JP2006009619A - 筒内噴射型内燃機関の始動装置 - Google Patents

筒内噴射型内燃機関の始動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 燃料噴射から点火までのインターバル時間を適切に設定して良好な燃料気化及び筒内での燃料付着の抑制により失火を回避し、もって確実な始動を実現できる筒内噴射型内燃機関の始動装置を提供する。
【解決手段】 膨張行程気筒の筒内の燃料気化と相関するパラメータとして、燃料ラインの燃圧f、筒内温度と相関する冷却水温w、膨張行程気筒のピストン位置pを設定し、センサにより検出した各値f,w,pに基づいてインターバル時間Tij0を算出し(ステップS18)、燃料噴射からインターバル時間Tij0が経過した時点で点火を実施する(ステップS28)。
【選択図】 図3

Description

本発明は筒内噴射型内燃機関(以下、エンジンと称する)の始動装置に係り、詳しくは膨張行程気筒に対して燃料噴射及び点火を行って機関を始動する始動装置に関するものである。
迅速且つ低騒音でエンジンを始動させる技術として、クランキングを行うことなく機関の膨張行程気筒に対して燃料噴射及び点火を行って始動させる始動装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。当該始動装置はエンジンの停止時に膨張行程にある気筒を判別し、運転者のスタート操作等に応じて機関を始動する際には、この膨張行程気筒に対して燃料を噴射した後に点火を行って噴射燃料を燃焼させ、これにより機関を始動している。そして、膨張行程気筒での噴射燃料の気化は筒内温度に影響されるため、筒内温度が低下するほど燃料噴射から点火までのインターバル時間を長く設定して確実な点火を図っている。
特開2002−4929号公報
しかしながら、特許文献1の始動装置では筒内温度のみでインターバル時間を設定しており、インターバル時間の設定に関して不十分であった。具体的には燃料気化に影響を及ぼす様々な要因があり、インターバル時間が適切な時間より短過ぎたときには燃料気化が不足し、逆にインターバル時間が長過ぎたときにはシリンダ壁面やピストン頂面への燃料着量が増大し、何れの場合も噴射燃料を点火できずに失火を発生してしまい、確実な始動を実現できないという問題があった。
本発明の目的は、燃料噴射から点火までのインターバル時間を適切に設定して、確実な始動を実現することができる筒内噴射型内燃機関の始動装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、内燃機関の始動時に膨張行程にある気筒に対して燃料噴射手段から燃料を噴射し、所定時間経過後に該膨張行程気筒に対して点火して噴射燃料を燃焼させる筒内噴射型内燃機関の始動装置において、膨張行程気筒の筒内での燃料気化と相関する複数のパラメータを検出する気化相関パラメータ検出手段と、気化相関パラメータ検出手段により検出された複数のパラメータに基づいてインターバル時間を算出し、膨張行程気筒に燃料を噴射すると共に、燃料噴射からインターバル時間の経過後に膨張行程気筒に対して点火を行う制御手段とを備えたものである。
従って、内燃機関の始動時には、制御手段により膨張行程気筒に対して燃料噴射手段から燃料が噴射され、その後にインターバル時間が経過した時点で点火が行われる。インターバル時間が短過ぎたときには燃料気化が不足し、逆にインターバル時間が長過ぎたときには筒内での燃料着量が増大し、何れの場合も失火の要因となるが、インターバル時間が燃料気化と相関する複数のパラメータに基づいて算出されるため、これらの不具合が防止される。
請求項2の発明は、請求項1において、制御手段が、発生頻度が高い機関停止から始動までの機関停止時間を予め設定し、機関停止時間と燃料気化と相関するパラメータとに基づいてインターバル時間を算出するものである。
