JP2018070176A - 吸収性物品の包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸収性物品の質感を示し、使用者の購買意欲を高めることができる吸収性物品の包装体を提供する。【解決手段】吸収性物品の包装体1は、吸収性物品20と、複数の吸収性物品を包装する袋状の包装シート10と、を有する。包装シートは、包装体の外面を構成する表面10Tと、包装体の内面を構成し、かつ吸収性物品の外面に接触する裏面10Bと、を有する。包装シートの表面には、包装シートの厚み方向に凹む表面凹部13が複数形成されている。吸収性物品の外面には、吸収性物品の厚み方向に凹むシート凹部24が複数形成されている。表面凹部は、シート凹部と重なる領域に設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、吸収性物品を包装する吸収性物品の包装体に関する。
特許文献1は、吸収性物品を包装する包装体において、包装体を構成する包装シートにエンボス加工を施すことを開示している。包装シートにエンボス加工を施すことにより、艶消し効果を発揮し、高級感を得るように構成されている(例えば、特許文献1の段落0005、0050及び0051参照)。
特表2009−536069号公報
特許文献1の包装体は、包装体の高級感を高め、使用者の購買意欲を高めるように構成されている。しかし、使用者は、包装体の外観の審美性のみならず、吸収性物品の質感に基づいて商品を選択している。特許文献1の包装体は、吸収性物品の質感を示すことができず、吸収性物品の質感に基づく購買意欲を高めることができなかった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、吸収性物品の質感を示し、使用者の購買意欲を高めることができる吸収性物品の包装体を提供することを目的とする。
本開示に係る吸収性物品の包装体(包装体1)は、吸収性物品(吸収性物品20)と、複数の前記吸収性物品を包装する袋状の包装シート(包装シート10)と、を有する吸収性物品の包装体であって、前記包装シートは、前記包装体の外面を構成する表面(表面10T)と、前記包装体の内面を構成し、かつ前記吸収性物品の外面に接触する裏面(裏面10B)と、を有しており、前記包装シートの表面には、前記包装シートの厚み方向に凹む表面凹部(表面凹部13)が複数形成されており、前記吸収性物品の外面には、前記吸収性物品の厚み方向に凹む物品凹部(シート凹部24)が複数形成されており、前記表面凹部は、前記物品凹部と重なる領域に設けられていることを要旨とする。
本開示によれば、吸収性物品の質感を示し、使用者の購買意欲を高めることができる吸収性物品の包装体を提供できる。
一実施形態に係る吸収性物品の包装体の正面側の斜視図である。 一実施形態に係る吸収性物品の包装体の背面側の斜視図である。 図1に示すA−A線に沿った吸収性物品の包装体の断面図である。 図3に示すB部分の拡大図である。 一実施形態に係る包装シートの断面を模式的に示した断面図である。 一実施形態に係る包装シートの表面を模式的に示した平面図である。 変形例に係る包装シートの断面を模式的に示した断面図である。 変形例に係る包装シートの表面を模式的に示した平面図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
吸収性物品と、複数の前記吸収性物品を包装する袋状の包装シートと、を有する吸収性物品の包装体であって、
前記包装シートは、前記包装体の外面を構成する表面と、前記包装体の内面を構成し、かつ前記吸収性物品の外面に接触する裏面と、を有しており、
前記包装シートの表面には、前記包装シートの厚み方向に凹む表面凹部が複数形成されており、
前記吸収性物品の外面には、前記吸収性物品の厚み方向に凹む物品凹部が複数形成されており、
前記表面凹部は、前記物品凹部と重なる領域に設けられる。
使用者が包装体の外面から内面側に向かって押圧すると、包装シートが表面凹部を基点に変形する。包装シートの変形が吸収性物品に伝わり、吸収性物品が物品凹部を基点に変形する。包装シートに表面凹部による複数の変形基点が形成されており、包装シートが柔軟に変形し易い。加えて、吸収性物品に物品凹部による複数の変形基点が形成されているため、吸収性物品が柔軟に変形し易い。表面凹部と物品凹部が重なるように配置されているため、包装体の外面から内面側に向かう力が表面凹部と物品凹部の両方に作用し、包装シート及び吸収性物品が共に柔軟に変形し易くなる。使用者は、包装体の外面から内面側に向かって押した際に、比較的小さい力で大きく変形するため、吸収性物品の柔らかさを実感したり、柔らかいイメージを想起したりできる。使用者が柔らかくかつ肌に優しい吸収性物品であることを認識することにより、購買意欲を高めることができる。
