しかしながら、上記従来のオガ粉製造装置は、押え部材とケーシングと後ロータの重さが、後ロータを介して下方のベルトコンベヤのプーリに作用するので、プーリやコンベヤベルトが損傷しやすいという問題がある。また、揺動回転軸に取り付けられた押え部材は、木材に乗り上げる際に、扇の縁端に相当する部分が木材へ投入口方向の力を与えるので、木材を回転刃に向けて搬送する動作に対して無駄が生じる問題がある。
また、上記従来のオガ粉製造装置は、ベルトコンベヤで搬送された木材が、前ロータに衝突し、衝突した木材が前ロータの上に乗り上げる等の押圧不良が生じる不都合がある。木材の押圧不良が生じると、前ロータの回転軸や軸受の破損や、揺動アームの破損を招き、更には後ローラや搬送装置に悪影響が及ぶおそれがある。
そこで、本発明の課題は、投入された木質材料を、構成部分の損傷を招くことなく効果的に無駄なく押圧でき、回転刃に対して安定して送り出すことができ、これにより木質材料を回転刃で安定して切削できて、オガ粉やウッドチップ等の切削片を安定して製造できるオガ粉製造装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のオガ粉製造装置は、投入された木質材料を搬送する搬送装置と、
上記搬送装置の終端側に配置され、回転刃を有して回転駆動される切削ロータと、
上記切削ロータの回転刃の回転経路に近接して配置された固定刃と、
上記搬送装置と同期して回転駆動され、上記搬送装置で搬送される木質材料を押圧して切削ロータ側に送る第1押圧ロータと、
上記搬送装置と同期して回転駆動され、上記第1押圧ロータよりも切削ロータ側、かつ、上記搬送装置の終端の駆動輪よりも切削ロータ側に配置されて、上記搬送装置で搬送される木質材料を押圧して切削ロータ側に送る第2押圧ロータと、
上記第2押圧ロータの回転軸に枢着され、上記第1押圧ロータを揺動自在に支持する揺動支持部材と、
上記第1押圧ロータ及び第2押圧ロータを覆うと共に、上記第2押圧ロータの回転軸が枢着されている一方、上記搬送装置の投入側に配置された揺動軸によって揺動自在に支持された揺動ケーシングと、
上記搬送装置と同期して回転駆動され、上記搬送装置の終端と上記切削ロータとの間、かつ、上記第2押圧ロータの下方に配置され、上記搬送装置で搬送された木質材料を上記切削ロータに送る送りロータと
を備える。
上記構成によれば、投入された木質材料が、搬送装置により、搬送装置の終端側に配置された切削ロータに向かって搬送される。搬送装置で搬送される木質材料は、第1押圧ロータに達すると、揺動支持部材によって第2押圧ロータの回転軸回りに揺動する第1押圧ロータに乗り上げられ、第1押圧ロータの重さで押圧される。木質材料が更に切削ロータ側に搬送されると、揺動ケーシングと共に揺動軸回りに揺動する第2押圧ロータに乗り上げられ、第1押圧ロータと第2押圧ロータと揺動ケーシングの重さで押圧される。これと共に、搬送装置の終端と切削ロータとの間、かつ、上記第2押圧ロータの下方に配置された送りロータにより、木質材料が切削ロータ側に送られる。こうして、搬送装置で搬送する木質材料を、搬送装置と同期して回転駆動される第1押圧ロータ及び第2押圧ロータで押圧すると共に切削ロータに送り、かつ、搬送装置と同期して回転駆動される送りロータによって切削ロータに送るので、切削ロータで切削される際に生じる反力で木質材料が移動する不都合を効果的に防止できる。その結果、木質材料を安定して切削することができ、オガ粉やウッドチップ等の切削片を安定して製造できる。ここで、搬送装置で搬送される木質材料には、第1押圧ロータと第2押圧ロータと揺動ケーシングの重さが作用するが、第2押圧ロータが搬送装置の終端の駆動輪よりも切削ロータ側に配置されているので、上記重さは輸送装置の駆動輪と送りロータに分散して作用するから、上記搬送装置が破損する不都合を防止できる。第2押圧ロータ及び揺動ケーシングの重さは、搬送装置の終端と切削ロータの間に配置されて第2押圧ロータの下方に位置する送りロータに主に作用するので、木質材料を第2押圧ロータと送りロータで挟んで効果的に支持できるから、切削ロータの回転力によって木質材料が移動することなく木質材料を安定して切削することができる。ここで、上記第2押圧ロータは、平面視において、回転軸が上記搬送装置の終端の駆動輪の回転軸よりも切削ロータ側に位置していればよい。また、上記送りロータは、平面視において、回転軸が上記搬送装置の終端の駆動輪の中心軸よりも切削ロータ側に位置していればよい。また、上記第2押圧ロータの下方に位置する送りロータは、平面視において第2押圧ロータと重複していればよい。また、木質材料が切削ロータで切削されてなる切削片は、寸法が1mm以上50mm以下であり、オガ粉のほか、いわゆるウッドチップも含まれる。ここで、本明細書において、木質材料の切削片の寸法とは、切削片の寸法をあらゆる方向から測定したときに得られる最も大きい寸法をいう。
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記搬送装置の終端の駆動輪が、平面視において上記第1押圧ロータと上記第2押圧ロータの間に配置されている。
上記実施形態によれば、第1押圧ロータと第2押圧ロータと揺動ケーシングの重さが、搬送装置の終端の駆動輪と送りロータとに分散して作用するので、搬送装置に過大な荷重が作用して破損する不都合を防止できる。
本発明の他の側面によるオガ粉製造装置は、投入された木質材料を搬送する搬送装置と、
上記搬送装置の終端側に配置され、回転刃を有して回転駆動される切削ロータと、
上記切削ロータの回転刃の回転経路に近接して配置された固定刃と、
上記搬送装置と同期して回転駆動され、上記搬送装置で搬送される木質材料を押圧して切削ロータ側に送る第1押圧ロータと、
上記搬送装置と同期して回転駆動され、上記第1押圧ロータよりも切削ロータ側に配置されて、上記搬送装置で搬送される木質材料を押圧して切削ロータ側に送る第2押圧ロータと、
上記第2押圧ロータの回転軸に枢着され、上記第1押圧ロータを揺動自在に支持する揺動支持部材と、
上記第1押圧ロータ及び第2押圧ロータを覆うと共に、上記第2押圧ロータの回転軸が枢着されている一方、上記搬送装置の投入側に配置された揺動軸によって揺動自在に支持された揺動ケーシングと、
上記搬送装置と同期して回転駆動され、上記搬送装置の終端と上記切削ロータとの間に配置され、上記搬送装置で搬送された木質材料を上記切削ロータに送る送りロータと
を備え、
上記第1押圧ロータは、この第1押圧ロータの揺動範囲の下端において、上記第2押圧ロータよりも上記搬送装置の搬送面から離れた位置に支持されるように形成されていることを特徴としている。
上記構成によれば、投入された木質材料が、搬送装置により、搬送装置の終端側に配置された切削ロータに向かって搬送される。搬送装置で搬送される木質材料は、第1押圧ロータに達すると、揺動支持部材によって第2押圧ロータの回転軸回りに揺動する第1押圧ロータに乗り上げられ、第1押圧ロータの重さで押圧される。木質材料が更に切削ロータ側に搬送されると、揺動ケーシングと共に揺動軸回りに揺動する第2押圧ロータに乗り上げられ、第1押圧ロータと第2押圧ロータと揺動ケーシングの重さで押圧される。これと共に、搬送装置の終端と切削ロータとの間に配置された送りロータにより、木質材料が切削ロータ側に送られる。こうして、搬送装置で搬送する木質材料を、搬送装置と同期して回転駆動される第1押圧ロータ及び第2押圧ロータで押圧すると共に切削ロータに送り、かつ、搬送装置と同期して回転駆動される送りロータによって切削ロータに送るので、切削ロータで切削される際に生じる反力で木質材料が移動する不都合を効果的に防止できる。その結果、木質材料を安定して切削することができ、オガ粉やウッドチップ等の切削片を安定して製造できる。ここで、搬送装置で搬送される木質材料が第1押圧ロータに接触するとき、第1押圧ロータは揺動範囲の下端に位置しており、揺動範囲の下端に位置する第1押圧ロータは、第2押圧ロータよりも上記搬送装置の搬送面から離れた位置に支持されている。これにより、木質材料に接した第1押圧ロータは、速やかに搬送装置の搬送面から離れる側に移動するので、木質材料を確実に搬送装置の搬送面と第1押圧ロータとの間に導くことができる。したがって、木質材料が第1押圧ロータに衝突したり、木質材料が第1押圧ロータの上に乗り上げたりする押圧不良を効果的に防止できる。その結果、木質材料を、安定して第1押圧ロータと第2押圧ロータで押圧して切削ロータへ送ることができ、木質材料の切削片を安定して作製できる。なお、搬送装置で搬送される木質材料が第1押圧ロータに接触するとき、第2押圧ロータは、揺動ケーシングと共に揺動する揺動範囲の下端に位置している。また、木質材料が切削ロータで切削されてなる切削片は、寸法が1mm以上50mm以下であり、オガ粉のほか、いわゆるウッドチップも含まれる。ここで、本明細書において、木質材料の切削片の寸法とは、切削片の寸法をあらゆる方向から測定したときに得られる最も大きい寸法をいう。
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記第1押圧ロータは、上記揺動範囲の下端が、上記揺動ケーシングに形成されて上記第1押圧ロータの回転軸が挿通されるスリットの下端で画定される一方、上記揺動範囲の上端が、上記揺動ケーシングに固定されて上記揺動支持部材に係止する係止具で画定される。