燃料気化と相関するパラメータは機関停止から始動までの機関停止時間に応じて変化する傾向があり、例えば燃料噴射手段に供給される燃料燃料圧力は機関停止から次第に低下することから、機関停止時間が長引くほど燃料圧力が低下し、それに応じて膨張行程気筒の筒内での燃料気化が悪化する。燃料気化と相関するパラメータのみならず機関停止時間を考慮することで、より適切にインターバル時間を算出可能となる。
一例としては、発生頻度が最も高い機関停止時間を前提として機関始動時のパラメータを推定し、推定したパラメータからインターバル時間のベース値を予め設定しておく。そして、設定したベース値を燃料気化と相関するパラメータから求めた補正値により補正すれば、より適切なインターバル時間が得られる。
請求項3の発明は、請求項1において、気化相関パラメータ検出手段が、少なくとも機関停止に伴って低下する燃料噴射手段への供給燃料の圧力をパラメータとして含むものである。
機関停止状態における膨張行程気筒への燃料噴射は、実質的に燃料噴射手段に供給される燃料の圧力によって行われるが、燃料圧力は機関停止に伴って次第に低下する特性を有し、燃料圧力が低下するほど燃料噴射圧が低下して燃料気化を悪化させる。燃料気化による燃料気化への影響は大きいが、気化相関パラメータ検出手段が検出する複数のパラメータに燃料気化が含まれていることから、燃料気化による影響を排除してより適切なインターバル時間が設定されて、良好な燃料気化及び筒内での燃料付着の抑制により失火を回避可能となる。
以上説明したように本発明の筒内噴射型内燃機関の始動装置によれば、燃料噴射から点火までのインターバル時間を適切に設定して良好な燃料気化及び筒内での燃料付着の抑制により失火を回避し、もって確実な始動を実現することができる。
又、燃料気化と相関するパラメータのみならず機関停止時間を考慮することで、燃料噴射から点火までのインターバル時間を一層適切に設定することができる。
以下、本発明をアイドルストップ車両に搭載された筒内噴射型エンジンの始動装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1の全体構成図に示すように、本実施形態の筒内噴射型エンジンは直列4気筒機関として構成され、各気筒には燃料噴射弁1(燃料噴射手段)及び点火プラグ2が設けられている。各気筒の燃料噴射弁1は筒内、即ち燃焼室3内に燃料を直接噴射可能に構成され、各燃料噴射弁1は燃料ライン4を介して燃料タンク5と接続されている。燃料ライン4にはエンジンにより駆動される燃料ポンプ6が設けられ、この燃料ポンプ6により燃料タンク5内に貯留された燃料(ガソリン)が燃料ライン4を経て所定圧力で各燃料噴射弁1に供給される。
各気筒の燃焼室3内には吸気弁7の開弁に伴って吸気ポート8を経て吸気が導入され、導入された吸気中に燃料噴射弁1から所定のタイミングで燃料が噴射される。噴射燃料は圧縮上死点近傍で点火プラグ2により点火され、燃焼圧をピストン9に作用させて図示しないクランク軸を回転駆動し、一方、燃焼後の排ガスは排気弁10の開弁に伴って排気ポート11から図示しない触媒や消音器を経て外部に排出される。
本実施形態のエンジンは所謂ウォールガイド式の燃料噴霧の移送形態を採っており、このために吸気ポート8は直立して形成され、ピストン9の頂面にはキャビティ9aが形成されている。その結果、燃焼室3内には吸気ポート8から略下方に向けて吸気が導入され、導入された吸気はピストン9のキャビティ9aにより上方に反転して逆タンブル流を生起し、この逆タンブル流を利用して筒内に噴射された燃料の噴霧が効率良く点火プラグ2近傍に移送される。
図示はしないが、このように構成されたエンジンは自動変速機と連結されて車両に搭載されており、エンジンの出力は自動変速機を介して車両の駆動輪に伝達されて車両を走行させる。尚、エンジンをクランキングするための機構は一般的なものと同様であり、クランク軸のリングギア12に対してスタータモータ13のピニオンギア13aを噛合させて回転駆動し、これによりクランキングを行うようになっている。