かかる吸収性物品の包装体であって、
前記包装シートの裏面には、前記包装シートの厚み方向に凹む裏面凹部が複数形成されており、
前記表面凹部の深さは、前記裏面凹部の深さよりも浅いことが望ましい。
表面凹部の深さが比較的浅いため、使用者の指が包装シートの表面に触れた際に、指と包装シートの表面との接触面積を広く確保できる。そのため、使用者が押圧した力が包装シート及び吸収性物品により伝達し易く、包装シート及び吸収性物品の柔軟な変形を実現できる。また、裏面凹部の深さが比較的深いため、吸収性物品と包装シートの裏面との接触面積が小さくなり易い。吸収性物品と包装シートの裏面との接触面積が小さいことにより、包装シートを介して吸収性物品に力を伝える際に、当該力の作用点が小さくなり、当該作用点に力が集中する。よって、包装シートと吸収性物品がより柔軟に変形し易く、使用者が柔らかくかつ肌に優しい吸収性物品であることを認識し易い。
かかる吸収性物品の包装体であって、
前記包装シートは、フィルムによって構成されており、
前記吸収性物品の外面は、不織布によって構成されており、
前記表面凹部の間隔は、前記物品凹部の間隔よりも短いことが望ましい。
フィルムからなる包装シートは、表面凹部が多い程、変形基点が多くなり、変形し易い。表面凹部の間隔が比較的短いため、包装シートの柔軟性を確保し易い。一方、不織布は、物品凹部が形成された箇所において不織布の繊維が密集し、硬くなりやすい。そのため、不織布は、物品凹部が多い程、変形し難い。物品凹部の間隔が比較的長いことにより、吸収性物品の柔軟性を確保し易い。よって、包装シートと吸収性物品がより柔軟に変形し易く、使用者が柔らかくかつ肌に優しい吸収性物品であることを認識し易い。
また、表面凹部の間隔が比較的狭いため、使用者が包装体の外面を押圧した際に、当該力が多くの表面凹部に伝わり易く、包装シートがより変形し易い。よって、使用者は、吸収性物品の柔らかさを実感したり、柔らかいイメージを想起したりできる。
かかる吸収性物品の包装体であって、
前記包装シートは、前記吸収性物品の取り出し開口を形成するミシン目を有しており、
前記表面凹部は、前記ミシン目に沿う方向に延びる第1部分と、前記ミシン目を横断する方向に延びる第2部分と、を有し、
前記ミシン目が設けられた領域において、前記第2部分の数は、前記第1部分の数よりも多いことが望ましい。
表面凹部が形成された部分と表面凹部が形成されていない部分とにおいて、ミシン目の引裂強度が異なる。ミシン目が設けられた領域において、第2部分の数が比較的多いため、ミシン目の引裂強度が変化する点が多くなり、ミシン目が一気に引き裂かれ難い。そのため、意図せずに取り出し開口が大きくなることを抑制できる。
表面凹部が形成された部分と、表面凹部が形成されていない部分と、において厚みが異なるため、ミシン目の破断時に発生する音が異なる。そのため、表面凹部がミシン目に対して平行に配置されていると、ミシン目の破断時に発生する音の周波数が一定となり、当該音を大きく感じ易い。一方、表面凹部がミシン目に対して横断していると、ミシン目の破断時に発生する音の周波数が分散し、当該音を小さく感じ易くなる。
かかる吸収性物品の包装体であって、
前記包装シートの曲げ剛性は、前記吸収性物品の曲げ剛性よりも低いことが望ましい。
包装シートの曲げ剛性が比較的低いため、使用者が押圧した際に包装シートが変形し易く、包装シートを介して吸収性物品がより変形し易くなる。よって、使用者が柔らかくかつ肌に優しい吸収性物品であることをより認識し易くなり、使用者の購買意欲を高めることができる。
かかる吸収性物品の包装体であって、
前記表面凹部の幅は、0.15mm以上、2.0mm以下であり、
前記表面凹部の間隔は、0.15mm以上、2.0mm以下であり、
前記物品凹部の幅は、0.25mm以上、5.0mm以下であり、
前記物品凹部の間隔は、0.5mm以上、20.0mm以下であることが望ましい。
このような構成によれば、包装シート及び吸収性物品が共に柔軟により変形し易くなる。使用者が柔らかくかつ肌に優しい吸収性物品であることをより認識し易く、使用者の購買意欲をより高めることができる。
かかる吸収性物品の包装体であって、
前記表面凹部及び前記物品凹部は、エンボスによって形成されており、
前記表面凹部のエンボス率は、10%以上、80%以下であり、
前記物品凹部のエンボス率は、1%以上、90%以下であることが望ましい。
