可能性が所定以上に高いと判定された場合は、そう判定されない場合よりもスロットルバルブの開度を大きくするスロットル制御手段と、を備えるものとする。
ここで、前記所定の車両周辺情報としては例えばITS(Intelligent Transport Systems)による情報、車両間データ通信による情報、車両の前方の状況を判定できるレーダ装置やカメラによる情報などが挙げられる。また、車両周辺情報以外にも、例えば運転者によるステアリングやブレーキペダルなどの操作に関する情報を加味して、再始動条件が成立する可能性を判定するようにしてもよい。
そして、前記のように少なくとも車両周辺情報に基づいて、再始動条件が成立する可能性が所定以上に高いと判定すれば、エンジンの始動に備えてスロットルバルブの開度を大きくすることにより、各気筒への吸気量を十分に確保することができる。よって、実際に再始動条件が成立し、燃料噴射および点火を再開することによって十分な燃焼トルクが得られるようになり、エンジンの始動性を高めることができる。
一方、再始動条件の成立する可能性が所定以上に高いと判定されない場合、即ち再始動の可能性があまり高くないと考えられる場合には、スロットルバルブの開度を小さめにして、その分、各気筒への吸気量が少なくなるようにする。こうすれば、圧縮行程における筒内圧の上昇が適度に抑制されるので、エンジンの回転変動による振動の増大を抑制できるとともに、停止間際の揺り戻しによるエンジンの揺動も大きくならないようにすることができる。
好ましくはエンジンは、各気筒に直接、燃料を噴射する燃料噴射弁を備えた筒内噴射式エンジンであって、前記のスタータレス始動の際は膨張行程にある気筒への燃料噴射および点火を実行するものとすることである。この場合は、ポート噴射式エンジンに比べて、自動停止の際により低回転側(即ち停止間際)までスタータレス始動が可能になる一方、エンジン振動の問題が大きくなりやすいので、上述した本発明の作用効果がより有効なものとなる。
以上、説明したように本発明に係るエンジンの制御装置によると、エンジンを自動停止させる際に少なくとも車両周辺情報に基づいて、再始動の可能性が所定以上に高いと判定すれば、これに備えてスロットル開度を大きめに制御することにより、吸気量を確保してエンジンの始動性を高めることができる。一方、再始動の可能性があまり高くないと判定すれば、スロットル開度は小さめに制御することにより、エンジン振動などの増大を抑制し、運転者が違和感を覚え難くすることができる。
実施の形態に係るエンジンの概略構成図である。 エンジンが停止する際のエンジン回転数、クランクシャフトの回転速度、およびクランクカウンタの変化の一例を示すタイミングチャートである。 実施の形態に係るアイドリングストップ制御ルーチンを示すフローチャート図である。 実施の形態に係るアイドリングストップ制御時のスロットル制御ルーチンを示すフローチャート図である。 COM判定について具体例を示す模式図であり、(a)は信号停止の場合を、(b)は渋滞の場合を、また、(c)は自動ブレーキの場合をそれぞれ示す。 アイドリングストップ制御時のスロットル開度の変化を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は一例として、本発明を車両に搭載されたガソリンエンジンに適用する場合について説明する。
−エンジンの概要−
図1にはエンジン1の概略構成を示すが、本実施の形態のエンジン1は4気筒ガソリンエンジンであって、第1〜第4の4つの気筒2(図には1つのみ示す)のそれぞれには燃焼室11を区画するようにピストン12が収容されている。ピストン12とクランクシャフト13はコンロッド14によって連結されており、そのクランクシャフト13の回転角(クランク角)を検出するためのクランク角センサ101が設けられている。
詳しくは、前記クランクシャフト13にはシグナルロータ17が取り付けられており、その外周面に複数の歯17aが設けられている。一方、クランク角センサ101は、例えば2つの電磁ピックアップを備えており、クランクシャフト13の回転によってシグナルロータ17の歯17aが通過する都度、それぞれの電磁ピックアップからパルス信号が出力されるようになっている。
