JP2018068230A - 作物収穫機 - Google Patents

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村並  昌実
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高木  真吾
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英明 黒瀬
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Abstract

【課題】畝の左右幅に関係なく走行して引抜収穫作業を行うことができる作物収穫機を提供すること。【解決手段】圃場を走行する走行装置1と、作物を引抜収穫する引抜搬送装置20を備える作物収穫機において、走行装置1は、引抜搬送装置20の左右幅内で、且つ引抜搬送装置20の始端部よりも機体後側に配置すると共に、引抜搬送装置20の下部にメインフレームを設け、メインフレームに走行装置1に駆動力を伝動する伝動ケース5を回動自在に設け、メインフレームと走行装置1を連結する回動アーム17を伝動ケース5よりも機体前側に設け、メインフレームと回動アーム17を昇降シリンダで連結し、昇降シリンダを伸縮させると伝動ケース5と回動アーム17が連動して回動する平行リンク機構を備える構成とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、走行しながら作物を引抜収穫する作物収穫機に関するものである。
左右の走行輪と、豆類を挟持して引き抜き機体後方に搬送する引抜搬送装置を備えた作物収穫機が知られている(特許文献1参照)。この引抜搬送装置は、高い挟持力がかかると潰れやすい豆類の莢のある部分を、敢えて挟持力のかかりにくいベルトで軽く挟持しつつ、高い挟持力をかけても問題のない根元部分を挟持して引き抜くものである。
また、左右の走行クローラと、ほうれん草等の葉菜の根元部分を切断する切断装置と、切断した作物を機体後方に搬送する搬送装置を備えた作物収穫機が知られている(特許文献2参照)。ほうれん草等の葉菜は、地表に露出する葉部が可食部となるが、比較的脆弱であるので、葉部に接触することなく根元部を切断する収穫方法としている。
特開2007−167034号公報 特開2010−259397号公報
上記の作物収穫機は、各々左右の走行装置により、作物が植生する畝の左右両側に形成される畝溝を走行し、搬送装置で作物を機体後方に搬送する。
しかしながら、畝の左右幅は作物の品種や、地域によって異なるものであるので、左右の走行装置の左右間隔を変更する必要があり、圃場ごと、場合によっては畝ごとに左右間隔の調節作業が必要となり、作業に要する時間が長くなる問題がある。
また、左右の走行装置に各々伝動する必要があるので、部品点数が多くなり、コストや重量が増大する問題がある。
本発明は、上記の問題に考慮し、畝の左右幅に関係なく走行して引抜収穫作業を行うことができる作物収穫機を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、圃場を走行する走行装置(1)と、作物を引抜収穫する引抜搬送装置(20)を備える作物収穫機において、前記走行装置(1)は、前記引抜搬送装置(20)の左右幅内で、且つ引抜搬送装置(20)の始端部よりも機体後側に配置することを特徴とする作物収穫機とした。
請求項2の発明は、前記引抜搬送装置(20)の下部にメインフレーム(2)を設け、該メインフレーム(2)に前記走行装置(1)に駆動力を伝動する伝動ケース(5)を回動自在に設け、前記メインフレーム(2)と走行装置(1)を連結する回動アーム(17)を前記伝動ケース(5)よりも機体前側に設け、前記メインフレーム(2)と回動アーム(17)を昇降シリンダ(18)で連結し、該昇降シリンダ(18)を伸縮させると前記伝動ケース(5)と回動アーム(17)が連動して回動する平行リンク機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載の作物収穫機とした。
請求項3の発明は、前記引抜搬送装置(20)は、左右の引抜ベルト(29,29)を備え、該左右の引抜ベルト(29,29)は左右間隔を空けて配置し、前記左右の引抜ベルト(29,29)には、作物に接触して引き抜く接触突起(29a)を各々形成し、該左右の接触突起(29a)同士が前記左右の引抜ベルト(29,29)の左右間隔部に向かって各々突出する構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の作物収穫機とした。
請求項4の発明は、前記接触突起(29a)は、内部に中空部を形成すると共に、前記接触突起(29a)の先端部(29b)は、前記接触突起(29a)よりも大径としたことを特徴とする請求項3に記載の作物収穫機とした。
請求項5の発明は、前記メインフレーム(2)の後方に作物を回収する収容容器(44)を載置する載置台(45)を設け、前記引抜搬送装置(20)に機体を操作するハンドル(39)を設け、前記載置台(45)は、該ハンドル(39)の左右幅内に収まる左右幅とすると共に、該ハンドル(39)と載置台(45)の上下間隔は、収容容器(44)の上下幅よりも小さくしたことを特徴とする請求項2に記載の作物収穫機とした。
