本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図34に示すように、実施例の一つとして示す根菜類収穫機の一種である人参収穫機は、機体を走行させる走行部Aと、操縦者が搭乗する操縦部Bと、機体左右一側で圃場から人参を引き抜いて機体後上側に搬送する収穫部Cと、該収穫部Cから人参を引き継いで機体後方に搬送しながら茎葉部を切断する茎葉切断部Dと、茎葉切断部Dから落下する人参を受けて人参に残った茎葉部を処理する残葉処理部Eと、残葉処理部Eから人参を引き継いで人参を機体左右一側から左右他側へと搬送し、搬送中の人参を補助作業者が選別する選別搬送部Fと、該選別搬送部Fから排出される人参の収容部材を配置する収容部Gと、収容部材の底部を載置すると共に圃場に排出する載置排出部Hから構成される。
なお、本件においては、平面図において、機体の進行方向に対して左側を機体左右一側、機体の進行方向に対して右側を機体左右他側と称する。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
まず、走行部Aの構成について説明する。
図1、図2で示すように、機体フレーム1の下方に機体前部側の左右駆動スプロケット2,2と機体後部側の左右従動輪3,3と、該左右駆動スプロケット2,2と左右従動輪3,3との間に取り付けた複数の転輪4,4・・・の周りに左右ベルト5,5を巻き掛けて左右のクローラ6L,6Rを構成する。そして、該左右クローラ6L,6Rの左右駆動スプロケット2,2を、エンジン7の動力が伝動されるミッションケース8から左右両側に延出させた左右ドライブシャフト9,9に取り付け、一定の左右間隔を設けて左右クローラ6L,6Rを該機体フレーム1に取り付ける。また、該左右クローラ6L,6Rの駆動出力や出力方向を前後進に切り替える油圧式無段変速装置、所謂HST150を機体上に設ける。
次に、操縦部Bの構成について説明する。
図1、図2で示すように、前記機体フレーム1の右側上部に操縦部フレーム10を取り付け、該操縦部フレーム10には操縦座席11を取り付けると共に、機体前側に操縦パネル12を取り付ける。そして、該操縦パネル12に、前記HST150の出力、及び出力方向を切り替えて、機体の前後進及び走行速度を切り換える走行操作レバー13を取り付けると共に、機体の左右旋回操作及び収穫部Cの作業高さを操作する昇降操作レバー14を取り付ける。
また、前記操縦部フレーム10の機体左右他側(機体右側)にエンジン7を冷却するラジエータ(図示省略)を保護すると共に冷却風を取り込むラジエータカバー10aを着脱自在に取り付けることにより。操縦部Bが構成される。
上記構成により、走行操作レバー13や昇降操作レバー14のような、1本で複数の操作を行える操縦部材を設けることによって、機体の操縦が容易になるため操縦者の作業を軽減することができる。
次に、収穫部Cの構成について説明する。
図1、図2で示すように、左右の引抜フレーム15,15の機体前側に左右の従動プーリ16,16を回転自在に装着し、機体後側に左右の駆動プーリ17,17を装着し、該左右の従動プーリ16,16と左右の駆動プーリ17,17との間に人参を引き抜き機体後部へと搬送する左右の挟持搬送ベルト18,18を巻き掛けると共に、複数のテンションローラ19,19…によって該左右の挟持搬送ベルト18,18を付勢し、左右の挟持搬送ベルト18,18の機体内側面を互いに圧接させて人参の引抜搬送経路を構成する。
該左右の挟持搬送ベルト18,18のうち、互いに向かい合って人参の茎葉部を挟持する面を挟持搬送作用部18sとし、左右の従動プーリ16,16、左右の駆動プーリ17,17及びテンションローラ19,19…と接触して駆動力を受ける側を巻回域内18iとする。
なお、前記左右の従動プーリ16,16、左右の駆動プーリ17,17及びテンションローラ19,19…は、前記左右の引抜フレーム15,15から吊り下げて支持し、下方からは支持しない構成とする。
そして、前記機体フレーム1の上方に左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20を取り付け、該回動フレーム20の後端部に前記左右駆動プーリ17,17に駆動力を伝動する伝動ケース22を、回動支点Xを中心として上下回動自在に取り付ける。また、前記機体フレーム1と回動フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、該昇降シリンダ23を操縦部Bで操作可能に取り付けて引抜搬送装置24を構成する。
また、該引抜搬送装置24の前方に人参の茎葉部を引き起こす縦引起し装置25と、該縦引起し装置25が引起した茎葉部を掬い上げる横引起し装置26と、該横引起し装置26の前部に設ける分草杆27と、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部に引抜搬送装置24の下り過ぎを防止する回転自在なゲージ輪31と、前記エンジン7の駆動力で回転するシャフト32の回転によって振動する振動フレーム33に取り付けた人参の左右の土を振動によって解す左右振動ソイラ34,34とを設ける。
そして、前記引抜搬送装置24で搬送中の人参に接触して付着した土砂を除去する左右の泥落し体34a,34aを振動ソイラ34,34の土中に進入しない部分に設けると共に、前記引抜搬送通路Rの下方に引抜搬送装置24で搬送中の人参のひげ根を切断する尻尾切装置35を設けて、収穫部Cを構成する。
上記構成により、機体前側に分草杆27を備える横引起し装置26と、縦引起し装置25を設けることによって、圃場に倒伏した人参の茎葉を掻き上げながら収穫作業ができ、収穫する人参の視認性が向上するので引き抜き位置が合わせやすく、作物の抜き残しが減少するため作業能率が向上する。
また、人参に左右振動ソイラ34,34等が接触して傷つくことを防止できるので、人参の商品価値が向上する。
そして、振動ソイラ34,34の土中に進入しない部分に左右の泥落し体34a,34aを設けたことにより、搬送中の人参に付着した土砂を除去することができるので、機体の掃除にかかる時間が短縮されてメンテナンス性が向上すると共に、作業者や選別作業者が人参の形状や傷等の異常の有無を目視することができるので、人参の選別精度が向上する。
さらに、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部にゲージ輪31を設けたことによって、ゲージ輪31を圃場面に接地させるとそれ以上引抜搬送装置24が下降しなくなるので、操縦者の操縦ミスや予期せぬ地面の凹凸によって引抜搬送装置24の下端部が圃場面に接触して破損することが防止される。
そして、機体フレーム9と左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、昇降シリンダ23を操縦部Bの昇降操作レバー14を操作することによって伸縮させる構成としたことによって、昇降操作レバー14の操作により収穫部C全体の上下高さを調節することができるので、収穫部Cの引抜搬送始端部の位置を上下方向に調節しするとともに圃場に植生する人参の適切な引き抜き高さに合わせて引抜搬送始端部の位置調節を行え、人参の抜き残しが防止されるので作業能率が向上する。
また、旋回時に収穫部Cを上昇させておくと、収穫部Cの下端部が圃場に接触しにくくなるため、旋回動作がスムーズに行われて作業能率が向上する。
前記左右の引抜フレーム15,15の上部には、引抜搬送装置24の上部を覆う左右の搬送カバー24c,24cを各々設けており、該左右の搬送カバー24c,24cと引抜フレーム15,15の間には、一例として5〜10mm程度の上下方向の間隔部を形成し、左右の挟持搬送ベルト18,18の回転を左右の搬送カバー24c,24cが妨げない構成とする。
なお、前記伝動ケース22は、引抜搬送装置24だけでなく、後述する位置揃え装置54L,54R、排葉搬送装置65及び残葉搬送装置70にも駆動力を供給するものである。
しかしながら、従来の上記構成においては、茎葉部の長さが短い人参を引抜収穫する際、左右の挟持搬送ベルト18,18の上面に圃場面の土砂が乗り上げると、人参と一緒に機体後方に搬送されていた。この土砂は、左右の引抜フレーム15,15により側方への移動が規制されるので、左右の挟持搬送ベルト18,18に載ったまま機体後方に搬送され、引抜搬送装置24の搬送終端部から下方に落下する。
あるいは、人参が引抜搬送装置24から排葉搬送装置65及び残葉搬送装置70に引き継がれる際、茎葉部によって左右の挟持搬送ベルト38,38が左右方向に拡げられると、この左右間隔部から土砂が下方に落下する。
引抜搬送装置24の搬送終端部から落下した土砂のうち、残葉搬送装置70の搬送作用部に乗ったものは機体後方に搬送されて排出されるが、残葉搬送装置70の搬送作用部ではない部分、即ち、後述する左右の残葉搬送ベルト69,69に乗らなかった土砂は残葉搬送装置70に乗ったままとなるので、この土砂を除去する作業が必要になり、掃除に要する作業者の労力が必要となる。
また、残葉搬送ベルト69,69と、後述する残葉搬送駆動プーリ66,66、残葉搬送従動プーリ67,67または残葉搬送テンションプーリ68,68との間に土砂が入り込むと、残葉搬送ベルト69,69が脱落し、茎葉部が排出されなくなることがあり、排出されない茎葉部の除去や残葉搬送ベルト69,69を巻回し直す作業が必要となり、作業能率が低下する。
また、茎葉部の引き継ぎの際に土砂が下方に落下すると、土砂は回動フレーム20や機体フレーム1上に堆積するので、この土砂を除去する作業が必要になり、掃除に要する作業者の労力が必要となる。
それだけでなく、引抜搬送装置24によって搬送している最中に茎葉部が千切れるなどして茎葉部の切断位置よりも機体前側位置で下方に落下した人参を回収し、選別搬送コンベア87に搬送する回収コンベア160に土砂が落下すると、土砂は人参と共に選別搬送コンベア87によって搬送終端部まで搬送されて収容容器97に排出される。これにより、収容容器97には人参だけでなく土砂が入り込むので、人参を収容する容量が土砂に奪われるため、収容容器97を交換する頻度が高くなり、収容容器97の交換のために作業を中断する時間が余分にかかり、作業能率が低下する。
土砂が入り込むことにより容量が減る問題を解決すべく、後述のとおり、選別搬送コンベア87は複数の搬送バー144…を機体前後の選別伝動チェーン137,137に所定間隔毎に配置し、搬送バー144…同士の左右間隔部から土砂等を下方に落下させる構成としている。これにより、人参と共に選別搬送コンベア87に搬送された土砂の大部分は、選別搬送コンベア87での搬送の途中で下方に落下し、収容容器97の容量を減らすことは防止される。しかしながら、搬送バー144…同士の間隔部から下方に落下する土砂が、選別伝動チェーン137,137と選別駆動スプロケット134,134との間に入り込むと、選別伝動チェーン137,137を選別駆動スプロケット134,134から脱落させて選別搬送コンベア87を停止させるおそれがある。
上記の問題を解決するには、回動フレーム20よりも機体前側位置、遅くとも回収コンベア160よりも機体前側位置で左右の挟持搬送ベルト18,18の上面に乗って運ばれる土砂を落下させ、後工程に運ばれる土砂は人参に付着している土砂のみとする必要がある。
図19から図21で示すように、前記左右の挟持搬送ベルト18,18の上面に、正面(背面)断面視で三角形状の土砂排出突起170,170を各々設ける。該土砂排出突起170は、挟持搬送ベルト18の上面全域に亘って設けると共に、土砂排出突起170の斜辺170tは挟持搬送ベルト18の挟持搬送作用部18sから巻回域内18iに向かう下り傾斜姿勢とする。即ち、該土砂排出突起170の上下幅(厚み)は、挟持搬送ベルト18の挟持搬送作用部18sに近いほど長く(厚く)、巻回域内18iに近いほど短く(薄く)なる。
