JPH04372630A - ポリオレフィン系樹脂の低発泡粒子及びその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂の低発泡粒子及びその製造方法

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JPH04372630A
JPH04372630A JP17475291A JP17475291A JPH04372630A JP H04372630 A JPH04372630 A JP H04372630A JP 17475291 A JP17475291 A JP 17475291A JP 17475291 A JP17475291 A JP 17475291A JP H04372630 A JPH04372630 A JP H04372630A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡剤のCFC、HC
FC規制をクリアーする処の二酸化炭素を、ポリオレフ
ィン系樹脂粒子に気相含浸させて、発泡剤とするポリオ
レフィン系樹脂の製造方法、及びその製造方法で初めて
達成された、従来品に比べ「気泡1個当たりの見掛けの
膜厚みが厚い」改良されたポリオレフィン系樹脂の低倍
率発泡粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から型内成形に供する発泡粒子とし
ては、均質構造の発泡粒子「独立気泡構造で気泡径や粒
子径の揃った状態の発泡粒子」が理想的であるとされて
いる。
【0003】これは、型内に充填して加熱し、発泡粒子
を膨張させて粒子相互間の空間が埋まった密に融着した
状態の成形体にしようとする際に、均質構造の発泡粒子
の方が型窩内への充填状態が均質になることや、予め発
泡粒子に付与しておいた膨張能が大きく発現すること、
及び得られた成形体の特性が本質的に良くなることに基
づくものと考えられている。
【0004】例えば、特公昭61−11253号公報及
び特公平2−50944号公報には、低発泡倍率の発泡
粒子を作成しておき、これを段階的に膨張させて目標発
泡倍率の発泡粒子を得る方法が記載されている。
【0005】この技術思想は、発泡粒子の再膨張には均
質な独立気泡構造の発泡粒子が必要となるので、先ず低
発泡状態の粒子にし、これを段階的に丁寧に膨張させる
と、成形に供する発泡粒子は、均質な独立気泡構造で粒
子形状(粒子径)の揃った状態になることを教示してい
る。
【0006】しかし、この特公昭61−11253号公
報及び特公平2−50944号公報には、「気泡1個当
たりの見掛けの膜厚みが厚い」ポリオレフィン系樹脂の
低倍率発泡粒子を得る方法に関する技術的内容や、「気
泡1個当たりの見掛けの膜厚みが厚い」発泡粒子が発揮
する、特異な効能についての開示はない。一方、二酸化
炭素をポリオレフィン系樹脂の発泡剤に使用することは
、例えば特公昭62−44777号公報及び特公昭62
−61227号公報に記載されていて公知である。
【0007】また、二酸化炭素を樹脂粒子の発泡剤にし
て得た発泡樹脂粒子は、これに空気などの無機ガスを追
添して膨張能を付与し、型内で加熱成形すれば型内成形
体に出来ることも、例えば特公昭63−41942号公
報等に記載されている。この3つの発明は、オゾン層破
壊の問題が地球規模の環境問題として重視され、発泡剤
として重用されてきた、例えばジクロロジフルオロメタ
ン、モノクロロジフルオロメタン等の揮発性有機発泡剤
が、CFC、HCFC規制によって使用が制約される昨
今では、上記規制をクリアーする処の二酸化炭素を樹脂
粒子の発泡剤とする点で注目される。
【0008】とは言え、二酸化炭素を樹脂粒子の発泡剤
にすることは容易なことではない。その理由は、一般に
二酸化炭素は、揮発性有機発泡剤に比べて樹脂への溶解
性が低く、これを直接ポリオレフィン系樹脂に均質含浸
させることが困難な上に、逆に加熱発泡させる時は、含
浸した二酸化炭素の樹脂からの逸散が速すぎることや、
含浸した二酸化炭素それ自体が、気泡核となって気泡の
成長を阻害してしまう問題等があって、型内成形が可能
な良質の発泡粒子が得られないためだと考えられる。
【0009】そのためか、上記三つの発明の技術では、
いずれも水性分散媒に二酸化炭素を溶解させた状態にし
て樹脂粒子に接触含浸させ、そして「得られた発泡性粒
子は高温・高圧下の分散媒と一緒に低圧の雰囲気下に放
出して発泡させる方式」を採用している処に特長がある
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、二酸化
炭素を用いる上記三つの発明では、均質構造の発泡粒子
「独立気泡構造で気泡径や粒子径の揃った状態の発泡粒
子」が得られない欠点、及び膨張能に乏しい発泡粒子に
なってしまう欠点があり、結果的に、型内成形用に適し
た発泡粒子が得られない問題点が依然として残る。
【0011】この原因は、発泡方法自体が持つ本質的な
難点、即ちi)発泡剤の含浸時や発泡性粒子の放出時に