このような構成によれば、包装シート及び吸収性物品が共に柔軟により変形し易くなる。使用者が柔らかくかつ肌に優しい吸収性物品であることをより認識し易く、使用者の購買意欲をより高めることができる。
かかる吸収性物品の包装体であって、
前記包装シートの剛軟度は、46.3mm以上、52.4mm以下であり、
前記包装シートの曲げ剛性は、0.064×10−4Nm/m以上、0.077×10−4Nm/m以下であり、
前記包装シートの曲げヒステリシスは、0.030×10−4Nm/m以上、0.007×10−4Nm/m以下であることが望ましい。
このような構成によれば、包装シートがより変形し易くなる。使用者が柔らかくかつ肌に優しい吸収性物品であることをより認識し易く、使用者の購買意欲をより高めることができる。
===本実施の形態に係る吸収性物品について===
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品の包装体について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
図1は、吸収性物品の包装体1の正面側から見た状態の斜視図であり、図2は、吸収性物品の包装体の背面側から見た状態の斜視図であり、図3は、図1のA−A線に沿った吸収性物品の包装体の断面図である。図4は、図3に示すB部分の拡大図である。吸収性物品の包装体1(以下、包装体1とする)は、吸収性物品20と、複数の吸収性物品20を包装する包装シート10と、を有する。
包装シート10は、袋状に成形されている。包装シート10内の空間に、複数の吸収性物品20が収容されている。包装体1は、互いに対向する正面1A及び背面1Bと、正面1A及び背面1Bの両方に連なり、かつ互いに対向する第1側面1C及び第2側面1Dと、陳列された状態で上側に位置する頂面1Eと、陳列された状態で下側に位置する底面1Fと、を有する。頂面1Eには、持ち運び時に使用者が指をかける把持部2が形成されている。包装体1は、陳列された状態で上下に延びる高さ方向Hと、陳列された状態で左右に延びる横方向Cと、高さ方向H及び横方向Cと直交する奥行方向Dと、を有する。
吸収性物品20としては、例えば、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、吸収パットを例示できる。本実施の形態の吸収性物品20は、使い捨ておむつであり、二つ折りに畳まれた状態で包装シート10内に収容されている。吸収性物品20は、厚み方向Tと、吸収性物品20の前後方向に沿う長手方向Lと、長手方向L及び厚み方向Tに直交する幅方向と、を有する。吸収性物品20の長手方向Lは、包装体1の高さ方向Hに沿っており、吸収性物品20の幅方向は、包装体1の奥行方向Dに沿っており、吸収性物品20の厚み方向Tは、包装体1の横方向Cに沿っている。
包装体1は、図3に示すように、複数の積層体25を有する。積層体25は、吸収性物品20が厚み方向Tに積層されていた集合体である。積層体25は、吸収性物品20の長手方向L(包装体1の高さ方向H)に重なっている。なお、積層体25は、吸収性物品20の厚み方向Tと直交する長手方向L又は幅方向に重なっていればよく、吸収性物品20の幅方向(包装体1の奥行方向D)に重なっていてもよい。複数の積層体25同士は、隣接している。
吸収性物品20は、少なくとも、図示しない吸収体と、吸収性物品20の外面を構成する外装シート21を有する。外装シート21は、例えば、吸収性物品20の非肌対向面に配置されるシートである。外装シート21は、不織布によって構成されている。なお、外装シート21は、フィルムによって構成されていてもよい。外装シート21は、吸収性物品20の厚み方向Tに突出するシート凸部23と、吸収性物品20の厚み方向Tに凹むシート凹部24と、を有する。シート凸部23とシート凹部24の境界は、外装シート21の厚み方向の中間点である。シート凸部23及びシート凹部24は、吸収性物品20の長手方向L(包装体1の高さ方向H)において交互に配置され、吸収性物品20の幅方向(包装体1の奥行方向D)に延びている。なお、シート凸部23及びシート凹部24は、不規則に配置されていてもよいし、吸収性物品の幅方向に交互に配置され、かつ長手方向Lに延びていてもよい。シート凹部24の幅は、0.25mm以上、5.0mm以下である。シート凹部24の間隔は、0.5mm以上、20.0mm以下である。シート凹部の幅及び間隔が一定でない形態にあっては、全てのシート凹部の幅及び間隔が、上記数値範囲内であることが好ましい。
