JP2018065972A - 発泡体及びそれを用いた成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡性に優れた発泡体の提供。【解決手段】融点(非晶性樹脂の場合はガラス転移温度)より5℃高い温度でJIS K7113に準拠して引張測定を行った際、降伏応力(降伏点を示さない場合は耐力)(S1)と、そこからさらに100%歪ませた際の応力(S2)の比(S2/S1)が、1.0以上2.0以下である熱可塑性樹脂からなる発泡体。【選択図】なし

Description

本発明は、発泡体及びそれを用いた成形体に関する。
発泡体は、樹脂や金属に比べて断熱性が高く、また軽量化が可能な事から、生活に身近なものから工業的な用途まで幅広く使用されている。一般的に、樹脂を発泡させる際、発泡時の樹脂の流動特性が発泡性に大きく影響する事が知られているが、熱可塑性樹脂、特に結晶性の樹脂は、融点以上に加熱した際、急激に粘弾性が低下し、発泡適正温度が狭くなる為、発泡制御が困難であった。これを解決する方法として、例えば、特許文献1には、発泡ビーズの気泡サイズを均一にする記載がある。
特開平4−372630号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発泡ビーズは、気泡サイズを均一にする事を目的としており、高温、特に融点以上の温度での引張特性に関する課題はなく、発泡時の樹脂物性は改善されていない。そのため、発泡ビーズの発泡倍率は多段発泡により50cc/gまで達成しているが、1段階目(一次発泡)の発泡倍率は2.0cc/g前後にとどまっており、発泡倍率が不十分であった。
本発明は、優れた発泡性を示す発泡体を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
[1]融点(非晶性樹脂の場合はガラス転移温度)より5℃高い温度でJIS K7113に準拠して引張測定を行った際、降伏応力(降伏点を示さない場合は耐力)(S1)と、そこからさらに100%歪ませた際の応力(S2)の比(S2/S1)が1.0以上2.0以下である熱可塑性樹脂からなる、発泡体。
[2]前記熱可塑性樹脂が、融点(非晶性樹脂の場合はガラス転移温度)より5℃高い温度でJIS K7113に準拠して引張測定を行った際、降伏点を示さない、[1]に記載の発泡体。
[3]前記熱可塑性樹脂が結晶性である、[1]または[2]に記載の発泡体。
[4]前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の発泡体。
[5]前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の発泡体。
[6]前記発泡体がビーズ発泡体である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の発泡体。
[7][6]に記載のビーズ発泡体を用いた、ビーズ発泡成形体。
本発明の発泡体は、優れた発泡性を有する。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明に用いる熱可塑性樹脂は、融点(非晶性の場合はガラス転移点)より5℃高い温度で引張測定を行った際の降伏応力(降伏点を示さない場合は耐力)(S1)と、そこからさらに100%歪ませた際の応力(S2)の比(S2/S1)が、1.0以上2.0以下である。
降伏点のひずみをε%とすると、S2は(ε+100)%での応力を示し、100%歪ませる前に破断した場合は、破断するまでの最大応力をS2とする。S2/S1の値は、融点やガラス転移温度の異なる樹脂を混ぜたり、架橋等の改質をする事により変わるので、樹脂の混合比率や架橋度等の改質程度を調整する事により所望の値に調整する事が可能である。融点及びガラス転移点は、複数の樹脂を混合したり、架橋等の改質を行った場合、その後に測定した値を指す。
(S2/S1)が1.0より小さい場合、発泡過程において、気泡を形成する膜(以下、セル膜という)が引き伸ばされる際の応力(抵抗力)が低く、過剰に伸びてしまう為、セル膜が破断し、きれいな気泡を形成できず、発泡倍率を上げる事ができなくなる。一方、(S2/S1)が2.0より大きい場合は、逆に応力(抵抗力)が高くなりすぎてしまい、気泡の成長を妨げる為、倍率が上げられなくなる。これは、溶融状態でガスを注入して発泡させる押出発泡にも必要な特性だが、非溶融状態から温度を上げていく事で発泡を行うビーズ発泡法では、特に重要となる特性である。(S2/S1)は、より好ましくは1.0以上1.5以下である。また、発泡工程において、セル膜が引き伸ばされる、すなわち、ひずみが大きくなる際、ある点で応力が低下すると、一気に発泡が進んで破膜しやすくなるので、ひずみに対して応力は常に一定か増加する事が好ましい。すなわち、融点(非晶性の場合はガラス転移点)より5℃高い温度で引張測定を行った際に、降伏点がない樹脂が好ましい。