生じる容器内・分散媒内の発泡剤成分や圧力の変動が、
得られる発泡粒子の気泡構造にバラツキを与えてしまう
問題点、
【0012】ii)分散媒と共に放出された時に生じる
粒子群内の温度勾配に起因する、粒子個々の気泡構造及
び粒子形状が不揃いになり易い問題点が未解決のままで
ある。その上に、二酸化炭素を発泡剤にして低発泡化さ
せることの困難さが加わってきているためと推察される
【0013】本発明者らは、上記の現状に鑑みて長期に
わたり二酸化炭素を樹脂粒子の発泡剤にする研究を重ね
た結果、従来品に比べて「気泡1個当たりの見掛けの膜
厚みが厚い」処の、改良された低発泡倍率の発泡粒子を
得ることに成功したものである。そして、驚くべきこと
に、本発明で完成された発泡粒子は、従来の揮発性有機
発泡剤を用いて得てきた低発泡の発泡粒子のそのいずれ
よりも、膨張性能と独立気泡率の維持性に優れ、型内成
形用に適した発泡粒子になる事実を究明し、本発明の完
成を見たものである。
【0014】しかして、本発明の目的は、CFC、HC
FC規制をクリアーする処の二酸化炭素を用いて、従来
の低発泡倍率の発泡粒子のそのいずれよりも、膨張性能
と独立気泡率の維持性に優れたポリオレフィン系樹脂発
泡粒子が得られる製造方法を提供することであり、その
結果として、型内成形用に適した低発泡倍率のポリオレ
フィン系樹脂発泡粒子を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、本
発明の発泡粒子、即ち「ポリオレフィン系樹脂でできた
独立気泡構造の低発泡倍率の発泡粒子において、この発
泡粒子の発泡構造は、■  発泡倍率は1.5〜3.8
cm3 /gの範囲にあり、■  気泡は粒子径の方向
にほぼ均等に分布しており、■  気泡径、気泡数を加
味して計算される「気泡1個当たりの見掛けの膜厚み」
が4〜26μmの範囲であることを特徴とする、ポリオ
レフィン系樹脂の低発泡粒子を採用すること、
【0016】及び本発明の製造方法、即ちポリオレフィ
ン系樹脂粒子を二酸化炭素の臨界圧力未満の高圧状態に
あるガス雰囲気下に保持して、樹脂分に対して二酸化炭
素ガスの5重量部未満を上記樹脂粒子内に含浸させて発
泡性樹脂粒子となし、後にこれを加熱して発泡させ、発
泡倍率が1.5〜3.8cm3 /gの発泡粒子にする
ことを特徴とする、ポリオレフィン系樹脂の低発泡粒子
の製造方法を採用することによって、容易に達成するこ
とができる。
【0017】以下、本発明を図面に基いて詳述する。図
1は、本発明の発泡粒子(二酸化炭素の気相含浸、含浸
量1.6重量部、発泡倍率2.6cm3 /gのもの)
の断面拡大(×150倍)模式図である。図2は、比較
品の発泡粒子(二酸化炭素溶解の液相含浸、含浸量測定
不可能、発泡倍率2.6cm3 /gのもの)の断面拡
大(×150倍)模式図である。図3は、従来品の発泡
粒子(モノクロロジフルオロメタンの液相含浸、含浸量
4.0重量部、発泡倍率2.6cm3 /gのもの)の
断面拡大(×150倍)模式図である。
【0018】先ず、図1〜3において、これらは共にポ
リオレフィン系樹脂を基材樹脂とする低発泡(この場合
、発泡倍率を揃えて表示)の粒子である。一般に、この
粒子は、独立気泡に富む(90%以上)ことで、実用時
に空気などの無機ガスを含浸させ、加熱して目標の発泡
倍率に迄膨張させ、型内成形に供することが出来る有用
性を持つ発泡粒子として知られている。
【0019】上記3種の各発泡粒子の発泡構造上の特徴
を図1〜3の対比で見ると、本発明(図1)の低発泡粒
子は比較的大きな径の気泡が、比較的径寸法が揃った状
態で、樹脂(粒子)の中にほぼ均等に配置されている。
【0020】これに対して、比較品(図2)の発泡粒子
は、大きな径の小数の気泡と、極小径の多数の気泡とが
樹脂(粒子)の中に混在して分布し、大きな径の気泡で
発泡倍率が保持している様子が伺える。また、従来品(
図3)の発泡粒子は、比較的小さな径の気泡が、径寸法
にバラツキを持った状態で、樹脂(粒子)の中にほぼ均
等に配置した、気泡数の多い発泡構造であることが分か
る。
【0021】一般に、発泡倍率は、一定の容積内に占め
る気泡のその気泡径と気泡数との関係で定まる。しかし
、上記本発明の発泡粒子のような特徴のある粒子でも、
或る範囲を持った発泡倍率の粒子として、これを全体表
現したい時は、平均気泡径や単位面積当たりの気泡数等
でこの特徴を表現しようとすると、平均することやバラ
ツキを範囲で表現することの操作で、実質上の表現内容
が不用意に拡大され、従来品の発泡粒子をも包含する表
現になる可能性がある。従って、本発明者らは、従来品
と区分ができ、且つ本発明の粒子の特徴が表現できる発
泡構造の表現法を工夫した。
【0022】すなわち、それは、本発明の発泡粒子の構
成要件である処の、■  発泡倍率は1.5〜3.8c
m3 /gの範囲にあり、■  気泡は粒子径の方向に
ほぼ均等に分布しており、■  気泡径、気泡数を加味
して計算される「気泡1個当たりの見掛けの膜厚み」が
4〜26μmの範囲であるとする表現である。
【0023】先ず、■は、本発明の発泡粒子として具現