上記実施形態によれば、第1押圧ロータの回転軸が、揺動ケーシングに形成されたスリットの下端に当接することにより、第1押圧ロータの揺動支持部材による揺動範囲の下端が画定される。ここで、第1押圧ロータの回転軸は、少なくともスリットに挿通されてスリットの下端や上端と接触して荷重を伝達するために、回転軸を取り巻くスリーブや、回転軸を回転可能に支持する軸受や、軸受を介して回転軸の延長方向に延びる支持軸を有するのが好ましい。第1押圧ロータが揺動支持部材による揺動範囲の下端に位置するときは、第1押圧ロータの質量を支持すればよいので、スリットの下端で十分に第1押圧ロータを支持できる。一方、第1押圧ロータを支持する揺動支持部材が、揺動ケーシングに固定された係止具に係止することにより、第1押圧ロータの揺動支持部材による揺動範囲の上端が画定される。第1押圧ロータが揺動支持部材による揺動範囲の上端に位置するときは、最大の荷重として、第1押圧ロータと第2押圧ロータと揺動ケーシングの合計質量が作用するので、揺動ケーシングに固定された係止具で第1押圧ロータを係止する必要がある。このようにして、第1押圧ロータの揺動支持部材による揺動範囲を、揺動ケーシングに形成されたスリットの下端と係止具とで画定することにより、簡易な構造で高い耐久性を保持しながら、第1押圧ロータを適切に揺動させることができる。更に、第1押圧ロータが揺動支持部材による揺動範囲の上端に達したときは、第1押圧ロータに更に作用する搬送面から離れる方向の力により、揺動ケーシングの揺動を行うことができる。
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記揺動ケーシングに、上記第1押圧ロータ及び/又は第2押圧ロータによる木質材料への押圧力を増すための錘が取り付けられている。
上記実施形態によれば、搬送装置で搬送される木質材料に第1押圧ロータが乗り上げて揺動支持部材による揺動範囲の上端に達し、更に上記木質材料に乗り上げる場合、揺動軸回りに揺動ケーシングが揺動して、上記木質材料に第1押圧ロータ、第2押圧ロータ及び揺動ケーシングの質量が押圧力として作用する。また、搬送装置で搬送される木質材料に、第1押圧ロータが乗り上げた後に第2押圧ロータが乗り上げ、揺動軸回りに揺動ケーシングが揺動する場合、上記木質材料に第1押圧ロータ、第2押圧ロータ及び揺動ケーシングの質量が押圧力として作用する。ここで、上記揺動ケーシングに錘が取り付けられているので、木質材料に十分な押圧力を作用することができる。その結果、反力で木質材料が移動することなく木質材料を切削ロータで安定して切削でき、オガ粉やウッドチップ等の切削片を安定して製造できる。
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記揺動ケーシングの揺動軸回りの揺動動作を緩衝する緩衝装置を備える。
上記実施形態によれば、緩衝装置により、揺動ケーシングの揺動軸回りの揺動動作が緩衝させるので、木質材料に第1押圧ロータや第2押圧ロータが乗り上げて揺動ケーシングが揺動する際の衝撃を抑制できる。したがって、搬送装置、第1押圧ロータ、第2押圧ロータ及び揺動ケーシング等のオガ粉製造装置の構成部品の損傷を効果的に防止できる。ここで、緩衝装置としては、油圧シリンダやエアシリンダ等の流体シリンダや、コイルバネや板バネ等の弾性体を用いたものを採用できる。緩衝装置として流体シリンダを採用した場合、作動流体を揺動ケーシングの開き方向に流すことにより、流体シリンダで揺動ケーシングを開閉駆動することができる。したがって、揺動ケーシング内の第1押圧ロータ、第2押圧ロータ、搬送装置及び送りロータ等の点検やメンテナンスを容易に行うことができる。
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記搬送装置及び送りロータが同一のモータで駆動され、上記搬送装置の駆動輪に連結された回転軸が、上記モータの出力軸と実質的に同一直線上に配置されて上記出力軸に連結されていると共に、上記送りロータの回転軸が、上記モータの出力軸と隣接して平行に配置されて上記出力軸に動力伝達機構を介して連結されている。
上記実施形態によれば、搬送装置及び送りロータが同一のモータで駆動されるので、搬送装置と送りロータを容易に同期させることができる。また、搬送装置の駆動輪に連結された回転軸が、モータの出力軸と実質的に同一直線上に配置され、出力軸に連結されているので、第1及び第2押圧ロータで押圧される木質材料を搬送する搬送装置に、駆動力を安定して与えることができる。ここで、上記駆動輪に連結された回転軸とモータの出力軸は、例えばカップリングにより、又は、直接に連結される。また、送りロータの回転軸が、モータの出力軸と隣接して平行に配置されて動力伝達機構を介して連結されているので、送りロータに駆動力を安定して与えることができて、木質材料を送りロータで効果的に切削ロータに送ることができる。ここで、上記モータの出力軸から送りロータの回転軸へ回転力を伝達する動力伝達機構は、例えばチェーン機構やベルト機構等により、正転方向に回転力を伝達する。
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記搬送装置、第1押圧ロータ及び第2押圧ロータが同一のモータで駆動され、上記搬送装置の駆動輪に連結された回転軸が、上記モータの出力軸と実質的に同一直線上に配置されて上記出力軸に連結されていると共に、上記第2押圧ロータの回転軸が、上記モータの出力軸と平行に配置されて上記揺動ケーシングの揺動軸を経由する動力伝達機構を介して上記出力軸に連結されている。
上記実施形態によれば、搬送装置と第1押圧ロータと第2押圧ロータが同一のモータで駆動されるので、搬送装置と第1及び第2押圧ロータを容易に同期させることができる。また、搬送装置の駆動輪に連結された回転軸が、モータの出力軸と実質的に同一直線上に配置され、出力軸に連結されているので、第1及び第2押圧ロータで押圧される木質材料を搬送する搬送装置に、駆動力を安定して与えることができる。ここで、上記駆動輪に連結された回転軸とモータの出力軸は、例えばカップリングにより、又は、直接に連結される。また、第2押圧ロータの回転軸が、モータの出力軸と平行に配置されて揺動ケーシングの揺動軸を経由する動力伝達機構を介して上記出力軸に連結されているので、揺動ケーシングを揺動させる揺動軸を利用して比較的簡易な構成により、第2押圧ロータを搬送装置と同期させて駆動することができる。ここで、モータの出力軸から第2押圧ロータの回転軸へ回転力を伝達する動力伝達機構は、例えばチェーン機構やベルト機構等の正転方向の回転力を伝達する機構と、歯車機構等の逆転方向の回転力を伝達する機構とを組み合わせて連結する。
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記第1押圧ロータの回転軸が、上記第2押圧ロータの回転軸と平行に配置されて動力伝達機構を介して上記第2押圧ロータの回転軸に連結されている。
上記実施形態によれば、第2押圧ロータを介して第1押圧ロータを搬送装置と容易に同期させることができる。ここで、第1押圧ロータの回転軸と第2押圧ロータの回転軸は、動力伝達機構として、例えばチェーン機構やベルト機構等の正転方向の回転力を伝達する機構を用いて連結する。
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記切削ロータは、
回転軸と、
上記回転軸に外嵌する円盤状の複数の支持盤と、
上記支持盤の外周部に形成された取付溝に嵌合された板状の回転刃と、
上記回転刃の端面に螺合し、上記取付溝の底に当接するボルト頭を有し、上記回転刃への螺合長さが調整されることにより上記回転刃の上記支持盤からの突出量が調整可能な調整ボルトと、
上記回転刃に隣接して配置され、上記回転刃を上記取付溝の側面に押圧して固定する楔状の固定具と
を有する。
上記実施形態によれば、切削ロータは、回転軸に円盤状の複数の支持盤が外嵌し、この支持盤の外周部に形成された取付溝に、板状の回転刃が嵌合されて形成される。この回転刃は、取付溝の底に当接するボルト頭を有する調整ボルトが端面に螺合し、この調整ボルトの螺合長さが調整されることにより、支持盤からの突出量が調整可能となっている。この回転刃は、隣接して配置された楔状の固定具により、取付溝の側面に押圧されて固定される。この切削ロータは、上記複数の支持盤の回転軸に対する位置が調整可能に形成され、支持盤に設けられた回転刃の周方向の位置が調整可能であるのが好ましい。これにより、切削ロータの周面における回転刃の配置形状を、例えば螺旋状又はV字状等に設定できて、各回転刃が木質材料を切削するタイミングをずらすことができる。その結果、搬送装置や、第1及び第2押圧ロータや、送りロータや、切削ロータに作用する反力を少なくでき、これらを駆動するモータの負担を少なくできる。また、切削ロータを駆動するモータの負担を少なくできる。また、上記固定具は、回転刃の刃先に連なる面に接して配置される場合、回転刃に接する部分が、側面視において鋭角をなすのが好ましい。固定具の回転刃に接する部分を鋭角に形成することにより、固定具を、回転刃に対する裏刃として機能させることができる。したがって、少ない部品点数により、安定して木質材料を切削できる切削ロータが得られる。
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記切削ロータは、
回転軸と、
上記回転軸に外嵌し、対向する2枚の円板が互いに固定されてなる複数の支持盤と、
上記支持盤の2つの円板を繋ぐと共に、上記支持盤の外周に連なる取付溝を形成するL字状の取付部材と、
上記取付溝に嵌合された板状の回転刃と、
上記回転刃の端面に螺合し、上記取付溝の底に当接するボルト頭を有し、上記回転刃への螺着長さが調整されることにより上記回転刃の上記支持盤からの突出量が調整可能な調整ボルトと、
上記回転刃に形成された貫通孔に挿通され、上記取付部材に形成されたボルト孔に螺着されて上記回転刃を取付部材に固定する固定ボルトと
