JP2018065299A - タイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い品質を有するタイヤを製造するための方法の提供。
【解決手段】この製造方法では、架橋ゴムからなるブラダー6は、本体18と、複数のベントライン20と、複数の突起群22とを備えている。上記複数のベントライン20は周方向に間隔をあけて配置されており、それぞれのベントライン20は上記本体18の表面から内向きに窪んでいる。上記複数の突起群22のそれぞれは、一のベントライン20とこの一のベントライン20の隣に位置する他のベントライン20との間に位置している。上記突起群22は多数の突起26を含んでいる。上記多数の突起26は上記本体18の表面から外向きに突出しており、それぞれの突起26は円柱状を呈している。
【選択図】図3

Description

本発明は、タイヤの製造方法に関する。詳細には、本発明は、ブラダーを利用するタイヤの製造方法に関する。
タイヤの製造において、ローカバー(未加硫のタイヤ)をモールドに投入するとき、ブラダーは収縮している。ローカバーがモールドに投入されると、スチーム等の気体がブラダーに充填される。これにより、ブラダーは膨張する。膨張したブラダーは、ローカバーの内面と当接する。
タイヤの製造では、モールドとブラダーとの間において、ローカバーは加圧及び加熱させられる。これにより、ローカバーのゴム組成物が加硫反応を起こし、タイヤが得られる。
このタイヤの製造では、ブラダーがローカバーに当接していく過程において、ローカバーとブラダーとの間にエアが巻き込まれる。エアの排出が不十分な場合、タイヤ内面の品質が損なわれる恐れがある。エアの十分な排出の観点から、ブラダーに関しては、様々な検討が行われている(例えば、下記の特許文献1、2及び3)。下記の特許文献3に開示されたブラダーの表面には、ローカバーRとの点接触が考慮され、円錐状の突起が設けられている。
特開平07−195380号公報 特開平07−024835号公報 特開2006−341377公報
エアの排出の観点から、多数のベントライン(いわゆる、溝)をブラダーの表面に設けることがある。タイヤの製造では、膨張したブラダーが内面からローカバーに押し当てられる。このとき、ローカバーに対するブラダーの滑りが悪ければ、ベントラインにおいて、エアが残留することがある。
タイヤの内面は、通常、インナーライナーで構成される。インナーライナーは、このインナーライナーのためのシート又はストリップを用いて形成される。このため、ローカバーの内面にはシート又はストリップの継ぎ目が存在している。ローカバーに対するブラダーの滑りが悪く、継ぎ目の位置が前述のベントライン上でホールドされる場合には、エアは残留しやすい傾向にある。インナーライナーをストリップで形成した場合には、継ぎ目が多く形成されるため、この傾向は顕著である。
ローカバーに対するブラダーの滑りの確保の観点から、ブラダーには離型剤が塗布される。マイカ、タルク等の粉体を多く含む離型剤を使用した場合、この粉体が転がり、ブラダーはローカバーに対して滑りやすい。一方、粉体の配合量が少ない離型剤を使用した場合には、ローカバーに対してブラダーが滑りにくい。この場合においては、エアが残留しやすい傾向にある。
外観品質に優れるタイヤを得るために、ローカバーとブラダーとの間に存在するエアの排出を促す技術の確立に関しては、検討の余地がある。
本発明の目的は、高い品質を有するタイヤを製造するための方法の提供にある。
本発明は、ローカバーの外面と当接してタイヤの外面を形作るモールドと、このローカバーの内面と当接してこのタイヤの内面を形作るブラダーとを備える加硫装置を用いて、このタイヤを製造するための方法である、この製造方法は、
(1)上記ローカバーを上記モールドに投入する工程、
(2)上記ブラダーに気体を充填してこのブラダーを膨張させる工程、
及び
(3)上記モールド内で上記ローカバーを加圧及び加熱する工程
を含んでいる。この製造方法では、上記ブラダーは架橋ゴムからなり、このブラダーは、本体と、複数のベントラインと、複数の突起群とを備えている。上記複数のベントラインは周方向に間隔をあけて配置されており、それぞれのベントラインは上記本体の表面から内向きに窪んでいる。上記複数の突起群のそれぞれは、一のベントラインとこの一のベントラインの隣に位置する他のベントラインとの間に位置している。上記突起群は多数の突起を含んでいる。上記多数の突起は上記本体の表面から外向きに突出しており、それぞれの突起は円柱状を呈している。
好ましくは、このタイヤの製造方法では、上記突起の直径は1mm以上3mm以下である。
好ましくは、このタイヤの製造方法では、上記突起の高さは0.5mm以上2mm以下である。