そして、前記左右の搬送カバー24c,24cは、正面(背面)断面視でL字形状とし、上下部分は左右の挟持搬送ベルト18,18の非挟持搬送作用部18sよりも各々外側(機体左右一側、及び機体左右他側)に位置し、前記引抜搬送装置24に作業者や夾雑物等が接触しない構成としている。一方、左右部分は左右の挟持搬送ベルト18,18の巻回域の上方に亘って設けるが、人参の茎葉部を挟持して搬送する挟持搬送作用部18s側の端部は、人参の茎葉部に接触した際に切断されることを防止すべく、挟持搬送ベルト18,18の巻回域内18iに向けて折り曲げる折曲部24b,24bを各々形成する。
このとき、折曲部24b,24bは円弧状(R形状)とすると、茎葉部が接触しても切断されにくくなる。茎葉部が引抜搬送装置24の搬送途中に切断されると、排葉搬送装置65や残葉搬送装置70が茎葉部を挟持できず、茎葉部が排葉搬送装置65や残葉搬送装置70に取り残され、後続の茎葉部の搬送経路を塞ぐことがあり、作業能率が低下する問題が生じるが、本構成を用いることにより、この問題の発生は抑えられる。
また、折曲部24b,24bは、挟持搬送作用部18sから巻回域内18iに向かう下り傾斜姿勢とし、前記左右の土砂排出突起170,170が挟持搬送作用部18sにあるときに略平行姿勢となる構成とすると、左右の土砂排出突起170,170の斜辺170tに沿って移動する土砂を折曲部24b,24bが受け止めることが防止される。
さらに、前記左右の従動プーリ16,16は、機体上側の外周縁部に第1テーパ部16tを各々形成し、該左右の従動プーリ16,16が左右の挟持搬送ベルト18,18に接触する位置では土砂を受け、左右の挟持搬送ベルト18,18と接触しない位置になると土砂が下方に落下する構成とする。
これに加えて、左右の挟持搬送ベルト18,18に巻回域内18iから接触し、挟持力を維持する複数のテンションローラ19,19…の機体上側の外周縁部に第2テーパ部19tを各々形成し、左右の挟持搬送ベルト18,18とテンションローラ19,19…との接触部では左右の土砂排出突起170,170から移動してきた土を受け、非接触部で土砂を下方に落下させる構成とする。
上記構成により、人参の茎葉部を挟持して引き抜く際に土砂が引抜搬送装置24上に乗り上げても、左右の挟持搬送ベルト18,18の巻回域内18iに向かって下方傾斜している土砂排出突起170,170の斜辺170tに沿って土砂が移動するので、土砂を回動フレーム20よりも機体前側、遅くとも回収コンベア160よりも機体前側位置で下方に落下させることができるので、土砂が収容容器97に入り込み、人参が容量一杯に入らなくなることが防止され、収容容器97の交換頻度が低くなり、作業能率が向上する。
これに加えて、土砂が収容容器97の内部に入り込む量が減少することにより、収穫作業後に洗浄装置や選別装置に投入する際、土砂が混ざり込む量が減少するので、洗浄の際に土砂が人参を傷付けて商品価値を低下させることが防止されると共に、土砂が人参の選別の妨げになる、例えば、人参に余分な重量を加えて重量による等級選別を阻害したり、人参の外観を隠して形状や傷、病気等の有無による等級選別を阻害したりすることが防止され、選別精度が向上する。
しかも、洗浄装置や選別装置に土砂が付着する量が減少し、土砂の除去作業に要する時間と労力が軽減される。
また、土砂が選別搬送コンベア87の選別伝動チェーン137,137と選別駆動スプロケット134,134との間に入り込みにくくなるので、選別伝動チェーン137,137の脱落や負荷による選別搬送コンベア87の破損が防止され、人参の引抜収穫作業が中断されることが防止される。
そして、回動フレーム20や残葉搬送装置70等に大量の土砂が堆積することを防止できるので、土砂の除去作業に要する時間や労力が軽減される。
さらに、左右の引抜フレーム15,15から左右の従動プーリ16,16、左右の駆動プーリ17,17、及び複数のテンションローラ19,19…を吊り下げ支持することにより、引抜搬送装置24の下部、少なくとも左右の挟持搬送ベルト18,18の巻回域内18iを塞ぐ部材が必要なく、左右の土砂排出突起170,170に沿って移動する土砂が確実に下方に落下するので、引抜搬送装置24に土砂が溜まることが防止され、土砂の除去作業に要する時間や労力が軽減される。
また、左右の従動プーリ16,16の機体上側の外周縁部に第1テーパ部16tを各々形成すると共に、複数のテンションローラ19,19…の機体上側の外周縁部に第2テーパ部19tを各々形成することにより、左右の従動プーリ16,16及びテンションローラ19,19…の上面に乗った土砂は、左右の従動プーリ16,16及びテンションローラ19,19…と左右の挟持搬送ベルト18,18とが接触しない位置で第1テーパ部16t及び第2テーパ部19tから下方に落下するので、左右の従動プーリ16,16及びテンションローラ19,19…に土砂が乗ったままになることが防止され、土砂の除去作業に要する時間や労力が軽減される。
そして、土砂が左右の挟持搬送ベルト18,18の巻回域内18iに溜まることを防止できるので、土砂の除去作業時にカバー24c,24cを外して土砂を除去する必要がなく、掃除に要する労力の軽減や、能率の向上が図られる。
なお、前記左右の土砂排出突起170,170は、ゴムやスポンジ等の軟質材で構成し、人参の茎葉部の傷付きを防止する。このとき、図22で示すように、土砂排出突起170の内部を中空とし、圧力がかかると変形可能な構成とすると、搬送カバー24cに接触しない挟持搬送作用部18s側では土砂排出突起170が伸び、斜辺170tの傾斜角度を急にすることができ、土砂がいっそう落下しやすくなる。また、土砂排出突起170が搬送カバー24cに接触する非挟持搬送作用部18s側では土砂排出突起170が縮み、挟持搬送ベルト18の回転駆動を妨げることが防止される。
これにより、土砂の排出を確実に行いつつ、搬送カバー24cの一部を切り欠いたりすることなく引抜搬送装置24を構成することができる。
上記の構成では、土砂は土砂排出突起170の斜辺170tに乗ると、自重により滑り落ちるものとしている。砂地等の土砂の粘性が低い圃場では、引抜作業や走行による振動によりこのとおりになることが多いが、土砂の粘性が高い圃場では、土砂が斜辺170tに張り付き、振動がかかっても滑り落ちないことがある。
上記の問題を解決すべく、図19から図21で示すように、機体左右他側(機体内側)の前記搬送カバー24cと引抜フレーム15との間に、機体内側から外側に向かって土砂の除去風を吹き出すエアーノズル171を設ける。該エアーノズル171は複数の吹き出し口171a…を前後方向に形成し、前記搬送カバー24cの折曲部24bには前後方向に複数の吹き出し穴24h…を形成し、該吹き出し穴24h…から吹き出す除去風が土砂排出突起170,170に付着した土砂を吹き飛ばす構成とする。
前記エアーノズル171に圧縮風を送る送風管172は、機体内側の前記搬送カバー24cの上面を貫通させて配置し、エアーコンプレッサから圧縮風を供給される構成とすると、安定して強力な除去風を発生させることができる。なお、該エアーコンプレッサは、引抜搬送装置24等が作動している状態、即ち作業クラッチ(図示省略)が入状態であるときに作動し、作業クラッチを切った状態では停止する構成とし、非作業中にバッテリ(図示省略)の電気を余分に消費しないものとする。
これにより、土砂排出突起170,170に付着している土砂を除去し、左右の挟持搬送ベルト18,18の巻回域内18iから下方に落下させることができるので、土砂が搬送されることが確実に防止される。
しかしながら、エアーコンプレッサは配置スペースを余分に取る必要があり、余分に電気を消費するので、土砂排出突起170に付着した土砂を落とすだけの用途では費用対効果が低いという問題がある。また、エアーコンプレッサが発生させる圧縮風の風力が強過ぎると、土砂排出突起170に乗っているだけの土砂を吹き飛ばしてしまい、機体の各部に土砂が吹き散らされ、土砂を落下させて除去するという当初の目的をかえって妨げる可能性もある。
したがって、図23、図24で示すように、後述する人参のひげ根を切断する尻尾切装置35の尻尾切刃35cを作動させる電動モータ35aの出力軸のうち、機体左右他側(機体内側)に向かって突出する出力軸に起風ファン174を設け、該起風ファン174の周囲を覆い、発生した風を送風管172へと案内するダクト175を前記尻尾切装置35の機体左右他側(機体内側)に連結する。該ダクト175の内部には、起風ファン174が発生させる風によって搬送される土砂等の夾雑物が送風管172に案内されることを防止すべく、風のみが通過し得る防塵フィルタ176を設けている。
なお、前記電動モータ35aは、作業クラッチ(図示省略)の入切に連動して入切されるものとし、人参の引抜収穫作業時は作動して人参のひげ根を除去しつつ除去風を発生させ、非作業時は停止する構成とする。また、前記ダクト175は蛇腹等の屈曲自在で且つ多少の伸縮が許容される、所謂フレキシブルな構成とし、除去風を送風管172に伝えやすい姿勢にダクト175を設定しやすい構成とする。
前記エアーノズル171及び送風管172は、土砂排出突起170に付着した土砂を除去し得る風力を確保すべく、管の径を小径としているので、内部に夾雑物が入り込んで詰まると、除去風が出なくなることがあるが、防塵フィルタ176で夾雑物を除去することにより、この問題の発生を防止している。
上記の構成により、既存の部材を利用して付着した土砂の除去風を発生させることができるので、エアーコンプレッサのような起風装置の配置スペースを確保する必要がなくなり、他の部材の配置が自由に行える。
また、尻尾切装置35に連動して起風ファン174が除去風を発生させることにより、余分な電力の消費がなく、バッテリ切れによる作業の中断が防止され、作業能率が向上する。
そして、電動モータ35aの作動により回転する起風ファン174が除去風を発生させることにより、過剰な風力の発生を防止できるので、除去風が土砂を吹き散らすことが防止され、土砂の除去作業に要する時間や労力が軽減される。
前記エアーノズル171は、機体左右他側(機体左側)に設けるだけでも効果はあるが、機体左右一側(機体右側)にも設け、左右の土砂除去突起170,170に均等に除去風が吹き出される構成とすると、確実に土砂の除去が行える。
なお、図34で示すように、前記左右の搬送カバー24c,24cのうち、回収コンベア160の上方、あるいは左右の位置揃え装置54L,54Rの前方から搬送終端部に亘って、左右部分の挟持搬送作用部18sに左右の挟持搬送ベルト18,18に向かう下方傾斜部24u,24uを形成する。該下方傾斜部24u,24uの傾斜角度は約45度程度とし、下方傾斜部24u,24uの下端部に折曲部24b,24bを形成し、該折曲部24b,24bの左右間隔が最も狭くなる構成とする。
上記の構成により、左右の位置揃え装置54L,54Rの左右間に人参の茎葉部が入り込む前に、左右の折曲部24b,24bと下方傾斜部24u,24uが茎葉部に接触し、茎葉部を細くまとめるので、茎葉部が太い茎葉部が左右の位置揃え装置54L,54Rの左右間に入り込むことができず、茎葉切断装置61による茎葉部の切断位置が乱れて人参に残る茎葉部、即ち残葉が長くなることが防止され、作業者が手作業で残葉を除去する必要がなくなる。
また、人参の収穫対象となる根部に茎葉切断装置61が接触し、人参を傷付けて商品価値を損なうことを防止できるので、人参の商品価値が維持される。
次に、茎葉切断部Dについて説明する。
図1、図12から図15に示すように、前記伝動ケース22に駆動力を伝道する左右の伝動軸36,36を取り付け、該左右の伝動軸36,36の上部に左右伝動ケース37,37を取り付けると共に、該左右の伝動ケース37,37内に複数のギアを噛み合わせて構成する左右の第1ギアユニット38,38を機体前側に向かって取り付ける。また、前記伝動ケース22内部の左右の伝動軸36,36に左右の第2ギアユニット39,39を機体後側に向かって取り付け、該左右の第2ギアユニット39,39の後端部に左右の第1出力軸40,40を機体上方に向けて設ける。