請求項6の発明は、前記引抜搬送装置(20)の搬送始端側に回動可能な自在継手(34)を設け、該自在継手(34)に作物の根部を切断する根切部材(33)を設け、該根切部材(33)の下部に圃場面に接触する接地体(35)を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の作物収穫機とした。
請求項7の発明は、前記引抜搬送装置(20)を昇降させる昇降シリンダ(18)を設け、前記接地体(35)に接地状態を検知する接地検知部材(36)を設け、該接地検知部材(36)の検知する信号に基づき該昇降シリンダ(18)を伸縮させる制御装置(37)を設けたことを特徴とする請求項6に記載の作物収穫機とした。
請求項1の発明により、引抜搬送装置(20)の左右幅内で、且つ引抜搬送装置(20)の始端部よりも機体後側に走行装置(1)を配置することにより、作物を引き抜いた後を走行することができるので、隣接条の未収穫の作物に走行装置(1)が接触することが防止され、作物が傷付いて商品価値が低下することが防止される。
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加えて、昇降シリンダ(18)を伸縮させると伝動ケース(5)と回動アーム(17)が連動して回動する平行リンク機構を備えたことにより、メインフレーム(2)を移動させて引抜搬送装置(20)の引抜作業高さを調節することができるので、作物を傷付けず、且つ能率よく引抜収穫作業を行うことができる。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明の効果に加えて、引抜搬送装置(20)の左右の引抜ベルト(29,29)を左右間隔を空けて配置したことにより、左右の引抜ベルト(29,29)で直接作物を挟持しないので、挟持力により作物を潰すことが防止され、商品価値の低下が防止される。
また、接触突起(29a)を作物に接触させることにより、作物を挟持して引き抜くことができるので、圃場に作物が抜き残されることが防止される。
請求項4の発明は、請求項3の発明の効果に加えて、接触突起(29a)の内部に中空部を形成したことにより、作物の形状に合わせて変形することができるので、小さい挟持力でも作物を引き抜きやすくなり、作物の抜き残しが防止される。
また、接触突起(29a)の先端部(29a)を大径としたことにより、挟持状態の接触突起(29a)が作物に引っかかりやすくなるので、小さい挟持力でも一層作物を引き抜きやすくなり、作物の抜き残しが防止される。
請求項5の発明は、請求項2の発明の効果に加えて、載置台(45)をハンドル(39)の左右幅内に収まる左右幅としたことにより、収容容器(44)や載置台(45)が側方に突出して隣接条の未収穫の作物に接触することを防止できるので、作物が傷付いて商品価値が低下することが防止される。
また、ハンドル(39)と載置台(45)の上下間隔を収容容器(44)の上下幅よりも小さくしたことにより、収容容器(44)を載置台(45)の左右両側または後方に取り出す際にハンドル(39)が干渉しないので、収容容器(44)の交換作業に要する時間が短縮される。
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれか1項の発明の効果に加えて、自在継手(34)を介して設ける根切部材(33)の下部に接地体(35)を設けたことにより、圃場面に合わせて根切部材(33)の姿勢を一定に保つことができるので、作物の根部が切断される位置が揃えられ、可食部が傷付いて商品価値が低下することが防止される。
請求項7の発明は、請求項6の発明の効果に加えて、接地検知部材(36)の検知する信号に基づき昇降シリンダ(18)を伸縮させることにより、圃場の凹凸に合わせて引抜搬送装置(20)の引抜作業高さを自動的に変更することができるので、作物を確実に引抜収穫でき、抜き残しの発生が防止される。
作物収穫機の平面図 作物収穫機の左側面図 作物収穫機の別構成例の平面図 作物収穫機の別構成例の左側面図 葉切刃と接地ガイドを示す葉部拡大側面図 制御に関連する部材の繋がりを示すブロック図 (a)引抜突起を形成した引抜ベルトの要部側面図、(b)引抜突起を形成した引抜ベルトの要部平面図 載置台を示す要部平面図 載置台を示す要部側面図 載置台の別構成例を示す要部側面図 作物収穫機の別構成例の左側面図
以下、図面を参照しながら、本件の作物収穫機の構成及び動作について具体的に説明する。なお、本願の作物収穫機は、ほうれん草等の葉部が可食部となる葉菜や、幹から伸びる枝に可食部が生る枝豆等を収穫対象として想定している。これらの作物は、強い力で挟持すると可食部が傷付き、商品価値が損われるおそれのあるものが多い。
本件の作物収穫機は、圃場を走行する走行装置1と、該走行装置1よりも機体前側で作物を挟持して引き抜き、機体後方で且つ機体上方に搬送する引抜搬送装置20と、該引抜搬送装置20の搬送終端部から放出される作物を収容する収容部43と、作業者が機体の走行や引抜作業の操作を行う操縦部38で構成される。これらの構成要件を、より具体的に説明する。
まず、走行装置1について説明する。
図1から図4に示すとおり、メインフレーム2の後部にミッションケース3とエンジン4を設け、該ミッションケース3の左右どちらか一側に駆動力を伝動する走行伝動ケース5を回動可能に装着する。
該走行伝動ケース5は、ミッションケース3の出力軸(図示省略)に装着する駆動スプロケット7と、後述する走行クローラ15に入力する従動スプロケット8と、該駆動スプロケット7と従動スプロケット8に無端状に巻回する走行伝動チェーン9を内装する。
また、前記メインフレーム2の下方に、メインフレーム2よりも前後方向に長いクローラフレーム10を設け、該クローラフレーム10の後部に駆動転輪11を設け、該クローラフレーム10の前部に従動転輪12を設けると共に、該駆動転輪11と従動転輪12の前後間に、回転自在な遊転輪13…を、前後間隔を開けて複数配置する。そして、前記駆動転輪11と従動転輪12と複数の遊転輪13…に亘って走行履帯14を無端状に巻回することで、走行クローラ15が構成される。
該走行クローラ15が前後方向に長い構成であることにより、マルチフィルムを敷設した圃場面を走行する際にマルチフィルムを押さえる範囲が長くなるので、作物の引抜時にマルチフィルムが剥がれることが防止され、作業能率が向上する。
なお、前記走行履帯14の表面には、走行性を向上させるべく所定間隔ごとにラグを形成するが、このラグの上下高さを低く抑えたものとすると、マルチフィルムを巻き込みにくくなる。
これにより、マルチフィルムの絡み付きで走行履帯14が外れたり、駆動力が伝動されなくなって走行停止したりすることが防止され、作業能率の低下が防止される。
また、マルチフィルムが破れることを防止できるので、作物の収穫後にマルチフィルムを巻き取り回収しやすく、作業能率が向上すると共に、回収したマルチフィルムのロールが小さくなるので、廃棄が容易になる。
さらに、前記従動スプロケット8に走行入力軸16の左右一側を装着し、該走行入力軸16の左右他側を前記駆動転輪11に装着することで、ミッションケース11から走行クローラ15に駆動力が伝動される構成とする。なお、前記走行入力軸16の左右他側端部は前記駆動転輪11を貫通させ、前側回動アーム17の下端部に装着するものとする。
そして、前記メインフレーム1の前側で、且つ走行伝動ケース5を設ける側には、前側回動アーム17の上部を装着し、該前側回動アーム17の下部を前記走行クローラ15に装着する。具体的には、図2及び図4に示すとおり、前記遊転輪13の回転軸13aの左右両側に前側回動アーム17の下部を装着する。
なお、前記前側回動アーム17の下部は、クローラフレーム10に回動軸を介して装着してもよいが、遊転輪13の回転軸13aを利用することにより、部品点数の増加が抑えられる効果を得られる。
前記走行伝動ケース5と前側回動アーム17は、上部と下部の装着位置を同じ上下高さとし、回動することにより平行リンクとして作用する構成とする。
これにより、メインフレーム2の上下位置を変更して引抜搬送装置20が作物を引き抜く位置、及び引き抜く高さ変更する際、引抜搬送装置20の後ろ上がり傾斜姿勢の角度の変化を抑えることができるので、引抜搬送装置20の始端部が土中に入り込んでしまうことや、作物の引抜に適さない姿勢となることが防止され、作物を確実に引き抜いて収穫することができる。
また、走行伝動ケース5と前側回動アーム17を左右方向の同じ側に設け、走行クローラ15を片持ちで支持する構成としたことにより、走行履帯14の張力の調整や交換等のメンテナンス作業時に着脱する部品の数を減らすことができるので、作業性が向上する。
しかしながら、引抜搬送装置20は重量物であり、人手で回動操作する構成では作業者にかかる負担が大きくなる問題がある。
この問題を解消すべく、前記前側回動アーム17に昇降シリンダ18の伸縮側を装着すると共に、該昇降シリンダ18の固定部を前記メインフレーム2の下部(裏面)に装着する。そして、後述する操縦部38に、該昇降シリンダ18を伸縮させてメインフレーム2の上下位置を変更し、引抜搬送装置20の作業高さを変更する高さ調節スイッチ19を設ける。
これにより、作業者は機体後部の操縦部38から移動することなく昇降シリンダ18の伸縮により引抜搬送装置20の作業高さを調節することができるので、作業者の労力が軽減される。
また、同一条の収穫途中で引抜作業高さを変更する必要が生じたとき、短時間で高さを調節することができるので、引抜作業が中断される時間が短くなり、作業能率が向上する。
なお、前記昇降シリンダ18は、電動式とすると、油圧回路を設計する必要がなくなると共に、オイルタンクやポンプを設ける必要がなくなり、機体構成の簡潔化や機体重量の軽減が図られる。
上記により構成される走行装置1は、引抜作業を行う作物の左右幅W1と、この作物と隣接する作物の左右間隔W2,W2を加えた長さ(W1+W2×2)よりも狭い左右幅とする。よって、クローラフレーム10、駆動転輪11、従動転輪12、遊転輪13…は、組み合わせた際に走行履帯14の左右幅内に収まる左右幅となるものを用いる。
これにより、引抜搬送装置20が引抜作業を行う条を走行装置1で走行することができるので、畝の幅や高さを考慮することなく走行することができ、作業能率が向上する。
また、畝の高さを考慮して引抜搬送装置20や収容部43等を過度に上方に位置させる必要がないので、機体の高さが抑えられ、左右方向だけでなく上下方向にもコンパクトな構成とすることができる。
なお、左右幅の狭い走行装置1で走行姿勢を安定させるべく、走行装置1は前後方向に長く構成する。具体的には、前端部がメインフレーム2の前端部よりも機体前側に位置し、後端部が収容部43の下方に臨む長さである。
次に、引抜搬送装置20について説明する。