できる発泡程度の領域を示すものである。つまり、狭い
範囲に限られた極めて低い発泡状態の粒子を対象にした
ものであることを意味している。この制限理由は、発泡
倍率が1.5未満では、粒子全体に占める樹脂量が多く
なり過ぎるためか、空気などの無機ガスを含浸させてす
る加熱膨張では、ガス含浸操作が困難になるし、発揮さ
れる膨張能も小さくなる欠陥が生じる。
【0024】逆に、発泡倍率が3.8以上のものは、粒
子を構成する気泡全体の径寸法が小さくなりすぎるか、
或いはバラツキの大きい気泡径の分布になってしまい、
本発明で規定する発泡粒子が具現できない。これは、気
相含浸した二酸化炭素を発泡剤とする本発明の特異現象
である。上記の現象傾向から見た発泡倍率は望ましくは
2〜3.2cm3 /gの範囲から選ぶことである。
【0025】上記■に関連して構成要件■は、本発明の
特徴を象徴するものである。具体的には、本発明の粒子
は、比較的大きな径の比較的小数の気泡集団で形成され
ており、それにより発泡倍率が確保されている。つまり
、各気泡周辺に位置する樹脂成分量は、比較的多いこと
を意味している。
【0026】本発明では、この比較的多い樹脂成分量の
表現を「気泡1個当たりの見掛けの膜厚み」によって係
数化し、その特徴を「4〜26μm」の範囲として表現
したものである。この係数によると、図1〜3の発泡粒
子は、各々7.6μm、1.3μm、2.8μmと計算
され(平均気泡径では、各々68μm、11μm、20
μmとなる)、本発明の粒子(図1)の気泡構造を良く
表現し、公知のものと区分していることが分かる。
【0027】そして、要件の■は、対象とする発泡粒子
の概念を示すためのものである。つまり、上記■の係数
表現では、例えば図6、7に示すような構造の発泡粒子
をも包含する可能性がある。図6、7のゆおな発泡粒子
は実在するかどうかは定かではないが、もし実在すると
仮定すると、この種の発泡粒子は、常識上、型内成形用
には不向きであると考えられる。
【0028】従って、本発明では、要件■を設けること
により、図6、7に示すような気泡が粒子径の方向に不
均等に分布する発泡粒子を除外し、表現上の完成度を高
めているのである。
【0029】図4、5は、本発明の発泡粒子の代表的効
果を示すグラフである。先ず、図4は、発泡粒子に付与
した気体(空気)の内圧〔kg/cm2 ・G〕と、そ
の粒子を加熱膨張させて到達出来る発泡倍率〔cm3 
/g〕の関係を示すグラフである。図5は、図4の実験
で確認された膨張過程における独立気泡の保持性を示す
グラフである。
【0030】なお、図中の○は、図1の本発明の発泡粒
子を用いた場合、☆は、図2の比較品の発泡粒子を用い
た場合、□は、図3の従来品の発泡粒子を用いた場合、
を示している。
【0031】図4、5に示された結果で明らかなように
、本発明の発泡粒子は、比較品、従来品のいずれよりも
、膨張性能と独立気泡の保持性の双方に優れ、型内成形
用、殊に繰り返しの膨張操作が必要な、高発泡倍率の型
内成形に適した性能を持つ発泡粒子であることが分かる
【0032】因みに、発明者等の実験によると、付与さ
れた膨張能(気体内圧)の膨張有効率は、比較品、従来
品の発泡粒子はいずれも73%以下に留まるのに対して
、本発明のものは85〜87%の値を示すことが観測さ
れる。そして、また、一段階の膨張で、独立気泡率を9
0%以上維持した状態の高発泡粒子に出来る最大発泡倍
率は、比較品では約12倍、従来品では約10倍に留ま
るのに対して、本発明の発泡粒子は約18倍の高い値を
示すことが確認されている。
【0033】上記の現象・効果は、本発明の発泡粒子を
形成する気泡ではその見掛けの膜厚さが厚いために、加
熱膨張過程での膨張用気体の逸散が抑制され、且つ個々
の気泡の成長に伴う気泡膜の伸展が容易に行われたこと
の効果と推定される。
【0034】上述した本発明の発泡粒子は、その平均気
泡径は40〜110μm(望ましくは50〜100μm
)で、気泡径の揃い方としては、見掛けの平均気泡径±
50%の範囲外の径寸法の気泡の存在が、観測出来る気
泡数の15%以下(厳格には10%以下)であることが
望ましい。
【0035】このように、内部の気泡構造の均質な本発
明の発泡粒子の完成は、発泡倍率も均質に揃っているの
で、径寸法の揃った球形の樹脂粒子を原料として用いれ
ば、均質構造の発泡粒子「独立気泡構造で気泡径や粒子
径の揃った状態の発泡粒子」が得られ、型内成形に最適
な発泡粒子が完成することを意味し、その有用性を示し
ている。
【0036】次に、本発明の発泡粒子の製造方法につい
て説明する。本発明の製造方法としての主要点は、樹脂
粒子に二酸化炭素を含浸させるに当たり、イ)二酸化炭
素の臨界圧力未満の高圧雰囲気(具体的には15〜50
kg/cm2 ・G)下で、二酸化炭素をガス体(気相
)の状態で樹脂粒子に接触含浸させること、ロ)含浸量
は、樹脂量に対して5重量部未満とする、ことを採用す
ることである。
【0037】先ず、上記主要点イ)の必要性は、例えば
これを臨界圧力以上の雰囲気にし、二酸化炭素を液体(
液相)の状態にして、樹脂粒子に接触含浸させようと、