そして、前記の左右第1ギアユニット38,38の前端部に左右の第2出力軸41,41を機体下方に向けて設け、該左右の第2出力軸41,41に左右の位置揃え駆動スプロケット42,42を設ける。さらに、前記左右伝動ケース37,37の前下部に側面視L字型の左右の位置揃えフレーム43,43を取り付け、該位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成し、該孔部44,44に左右の位置揃え従動スプロケット45,45を設けた左右回転軸46,46を取り付ける。また、該位置揃え従動スプロケット45,45と位置揃え駆動スプロケット42,42との前後間で且つ位置揃え駆動スプロケット42,42よりも機体内側位置に左右の位置揃えテンションスプロケット47,47を回転自在に取り付ける。さらに、該位置揃えテンションスプロケット47,47と位置揃え駆動スプロケット42,42と位置揃え従動スプロケット45,45とに左右の位置揃えチェーン48,48を無端状に巻回する。
なお、前記位置揃え駆動スプロケット42,42は、位置揃え従動スプロケット45,45及び位置揃えテンションスプロケット47,47よりも小径のものを用いてもよい。
そして、前記伝動ケース37,37に左右の受け板49,49を前後方向に位置調節可能に取り付け、該受け板49,49と位置揃えフレーム43,43との間に、前記位置揃え従動スプロケット45,45を付勢して位置揃えチェーン48,48に生じる弛みを吸収させる左右の付勢バネ50,50を取り付ける。該付勢バネ50,50は、受け板49,49を前後に移動させることにより、位置揃え従動スプロケット47,47にかかる付勢力を変更することができ、人参の種類や生育状態、茎葉部の平均的な太さに応じて変更することで、様々な作業条件に対応することができる。
また、前記左右の位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成、該孔部44,44に位置揃え従動スプロケット45,45の回転軸46,46を貫通させて設けたことにより、位置揃え従動スプロケット45,45を左右方向に移動させて位置調節することができるので、非作業時及び茎葉部が通過中でない、あるいは径の小さい茎葉部が通過する際は、位置揃え従動スプロケット47,47は付勢バネ50,50に押圧されて前側で且つ機体内側方向に向かって押圧され、大径の茎葉部が通過する際には位置揃え従動スプロケット47,47は機体外側方向に向かって押圧される構成となり、大径の茎葉部が噛み込まれることを防止でき、噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く作業能率が向上する。
加えて、位置揃え装置54L,54Rの搬送始端側から搬送終端側までの左右間隔が、大径の茎葉部が通過して負荷がかかったときのみ略直線状となるので、それ以外の場合には位置揃え装置の左右間隔を搬送始端側から搬送終端側に向かって広がる構成となり、位置揃え装置54L,54Rの左右間隔を通過する人参が左右方向にふらつくことを防止でき、人参の茎葉部の切断位置揃えが適正に行なわれる。
さらに、大径の茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの左右間を通過できず、人参の茎葉部の切断位置が上がり過ぎ、根部に茎葉部が残ることを防止でき、後処理でこの茎葉部を取り除く作業が不要となり、作業能率が向上すると共に、人参が持ち上げられ過ぎ、根部を後述する茎葉切断装置61に切断されてしまうことを防止できるので、人参が傷付くことが無く、商品価値が向上する。
そして、前記位置揃えチェーン48,48を構成する複数のリンク48a…に、位置揃えチェーン48,48の上部と下部と茎葉部の接触面を覆う正面視コの字型のガイドカバー51…を取り付け、位置揃えガイド体52を構成する。
なお、図14(a)〜(c)で示すように、該ガイドカバー51…は、平面視において前後一側方を凸状のR部51a、前後他側方を凹状のR部51bを形成し、茎葉部との接触面に前後他側方に、後続のガイドカバー51の前後一側方の凸状のR部51a上に向かって突出する突出部51cを形成する。直線部では前方のガイドカバー51の凹状のR部51bに後続のガイドカバー51の凸状のR部51aが入り込み、この後続の凸状のR部を前方の突出部51cが覆うことによって、ガイドカバー51同士の間隔部を覆うことができるので、ガイドカバー51同士の間隔部に人参の茎葉部が噛み込まれることが防止され、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
また、ガイドカバー51は凸状のR部51aと凹状のR部51bを有し、リンク48aに1つずつ取り付けられていることにより、ガイドカバー51同士は干渉し合うことが無く位置揃えチェーン48,48の移動に追従することができるので、位置揃え装置54L,54Rの移動がスムーズになり、作業能率が向上する。
加えて、位置揃えチェーン48,48が円弧軌跡で移動する際、突出部51cを有することにより、ガイドカバー51同士の間に大きな間隔部が生じないため、この間隔部に人参の茎葉部が噛み込まれることを防止でき、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
なお、位置揃えガイド体52は、複数のガイドカバー51…ではなく、位置揃えチェーン48の上面と下面と茎葉部との接触面を覆う、断面形状コの字型としてもよい。
そして、前記位置揃えチェーン48,48の巻回域内18iで且つ位置揃え従動スプロケット45,45と位置揃えテンションスプロケット47,47との間に、位置揃えチェーン48,48を巻回域内18iから茎葉部接触面に向かって押圧する左右のテンションプレート53L,53Rを機体左右方向に位置調節自在に取り付けることにより、左右の位置揃え装置54L,54Rが引抜搬送装置24の搬送方向後側の下方位置に構成される。
該テンションプレート53L,53Rは、前記伝動ケース37,37に長穴を形成して取付軸53a,53aをボルト等着脱可能な部材で位置調節に取り付け、該取付軸53a,53aの端部に板体53b,53bを溶着して構成する。
なお、テンションプレート53L,53Rは、左右の位置揃え装置54L,54Rに略平行位置に設けてもよいが、機体外側の位置揃え装置53Rの前側にテンションプレート52Rを設ける場合、機体内側の位置揃え装置53Lのテンションプレート52Lは位置揃え装置53Rのテンションプレート52Rよりも機体後側に設けると、大径の茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの左右間を通過する際、テンションプレート52Lまたはテンションプレート52Rの無い側に位置揃えチェーン48及び位置揃えガイド体52が移動するので、人参の茎葉部の径が大きくても位置揃え装置54L,54Rに噛み込まれることを防止でき、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要がなく、作業能率が向上する。
加えて、テンションプレート53L,53Rの張力は、前記付勢バネ50,50の張力よりも弱く設定すると、大径の茎葉部が通過して負荷がかかると位置揃えチェーン48,48が適正な位置まで撓んで退避することができ、54L,54Rに噛み込まれることを防止でき、機体を停止させて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要がなく、作業能率が向上する。
そして、前記位置揃え駆動スプロケット42,42の近傍で且つ位置揃えガイド体52,52の外側位置で伝動ケース37,37に長穴を形成し、この長穴に位置揃えガイド体52,52の表面に付着した茎葉部の切れ端や泥等を落とす左右のスクレーパ55,55を位置揃えガイド体52,52の軌跡に沿って位置調節時際に取り付ける。
なお、スクレーパ55,55は、後下り傾斜姿勢で配置することにより、茎葉部の切れ端や泥を下方に落下させやすくなる。
そして、前記左右第1ギアユニット38,38の位置揃え装置54L,54Rの後方位置に左右の切断刃回転軸56,56を設け、該切断刃回転軸56,56に左右のベアリング57,57を回転自在に取り付ける。そして、前記左右のベアリング57,57に左右の支持プレート59,59を取り付け、該支持プレート59,59に左右の茎葉切断刃60,60を取り付けて、茎葉切断装置61が構成される。
また、前記左右第1出力軸40,40に左右茎葉搬送駆動プーリ62,62を設け、前記左右第1ギアユニット38,38よりも機体前側で且つ位置揃え装置54L,54Rの上方に左右茎葉搬送従動プーリ63,63を回転自在に取り付ける。そして、該左右茎葉搬送駆動プーリ62,62と左右茎葉搬送従動プーリ63,63とに左右排葉搬送ベルト64,64を無端状に巻回することによって、前記引抜搬送装置24から人参の茎葉部を引き継いで機体後方に排出する排葉搬送装置65が、前記左右の伝動ケース37,37の上部外周で且つ引抜搬送装置24の搬送終端側の下方に構成される。
さらに、前記左右の第1出力軸40,40の上端部に左右の残葉搬送駆動プーリ66,66を設け、前記左右の伝動ケース37,37の上方に左右の残葉搬送従動プーリ67,67を回転自在に取り付けるとともに、該左右の残葉搬送駆動プーリ66,66と左右の残葉搬送従動プーリ67,67との前後間に複数の左右の残葉搬送テンションプーリ68,68…を取り付ける。そして、前記左右の残葉搬送駆動プーリ66,66と左右残葉搬送従動プーリ67,67と左右の残葉搬送テンションプーリ68,68…とに左右の残葉搬送ベルト69,69を無端状に巻回することによって、茎葉の上部を挟持して機体後方に搬送する残葉搬送装置70が、前記排葉搬送装置65の上方に構成される。
上記排葉搬送装置65と残葉搬送装置70の終端部から茎葉切断装置61によって切断された茎葉を圃場に排出する排葉シュータ71を設けて、茎葉切断部Dを構成する。
上記構成により、左右の位置揃え駆動スプロケット42,42が、茎葉部が通過する位置揃え装置54L,54Rの左右間隔部から離間する位置に配置されることにより、位置揃え駆動スプロケット42,42や第2出力軸41,41に茎葉部が絡み付いて位置揃え装置54L,54Rを停止させてしまうことを防止できるので、収穫作業が中断されず、作業能率が向上する。
また、位置揃え駆動スプロケット42,42を位置揃え従動スプロケット45,45及び位置揃えテンションスプロケット47,47よりも小径としたことにより、位置揃え駆動スプロケット42,42がいっそう位置揃え装置54L,54Rの左右間隔部から離間するので、位置揃え駆動スプロケット42,42や第2出力軸41,41に茎葉部が絡み付くことをいっそう防止でき、作業能率がさらに向上する。
そして、位置揃え従動スプロケット45,45を付勢する左右の付勢バネ50,50を設けたことにより、位置揃え装置54L,54Rに茎葉部が接触する際に左右の位置揃えチェーン48,48に生じる弛みを吸収させることができ、位置揃えチェーン48,48がすぐに張り状態に戻るため、径の異なる茎葉部が連続して通過するときでも位置揃え装置54L,54Rが確実に人参の茎葉部を受けることができ、人参の茎葉部の切断位置が適正に揃えられて茎葉部が適正に切断され、後工程で茎葉部を除去する必要が無く、作業能率が向上する。
また、左右の受け板49,49を前後方向に移動させることで付勢バネ50,50の張力が調節されることにより、人参の生育状況や品種による茎葉部の径の差異、あるいは天候や土質等、作業場所の作業条件に合わせて張力を適正に変更できるので、人参の茎葉切断位置の位置揃えを適正に行い茎葉部を確実に切断することにより、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
さらに、左右の位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成し、この孔部44,44に位置揃え従動スプロケット45,45を設けた回転軸46,46を移動自在に設けたことにより、負荷がかからない状態では、付勢バネ50,50に付勢された位置揃え従動スプロケット45,45は茎葉部の搬送経路寄りに移動するので、小径の茎葉部が通過する際に位置揃え装置54L,54Rが茎葉部を受けて人参の茎葉部の切断位置を適正に揃えることができ、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