好ましくは、このタイヤの製造方法では、上記突起群は、周方向に沿って配置された複数の突起からなるユニットを複数含んでおり、これらのユニットは周方向に対して垂直な方向に並列されている。
本発明に係るタイヤ製造用のブラダーは、本体と、複数のベントラインと、複数の突起群とを備えている。上記複数のベントラインは周方向に間隔をあけて配置されており、それぞれのベントラインは上記本体の表面から内向きに窪んでいる。上記複数の突起群のそれぞれは、一のベントラインとこの一のベントラインの隣に位置する他のベントラインとの間に位置している。上記突起群は多数の突起を含んでいる。上記多数の突起は上記本体の表面から外向きに突出しており、それぞれの突起は円柱状を呈している。
本発明に係るタイヤの製造方法では、ローカバーの内面と当接するブラダーは、多数の突起と多数のベントラインとを備えている。
この製造方法では、ブラダーが膨張すると、ブラダーの本体の表面でなく、突起がローカバーと接触する。このブラダーでは、本体に突起が設けられていない従来のブラダーに比べて、ローカバーとの接触面積は小さい。このブラダーは、ローカバーに対して滑りやすい。
この製造方法では、ブラダーは架橋ゴムからなる。このため、ブラダーがローカバーに押し当てられると、本体とローカバーとの間に位置する突起は、徐々に押し潰されていく。この製造方法では、ブラダー全体が一気にローカバーと接触することがないので、突起間の隙間を通じて、エアは移動していく。
この製造方法では、突起は、ローカバーに対してブラダーが滑る方向とは逆向きに倒れるように変形する。この変形は、ブラダーとローカバーとの間に生じる摩擦力を低減させる。この変形は、ブラダーの滑りを促す。
この製造方法では、突起が円柱状を呈しているので、ローカバーの内面にシート又はストリップの継ぎ目が存在していても、この継ぎ目にあるエアがこの突起によって効果的に掻き出される。この突起によって掻き出されるエアの量は、ローカバーとの点接触が考慮された従来の突起を有するブラダーに比して、かなり大きい。
この製造方法では、ベントラインを通じたエアの排出が効果的に促される。エアを排出しながらベントラインがローカバーのゴムで満たされるので、仮に、継ぎ目の位置が前述のベントライン上にあっても、エアは残留しくい。この製造方法では、外観品質に優れるタイヤが得られる。本発明によれば、高い品質を有するタイヤを製造することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ製造方法のための製造設備の一部が示された概念図である。 図2は、図1の製造設備におけるブラダーが示された概略図である。 図3は、図2のブラダーの一部が示された斜視図である。 図4は、従来のブラダーでタイヤを製造する様子が示された概念図である。 図5は、図2のブラダーでタイヤを製造する様子が示された概念図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示された製造設備2は、本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法で用いられる加硫装置の一部である。この加硫装置2は、モールド4と、ブラダー6とを備えている。この図1において、符号Rはローカバーである。ローカバーRは、加硫前のタイヤである。このローカバーRは、未架橋状態にある。図1において、左右方向はタイヤの半径方向に相当し、上下方向はタイヤの軸方向に相当する。この図1において、一点鎖線CLはローカバーR(又は、タイヤ)の赤道面を表わす。このローカバーR(又は、タイヤ)の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。
この加硫装置2では、モールド4とブラダー6とに囲まれたキャビティ8においてローカバーRは加圧及び加熱される。この加圧及び加熱により、タイヤが得られる。
モールド4は、多数のトレッドセグメント10と、上下一対のサイドプレート12と、上下一対のビードリング14とを備えている。このモールド4は、いわゆる「割モールド」である。
図1に示されているように、モールド4はローカバーRの外面と当接する。モールド4のうち、ローカバーRの外面と当接している部分はキャビティ面16と称される。このモールド4は、キャビティ面16を備えている。通常、キャビティ面16には、凸凹模様が刻まれている。ローカバーRの外面がキャビティ面16に当接することで、この凸凹模様がローカバーRに転写され、このローカバーRの外面に凹凸模様が刻まれる。これにより、タイヤの外面が形付けられる。モールド4は、ローカバーRの外面と当接してタイヤの外面を形作る。