本発明に用いる樹脂は、熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)等のポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂、ポリスチレン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、1,2−ポリブタジエン系、フッ素ゴム系等の熱可塑性エラストマー、ポリアミド系、ポリアセタール系、ポリエステル系、フッ素系の熱可塑性エンジニアリングプラスチック、粉末ゴム等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また本発明の目的を損なわない範囲で変性、架橋された樹脂を用いてもよい。上記原料の中でも、加工性の観点から結晶性樹脂が好ましく、特にポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂がより好ましく、中でもポリアミド系樹脂が最も好ましい。
次に、本発明の発泡体の製造方法について説明する。
本発明の発泡体の製造方法として、例えば、押出発泡法、ビーズ発泡法等が挙げられるが、これに制限される物ではないが、本発明ではビーズ発泡体が好ましい。以下、一例としてビーズ発泡法について詳細を説明するが、これに制限される物ではない。
本発明に用いる発泡ビーズは、基材樹脂に発泡剤を含有(含浸)させ(含浸工程)、基材樹脂を発泡させること(発泡工程)により得ることができる。
含浸工程において、基材樹脂に発泡剤を含有させる方法は特には限定せず、一般的に行われている方法が適用できる。発泡剤を含有させる方法として、水等の懸濁系を利用して水性媒体で行う方法(懸濁含浸)や、重炭素水素ナトリウム等の熱分解型発泡剤を用いる方法(発泡剤分解法)、ガスを臨界圧力以上の雰囲気にし、液相状態にして基材樹脂に接触させる方法(液相含浸)、臨界圧力未満の高圧雰囲気下で気相状態で基材樹脂に接触させる方法(気相含浸)等が挙げられる。この中でも特に、臨界圧力未満の高圧雰囲気下で気相含浸させる方法が好ましい。気相含浸させる方法は、高温条件下で実施される懸濁含浸に比べてガスの樹脂への溶解度がより良好で、発泡剤の含有量を高くしやすくなる。そのため、高発泡倍率を達成しやすく、基材樹脂内の気泡サイズも均一になりやすくなるからである。発泡剤分解法も同様に高温条件下で実施されるだけでなく、加えた熱分解型発泡剤全てがガスになる訳ではないため、ガス発生量が相対的に少なくなりやすい。そのため気相含浸の方がより発泡剤含有量を高くしやすい利点がある。また、液相含浸と比べると、耐圧装置や冷却装置等の設備がよりコンパクトになりやすく、設備費が低く抑えやすくなる。
気相含浸条件は特には限定されないが、雰囲気圧力として0.5〜6.0MPaが好ましい。また、雰囲気温度は5〜30℃が好ましく、7〜15℃がより好ましい。雰囲気圧力、雰囲気温度が上記範囲であると、より効率的に基材樹脂へのガス溶解が進行しやすくなる。特に、雰囲気温度は低ければ含浸量が増えるが含浸速度は遅くなり、雰囲気温度が高ければ含浸量は減るが含浸速度は速くなる傾向であり、その兼ね合いから効率的に基材樹脂へのガス溶解を進行するために上記の雰囲気温度を設定するのが好ましい。
発泡剤は特には限定されず、一般的に用いられているガスを使用することができる。その例として、空気、炭酸ガス、窒素ガス、酸素ガス、アンモニアガス、水素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス等の無機ガス、トリクロロフルオロメタン(R11)、ジクロロジフルオロメタン(R12)、クロロジフルオロメタン(R22)、テトラクロロジフルオロエタン(R112)ジクロロフルオロエタン(R141b)クロロジフルオロエタン(R142b)、ジフルオロエタン(R152a)、HFC−245fa、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−225ca等のフルオロカーボンや、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン等の飽和炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn―ブチルケトン、メチルi−ブチルケトン、メチルn−アミルケトン、メチルn−ヘキシルケトン、エチルn−プロピルケトン、エチルn−ブチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類、蟻酸メチルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエステル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステル、プロピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチルエステル等のカルボン酸エステル類、塩化メチル、塩化エチル等の塩素化炭化水素類等が挙げられる。
ガスの安全性の観点から無機ガスが好ましい。また、無機ガスは炭化水素等の有機ガスに比べ樹脂に溶けにくく、発泡工程や成形工程の後、樹脂からガスが抜けやすいので、成形品の経時での寸法安定性がより優れる利点もある。さらに、残存ガスによる樹脂の可塑化も起こりにくく、成形後、より早い段階から優れた耐熱性を発現しやすいメリットもある。無機ガスの中でも、樹脂への溶解性、取り扱いの容易さの観点から、炭酸ガスが好ましく、その含浸量は樹脂に対して0.5〜10質量%あることが好ましい。より好ましくは1.0〜8質量%である。
炭酸ガスの含浸量が0.5質量%以上であると、より高い発泡倍率を達成しやすくなり、基材樹脂内の気泡サイズがばらつきにくく、基材樹脂間での発泡倍率のばらつきが小さくなる傾向である。10質量%以下であると、気泡サイズが適度になるため独立気泡率が維持されやすくなる傾向にある。
発泡工程における、発泡ビーズの発泡方法は特に限定されないが、例えば、高圧条件下から一気に低圧雰囲気下に開放し、基材樹脂内に溶解しているガスを膨張させる方法や、加圧水蒸気等により加熱し、基材樹脂内に溶解したガスを膨張させる方法等が挙げられる。この中でも特に、加熱発泡させる方法が好ましい。これは、高圧条件下から一気に低圧雰囲気下に開放する方法に比べると、基材樹脂内部の気泡サイズが均一になりやすいからである。また、発泡倍率の制御、特に低発泡倍率品の制御が行いやすい利点がある。
加圧水蒸気は、例えば、発泡炉の下部から多数の蒸気孔より導入し、樹脂を攪拌羽により攪拌することで、より均一かつ効率的に発泡させることができる。攪拌羽の回転数は、20〜120rpmが好ましく、50〜90rpmがより好ましい。回転数が20rpm以下であると均一に加圧水蒸気が当たらず発泡制御が困難であったりブロッキング等の不具合が起こったりする傾向であり、120rpm以上であると発泡時のビーズが攪拌羽によりダメージを受け、独立気泡率が低下したり、所望の発泡倍率が得られない傾向にある。
発泡ビーズを所望の発泡倍率まで発泡させる際、発泡工程において、一段階で所望の発泡倍率まで発泡させてもよく、二次発泡、三次発泡と、多段階で発泡させてもよい。この場合、一次発泡倍率は好ましくは2.6〜5.0cc/gであり、より好ましくは2.7〜4.8cc/gである。一次発泡倍率がこの範囲であると、二次発泡、三次発泡において、セル膜が破膜する事なく、より倍率を上げやすくなる。多段階で発泡させる場合、各段階での発泡前に予備ビーズ(最終段階の発泡を行っていないビーズ等をいう)に無機ガスで加圧処理を行うことが好ましい。加圧処理に用いるガスは特には限定されないが、難燃性やガスの安全性の観点から無機ガスが好ましい。無機ガスの例として、空気、炭酸ガス、窒素ガス、酸素ガス、アンモニアガス、水素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス等が挙げられ、取り扱いの容易さと経済性の観点から、炭酸ガスや空気が好ましいが、それに限定されるものではない。加圧処理の方法も特には限定されないが、加圧タンク内に予備ビーズを充填し、該タンク内に無機ガスを供給して加圧する方法等が挙げられる。
本発明の態様である発泡ビーズは、一般的な成形加工方法を用いて成形体を得る(成形工程)こともできる。
成形加工方法の例として、成形工程において、成形型内に発泡ビーズを充填し、加熱することにより発泡させると同時にビーズ同士を融着させた後、冷却により固化させ、成形されることが挙げられるがこれに限定されない。発泡ビーズの充填方法は特には限定されないが、例として充填時に金型を多少開いた状態で充填するクラッキング法や、金型を閉じたままの状態で加圧して圧縮したビーズを充填する圧縮法、圧縮ビーズを充填後にクラッキングを行う圧縮クラッキング法等が挙げられる。