図2及び図4に示すとおり、前記ミッションケース3に機体前側上方に向かう傾斜姿勢の左右の引抜伝動軸21,21を設け、該左右の引抜伝動軸21,21の上端部に、機体後側上方に向かう傾斜姿勢の引抜伝動ケース22,22を各々設ける。該引抜伝動ケース22は、前記引抜伝動軸21の上端部に装着される伝動駆動スプロケット23と、後述する引抜駆動プーリ27を回転させる伝動従動スプロケット24と、該伝動駆動スプロケット23と伝動従動スプロケット24に無端状に巻回する伝動チェーン25を内装する。なお、左右とも共通の構造である。
そして、前記左右の引抜伝動ケース22,22の上部と前記メインフレーム2の機体前側の左右両側に支持される引抜フレーム26,26を各々機体前側下方に向かう傾斜姿勢で設ける。該左右の引抜フレーム26,26は、前端部が前記走行装置1よりも機体前側で圃場面に接近する位置まで突出すると共に、後端部が前記左右の引抜伝動ケース22,22の後端部よりも機体後側上方に位置する構成とする。
前記左右の引抜フレーム26,26の後端部付近には、前記左右の従動伝動スプロケット24,24の出力軸(図示省略)に装着される引抜駆動プーリ27,27を各々設け、前端部付近には、引抜従動プーリ28,28を回転自在に各々設ける。そして、該左右の引抜駆動プーリ27,27と左右の引抜従動プーリ28,28に引抜ベルト29,29を各々無端状に巻回する。
なお、左右の引抜駆動プーリ27,27と左右の引抜従動プーリ28,28の前後間隔は長く、途中で左右の引抜ベルト29,29が弛むことを防止すべく、該左右の引抜ベルト29,29に巻回域内、及び巻回域外で且つ作物に接触しない位置(機体左右両外側)に、テンションローラ30…を設けて、左右の引抜ベルト29,29の張力を安定させる構成とする。これにより、引抜搬送装置20が構成される。
後上がり傾斜姿勢で機体に配置される引抜搬送装置20を斜辺とすると、引抜搬送装置20の前後幅の下方に位置する圃場面が隣辺となり、引抜搬送装置20の後端部と圃場面を結ぶ垂線が対辺となる直角三角形が形成される。前記走行クローラ15(走行装置1)は、この直角三角形の内部に収まる配置とし、機体前後幅を短く抑え、機体全体をコンパクトな構成とする。
また、引抜搬送装置20の引抜作用部であり搬送始端部である前端部は、走行クローラ15の前端部よりも機体前側とし、作物を圃場から引き抜いた後を走行クローラ15が通過する構成とする。
これにより、引抜搬送装置20の引抜作業位置と、走行クローラ15が走行する位置を略一直線上に並べることができるので、走行クローラ15が隣接条の未収穫作物に接触することが防止され、作物の商品価値の低下が防止される。
本願の作物収穫機は、葉菜や豆等、強い挟持力による引抜収穫に適さない作物を収穫するものであるので、左右の引抜ベルト29,29は左右方向に間隔を空けて配置し、作物を直接挟持しない構成とする。一方、挟持しなければ圃場に根を張った作物を引き抜いて収穫することはできないので、図7(a)(b)に示すとおり、前記左右の引抜ベルト29,29の一面、即ち作物に接触して搬送する面には、樹脂等で構成する、軟質且つ弾性のある引抜突起29a…を搬送方向に対して所定間隔を空けて形成する。上下方向についても、所定間隔を空けて引抜突起29a…を形成する。
そして、図7(a)(b)に示すとおり、前記引抜突起29a…は、内部を中空にしたものとすると、作物と接触する際に生じる圧力で変形及び屈曲することができるので、作物側にかかる圧力を軽減して傷付きを防止すると共に、作物の形状に沿って変形及び屈曲することにより作物を挟持しやすくなるので、作物が抜き残されることが防止される。
さらに、図7(a)(b)に示すとおり、前記引抜突起29a…の先端部29bは、一例として球状とし、先端部29b以外の部分よりも太く構成する。これにより、引抜突起29a…が作物に引っ掛かりやすくなり、より確実に作物を挟持して引き抜くことができる。なお、該先端部29bも中空とすると、挟持する作物に余分な圧力がかかりにくくなり、作物の傷付きが防止される。
上記のとおり、本願の作物収穫機で収穫する作物は、脆弱な可食部付近を挟持して引き抜く必要があるものであり、傷付きは商品価値の低下を招く。それだけでなく、例えば、引抜ベルト29と接触する際、引抜ベルト29の色が移ると、たとえ傷がなくても見た目に問題があるとされ、商品価値が低下する問題がある。なお、この色が移る原因は、引抜ベルト29の素材となるゴムや樹脂等に添加されている色素や老化防止剤等によるものである。
この問題を解決するには、前記引抜ベルト29、及び引抜突起29a…は、シリコンゴムやフッ素ゴム等の移行性の低い素材で構成したものを用いるとよい。
これにより、引抜ベルト29から収穫する作物に色が移ることを防止でき、商品価値の低下が防止される。
前記引抜搬送装置20の搬送終端部側には、前記左右の引抜駆動プーリ27,27により引抜ベルト29,29が各々屈曲する部分に沿いつつ機体左右両外側に向かう姿勢で、搬送中の作物を引抜ベルト29,29から確実に分離させる分離ガイド31,31を各々設ける。該左右の分離ガイド31,31の基部は前記左右の引抜フレーム26,26に設ける。
なお、前記左右の分離ガイド31,31は、引抜突起29a…同士の上下間隔部を通過させて搬送終端側に突出させると、引抜突起29a…に挟持されている作物に接触しやすくなり、より確実に搬送終端部で作物を分離できる。
これにより、作物が収容部43上で解放されず、圃場に落下する位置で解放されることを防止できるので、圃場に落下した作物を回収する作業が不要になり、作業能率の向上や作業に要する労力の軽減が図られる。