前記2つの電磁ピックアップのうち一方から出力される信号がクランク信号であり、他方から出力される信号は、クランク信号と所定の位相差を有している。このため、一方の電磁ピックアップからの信号の立ち上がり時または立ち下がり時に、他方の信号がロー、ハイのいずれであるかによって、クランクシャフト13が正回転中か否か(逆転動作中か)判定することができる。
また、図示はしないがクランクシャフト13の端部には、一体に回転するようにフライホイールが取り付けられており、その外周に形成されたリングギヤにピニオンギヤを噛み合わせて、回転させることができるようにスタータモータ18(図1には模式的に示す)が配設されている。このスタータモータ18は、エンジン1の通常の始動の際に、後述するようにECU100からの信号を受けて動作する。
また、シリンダブロック15の上部にはシリンダヘッド16が載置されており、各気筒2毎にインジェクタ19が配設されて、燃焼室11に臨んでいる。例えば気筒2の吸気行程でインジェクタ19から噴射された燃料は、気筒2内の吸気の流動に乗って拡散しながら混合気を形成する。こうして形成される混合気に点火するために、シリンダヘッド16には点火プラグ20も配設され、イグナイタ21からの電力の供給を受けて火花放電するようになっている。
さらに、シリンダヘッド16には、各気筒2内の燃焼室11に連通するように吸気ポート30および排気ポート40が形成されており、それぞれの気筒2内に臨む開口部が吸気バルブ31および排気バルブ41によって開閉されるようになっている。これら吸気バルブ31および排気バルブ41を動作させる動弁系は、吸気および排気の2本のカムシャフト32,42を備え、図示しないタイミングチェーンおよびスプロケットを介して、クランクシャフト13により回転される。
また、吸気カムシャフト32の近傍には、いずれかの気筒2が所定クランク角位置(例えば第1気筒2が上死点)にあるときにパルス信号(以下、カム信号という)を出力するように、カム角センサ102が設けられている。吸気カムシャフト32はクランクシャフト13の半分の速度で回転するので、クランクシャフト13が2回転(クランク角で720°変化)する毎に、カム角センサ102は少なくとも1回、カム信号を出力する。
また、前記吸気ポート30の上流側(吸気の流れの上流側)に連通する吸気通路3には、エアフローメータ103、吸気温センサ104(エアフローメータ103に内蔵)、および、電子制御式のスロットルバルブ33が配設されている。このスロットルバルブ33はスロットルモータ34によって駆動され、吸気の流れを絞ってエンジン1の吸気量を調整するようになっている。
そのようにスロットルバルブ33によって流量調整された吸気の流れが吸気ポート30から各気筒2内に流入し、前記のようにインジェクタ19から噴射された燃料と混じり合って混合気を形成する。そして、圧縮行程の後半に点火プラグ20により点火されて燃焼し、これにより発生したガスが気筒2の排気行程で排気ポート40に流出する。この排気ポート40の下流側(排気の流れの下流側)に連通する排気通路4には、排気浄化用の触媒43が配設され、その上流側には空燃比センサ105が配設されている。
−ECU−
以上のように構成されたエンジン1はECU100によって制御される。ECU100は、公知の電子制御ユニット(Electronic Control Unit)からなり、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバックアップRAMなどを備えている。CPUは、ROMに記憶された制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶し、バックアップRAMは例えばエンジン1の停止時に保存すべきデータ等を記憶する。
そして、ECU100には、前記したクランク角センサ101、カム角センサ102、エアフローメータ103、吸気温センサ104、空燃比センサ105などの他に、アクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出するアクセルセンサ106、ブレーキペダルの操作を検出するブレーキスイッチ(ブレーキSW)107、スタータモータ18を動作させるためのスタータスイッチ(スタータSW)108などが接続されている。