また、大径の茎葉部が通過する際、左右の位置揃え装置54L,54Rに大きな負荷がかかると、位置揃え従動スプロケット45,45は孔部44,44に沿って茎葉部の移動経路から離間する方向に移動するので、位置揃え装置54L,54Rの前側の左右間隔が広くなり、茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの間隔部に噛み込まれることを防止でき、機体を止めて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
なお、人参の茎葉部が須らく大径であることが収穫作業前にわかっている場合には、位置揃え従動スプロケット45,45を左右の位置揃え装置54L,54Rの左右間から離間する方向に移動させ、位置揃え装置54L,54Rの搬送方向上手側の左右間隔を広くしておくと、位置揃え装置54L,54Rが茎葉部を噛み込むことを防止でき、噛み込んだ茎葉部を取り除く作業が必要なく、作業能率が向上する。
そして、位置揃えチェーン48,48を構成する複数のリンク48a…毎にガイドカバー51…を取り付けて位置揃えガイド体52を構成したことにより、任意の箇所のガイドカバー51を自在に着脱できるので、一部のガイドカバー51が損傷しても、新しいガイドカバー51に取り替えるだけで適正な位置揃え性能が維持され、茎葉部が適正に切断されるので、作業能率が向上する。
また、位置揃えガイド体52全体を取り替える必要がないので、コストダウンを図ることができる。
さらに、ガイドカバー51の着脱は、工具を必要とせず手作業で行なえるので、交換作業を容易に行なうことができる。
そして、ガイドカバー51が位置揃えチェーン48の上面と下面と茎葉部との接触面を覆う正面視コの字形状としたことにより、ガイドカバー51と位置揃えチェーン48との間に空間部が生じないので、ガイドカバー51と位置揃えチェーン48との間で茎葉部を挟み込んでしまい、人参が適正な切断位置に揃えられず茎葉部が切り残されることを防止でき、後工程で茎葉部を除去する作業が必要なく、作業能率が向上するとともに、人参の根部が切断されることを防止でき、人参の商品価値が向上する。
また、ガイドカバー51に凸上のR部51aと凹状のR部51bとを形成し、後続のガイドカバー51の凸状のR部51aを前側のガイドカバー51の凹状のR部51bに近接させて位置揃えチェーン48に取り付けることにより、位置揃えチェーン48が位置揃え従動スプロケット45などの周囲を円弧軌道で移動する際、ガイドカバー51…は追従して移動できるので、位置揃え装置54L,54Rは一定の周速で動作するため、茎葉部を受けて人参の茎葉部の切断位置を適正に揃えることができ、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
さらに、凸状のR部51a上に向かって突出する突出部51cを設けたことにより、位置揃えチェーン48が位置揃え従動スプロケット45などの周囲を円弧軌道で移動する際、ガイドカバー51…同士の前後間に生じる空間部をこの突出部51cが覆うため、ガイドカバー51…同士の前後間の空間部で茎葉部を挟み込んでしまい、人参が適正な切断位置に揃えられず茎葉部が切り残されることを防止でき、後工程で茎葉部を除去する作業が必要なく、作業能率が向上するとともに、人参の根部が切断されることを防止でき、人参の商品価値が向上する。
そして、位置揃えチェーン48,48の巻回域内18iに左右のテンションプレート53L,53Rを設けたことにより、位置揃えチェーン48,48を巻回域内18iから押圧するため、大径の茎葉部が通過する際、テンションプレート53Lまたはテンションプレート53Rが押圧していない部分の位置揃えチェーン48,48は位置揃え駆動スプロケット42,42の方向へ退避できるので、茎葉部が位置揃え装置54L,54Rの左右間に噛み込まれることが無く、機体を止めて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
また、位置揃え駆動スプロケット42,42の外周を移動する位置揃えガイド体52,52に付着した茎葉部の破片や泥等の夾雑物を擦り落とす左右のスクレーパ55,55を設けたことによって、茎葉部の移動経路から離れて位置で位置揃えガイド体52,52に付着した夾雑物を除去することができるので、茎葉部の破片が位置揃え装置54L,54Rの各部に絡み付くことが防止され、機体を止めて絡み付いた茎葉部の破片を取り除く必要が無く作業能率が向上すると共に、泥の塊が人参の根部を傷つけることが防止され、人参の商品価値が向上する。
さらに、スクレーパ55,55は長穴に沿って取り付け位置を変更することができるので、収穫作業を行う圃場の人参の茎葉部の径の平均に合わせて最適な位置にスクレーパ55,55を設定し、確実に茎葉部の破片や泥等の夾雑物を位置揃えガイド体52,事務52から除去することにより、上記の効果がさらに向上する。
そして、茎葉切断装置61で人参から切断された排葉(切断された茎葉部)を圃場に排出する排葉シュータ71が、既掘り側(人参を収穫し終えた側)に茎葉を排出するように下方傾斜姿勢に設けられていることによって、排出された茎葉が未掘り側(人参を収穫していない側)の人参の上に落下し、排葉が左右挟持搬送ベルト19,19や左右従動プーリ17,17等に絡み付いて収穫部Cを停止させて収穫作業を妨げることが防止できるので、作業能率が向上すると共に、人参の上に落下した排葉が収穫する人参の視認性を妨げることを防止できる。
なお、前記伝動ケース37,37には、残葉搬送装置70で搬送される茎葉部が機体左右方向に倒伏し、茎葉部が機体後方に搬送されなくなることを防止すべく、残葉搬送装置70の前後方向と略同じ前後長さの排葉受板177が左右に各々設けられている。該排葉受板177があることにより、搬送中の茎葉部が倒れかけると排葉受板177が茎葉部を受け止めるので、茎葉部は残葉搬送装置70によって搬送終端部まで搬送され、排葉シュータ71を通じて圃場に排出される。
しかしながら、茎葉部の上下長さが通常よりも大幅に短いと、茎葉部は引抜搬送装置24から排葉搬送装置65及び残葉搬送装置70で挟持されずに引抜搬送装置24の搬送終端部まで搬送されてしまい、残葉排出装置70の上方に落下する。このとき、茎葉部が左右の残葉搬送ベルト69,69に搬送されれば、茎葉部は横倒しの姿勢で排葉シュータ71まで送られて機外に排出されるが、排葉受板177が搬送途中の茎葉部を引っ掛けてその場にとどめてしまうと、残葉排出装置70に茎葉部が溜まってしまう問題がある。この茎葉部は、作業者が取り除く必要があり、作業者の労力が余分に必要となる問題がある。
上記の問題を解消すべく、図25から図30で示すように、残葉排出装置70を構成する左右の残葉搬送駆動プーリ66,66を回転させる左右の第1出力軸40,40の上端部に左右の延長出力軸178,178を各々設け(あるいは左右の第1出力軸40,40を上方に延長し)、該左右の延長出力軸178,178(あるいは左右の第1出力軸40,40の上端部)に左右の駆動ローラ179,179を各々設け、前記左右の伝動ケース37,37上に左右の回転軸180,180に各々設け、該左右の回転軸180,180に左右の従動ローラ181,181を回転自在に各々設ける。該左右の駆動ローラ179,179及び左右の従動ローラ181,181の上下長さは、前記排葉受板177の上下長さと同じか、あるいは短く構成する。
そして、該左右の駆動ローラ179,179と左右の従動ローラ181,181に亘って排葉除去ベルト182,182を各々無端状に巻回し、該左右の排葉除去ベルト182,182の外周面には、残葉搬送装置70上に乗った茎葉部を引っ掛けて機体後方に搬送する残葉除去突起183,183…を、各々所定間隔毎に複数形成し、残葉除去装置184を構成する。なお、該残葉除去突起183,183…は、圃場に植生する状態での人参同士の前後間隔である50〜100mmごとに形成する。
上記により、残葉搬送装置70上に残る茎葉部を残葉除去装置184で搬送し、搬送終端部から機外に排出することができるので、残葉搬送装置70に乗った茎葉部の除去作業を作業者が行う必要がなく、作業能率が向上すると共に、作業者の労力が軽減される。
また、排葉搬送装置65や残葉搬送装置70を駆動する左右の第1出力軸40,40から左右の延長出力軸178,178を介して、または左右の第1出力軸40,40から直接駆動力を得る構成としたことにより、駆動力の伝動経路が複雑化することを防止できるので、部品点数の削減やコストダウンが図られると共に、メンテナンス性が向上する。
上記構成により、残葉搬送装置70上に乗り上げた丈の短い茎葉部を機外に排出することができるが、図12及び図33で示すように、引抜搬送装置24の搬送終端部と残葉搬送装置70の搬送始端部との間には、上下方向の間隔部が存在している。この間隔部に引抜搬送装置24の搬送終端部から排出される茎葉部が入り込むと、上記の残葉除去突起183,183…は入り込めず、茎葉部が残葉搬送装置70の機体前側位置に集中的に残されることになる。こうした茎葉部は、後続の茎葉部が残葉搬送装置70に挟持された際、機体後方への搬送を妨げ、作業能率を低下させる可能性があるので、除去することが望ましい。
上記の問題を解決すべく、図31及び図32で示すように、前記残葉除去突起183,183…に、機体下側に前記左右の残葉搬送ベルト69,69に向かって突出する裾広がり状の突出部185aを備える延長排除突起185,185…を各々着脱自在に設ける。該延長排除突起185,185…は、残葉除去突起183,183…と同数設けてもよいが、残葉除去突起183,183…の数よりも少ない数であっても構わない。
該延長排除突起185,185…の下部が、左右の残葉搬送ベルト69,69に向かって突出する裾広がり状の突出部185aを備えることにより、この突出部185aが引抜搬送装置24の搬送終端部と残葉搬送装置70の搬送始端部との上下間隔部に入り込み、この上下間隔部に溜まる茎葉部を掻き出して機体後方に搬送することができるので、残葉搬送装置70に茎葉部が溜まることが防止され、滞留する茎葉部が後続の茎葉部の移動を妨げることが防止されると共に、作業者が茎葉部を除去する作業が不要となる。
なお、前記突出部185aは、延長排除突起185の上下方向の長さの3分の1程度とすると、延長排除突起185と引抜搬送装置24とが干渉することがなく、引抜搬送装置24と残葉除去装置184とが共に安定して動作することができる。
また、突出部185aの傾斜角度を引抜搬送装置24の後上がり傾斜角度と略同じ角度とし、引抜搬送装置24と延長排除突起185の突出部185aとが平行となる位置に配置される構成とすると、引抜搬送装置24の後側下部と残葉搬送装置70の前側上部との間隔部に溜まる茎葉部を能率よく除去することができる。
さらに、左右の駆動ローラ179,179と左右の従動ローラ181,181、または左右の延長出力軸178,178と左右の回転軸180,180を着脱自在に構成し、残葉除去装置184を着脱可能に構成してもよい。このとき、左右の駆動ローラ179,179と左右の従動ローラ181,181を取り外した後に残る左右の延長出力軸178,178と左右の回転軸180,180、または左右の延長出力軸178,178と左右の回転軸180,180を取り除くと表れる孔部(図示省略)に、左右の排葉受板177,177を取り付ける構成としてもよい。このとき、排葉受板177には軸受(図示省略)を設け、回転駆動力が影響しない構成とする。
上記構成により、茎葉部が長く残葉除去装置184で茎葉部の排出を行う必要がないときには、残葉除去装置184を取り外して余分な駆動力がかからない構成とすることができるので、駆動力のロスが小さく、引抜搬送装置24や茎葉切断装置61、排葉搬送装置65、ならびに残葉搬送装置70の駆動が安定し、人参の搬送や茎葉部の排出搬送が円滑に行われる。