外装シート21のシート凹部24は、吸収性物品20の外面において吸収性物品20の厚み方向Tに凹んでおり、本発明の物品凹部を構成する。物品凹部は、吸収性物品20の外面において厚み方向Tに凹んでいればよく、外装シート21自体をエンボス加工することによって形成された凹部であってもよいし、吸収体に形成された凹部の影響によって外装シート21に形成された凹部であってもよい。本実施の形態のシート凹部は、外装シートにエンボス加工を施すことによって形成されている。物品凹部のエンボス率は、1%以上、90%以下である。エンボス率は、単位面積当たりのシート凹部24の面積の比率である。
包装シート10は、フィルムからなり、袋状に成形されている。図5は、包装シート10の断面を模式的に示した断面図であり、図6は、包装シート10の表面を模式的に示した平面図である。包装シート10の表面10Tは、包装体1の外面を構成し、包装シート10の裏面10Bは、包装体1の内面を構成し、吸収性物品20に接触する。
包装シート10は、フィルム層11と、フィルム層11の表面側に設けられた印刷層12と、を有する。本実施の形態の印刷層12は、フィルム層11の表面側に設けられ、フィルム層11の裏面側に設けられていない。印刷層12は、フィルム層11の裏面側にも設けられてもよい。フィルム層11の厚みは、印刷層12の厚みよりも薄くてよい。印刷層12の厚みは、一定であってもよいし、部分によって異なっていてもよい。具体的には、図5に示すように、表面凹部13の底面における印刷層の厚みT2は、表面凹部の頂面における印刷層12の厚みT1より厚くてよい。印刷層12は、少なくとも、包装体1の正面1A、背面1B、第1側面1C及び第2側面1Dに設けられている。図1及び図2において、印刷層12が設けられた印刷領域P1と、印刷層12が設けられていない(フィルム層11のみからなる)非印刷領域P2と、を示す。印刷領域P1には、着用者の画像を示す着用者画像15と、商品名等の識別情報を表示する識別画像16と、が設けられている。着用者画像15は、着用対象者を指標するための画像であり、着用対象者の顔及び身体の一部を含んでいる。
包装シート10は、吸収性物品20の取り出し開口を形成するミシン目17を有する。図2に示すように、ミシン目17は、包装体1の背面1Bと第2側面1Dとに跨っている。ミシン目17は、点線状に配置された開口と、当該開口間の領域と、によって構成されている。ミシン目17は、包装体の高さ方向Hに延びる部分と、包装体1の横方向Cに延びる部分と、が連続している。使用時にミシン目17が破断されることにより、包装体1に吸収性物品20を取り出すための取り出し開口が形成される。
包装シート10の表面10Tには、包装シート10の裏面10B側に向かって凹む複数の表面凹部13が形成されている。包装シート10の裏面10Bには、包装シート10の表面10T側に向かって凹む複数の裏面凹部14が形成されている。表面凹部13及び裏面凹部14は、包装シートの最外面から内面側に窪んだ部分であり、連続でも不連続でもよい。不連続の場合には、窪んだ部分において最大となる方向の距離を長さ、それに直交する方向の距離を幅とする。なお、包装シート10には、表面凹部13が形成されていればよく、裏面凹部14が形成されていなくてもよい。表面凹部13及び裏面凹部14は、不規則に配置されている。なお、表面凹部13及び裏面凹部114の形状及び配置は、限定されず、例えば、ドットや多角形であってもよいし、千鳥状、格子状点線状等の規則的な配置であってもよいし、不規則な曲線状であってもよいし、不規則な直線状であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。表面凹部13と裏面凹部14は、平面視にて交互に配置されている。詳細には、表面凹部13は、裏面凹部14が形成されていない領域と重なり、裏面凹部14は、表面凹部13が形成されていない領域と重なっている。なお、表面凹部13と裏面凹部14の一部が重なっていてもよい。表面凹部13の領域及び裏面凹部14の領域は、包装シート10の表面と裏面との中間点よりも凹んでいる領域である。
表面凹部13は、物品凹部としてのシート凹部24と重なる領域に設けられている。表面凹部の少なくとも一部が、包装シート10の厚み方向においてシート凹部24に重なっている。使用者が包装体1の外面から内面側に向かって押圧すると、包装シート10が表面凹部13を基点に変形する。包装シート10の変形が吸収性物品20に伝わり、吸収性物品20がシート凹部24を基点に変形する。包装シート10に表面凹部13による複数の変形基点が形成されており、包装シート10が柔軟に変形し易い。加えて、吸収性物品20にシート凹部24による複数の変形基点が形成されているため、吸収性物品20が柔軟に変形し易い。表面凹部13とシート凹部24が重なるように配置されているため、包装体1の外面から内面側に向かう力が表面凹部13とシート凹部24の両方に作用し、包装シート10及び吸収性物品20が共に柔軟に変形し易くなる。使用者は、包装体1の外面から内面側に向かって押した際に、比較的小さい力で大きく変形するため、吸収性物品20の柔らかさを実感したり、柔らかいイメージを想起したりできる。使用者が柔らかくかつ肌に優しい吸収性物品20であることを認識することにより、購買意欲を高めることができる。また、表面凹部13のみならず裏面凹部14が設けられていることにより、包装シート10の変形基点が増え、包装シート10がより変形し易くなる。