その耐圧装置、冷却装置が大掛かりなものになるばかり
でなく、得られる発泡粒子は、図2のものよりも気泡径
のバラツキが多いものになってしまう。
【0038】また、特公昭62−44777号公報で代
表されるような、二酸化炭素を水性分散媒に溶解させた
状態にして樹脂と接触含浸させる方法は、上記図2に示
し実証した通りの、膨張させて使用するには、不向きの
発泡粒子になってしまう。これに対し、本発明の二酸化
炭素の臨界圧力未満の雰囲気での含浸では、含浸温度は
低温側で行うことが出来、得られる発泡粒子も図1に示
す通りの、均質構造のものが得られる利点がある。
【0039】この場合の実用含浸温度は、二酸化炭素単
独の気相含浸の場合は5〜20℃の範囲内の或る温度に
、含浸助剤との混合気相含浸の場合は20〜30℃の範
囲内の或る温度に、各々調節維持することが均質気泡構
造のものを得る上で望ましい。つまり、含浸助剤の役割
は、含浸温度を常温に近づけることで調温の経済性を高
めるものである。
【0040】なお、ここで言う含浸助剤は、基材樹脂に
対して可塑化効果が生じる揮発性有機溶剤である。中で
も、塩化メチル、塩化メチレン、塩化エチル、塩化エチ
レン等のハロゲン化炭化水素が望ましく、特に塩化メチ
レンが実質上不燃性で沸点が40℃と比較的低いので、
含浸後の粒子から揮散除去して回収するなどの後処理が
行い易く、特に望ましい。
【0041】次に、主要点ロ)の必要性は、含浸量が5
重量部を越えて多くなると、得られる発泡粒子の気泡が
微小化してしまう現象がある。この現象は、発泡条件を
調整しても解消しない。恐らくは、二酸化炭素ガス自体
が発泡時の核剤として作用するためと考えられる。とは
言え、含浸量が0に近似して少なすぎると、当然発泡は
阻害される。
【0042】発明者等の知見によると、樹脂量に対する
含浸量は、樹脂の種類により決まり、望ましくはポリエ
チレン樹脂で1.1〜1.8重量部、ポリプロピレン樹
脂で2.5〜4.5重量部の範囲で目標の発泡倍率に応
じて選ぶことである。
【0043】上記主要点イ)、ロ)を満たして二酸化炭
素を含浸させた発泡性樹脂粒子は、基材樹脂の発泡適性
温度にまで加熱して発泡させることになる。この場合の
発泡は、発泡剤である二酸化炭素が樹脂粒子内に気泡を
形成して成長させ、この気泡によって粒子の堆積が増加
して発泡倍率が高められる処の真の発泡である。
【0044】従って、調節条件としては、主に加熱(発
泡)温度「基材樹脂融点−(1〜5℃)」、昇温速度、
加熱時間の設定管理が重要になる。しかし、これらは、
採用する発泡(方式)装置の種類やその規模の大きさ等
で相違するために、これを数値表現することは困難であ
る。
【0045】よって、要するに、ハ)「発泡倍率が1.
5〜3.8cm3/gの発泡粒子にすること」を指標に
、採用した装置に合わせて上記発泡条件を設定する。 発泡倍率が1.5未満になる発泡条件では、得られた粒
子は樹脂成分内に占める気泡領域の容積が不足し、後で
膨張させて使うことが困難な粒子になってしまう。逆に
、発泡倍率が3.8を越える発泡条件では、得られた粒
子は気泡寸法が微小化するか、或いは微小気泡と極大気
泡が混在する現象が生じ、後で膨張させて使うことが困
難な粒子になってしまう。
【0046】上記の現象傾向から見て、発泡倍率は2〜
3.2cm3 /gの狭い範囲で管理した方が、良質の
発泡粒子を得る上で望ましい。更に、発泡条件上で留意
することは、発泡装置内の発泡粒子の全体が発泡温度に
高まる迄の速さを示す「昇温速度」を速めることへの工
夫である。
【0047】この必要性は、二酸化炭素の樹脂からの逸
散速度が、従来汎用されているフロン系の揮発性有機発
泡剤に比べ、2〜4倍も速いことである。従って、「昇
温速度」を速めることは、含浸した二酸化炭素を発泡剤
として有効活用するためのものである。
【0048】上記「昇温速度」の条件としての適否を決
める目途の一つに、得られた発泡粒子の表面に形成され
る非発泡状態の表皮部の厚み寸法がある。この粒子表面
の表皮部は、樹脂粒子の表面にあった発泡剤(二酸化炭
素)が優先的に逸散した結果、生じたものと考えられ、
この表皮部の厚み寸法を70μm未満、望ましくは60
μm未満に留めるようにすることである。
【0049】この厚み寸法が70μmを越えて大きくな
ると、粒子の発泡倍率が目標値に到らないし、目標値に
到っても、後で膨張させて使うことが困難な粒子になっ
てしまう。しかし、逆に、二酸化炭素の逸散速度の速さ
を利用して、発泡粒子の表面全体が厚み寸法で20〜6
0μmの非発泡状態の表皮部ですっぽりと覆われた構造
の発泡粒子を作成すると、この粒子は膨張性能に極めて
優れ、2〜4段階の膨張発泡により、発泡倍率で80〜
100cm3 /gの良質の発泡粒子(発泡成形体)を
容易に得ることができる。
【0050】上述した本発明の製造方法によると、膨張
性能と独立気泡の保持性に富む処の、「1個当たりの気
泡の膜厚みの厚い」、高い独立気泡構造の本発明の発泡
粒子は、おのずと作成することができる。一般に、発泡
粒子の膨張は、粒子を構成する個々の気泡内にある気体
