JP6172449B2 - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents
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Description
アイドルストップ機能とは、車両走行時に交差点で停止するなどし、所定の停止条件が成立した時や、交差点等での走行停止までの減速時に所定の停止条件が成立した時に、内燃機関への燃料供給を停止して内燃機関のアイドル運転を停止させ、その後、所定の再始動条件が成立した時に内燃機関を再始動させ車両を発進或いは走行させるものである。
しかしながら、内燃機関停止制御信号或いは燃料噴射停止制御信号の解除を判定するタイミングを可変させることは、判定タイミングの演算が必要となり、当該演算による演算負荷の増大を招くこととなり、好ましいことではない。
また、請求項3の内燃機関の始動制御装置では、請求項1又は2において、前記始動制御手段は、前記内燃機関の運転中に所定の停止条件が成立すると前記内燃機関を自動停止し、所定の再始動条件が成立すると前記内燃機関を再始動させる機能を有し、前記燃料噴射制御手段の前記同期噴射禁止期間は、前記再始動条件が発生してから前記所定の期間に設定されることを特徴とする。
したがって、演算を省略することで演算負荷の増大を抑制しつつ、第2気筒へ確実に燃料を供給することで噴射抜けを防止し内燃機関の始動時における内燃機関の挙動を安定させることができる。
また、請求項3の発明によれば、始動制御手段は、内燃機関の運転中に所定の停止条件が成立すると内燃機関を自動停止し、所定の再始動条件が成立すると内燃機関を再始動させる機能を有しており、同期噴射禁止期間を再始動条件が発生してから所定の期間に設定することで、内燃機関の再始動時のクランク角が第1気筒の非同期噴射後に行われる第2気筒への同期噴射の噴射タイミングより僅かに早く、同期噴射の噴射タイミングまでに内燃機関停止制御信号の解除或いは燃料噴射停止制御信号等の解除が間に合わないような場合であっても、同期噴射に替えて補助噴射を実施することで、第2気筒へ確実に燃料を供給して、内燃機関の再始動時における噴射抜けを防止し、内燃機関の挙動を安定させることができるので、運転者に違和感をあたえることのない再始動を実施することができる。
図1は、本発明に係る内燃機関の始動制御装置が適用されたエンジンの概略構成図である。図2は、アイドルストップのエンジン停止におけるエンジン再始動時のクランク角信号、燃料噴射等の一例を時系列で示す図である。そして、図2の上段よりカム角信号、クランク角信号、#1気筒と#3気筒と#2気筒それぞれの燃料噴射信号、非同期許可範囲、同期噴射時期、点火信号、行程、吸気バルブ及び排気バルブの開弁時期を示している。また、図3は、エンジン回転停止からのエンジン再始動時におけるクランク角信号とエンストモードフラグと燃料噴射タイミングとを時系列で示す図である。そして、図4は、エンジン回転非停止からのエンジン再始動時におけるクランク角信号とフューエルカットモードフラグと燃料噴射タイミングとを時系列で示す図である。図3の上段よりクランク角信号、エンストモードフラグ、#3気筒の燃料噴射、非同期許可範囲、#2気筒の同期噴射時期、燃料噴射、非同期許可範囲(本発明の所定のクランク角期間に相当)を示している。そして、図4の上段よりクランク角信号、フューエルカットモードフラグ、#3気筒の燃料噴射、非同期許可範囲、#2気筒の同期噴射時期、燃料噴射、非同期許可範囲(本発明の所定のクランク角期間に相当)を示している。図2から図4中の同期噴射時期は、クランク角に基づいて燃料噴射を実施する同期噴射(本発明の通常噴射に相当)の時期を示している。そして、同期噴射時期は、燃料噴射を実施する気筒の圧縮上死点から所定のクランク角(本発明の所定のクランク角に相当)前に設定される。また、非同期許可範囲は、クランク角によらずに燃料を噴射する非同期噴射(本発明の初期噴射に相当)を実施するクランク角期間を示している。そして、非同期許可範囲は、気筒毎にそれぞれ設定される。また、図3中のエンジン停止位置は、アイドルストップ時のエンジン1のクランクシャフト7の回転が停止(以降、エンジン1の回転が停止と記載する)したときのクランク角を示している。そして、エンストモードフラグは、当該フラグが成立している時には、同期噴射の実施を禁止するフラグである。また、図4中の自立復帰タイミングは、再始動要求条件が成立し、スタータ17(本発明のクランクシャフト駆動手段)によらず燃料噴射のみでエンジン1を再始動する自立復帰モードにおける自立始動条件が成立したタイミングを示している。そして、フューエルカットモードフラグは、当該フラグが成立している時には、同期噴射の実施を禁止するフラグである。また、図3及び図4中の補助噴射は、エンジン1の再始動要求が成立した後に、エンストモードフラグ或いはフューエルカットモードフラグが不成立となる所定の期間までの同期噴射の実施が禁止される期間(本発明の同期噴射禁止期間に相当)中に、同期噴射時期を迎える気筒において、同期噴射に替えて実施する燃料噴射である。なお、図3及び図4中の補助噴射を実施する時期を一例として同期噴射時期と同一としているが、これに限られるものではなく、補助噴射を実施する時期は、エンジン1の再始動要求が成立した後から当該補助噴射を実施する気筒の吸気行程終了までであれば良く、例えばエンジン1の再始動要求が成立した後から当該補助噴射を実施する気筒に設定されている通常噴射時期以前として、燃料の気化時間を十分に確保するようにしてもよい。