そして、それらの各種センサおよびスイッチ101〜108から入力する信号に基づいてECU100は、種々の制御プログラムを実行することにより、エンジン1の運転状態を制御する。例えばECU100は、インジェクタ19による燃料噴射制御(噴射量および噴射時期の制御)、イグナイタ21による点火制御(点火プラグ20のよる点火時期の制御)、およびスロットルモータ34によるスロットル開度θの制御(即ち、吸気量の制御)などを実行する。
そのような燃料噴射制御や点火制御は各気筒2毎に好適なタイミングで行われるものであり、そのために、クランクシャフト13の2回転(クランク角で720°)を1周期とするクランクカウンタが生成される。図2に一例を示すようにクランクカウンタは、例えば第1気筒2の上死点(#1TDC)を基準として生成され、図2の下段に示すように時刻t1にカム信号の入力に応じてリセットされて、カウント値が零(0)になった後に、クランク信号の入力に応じてカウントアップされてゆく。
また、ECU100は、スタータSW108がオン操作されるとスタータモータ18を動作させ、クランクシャフト13を回転させる(クランキング)とともに、始動時の燃料噴射および点火の制御を実行して、エンジン1を始動(通常の始動)させる。さらに、以下に説明するようにECU100は、車両の停止時など所定の状況下において自動的にエンジン1を停止させるとともに、その後の運転者の所定操作に応じて、スタータモータ18を用いずにエンジン1を再始動させる、アイドリングストップ制御も実行する。
−アイドリングストップ制御−
図3にはアイドリングストップ制御ルーチンの全体的な処理の流れを示している。このルーチンは、ECU100において所定のタイミングで繰り返し実行されるものであり、まず、ステップST101において、エンジン1の運転中に所定のアイドリングストップ条件が成立したか否か判定する。そして、否定判定(NO)であればリターンする一方、肯定判定(YES)になればステップST102に進んでエンジン1の自動停止処理を実行する。
なお、前記アイドリングストップ条件としては、一例としてエンジン1が運転中であること、アクセルオフ(アクセル開度が所定閾値以下でほぼ0)であること、ブレーキオン(ブレーキ踏力が所定の閾値以上)であること、車速が所定閾値以下であること(停止直前と考えられる場合、および実質、停止していると考えられる場合)などを含むように設定すればよい。
前記ステップST102の自動停止処理により、インジェクタ19からの燃料噴射と点火プラグ20による点火とを停止させると、前記の図2に表れているようにクランクシャフト13の回転速度が低下してゆく。このときにスロットルバルブ33は全閉としてもよいし、アイドル相当の開度θ0としてもよい。そして、以下に詳述するようにクランクシャフト13の回転の停止が判定され(ステップST103)、否定判定(NO)であれば後述のステップST108に進んで、所定の再始動条件が成立したか否か判定する。
このステップST108においても否定判定(NO)すれば前記ステップST102に戻る一方、肯定判定(YES)すればステップST109に進み、詳しくは後述するが、着火始動を行ってルーチンを終了する(END)。一方、前記のステップST103においてクランクシャフト13の回転が停止したと肯定判定(YES)すれば、ステップST104に進んで、所定のデータをバックアップRAMに記憶する。
その後、ECU100は、所定の再始動条件が成立するまで待機する。すなわち、ステップST105においてエンジン1の再始動条件が成立したかどうか判定し、否定判定(NO)であればステップST106に進んで、例えば車両のイグニッションスイッチがオフされたなど、アイドリングストップ制御の終了条件の成立を判定する。この条件の成立について肯定判定(YES)であればルーチンを終了する(END)。
一方、アイドリングストップ制御の終了条件が成立しておらず否定判定(NO)すれば、前記のステップST105に戻る。そして、再始動条件が成立したと肯定判定(YES)すればステップST107に進んで、エンジン1の通常の再始動処理を実行する。なお、再始動条件としては例えば、ブレーキペダルの踏力が緩められて所定の閾値よりも小さくなったこと、アクセル踏み操作がなされたこと、シフトレバーの所定の操作がなされたこと、などを含むように設定すればよい。