あるいは、残葉除去装置184の左右どちらか一方のみ設け、他方には排葉受板177を設けると、茎葉部の長さが安定しない作業条件において、長いものは排葉受板177または残葉除去装置184で姿勢を保持して残葉搬送装置70の搬送を補助し、短いものは残葉除去装置184が掻き取って機体後方に搬送するので、茎葉部の除去作業が不要となり、作業能率の向上が図られると共に、作業者の労力が軽減される。
次に、残葉処理部Eについて説明する。
図1から図6で示すように、前記茎葉切断装置61の下方に前後残葉処理フレーム72,72を設け、該残葉処理フレーム72,72の機体左右一側の前後間に第1残葉処理駆動ローラ73aを回転自在に取り付ける。また、前記残葉処理フレーム72,72の機体左右他側の前後間で且つ第1残葉処理ローラ73aよりも下方位置に第2残葉処理駆動ローラ73bを回転自在に取り付ける。そして、該第1残葉処理駆動ローラ73aと第2残葉処理駆動ローラ73bとにゴムやウレタン等の弾性体で構成する残葉処理ベルト74を無端状に巻回する。さらに、該残葉処理ベルト74の上部に人参の根部に残った残葉を残葉処理ベルト74と共に挟み込んで回転して切除する残葉処理ローラ75を取り付けて、茎葉切断部Dから引き継いだ人参の残葉を処理しながら機体外側方向から左右内側方向に搬送する残葉処理コンベア76を構成することにより、残葉処理部Eが構成される。
なお、該残葉処理コンベア76は、機体左右一側から左右他側に向けて2〜5度程度傾斜している。
これにより、落下した人参は残葉処理ベルト74の駆動と傾斜による移動により移動するので、残葉処理コンベア76上で人参の移動が停止することがなく、手作業で停止した人参を動かす必要がなく、作業能率が向上する。また、残葉処理コンベア76が若干(約2〜5度)傾斜していることにより、機体が圃場の状態等により機体左右一側方向に傾斜しても残葉処理コンベア76は地面に対して略水平状態となるに留まるので、人参が残葉処理コンベア76上に停滞したり、残葉処理コンベア76の搬送方向とは逆方向に移動することがなく、こうした人参を手作業で搬送経路に戻す必要がなく、作業能率が向上する。
上記構成により、残葉処理コンベア76を構成する残葉処理ローラ75が、茎葉切断装置61で切り残された人参の残葉を千切り取るため、収穫作業後に人手で残葉を切除する作業を省略することができ、作業能率が向上する。
また、残葉処理コンベア76を構成する残葉処理ベルト74をゴムやウレタン等の弾性体で構成したことによって、茎葉切断装置61で茎葉部を切除されて人参が落下しても残葉処理ベルト74が落下の衝撃を軽減するので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の品質が向上する。
次に、選別搬送部Fについて説明する。
図1から図6で示すように、前記エンジン7の駆動力を伝動する伝動シャフト120を、前後の残葉処理フレーム72,72の下部側を貫通させて機体後側に突出させ、該伝動シャフト120の後端部に出力スプロケット121を設ける。また、機体後側の残葉処理フレーム72の該出力スプロケット121よりも上方位置にアイドルスプロケット122を回転自在に装着し、該アイドルスプロケット122よりも機体左右一側(機体右側)に後述する回収コンベア160に駆動力を伝動する回収入力軸123aを回転自在に装着し、該回収入力軸123aに入力スプロケット123を設ける。
そして、該入力スプロケット123及び出力スプロケット121よりも機体左右他側(機体左側)に従動スプロケット124を回転自在に装着し、該出力スプロケット121とアイドルスプロケット122と入力スプロケット123と従動スプロケット124に亘って伝動チェーン125を無端状に巻回する。該従動スプロケット124は、前記第2残葉処理駆動ローラ73bに回転駆動力を供給する残葉処理出力軸124aに設けられる。
なお、前記アイドルスプロケット122は、出力スプロケット121と入力スプロケット123との間で伝動チェーン125を機体上下方向から機体左右方向に屈曲させると共に、伝動チェーン125が弛まないように張圧するために設けるものである。
さらに、前記後側の残葉処理フレーム72と従動スプロケット124の間に、第2入力スプロケット126を従動スプロケット124の回転軸に設けると共に、該第2入力スプロケット126よりも機体左右一側で且つ下側にカウンタスプロケット127を回転自在に配置する。そして、該カウンタスプロケット127よりも機体左右一側で且つ上側に、第2従動スプロケット128を回転自在に装着し、該第2入力スプロケット126とカウンタスプロケット127と第2従動スプロケット128に亘って第2伝動チェーン129を無端状に巻回する。該カウンタスプロケット127は、後述する選別搬送コンベア87に駆動力を供給する選別搬送入力軸127aに設ける。
また、前記第2従動スプロケット128の回転軸(図示省略)に入力スパーギア130aを設け、該入力スパーギア130aの上側に出力スパーギア130bを噛み合わせて配置する。該入力スパーギア130aと出力スパーギア130bは、伝動ギアケース130内に配置する。そして、前記出力スパーギア130bの回転軸(図示省略)の機体前側端部に出力ベベルギア131aを設け、該出力ベベルギア131aを、前記残葉処理ローラ75の回転軸(図示省略)の後端部に設けた入力ベベルギア131bに噛み合わせる構成とする。
上記構成により、エンジン7から供給される駆動力を回収コンベア160、残葉処理コンベア76と残葉処理ローラ75、選別搬送コンベア87に供給する伝動経路をコンパクトに構成することができるので、機体の前後幅や左右幅が抑えられ、機体の旋回性が向上すると共に、収納に必要な面積が抑えられる。
また、スプロケットや伝動チェーン等の部品点数を削減することができるので、コストダウンが図られる。
そして、図3から図6に示すとおり、機体前側の前記残葉処理フレーム72よりも機体前側で且つ前記位置揃え装置54L,54Rの下方に、前後の第1搬送フレーム77,77を前後方向に所定間隔を開けて配置し、該第1搬送フレーム77,77の機体内側端部(機体左右他側端部)で且つ外側に前後の第2搬送フレーム78,78を前後方向に所定間隔を空けて且つ搬送終端部側が上下回動自在に配置する。該前後の第1搬送フレーム77,77は、正面(背面)視でT字型であり、左右他側には、左右中央部から左右他側に向かうほど上方に傾斜する上方傾斜部を有する形状とする。
そして、前記第1搬送フレーム77,77の機体左右一側端部で且つ残葉処理コンベア76の搬送面、即ち残葉処理ベルト74の上面よりも下方に回収従動ローラ132bを回転自在に装着し、該回収従動ローラ132bよりも機体左右他側で且つ回収入力軸123aに装着可能な位置、具体的には残葉処理ローラ75の機体左右一側位置に、該回収入力軸123aの回転により駆動する回収駆動ローラ132aを配置する。さらに、該回収従動ローラ132bと回収駆動ローラ132aに亘って回収ベルト133を無端状に巻回して、回収コンベア160を構成する。
該回収コンベア160は、引抜搬送装置24の搬送経路及び位置揃え装置54L,54Rの下方に配置され、茎葉切断装置61よりも搬送方向上手側で茎葉部が切れて落下する人参を受けて、機体左右一側から他側に搬送し、選別搬送コンベア87に引き継がせるものである。このため、回収駆動ローラ132aを回収従動ローラ132bよりも下方に配置し、回収コンベア160を機体左右一側から左右他側に向かう下方傾斜姿勢に構成してもよい。
上記構成により、茎葉部が切れて搬送途中に人参が落下することがあっても、人参は回収コンベア160を経由して選別搬送コンベア87に移動し、元の移動経路に戻ることができるので、搬送経路外に落ちた人参を拾い集める作業が不要となり、作業者の労力が軽減される。
また、回収従動ローラ132を残葉処理コンベア76の搬送面よりも下方に配置したことにより、大量の人参が一斉に供給されたときなど、残葉処理ローラ75に当たらずに機体前側に人参が押し出される条件となっても、押し出されてきた人参は停滞することなく回収コンベア160に移動することができるので、人参の収穫作業が停滞することが防止され、作業能率が向上する。
さらに、回収コンベア160を機体左右一側から左右他側に向かう下方傾斜姿勢とすると、回収コンベア160に受け止められた人参が自重で転がって選別搬送コンベア87に向かって移動することができるので、回収コンベア160上に人参が留まり、選別搬送コンベア87側に搬送される途中で上方から落下してくる人参と接触することが防止されるため、人参が傷つくことが防止され、人参の商品価値が向上する。
そして、前記回収駆動ローラ133よりも機体左右他側で且つ下側に、選別搬送駆動軸134aに設けられた前後一対の選別駆動スプロケット134,134を配置する。該前後の選別駆動スプロケット134,134は、背面視において、前記出力スプロケット121とアイドルスプロケット122の左右間で且つ上方に位置する配置構成とする。
また、前記前後の第1搬送フレーム77,77の上方傾斜部の機体左右他側端部の上部に、前記前後の第2搬送フレーム78,78の回動支点となる回動軸79を設け、該回動軸79に前後一対の選別アイドルスプロケット135,135を回転自在に配置する。即ち、該前後のアイドルスプロケット135,135は駆動力を受けると回転するが、回動軸79は回転しない構成である。
さらに、前記前後の第2搬送フレーム78,78の機体左右他側端部に前後一対の選別従動スプロケット136,136を回転自在に装着し、該前後の選別従動スプロケット136,136と、前記前後の選別駆動スプロケット134,134と、前後のアイドルスプロケット135,135に亘って、選別伝動チェーン137,137を各々無端状に巻回する。
そして、前記前後の第1搬送フレーム72,72のうち、前後の選別駆動スプロケット134,134よりも機体左右他側、即ち選別搬送コンベア87の搬送方向下手側で、且つ前後の選別駆動スプロケット134,134よりも機体下側に、前記前後の選別伝動チェーン137,137の巻回域の外、即ち機体下側に接触して弛みを防止する、前後の第1選別カウンタスプロケット139,139を第1カウンタ回転軸139a,139aを介して装着する。
なお、図6で示すように、該第1選別カウンタスプロケット139,139は互いに軸等で連結せず、第1選別カウンタスプロケット139,139の前後間には、空間部が形成される構成とする。
また、該前後の第1選別カウンタスプロケット139,139よりも機体左右他側、即ち選別搬送コンベア87の搬送方向下手側で、且つ前後の第1選別カウンタスプロケット139,139よりも機体上側に、前記前後の選別伝動チェーン137,137の巻回域内18iに接触して前後の選別伝動チェーン137,137を屈曲させる前後の第2選別カウンタスプロケット140,140を、第2カウンタ回転軸140a,140aを介して装着する。
なお、該第2選別カウンタスプロケット140,140は互いに連結せず、第2選別カウンタスプロケット140,140の前後間には、空間部が形成される構成とする。
さらに、前記前後のアイドルスプロケット135,135の下方で、且つ前後の選別伝動チェーン137,137の巻回域の外に、前後の選別伝動チェーン137,137の弛みを抑える前後の第3カウンタスプロケット141,141を、第3カウンタ回転軸141a,141aを介して装着する。
また、前記前後の第2選別カウンタスプロケット140,140が前後の選別伝動チェーン137,137に接触する位置で、且つ前後の選別伝動チェーン137,137の巻回域の外側に、前後の選別伝動チェーン137,137に接触して屈曲させる前後の第1アイドルローラ142,142を回転自在に設ける。
さらに、前記前後の選別駆動スプロケット134,134の機体左右他側で、且つ機体上側には、前後の選別伝動チェーン137,137の弛みを抑える第2アイドルローラ143,143を回転自在に設ける。