の熱膨張によって気泡が拡大することでなされるが、こ
の時に発揮される膨張能は、気泡膜の持つ抗張力や独立
気泡率の高さに大きく影響される。
【0051】同じ原理で発泡粒子を用いてする型内成形
は、そこに採用した発泡粒子の気泡膜の持つ抗張力や独
立気泡率の保持性そのものが、発現する膨張能の高まり
となり、独立気泡率の高い発泡粒子の相互が強固に熱融
着した状態の成形体を形成し、最終製品としての品質特
性を保証することになる。こうした観点から見ても、本
発明の発泡粒子は有用性に富んだ極めて優れたものであ
ると言える。しかも、これの製造方法は、CFC、HC
FC規制をクリアーする処の二酸化炭素を発泡剤に使用
して達成されており、その技術的意義は極めて高いもの
である。
【0052】本発明で言うポリオレフィン系樹脂とは、
架橋した状態で或いは無架橋の状態で発泡することが可
能なポリオレフィン系樹脂の総称であり、例えば高・中
・低・超低密度のポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロ
ピレン共重合樹脂等のそれぞれ単独樹脂や、その2種以
上の混合樹脂等である。中でも、密度の範囲が0.92
5〜0.940cm3 /gのポリエチレン樹脂や、エ
チレン成分が1〜30重量%のエチレン−プロピレンラ
ンダム共重合樹脂を用いる時は、最大の効果を発揮する
ので望ましい。
【0053】
【評価方法】本発明で使用する評価方法を次に示す。 ■  発泡倍率;重量(Wg)既知の発泡粒子の容積(
Vcm3 )を水没法で測定し、その容積を重量で除し
た値を発泡倍率(cm3 /g)とする。
【0054】■  独立気泡率;発泡倍率(cm3 /
g)が既知の発泡粒子約24cm3 の真の容積を東芝
・ベックマン社製空気比較式比重計930形を用いて測
定し、次式より独立気泡率(%)を算出する。 発泡粒子の独立気泡率(S)
【0055】
【数1】
【0056】 Vx :上記装置で測定した真の発泡粒子の容積(cm
3 )。 Va :発泡粒子の容積〔発泡倍率×重量〕(cm3 
)。 W  :発泡粒子の重量(g)。 ρ  :発泡粒子の基材樹脂の密度(g/cm3 )。
【0057】■  発泡粒子に付与した気体(空気)の
内圧。加圧・加温装置で膨張能を付与した発泡粒子を大
気圧(0kg/cm2 ・G)下に取り出し、6分経過
した時の発泡粒子約150cm3 の重量を測定し、次
式より発泡粒子に付与した気体(空気)の内圧(kg/
cm2 ・G)を算出する。発泡粒子に付与した気体(
空気)の内圧(P)、
【0058】
【数2】
【0059】 W1 :  膨張能を付与した後、大気圧(0kg/c
m2 ・G)下に取り出し、6分経過した時の発泡粒子
の重量(g)。 W0 :  発泡粒子の気泡内圧が大気圧(0kg/c
m2 ・G)の時の発泡粒子の重量(g)。 V  :  発泡粒子の気泡内圧が大気圧(0kg/c
m2 ・G)の時の発泡粒子の容積(cm3 )。 M  ;  加圧気体(空気)の分子量(28.98g
/モル)。 R  :  気体定数(0.082atm ・L/モル
・°K)。 T  :換算値温度(293°K)。
【0060】■  発泡粒子内部の気泡1個当たりの見
掛け膜厚みと平均気泡径及び見掛けの平均気泡径。発泡
粒子断面の気泡拡大画像を画像処理装置を用い、その気
泡の大きさや数等を解析・計数化して、気泡1個当たり
の見掛けの膜厚み(μm)と平均気泡径(μm)を算出
する。次に、その手順を記載する。
【0061】 i)発泡粒子断面の気泡拡大画像の作成。 発泡粒子の略中央部を鋭利な刃物で切断し、前処理を行
った検鏡用試料の切断面全体を走査型電子顕微鏡を用い
て拡大し、撮影する。この撮影フィルムから拡大率15
0倍、寸法340mm×240mmの写真画像を作成し
、この上にトレース紙を載せて、気泡の外郭をなぞり、
発泡粒子断面の気泡拡大画像を作成する。
【0062】ii)気泡拡大画像の解析上記の気泡拡大
画像において、発泡粒子芯部近傍の約160mm×16
0mm角の大きさに位置する気泡群を画像処理装置(カ
ラーイメージプロセッサSPCCA−II、商品名;日
本アビオニクス社製)に入力して、濃淡画像処理、2値
画像処理を行って、「画像処理面積(μm2 )」、「
気泡数(個)」、「各気泡の面積(μm2 )とその分
布」、「気泡面積の総計(μm2 )」を計算する。こ
の計算から、気泡1個当たりの見掛け膜厚み(μm)、
と平均気泡径(μm)、見掛けの平均気泡径(μm)を
算出する。
【0063】<気泡1個当たりの見掛け膜厚み(μm)
>平均気泡径に気泡1個が占める基材樹脂量が均一な膜
となって、すっぽりと覆ったものとして、次式より気泡
1個当たりの見掛け膜厚み(μm)を算出する。気泡1
個当たりの見掛け膜厚み(T)
【0064】
【数3】
【0065】 A0 ;  画像処理面積(μm2 )Ag ;  気
泡面積の総計(μm2 )N  ;  気泡数(個) L  ;  平均気泡径(μm)
【0066】<平均気泡径(μm)>発泡粒子を切断し
た断面で測る気泡径は、その粒子を構成する気泡群を完