また、前記通常の再始動処理について詳細な説明は省略するが、例えばスタータモータ18を作動させてクランキングを開始するとともに、インジェクタ19による燃料の噴射を開始させ、さらに点火プラグ20による点火も開始する。これにより、いずれかの気筒2において燃焼が始まり(初爆)、エンジン回転数が所定値まで上昇すれば(始動完了)、ルーチンを終了する(END)。
−エンジンの停止判定−
次に、前記フローのステップST103におけるクランクシャフト13の回転停止の判定について詳細に説明すると、まず、エンジン1が停止するときには、前記図2の上段に表れているようにエンジン回転数が低下するが、このときには、同図の中段に示すようにクランクシャフト13の回転速度も全体として低下してゆく。また、クランク信号の入力する間隔が長くなってゆくことから、同図の下段に示すようにクランクカウンタのグラフの傾斜は徐々に緩やかになってゆく。
このようにエンジン1の停止する過程においてクランクシャフト13の回転は、各気筒2毎の圧縮行程において上昇する筒内圧によって減速され、図の中段に表れているように上死点(TDC)に近づくに連れて、クランクシャフト13の回転速度が低下する。一方、上死点を越えて膨張行程に移行すれば、今度は筒内圧によってクランクシャフト13の回転が加速されるので、その回転速度は上昇する。
すなわち、クランクシャフト13の回転速度は、各気筒2の上死点(#1TDC、#3TDC、#4TDC、…)の前後で低下および上昇を繰り返しながら、全体としては徐々に低下してゆく。これにより回転の慣性力が小さくなってゆき、図示の例では時刻t2において第3気筒2の上死点(#3TDC)を越えた後に、時刻t3において第4気筒2の筒内圧に抗して上死点(#4TDC)を越えることができなくなる。
このためクランクシャフト13は、上死点の手前で一瞬、停止した後に逆転動作し、その後、再び正回転の向きに少しだけ動作する、という揺り戻しの期間を経て完全に停止するようになる。このとき、時刻t3の少し手前でクランクシャフト13が逆転動作した後は、クランク信号に応じてクランクカウンタが減少し、また、時刻t4において再び正回転の向きになれば、時刻t5においてクランクカウンタは増大する。
そうして揺り戻し期間を経て停止するまでの間にクランクシャフト13の回動する角度が小さくなると、クランク角センサ101からはクランク信号が出力されなくなる。そして、時刻t5〜t6のようにクランク信号の入力しない時間が予め設定した時間Δtになると(時刻t6)、クランクシャフト13の回転が停止した(即ちエンジン1が完全に停止した)と判定される。
−エンジンの着火始動−
次に、前記図3のフローのステップST109におけるエンジン1の着火始動について詳細に説明する。まず、前記のアイドリングストップ制御によってエンジン1が自動停止するのは通常、運転者が車両を停止させようとしているときであるが、上述したようにエンジン1が完全に停止する直前に、運転者の心変わり(Change Of Mind:COM)によって、再びエンジン1を始動することがある。
このときに運転者は例えばブレーキペダルを離して、アクセルペダルを踏み込むので、エンジン1の再始動条件が成立し(ステップST108でYES)、これに応じて膨張行程にある気筒2への燃料噴射および点火が行われて、クランクシャフト13に回転力を付与することにより、スタータモータ18を用いずにエンジン1を始動させることができる(ステップST109)。
具体的には、例えば図2を参照して上述した時刻t1〜t2のようにクランクシャフト13が正回転していて、その慣性力が或る程度以上、大きいときに再始動条件が成立すれば、そのときに圧縮行程にある第3気筒2が上死点(#3TDC)を越えて膨張行程に移行したときに、インジェクタ19により燃料を噴射させ、これにより混合気が形成されるのを待って点火プラグ20により点火するのである。
そのようにスタータモータ18を用いずにエンジン1を始動させるためには、最初に点火される第3気筒2において吸気量を確保し、十分な燃焼トルクを得ることが望ましい。そのためには、エンジン1が停止する過程において、予め再始動に備えてスロットルバルブ33を開いておくことも考えられるが、こうすると各気筒2の圧縮反力が大きくなる結果として、エンジン1の振動なども大きくなるおそれがある。