表面凹部13の幅及び裏面凹部14の幅は、それぞれ0.15mm以上、2.0mm以下である。表面凹部13の幅及び裏面凹部14の幅が一定でない形態にあっては、最大幅が2.0mm以下であり、最小幅が0.15mm以上であればよい。好適には、表面凹部の幅は、0.15mm以上、2.0mm以下であり、裏面凹部の幅は、0.30mm以上、2.0mm以下であってよい。より好ましくは、表面凹部13の幅及び裏面凹部14の幅は、指紋の凸部を構成する隆線の間隔に対応する0.3mm以上、0.5mm以下がよい。表面凹部13の長さは、表面凹部13の幅よりも長く、裏面凹部14の長さは、裏面凹部14の幅さよりも長い。なお、表面凹部13の長さは、表面凹部13の幅と同じであってもよいし、表面凹部13の幅よりも短くてもよい。裏面凹部14の長さは、裏面凹部14の幅と同じであってもよいし、裏面凹部14の幅よりも短くてもよい。表面凹部13の間隔及び裏面凹部14の間隔は、それぞれ0.15mm以上、2.0mm以下である。好適には、表面凹部の間隔は、0.30mm以上、2.0mm以下であり、裏面凹部の間隔は、0.15mm以上、2.0mm以下であってよい。より好ましくは、0.8mm以下がよい。このような寸法の表面凹部13及び裏面凹部14によれば、包装シート及び吸収性物品が共に柔軟により変形し易くなる。使用者が柔らかくかつ肌に優しい吸収性物品であることをより認識し易く、使用者の購買意欲をより高めることができる。
包装体1の外面から視認した状態において、表面凹部13の間隔は、シート凹部24の間隔よりも短い。フィルムからなる包装シート10は、表面凹部13が多い程、変形基点が多くなり、変形し易い。表面凹部13の間隔が比較的短いため、包装シート10の柔軟性を確保し易い。一方、不織布は、シート凹部24が形成された箇所において不織布の繊維が密集し、硬くなり易い。そのため、不織布からなる外装シート21は、シート凹部24が多い程、変形し難い。シート凹部24の間隔が比較的長いことにより、吸収性物品20の柔軟性を確保し易い。よって、包装シート10と吸収性物品20がより柔軟に変形し易く、使用者が柔らかくかつ肌に優しい吸収性物品であることを認識し易い。また、表面凹部13の間隔が比較的狭いため、使用者が包装体1の外面を押圧した際に、当該力が多くの表面凹部13に伝わり易く、包装シート10がより変形し易い。よって、使用者は、吸収性物品20の柔らかさを実感したり、柔らかいイメージを想起したりできる。
表面凹部13は、着用者画像15が設けられた領域において不規則に配置されている。着用者画像15に規則的な表面凹部13が形成されていると、着用者画像に規則的な模様が形成され、肌のような質感を生じ難い。一般的に人物の肌の表面の凹凸は、規則的なドットや線状ではなく、不規則に形成されている。表面凹部13が不規則であることにより、着用者画像の肌の質感をより高め、審美性を高めることができる。
表面凹部13の深さD1は、裏面凹部14の深さD2よりも浅い。表面凹部13は、印刷層12とフィルム層11とに形成されているため、ここでいう表面凹部13の深さD1は、フィルム層11上に印刷層12が設けられた状態の深さであり、印刷層12の表面側の頂面と印刷層12の底面との厚み方向の距離である。裏面凹部14の深さD2は、フィルム層11の裏面側の頂面とフィルム層11の底面との厚み方向の距離である。
表面凹部13の深さが比較的浅いため、使用者の指が包装シート10の表面に触れた際に、指と包装シート10の表面10Tとの接触面積を広く確保できる。そのため、使用者が押圧した力が包装シート10及び吸収性物品20により伝達し易く、包装シート10及び吸収性物品20の柔軟な変形を実現できる。また、裏面凹部14の深さが比較的深いため、裏面凹部14の面積が大きくなり、包装シート10の裏面10Bと吸収性物品20との接触面積が小さくなり易い。また、裏面凹部14の深さが比較的深いことにより、裏面凹部14間の領域が潰れても、裏面凹部14の底面まで潰れ難く、包装シート10の裏面10Bと吸収性物品20との接触面積が小さくなり易い。吸収性物品20と包装シート10の裏面10Bとの接触面積が小さいことにより、包装シート10を介して吸収性物品20に力を伝える際に、当該力の作用点が小さくなり、当該作用点に力が集中する。よって、包装シート10と吸収性物品20がより柔軟に変形し易く、使用者が柔らかくかつ肌に優しい吸収性物品20であることを認識し易くなる。