ブラダー6は、架橋ゴムからなる。この加硫装置2では、ブラダー6の材質に、特に、制限はない。このブラダー6の材質として一般的に採用されている材質が、このブラダー6においても採用される。
加硫装置2において、ブラダー6はローカバーRの半径方向内側に位置している。ブラダー6は袋状である。ブラダー6の内部には、気体が充填される。これにより、ブラダー6は膨張する。ブラダー6の内部から気体が排出されると、ブラダー6は収縮する。
この加硫装置2では、ブラダー6の内部に充填される気体は、その温度が180℃から200℃に調整されたスチームである。この気体として、その温度が180℃から200℃に調整された窒素ガスが用いられてもよい。
図1において、ブラダー6は膨張状態にある。膨張したブラダー6は、ローカバーRの内面と当接する。これにより、タイヤの内面が形付けられる。ブラダー6は、ローカバーRの内面と当接し、タイヤの内面を形作る。ブラダー6の表面に凸凹模様が刻まれている場合には、このブラダー6がローカバーRの内面と当接することで、内面に凹凸模様が刻まれたタイヤが得られる。
図2には、ブラダー6の大要が示されている。この図2において、上下方向はタイヤの軸方向に相当する。左右方向は、このタイヤの半径方向又は周方向に相当する。図3には、このブラダー6の一部が示されている。
この加硫装置2では、ブラダー6は、本体18、多数のベントライン20及び多数の突起群22を備えている。このブラダー6は、クランプ24も備えている。このクランプ24において、ブラダー6は加硫装置2に固定される。
多数のベントライン20は、周方向に間隔をあけて配置されている。このブラダー6では、図2に示されているように、軸方向において赤道面の両側それぞれに、多数のベントライン20が周方向に等間隔に配置されている。それぞれのベントライン20は、周方向又は軸方向に対して傾斜して延在している。図3に示されているように、ベントライン20は本体18の表面から内向きに窪んでいる。ベントライン20は、いわゆる、溝である。このブラダー6においては、ベントライン20の幅は、概ね、1mmから10mmの範囲である。このベントライン20の深さは、概ね、0.2mmから3mmの範囲である。このベントライン20の幅及び深さも含めて、このベントライン20の数及び配置については、エアの排出、タイヤの性能への影響等が考慮され、適宜、決められる。
多数の突起群22はそれぞれ、一のベントライン20と、周方向において、この一のベントライン20の隣に位置する他のベントライン20との間に位置している。これらの突起群22は、周方向に一定のピッチで配置されている。
このブラダー6では、突起群22は多数の突起26を含んでいる。詳細には、突起群22は多数の突起26で構成されている。図3に示されているように、これらの突起26は本体18の表面から外向きに突出している。それぞれの突起26は、円柱状を呈している。
この加硫装置2では、ブラダー6における突起群22には、周方向に沿って並列された4つの突起26からなるユニット28が複数含まれている。このブラダー6では、全てのユニット28において、ユニット28に含まれる突起26の数は同じである。一のユニット28に含まれる突起26の数が、他のユニット28に含まれる突起26の数と異なるように、突起群22が構成されてもよい。一の突起群22に含まれる突起26の数が、他の突起群22に含まれる突起26の数と異なるように、このブラダー6が構成されてもよい。
この加硫装置2では、突起群22は、周方向に沿って並列された複数の突起26からなるユニット28を複数含んでいる。これらのユニット28は、ブラダー6の表面において、周方向に対して垂直な方向に並列されている。このブラダー6では、ベントライン20が周方向に対して傾斜して延在しているので、この突起群22には、一のユニット28と、この一のユニット28の隣に位置する他のユニット28との位置関係において、周方向にずれる部分が含まれている。
この加硫装置2では、一のユニット28と、この一のユニット28の隣に位置する他のユニット28とが重複している部分では、一のユニット28に含まれる突起26の隣に他のユニット28に含まれる突起26が位置している。この突起群22においては、多数の突起26は周方向に対して垂直な方向、言い換えれば、軸方向及び半径方向に並列されている。前述したように、この突起群22のユニット28においては、複数の突起26は周方向に並列されている。この突起群22において、多数の突起26は格子状に配列されている。多数の突起26が密に配置できるとの観点から、この突起群22においては、これらの突起26が千鳥状に配列されてもよい。