全に表現したものにはならない。それは、気泡を球状と
想定した場合に、切断面に並んで見える気泡の幾つかは
、気泡の最大径(=直径)の部分で切断されたものや他
の幾つかは最大径よりも小さく、或いはずっと小さく見
える部分で切断された気泡が確率的に配列されている。 従って、本発明の気泡径は、評価断面で計測された気泡
面積の平均値に係数(6/π)を乗じた値の平方根を平
均気泡径(μm)とする。 平均気泡径(L)
【0067】
【数4】
【0068】<見掛けの平均気泡径(μm)>発泡粒子
内部の個々の気泡径は、補正の手法がなく、上記計測値
の気泡面積から円相当直径を求め、この数値を気泡径と
する。従って、これらの気泡径の見掛けの平均気泡径は
、次式より算出した値を用いる。 見掛けの平均気泡径(L0 )
【0069】
【数5】
【0070】■  成形体の外観品位 成形体の隅部の成形寸法に対して、中央部の成形寸法が
不足している現象を評価するものであり、得られた成形
体面の対角両隅部に定規を水平に当て、成形体面との間
に生じる間隙(ヒケ)の最大部の寸法を測定する。
【0071】■  成形体の特性 成形体が弾性的緩衝性能を備えた発泡粒子であるとする
観点から、次の3項目を評価する。 ■−1  圧縮強度 成形体を一定速度で圧縮した時の応力を示すもので、2
5%歪下の応力を圧縮強度とし、JIS  ZO−23
4の試験方法により評価する。
【0072】■−2  圧縮永久歪 成形体に一定歪量が長時間に亘ってかけられた後の回復
割合を示すものであり、JIS  K−6767の試験
方法で評価する。 ■−3  繰り返し圧縮永久歪 成形体に一定歪量が繰り返しかけられた後の回復割合を
示すものであり、JISK−6767の試験方法で評価
する。
【0073】
【実施例】以下、本発明の内容を実施例を用いて詳述す
るが、これらは本発明の範囲を制限しない。
【実施例1】低密度ポリエチレン(サンテックLD、商
品名;旭化成工業(株)製、密度0.930g/cm3
 、M・I  2.4g/10分、融点117℃)の細
断品に水懸濁系で架橋剤ジクミルパーオキサイドを含浸
させ、160℃で45分間加熱分解して、ゲル分率60
%(沸騰トルエン×8時間抽出)、平均粒径1.2mm
の架橋ポリエチレン樹脂粒子とした。
【0074】この架橋樹脂粒子を耐圧容器に収容し、容
器内の水蒸気を乾燥空気で置換した後、発泡剤として二
酸化炭素(気体)を注入し、圧力32kg/cm2 ・
G、温度11℃の条件下で3時間かけて該樹脂粒子中に
二酸化炭素を含浸した。二酸化炭素の含浸量は、該樹脂
粒子を容器内から大気中に取り出して、1分経過後に測
定したところ、1.6重量部であった。
【0075】次に、この発泡性樹脂粒子を発泡装置(脱
気昇温方式)に収容して、槽内温度を100℃から発泡
温度の114.2℃まで20秒間かけて昇温し、更にそ
の温度を保持しながら10秒間水蒸気加熱発泡し、架橋
ポリエチレン発泡粒子を得た。この発泡粒子の発泡倍率
は2.6cm3 /gであった。
【0076】得られた発泡粒子の内部の気泡構造を本文
記載の評価方法で評価し、発泡粒子の断面を拡大(×1
50倍)した局部の写生の模式図を図1に示す。図1に
よると、本発明の発泡粒子の気泡構造は、比較的大きな
径の気泡が樹脂の中に比較的小数の気泡群で形成されて
いることが判る。
【0077】
【比較例1】比較例として、実施例の発泡剤及び架橋ポ
リエチレン樹脂粒子中への発泡剤含浸・発泡方法を下記
のように変更し、また実施例と同じ発泡倍率(2.6c
m3 /g)となるように各条件を調節して、実施例と
同様に行った。
【0078】得られた発泡粒子の気泡構造は図2、図3
から判るように、比較品、従来品は、気泡径が不均一で
小さな径の気泡が混在した、気泡数の多い構造であるこ
とが判る。
【0078】実験No.1(比較品) 耐圧容器内に架橋樹脂粒子100重量部、発泡剤として
二酸化炭素(固体)16重量部、水450重量部、分散
剤として塩基性炭酸マグネシウム3.0重量部を収容し
、攪拌下で128℃に昇温し、45分間保持して樹脂中
に発泡剤を含浸した後、容器内を118℃まで冷却した
後、容器内圧を33kg/cm2 ・Gの窒素ガスで加
圧しつつ容器の一端を開放し、大気中に放出発泡して、
発泡倍率2.6cm3 /gの発泡粒子を得た。なお、
二酸化炭素の含浸量は、発泡剤含浸・発泡の方法上測定
出来なかった。
【0079】得られた発泡粒子の内部の気泡構造を実施
例1と同様にして評価を行い、図2に示す。 実験No.2(従来品) 発泡剤としてモノクロロジフルオロメタン液を用いて、
このものと架橋樹脂粒子を耐圧容器内に入れ、攪拌しな
がら昇温して、45℃で90分間上記揮発性有機発泡剤
を含浸(含浸量4.0重量部)後、実施例1と同様にし
て発泡を行い、発泡倍率2.6cm3 /gの発泡粒子
を得た。この発泡粒子の内部の気泡構造を実施例1と同
様にして評価を行い、図3に示す。
【0080】
【実施例2・比較例2】実施例1・比較例1で得た図1
(本発明の発泡粒子)、図2(比較品の発泡粒子)、図
3(従来品の発泡粒子)の気泡構造を示す発泡倍率2.