また、フィルム層11の表面凹部13の深さD3は、フィルム層11の裏面凹部14の深さD2よりも浅い。フィルム層11の表面凹部13の深さD3は、印刷層12を含まない深さであり、フィルム層11の表面側の頂面とフィルム層11の底面との厚み方向の距離である。包装シート10に印刷を施す際は、フィルム層11に表面凹部13及び裏面凹部14を形成した後に、フィルム層11上に印刷層12を設けることができる。このとき、表面凹部13の深さが比較的浅いため、フィルム層11上の全体に印刷層12をむらなく形成し易い。印刷層12をむらなく形成することにより、包装シート10の審美性をより高めることができる。
本実施の形態の包装シート10は、厚み0.04mm〜0.20mmのフィルム層をエンボス加工した後に、印刷を施すことによって得ることができる。より好適なフィルム層の厚みは、0.05mm以上、0.08mm以下である。エンボス加工は、一対のロール間にフィルム層11を通過させることによって加工する。一対のロールは、裏面凹部14に対応する凸部が外周面に設けられた第1ロールと、フラットな外周面を有する第2ロールと、を有する。一対のロール間にフィルム層11を通過させることにより、第1ロールの凸部によって裏面凹部14が形成されるとともに、裏面凹部14の形成に伴ってフィルム層11が引っ張られることにより、裏面凹部14間の厚み方向に対応する表面に凸部が形成され、裏面凹部14以外の領域に表面凹部13が形成される。このように形成された裏面凹部の深さD2は、フィルム層11の表面凹部13の深さD3よりも深い。次いで、フィルム層11の表面側に印刷を施す。印刷方法は、特に制限されず、フレキソ印刷を例示できる。裏面凹部14の深さD2は、包装シート10の厚みに対する50%以上の深さであり、表面凹部13の深さD1は、包装シート10の厚みに対する50%未満の深さである。表面凹部13の深さD1は、10μm〜50μmであることが好ましく、裏面凹部14の深さD2は、40μm〜70μmであることが好ましい。印刷層12をむらなく形成するために、フィルム層11の表面凹部13の深さは、30μm未満であることが好ましい。
表面凹部13のエンボス率は、10%以上、80%以下であり、裏面凹部14のエンボス率は、20%以上、90%以下である。エンボス率は、単位面積当たりの表面凹部13又は裏面凹部14の面積の比率である。このような表面凹部のエンボス率及び上述したシート凹部のエンボス率によれば、包装シート及び吸収性物品が共に柔軟により変形し易くなる。使用者が柔らかくかつ肌に優しい吸収性物品であることをより認識し易く、使用者の購買意欲をより高めることができる。包装シート10は、エンボスを有することにより変形基点が増え、柔軟に変形し易い。よって、指で押圧した際に指の周りに包装シートが付着し、指と包装シートの接触面積が増える。使用者は、指と包装シート10との接触面積が増えることにより、柔らかく感じ易い。
包装シート10の剛軟度は、46.3mm以上、52.4mm以下であってよい。このような包装シートによれば、ドレープ性が向上し、柔軟に変形し易い。包装シート10の曲げ剛性は、0.064×10−4Nm/m以上、0.077×10−4Nm/m以下であってよい。このような包装シートによれは、使用者が指で押した際に、容易に変形し易くなる。包装シート10の曲げヒステリシス(曲げ回復性)は、0.030×10−4Nm/m以上、0.007×10−4Nm/m以下であってよい。このような包装シートによれば、使用者の指で押圧されて変形した際に変形が回復し易い。
包装シートの曲げ剛性は、吸収性物品の曲げ剛性よりも低くてよい。包装シートの曲げ剛性が比較的低いため、使用者が押圧した際に包装シートが変形し易く、包装シートを介して吸収性物品がより変形し易くなる。
包装シートの剛軟度は、JIS L 1913 6.7.3に従って測定する。より具体的には、38mm×25mmの試験片を5枚採取し、ガーレー試験機(株式会社安田精機製作所製剛軟度測定器No.311)にて試験片の表、裏を連続測定後の表裏の平均値から、剛軟度を算出する。