を有する。
上記実施形態によれば、切削ロータは、対向する2枚の円板が互いに固定されてなる複数の支持盤が、回転軸に外嵌して形成される。この支持盤は、L字状の取付部材で2つの円板が繋がれると共に、外周に連なる取付溝が形成され、この取付溝に、板状の回転刃が嵌合される。この回転刃は、取付溝の底に当接するボルト頭を有する調整ボルトが端面に螺合し、この調整ボルトの螺合長さが調整されることにより、支持盤からの突出量が調整可能となっている。この回転刃は、貫通孔が形成され、この貫通孔に挿通された固定ボルトが上記取付部材に形成されたボルト孔に螺着されて、取付部材に固定される。この切削ロータは、上記複数の支持盤の回転軸に対する位置が調整可能に形成され、支持盤に設けられた回転刃の周方向の位置が調整可能であるのが好ましい。これにより、切削ロータの周面における回転刃の配置形状を、例えば螺旋状又はV字状等に設定することにより、各回転刃が木質材料を切削するタイミングをずらすことができる。その結果、搬送装置や、第1及び第2押圧ロータや、送りロータや、切削ロータに作用する反力を少なくでき、これらを駆動するモータの負担を少なくできる。また、切削ロータを駆動するモータの負担を少なくできる。
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記切削ロータは、
回転軸と、
上記回転軸に外嵌する複数の略円形の支持盤と、
上記支持盤の外周部に形成された取付溝に嵌合され、切刃と裏刃で形成された回転刃と、
上記回転刃の切刃の表面に接すると共に上記支持盤の取付溝に嵌合し、上記回転刃に形成された長孔及び/又は溝を挿通して上記支持盤に螺着されるボルトに挿通されて固定される固定部材と、
上記回転刃の切刃の端面に螺合し、上記支持盤の取付溝から弦方向に形成された挿通孔に挿通され、上記支持盤の挿通孔の取付溝と反対側の開口部に接するナットによって引張力が導入される引張部材と、
上記取付溝の底に当接するボルト頭を有し、上記回転刃の切刃への螺着長さが調整されることにより上記切刃の上記支持盤からの突出量が調整可能な調整ボルトと、
上記回転刃の裏刃の端面に螺合し、上記取付溝内に突出した凸部に形成された挿通孔に挿通され、この凸部の挿通孔の開口部にボルト頭が接して引張力が導入されると共に、上記裏刃への螺着長さが調整されることにより上記裏刃の上記支持盤からの突出量が調整可能な引張調整ボルトと
を有する。
上記実施形態によれば、切削ロータは、切刃と裏刃で形成された回転刃が、支持盤の外周の取付溝に嵌合されて取り付けられる。この回転刃は、回転刃の切刃の表面に接して取付溝に嵌合する固定部材と、この固定部材と回転刃とに挿通されて支持盤に螺着されるボルトで固定される。回転刃の切刃と裏刃は、上記ボルトに挿通される長孔及び/又は溝を有し、これにより、長孔及び/又は溝の延在方向に進退可能であり、支持盤からの突出量が調整可能に固定されるようになっている。回転刃の切刃は、端面に螺合する引張部材で引張力が付与され、回転時の脱落が防止される。また、回転刃の切刃は、取付溝の底に当接するボルト頭を有する調整ボルトに螺着され、この調整ボルトの切刃への螺着長さが調整されることにより、上記切刃の上記支持盤からの突出量が調整可能になっている。一方、回転刃の裏刃は、端面に螺合する引張調整ボルトで引張力が付与され、回転時の脱落が防止される。この引張調整ボルトは、取付溝内に突出した凸部に形成された挿通孔に挿通されており、この凸部の挿通孔の開口部にボルト頭が接して引張力が導入される。これと共に、引張調整ボルトの裏刃への螺着長さが調整されることにより、裏刃の支持盤からの突出量が調整可能になっている。この切削ロータは、回転刃を切刃と裏刃で形成することにより、木質材料を安定して所定寸法に切削することができ、寸法のばらつきの少ないオガ粉やウッドチップを製造できる。この切削ロータは、上記複数の支持盤の回転軸に対する位置が調整可能に形成され、支持盤に設けられた回転刃の周方向の位置が調整可能であるのが好ましい。これにより、切削ロータの周面における回転刃の配置形状を、例えば螺旋状又はV字状等に設定することにより、各回転刃が木質材料を切削するタイミングをずらすことができる。その結果、搬送装置や、第1及び第2押圧ロータや、送りロータや、切削ロータに作用する反力を少なくでき、これらを駆動するモータの負担を少なくできる。また、切削ロータを駆動するモータの負担を少なくできる。
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記切削ロータの回転経路の外周に沿うように、上記木質材料が投入される側と反対側に配置され、所定寸法よりも小さい木質材料の切削片を通過させる篩体を備える。
上記実施形態によれば、木質材料が切削ロータで切削されてなる切削片が、所定寸法よりも大きいと、篩体を通過できずに篩体と切削ロータの間に留まり、切削ロータに沿って固定刃に導かれる。切削片が固定刃に導かれ、回転刃との作用により切断され、所定寸法よりも小さくなると、この篩体を通過して排出される。このようにして、所定寸法よりも小さい切削片を通過させる篩体により、木質材料の切削片の寸法を効果的に揃えることができる。
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記搬送装置は、
搬送方向の断面において中央が搬送物の載置面側に膨出した搬送板と、この搬送板の縁端に設けられて上記中央の膨出方向と反対側に突出し、隣り合う上記搬送板を連結する蝶番状の連結部と、上記搬送板の載置面に設けられて上記木質材料に係止する係止部とを含む搬送ベルトと、
上記搬送ベルトの上記連結部に嵌合する谷部と上記搬送板の裏面に嵌合する歯部とを有し、回転駆動されて上記搬送ベルトを搬送駆動するスプロケットと
を有する。
上記実施形態によれば、搬送装置は、木質材料が載置されて搬送する搬送ベルトと、この搬送ベルトが巻き回されて搬送ベルトを駆動するスプロケットを有する。上記搬送ベルトは、搬送方向の断面において中央が載置面側に膨出した搬送板と、この搬送板の縁端に設けられて上記中央の膨出方向と反対側に突出し、隣り合う上記搬送板を連結する蝶番状の連結部を有する。これにより、搬送ベルトがスプロケットに接する部分で屈曲しても、搬送板の間に隙間が殆ど生じなくできるので、搬送板の間に木質材料の切削片又は切削屑が噛み込む不都合や、搬送板の隙間を通して搬送装置内に木質材料の切削片又は切削屑が侵入する不都合を防止できる。また、搬送板の載置面に設けられた係止部により、木質材料を係止させて確実に切削ロータ方向に搬送することができる。また、スプロケットは、搬送ベルトの連結部に嵌合する谷部と、搬送板の裏面に嵌合する歯部とを有するので、効果的に搬送ベルトに嵌合できて、搬送ベルトに滑りを生じることなく確実に駆動力を伝えることができる。
一実施形態のオガ粉製造装置は、少なくとも上記搬送装置の終端部と上記切削ロータとの下方に配置され、上記木質材料が切削されてなる切削片を搬出する搬出装置を備える。
上記実施形態によれば、搬出装置により、切削ロータで切削された木質材料の切削片を、漏れなくオガ粉製造装置から搬出できる。
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記切削ロータを覆うと共に、少なくとも一部が開閉可能に形成された切削ケーシングと、
上記切削ロータの周辺に配置され、この切削ロータで上記木質材料が切削されてなる切削片が透過可能に形成された足場と
を備える。
上記実施形態によれば、切削ケーシングの切削ロータの少なくとも一部が開くと、この開いた部分から切削ケーシング内に作業者が進入でき、この作業者が足場に足を置くことにより、容易に切削ロータに接近することができる。したがって、切削ロータのメンテナンスを容易に行うことができる。また、切削ロータに対して木質材料の搬送方向の上流側に位置する第1押圧ロータ及び第2押圧ロータについて、これらの第1押圧ロータ及び第2押圧ロータを収容する揺動ケーシングを揺動することにより、足場上に存在する作業者が容易に第1押圧ロータ及び第2押圧ロータにアクセスすることができる。したがって、第1押圧ロータ及び第2押圧ロータのメンテナンスを容易に行うことができる。ここで、上記足場は、切削ロータで木質材料が切削されてなる切削片が透過可能に形成されているので、切削ロータの周辺に配置されているにもかかわらず、切削片の滞留や詰まりを防止できる。上記足場としては、切削片が通過可能な網目寸法を有する網体や、切削片が通過可能な透孔が設けられたパンチングメタルや、切削片が通過可能な離隔をおいて平行に配列された複数の棒状体等で形成することができる。
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
本発明の実施形態のオガ粉製造装置は、例えば間伐材、剪定材及び木材端材等の木質材料を切削して、切削片としてのオガ粉やウッドチップを製造するオガ粉製造装置である。図1は、実施形態のオガ粉製造装置を示す模式図である。このオガ粉製造装置1は、投入された木質材料を搬送する搬送装置としての搬送コンベヤ2と、搬送コンベヤ2で搬送された木質材料を押圧し、切削ロータ52に向けて更に搬送する押圧部3と、押圧部3で押圧されて搬送された木質材料を切削する切削部5と、切削部5で木質材料が切削されて製造されたオガ粉を搬出する搬出装置としての搬出コンベヤ7を備える。
搬送コンベヤ2は、木質材料に係止する係止部を有する搬送ベルト21と、搬送ベルト21を駆動するスプロケット22と、搬送ベルトを支持する支持ローラ23を有する。搬送ベルト21及びスプロケット22は、後に詳述する。