一方、車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM,BURAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU21(エンジン制御ユニット)が設置されている。ECU21の入力側には、エンジンのクランク軸の回転に同期してクランク角信号を出力するクランク角センサ22、カム軸の回転に同期してTOP信号を出力するカム角センサ23、燃料ライン4内の燃料圧力f(燃料噴射弁1に供給される燃料圧力)を検出する燃圧センサ24、エンジンの冷却水温wを検出する水温センサ25、車速Vを検出する車速センサ26、運転者によるブレーキ操作を検出するブレーキスイッチ27、運転席に設けられたセレクトレバーの操作位置を検出するシフト位置センサ28、車両の図示しないイグニションスイッチ、及びその他の各種スイッチやセンサ類が接続されている。又、ECU21の出力側には上記燃料噴射弁1、点火プラグ2、スタータモータ13、及びその他のデバイス類が接続されている。
そして、本実施形態では、ECU21が制御手段として機能し、クランク角センサ22、カム角センサ23、燃圧センサ24、水温センサ25が気化相関パラメータ検出手段として機能する。
ECU21は上記した各検出情報に基づき燃料噴射制御や点火時期制御を始めとするエンジンを運転するための各種制御を実行する。燃料噴射制御では機関回転速度Ne及び目標平均有効圧Pe(機関負荷)に応じて燃料噴射モードを切換えており、機関回転速度Ne及び目標平均有効圧Peが比較的低い運転領域では燃料噴射時期を圧縮行程に設定した圧縮行程噴射モードが選択され、より高回転・高負荷域では燃料噴射時期を吸気行程に設定した吸気行程噴射モードが選択される。均一燃焼により多量の燃料を燃焼させて機関出力を確保する吸気行程噴射モードに対して、圧縮行程噴射モードでは上記したように逆タンブル流を利用して燃料噴霧を点火プラグ2近傍に移送して点火可能な理論空燃比近傍の混合気を形成した上で、全体として超リーンな空燃比での層状燃焼を行ってCO及びHC低減と燃費向上を図る。
一方、ECU21は信号待ちや渋滞等による車両の停車中には、エンジンを一時的に自動停止させるアイドルストップ制御を実行する。本実施形態ではエンジン停止条件として、車速センサ26により検出された車速Vが0km/hであること、ブレーキスイッチ27によりブレーキ操作が検出されていること、及びシフト位置センサ28により検出されたシフト位置がD(ドライブ)等の走行レンジ又はN(ニュートラル)であることが設定されており、これらの条件が満たされると、ECU21は燃料噴射制御及び点火時期制御を中止してエンジンを停止させる。又、エンジン始動条件としては、ブレーキスイッチ27によりブレーキ操作の解除が検出されていること、及びシフト位置センサ28により検出されたシフト位置がD等の走行レンジであることが設定されており、これらの条件が満たされると、ECU21は燃料噴射制御及び点火時期制御を再開してエンジンを始動する。
以上のアイドルストップ制御でのエンジン始動時、或いは運転者のイグニションスイッチのスタート操作に基づく通常のエンジン始動時において、ECU21は迅速且つ低騒音の始動を目的として、膨張行程気筒に対して燃料噴射及び点火を行う始動専用の制御を実行しており、以下、当該始動制御の詳細を説明する。
ECU21は車両の使用中に図2に示す始動制御ルーチンを所定の制御インターバルで実行している。この始動制御ルーチンはイグニションスイッチのOFF位置以外で常に実行され、運転者のキー操作によりエンジンが停止・始動された(即ち、一旦アクセサリ位置に切換えられた)場合でも継続するように配慮されている。