包装シート10の曲げ剛性は、カトーテック株式会社製KES FB−2を用いて測定する。寸法50mm×100mmとなる試験片を準備し、一対のチャックの一方に試験片の長手方向の一端を挟み、他方のチャックに試験片の長手方向の他端を挟む。一方のチャックが他方のチャックを中心に回転し、これによって折り曲げられた試験片の曲げ剛性をトルク検出器で測定する。試験片は、5組準備して、測定値の平均値を曲げ剛性とする。
包装シートの曲げヒステリシスは、使用器具にKATO TECH CO.,Ltd製「KES−FB2 AUTO−A」を用いて以下の手順により測定する。包装シートを機器にセットして、機器に付属の説明書に従い、KES−EB2 AUTO−Aを操作し、スタートスイッチを押すことにより、自動的にクランプ(締め付け)し、一定曲率(最大曲率K=±2.5cm−1)を与え、曲げヒステリシスを計測する。3検体を測定し、その平均値を曲げヒステリシスとする。
図1及び図2に示すように、包装シート10には、包装シート10の裏面10B側(包装体1の内面側)に凹む括れ部18が形成されている。括れ部18は、積層体25同士の境界に沿って形成されている。折り畳まれた状態(包装体1に収容されている状態)の吸収性物品20の厚みは、一定でない。吸収性物品20の長手方向L端部の厚みは、吸収性物品20の長手方向L中央の厚みよりも小さい。積層体25の境界付近は、吸収性物品の厚みが小さい領域が積層されている。そのため、包装シート10が吸収性物品20の外面に沿って配置されることにより、括れ部18が形成される。
使用者が括れ部18近傍を指で押圧すると、括れ部近傍に吸収性物品の厚みが小さい領域が積層されているため、小さい力であっても深く入り込み易い。また、括れ部18を指で押圧すると、括れ部に指が入り込み、指と包装シート10の接触面積が増える。よって、使用者が柔らかくかつ肌に優しい吸収性物品であることをより認識し易く、使用者の購買意欲をより高めることができる。
表面凹部13及び裏面凹部14は、包装シート10のミシン目17を横断している。表面凹部13及び裏面凹部14は、少なくとも一部がミシン目17を横断していればよく、一部がミシン目17に沿って配置されている。詳細には、表面凹部13は、ミシン目17に沿う方向に延びる第1部分13Aと、ミシン目17を横断する方向に延びる第2部分13Bと、を有する。第1部分13Aは、ミシン目17が延びる方向に対して、45度未満の部分であり、第2部分13Bは、ミシン目17が延びる方向に直交する方向に対して、45度以下の部分である。ミシン目17が設けられた領域において、第2部分13Bの数は、第1部分13Aの数よりも多い。表面凹部13が形成された部分と、表面凹部13が形成されていない部分と、において厚みが異なるため、ミシン目17の破断時に発生する音が異なる。そのため、表面凹部13がミシン目17に対して平行であると、ミシン目17の破断時に発生する音の周波数が一定となり、当該音を大きく感じ易い。一方、表面凹部13がミシン目17に対して横断していると、ミシン目17の破断時に発生する音の周波数が分散し、当該音を小さく感じ易くなる。
また、表面凹部13が設けられた領域と、表面凹部13が設けられていない領域と、では、ミシン目17の引裂強度が異なる。ミシン目17が設けられた領域において、第2部分13Bの数が比較的多いため、ミシン目17の引裂強度が変化する点が多くなり、ミシン目が一気に引き裂かれ難い。そのため、意図せずに取り出し開口が大きくなることを抑制できる。
次いで、図7及び図8に基づいて、変形例に係る包装シート10Aについて説明する。図7は、変形例に係る包装シートの断面図であり、図8は、変形例に係る包装シートの平面図である。なお、以下の変形例の説明において、上述の実施形態と同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。変形例に係る包装シート10Aは、包装シートの表面及び裏面に、微細凸部19が更に形成されている。微細凸部19は、包装シート10の裏面側から表面側に向かって突出する凸状である。微細凸部19は、不規則な曲線形状であり、より詳細には、円弧に類する形状である。微細凸部19は、裏面凹部14と重ならない位置であって、表面凹部13に重なる位置に設けられている。なお、微細凸部19は、裏面凹部14と重なる位置であってよいし、表面凹部13に重ならない位置であってよい。
微細凸部19の幅は、表面凹部13よりも幅及び裏面凹部14の幅よりも短く、微細凸部19の長さは、表面凹部13の長さ及び裏面凹部14の長さよりも短く、微細凸部19の深さは、表面凹部13の深さ及び裏面凹部14の深さよりも浅い。表面凹部13の寸法(長さ、幅、深さ)及び裏面凹部14に対する微細凸部19の寸法の比率は、0.5以下であればよく、0.1以下であることがより好ましい。微細凸部19の幅は、0.01mm以上、1.0mmが好ましい。微細凸部19の高さ(表面凹部13の底面から微細凸部の頂部までの高さ)は、0.1μm〜20μmが好ましい。