以上説明した、モールド4及びブラダー6を備える加硫装置2を用いて、タイヤは次のようにして製造される。複数のゴム部材がアッセンブリーされて、ローカバーRが得られる。このローカバーRが、開かれたモールド4に投入される。ブラダー6に気体が充填され、このブラダー6が膨張させられる。モールド4が閉じられ、このモールド4内でローカバーRが加圧及び加熱させられる。加圧及び加熱により、ローカバーのゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤが得られる。つまり、このタイヤの製造方法は、
(1)ローカバーRを準備する工程、
(2)ローカバーRをモールド4に投入する工程、
(3)ブラダー6に気体を充填してこのブラダー6を膨張させる工程、
及び
(4)モールド4内でローカバーRを加圧及び加熱する工程
を含んでいる。
図示されていないが、タイヤはインナーライナーを備えている。インナーライナーは、カーカスの内側に位置しており、カーカスの内面に接合されている。インナーライナーは、タイヤの内面を構成している。インナーライナーは、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナーの典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナーは、タイヤの内圧を保持する。
タイヤの製造では、ローカバーRにおけるインナーライナーは、このインナーライナーのためのゴム組成物から形成されたシートを巻回して形成される。又は、このインナーライナーは、このゴム組成物から形成されたストリップを螺旋状に巻回して形成される。このため、シートとシートとを継ぎ合わせた部分、又は、ストリップとストリップとを継ぎ合わせた部分、すなわち、継ぎ目が、ローカバーRにおけるインナーライナーには存在している。インナーライナーはローカバーRの内面を構成しているので、ブラダー6とローカバーRとの当接部分には、この継ぎ目が含まれている。
図4には、従来のブラダーBでタイヤを製造する様子が示されている。このブラダーBには、ベントラインVLは設けられているが、突起は設けられていない。
このブラダーBを用いたタイヤの製造では、ブラダーBに突起26が設けられていないので、ブラダーBに気体が充填されると、ブラダーBにおいてベントラインが設けられていない部分、言い換えれば、本体MBが、全体として、ローカバーRの内面と当接する。マイカ、タルク等の粒子を多く含む離型剤、具体的には、マイカ及びタルクからなる無機粉体の含有量が、全体の20質量%から50質量%に調整された離型剤が、ブラダーBの表面に塗布されていれば、粒子の転がり効果によって、ローカバーRに対するブラダーBの滑りが確保される。しかし、このマイカ、タルク等の粒子の配合量が少ない離型剤、具体的には、マイカ及びタルクからなる無機粉体の含有量が、全体の20質量%未満に調整された離型剤を用いた場合には、ローカバーRに対するブラダーBの滑りが確保できず、ブラダーBがローカバーRと密着してしまう。この場合、特に、図4に示されているように、インナーライナー30の継ぎ目32がベントラインVLの直上近くに位置していると、継ぎ目32とベントラインVLとに巻き込まれているエアを十分に排出できず、エアが残留してしまう。インナーライナー30をストリップで形成した場合には、このインナーライナー30に継ぎ目32が多く含まれるので、エアの残留が生じやすい。
図5(a)に示されているように、本発明のブラダー6には、多数のベントライン20以外に、多数の突起26が設けられている。ブラダー6に気体が充填され、このブラダー6が膨張すると、図5(b)に示されているように、ブラダー6の本体18の表面でなく、突起26がローカバーRと接触する。このブラダー6では、図4に示された従来のブラダーBに比べて、ローカバーRとの接触面積は小さい。このブラダー6は、ローカバーRに対して滑りやすい。
前述したように、この製造方法では、ブラダー6は架橋ゴムからなる。このため、ブラダー6がローカバーRに押し当てられると、図5(b)から(e)に示されているように、本体18とローカバーRとの間に位置する突起26は、徐々に押し潰されていく。この製造方法では、ブラダー6全体が一気にローカバーRと接触することがないので、突起26間の隙間を通じて、エアは移動していく。
さらに突起26は、ローカバーRに対してブラダー6が滑る方向(図5において、横矢印で示された方向)とは逆向きに倒れるように変形する。この変形は、ブラダー6とローカバーRとの間に生じる摩擦力を低減させる。この変形は、ブラダー6の滑りを促す。
そしてこの製造方法では、突起26が円錐状でなく円柱状を呈している。このため、ローカバーRの内面にシート又はストリップの継ぎ目32が存在していても、この継ぎ目32にあるエアがこの突起26によって効果的に掻き出される。この突起26によって掻き出されるエアの量は、ローカバーRとの点接触が考慮された従来の突起を有するブラダー(図示されず)に比して、かなり大きい。