6cm3 /gの発泡粒子を加圧・加温装置に収容し、
それぞれの発泡粒子の内圧が3、4、5kg/cm2 
・Gの各圧力を示す膨張能を付与した。
【0081】高膨張能の付与処理条件は、80℃の温度
下で高圧空気を用い、1時間かけて昇圧し、圧力10〜
15kg/cm2 ・G、時間5〜10時間の範囲内で
、上記内圧を示すように調節した。次に、この膨張性発
泡粒子を発泡装置に収容して、槽内温度100℃から発
泡温度の114.5℃まで15秒間かけて昇温し、更に
その温度を保持しながら8秒間水蒸気加熱発泡した。
【0082】得られた発泡粒子について、本文記載の評
価方法により発泡倍率及び独立気泡率を評価し、その結
果を図4〜5にグラフで示した。すなわち、図4には、
発泡粒子に付与した気体(空気)の内圧とその粒子を加
熱膨張させて到達出来る発泡倍率の関係をグラフで表し
た。
【0083】図5には、加熱膨張させて得られる発泡粒
子の発泡倍率と独立気泡率の関係をグラフで表した。な
お、図4〜5中の○は図1の本発明の発泡粒子を用いた
場合の線であり、☆は図2の比較品の発泡粒子を用いた
場合の線であり、□は図3の従来品の発泡粒子を用いた
場合の線である。
【0084】本発明の発泡粒子は、繰り返し膨張(発泡
)において、独立気泡率を高く維持した状態で高度に発
泡倍率を高めることが出来ることが判る。
【0085】
【実施例3・比較例3】実施例1・比較例1で使用した
低密度ポリエチレンの細断品を、気泡1個当たりの見掛
けの膜厚みが表1に示した値になるように、核剤として
ステアリン酸亜鉛を0〜0.3重量%の範囲で添加量を
調節した押出細断品に、かつ二酸化炭素(気体)の含浸
条件の圧力32kg/cm2 ・Gを20kg/cm2
 ・Gに、温度11℃を13℃(なお、二酸化炭素の含
浸量は1.2重量%であった)にそれぞれ変更した他は
、実施例1・比較例1と同様にして発泡倍率2.0cm
3 /gの一次発泡粒子とした。
【0086】この発泡粒子について、本文記載の評価方
法により独立気泡率、気泡1個当たりの見掛けの膜厚み
、平均気泡径を評価し、その結果を表1に示す。この各
々の一次発泡粒子を加圧(高圧空気)・加温装置に収容
し、80℃の温度下で1時間かけて昇圧し、圧力15k
g/cm2 ・Gで8時間保持して発泡粒子の気体(空
気)内圧を高めた後、発泡装置に収容して、槽内温度1
00℃から発泡温度まで15秒間かけて昇温し、更にそ
の温度を保持しながら8秒間水蒸気加熱発泡し、一旦発
泡倍率8cm3 /gの二次発泡粒子とした。なお、発
泡温度は上記発泡倍率の発泡粒子となるように、112
.5℃〜114.5℃の範囲で調節した。
【0087】次に、各々の二次発泡粒子を常温で2日間
熟成した後、再び加圧(高圧空気)・加温装置に収容し
て、80℃の温度下で4時間かけて圧力10kg/cm
2 ・Gまで昇圧し、その状態で1時間保持して膨張能
を付与し、発泡粒子の気体(空気)内圧を本文記載の評
価方法により評価した結果を表1に示した。この気体(
空気)内圧を有する二次発泡粒子を発泡装置に収容し、
実施例2・比較例2と同様にして水蒸気加熱発泡を行い
、三次発泡粒子とした。得られた三次発泡粒子について
本文記載の評価方法により発泡倍率、独立気泡率を評価
し、その結果を表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】表1の結果によると、本発明の発泡粒子は
、気体(空気)内圧の付与水準、繰り返し膨張(発泡)
時の到達倍率の高さや独立気泡率の維持性等が優れてい
ることが判る。
【0090】
【実施例4・比較例4】実施例1・比較例1で得た図1
(本発明の発泡粒子)、図2(比較品の発泡粒子)、図
3(従来品の発泡粒子)の気泡構造を示す発泡倍率2.