まず、ECU21はステップS2でエンジン回転速度Neが停止判別値Ne0(例えば、30rpm)未満であるか否かを判定し、No(否定)の判定を下したときにはエンジン運転中と見なしてステップS4でエンジン停止指令が入力されたか否かを判定する。当該エンジン停止指令はアイドルストップ制御でエンジン停止条件が成立したとき、或いは運転者によりイグニションスイッチがOFF操作されたときに入力されるものであり、ステップS4の判定がNoのときにはステップS6で後述する噴射後タイマTij、点火後タイマTig等の各種タイマをリセットしてルーチンを終了する。
そして、エンジン停止指令の入力によりステップS4の判定がYes(肯定)になると、ステップS8で燃料噴射制御及び点火時期制御を中止してエンジンを停止させ、続くステップS10でクランク角センサ23により検出されたクランク角信号とカム角センサ24により検出されたTOP信号とに基づき、エンジン停止の直前に膨張行程に位置する気筒(以下、膨張行程気筒と称する)を判別すると共に、当該膨張行程気筒のピストン位置pを算出し、これらの膨張行程気筒及びピストン位置pに関する情報を記憶装置に記憶する。
一方、このようにしてエンジンが停止されてステップS2の判定がYesになると、ステップS12に移行して噴射後タイマTijが0であるか否かを判定する。噴射後タイマTijは上記ステップS6の処理によりリセットされているため、ステップS12への移行当初はYesの判定を下してステップS14に移行し、エンジン始動指令が入力されたか否かを判定する。当該エンジン停止指令はアイドルストップ制御でエンジン始動条件が成立したとき、或いは運転者によりイグニションスイッチがスタート操作されたときに入力されるものであり、ステップS14の判定がNoのときには一旦ルーチンを終了する。
そして、エンジン始動指令の入力によりステップS14の判定がYesになると、ステップS16に移行して膨張行程気筒に対して燃料を噴射する。当該燃料噴射制御は上記ステップS10で記憶されている情報に基づいて実行され、膨張行程気筒のピストン位置pから算出した筒内空気量に基づいて燃料噴射量を算出し、算出した燃料噴射量に基づいて膨張行程気筒に対して燃料噴射を行う。
ECU21は続くステップS18でインターバル時間Tij0を設定する。当該インターバル時間Tij0は膨張行程に対する燃料噴射から点火までの待機時間であり、その設定手順は後述する。その後、ステップS20で噴射後タイマTijをスタートし、続くステップS22で点火後タイマTigが予め設定された始動判定時間Tig0に達したか否かを判定する。始動判定時間Tig0は膨張行程気筒に対する点火から始動完了までの一般的な所要時間より若干長い値として予め設定されているが、この時点では未だ点火後タイマTigはスタートされていないため、ステップS22でNoの判定を下してルーチンを終了する。
上記ステップS20での噴射後タイマTijのスタートによりステップS12の判定はNoになるため、ECU21はステップS24に移行して噴射後タイマTijがインターバル時間Tij0に達したか否かを判定する。ステップS24に移行当初の判定はNoであるためルーチンを終了し、噴射後タイマTijがインターバル時間Tij0に達するとYesの判定を下してステップS26に移行する。ステップS26では点火後タイマTigが0であるか否かを判定し、点火後タイマTigは0であるためYesの判定を下してステップS28で膨張行程気筒に対して点火を実行し、続くステップS30で点火後タイマTigをスタートした後にステップS22に移行する。
その後はステップS26の判定がNoになるため直接ステップS22に移行し、点火後タイマTigが始動判定時間Tig0に達するとステップS22でYesの判定を下してステップS32に移行する。ステップS32ではエンジン回転速度Neが始動判別値Nes以上であるか否かを判定する。始動判別値Nesは、膨張行程気筒に対する噴射燃料が正常に燃焼されてクランキングが開始されたことを判別するための閾値であり、ステップS32の判定がYesのときにはルーチンを終了する。