すなわち、図2を参照して上述したように、エンジン1が停止するときにクランクシャフト13の回転速度は、全体として低下しながら、各気筒2毎に圧縮行程では減速される一方、上死点を越えれば加速されるというように、上死点(TDC)の前後で変動する。そして、前記のようにエンジン1の再始動に備えてスロットルバルブ33を開けば、吸気量の増大によって各気筒2の圧縮行程における筒内圧が上昇することから、図2には点線のグラフで示すように回転変動が大きくなってしまう。
これによりエンジン1が停止する過程での振動が増大するとともに、停止間際のクランクシャフト13の逆転動作およびその後の正転動作(揺り戻し)も大きくなってしまい、エンジン1が大きく揺動することになる。よって、仮に再始動条件が成立せずにエンジン1が停止する場合には、前記振動の増大やエンジン1の揺動によって運転者が違和感を覚えやすいという問題がある。
これに対し本実施の形態では、エンジン1が自動停止される過程で、運転者の心変わり(COM)によってエンジン1が再始動する可能性について判定して、この可能性が所定以上に大きい場合にはスロットル開度θを大きめに制御するようにした。以下では図4のフローチャートを参照して、前記のようなアイドリングストップ制御時のスロットル制御ルーチンについて具体的に説明する。
このルーチンは、図3を参照して上述したエンジン1の自動停止処理(ステップST102)が行われて、クランクシャフト13の回転速度が低下するときに、所定のタイミングで繰り返し実行される。すなわち、ステップST201ではアイドリングストップ条件が成立したか否か判定し、否定判定(NO)であればリターンする一方、肯定判定(YES)すればステップST202に進んで、スロットル開度θを例えばアイドル相当の開度θ0に制御する。
続いてステップST203においてCOM判定必要情報を取得する。これは、運転者の心変わりによってエンジン1の再始動条件が成立する可能性を判定するための情報であり、少なくとも所定の車両周辺情報を含んでいる。より具体的にはCOM判定必要情報は、例えばITS(Intelligent Transport Systems)による情報、車両間データ通信による情報、緊急車両接近情報、車両の前方の状況を判定できるレーダ装置やカメラによる情報などが挙げられる。
また、COM判定必要情報としては車両周辺情報以外にも、例えば運転者によるブレーキペダルやステアリング、シフトレバーなどの操作に関する情報を含んでいてもよい。例えば運転者がブレーキペダルを強く踏み込んで車両に急ブレーキをかけたときには、その後、すぐに再始動条件が成立する可能性は低いと考えられる。なお、急ブレーキについてはブレーキ油圧センサや前後Gセンサなどの信号によって判定することもできる。
そうして取得したCOM判定必要情報に基づいてステップST204では、COM可能性予測を行う。これは、エンジン1の停止前に再始動条件が成立する可能性が所定以上(例えば70〜80%以上)に高いか否か判定するものであり、具体的には以下のような場合に、エンジン1の停止前に再始動条件が成立する可能性が所定以上に高いと判定する。すなわち、図5(a)に模式的に示すように、車両Vの前方が赤信号で或る程度以上の時間、停車すると考えられる場合はCOMの機会が得られないと判定する。
また、図5(b)に模式的に示すように、車両Vの前方で渋滞が発生しており、一旦、停車した後はしばらく発進しないと考えられる場合も、COMの可能性は低いと判定する。さらに、図5(c)に模式的に示すように、車両Vの前方を歩行者が横断しており、例えばレーダ装置やカメラからの情報により自動ブレーキが動作した場合も、COMの可能性は低いと判定する。なお、車両には図5にのみ符号Vを付して示している。
そのような判定の結果、再始動条件が成立する可能性が所定以上に高いと肯定判定(YES)すれば、ステップST205に進んでスロットル開度θを大きめの開度θ1に制御する。一方、否定判定(NO)すればステップST206に進んで、スロットル開度θを小さめの開度θ2に制御する。続いてステップST207では、実際に再始動条件が成立したか、ルーチンの開始から所定時間が経過したか、またはエンジン回転数が所定回転数以下になったか否か判定する。