6cm3 /gの発泡粒子を用いて、実施例3・比較例
3の二次発泡粒子の発泡倍率8cm3 /gを9cm3
 /gに、かつ膨張能を付与した二次発泡粒子の水蒸気
加熱発泡温度114.5℃を110.5〜114.5℃
の範囲で調節することにより、それぞれ変更した他は、
実施例3・比較例3と同様にして発泡倍率32cm3 
/gの三次発泡粒子とした。
【0091】この発泡粒子を常温・常圧下に2日間放置
後、密閉容器に収納し、常温の空気中で元の嵩体積の6
3%(圧縮率37%)に加圧圧縮し、その状態を保持し
つつ水蒸気孔を有する型内成形金型内(内寸法312m
m×312mm×26mmt)に充填し、圧力1.3k
g/cm2 ・Gの水蒸気で加熱して、発泡粒子相互を
膨張・融着させた後、冷却し、成形金型より取り出した
【0092】次に、この成形体を75℃の熱風循環恒温
槽内で8時間熟成した後、23℃で3日間放置し、発泡
倍率30cm3 /gの型内成形体とした。各々の成形
体について上記評価方法により成形体の外観品位、特性
を評価し、その結果を表2に示す。
【0093】
【表2】 表2の結果によると、本発明の発泡粒子は、型内成形体
としても優れた性能を有していることが判る。
【0094】
【実施例5】無架橋エチレン−プロピレンランダム共重
合樹脂〔ユニオンポリマー社製、FM821、密度0.
90g/cm3 、MFR7g/10分(230℃、2
.16kg)、エチレン含量2.7重量%〕の細断品を
用いて、実施例1・比較例1の二酸化炭素(気体)の含
浸時間3時間を6時間に、かつ発泡温度114.2℃を
130℃にそれぞれ変更した他は、実施例1・比較例1
と同様にして発泡倍率2.6cm3 /gの発泡粒子と
した。なお、二酸化炭素の含浸量は3.5重量%であっ
た。
【0095】この発泡粒子について、上記評価方法によ
り独立気泡率、気泡1個当たりの見掛けの膜厚み、平均
気泡径を評価した結果、98%、8.3μm、70μm
の各値を示し、また実施例1・比較例1と同様に発泡粒
子断面の気泡構造を観察したところ、略図1と同様に比
較的大きな径の気泡が均一に分布しているものであった
【0096】次に、この発泡粒子を加圧(高圧空気)・
加温装置に収容して、実施例2・比較例2の発泡粒子の
気体(空気)内圧を4kg/cm2 ・Gのみとし、か
つ発泡温度114.5℃を128℃に変更した他は、実
施例2・比較例2と同様にして水蒸気加熱発泡を行った
。 得られた発泡粒子について、上記評価方法により発泡倍
率、独立気泡率を評価したところ、13.5cm3 /
g、97%であった。
【0097】
【発明の効果】以上詳述して明らかにして来た通り、本
発明の発泡粒子は、上述の構成を持つことにより、膨張
性能が極めて優れ、繰り返し膨張(発泡)を行っても、
高い独立気泡率を維持した状態で、高発泡倍率の良質な
発泡粒子を容易に得ることができる。
【0098】この発泡粒子を型内成形に用いれば、成形
体外観品位や成形体特性に優れた型内成形体が提供出来
る。また、本発明の製造方法は、CFC、HCFC規制
をクリアーする処の二酸化炭素を発泡剤として用いてい
るために、オゾン層を破壊することもなく、そして不燃
性で毒性が低くて取り扱いが容易で且つ安価である等、
種々の利点がある。よって、本発明は、産業界に果たす
極めて優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発泡粒子断面を拡大(×150倍)し
た局部の模式図である。
【図2】比較品の発泡粒子断面を拡大(×150倍)し
た局部の模式図である。
【図3】従来品の発泡粒子断面を拡大(×150倍)し
た局部の模式図である。
【図4】本発明の発泡粒子について、付与した内圧と発
泡倍率との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の発泡粒子について、発泡倍率と独立気
泡率との関係を示すグラフである。
【図6】本発明に規定の発泡粒子から除外される発泡粒
子断面周縁の概念的模式図である。
【図7】本発明に規定の発泡粒子から除外される発泡粒
子断面中心部の概念的模式図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ポリオレフィン系樹脂でできた独立気
    泡構造の低発泡倍率の発泡粒子において、この発泡粒子
    の発泡構造は、■  発泡倍率は1.5〜3.8cm3
     /gの範囲にあり、■  気泡は粒子径の方向にほぼ
    均等に分布しており、■  気泡径、気泡数を加味して
    計算される「気泡1個当たりの見掛けの膜厚み」が4〜
    26μmの範囲であることを特徴とする、ポリオレフィ
    ン系樹脂の低発泡粒子。
  2. 【請求項2】  ポリオレフィン系樹脂粒子を二酸化炭
    素の臨界圧力未満の高圧状態にあるガス雰囲気下に保持
    して、樹脂分に対して二酸化炭素ガスの5重量部未満を
    上記樹脂粒子内に含浸させて発泡性樹脂粒子となし、後
    にこれを加熱して発泡させ、発泡倍率が1.5〜3.8
    cm3 /gの発泡粒子にすることを特徴とする、ポリ
    オレフィン系樹脂の低発泡粒子の製造方法。
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