尚、図2のフローチャートには明示されていないが、ECU21はステップS32の判定がYesになってクランキングが開始された後には、通常のスタータモータを用いた始動時と同様に後続の各気筒に対して順次燃料噴射及び点火を実行してエンジン始動を完了する。このとき、クランキング開始時において、その時点で圧縮行程にある気筒に対しても燃料噴射を行って圧縮上死点で点火してもよく、この場合にはより早いタイミングでトルクが発生するため、一層迅速にエンジンを始動できる。
一方、ステップS32の判定がNoのときには膨張行程気筒の噴射燃料が燃焼せずにクランキングされていないことが推測されるため、続くステップS34でスタータモータ13を作動させた後にルーチンを終了する。よって、この場合には通常のスタータモータ13によるクランキングでエンジンが始動される。
次に、上記ステップS18で実行されるインターバル時間Tij0の算出処理について詳述する。
「発明が解決しようとする課題」でも述べたように、膨張行程気筒に対する燃料噴射から点火までのインターバル時間Tij0が長い(点火時期が遅い)ほど、燃料気化は促進されるものの筒内での燃料付着量が増大することから、これらのトレードオフの関係となる双方の条件を満足して膨張行程気筒の噴射燃料を確実に点火するには、適切なインターバル時間Tij0の設定が必要不可欠となる。
本実施形態では燃料気化に影響を及ぼす要因として、燃料噴射弁1に供給される燃料圧力f、筒内温度と相関する冷却水温w、膨張行程気筒のピストン位置pが存在することに着目し、これらの要因をインターバル時間Tij0の算出処理に反映させることで適切なインターバル時間Tij0を得ており、具体的には、次式(1)に従ってインターバル時間Tij0を算出している。
Tij0=Tbase+Tf+Tw+Tp ………(1)
ここに、Tbaseはベース値、Tfは燃圧fに基づく燃圧補正値、Twは冷却水温wに基づく水温補正値、Tpはピストン位置pに基づくピストン位置補正値である。
燃圧fを考慮しているのは、以下の理由からである。膨張行程気筒への燃料噴射は燃料ポンプが駆動されないエンジン停止状態で実施されるため、このときの燃料噴射圧は実質的に燃料ポンプ停止後に燃料ラインに残存する圧力(残圧)により行われ、燃料圧力はエンジン停止後に次第に低下する特性を有する。そして、燃料圧力が低下するほど燃料噴射圧も低下し、燃料噴射時の攪拌作用が弱められて燃料霧化が悪化するため燃料気化し難くなり、燃料気化を待つ意味でインターバル時間Tij0を延長する必要が生じる。
本発明者は、インターバル時間Tij0に対する燃圧fの影響を調査すべく試験を実施した。図4に示すようにエンジンと共に燃料ポンプが停止して燃圧fが制御圧(ポンプ作動時の調整圧)から低下するほど、適切なインターバル時間Tij0は延長化され、上記した現象を裏付ける試験結果が得られた。そこで、燃圧補正値Tfは、後述するベース値Tbaseを設定するときに適用される基準燃圧f0を境界として、燃圧fが高いほど負側に減少設定し、燃圧fが低いほど正側に増加設定している。
又、冷却水温wを考慮しているのは、先行技術として説明した特許文献1と同様の趣旨からであり、冷却水温w(筒内温度)の低下に伴って筒内での燃料気化が悪化するためである。本発明者は、インターバル時間Tij0に対する冷却水温wの影響を調査すべく試験を実施し、図5に示すように冷却水温wがサーモスタットによる調整温度から低下するほど、適切なインタバーバル時間Tij0が延長化される試験結果を得た。そこで、水温補正値Twは、後述するベース値Tbaseを設定するときに適用される基準水温w0を境界として、冷却水温wが高いほど負側に減少設定し、燃圧fが低いほど正側に増加設定している。