図2は、オガ粉製造装置1の押圧部3及び切削部5を含む主要部を示す縦断面図であり、図3及び図4は、オガ粉製造装置1の主要部の平断面図であり、図5は、オガ粉製造装置1の主要部の横断面図である。
押圧部3は、搬送コンベヤ2の後半部に設けられ、搬送ベルト21の搬送物が載置される載置面の上方に配置された第1押圧ロータ41と、この第1押圧ロータ41よりも切削ロータ52の側に配置された第2押圧ロータ42と、第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42が取り付けられた揺動ケーシング31と、第2押圧ロータ42の下方に設けられた送りロータ43を有する。
第1押圧ロータ41は、軸方向視において先端部が回転方向に向かって傾斜した鋸状の係止刃が周面に形成されており、搬送コンベヤ2に臨む部分が搬送コンベヤ2の搬送ベルト21と同じ方向に進むように回転駆動される。第2押圧ロータ42は、第1押圧ロータ41と同様に、軸方向視において先端部が回転方向に向かって傾斜した鋸状の係止刃が周面に形成されており、搬送コンベヤ2に臨む部分が搬送コンベヤ2の搬送ベルト21と同じ方向に進むように回転駆動される。第1押圧ロータ41の回転軸411は、揺動支持部材としての揺動フレーム45に支持されており、この揺動フレーム45は、第2押圧ロータ42の回転軸421回りに揺動可能に取り付けられている。揺動フレーム45は、第1押圧ロータ41が木質材料に乗り上げて上昇するに伴って回転軸421回りに揺動し、揺動角度が所定の上限角度に達すると、揺動ケーシング31の内側面に固定されたストッパ46に係止するように形成されている。
揺動ケーシング31は、側面視において略矩形状を有すると共に、搬送コンベヤ2の投入側から視て略門型形状を有する。この揺動ケーシング31は、上記第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42を収容すると共に、搬送コンベヤ2の後半部分の表面と送りロータ43の上端部を覆うように配置されている。この揺動ケーシング31の切削部5に近い部分には、第2押圧ロータ42の回転軸421が枢着されている。第2押圧ロータ42の回転軸421は、揺動ケーシング31の両側面に設けられた軸受によって、揺動ケーシング31の両側面を貫通するように取り付けられている。揺動ケーシング31の一方の側面には、第1押圧ロータ41の回転軸411の揺動経路に沿った揺動スリット311が形成されており、この揺動スリット311から第1押圧ロータ41の回転軸411が突出している。この揺動スリット311の下端に第1押圧ロータ41の回転軸411が当接して、第1押圧ロータ41の揺動範囲の下端が画定されるように形成されている。上記回転軸411には、揺動スリット311の下端に接触する部分に、回転軸411を保護して荷重を伝達するためのスリーブが設けられている。この揺動ケーシング31は、搬送コンベヤ2の投入側の上部に貫通して設けられた揺動軸32によって、この揺動軸32回りに揺動自在に支持されている。揺動軸32は、揺動ケーシング31に固定された軸受によって回転自在に形成されている。この揺動軸32は、揺動ケーシング31の内側面と搬送コンベヤ2の両側面との間に夫々立設されて搬送コンベヤ2の投入に上方に突出した突出部47aを有する2つの支持フレーム47の上記突出部47aに、軸受を介して回転自在に支持されている。この揺動軸32は、揺動ケーシング31の両側面を貫通して設けられている。この揺動ケーシング31の搬送コンベヤ2の投入側に位置する上端角部に、上部ブラケット33が設けられている一方、オガ粉製造装置1の下部フレームに、下部ブラケット36が設けられている。この上部ブラケット33と下部ブラケット36の間に、油圧シリンダ34が設けられている。この油圧シリンダ34は、揺動ケーシング31が揺動軸32回りに揺動する際に、緩衝作用を奏するように形成されている。また、この油圧シリンダ34が収縮動作をすると、揺動軸32回りに揺動ケーシング31が揺動し、切削ロータ52と送りロータ43と搬送コンベヤ2の後半部分が露出して、これら切削ロータ52等のメンテナンスが可能になっている。
送りロータ43は、第2押圧ロータ42の下方かつ切削ロータ52に近い側に配置されており、搬送コンベヤ2の終端に隣接して配置されている。この送りロータ43は、円筒形状のロータ本体431と、ロータ本体431の外周面に配列された複数の直方体の係止鋲432を有する。係止鋲432は、直方体以外に、円錐形状や三角錐形状でもよく、搬送コンベヤ2で搬送された木質材料に係止して切削ロータ52に向かって送り出すことができれば、形状は特に限定されない。
上記第1押圧ロータ41、第2押圧ロータ42、搬送コンベヤ2及び送りロータ43は、送り駆動機構を介して単一のモータMで駆動される。送り駆動機構は、モータMの出力軸44にローラーチェーンカップリング441を介して連結された搬送コンベヤ2の終端側のスプロケット22の駆動軸221と、この駆動軸221に連結された歯車伝達機構81と、この歯車伝達機構81に連結された中継軸48と、この中継軸48の一端に設けられたスプロケット481と、この中継軸48のスプロケット481にチェーンを介して接続されて揺動軸32の一端に設けられたスプロケット321と、この揺動軸32の他端に設けられたスプロケット322と、この揺動軸32の他端のスプロケット322にチェーンを介して接続されて第2押圧ロータ42の回転軸421の他端に設けられたスプロケット423と、この第2押圧ロータ42の回転軸421の一端に設けられたスプロケット422と、この第2押圧ロータ42の回転軸421の一端のスプロケット422にチェーンを介して接続されて第1押圧ロータ41の回転軸411の一端に設けられたスプロケット412を備える。更に、この送り駆動機構は、上記モータMの出力軸44に連結された搬送コンベヤ2の駆動軸221の先端に設けられたスプロケット222と、このスプロケット222にチェーンを介して接続されて送りロータ43の回転軸433の他端に設けられたスプロケット434を備える。
この送り駆動機構は、次のように動作する。まず、モータMの回転力が、出力軸44からローラーチェーンカップリング441を介して駆動軸221に伝達され、搬送コンベヤ2が駆動される。これと共に、駆動軸221の回転力が、歯車伝達機構81によって回転方向が反転されて中継軸48に伝達され、この中継軸48の回転力が、スプロケット481,321とチェーンを介して揺動軸32に伝達される。揺動軸32の回転力は、スプロケット322,423とチェーンを介して第2押圧ロータ42の回転軸421に伝達され、この第2押圧ロータ42が、搬送コンベヤ2に対向する部分において搬送ベルト21の駆動方向と同じ方向に回転駆動される。第2押圧ロータ42の回転軸421の回転力は、スプロケット422,412及びチェーンを介して第1押圧ロータ41の回転軸411に伝達され、この第1押圧ロータ41が、第2押圧ロータ42と同様に、搬送コンベヤ2と対向する部分において搬送ベルト21の駆動方向と同じ方向に回転駆動される。モータMの出力軸44から駆動軸221に伝達された回転力は、スプロケット222,434及びチェーンを介して送りロータ43の回転軸433に伝達され、これにより、送りロータ43が搬送コンベヤ2の終端のスプロケット22と同じ方向に回転駆動される。
図6は、搬送コンベヤ2の搬送ベルト21を示す断面図であり、図7は、搬送コンベヤ2の搬送ベルト21を構成する搬送板211を示す斜視図であり、図8は、搬送コンベヤ2の搬送ベルト21及びスプロケット22を示す図である。この搬送コンベヤ2は、一端に投入された木質材料を搬送して押圧部3に導き、押圧部3で第1押圧ロータ41及び第2押圧ロータ42との協働によって木質材料を挟持しながら切削部5へ送る機能を有する。この搬送コンベヤ2の搬送ベルト21は、複数の搬送板211が複数の連結軸214によって蝶番状に互いに屈曲可能に連結されて形成されている。搬送板211は、搬送物である木質材料を載置する載置面の中央が膨出して凸面を形成するように湾曲した搬送板本体212と、この搬送板本体212の凸面の頂部に固定された複数の直方体の係止部としての係止鋲215,215,・・・と、搬送板本体212の両側部に長手方向に向かって交互に設けられ、搬送板本体212の凸面と反対側に突出した円筒状の蝶番スリーブ213,213,・・・と、搬送板211の凹面の幅方向に延在して長手方向に複数個設けられた蒲鉾状の補強リブ216,216,・・・を有する。上記蝶番スリーブ213と連結軸214で、搬送板211を連結する連結部を構成している。この搬送ベルト21は、複数の搬送板211を蝶番状に連結して形成されているので、搬送する木質材料に付着した塵や木質材料の切削屑等が、搬送板211の間に噛み込む不都合を効果的に防止でき、安定して木質材料の搬送動作が可能になっている。搬送コンベヤ2のスプロケット22は、上記蝶番スリーブ213及び連結軸214が嵌合する谷部223と、上記搬送板211の凹面である裏面に嵌合する歯部222とを有する。搬送板211は、搬送板本体212の凹面にスプロケットの歯部222が係合すると共に、蝶番スリーブ213及び連結軸214が、スプロケット22の谷部223に係合する。これにより、スプロケット22から搬送ベルト21へ、滑りが生じることなく確実に駆動力が伝達されるようになっている。
図9は、切削ロータ52を示す正面図である。図10は、切削部5に設けられた切削ロータ52を構成するロータディスク53を示す図である。図11Aは、ロータディスク53の支持盤54に装着される回転刃としての切刃55を示す側面図であり、図11Bは、切刃55の平面図である。図12Aは、切刃55を支持盤54に固定する固定具56を示す側面図であり、図12Bは、固定具56の平面図である。図13は、固定具56を支持盤54に螺着する両螺旋軸57を示す図である。