そして、それらの条件がいずれも不成立ならば否定判定(NO)して待機する一方、いずれか一つの条件でも成立すれば肯定判定(YES)し、ルーチンを終了して通常のスロットル制御に移行する(エンド)。
前記図4のフローのステップST204を実行することによってECU100は、アイドリングストップ条件の成立後にエンジン1が停止する前に、少なくとも所定の車両周辺情報に基づいて再始動条件が成立する可能性について判定する判定手段を構成する。また、ステップST205を実行することによってECU100は、エンジン1の停止前に再始動条件が成立する可能性が所定以上に高いと判定した場合に、スロットル開度θを大きくするスロットル制御手段を構成する。
以上、説明したように本実施の形態では、図6に模式的に示すように、アイドリングストップ制御によって車両のエンジン1を自動停止させる際、暫くの間はスロットル開度θをアイドル相当の開度θ0とし、少なくとも所定の車両周辺情報に基づいてCOMの判定、即ちエンジン1の停止前に再始動条件が成立することの可能性について判定する(時刻t1〜t2)。
そして、再始動の可能性が所定以上に高いと判定すれば、再始動に備えてスロットル開度θを大きめの開度θ1とし、気筒2への吸気量を確保して十分な燃焼トルクを得ることにより、エンジン1の始動性を高めることができる。一方、再始動の可能性があまり高くないと判定すれば、スロットル開度θは小さめの開度θ2とすることにより、エンジン振動などの増大を抑制して、運転者が違和感を覚え難くすることができる。
本実施の形態においてエンジン1は、各気筒2に直接、燃料を噴射するようにインジェクタ19を設けており、着火始動の際は膨張行程にある気筒2への燃料噴射および点火を実行するようにしている。この場合はポート噴射式のエンジンに比べて、より低回転側(即ち停止間際)までスタータモータ18を用いない始動が可能になる一方、エンジン振動などの問題が大きくなりやすいので、上述した作用効果がより有効なものとなる。
−他の実施の形態−
以上、説明した実施の形態の記載は例示に過ぎず、本発明の構成や用途などについても限定することを意図しない。例えば前記実施の形態では、アイドリングストップ制御によって車両のエンジン1を自動停止させる際、暫くの間はスロットル開度θをアイドル相当の開度θ0としているが、これに限らず、例えばスロットル開度θを維持するようにしてもよいし、全閉にするようにしてもよい。
また、前記実施の形態ではアイドリングストップ条件として、車速が所定閾値以下であること(停止直前と考えられる場合、および実質、停止していると考えられる場合)などを含むように設定しているが、これにも限定されず、車両の走行中にエンジン1を自動で停止させ、再始動する場合にも、本発明を適用することができる。
さらに、前記実施の形態では、車両に搭載された筒内噴射式のガソリンエンジン1に本発明を適用した場合について説明しており、インジェクタとしては筒内噴射用のインジェクタ19のみであるが、これにも限定されず、それ以外にポート噴射用のインジェクタも備えるエンジンにも本発明を適用可能である。また、ガソリンエンジンにも限定されず、筒内噴射式のアルコールエンジンやガスエンジンなどにも本発明は適用可能である。
本発明は、筒内噴射式エンジンの停止直前に再始動条件が成立した場合に、スタータモータを用いずスムーズに再始動させることができるものであり、例えば自動車に搭載されたエンジンに適用して効果が高い。
1 エンジン
33 スロットルバルブ
100 ECU(判定手段、スロットル制御手段)

Claims (1)

  1. 車両のエンジンの運転中に自動停止条件が成立すれば、エンジンを停止させるようにした制御装置であって、
    前記自動停止条件の成立後にエンジンが停止する前に、少なくとも所定の車両周辺情報に基づいて再始動条件が成立する可能性を判定する判定手段と、
    前記判定手段によって、エンジンの停止前に再始動条件が成立する可能性が所定以上に高いと判定された場合は、そう判定されない場合よりもスロットルバルブの開度を大きくするスロットル制御手段と、を備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
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