この製造方法では、ベントライン20を通じたエアの排出が効果的に促される。エアを排出しながらベントライン20がローカバーRのゴムで満たされるので、仮に、継ぎ目32の位置が前述のベントライン20の直上近くにあっても、エアは残留しくい。特に、この製造方法は、インナーライナー30に継ぎ目32が多く含まれることになる、ストリップでインナーライナー30を形成した場合において、有効である。さらにこの製造方法では、マイカ、タルク等の配合量が少ない離型剤を用いても、エアは残留しにくい。言い換えれば、この製造方法は、マイカ、タルク等の配合量が少ない離型剤を表面に塗布してブラダー6を用いる場合においても有効である。この製造方法では、外観品質に優れるタイヤが得られる。本発明によれば、高い品質を有するタイヤを製造することができる。
ローカバーRにおけるインナーライナー30がストリップを用いて形成される場合、このインナーライナー30に含まれる継ぎ目32は実質的に周方向に延在している。この場合において、突起26及びベントライン20によって奏されるエアの排出効果が十分に発揮されるとの観点から、ブラダー6の多数の突起群22のそれぞれにおいて、周方向に沿って複数の突起26が並列されたユニット28が複数含まれているのが好ましい。つまり、突起群22が周方向に沿って配置された複数の突起26からなるユニット28を複数含んでおり、これらのユニット28が周方向に対して垂直な方向に並列されているのが好ましい。言い換えれば、多数の突起26は、格子状又は千鳥状に配列しているのが好ましい。このタイヤの製造では、多数の突起26は、図2に示されているように、格子状に配列しているのがより好ましい。
前述したように、このタイヤの製造では、気体の充填によりブラダー6は膨張させられる。このとき、ブラダー6は周方向及び軸方向に伸張する。通常、周方向及び軸方向のそれぞれにおけるブラダー6の伸長率(ストレッチとも称される)は、110%〜115%の範囲で設定される。前述したように、このブラダー6は従来のブラダーに比してローカバーに対して滑りやすい。このため、周方向及び軸方向のそれぞれにおけるブラダー6の伸長率の範囲を、110%〜120%の範囲に設定しても、エアは十分に排出され、高い品質を有するタイヤが得られる。この製造方法では、ブラダー6のより有効的な使用が可能である。なお、このブラダー6の伸長率は、基準長さを示す標線をブラダー6に付し、その後、ブラダー6を膨張させ、伸長後の標線間の距離を計測することで得られる。この伸長率は、基準長さに対する伸長後の標線間の距離の比で表される。
図3において、両矢印Dは突起26の直径を表している。両矢印hは、突起26の高さを表している。
このブラダー6では、突起26の直径Dは1mm以上3mm以下が好ましい。この直径Dが1mm以上に設定されることにより、突起26が適度な剛性を有するとともに、この突起26がエアを効果的に掻き出すように作用する。この直径Dが3mm以下に設定されることにより、ブラダー6のローカバーRに対する滑りが適切に確保される。
このブラダー6では、突起26の高さhは0.5mm以上2mm以下が好ましい。この高さhが0.5mm以上に設定されることにより、突起26が適度な剛性を有するとともに、この突起26がエアを効果的に掻き出すように作用する。この高さhが2mm以下に設定されることにより、ブラダー6がローカバーRと当接したときに、両者の間に形成される空間が適切に維持される。これにより、ブラダー6とローカバーRとの間に巻き込まれるエアの量が効果的に抑えられる。
このブラダー6では、ブラダー6の本体18全体の表面積に対する突起26の総面積の比は、60%以上が好ましく、90%以下が好ましい。これにより、ブラダー6に設けられる突起26の数が適切に維持されるとともに、エアの排出が効果的に促される。なお、このブラダー6においては、突起26の総面積は、突起26の直径Dから得られる突起26の上面34の面積に、このブラダー6に設けられる突起26の全数を乗じることで得られる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図2−3に示された実施例1のブラダーを用いて、タイヤ(サイズ=215/45R17)を製造した。突起の形状は、円柱とした。この突起の直径Dは、2.0mmに設定された。この突起の高さhは、1.0mmに設定された。この実施例1では。ブラダーの本体全体の表面積に対する突起の総面積の比が80%になるように、突起の数は調整されている。
[比較例1]
従来のブラダーを用いて、タイヤ(サイズ=215/45R17)を製造した。このブラダーには、突起は設けられていない。