又、ピストン位置pを考慮しているのは、ピストン位置pによって燃料噴霧が点火プラグ2に到達するまでの移送経路長が変化し、それに応じて燃料気化が変化するためである。即ち、図7に示すようにピストン位置が高いときには、燃料噴霧が点火プラグ2に到達するまでの移送経路長が短いのに対して、図8に示すようにピストン位置が低いほど、燃料噴霧が点火プラグ2に到達するまでの移送経路長が長くなるため、燃料気化を待つ意味でインターバル時間Tij0を延長する必要が生じる。
本発明者は、インターバル時間Tij0に対するピストン位置pの影響を調査すべく試験を実施し、図6に示すようにピストン位置pが低いほど適切なインターバル時間Tij0は延長化され、上記した現象を裏付ける試験結果が得られた。そこで、ピストン位置pは、後述するベース値Tbaseを設定するときに適用される基準ピストン位置p0を境界として、ピストン位置pが高いほど負側に減少設定し、ピストン位置pが低いほど正側に増加設定している。
一方、インターバル時間Tij0のベース値Tbaseは、アイドルストップ制御を前提として最も発生頻度が高いと推測される燃圧f、冷却水温w、ピストン位置pに基づいて設定しており、これらの各値が上記した基準燃圧f0、基準冷却水温w0、基準ピストン位置p0に相当する。
基準燃圧f0及び基準冷却水温w0は、アイドルストップ制御での発生頻度が最も高いエンジン停止時間t0に基づいて設定している。即ち、アイドルストップ制御によるエンジン停止時間を統計した結果、図9に示すように発生頻度が最も高いエンジン停止時間t0を求めると共に、エンジン停止に伴って燃圧f及び冷却水温wが低下する図10,11の特性を試験により求め、これらの試験結果に基づき、エンジン停止時間t0が経過した時点での基準燃圧f0及び基準冷却水温w0を導き出した。
又、基準ピストン位置p0は、図12に示す試験結果に基づいて膨張行程気筒のピストン9の停止頻度が最も高いピストン位置pとして設定した。
そして、図4〜6の燃圧f、冷却水温w、ピストン位置pに関する特性に基づき、基準燃圧f0、基準冷却水温w0、基準ピストン位置p0のときの最適なインターバル時間Tij0として上記したベース値Tbaseを設定した。
以上のようにしてベース値Tbase、燃圧fから燃圧補正値Tfを設定するための図4のマップ、冷却水温wから冷却水補正値Twを設定するための図5のマップ、ピストン位置pからピストン位置補正値Tpを設定するための図6のマップを設定した。
よって、ステップS18では、燃圧センサ24により検出された燃圧f、水温センサ25により検出された冷却水温w、及び記憶装置に記憶されたピストン位置pに関する情報を読み込み、図4のマップに従って燃圧fから燃圧補正値Tfを求め、図5のマップに従って冷却水温wから水温補正値Twを求め、図6のマップに従ってピストン位置pからピストン位置補正値Tpを求め、これらの値及びベース値Tbaseにより式(1)からインターバル時間Tij0を算出し、算出したインターバル時間Tij0に基づいて燃料噴射後の点火を実行する。
このように本実施形態では、特許文献1の始動装置が着目している筒内温度(冷却水温w)のみならず、燃料気化に影響を及ぼす他の要因として燃圧fとピストン位置pもインターバル時間Tij0の算出処理に反映させているため、これらの要因による影響を排除してより適切にインターバル時間Tij0を設定できる。従って、シリンダ壁面やピストン頂面への付着を抑制した上で失火を回避して膨張行程気筒の噴射燃料を燃焼させ、これにより確実にエンジンを始動することができる。結果として失火によりステップS34でスタータモータ13を作動させる機会が減少し、クランキングを要さずに迅速且つ低騒音でエンジン始動可能な当該始動装置のメリットを最大限に発揮させることができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、アイドルストップ車両に搭載された筒内噴射型の直列4気筒エンジンの始動装置に具体化したが、エンジン形式はこれに限ることはなく、筒内噴射型の火花点火式エンジンであれば気筒数や気筒配列を任意に変更可能である。