微細凸部19は、表面凹部13及び裏面凹部14を設けた後にブラスト加工によって形成してもよいし、表面凹部13及び裏面凹部14を設ける前に形成してもよいし、表面凹部13及び裏面凹部14を形成する一対のロールに微細凸部19に対応する凸部を設け、表面凹部13及び裏面凹部14と共に形成してもよいし、フィルム層11に表面凹部13及び裏面凹部14を設ける際に合わせて形成してもよい。変形例に係る微細凸部19は、エンボス加工によって形成されている。微細凸部19及び裏面凹部14を含む包装シート10の表面のエンボス率は、80%以上である。
このように微細凸部19が設けられていることにより、微細凸部19も包装シートの変形基点を構成し、微細凸部19がより柔軟に変形し易くなる。また、一般的に人物の肌のキメを構成する凹部間の領域は、平滑な面でなく、微細な凹凸が形成されている。微細凸部19が設けられていることにより、着用者画像の肌の質感をより高め、審美性を高めることができる。
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
1 :吸収性物品の包装体
10 :包装シート
11 :フィルム層
12 :印刷層
13 :表面凹部
13A :第1部分
13B :第2部分
14 :裏面凹部
17 :ミシン目
18 :括れ部
20 :吸収性物品
21 :外装シート
23 :シート凸部
24 :シート凹部(物品凹部)
25 :積層体
P1 :印刷領域
P2 :非印刷領域

Claims (8)

  1. 吸収性物品と、複数の前記吸収性物品を包装する袋状の包装シートと、を有する吸収性物品の包装体であって、
    前記包装シートは、前記包装体の外面を構成する表面と、前記包装体の内面を構成し、かつ前記吸収性物品の外面に接触する裏面と、を有しており、
    前記包装シートの表面には、前記包装シートの厚み方向に凹む表面凹部が複数形成されており、
    前記吸収性物品の外面には、前記吸収性物品の厚み方向に凹む物品凹部が複数形成されており、
    前記表面凹部は、前記物品凹部と重なる領域に設けられている、吸収性物品の包装体。
  2. 前記包装シートの裏面には、前記包装シートの厚み方向に凹む裏面凹部が複数形成されており、
    前記表面凹部の深さは、前記裏面凹部の深さよりも浅い、請求項1に記載の吸収性物品の包装体。
  3. 前記包装シートは、フィルムによって構成されており、
    前記吸収性物品の外面は、不織布によって構成されており、
    前記表面凹部の間隔は、前記物品凹部の間隔よりも短い、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品の包装体。
  4. 前記包装シートは、前記吸収性物品の取り出し開口を形成するミシン目を有しており、
    前記表面凹部は、前記ミシン目に沿う方向に延びる第1部分と、前記ミシン目を横断する方向に延びる第2部分と、を有し、
    前記ミシン目が設けられた領域において、前記第2部分の数は、前記第1部分の数よりも多い、請求項1から請求項3のいずれかに記載の吸収性物品の包装体。
  5. 前記包装シートの曲げ剛性は、前記吸収性物品の曲げ剛性よりも低い、請求項1から請求項4のいずれかに記載の吸収性物品の包装体。
  6. 前記表面凹部の幅は、0.15mm以上、2.0mm以下であり、
    前記表面凹部の間隔は、0.15mm以上、2.0mm以下であり、
    前記物品凹部の幅は、0.25mm以上、5.0mm以下であり、
    前記物品凹部の間隔は、0.5mm以上、20.0mm以下である、請求項1から請求項5のいずれかに記載の吸収性物品の包装体。
  7. 前記表面凹部及び前記物品凹部は、エンボスによって形成されており、
    前記表面凹部のエンボス率は、10%以上、80%以下であり、
    前記物品凹部のエンボス率は、1%以上、90%以下である、請求項1から請求項6のいずれかに記載の吸収性物品の包装体。
  8. 前記包装シートの剛軟度は、46.3mm以上、52.4mm以下であり、
    前記包装シートの曲げ剛性は、0.064×10−4Nm/m以上、0.077×10−4Nm/m以下であり、
    前記包装シートの曲げヒステリシスは、0.030×10−4Nm/m以上、0.007×10−4Nm/m以下である、請求項1から請求項7のいずれかに記載の吸収性物品の包装体。
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