また、前記分離ガイド31を引抜ベルト29に接近させておくと、引抜ベルト29や引抜突起29aに付着している土や葉屑等の夾雑物を分離ガイド31で剥離させることができるので、夾雑物が作物の挟持を妨げることが防止され、作物の抜き残しが防止される。
なお、作物が解放されにくいのは、左右の引抜ベルト29,29の搬送作用域が同一であり、作物の挟持が解放される位置が搬送終端部に寄り過ぎていることによるものである。
これを防止すべく、図3及び図4に示すとおり、前記左右の引抜伝動ケース22,22のうち、左右どちらか一側の前後長さを他側よりも長くする。この長さに合わせて左右の引抜フレーム26,26の左右どちらか一側の前後長さも変更し、前記左右の引抜駆動プーリ27,27のうち、どちらか一方が他方よりも機体後側(搬送方向終端側)に配置される構成とする。
これにより、引抜搬送装置20の搬送終端部で、引抜ベルト29,29の左右どちらか一方が先に作物から離間するので、作物が早期に解放され、収容部43に確実に解放され、収容部43に入らず圃場に落下することが防止される。
上記の引抜搬送装置20で挟持して引き抜いた作物には、引き抜きの際に千切れていない限り、土中に伸びる根部がついている。葉菜や豆類は、基本的に根部は商品とならないので、この根部は不要部である。また、根部に付着した土が引抜ベルト29、及び引抜突起29aに付着すると、作物の挟持を妨げる原因となる。
したがって、図2に示すとおり、前記左右の引抜従動プーリ28,28から下方に向かう切断伝動軸32,32を設け、該左右の切断伝動軸32,32の下部側に作物の根部を切断する根切刃33,33を各々設ける。該左右の根切刃33,33は、側面視において、前記引抜搬送装置20の搬送始端部と同じ位置、または搬送始端部よりも搬送方向下手側に前端部が位置する配置とし、作物が引抜突起29a…に挟持されてから根部を切断する構成とする。
上記構成により、挟持前に左右の根切刃33,33が根部に接触して機体前方に押し返し、作物を圃場面に落下させることがなくなるので、作物が収容部43まで確実に搬送される。これにより、圃場面に落ちた作物を回収する作業が不要になり、作業に要する時間と労力が軽減されると共に、作業能率が向上する。
前記左右の引抜従動プーリ28,28は、引抜搬送装置20と同じく後ろ上がり傾斜姿勢で配置されているので、左右の葉切刃33,33も後上がり傾斜姿勢となる。この状態で根部を切断すると、切断面が斜めになり、茎の下端部付近や、下端部付近に生っている莢などを切断してしまうことがある。あるいは、根部が完全に切断されず、残った根部を収穫後に作業者が手作業で切断する必要が生じ、労力が増大すると共に、出荷までに時間がかかり、鮮度が低下して商品価値が下がる問題がある。
これを防止すべく、図5に示すとおり、前記左右の切断伝動軸32,32に替えて、前記左右の引抜従動プーリ28,28にユニバーサルジョイント34,34を設け、該左右のユニバーサルジョイント34,34に前記葉切刃33,33を各々装着する。また、前記左右の葉切刃33,33の下方には、半球状の接地ガイド35,35を、各々球面側が圃場面に接地する姿勢で装着する。
これにより、左右の葉切刃33,33は、圃場面と略平行な姿勢に維持されるので、切断跡が斜めになることが防止され、可食部が切断されて商品価値が低下することが防止される。または、残った根部を除去する作業が不要になり、作業能率が向上する。
なお、該左右の接地ガイド35,35は、前記左右のユニバーサルジョイント34,34にフリー回転可能に装着し、圃場面を荒らしたり、マルチフィルムを巻き取ったりしない構成とする。該左右の接地ガイド35,35は、走行クローラ15と共にマルチフィルムの押さえ体として作用する。
さらに、左右の接地ガイド35,35をフリー回転可能とすることにより、作物に接触した際に回転することで接触時の圧力を抑えることができ、作物を傷つけることが防止される。
なお、前記左右の接地ガイド35,35の径は、前記左右の葉切刃33,33の径よりも小径とし、根部の切断を妨げないものとする。
上記においては、左右の葉切刃33,33は左右の引抜従動プーリ28,28と共に回転する構成としたが、ほうれん草等の葉菜は、鋭利な刃面を接触させて機体を前進させるだけで根部を切断できるものも多い。
したがって、前記左右の切断伝動軸32,32、または左右のユニバーサルジョイント34,34を左右の引抜従動プーリ28,28と共に回転しないように装着し、左右の葉切刃33,33に作物が接触すると根部が切断される構成としてもよい。
これにより、左右の引抜従動プーリ28,28と共に葉切刃33,33を回転させる負荷が生じなくなるので、引抜搬送装置20は作物の挟持引抜と搬送を安定して行うことができ、作物を確実に収穫可能となる。
この構成においては、前記左右の切断伝動軸32,32、または左右のユニバーサルジョイント34,34は、左右の引抜従動プーリ28,28ではなく、左右の引抜フレーム26,26に設けると、左右の葉切刃33,33が引抜搬送装置20の負荷をいっそう小さくできる。
前記左右の接地ガイド35,35は、引抜搬送装置20を引抜作業高さに設定しているときは、畝面の高さが変わらない限り、ほぼ常に圃場面に接触するものである。これを利用して、図5及び図6に示すとおり、前記左右の接地ガイド35,35の接地状態を検知する接地センサ36,36を各々設け、該左右の接地センサ36,36の検知信号を受ける制御装置37を設け、該制御装置37が前記昇降シリンダ18を伸縮制御して引抜搬送装置20の作業高さを自動調節する構成としてもよい。