また、前記前後の選別伝動チェーン137,137の前後間に、人参を載置して搬送する搬送バー144…を左右方向の等間隔、即ち左右間隔L1を空けて複数設け、該搬送バー144…複数個ごとに、選別搬送コンベア87の上方傾斜部などで人参が転げ落ちることを防止する受け桟145…を、所定間隔毎に配置する。さらに、前記第2搬送フレーム78,78に、前記選別伝動チェーン137,137の上方を覆うチェーンカバー146,146を設けることにより、選別搬送コンベア87が構成される。
図3で示す通り、該選別搬送コンベア87の搬送始端部と前記回収コンベア160の搬送終端部の間には、人参が落下し得る左右間隔が開いていると共に、選別搬送コンベア87の搬送始端部は回収コンベア160の搬送終端部よりも下方に位置しているので、前記前後の残葉処理フレーム72,72には、回収コンベア160の搬送終端部から排出される人参を選別搬送コンベア87の搬送始端部に移動させる引継シュータ147を、背面視で機体左右一側から左右他側に向かって下方傾斜する姿勢で配置する。
該引継シュータ147は、人参と接触しても人参を傷付けることを防止すると共に、選別搬送コンベア87の搬送バー144…と接触しても抵抗となることを防止すべく、ゴムや合成樹脂等の軟質部材で構成すると、人参が傷付くことが防止されて人参の商品価値が維持されると共に、選別搬送コンベア87の駆動回転が乱れて人参の搬送が滞ることが防止され、作業能率が向上する。
上記構成のとおり、回収駆動ローラ133よりも機体左右他側で且つ下側に選別駆動スプロケット134,134を配置したことにより、回収コンベア160の搬送終端部よりも下方に選別搬送コンベア87の搬送始端部が位置する構成とすることができるので、搬送される人参が引き継ぎの際に停滞することが防止されて作業能率が向上すると共に、停滞した人参に後続の人参が接触し、人参が傷付いて商品価値が低下することが防止される。
また、選別搬送コンベア87は残葉処理コンベア76よりも下方に位置するため、残葉処理コンベア76から選別搬送コンベア87への人参の引き継ぎの停滞も防止されるので、作業能率がいっそう向上すると共に、人参の商品価値の低下が防止される。
さらに、前後の第1選別カウンタスプロケット139,139及び前後の第2選別カウンタスプロケット140,140を、第1カウンタ回転軸139a及び第2カウンタ回転軸140aに設け、この前後の回転軸139a,139a、140a,140aを連結せず、前後間に空間部が生じる構成としたことにより、この前後空間部に石が移動した際に引っかかる部材がなくなるため、石抜けがよく、選別搬送コンベア87の破損が防止される。
そして、選別伝動チェーン137に接触する前後の第1アイドルローラ142,142や前後の第2アイドルローラ143,143を設けたことにより、人参を搬送しない面、即ち非作用側を張圧して選別伝動チェーン137,137の回転が止まったり遅くなったりする弛み、及び選別伝動チェーン137,137が破損し得る過負荷の発生を防止することができるので、収容容器97に収容された人参の量に合わせて選別搬送コンベア87の搬送終端部側を上下回動させても、人参の搬送速度は変わらないため、作業能率が向上すると共に、人参の選別精度が向上する。
また、搬送バー144…を左右方向に左右間隔L1を空けて配置したことにより、人参と共に運ばれてきた土砂や、残葉処理ローラ75で取り除かれた残葉をこの左右間隔L1から選別搬送コンベア87の下方に落下させることができるので、収容容器97に入る土砂や残葉が減少し、収容容器97の容量一杯に人参を収容することができる。これにより、収容容器97を交換する頻度が減少し、作業能率が向上する。
さらに、搬送バー144…よりも広い間隔で受け桟145…を設けたことにより、人参が選別搬送コンベア87上を転げても、受け桟145…が人参の移動を止めるので、同じ人参が何回も搬送始端部に戻ることが防止されるので、作業能率が向上すると共に、転げ落ちる際に後続の人参と接触して傷付くことが防止されるので、人参の商品価値が維持される。
なお、前記搬送バー144は、硬質ゴム等の強度の高い弾性体、あるいは棒状の金属の外周部に軟質ゴム等の柔らかい弾性体を巻き付けて構成すると、回収コンベア160や残葉処理コンベア76から人参を引き継ぐ際、接触の衝撃で人参が傷つくことを防止することができるので、人参の商品価値が向上する。
また、該受け桟145は、リベットまたはボルト(図示省略)を搬送面の反対側、即ち下側から装着して選別伝動チェーン137に取り付ける構成とすると、選別伝動チェーン137の巻回域内18iにリベットやボルトが突出しないので、他の部材との干渉が防止されるため、選別搬送コンベア87の破損が防止されると共に、搬送中の人参にリベットやボルトが接触して傷付くことが防止され、人参の商品価値が向上する。
そして、前記第2搬送フレーム78,78の左右間に支持プレート86を取り付け、該支持プレート86と機体フレーム1との間に選別搬送コンベア87の搬送終端部側を上下動させる昇降シリンダ88を伸縮自在に取り付けて、機体左右一側から左右他側に亘って人参を搬送する選別搬送コンベア87を構成する。さらに、該選別搬送コンベア87の搬送終端部の下部に、選別搬送コンベア87の搬送終端部から排出される人参を滑らせて移動させる、ゴム板や塩ビ板等の軟質部材で構成する排出シュータ89を端部が下方に垂れ下がる姿勢で取り付ける。
なお、昇降シリンダ88は電動式でも油圧式でも空圧式でもよく、手動で伸縮操作するものでもよい。
また、前記機体フレーム1の機体左右他側の後部で且つ選別搬送コンベア87よりも機体後側に、前記選別搬送コンベア87で搬送中の人参の選別作業や選別搬送コンベア87の操作を行なう補助作業者が搭乗する搭乗ステップ90を配置し、該搭乗ステップ90上で且つ選別搬送コンベア87の選別アイドルスプロケット135,135を配置した近傍位置に補助作業座席91を取り付ける。
さらに、前記昇降シリンダ88を伸縮操作して選別搬送コンベア87の搬送終端部側を上下動させる昇降操作ペダル92を選別搬送コンベア87の搬送経路の下方に配置する。
そして、該搭乗ステップ90上で且つ補助作業座席91に着座した補助作業者が足で踏んで操作できる位置に配置することによって、選別搬送部Fが構成される。
上記構成によれば、昇降シリンダ88を操作する昇降操作ペダル92を補助作業座席91に着座した補助作業者の足が届く位置に設けたことにより、補助作業者は補助作業座席91に着座したまま選別搬送コンベア87の搬送終端部側を上下動させることができ、作業能率が向上するとともに作業者の労力が軽減される。
さらに、昇降操作ペダル92を設けたことにより、補助作業者は選別搬送コンベア87の上下動を足だけで操作することができ、手を搬送中の人参の選別作業に集中させられるので選別精度が向上すると共に、手を選別搬送コンベア87の構成部材で挟んだり切ったりすることが防止でき、作業の安全性が向上する。
上記の選別搬送部Fの構成において、上述のとおり、選別搬送コンベア87は、搬送バー144…同士の左右空間部で土砂や残葉を下方に排出しながら、人参を収容容器97に搬送するものである。
この選別搬送コンベア87を駆動させる前後の選別伝動チェーン137,137の上方には、各々チェーンカバー146,146が設けられており、前後の選別伝動チェーン137,137に上方から落下する土砂が接触することを防止している。
しかしながら、回収コンベア160の搬送終端部からは、引抜搬送装置24で搬送中の人参から落下する土砂や、搬送途中で茎葉部が千切れるなどして落下してきた人参に付着した土砂が、下方に落ち込む軌跡で移動して排出され、土砂の排出位置が前後のチェーンカバー146,146の下方になることがある。
また、残葉処理コンベア76の残葉処理ローラ75は、人参の残葉を除去した後、選別搬送コンベア87の搬送始端部の近傍に人参を案内すべく、残葉処理コンベア76の搬送方向を基準として斜めに装着されており、この残葉処理ローラ75の端部から直下に落下する土砂は、チェーンカバー146を迂回して機体後側の選別駆動スプロケット134と選別伝動チェーン137との間に入り込むことがある。
選別駆動スプロケット134と選別伝動チェーン137の間に土砂、特に硬めの石が入り込むと、石が砕けたとしても、前後の選別伝動チェーン137が浮き上がり、選別駆動スプロケット134の回転駆動を受けないタイミングが発生する。
選別伝動チェーン137の浮き上がりが生じると、選別搬送コンベア87の駆動が一時的に停止し、反動で搬送中の人参が逆流し、後続の人参と接触して傷付き、商品価値が低下する問題が生じる。
また、前後の選別伝動チェーン137,137のうち、どちらか一方の送り出しタイミングにズレが生じると、次第に選別搬送コンベア87の前後で搬送速度に差が生じ始める。前後の選別伝動チェーン137,137は複数の搬送バー144…で連結されており、前後の選別駆動スプロケット134,134は、一本の選別搬送駆動軸134aに装着されているので、選別搬送コンベア87の搬送速度に速度差が付くと、搬送バー144…や選別搬送駆動軸134aに負荷がかかるようになる。
これにより、前後の選別伝動チェーン137,137間に設けた搬送バー144…や、選別搬送駆動軸134aが歪んで正常に回転しなくなるので、これらの部品を交換せねばならず、その間作業が中断されてしまい、作業能率が極端に低下したり、人参の収穫時期を逃してしまう問題がある。
選別搬送駆動軸134aに設ける前後の選別搬送スプロケット134,134には、シャーピン等の負荷がかかると優先的に破断して他の部材の破損を防止する部材が設けられているが、この場合でも少なくともシャーピンを交換する必要があるので、部品交換の間は人参の収穫作業が中断され、作業能率が大幅に低下することになる。
この問題を防止すべく、前記前後の第1搬送フレーム77,77の前後で、且つ回収コンベア160の回収ベルト133の上面に、前後のガードカバー148,148を、前側のものは機体後側に向かう後ろ下がり傾斜姿勢で、後側のものは機体前側に向かう前下がり傾斜姿勢で取り付ける。該前後のガードカバー148,148の一側端部は、回収コンベア160の搬送始端側の上方に臨ませると共に、他側端部は選別搬送コンベア87の搬送始端部の上方に臨ませる。
より詳細に説明すると、選別搬送コンベア87を構成する、前後の選別駆動スプロケット134,134よりも機体左右他側まで延長し、回収コンベア160の搬送終端部、及び残葉処理コンベア76の残葉処理ローラ75から排出される土砂を、前後のガードカバー148,148によって選別駆動スプロケット134,134よりも機体左右他側位置に案内し、選別搬送コンベア87の下方に落下させる構成とし、選別駆動スプロケット134と選別伝動チェーン137の間に土砂が噛み込まれることを防止する。
上記構成により、選別伝動チェーン137が選別駆動スプロケット134から浮き上がり、選別伝動チェーン137の送り出しタイミングにズレが生じる、所謂コマズレの発生が防止され、選別搬送コンベア87の前後位置で速度差が生じることを防止できるので、搬送バー144…や選別搬送駆動軸134aが歪んで選別搬送コンベア87が駆動しなくなることが防止される。
これにより、人参の収穫作業が中断されず、作業能率が向上すると共に、人参を収穫適期に収穫できるので、人参の商品価値が向上する。また、部品の交換を行う必要がなく、作業者の労力が軽減される。
また、前後のガードカバー148,148を各々回収コンベア160及び選別搬送コンベア87の前後方向の中央部に向かって傾斜させていることにより、ガードカバー148,148に載った土砂は、回収コンベア160及び選別搬送コンベア87の前後方向の中央部に移動するので、回収コンベア160の搬送終端部から選別搬送コンベア87の搬送始端部に移動する土砂が前後の選別駆動スプロケット134,134に接近することが防止され、選別駆動スプロケット134と選別伝動チェーン137との間に土砂が噛み込まれることが防止される。
これに加えて、残葉処理コンベア76から選別搬送コンベア87に移動する土砂も、選別搬送コンベア87の前後方向の中央部に移動するので、落下中の土砂が選別駆動スプロケット134と選別伝動チェーン137との間に噛み込まれることが防止される。