[実施例2−7]
直径Dを下記の表1に示される通りとした他は実施例1のブラダーと同等の構成を有する実施例2−7のブラダーを用いて、タイヤ(サイズ=215/45R17)を製造した。
[実施例8−11]
高さhを下記の表2に示される通りとした他は実施例1のブラダーと同等の構成を有する実施例8−11のブラダーを用いて、タイヤ(サイズ=215/45R17)を製造した。
[比較例2]
突起の形状を円錐とした比較例2のブラダーを用いて、タイヤ(サイズ=215/45R17)を製造した。この比較例2では、円錐の底面の外径が2.0mmに設定された。このことが、表2の直径Dの欄に「2.0」として表されている。この比較例2では、円錐の高さが1.0mmに設定された。このことが、表2の高さhの欄に「1.0」として表されている。この比較例2のブラダーに設けられた突起の数及び配置は、実施例1のブラダーと同等に設定された。
[エアの排出性]
試作したブラダーを用いて製造したタイヤの内面を観察した。30本タイヤを製造し、エア残り不良が確認されたタイヤの本数を計数し、外観不良の発生率を得た。気体の充填によるブラダーの伸長率を115%に設定した場合、そして、この伸長率を120%に設定した場合について、発生率を得、その結果が、下記の表1−2に示されている。この表1及び2の発生率(115)の欄に記載された数値が、伸長率を115%に設定して得た発生率である。発生率(120)の欄に記載された数値が、伸長率を120%に設定して得た発生率である。この数値が0に近いほど好ましい。
Figure 2018065299
Figure 2018065299
表1−2に示されるように、実施例の製造方法では、比較例の製造方法に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたブラダーに関する技術は、種々のタイヤの製造にも適用されうる。
2・・・製造設備(加硫装置)
4・・・モールド
6・・・ブラダー
8・・・キャビティ
10・・・トレッドセグメント
12・・・サイドプレート
14・・・ビードリング
16・・・キャビティ面
18・・・本体
20・・・ベントライン
22・・・突起群
24・・・クランプ
26・・・突起
28・・・ユニット
30・・・インナーライナー
32・・・継ぎ目
34・・・突起26の上面

Claims (5)

  1. ローカバーの外面と当接してタイヤの外面を形作るモールドと、このローカバーの内面と当接してこのタイヤの内面を形作るブラダーとを備える加硫装置を用いて、このタイヤを製造するための方法であって、
    上記ローカバーを上記モールドに投入する工程と、
    上記ブラダーに気体を充填してこのブラダーを膨張させる工程と、
    上記モールド内で上記ローカバーを加圧及び加熱する工程と
    を含んでおり、
    上記ブラダーが架橋ゴムからなり、このブラダーが、本体と、複数のベントラインと、複数の突起群とを備えており、
    上記複数のベントラインが周方向に間隔をあけて配置されており、それぞれのベントラインが上記本体の表面から内向きに窪んでおり、
    上記複数の突起群のそれぞれが、一のベントラインとこの一のベントラインの隣に位置する他のベントラインとの間に位置しており、
    上記突起群が多数の突起を含んでおり、
    上記多数の突起が上記本体の表面から外向きに突出しており、それぞれの突起が円柱状を呈している、タイヤの製造方法。
  2. 上記突起の直径が1mm以上3mm以下である、請求項1に記載のタイヤの製造方法。
  3. 上記突起の高さが0.5mm以上2mm以下である、請求項1又は2に記載のタイヤの製造方法。
  4. 上記突起群が、周方向に沿って配置された複数の突起からなるユニットを複数含んでおり、これらのユニットが周方向に対して垂直な方向に並列されている、請求項1から3のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
  5. 本体と、複数のベントラインと、複数の突起群とを備えており、
    上記複数のベントラインが周方向に間隔をあけて配置されており、それぞれのベントラインが上記本体の表面から内向きに窪んでおり、
    上記複数の突起群のそれぞれが、一のベントラインとこの一のベントラインの隣に位置する他のベントラインとの間に位置しており、
    上記突起群が多数の突起を含んでおり、
    上記多数の突起が上記本体の表面から外向きに突出しており、それぞれの突起が円柱状を呈している、タイヤ製造用のブラダー。
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