切削部5は、押圧部3の揺動ケーシング31に隣接して設けられた切削ケーシング51と、この切削ケーシング51内に収容された切削ロータ52と、切削ロータ52を取り囲む篩体としてのスクリーン63と、押圧部3の送りロータ43に隣接して配置された固定刃61を有する。
切削ロータ52は、複数のロータディスク53を単一の駆動軸521に外嵌して配列して形成されている。ロータディスク53は、大略円盤状の板材で形成された支持盤54と、この支持盤54の外周部に固定された複数の回転刃である切刃55と、この切刃55を支持盤54に固定する楔状の固定具56を有する。
支持盤54は、軸方向から視た図10に示すように、切刃55が挿入される狭い幅の刃物溝54aと、この刃物溝54aの側部に連なって固定具56が挿入される広い幅の固定溝54bを有する。支持盤54の外周縁は、刃物溝54aの固定溝54bに連なる側と反対側の開口から、隣接する刃物溝54aに連なる固定溝54bに向かって徐々に径が縮小する形状を有する。
切刃55は、図11に示すように、一方の端面の鋭角部に設けられた刃先551と、他方の端面に設けられた調整螺旋孔552を有する。この調整螺旋孔552には、切刃55の支持盤54からの突出量を調整する調整ボルト58が螺着される。調整ボルト58が螺着された切刃55が刃物溝54aに挿入され、この刃物溝54aの底面に調整ボルト58のボルト頭が接する。調整ボルト58の切刃55に対する螺着長さを変更することにより、支持盤54の刃物溝54aの開口から切刃55が突出する長さを変更するようになっている。調整ボルト58の切刃55に対する螺着長さは、この調整ボルト58に螺合して切刃55の他端面に接するナット59により固定される。
固定具56は、図12に示すように、一方の端面から他方の端面に向かって厚みの狭まる楔型形状を有する。支持盤54に固定されたときに破砕ロータ52の外周面に露出する固定具56の一方の端面は、切刃55に接する側に向かうにつれて他方の端面から遠ざかる曲面に形成されている。これにより、固定具56の切刃55に接する部分が、側面視において鋭角をなすように形成され、裏刃としても機能するように形成されている。なお、固定具の一方の端面は、平面に形成してもよい。固定具56の一方の端面と他方の端面の間には、この固定具56を支持盤54に固定するための両螺旋軸57が螺着する螺旋孔561が形成されている。
両螺旋軸57は、図13に示すように、固定具56の螺旋孔561に螺合する第1螺旋部571と、支持盤54の固定溝54bの底面に設けられた螺旋孔54cに螺合する第2螺旋部572を有する。第1螺旋部571と第2螺旋部572は、中央の螺旋溝の無い軸部を隔てて両螺旋軸57の両側に形成されている。第1螺旋部571と第2螺旋部572は、互いに逆方向に旋回する螺旋溝が設けられている。なお、図13では、螺旋溝の形状の図示は省略している。両螺旋軸58の固定具56に螺合する側の端面には、両螺旋軸58を回動させる六角レンチが嵌合する六角孔573が設けられている。互いに逆方向の螺旋溝が設けられた第1螺旋部571と第2螺旋部572を有する両螺旋溝58を用いることにより、固定具56を、ボルト等を用いた場合のように突出することなく、強固に支持盤54に対して固定することができる。
上記複数のロータディスク53は、図9に示すように、切削ロータ52の外周面を切刃55が螺旋方向に横断するように、互いの切刃55の周方向位置をずらして駆動軸521に固定される。これにより、木質材料に切削ロータ52の切刃55が接するタイミングをずらすことができ、切削ロータ52を回転駆動するモータの負荷を軽減することができる。なお、切削ロータ52の外周面における切刃55の配置形状は、螺旋形状の他、軸方向の中央で角をなすV字形状等でもよい。
上記切削ロータ52は、木質材料を切削して得る切削片の寸法に応じて、切削ロータ52の周速度と回転刃の突出量が調整される。例えば、作製する切削片が、寸法が1〜5mmのオガ粉である場合、切削ロータ52の周速度を18〜35m/secに設定するのが好ましく、特に好ましくは約22m/secである。また、回転刃の切刃55の先端を、切削ロータ52の支持盤54の最大外径よりも3mm突出するように設定する。一方、作製する切削片が、寸法が5〜50mmであるウッドチップの場合、切削ロータ52の周速度を7〜25m/secに設定するのが好ましく、特に好ましくは約13m/secである。また、回転刃の切刃55の先端を、切削ロータ52の支持盤54の最大外径よりも5〜40mm突出するように設定する。上記切削ロータ52の周速度は、この切削ロータ52を駆動するモータの回転数を制御して調節する。モータの回転数の制御は、モータとして、固定子の極数が変換可能に形成された極数変換モータを用いて、固定子巻線の接続を調節して極数を変更することにより、回転子の回転数を変更することができる。極数変換モータとしては、固定子を4極と8極の間で変更可能なものや、4極と6極の間で変更可能なものや、6極と10極の間で変更可能なものを採用できる。また、交流モータと、この交流モータに供給する電力の周波数を調節するインバータとを用いて、交流モータの回転数を変更することができる。また、ブラシレスモータとインバータを用いて、ブラシレスモータに供給する電力の周波数を調節して回転数を変更してもよい。上記回転刃の切刃55の先端と、固定刃61の先端とのクリアランスは、いずれの切削片の寸法において、0.1〜0.5mmが好ましく、特に好ましくは約0.3mmである。
切削ロータ52を取り囲むスクリーン63は、押圧部3に連なる部分が開口した部分円筒形状に形成され、複数の長方形の開口が、あみだ状をなすように形成されている。切刃55で切削された木質材料の切削片の寸法が、このスクリーン63の開口の寸法よりも大きい場合、この切削片は切削ロータ52とスクリーン63との間に残留する。切削ロータ52とスクリーン63との間に残留した切削片は、切削ロータ52の回転力で固定刃61に導かれ、固定刃61と切刃55の作用により、更に切削される。切削された木質材料の切削片の寸法が、スクリーン63の開口の寸法よりも小さい場合、この切削片はスクリーン63の開口を通過し、切削ケーシング51内を落下して、切削ケーシング51と押圧部3の下部に設けられた搬出コンベヤ7に受け取られる。ここで、スクリーン63としては、作製する切削片が、寸法が1〜5mmのオガ粉である場合、直径が2〜12mmの貫通孔が配列されたパンチングメタルを用いることができる。また、作製する切削片が、寸法が5〜50mmであるウッドチップの場合、スクリーン63として、直径が30〜60mmの貫通孔が配列されたパンチングメタルか、網目寸法が30〜60mmの網体を用いることができる。
固定刃61は、切削ロータ52の切刃55の先端の回転経路に近接する位置に固定されており、回転する切刃55とのせん断作用により、木質材料を切削する。固定刃61は、スクリーン63に形成された開口の下端縁の内側に位置している。
搬出コンベヤ7は、切削ケーシング51と押圧部3の下部に配置され、搬送コンベヤ2の下方に位置する始端プーリ72と、搬送コンベヤ2と送りロータ43とスクリーン63の下方に延在し、木質材料の切削片を載置して搬送する搬送ベルト71と、搬送ベルト71を支持する複数の支持ローラ73,73,・・・を有する。この搬出コンベヤ7は、切削部5で木質材料が切削されてなる切削片や、搬送コンベヤ2で搬送される際に木質材料から離脱した樹皮や塵等を、搬送ベルト71の表面で受け取り、切削部5から外部に搬出する。
上記構成のオガ粉製造装置1は、次のように動作する。まず、押圧部3のモータMが起動し、モータMの回転力がローラーチェーンカップリング441を介して出力軸44から駆動軸221に伝達され、搬送コンベヤ2が駆動される。これと共に、駆動軸221の回転力が歯車伝達機構81により回転方向が反転されて中継軸48に伝達され、この反転方向の回転力が中継軸48から揺動軸32へ伝達される。揺動軸32の回転力は、第2押圧ロータ42の回転軸421に伝達され、この第2押圧ロータ42の回転軸421の回転力が第1押圧ロータ41の回転軸411に伝達される。これにより、第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42が、搬送コンベヤ2に対向する部分において搬送ベルト21の駆動方向と同じ方向に回転駆動される。更に、駆動軸221の回転力が送りロータ43の回転軸433に伝達され、送りロータ43が搬送コンベヤ2の終端のスプロケット22と同じ方向に回転駆動される。こうして押圧部3の動作が開始すると共に、切削部5の図示しないモータが起動し、切削ロータ52の回転駆動が開始される。また、搬出コンベヤ7の図示しないモータが起動し、搬出コンベヤ7の搬送ベルト71の搬送動作が開始される。
上記押圧部3、切削部5及び搬出コンベヤ7の動作が開始されると、搬送コンベヤ2の始端に、木質材料が投入される。投入された木質材料は、搬送コンベヤ2により、切削ロータ52に向かって搬送される。木質材料の高さが、搬送コンベヤ2の搬送面と、揺動フレーム45による揺動範囲の下端に位置する第1押圧ロータ41との間のクリアランスよりも小さい場合、木質材料は第1押圧ロータ41の下方を通過して第2押圧ロータ42に達する。第2押圧ロータ42に達した木質材料は、第2押圧ロータ42と送りロータ43との間に挟まれて、この第2押圧ロータ42の質量と、この第2押圧ロータ42の回転軸421に取り付けられた揺動フレーム45に支持された第1押圧ロータ41の質量と、第2押圧ロータ42を軸支する揺動ケーシング31の質量とを受ける。これにより、木質材料が第2押圧ロータ42と送りロータ43とで挟持されて強固に保持され、この状態で、第2押圧ロータ42と送りロータ43の回転力により、木質材料が切削ロータ52に送られる。したがって、木質材料は、第2押圧ロータ42と送りロータ43でしっかりと保持された状態で、切削ロータ52の切刃55と固定刃61とでせん断されるので、木質材料が暴れることなく、所定の寸法のオガ粉やウッドチップが安定して作製される。