なお、前記前後のガードカバー148,148は、樹脂製のリベットを前後の第1搬送フレーム77,77に差し込んで装着することにより、ガードカバー148が摩耗するなどして交換する必要が生じた際、ガードカバー148を引き上げると簡単に外れるので、ガードカバー148の交換作業が容易に行え、作業能率が向上する。
また、前後のガードカバー148,148の搬送方向の後端部、即ち選別搬送コンベア87の搬送始端部に臨む部分には、切込みを入れる等して他の部分よりも撓みやすく構成すると、前後のガードカバー148,148が搬送バー144…や受け桟145…に接触する際に抵抗となることを防止できるので、選別搬送コンベア87に余分な負荷がかかり、耐久性が低下することが防止される。
前後のガードカバー148,148の前後幅は、前後の選別駆動スプロケット134,134や前後の選別伝動チェーン137,137に土砂が落下することを防止でき、さらに回収コンベア160及び選別搬送コンベア87の前後中央部に向かって土砂を案内しやすくすべく、60〜90mm程度とする。機体前側のガードカバー148は後側のガードカバー148に比べると土砂が入り込みにくいので、上記の例ほどの長さは不要ではあるが、前後共に同じ長さとすると、共通の部品を用いることができ、部品のコストダウンが図られる。
次に、収容部Gの構成について説明する。
図2及び図7から図11で示すように、前記選別搬送コンベア87の前後の第2搬送フレーム78,78の搬送方向下手側(左右他側部)に回動シャフト93を機体前後方向に貫通させて取り付け、該回動シャフト93の前後両端側で且つ第2搬送フレーム78,78の外側に夫々摩擦抵抗体94,94を設ける。
該摩擦抵抗体94,94は皿バネやスプリングワッシャ、ゴムリング等、強い摩擦抵抗を有する部材であればどのようなものを用いてもよい。
また、前記回動シャフト93の前後両端部に前後のハンガーアーム95,95の基部側を摩擦抵抗体94,94よりも前後方向外側に設け、第2搬送フレーム78,78とハンガーアーム95,95との間に挟み込んだ摩擦抵抗体94,94の摩擦抵抗によりハンガーアーム95,95が上方または下方に抵抗力以上の移動力がかかったときのみ上方または下方に移動可能に構成する。
なお、図7、図9及び図10で示すように、ハンガーアーム95,95は左右方向略中央部に屈曲部95a,95aを形成し、該屈曲部95a,95aから機体外側端部に亘って上方に向かう形状、即ち正面視あるいは背面視で逆“へ”の字形状に屈曲させた形状とすると、選別搬送コンベア87を上昇させた際にハンガーアーム95,95が下方に回動しても、前後の第2搬送フレーム78,78とハンガーアーム95,95との間に隙間が生じなくなり、補助作業者が選別搬送コンベア87の搬送終端部に向かって腕を伸ばしていても、第2搬送フレーム78,78とハンガーアーム95,95とに腕を挟まれることがなく、作業者の安全性が向上する。
また、ハンガーフレーム95,95が第2搬送フレーム78,78の搬送終端側の近傍に位置することにより、ハンガーフレーム95,95がどの傾斜角度であっても第2搬送フレーム78,78よりも下方に位置するので、補助作業者の選別作業スペースが広くなるので、選別精度が向上すると共に、作業能率が向上する。
そして、前記ハンガーアーム95,95の端部側に前後方向に亘って選別搬送コンベア87の機体前後端部よりも前後方向に突出するハンガーフレーム96を取り付け、該ハンガーフレーム96の前後両端部に人参を収容する収容袋(フレキシブルコンテナバッグ)97を前後左右の4点を引っ掛けて吊り下げ支持する前後一対の吊下げハンガー98,98を左右方向に回動自在に取り付ける。
さらに、該吊下げハンガー98,98の機体外側端部に上方向きの逆U字型(∩型)の外側吊下げ体99a,99aを夫々溶着すると共に、機体内側端部を下方向きのU字型の内側吊下げ体99b,99bを溶着し、該外側吊下げ体99a,99aと内側吊下げ体99b,99bに収容袋97を吊り下げる吊下げフック99f,99f,99f,99fを上下移動自在に取り付ける。
なお、外側吊下げ体99a,99a及び内側吊下げ体99b,99bを溶着する代わりに、吊下げハンガー98,98の機体外側端部を逆U字型(∩型)に折り曲げ、機体内側端部をU字型に折り曲げて、吊下げフック99f,99f,99f,99fを上下方向に移動自在に取付可能な構成としてもよい。
該吊下げハンガー98,98は、吊り下げる収容袋97の上側開口部が平面視で略四角形となるように、収容袋97の4箇所の角部を前後の外側吊下げ体99a,99a及び前後の内側吊下げ体99b,99bで吊り下げる。
なお、図10に示すように、前記吊下げハンガー98,98をハンガーフレーム96から取り外し、前記外側吊下げ体99a,99aをハンガーフレーム96の前後端部に引っ掛け、内側吊下げ体99b、99bを後述する回収台118の機体外側端部に設ける支持突起119に引っ掛けることにより、選別コンベア87を上方回動させると回収台118が吊下げハンガー98,98に引き上げられて自動的に収容姿勢、即ち機体フレーム1に対して略直交姿勢にすることができるので、回収台118を手作業で持ち上げる必要が無くなり、作業者の労力が軽減される。
また、選別搬送コンベア87を上限まで回動させて収納状態にした際、吊下げハンガー98,98は機体フレーム1に対して直交姿勢となるので、収納時に機体フレーム1の外側にはみ出す部材がなく、収納時にはみ出た部材が破損することが防止されると共に、収納スペースを余分に取ることが防止される。
吊下げハンガー98,98で回収台118を引き上げる際、吊下げハンガー98,98の姿勢は、収容袋97を開口状態で吊り下げる姿勢を基準として約180度回転させた姿勢となる。
さらに、図7から図9に示すように、前記ハンガーフレーム96に、直射日光を遮断するバイザープレート126を前後の吊下げハンガー98,98と略水平姿勢で取り付ける。該バイザープレート126は、ハンガーフレーム96と共に回動し、選別搬送コンベア87を上下動させても吊下げハンガー98,98と略水平姿勢となる構成とする。
上記構成により、収容袋97内に射し込む直射日光をバイザープレート126が遮断するため、長時間直射日光に晒された人参が乾燥等で萎びたり割れたりすることを防止できるので、人参の品質が低下しにくく、人参の商品価値が向上する。
そして、前記第2搬送フレーム78,78の搬送終端部の前後外側で且つ回動シャフト93の取付位置よりも機体外側方向に前後のハンガーアーム95,95を受け止めて下方回動を規制する下限規制突起100,100を取り付ける。さらに、機体前側の第2搬送フレーム78の外側で機体前側の下限規制突起100よりも上方且つ回動シャフト93寄りの位置に、機体前側のハンガーアーム95を受け止めて上方回動を規制する上限規制突起101を取り付ける。
また、前記回動シャフト93の機体後側もしくは前後両側に雌ネジを刻んだ孔部(図示せず)を形成し、該孔部にねじ込む雄ネジ(図示せず)を刻んだ調節ノブ102を挿し込み、該調節ノブ102を回転させて摩擦抵抗体94,94を間に挟んだ第2選別フレーム78,78とハンガーアーム95,95との前後間隔を変更することにより、摩擦抵抗力が変化する構成とする。
上記調節ノブ102を回動シャフト93の機体後側端部に設けると補助作業座席91に搭乗した補助作業者が操作し易く、回動シャフト93の機体前側端部に設けると操縦座席11に搭乗した作業者が操作し易くなり、摩擦抵抗体94,94の摩擦抵抗力の調節が容易となる。
さらに、前記回動シャフト93よりも選別搬送コンベア87の搬送終端側で且つ機体後側の第2搬送フレーム78の下側に前後方向に摺動自在なスライド軸103を設け、該スライド軸103に機体前側方向に付勢力をかけるスプリング104を装着する。そして、該スプリング104の機体前側端部に選別搬送コンベア87の下部に入り込む収容袋97の機体内側の前後中間部を吊り下げて弛みを防止する補助フック105を設け、前記スライド軸103の後側端部で且つ第2フレーム78の外側に作業者がスライド軸103を前後摺動させるスライドノブ106を取り付ける。
そして、該スライドノブ106に、作業者がスライドノブ106を手で操作し易くするフックレバー106aを設け、該フックレバー106aの基部にフックレバー106aを選別搬送コンベア87側、即ち機体内側に向けて付勢するトルク・スプリング106bを取り付ける。
前記フックレバー106aは、収穫作業時には収容袋97の機体内側の内部に接触させて収容袋97の機体内側を付勢させることにより、収容袋97の機体内側に弛みが発生することを防止できるので、弛みに人参が入り込んで収容量を無駄にすることが防止され、収容袋97の交換を頻繁に行う必要が無くなり、作業能率が向上する。また、フックレバー106aの表面にゴム等の軟質材で構成するチューブを装着すると、収容袋97に収容された人参がフックレバー106aに接触して傷付くことを防止できるので、人参の商品価値が向上する。
これに加えて、バイザープレート126はハンガーフレーム96と共に回動して常に吊下げハンガー98,98と略水平姿勢となるため、選別搬送コンベア87を上下動させても直射日光が収容袋97内に入り込みにくく、人参の劣化を防いで商品価値を向上させることができると共に、バイザープレート126が吊下げハンガー98,98の動きを妨げることが防止される。
さらに、フックレバー106aは、非作業時(収納時)はトルク・スプリング106bの力によって選別搬送コンベア87の底部に押し当てられるため、機体外側にフックレバー106aが突出することが防止されるので、収納時にフックレバー106aが接触により破損することが防止されると共に、収納スペースが余分に取られることがなくなる。
なお、前記スライド軸103は非操作時に選別搬送コンベア87の機体後端部から前後中間部と同じか若干機体前側まで亘って設けると、補助フック105の位置を合わせ易くなる。また、スライド軸103を機体前側から後側に向かって設けてもよく、この場合操縦座席11に搭乗する作業者がスライド軸103の操作を行なうことができる。
そして、図11で示すように、選別搬送コンベア87の下方で且つ回動シャフト93よりも選別搬送コンベア87の搬送方向上手側に、収容袋97の機体内側の吊り帯97iを引っ掛ける吊り帯フック107を取り付け、前記ハンガーフレーム96の上部に機体外側の吊り帯97oを引っ掛ける吊り帯ピン108を機体上方に向けて配置することにより、収容袋吊下げ装置85が構成される。
該機体内外側の吊り帯97i,97oは、人参を収容した収容袋97をフォークリフトやホイストに引っ掛けて吊り下げるための部材である。
次に、上記収容部Gの動作について説明する。
人参の収穫作業開始時には、前記選別搬送コンベア87の搬送終端部から収容袋97までの人参の落下距離を最小限にするため、該選別搬送コンベア87を最下位置まで下降させる。また、前後の吊下げハンガー98,98の外側吊下げ体99a,99aと内側吊下げ体99b,99bに設けた吊下げフック99f,99f,99f,99fに収容袋97の四隅を引っ掛けて、上側開口部を平面視で略四角形状とする。
そして、前後のハンガーアーム95,95を上限規制突起101に接触するまで上方回動させ、前後の吊下げハンガー98,98を機体内側端部から機体外側端部に向かって上方に傾斜する姿勢とする。吊下げハンガー98,98が機体外側方向に向かって上方に傾斜する姿勢となることにより、吊り下げられている収容袋97も機体内側端部から機体外側端部に向かって上方に傾斜する上り傾斜姿勢となる。
このとき、吊り下げられた収容袋97のうち、選別搬送コンベア87の搬送終端部側から人参が排出される機体内側は弛むため上下長さが短くなり、機体外側は殆ど弛みが生じないため上下長さが長くなる。
なお、収容袋97は、布材や合成繊維等で柔軟に構成したものとする。
また、前記収容袋97の機体内側端部に排出シュータ89の機体外側端部を入り込ませ、収容袋97の機体内側端部を選別搬送コンベア87の搬送終端側の下方に入り込ませ、収容袋97の前後方向略中心部に形成した吊り孔(図示せず)に補助フック105を引っ掛ける。さらに、収容袋Bの機体内側の吊り帯97iを吊り帯フック107に引っ掛けると共に、機体外側の吊り帯97oをハンガーフレーム96上の吊り帯ピン108に引っ掛ける。