発泡ビーズを充填する前に無機ガス雰囲気下で加圧処理を施す加圧工程を行うことが好ましい。加圧処理を施すことにより、発泡ビーズ内の気泡に一定のガス圧力を付与でき、より均一に発泡成形しやすくなるためである。加圧処理を実施する場合の圧力源は特には限定されないが、前述した難燃性や耐熱性、寸法安定性の観点から無機ガスを用いるのが好ましい。無機ガスの例として、空気、炭酸ガス、窒素ガス、酸素ガス、アンモニアガス、水素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス等が挙げられ、取り扱いの容易さと経済性の観点から、炭酸ガスや空気が好ましいが、それに限定されるものではない。加圧処理の方法も特には限定されないが、加圧タンク内に発泡ビーズを充填し、該タンク内に無機ガスを供給して加圧する方法等が挙げられる。
得られた発泡ビーズを使用すると、公知の型内成形方法により微細な形状や複雑な形状の成形体も製造することが可能であり、使用できる用途の幅が広がることも特徴である。
例えば、従来の発泡ビーズを型内成形する一対の成形型を用い、加圧大気圧下又は減圧下に発泡ビーズを成形型キャビティー内に充填し、型閉めし成形型キャビティー体積を0〜70%減少するように圧縮し、次いで型内にスチーム等の熱媒を供給して加熱を行い、発泡ビーズを加熱融着させる減圧成形法による方法(例えば、特公昭46−38359号公報)、発泡ビーズを加圧気体により、予め加圧処理して発泡ビーズ内の圧力を高めて、発泡ビーズの二次発泡性を高め、二次発泡性を維持しつつ大気圧下又は減圧下に発泡ビーズを成形型キャビティー内に充填し型閉めし、次いで型内にスチーム等の熱媒を供給して加熱を行い、発泡ビーズを加熱融着させる加圧成形法(例えば、特公昭51−22951号公報)などにより成形する。
また、圧縮ガスにより大気圧以上に加圧したキャビティー内に、当該圧力以上に加圧した発泡ビーズを充填した後、キャビティー内にスチーム等の熱媒を供給して加熱を行い、発泡ビーズを加熱融着させる圧縮充填成型法(特公平4−46217号公報)により成形することもできる。その他に、特殊な条件にて得られる二次発泡力の高い発泡ビーズを、大気圧下又は減圧下の一対の成形型のキャビティー内に充填した後、次いでスチーム等の熱媒を供給して加熱を行い、発泡ビーズを加熱融着させる常圧充填成型法(特公平6−49795号公報)又は上記の方法を組み合わせた方法(特公平6−22919号公報)などによっても成形することができる。
本発明の態様である発泡ビーズを用いた成形体の発泡倍率は特には限定されないが、3〜70cc/gが好ましく、4〜65cc/gがより好ましい。
次に、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いた評価方法について以下に説明する。
(1)融点(ガラス転移温度)
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量測定(DSC)にて測定を行い、融解ピーク温度(Tpm)を融点とした。非晶性樹脂においては、中間点ガラス転移温度(Tmg)をガラス転移点とした。
(2)引張特性
発泡前の樹脂を用いて0.4mm厚みのシートを作製し、JIS K7113に準拠し測定を行った。尚、測定温度は、原料樹脂の融点(非晶性の場合はガラス転移温度)より5℃高い温度とした。降伏点がある場合はその値をS1とし、降伏点がない場合はJIS K7113に記載の方法にて、永久ひずみ(オフセット値)を10%として耐力を求め、S1とした。さらに、これより100%歪ませた際の応力をS2とした。すなわち、S1のひずみをε、S2のひずみをεとした場合、ε=ε+100(%)である。尚、100%歪ませる前に破断した場合は、破断するまでの最大応力をS2とした。得られた値から、S2/S1を計算した。
(3)一次発泡倍率
発泡ビーズの重量W(g)を測定した後、水没法で体積V(cc)を測定し、その体積を重量で除した値V/W(cc/g)を発泡倍率とした。
[実施例1]
ポリエチレン系樹脂として、サンテックLD(旭化成(株)製、密度0.930g/cm3、融点117℃)を用い、水懸濁系で架橋剤としてジクミルパーオキサイドを用いて架橋を行った。得られた樹脂の融点は117℃であった。これを用いて122℃にて引張試験を行った所、S1/S2の値は1.0であった。これを耐圧容器に収容し、容器内の気体を乾燥空気で置換した後、発泡剤として二酸化炭素(気体)を注入し、圧力3.2MPa、温度11℃の条件下で3時間かけて基材樹脂ペレットに対して二酸化炭素を含浸させ、基材樹脂ペレットを発泡炉内で攪拌羽を77rpmにて回転させながら加圧水蒸気により発泡させた。得られた発泡ビーズの1次発泡倍率は4.3cc/gであった。