図14に示すように、搬送コンベヤ2に投入された木質材料W1の高さが、搬送コンベヤ2の搬送面と、揺動フレーム45による揺動範囲の下端に位置する第1押圧ロータ41との間のクリアランスよりも大きく、かつ、搬送コンベヤ2の搬送面と、揺動フレーム45による揺動範囲の上端に位置する第1押圧ロータ41との間のクリアランスよりも小さい場合、搬送コンベヤ2で搬送される木質材料W1の上に、第1押圧ロータ41が乗り上げる。これにより、第1押圧ロータ41の質量が木質材料W1に作用し、搬送コンベヤ2の搬送力と第1押圧ロータ41の回転力により、木質材料W1が第2押圧ロータ42側に送られる。木質材料W1が第2押圧ロータ42に達すると、第2押圧ロータ42が木質材料W1に乗り上げ、これに伴い、第2押圧ロータ42を軸支する揺動ケーシング31が揺動軸32回りに上方に揺動する。こうして、木質材料W1に、第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42が乗り上げて、上記第1押圧ロータ41の質量と、第2押圧ロータ42の質量と、揺動ケーシング31の質量とが作用する。木質材料W1は、第2押圧ロータ42に乗り上げられると直ぐに、送りロータ43に達して、第2押圧ロータ42と送りロータ43との間に挟持される。上記第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42で押圧され、かつ、第2押圧ロータ42と送りロータ43との間に挟持された状態で、第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42と送りロータ43の回転力と、搬送コンベヤ2の搬送力とで、木質材料W1が切削ロータ52に送られる。したがって、木質材料W1は、搬送コンベヤ2と第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42と送りロータ43でしっかりと保持された状態で、切削ロータ52の切刃55と固定刃61とでせん断されるので、木質材料W1が暴れることなく、所定の寸法のオガ粉やウッドチップが安定して作製される。
図15Aに示すように、搬送コンベヤ2に投入された木質材料W2の高さが、搬送コンベヤ2の搬送面と、揺動フレーム45による揺動範囲の上端に位置する第1押圧ロータ41との間のクリアランスよりも大きい場合、搬送コンベヤ2で搬送される木質材料W2の上に第1押圧ロータ41が乗り上げる前に、揺動フレーム45が揺動ケーシング31内のストッパ46に係止する。この第1押圧ロータ41の回転力と、搬送コンベヤ2の搬送力とにより、木質材料W2が第2押圧ロータ42側に進むと、この木質材料W2に、揺動フレーム45がストッパ46に係止した状態で第1押圧ロータ41が乗り上げる。木質材料W2に第1押圧ロータ41が乗り上げる際、第1押圧ロータ41の動きが揺動フレーム45とストッパ46を介して揺動ケーシング31に伝わり、図15Bに示すように、揺動ケーシング31が揺動軸32回りに上方に揺動する。これにより、木質材料W2に、上記第1押圧ロータ41の質量と、第2押圧ロータ42の質量と、揺動ケーシング31の質量とが作用する。この状態で、搬送コンベヤ2の搬送力と第1押圧ロータ41の回転力により、木質材料W2が第2押圧ロータ42側に送られる。木質材料W2が第2押圧ロータ42に達すると、第2押圧ロータ42が木質材料W2に乗り上げ、これに伴い、図15Cに示すように、第2押圧ロータ42を軸支する揺動ケーシング31が揺動軸32回りに上方に更に揺動する。こうして、木質材料W2に、第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42が乗り上げて、上記第1押圧ロータ41の質量と、第2押圧ロータ42の質量と、揺動ケーシング31の質量とが作用する。木質材料W2は、第2押圧ロータ42に乗り上げられると直ぐに、送りロータ43に達して、第2押圧ロータ42と送りロータ43との間に挟持される。上記第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42で押圧され、かつ、第2押圧ロータ42と送りロータ43との間に挟持された状態で、第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42と送りロータ43の回転力と、搬送コンベヤ2の搬送力とで、木質材料W2が切削ロータ52に送られる。したがって、木質材料W2は、搬送コンベヤ2と第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42と送りロータ43でしっかりと保持された状態で、切削ロータ52の切刃55と固定刃61とでせん断されるので、木質材料W2が暴れることなく、所定の寸法のオガ粉やウッドチップが安定して作製される。
このように、本実施形態のオガ粉製造装置1によれば、木質材料を、記第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42で押圧し、第1押圧ロータ41を揺動フレーム45で第2押圧ロータ42の回転軸421回りに揺動可能とすると共に、第2押圧ロータ42を軸支する揺動ケーシング31を揺動軸32回りに揺動可能にしているので、種々の寸法の木質材料を、第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42で、又は、第2押圧ロータ42で安定して押圧することができる。したがって、種々の寸法の木質材料を、暴れを防止して安定に切削ロータ52で切削できる。更に、搬送コンベヤ2の終端と切削ロータ52の間、かつ、第2押圧ロータ42の下方に送りロータ43を配置したので、第1押圧ロータ及び第2押圧ロータ42、又は、第2押圧ロータ42で押圧した木質材料を、第2押圧ロータ42と送りロータ43とでしっかりと挟持できる。したがって、種々の寸法の木質材料を、暴れを防止して安定に切削ロータ52で切削できる。ここで、上記第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42と揺動フレーム45と揺動ケーシング31の合計質量であって、上記第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42を介して木質材料に作用させる荷重は、1〜1.5tであるのが好ましい。第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42を介して木質材料に1〜1.5tの荷重をかけることにより、木質材料を、暴れを防止しながら押圧して切削ロータ52に送ることができる。ここで、木質材料に作用させる押圧力が不足する場合、揺動ケーシング31に錘を配置してもよい。揺動ケーシング31に錘を配置する場合、図15Cに示すように、第2押圧ロータ42の上方に、例えば金属製の板状体で形成した錘Wを、着脱自在に配置するのが好ましい。
また、本実施形態のオガ粉製造装置1は、搬送コンベヤ2による搬送方向において上流側に第1押圧ロータ41を配置する一方、第2押圧ロータ42を下流側に配置し、上記第1押圧ロータ41を揺動フレーム45で第2押圧ロータ42の回転軸421回りに揺動可能とすると共に、第2押圧ロータ42を軸支する揺動ケーシング31を、第1押圧ロータ41よりも上流側に配置した揺動軸32回りに揺動可能にしている。これにより、木質材料が、搬送コンベヤ2の搬送面と、揺動フレーム45の揺動角度が上限揺動角度のときの第1押圧ロータ41との間のクリアランスよりも小さい場合、木質材料に対する第1押圧ロータ41の押圧力と第2押圧ロータ42の押圧力が、この順で大きくなるように形成されている。すなわち、木質材料の押圧力が、切削ロータ52に近くなるにつれて大きくなるように形成されている。これにより、木質材料をスムーズに搬送できると共に、木質材料を効果的に押圧して暴れることなく切削ロータ52で切削できる。したがって、オガ粉又はウッドチップの製造効率を効果的に高めることができる。
また、本実施形態のオガ粉製造装置1は、揺動軸32回りに揺動する揺動ケーシング31の搬送コンベヤ2の投入側に位置する上端角部に、油圧シリンダ34の一端を接続している。この油圧シリンダ34を緩衝動作させることにより、揺動ケーシング31が揺動する際、揺動ケーシング31の動きを緩やかにすることができる。これにより、第1押圧ロータ41や第2押圧ロータ42が木質材料を押圧する際の衝撃を緩和できて、第1押圧ロータ41や、第2押圧ロータ42や、搬送コンベヤ2や、これらの駆動機構への悪影響を防止することができる。
ここで、オガ粉製造装置1に木質材料が投入されていないときであって、揺動ケーシング31が揺動範囲の下端に位置し、かつ、揺動フレーム45が揺動範囲の下端に位置するとき、搬送コンベヤ2の搬送面と第1押圧ロータ41との間のクリアランスは、100〜200mmに設定するのが好ましく、150mm程度が特に好ましい。また、搬送コンベヤ2の搬送面と第2押圧ロータ42との間のクリアランスは、10〜50mmに設定するのが好ましく、30mm程度が特に好ましい。