なお、前記左右の接地センサ36,36は、接地圧を検知可能な圧力センサとし、接地圧の低下により畝面が低くなっている状態や畝面から離れた状態だけでなく、接地圧の上昇により畝面が高くなっている状態を検知できるものとすると、作物の引抜に適切な作業高さを確保することができると共に、引抜搬送装置20の搬送始端部や左右の葉切刃33,33が畝面やマルチフィルムに接触し、負荷で故障することが防止されると共に、畝面やマルチフィルムを荒らすことが防止される。
次に、操縦部38について説明する。
前記左右の引抜フレーム26,26の左右両外側に、平面視でコの字形状のループハンドル39の前側端部を各々連結する。該ループハンドル39は、コの字形状の内部に前記引抜搬送装置20と走行クローラ15が収まる左右幅とし、引抜搬送装置20の搬送終端部から放出される作物は、コの字形状の内部で下方に落下するものとする。また、前記ループハンドル39の後端部は、機体後方に突出し、機体最後尾に位置するものとする。
そして、前記ループハンドル39の左右の前後直線部には、前記引抜搬送装置20への伝動を入切操作する引抜操作レバー40a、前記走行クローラ15への伝動の入切や前後進を操作する走行操作レバー40b、前記エンジン4のスロットル(図示省略)を操作するスロットルレバー41、及び高さ調節スイッチ19を設ける。
さらに、前記ループハンドル39の後側の左右直線部には、押し込まれるとミッションケース3から引抜搬送装置20及び走行クローラ15への伝動を切断する、あるいはエンジン4を停止させるデッドマンスイッチ42を設ける。これにより、操縦部38が構成される。
後進時に作業者が壁と機体に挟まれた際、デッドマンスイッチ42が押されると、自動的に後進走行が停止する構成とし、安全性を確保する。なお、該デッドマンスイッチ42は、前進中に問題が生じたときに作業者が意図的に操作する、緊急停止スイッチとしても作用する。
ループハンドル39の左右の前側端部を、左右の引抜フレーム26,26の外側に各々連結したことにより、左右の引抜フレーム26,26が連結されるので、引抜搬送装置20の強度が向上する。
また、ループハンドル39の後端部が機体最後尾に位置することにより、機体を旋回させるときや、段差を越えるときなどに、作業者がループハンドル39を押し下げる力を軽減することができるので、労力の軽減が図られる。
なお、ループハンドル39を押し下げるとき、前記昇降シリンダ18を収縮させてメインフレーム2及び引抜搬送装置20を最上げ位置に移動させると、重心が後方に移動すると共に走行クローラ15の接地面が前寄りになるので、いっそう押し下げに必要な力が軽減され、労力の軽減が図られる。
次に、収容部43について説明する。
前記メインフレーム2の後部で、且つループハンドル39のコの字の内側位置に、作物を回収する収容容器44の一例である収容コンテナ44aを載置する、載置台45を機体後側に突出させて配置する。該載置台45は、載置した収容コンテナ44aの上端部が前記ループハンドル39に接触しない上下位置に配置し、少なくとも機体後方を開放させる。
これにより、収容コンテナ44aを取り出す際、機体後側に引き出せば周辺の部材に接触することがないので、収容コンテナ44aの交換作業に要する時間が短くなり、作業能率が向上する。
この上下高さを確保すべく、メインフレーム2に直接載置台45を取り付けることが難しいときは、図8から図10に示すとおり、前記ミッションケース3に載置台45を装着してもよい。
これにより、支持アーム等が不要となり、部品点数の増加が抑えられると共に、ミッションケース3に直接装着されることにより、耐荷重性が確保される。
なお、収容コンテナ44aの落下を防止すべく、載置台45の左右両側には、落下防止ガイド46,46を各々立設する。該左右の落下防止ガイド46,46は、前後方向の回動軸46aにより機体左右方向に回動可能とし、トルク・スプリング(図示省略)等の付勢部材により、前記載置台45に対して垂直な姿勢を保ちつつ、付勢部材の付勢力に抗する力が加わると、機体外側に回動する構成としてもよい。このとき、左右の落下防止ガイド46,46の上下高さは、収容コンテナ44aの下部の一部にのみ接触するものとする。
また、前記載置台45の後部に、機体前後方向に回動可能な落下防止ガイド46を設け、上記と同様に付勢力に抗する力が加わると、機体後方に回動する構成としてもよい。
上記の構成により、機体の振動や傾斜により収容コンテナ44aが載置台45から落下することを防止できるので、落下した収容コンテナ44aや作物を拾う作業が不要になると共に、収穫作業が中断されることがなく、作業能率が向上すると共に、作業の労力が軽減される。
また、載置台45の左右側方にも収容コンテナ44aを取り出すことができるので、作業場所に適した方向で作業ができ、作業能率が向上する。
なお、落下防止ガイド46を付勢する付勢部材の力は、収容コンテナ44aの重量と、収容コンテナ44aに作物を満載したときの重量よりも大きくする必要があるが、葉菜や豆類は比較的軽量であるので、収容コンテナ44aに満載しても、作業者が付勢力に抗して収容コンテナ44aを引き出し、落下防止ガイド46を回動させる際に要する力は軽く、作業者に大きな労力の負担を強いるものではない。