又、アイドルストップ車両に限ることはなく通常の車両に搭載された筒内噴射型エンジンの始動装置に適用してもよい。この場合には、アイドルストップ制御による発生頻度が最も高いエンジン停止時間t0に代えて、運転者の操作による最も発生頻度が高いエンジン停止時間t0を求め、このエンジン停止時間t0に対応する基準燃圧f0及び基準冷却水温w0を用いてインターバル時間Tij0のベース値Tbaseを設定すればよい。
更に、燃圧f及び冷却水温wは図10,11の特性に従って低下することが判明しているため、燃圧センサ24及び水温センサ25により検出することなくエンジン停止時間から燃圧f及び冷却水温wを推定してもよいし、エンジン停止時間から直接的に燃圧補正値Tfや水温補正値Twを設定してもよい。この場合には、エンジン停止時間をカウントするための計時回路が気化相関パラメータ検出手段として機能する。
一方、本実施形態のエンジンは所謂ウォールガイド式の噴霧移送形態を採ったが、これに代えて噴射直後の燃料を点火して燃焼させながらピストン9のキャビティ9aに到達させる所謂スプレーガイド方式の噴霧移送形態を採用してもよい。
実施形態の筒内噴射型エンジンの始動装置を示す全体構成図である。 ECUが実行する始動制御ルーチンを示すフローチャートである。 同じくECUが実行する始動制御ルーチンを示すフローチャートである。 燃圧とインターバル時間との関係を示す特性図である。 冷却水温とインターバル時間との関係を示す特性図である。 ピストン位置とインターバル時間との関係を示す特性図である。 ピストン位置が高いときの燃料噴霧の移送経路長を示す説明図である。 ピストン位置が低いときの燃料噴霧の移送経路長を示す説明図である。 アイドルストップ制御によるエンジン停止時間の発生頻度を示す図である。 エンジン停止時間に対する燃圧の変化を示す特性図である。 エンジン停止時間に対する冷却水温の変化を示す特性図である。 膨張行程気筒の各ピストン位置での停止頻度を示す図である。
符号の説明
1 燃料噴射弁(燃料噴射手段)
21 ECU(制御手段)
22 クランク角センサ(気化相関パラメータ検出手段)
23 カム角センサ(気化相関パラメータ検出手段)
24 燃圧センサ(気化相関パラメータ検出手段)
25 水温センサ(気化相関パラメータ検出手段)

Claims (3)

  1. 内燃機関の始動時に膨張行程にある気筒に対して燃料噴射手段から燃料を噴射し、所定時間経過後に該膨張行程気筒に対して点火して上記噴射燃料を燃焼させる筒内噴射型内燃機関の始動装置において、
    上記膨張行程気筒の筒内での燃料気化と相関する複数のパラメータを検出する気化相関パラメータ検出手段と、
    上記気化相関パラメータ検出手段により検出された複数のパラメータに基づいてインターバル時間を算出し、上記膨張行程気筒に燃料を噴射すると共に、該燃料噴射から上記インターバル時間の経過後に上記膨張行程気筒に対して点火を行う制御手段と
    を備えたことを特徴とする筒内噴射型内燃機関の始動装置。
  2. 上記制御手段は、発生頻度が高い機関停止から始動までの機関停止時間を予め設定し、該機関停止時間と上記燃料気化と相関するパラメータとに基づいてインターバル時間を算出することを特徴とする請求項1記載の筒内噴射型内燃機関の始動装置。
  3. 上記気化相関パラメータ検出手段は、少なくとも機関停止に伴って低下する上記燃料噴射手段への供給燃料の圧力をパラメータとして含むことを特徴とする請求項1記載の筒内噴射型内燃機関の始動装置。
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JP2010269774A (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 Honda Motor Co Ltd 能動型防振支持装置

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