また、本実施形態のオガ粉製造装置1によれば、オガ粉製造装置1に木質材料が投入されていないときであって、揺動ケーシング31が揺動範囲の下端に位置し、かつ、揺動フレーム45が揺動範囲の下端に位置するとき、第1押圧ロータ41を第2押圧ロータ42よりも搬送コンベヤ2の搬送面から離れた高い位置に配置している。すなわち、オガ粉製造装置1に木質材料が投入されていないときであって、揺動ケーシング31が揺動範囲の下端に位置し、かつ、揺動フレーム45が揺動範囲の下端に位置するとき、一端が第1押圧ロータ41を回転可能に支持して他端が第2押圧ロータ42の回転軸421に軸支された揺動フレーム45を、一端が他端よりも上に位置するように傾斜させている。これは、第1押圧ロータ41の回転軸411が挿通される揺動ケーシング31の揺動スリット311の下端を、第2押圧ロータ42の回転軸421の揺動ケーシング31に対する取付位置よりも高くすることにより実現している。これにより、搬送コンベヤ2で搬送された木質材料が第1押圧ロータ41に接触したとき、揺動フレーム45が滑らかに揺動して一端の第1押圧ロータ41が速やかに上方に移動し、木質材料を確実かつスムーズに搬送コンベヤ2の搬送面と第1押圧ロータ41との間で挟持できるようにしている。したがって、木質材料が第1押圧ロータ41に衝突したり、木質材料が第1押圧ロータ41の上に乗り上げたりする押圧不良を効果的に防止できる。その結果、木質材料を、安定して第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42で押圧して切削ロータ52へ送ることができ、木質材料の切削片を安定して作製できる。なお、第1押圧ロータ41の回転軸411が挿通される揺動スリット311の下端を、第2押圧ロータ42の回転軸421の取付位置よりも高くして、第1押圧ロータ41を第2押圧ロータ42よりも高い位置に配置したが、第1押圧ロータ41を揺動支持する揺動フレーム45の揺動範囲の下端を規定する下端ストッパを設けて、第1押圧ロータ41を第2押圧ロータ42よりも高い位置に配置してもよい。
更に、本実施形態のオガ粉製造装置1によれば、揺動ケーシング31の揺動軸32を、木質材料の搬送方向において、木質材料を押圧する第1押圧ロータ41及び第2押圧ロータ42よりも前に配置しているので、木質材料が第1押圧ロータ41又は第2押圧ロータ42に接すると、揺動ケーシング31が速やかに上方に揺動し、第1押圧ロータ41及び第2押圧ロータ42を確実かつスムーズに上方に揺動させることができる。したがって、例えば押圧ロータを木質材料の移動方向の下流側に配置された揺動軸回りの揺動アームで支持する場合のように、揺動アームの揺動不良が生じて木質材料が噛み込んだり、揺動アームに座屈が生じたりする不都合を効果的に防止できる。
上記搬送コンベヤ2上の木質材料には、第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42と揺動ケーシング31の重さが作用するが、第2押圧ロータ42の回転軸421が、平面視において、搬送コンベヤ2の終端のスプロケット22よりも切削ロータ52側に配置されている。これにより、上記搬送コンベヤ2のスプロケット22が第2押圧ロータ42及び揺動ケーシング31の重さで破損する不都合を防止できる。第2押圧ロータ42及び揺動ケーシング31の重さは、搬送コンベヤ2の終端と切削ロータ52の間に配置されて第2押圧ロータ42の下方に位置する送りロータ43で受けるので、木質材料を第2押圧ロータ42と送りロータ43で挟んで効果的に支持しながら、切削ロータ52によって木質材料を安定して切削することができる。
本実施形態のオガ粉製造装置1によれば、最大寸法が1mm以上50mm以下の切削片を製造することができ、オガ粉の他、いわゆるウッドチップを製造することもできる。
本実施形態のオガ粉製造装置1は、運転時間が経過するに伴い、切刃55の交換や、切刃55の刃先の突出長さの調整等の主に切削ロータ52のメンテナンスが必要となる。また、押圧部3の第1押圧ロータ41や第2押圧ロータ42のメンテナンスが必要となる場合がある。そこで、このオガ粉製造装置1は、切削ケーシング51の上部を、下部に対して開閉可能な開閉部51aとしている。この開閉部51aを、図示しない油圧シリンダやモータで駆動し、切削ケーシング51の端面に設けたヒンジ65回りに、前方、すなわち、搬送コンベヤ2が木質材料を送る方向や搬出コンベヤ7が切削片を排出する方向に、揺動可能に形成している。これにより、切削部5の内部の切削ロータ52やスクリーン63を外部に露出可能に形成している。なお、切削ケーシング51の開閉部51aは、切削ケーシング51の側部に設けたヒンジ回りに、側方に揺動可能に形成してもよい。また、切削ケーシング51の開閉可能とする範囲は、上部に限らず、側部や、前部や、上部及び側部であってもよく、全部であってもよい。切削部5の内部には、切削ロータ52の前方かつ下側に、作業者用の足場66が設けられている。この足場66は、開いた開閉部51aを通して切削ケーシング51内に作業者が進入し、メンテナンスを行う際に作業者が足を置くためのものであり、切削ロータ52で切削された切削片が通過可能に形成されている。このような足場66として、切削片が通過可能な網目寸法を有する網体や、切削片が通過可能な透孔が設けられたパンチングメタルや、切削片が通過可能な離隔をおいて平行に配列された複数の棒状体等で形成することができる。本実施形態では、足場66は、切削部5の幅方向に延在して前後方向に平行に配列された複数の棒状体で形成されている。
本実施形態のオガ粉製造装置1では、次のようにしてメンテナンスを行う。まず、切削ケーシング51の開閉部51aをヒンジ65回りに前方に揺動させて、切削部5の内部を解放する。続いて、作業者が、開閉部51aが開いて形成された開口部から切削ケーシング51内に進入し、図16に示すように足場66に足を置く。作業者が足場66に足を置いて押圧部3側を向くと、切削ロータ52が作業者の前側に位置するので、切削ロータ52の切刃55の刃先の突出長さの調整や、切刃55の交換等のメンテナンスを容易に行うことができる。また、切削ロータ52の外周側に配置されたスクリーン63の詰まりの解消や、破損部分の補修を行うことができる。なお、スクリーン63は、切削ロータ52の駆動軸521を通る水平面よりも上側に位置する上半部分と、上記水平面の下側に位置する下半部分とに分割し、上記スクリーン63の上半部分を切削ケーシング51の開閉部51aと共に移動するように形成してもよい。これにより、開閉部51aを開くと、開閉部51aと共にスクリーン63の上半部分が退去して、切削ロータ52の上半部分が露出するので、作業者が速やかに切削ロータ52のメンテナンスに取り掛かることができる。また、作業者が足場66上に存在するときに、揺動ケーシング31を油圧シリンダ34で揺動軸32回りに揺動させると、第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42が上昇し、これら第1押圧ロータ41と第2押圧ロータ42を含む揺動ケーシング31の内側が、作業者に向かって露出する。したがって、作業者は、容易に第1押圧ロータ41や第2押圧ロータ42にアクセスしてメンテナンスを行うことができる。
上記実施形態において、切削ロータ52のロータディスク53は、単一の板材で形成された支持盤54に回転刃としての切刃55が固定されて形成されたが、他の構造のロータディスクを用いることができる。図17は、ロータディスクの他の例を示す図であり、図18は、図17のロータディスクの断面図である。
このロータディスク153は、支持盤の外周部に、切刃155及び裏刃156で形成された回転刃が、180°の角度をおいて二組固定されている。このロータディスク153の支持盤は、2枚の板材154,154を、回転中心に位置して駆動軸521に挿通されるスリーブ部材161と、回転刃が固定される固定板162とで繋いで中空に形成されている。支持盤を形成する板材154,154には、切刃155と裏刃156で形成される回転刃と、これら切刃155と裏刃156を固定する略L字状の固定部材157とが挿入される切り欠き154aが形成されている。固定部材157は、L字状の背面部分と底面部分が、板材154の切欠き154aの縁部に溶接で固定されている。
図19Aは、切刃155の側面図であり、図19Bは、切刃155の平面図である。切刃155は、一方の端面が傾斜して先端に刃先が形成された板状体であり、この刃先が形成された端面と鈍角を介して連なる面が、固定板162に接して取り付けられる。切刃155の平面の基端寄りの位置に、ボルト158の軸部に挿通される長孔554が形成されている。この長孔554は、切刃155の刃先側の端面と、基端側の端面とを結ぶ方向に長く形成されており、ボルト158に挿通された状態で、切刃155の刃先の突出長さが調整可能になっている。切刃155の基端側である他方の端面には、幅方向の中央に引張螺旋孔555が形成されている。この引張螺旋孔555に、図18に示すように、切刃155に引張力を導入する引張ボルト159が螺着されている。引張ボルト159は、L字状の固定部材157の短辺の先端部に形成された挿通孔に挿通され、固定部材157の先端部の外側面にボルト頭が係止して、引張力の反力が支持される。なお、引張螺旋孔555及び引張ボルト159は、複数個設けてもよい。切刃155の基端側の端面には、引張螺旋孔555の幅方向の両側に、2つの刃先調整螺旋孔556,556が形成されている。この刃先調整螺旋孔556に、切刃155の刃先の突出長さを調整する刃先調整ボルト164が螺着されている。刃先調整ボルト164は、切刃155が固定部材157に取り付けられると、ボルト頭が固定部材157の短辺部の内側面に係止する。刃先調整ボルト164の刃先調整螺旋孔556への螺着長さが調整され、切刃155の基端側の端面からの刃先調整ボルト164の突出長さが調節されることにより、固定部材157の短辺部の内側面と切刃155の基端側の端面との間の距離が調整される。これにより、切刃155の支持盤からの突出量が調整されるようになっている。刃先調整ボルト164の刃先調整螺旋孔556への螺着長さが定まると、刃先調整ボルト164に螺合するナット165が切刃155の端面に対して締結されて、切刃155の支持盤からの突出量が固定される。