なお、収容コンテナ44aを交換するときは、機体の走行を停止させる必要がある。したがって、前記載置台45の上面に収容コンテナ44aの載置を検知する載置検知部材47を設け、該載置検知部材47が収容コンテナ44aの載置を検知しなくなると、走行クローラ15への伝動を切断する構成とする。
図6に示すとおり、該載置検知部材47が収容コンテナ44aの載置を検知しなくなると、前記制御装置37は、前記ミッションケース3、または走行伝動ケース5に設ける走行入切アクチュエータ48を作動させ、走行クローラ15への伝動を切断する。
これにより、作業者は収容コンテナ44aを取り出す動作だけで走行を停止させることができるので、収容コンテナ44aの交換作業時に要する操作を簡略化でき、作業能率が向上する。
また、落下防止ガイド46を越えて収容コンテナ44aが載置台45から落下したとき、即座に走行を停止させることができるので、収容コンテナ44aの落下位置から機体が離れることが防止され、収容コンテナ44aの積み直し作業に要する時間が軽減される。
上記のとおり、本件の作物収穫機が収穫する葉菜や豆類は、比較的軽量であるので、収容コンテナ44aに作物が満載されていても、載置台45にかかる負荷は小さい。このため、載置台45の内部に空間部45aを形成し、該空間部45aに前記エンジン40が用いる燃料を貯留する燃料タンク49を設けてもよい。
あるいは、該空間部45aに、前記昇降シリンダ18や、上記した全てのセンサやスイッチ、及び制御装置37が使用する電気を充電しているバッテリ50を設けてもよい。このとき、該制御装置37も空間部45a内に設けると、制御装置37が土埃等にまみれにくく、故障を防止できる。
上記により、載置台45を他の部材の装着部品として使用できるので、部品点数の削減が図られる。
前記収容コンテナ44aに替えて、別の収容容器44である、収容袋44bを用いてもよい。該収容袋44bは形状を柔軟に変更でき、その一部が載置台45からはみ出しても問題がないものとする。
図11に示すとおり、前記ループハンドル39の左右の前後直線部の下部に、該収容袋44bを平面視で四角形となる開口状態で支持する、吊下具51…を四つ設けるが、収容袋44bの開口部分の弛みを抑える必要があるときに備えて、五つ以上設ける構成としてもよい。
特に、前記引抜搬送装置20の搬送終端部の下方で収容袋44bが機体後方に弛んでいると、放出された作物が収容袋44bに入らず、載置台45や圃場に落下してしまい、作物の回収作業が余分に必要になる。これを防止すべく、前記左右の引抜伝動ケース22,22の後端下部に、収容袋44bの開口部のうち、機体前側を開く補助吊下具52,52を各々設ける。
前記吊下具51…及び補助吊下具52,52は、収容袋44bに設ける輪状の引っ掛け部に差し込むJ型のフックでもよいが、機体の傾斜や振動で外れることを防止すべく、カラビナ等の作業者が意図的に扱わないと引っ掛け部が外れないものとしてもよい。
上記構成により、収容袋44bの上部を広い開口状態にして引抜搬送装置20の搬送終端部から放出される作物を受けることができるので、作物が圃場に落下することが防止され、回収作業が不要になる。
また、形状が柔軟に変形する収容袋44bを用いることにより、収容コンテナ44aよりも容量を大きくすることができるので、収容袋44bの交換作業の頻度が低くなり、作業能率が向上する。
前記走行クローラ15は、機体左右方向の中央部に前後方向に長く構成することで機体のバランスを保っているが、作業者がループハンドル39を把持して支える、あるいはロープ等で姿勢を保持する等の対応が無ければ、側方から加わる力に対して不安定である。したがって、停車中に作業者の身体が触れたり、強い横風に晒されたりすると、転倒し、破損するおそれがある。
これを防止すべく、図3及び図4に示すとおり、前記左右の引抜フレーム26,26に左右方向の回動軸を介して接地スタンド53,53を各々設ける。該左右の接地スタンド53,53の回動軸は、側面視で前記走行クローラ15の機体前端部付近の上方に設けるものとし、該左右の接地スタンド53,53は、平面視で前記走行クローラ15の左右両側に位置する構成とする。
前記左右の接地スタンド53,53を下方に回動させたときは、圃場面に接地して機体を支持する状態となり、上方に回動させて前記左右の引抜フレーム26,26と同じ後上がり傾斜姿勢としたときは、隣接条の作物が引抜搬送装置20に接近することを防止するナローガイドとして作用する状態となる。
これにより、走行クローラ15と左右の接地スタンド53,53の三点で機体を支持することができるので、側方から加わる力に対する抵抗力が向上し、作業者との接触や横風により転倒することが防止される。したがって、転倒時に機体各部が破損することが防止される。
なお、前記左右の接地スタンド53,53の回動軸は、左右の引抜ベルト29,29の搬送作用域よりも機体左右下方位置に設けるものであれば、引抜収穫する作物の搬送経路を塞ぐことはないので、一本の軸部材で構成することができる。これにより、部品点数の削減が図られる。
上記のとおり、本願の作物収穫機は、燃料を消費して作動するエンジン4を備えており、作業時には排気ガスが発生する。この排気ガスは燃焼により生じる高濃度の二酸化炭素、硫黄酸化物、窒素酸化物や粒子状物質を含むと共に、高温を有している。