[実施例2〜4]
架橋剤量を変更し、S1/S2の値を表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様に評価を行った。実施例4は若干倍率は低めではあったが、実施例1と同様に優れた発泡性を示した。
[実施例5]
ポリアミド系樹脂として、A1025(ユニチカ(株)製、密度1.13、融点220℃)を用い、予め110℃で4時間除湿乾燥機で乾燥したのち、改質剤としてスチレン・無水マレイン酸共重合体を加え、押出機にて加熱溶融混練の後に押出し、基材樹脂ペレットを作製した。これを用いて225℃にて引張試験を実施した所、S1/S2の値は1.1であった。これを耐圧容器に収容し、容器内の気体を乾燥空気で置換した後、発泡剤として二酸化炭素(気体)を注入し、圧力4.0MPa、温度11℃の条件下で48時間かけて基材樹脂ペレットに対して二酸化炭素を含浸させ、基材ペレットを発泡装置に移し、熱風を20秒間吹き込み発泡させた。得られた発泡ビーズの1次倍率は、3.3cc/gであった。
[実施例6〜7]
改質剤量を変更し、S1/S2の値を表1に示した通りに変更した以外は実施例5と同様に評価を行った。実施例7は若干倍率は低めではあったが、実施例5と同様に優れた発泡性を示した。
[比較例1]
ポリエチレン系樹脂として、サンテックLD(旭化成(株)製、密度0.930g/cm3、融点117℃)を用いて122℃にて引張試験を行った所、S1/S2の値は0.1であった。これを耐圧容器に収容し、容器内の気体を乾燥空気で置換した後、発泡剤として二酸化炭素(気体)を注入し、圧力3.2MPa、温度11℃の条件下で3時間かけて基材樹脂ペレットに対して二酸化炭素を含浸させ、基材樹脂ペレットを発泡炉内で攪拌羽を77rpmにて回転させながら加圧水蒸気により発泡させたが、得られた発泡ビーズの1次発泡倍率は1.8cc/gと低いものであった。
[比較例2]
架橋剤量を変更し、S1/S2の値を表2に示した通りに変更した以外は実施例1と同様に評価を行ったが、比較例1と同様に、発泡倍率を2cc/g以上に上げる事ができなかった。
[比較例3]
ポリアミド系樹脂として、A1025(ユニチカ(株)製、密度1.13、融点220℃)を用いて225℃にて引張試験を実施した所、S1/S2の値は0.1であった。これを耐圧容器に収容し、容器内の気体を乾燥空気で置換した後、発泡剤として二酸化炭素(気体)を注入し、圧力4.0MPa、温度11℃の条件下で48時間かけて基材樹脂ペレットに対して二酸化炭素を含浸させ、基材ペレットを発泡装置に移し、熱風を20秒間吹き込み発泡させたが、得られた発泡ビーズの1次発泡倍率は、1.3cc/gと低いものであった。
Figure 2018065972
Figure 2018065972
本発明は、発泡性に優れた発泡体を提供する事ができる。これにより、優れた緩衝材や自動車や電機電子分野での各部材、さらには日用品や家庭用品の部材として好適に使用する事ができる。

Claims (7)

  1. 融点(非晶性樹脂の場合はガラス転移温度)より5℃高い温度でJIS K7113に準拠して引張測定を行った際、降伏応力(降伏点を示さない場合は耐力)(S1)と、そこからさらに100%歪ませた際の応力(S2)の比(S2/S1)が1.0以上2.0以下である熱可塑性樹脂からなる、発泡体。
  2. 前記熱可塑性樹脂が、融点(非晶性樹脂の場合はガラス転移温度)より5℃高い温度でJIS K7113に準拠して引張測定を行った際に降伏点を示さない、請求項1に記載の発泡体。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、結晶性である、請求項1または2に記載の発泡体。
  4. 前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
  6. 前記発泡体がビーズ発泡体である請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡体。
  7. 請求項6に記載のビーズ発泡体を用いたビーズ発泡成形体。
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