図20Aは、裏刃156の側面図であり、図20Bは、裏刃156の平面図である。裏刃156は、一方の端面が傾斜して先端が尖った板状体であり、切刃155よりも大きな厚みに形成されている。裏刃156は、尖った側の端面と鋭角を介して連なる面が切刃155に接する一方、尖った側の端面と鈍角を介して連なる面が、L字状の固定部材157の長辺の内側面に接するように取り付けられる。裏刃156の平面には、幅方向の中央に配置されてボルト158の軸部に挿通される挿通長孔562と、この挿通長孔562の両側に配置された固定用の固定長孔563が形成されている。固定長孔563は、貫通方向の途中に段部を有し、切刃155に接する側の幅が固定部材157に接する側の幅よりも大きく形成されている。この固定長孔563にキャップスクリューを挿通し、このキャップスクリューの頭部を固定長孔563の段部に係止させて、キャップスクリューの軸部を固定部材157に形成した螺旋孔に螺着することにより、裏刃156を固定部材157に固定している。挿通長孔562及び固定長孔563は、長孔で形成されているので、裏刃156の先端の支持盤からの突出量が調整可能な状態で、固定部材157に固定可能になっている。裏刃155の基端側の端面には、幅方向の両側に、2つの裏刃調整螺旋孔564,564が形成されている。この裏刃調整螺旋孔564に、裏刃156の尖端の突出長さを調整する裏刃調整ボルト166が螺着されている。裏刃調整ボルト166は、裏刃156が固定部材157に取り付けられると、ボルト頭が固定部材157の短辺部の内側面に係止する。裏刃調整ボルト166の裏刃調整螺旋孔564への螺着長さが調整され、裏刃156の基端側の端面からの裏刃調整ボルト166の突出長さが調節されることにより、固定部材157の短辺部の内側面と裏刃156の基端側の端面との間の距離が調整される。これにより、裏刃156の支持盤からの突出量が調整されるようになっている。裏刃調整ボルト166の裏刃調整螺旋孔564への螺着長さが定まると、裏刃調整ボルト166に螺合するナット167が裏刃156の端面に対して締結されて、裏刃156の支持盤からの突出量が固定される。
上記切刃155と裏刃156は、固定板162と固定部材157の間に収容され、固定板162の貫通孔と切刃155の長孔554と裏刃156の挿通孔562とにボルト158が挿通され、このボルト158の先端が固定部材157に形成された螺子孔に螺着されて支持盤に固定される。これにより、切刃155の先端が裏刃156の先端よりも突出した状態で、支持盤に固定される。このロータディスク153によれば、2枚の板材154,154を繋いで形成された中空の支持盤を用いるので、切削ロータ52の軽量化を図ることができる。
図21は、上記ロータディスク153を用いて形成された切削ロータ52を示す正面図である。この切削ロータ52は、ロータディスク153を軸方向に6個連結して形成されている。6個の上記ロータディスク153は、回転刃の位置が切削ロータ52の外周面上で螺旋状をなすように連結されている。この切削ロータ52は、切刃155と裏刃156で回転刃が形成されているので、木質材料の割れを効果的に抑制でき、安定して寸法の揃ったオガ粉やウッドチップを製造することができる。ここで、切削ロータ52におけるロータディスク153の配置形態は、回転刃が螺旋状をなすように配置する以外に、例えば回転刃が駆動軸521に対して平行をなすように配置してもよく、また、回転刃を駆動軸521と平行に配置した2個のロータディスク153からなる組を3個作成し、互いの組を周方向にずらして連結してもよい。また、図22に示すように、6個のロータディスク153を、正面視において回転刃がV字状を描くように配置してもよい。また、切削ロータ52を構成するロータディスク153の個数は、6個以外でもよく、製造するオガ粉やチップの寸法等に応じて適宜変更可能である。
また、上記実施形態のロータディスク153は、中空の支持盤に固定部材157を溶接し、この固定部材157に、切刃155に引張力を導入する引張ボルト159を連結したが、切刃に導入する引張力を支持盤で支持する構造を採用することもできる。図23は、回転刃の切刃255を引張棒259で支持盤254に連結したロータディスク253を示す断面図であり、図24は、図23のロータディスク253で構成された切削ロータ52を示す正面図である。
このロータディスク253は、支持盤254の外周部に、切刃255及び裏刃256で形成された回転刃が180°の角度をおいて二組固定されている。支持盤254は、軸方向視において大略L字状に形成されて切刃255及び裏刃256が嵌合する取付溝としての回転刃切欠部254aと、この回転刃切欠部254aから約60°の角度をおいた位置に形成され、切刃255の突出長さを調整するナット260が収容されるナット切欠部524bを有する。
回転刃切欠部254aには、径方向の内側から順に、裏刃256と切刃255が重なり合って配置されている。裏刃256と切刃255は、裏面が互いに接すると共に、切刃255の刃先が裏刃256の刃先よりも突出するように重なり合っている。切刃255の表面には、回転刃切欠部254aに嵌合して外周が支持盤254に連なる楔型の固定部材257が配置され、この固定部材257は、外周側から挿入された固定ボルト258によって支持盤254に固定される。この固定ボルト258は、固定部材257の凹所の底に形成された貫通孔と、切刃255に形成された長孔と、裏刃256に形成されたU字溝とに挿通され、支持盤254の回転刃切欠部254aに形成された螺旋孔に螺着されている。このようにして、固定ボルト258で固定部材257を介して切刃255と裏刃256を固定している。この固定ボルト258のボルト頭は、固定部材257の外周面に形成された凹所に収容されている。
切刃255は、固定ボルト258の軸部が挿通される長孔に沿って、支持盤254からの突出量が調整可能に形成されている。また、裏刃256は、固定ボルト258の軸部が挿通されるU字溝に沿って、支持盤254からの突出量が調整され、これにより切刃255に対する位置が調整可能に形成されている。
切刃255の回転刃切欠部254a内に収容される端面には、引張力が導入される引張部材としての引張棒259の一端が螺着している。引張棒259の切刃255への螺着部分はナット261で固定されている。引張棒259は、支持盤254の回転刃切欠部254aとナット切欠部524bとの間に形成された貫通孔に挿通されており、他端がナット260でナット切欠部524bの壁面に固定されている。切刃255の端面と回転刃切欠部254aの壁面との間には、切刃255の突出量を調整する刃先調整ボルト264が収容されている。切刃255の突出量を調整する際、上記刃先調整ボルト264で回転刃切欠部254aの壁面と切刃255の端面との間の距離が調整された後、引張棒259のナット切欠部524b側のナット260が締結されて、切刃255を所定の突出量に固定するようになっている。
裏刃256の回転刃切欠部254a内に収容される端面には、引張力が導入されると共に裏刃256の突出量を調整する引張調節ボルト262が螺着している。引張調節ボルト262の裏刃256への螺着部分はナット263で固定されている。引張調整ボルト262は、回転刃切欠部254a内に突出した壁状の凸部254cに形成された螺旋孔に螺着して貫通しており、この凸部254cの表面に、引張調整ボルト262の螺旋頭が接している。裏刃256の端面と凸部254cとの間には、回転刃切欠部254aに裏刃256が装着されることによりナット収容部254dが形成され、このナット収容部254dにナット263が収容される。裏刃256の突出量は、引張調整ボルト262の裏刃256への螺合長さによって調整される。引張調整ボルト262の裏刃256への螺合長さが調節された後、ナット263が締結されて、裏刃256を所定の突出量に固定するようになっている。裏刃256に螺合する引張調整ボルト262が螺着する凸部254cは、先端面が、切刃255の側面に接している。
上記切刃255及び裏刃256で形成された回転刃を有するロータディスク253を用いて、例えば図24に示すような切削ロータ52を構成することができる。この切削ロータ52は、上記ロータディスク253を軸方向に4個連結して形成されている。4個の上記ロータディスク253は、回転刃の位置が駆動軸521と平行に一直線上に位置するように連結されている。この切削ロータ52は、切刃255と裏刃256で回転刃が形成されているので、木質材料の割れを効果的に抑制でき、安定して寸法の揃ったオガ粉やウッドチップを製造することができる。ここで、切削ロータ52は、4個のロータディスク253の回転刃を一直線上に配置する以外に、例えば回転刃を一直線上に配置した2個のロータディスク253からなる組を2個作成し、互いの組を周方向にずらして連結してもよい。また、4個のロータディスク253を、回転刃の位置が切削ロータ52の外周面上で螺旋状をなすように連結してもよい。あるいは、4個のロータディスク253を、正面視において回転刃がV字状を描くように配置してもよい。また、切削ロータ52を構成するロータディスク253の個数は、4個以外でもよく、製造する切削片の寸法等に応じて適宜変更可能である。