前記ハンガーアーム95,95は摩擦抵抗体94,94の摩擦抵抗力により、作業者が設定した傾斜姿勢で保持されるが、放置すると勝手に下方回動し始める場合には調節ノブ102を回転させて、第2搬送フレーム78,78とハンガーアーム95,95との間に配置された摩擦抵抗体94,94の摩擦抵抗力を調節する。調節ノブ102を締め方向に回転させると摩擦抵抗体94,94の接触面積・接触圧が増加して摩擦抵抗力が強くなり、ハンガーアーム95,95が勝手に移動することが防止される。なお、緩め方向に回転させると摩擦抵抗体94,94の接触面積・接触圧が減少して、摩擦抵抗力が弱くなる。
また、収穫作業が進行し、収容袋97に収容された人参が一定量を超えると、補助作業者が昇降操作ペダル92の伸張側を足踏み操作し、昇降シリンダ88を伸ばして選別搬送コンベア87の搬送終端部側を上昇させる。
選別搬送コンベア87が上昇している間は、前記ハンガーアーム95,95が下降しようとする力が摩擦抵抗体96,96の摩擦抵抗力を上回るため、ハンガーアーム95,95が下降する。ハンガーアーム95,95の下降は、収容袋97に人参の収容スペースを確保すべく選別搬送コンベア87を上昇させている間のみ発生する。
ハンガーアーム95,95が下方回動することにより、吊下げハンガー98,98がハンガーフレーム96を支点として回動し、吊下げハンガー98.98の機体外側が下方に回動すると共に、機体内側が上方に回動する。収容袋97の機体外側は設置の段階で上方に位置しているので殆ど位置の変化はないが、機体内側は吊下げハンガー98,98の移動により、上方に引き上げられる。これにより、収容袋97の機体内側に生じていた弛みが上昇量に応じて解消される。
なお、この動作による選別搬送コンベア87の搬送終端部と収容袋97との落差の変化は殆どなく、また排出シュータ89の端部は、収容袋97の内部に垂れ下がって入り込んでいるため、収容袋97からはみ出すことがない。
また、収穫作業が進行し、収容袋97に収容された人参が一定量を超える度に選別搬送コンベア87の搬送終端部を上昇させ、ハンガーアーム95,95を下方回動させると共に、収容袋97の機体内側を上方に引き上げて、収容袋97内の人参の収容スペースを確保すると共に、機体内側に偏る人参の山を崩していく。
そして、選別搬送コンベア87を上方に回動させ、吊下げハンガー98,98が略水平姿勢になると、収容袋97の機体内側の弛みが解消され、機体内側と外側の上下高さが略同じになる。この状態となると、収容袋97には約200kgの人参が収容されているため、作業者は機体の走行を停止して収容袋97を機外に下ろす。
このとき、ハンガーアーム95,95が下限規制突起100,100に接触する構成とする。
しかしながら、あと数メートルで圃場内の人参を全て収穫できる場合等、収容袋97を交換すると手間が多くなる場合には、収容袋97の上部開口部を閉じる蓋部を吊下げハンガー98,98の外側吊下げ体99a,99aに引っ掛け、収容袋97の機体外側から左右方向中央部の近傍までの上下高さを長くしてやると、数メートル(数kg)分の人参であれば収容可能となり、収容袋97の交換の手間が省け、作業能率が向上する。
なお、この状態でも選別搬送コンベア87の搬送終端部と収容袋97との落差の変化は殆どない。
そして、収容袋97の収容量が一杯になると、機体や引抜搬送装置24、選別搬送コンベア87等を停止させ、吊下げフック99f,99f,99f,99fから収容袋97取り外すと共に、フックレバー106aを操作してスライドノブ106を介して機体後方に引っ張り、補助フック105を収容袋97から取り外す。補助フック105はスプリング104の付勢力によって、フックレバー106aから手を離すと選別搬送コンベア87、及び装着時の収容袋97の前後方向略中央部に自動的に復帰する。
また、操作ハンドル116を操作して、載置台112を前方または後方に下降させることにより、人参が収容された収容袋97は自重で載置台112を滑り降りるので、収容袋97を機体前側に降ろしたときは機体を後退させ、収容袋97を機体後側に降ろしたときは機体を前進させることにより、約200kgの人参を収容した収容袋97が収容部Gから降ろされて圃場に設置される。
そして、収穫作業が終了すると、ハンガーアーム95,95を再び上限規制突起101に接触させ、選別搬送コンベア87を最上位置まで上方回動させる。
上記構成及び動作により、収容袋97の機体外側には作業の開始から交換時まで殆ど弛みが生じないため、弛みに人参が入り込んで収容袋97の収容量を減らしてしまうことが防止され、収容袋97の交換の頻度が減り、作業能率が交換すると共に、作業者の労力が軽減される。
従来の収容袋の取り付け方では、機体内外両側に弛みが生じるため、この弛みに人参が入り込み、収容袋が持ち上げられても弛みが取れなくなり、一回の収容量が減少し、収容袋の交換頻度が高くなっていた。
また、収容袋に生じた弛みを選別搬送コンベアを上下動させて解消し、収容スペースを確保することはできたが、弛みを取る度に作業者は選別搬送コンベアを操作せねばならず、作業能率を低下させていた。特に選別を行う補助作業者の場合、操作中の選別精度が低下していた。
そして、選別搬送コンベア87の搬送終端部と収容袋97の機体左右一側部との落差が常に略一定であるので、落下の衝撃で人参が傷付くことを防止でき、人参の商品価値が向上する。
さらに、通常はハンガーアーム95,95の回動を摩擦抵抗体96,96によって規制し、選別搬送コンベア87を上昇させている間のみハンガーアーム95,95が下方回動する構成としたことにより、収容袋97の人参の収容量の変化に合わせて選別搬送コンベア87を操作すると連動して吊下げハンガー98,98の機体内側を上方に移動させることができるので、収容袋97の収容量を自動的に増大させられると共に、収容袋97の機体内側の弛みが自動的に解消されるので、弛みを取るために選別搬送コンベア87を上下動させる必要がなく、作業能率が格段に向上する。
また、ハンガーアーム95,95の上方傾斜姿勢の限度を決める上限規制突起101を機体前側の第2搬送フレーム78に設けたことにより、作業者はハンガーアーム98,98をセットする位置がわかりやすく、収容袋97が満杯になるようにハンガーアーム95,95の位置を決めることができる。
加えて、上限規制突起101が機体前側の第2搬送フレーム78にのみ設けられたことにより、上限規制突起101は選別搬送コンベア87で搬送中の人参の選別を行う補助作業者の作業範囲内に存在しないため、補助作業者が動作する際にぶつかったり衣服に引っ掛かったりすることが防止され、作業者の負担が軽減される。
下限規制部材100,100は機体後側の第2搬送フレーム78にも設けられるが、設けられる位置は吊下げハンガー98,98の機体内側端部が位置しており、しかも通常選別作業を終えている領域であるため、補助作業者の動作に干渉することはないので、問題はない。
なお、作業者がハンガーアーム95,95を上段規制突起101に接触させ忘れることを防止するために、後側の第2搬送フレーム78に注意書きを記しておくと、設定忘れが防止できる。
そして、吊下げハンガー98,98の機体外側端部に外側吊下げ体99a,99aを上方に向けて設け、機体内側端部に内側吊下げ体99b,99bを設けたことにより、機体内側の吊下げフック99f,99fが機体外側の吊下げフック99f,99fよりも下方に位置するので、収容袋97を設置した際に収容袋97の機体外側と機体内側の上下高さの差が大きくなるので、収容袋97の機体外側からいっそう人参がこぼれにくくなる。
また、吊下げハンガー98の左右両端部を折り曲げて外側吊下げ体99a及び内側吊下げ体99bを形成すると、一本の棒材で構成することができるので、コストダウンを図ることができる。
そして、収容袋97の機体内側に設けた吊り帯97iを選別搬送コンベア87下の吊り帯フック107に引っ掛けると共に、機体外側に設けた吊り帯97oをハンガーフレーム96上の吊り帯ピン108に引っ掛けることにより、収容袋97を吊り帯97i,97oが引っ張るので、収容袋97に生じる弛みを軽減することができる。
さらに、収容袋97の前後方向略中央部の孔部に補助フック105を引っ掛けることにより、収容袋97の機体内側の前後方向略中央部に生じる弛みを小さくすることができるので、人参が機体内側の弛みに入り込みにくく、収容スペースが十分に確保できる。
そして、スライドノブ106を機体後方に引っ張ると、スライド軸103が機体後方に摺動して補助フック105が収容袋97から外れるので、人参で満杯になった収容袋97と選別搬送コンベア87の搬送終端部の下方との間に生じる狭いスペースに手を進入させなくても補助フック105を外すことができるので、作業能率が向上すると共に、作業者の労力が軽減される。
また、ハンガーアーム95,95を上限規制突起101に接触させ、選別搬送コンベア87を最上位置まで回動させると、吊下げハンガー98,98が回動して吊下げハンガー98,98の機体外側端部が機体フレーム1の端部よりも内側に位置するので、機体フレーム1からはみ出した吊下げハンガー98,98が壁等にぶつかることがなく、機体の破損が防止される。
また、排出シュータ89の端部を収容袋97の内側に垂れ下がらせたことにより、排出シュータ89と収容袋97との間の人参が落下し得る空間部がなくなるので、選別搬送コンベア87から排出される人参が落下することを防止でき、人参の商品価値が向上する。該排出シュータ89の機体前後方向の幅は、選別搬送コンベア87の機体前後方向の幅と略同じにすると、上記の人参の落下防止効果がいっそう向上する。
次に、載置排出部Hの構成について説明する。
図2、図17及び図18で示すように、前記機体フレーム1の機体左右他側後部に前後支持プレート109,109を機体左右方向に取り付け、該前後支持プレート109,109の機体外側端部に載置部フレーム110を、左右回動軸110aを回動支点として機体左右方向に回動自在に取り付ける。そして、該載置部フレーム110の後下部に上下回動軸111aを設け、該上下回動軸111aの上部に前後の吊下ハンガー98,98に吊り下げられる収容袋97の底部を載置支持する載置台112を上下回動自在に取り付ける。
また、前記載置部フレーム110の後側の左右他側端部に後側支持プレート113を設け、前記上下回動軸111aの左右他側端部に回動プレート114の下端部を機体前後方向に回動自在に設けるとともに、該回動プレート114の上部と後側支持プレート113の上部との間に伸縮自在な伸縮ロッド115を取り付ける。
さらに、該伸縮ロッド115の機体後側の端部に伸縮ロッド115を伸縮させる操作ハンドル116を取り付けるとともに、前記載置台112の左右両側及び後側に収容袋97の落下を防止する落下防止板117B,117L,117Rを取り付けることにより、回収台118が構成される。該回収台118の機体外側端部(機体右側端部)には、回収台118の折り畳み作業時に前記吊下げハンガー98,98の一側端部を引っ掛ける支持突起119を取り付ける。
上記落下防止板117B,117L,117Rのうち、機体左側、即ち機体内側に配置される左落下防止板117Lの下部側に、水や夾雑物を排出する排出開口部117sを形成し、回収台118を機体フレーム1側に回動させると水や夾雑物が排出開口部117sから圃場に落下する構成とする。
そして、前記左右回動軸110aに、回収台118を常時上方に付勢して上方傾斜姿勢で保持するトルク・スプリング110bを取り付け、収容袋97に収容された人参の重量が増加すると自動的に機体フレーム1に対して略水平姿勢になるまで下方回動する構成とする。
前記収容袋吊下げ装置85と回収台118とにより、載置排出部Hが構成される。
なお、伸縮ロッド115は一方の棒材の表面に螺子溝を刻み、他方の中空の棒材の内面に螺子溝を刻み、互いの棒体の螺子溝を合わせて操作ハンドル116で回転させて伸縮する構成としているが、電動シリンダや油圧シリンダに置き換えてもよく、その場合は操作ハンドル116をスイッチやレバーに置き換えてもよい。