路地圃場では大気の流れがあり、この排気ガスは短時間のうちに流れていくので、作業者や作物への影響は小さく、長時間の作業時においても問題になるものではない。しかしながら、ビニルハウス等の閉鎖空間内においては、この排気ガスは室内に滞留するので、長時間作業すると作業者の体調や作物の品質に影響を及ぼすことがある。特に、ビニルハウスは熱を貯留する性質があるので、排気ガスの熱により内部の気温が上がりやすく、作物に高温障害を発生させる恐れがある。
これを防止するには、排気ガスの発生しない電動駆動化が考えられる。まず、ミッションケース3とエンジン4を取り除き、大容量のバッテリ50を配置する。そして、前記走行クローラ15の駆動転輪11を、走行用の電動モータを有するインホイールモータ54とする。このとき、前記走行伝動ケース5は必要なくなるので、前記前側回動アーム17と同一形状の回動アームに置き換えてもよい。
そして、前記左右の引抜駆動プーリ27,27に引抜伝動モータ55,55を各々設け、引抜搬送装置20を電動駆動する構成とする。
なお、前記インホイールモータ54と左右の引抜伝動モータ55,55は、バッテリ50と通電ハーネス(図示省略)を介して連結するが、走行クローラ15による走行速度に引抜搬送装置20の搬送速度を合わせないと作物が引抜搬送装置20に滞留してしまうので、制御装置37によりインホイールモータ54の回転数に左右の引抜伝動モータ55,55の回転数を合わせる構成とするとよい。
また、上記ではバッテリ50はミッションケース3とエンジン4を外した位置に設けているが、稼働時間の延長を図るのであれば、機体各部にバッテリを設けてもよい。
上記構成により、排気ガスを出すことなく作物の引抜収穫作業が可能になるので、閉鎖空間内での長時間作業が可能になると共に、高温により作物の品質が低下することが防止され、作物の商品価値が維持される。
本発明における作物収穫機は、葉菜や豆類等の可食部が軟弱な作物の収穫に有用であり、特に作物が植生する条間が狭い圃場において有用である。
1 走行装置
2 メインフレーム
5 走行伝動ケース(伝動ケース)
17 前側回動アーム(回動アーム)
18 昇降シリンダ
20 引抜搬送装置
29 引抜ベルト
29a 引抜突起(接触突起)
29b 先端部
33 根切刃(根切部材)
34 ユニバーサルジョイント(自在継手)
35 接地ガイド(接地体)
36 接地センサ(接地検知部材)
37 制御装置
39 ループハンドル(ハンドル)
44 収容容器
45 載置台

Claims (7)

  1. 圃場を走行する走行装置(1)と、作物を引抜収穫する引抜搬送装置(20)を備える作物収穫機において、
    前記走行装置(1)は、前記引抜搬送装置(20)の左右幅内で、且つ引抜搬送装置(20)の始端部よりも機体後側に配置することを特徴とする作物収穫機。
  2. 前記引抜搬送装置(20)の下部にメインフレーム(2)を設け、該メインフレーム(2)に前記走行装置(1)に駆動力を伝動する伝動ケース(5)を回動自在に設け、前記メインフレーム(2)と走行装置(1)を連結する回動アーム(17)を前記伝動ケース(5)よりも機体前側に設け、
    前記メインフレーム(2)と回動アーム(17)を昇降シリンダ(18)で連結し、該昇降シリンダ(18)を伸縮させると前記伝動ケース(5)と回動アーム(17)が連動して回動する平行リンク機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載の作物収穫機。
  3. 前記引抜搬送装置(20)は、左右の引抜ベルト(29,29)を備え、該左右の引抜ベルト(29,29)は左右間隔を空けて配置し、
    前記左右の引抜ベルト(29,29)には、作物に接触して引き抜く接触突起(29a)を各々形成し、該左右の接触突起(29a)同士が前記左右の引抜ベルト(29,29)の左右間隔部に向かって各々突出する構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の作物収穫機。
  4. 前記接触突起(29a)は、内部に中空部を形成すると共に、前記接触突起(29a)の先端部(29b)は、前記接触突起(29a)よりも大径としたことを特徴とする請求項3に記載の作物収穫機。
  5. 前記メインフレーム(2)の後方に作物を回収する収容容器(44)を載置する載置台(45)を設け、前記引抜搬送装置(20)に機体を操作するハンドル(39)を設け、
    前記載置台(45)は、該ハンドル(39)の左右幅内に収まる左右幅とすると共に、
    該ハンドル(39)と載置台(45)の上下間隔は、収容容器(44)の上下幅よりも小さくしたことを特徴とする請求項2に記載の作物収穫機。
  6. 前記引抜搬送装置(20)の搬送始端側に回動可能な自在継手(34)を設け、該自在継手(34)に作物の根部を切断する根切部材(33)を設け、該根切部材(33)の下部に圃場面に接触する接地体(35)を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の作物収穫機。
  7. 前記引抜搬送装置(20)を昇降させる昇降シリンダ(18)を設け、
    前記接地体(35)に接地状態を検知する接地検知部材(36)を設け、該接地検知部材(36)の検知する信号に基づき該昇降シリンダ(18)を伸縮させる制御装置(37)を設けたことを特徴とする請求項6に記載の作物収穫機。
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