また、シリンダヘッド4には、燃焼室4aに臨んで混合気に点火を行う点火プラグ14が設けられている。
吸気ポート4bには、燃焼室4aと吸気ポート4bの連通と遮断を実施する吸気バルブ10が設けられている。そして、吸気バルブ10は、吸気カムシャフト12により駆動される。
排気ポート4cには、燃焼室4aと排気ポート4cとの連通と遮断を実施する排気バルブ11が設けられている。そして、排気バルブ11は、排気カムシャフト13により駆動される。
ピストン6は、コンロッド7を介してクランクシャフト8に連結されている。また、クランクシャフト8の一端部には図示しないフライホイールが設けられている。
クランクシャフト8には、クランク角を検出するクランク角センサ(クランク角検出手段)15のターゲットである図示しないセンシングリングが設けられている。
一方、電子コントロールユニット20の出力側には、燃料噴射弁3、点火プラグ14及びスタータ17が電気的に接続されている。
図5及び図6は、電子コントロールユニット20におけるアイドルストップ制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
図5及び図6に示すように、ステップS10では、コーストアイドルストップ条件が成立したか、否かを判別する。判別結果が真(Yes)でコーストアイドルストップ条件が成立していれば、ステップS12に進む。また、判別結果が偽(No)でコーストアイドルストップ条件が成立していなければ、ステップS32に進む。
ステップS16では、自立始動条件(例えば、エンジン回転速度が所定の回転速度(本発明の自立復帰モード判定における内燃機関の回転速度の判定時の所定の回転速度に相当)より高い)が成立したか、否かを判別する。判別結果が真(Yes)で自立始動条件が成立していれば、ステップS18に進む。また、判別結果が偽(No)で自立始動条件が成立していなければ、ステップS22に進む。
一方、ステップS22では、スタータ始動条件が成立したか、否かを判別する。判別結果が真(Yes)でスタータ始動条件が成立していれば、ステップS24に進む。また、判別結果が偽(No)でスタータ始動条件が成立していなければ、ステップS22の処理を再度実施する。
ステップS26では、クランク角センサ15よりクランク角信号の入力があるか、否かを判別する。判別結果が真(Yes)でクランク角センサ15よりクランク角信号の入力があれば、ステップS28に進む。また、判別結果が偽(No)でクランク角センサ15よりクランク角信号の入力がなければ、ステップS26の処理を再度実施する。
ステップS32では、車速が0km/hであるか、否かを判別する。詳しくは、車速センサより供給される車速が0km/hで、車両が停止しているか、否かを判別する。判別結果が真(Yes)で車速が0km/hで、車両が停止していれば、ステップS34に進む。また、判別結果が偽(No)で車速が0km/hでなく、車両が停止していなければ、ステップS32の処理を再度実施する。
ステップS36では、アイドルストップを実施する。詳しくは、燃料噴射弁3への燃料供給を停止しエンジン1の運転を停止し、エンジン1の回転を停止させる。また、クランク角センサ15より供給されるクランク角信号及びカム角センサ16より供給されるカム角信号に基づいて、気筒識別情報とエンジン1の回転が停止した時のクランク角を記憶する。そして、ステップS38に進む。
ステップS40では、自立始動条件(例えば、エンジン回転速度が所定の値(本発明の自立復帰モード判定における内燃機関の回転速度の判定時の所定の値に相当)より高い)が成立したか、否かを判別する。判別結果が真(Yes)で自立始動条件が成立していれば、ステップS42に進む。また、判別結果が偽(No)で自立始動条件が成立していなければ、ステップS46に進む。
一方、ステップS46では、スタータ始動条件が成立したか、否かを判別する。判別結果が真(Yes)でスタータ始動条件が成立していれば、ステップS48に進む。また、判別結果が偽(No)でスタータ始動条件が成立していなければ、ステップS46の処理を再度実施する。
ステップS50では、クランク角センサ15よりクランク角信号の入力があるか、否かを判別する。判別結果が真(Yes)でクランク角センサ15よりクランク角信号の入力があれば、ステップS52に進む。また、判別結果が偽(No)でクランク角センサ15よりクランク角信号の入力がなければ、ステップS50の処理を再度実施する。
このように、本発明に係る内燃機関の始動制御装置では、非自立復帰モードでは、再始動要求条件が成立し、自立始動条件が成立していなければ、スタータ17に作動指令を出力し、スタータ17を駆動させる。その後、エンジン1の回転が停止している場合には、記憶されたエンジン1の回転停止時の気筒識別情報とクランク角とに基づいて、或いは、エンジン1が回転している場合には、クランク角信号とカム角信号とに基づいて、クランク角が非同期許可範囲にある気筒に非同期噴射を実施する。その後、クランク角が圧縮上死点から所定のクランク角となった気筒から順にクランク角が圧縮上死点から所定のクランク角となると同期噴射を実施する。また、エンジン1の再始動要求が成立した後に、エンストモードフラグが不成立となるまでの同期噴射の実施が禁止される同期噴射禁止期間中に、同期噴射時期を迎える気筒においては、同期噴射に替えてエンジン1の停止位置から最初のクランク角信号が入力されたタイミングで補助噴射を行っている。また、自立復帰モードでは、再始動要求条件が成立し、自立始動条件が成立すると、クランク角信号とカム角信号とに基づいて、クランク角が非同期許可範囲にある気筒に非同期噴射を実施する。その後、クランク角が圧縮上死点から所定のクランク角となった気筒から順にクランク角が圧縮上死点から所定のクランク角となると同期噴射を実施する。また、エンジン1の再始動要求が成立した後に、フューエルカットモードフラグが不成立となるまでの同期噴射の実施が禁止される同期噴射禁止期間中に、同期噴射時期を迎える気筒においては、同期噴射に替えて自立復帰タイミングから2度目のクランク角信号が入力されたタイミングで補助噴射を行っている。
また、エンジン1の運転を迅速に再開する必要のある自立復帰モード時に、補助噴射を実施することで、エンジン1の再始動時における噴射抜けを防止し、迅速にエンジン1を再始動することができる。
3 燃料噴射弁(燃料噴射手段)
8 クランクシャフト
15 クランク角センサ(クランク角検出手段)
16 カム角センサ
17 スタータ(クランクシャフト駆動手段)
20 エンジンコントロールユニット(始動制御手段)
Claims (4)
- 複数の気筒を有する内燃機関のクランクシャフトの角度を検出し、クランク角信号を出力するクランク角検出手段と、
前記複数の気筒に対応してそれぞれ設けられ燃料を噴射する燃料噴射手段と、
所定のクランク角にて前記燃料噴射手段より前記燃料を噴射する同期噴射と、所定のクランク角期間内であって前記所定のクランク角とは異なるクランク角にて前記燃料噴射手段より前記燃料を噴射する非同期噴射と、を実施させる始動制御手段と、
を備える内燃機関の始動制御装置において、
前記始動制御手段は、
前記内燃機関の始動要求の発生から所定の同期噴射禁止期間は前記同期噴射を禁止すると共に、
前記始動要求の発生から当該同期噴射禁止期間終了までの間に前記クランク角検出手段から最初の前記クランク角信号を受信すると、当該クランク角が属する前記所定のクランク角期間に対応する気筒である第1気筒に前記非同期噴射を実施する初期噴射と、
前記第1気筒以降に吸気行程となる気筒である第2気筒に対して前記同期噴射を実施する通常噴射と、を実施するものであって、
前記始動制御手段は、前記第2気筒の前記通常噴射の噴射時期が前記同期噴射禁止期間内にある場合には、前記通常噴射に替えて、前記同期噴射禁止期間内での最初の前記クランク角信号の受信から前記第2気筒の前記吸気行程終了までの期間に、前記燃料噴射手段より前記燃料を噴射する補助噴射を前記第2気筒に対して実施することを特徴とする、内燃機関の始動制御装置。 - 前記始動制御手段は、前記補助噴射の噴射時期を前記第2気筒の前記同期噴射の噴射時期以前に設定することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の始動制御装置。
- 前記始動制御手段は、前記内燃機関の運転中に所定の停止条件が成立すると前記内燃機関を自動停止し、所定の再始動条件が成立すると前記内燃機関を再始動させる機能を有し、
前記燃料噴射制御手段の前記同期噴射禁止期間は、前記再始動条件が発生してから前記所定の期間に設定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の内燃機関の始動制御装置。 - 前記内燃機関の前記クランクシャフトを駆動するクランクシャフト駆動手段を備え、
前記始動制御手段は、
前記所定の停止条件の成立後、前記内燃機関の回転速度が所定の回転速度以下となる以前に前記再始動条件が成立すると、前記クランクシャフト駆動手段によらず燃料噴射によって前記内燃機関の再始動を実施する自立復帰モードと、
前記所定の停止条件の成立後、前記内燃機関の回転速度が所定の値以下である時に前記再始動条件が成立すると、前記燃料噴射と前記クランクシャフト駆動手段によって前記内燃機関の再始動を実施する非自立復帰モードと、を有し、
前記補助噴射を少なくとも前記自立復帰モードである時に実施することを特徴とする、請求項3に記載の内燃機関の始動制御装置。
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