JP2015205492A - 空気入りタイヤの製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】台タイヤの熱劣化を抑制しつつ、寸法精度よくトレッド部を形成することができる空気入りタイヤの製造方法および製造装置を提供する。【解決手段】台タイヤBTのトレッド部TRに対応するタイヤ内面の範囲に金属製の剛性内型2を当接させた状態にし、台タイヤBTを内側から堅牢な剛性内型2によって支え、この状態でトレッド部TRに相当する台タイヤBTの外周面を覆うトレッド用金型10のキャビティ11に未加硫ゴムRを射出して、この未加硫ゴムRを加硫させることにより台タイヤBTの外周面にトレッド部TRを形成するとともにこのトレッド部TRを外周面に一体化させる。【選択図】図7
Description
本発明は、空気入りタイヤの製造方法および製造装置に関し、さらに詳しくは、台タイヤの熱劣化を抑制しつつ、寸法精度よくトレッド部を形成することができる空気入りタイヤの製造方法および製造装置に関するものである。
既存の空気入りタイヤのトレッド部のゴムを切削した台タイヤに、新たなトレッド部を形成する、いわゆる更生タイヤの製造方法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1で提案されている方法では既設の製造設備を使用し、台タイヤの内側に配置された加硫ブラダを膨張させた状態にして内圧を印加する。この状態で、台タイヤの周方向外側に配置されたタイヤモールドと台タイヤの周方向外側表面との間に形成された空間に未加硫ゴムを注入する。この注入した未加硫ゴムを加硫することによってトレッド部を形成しつつ、台タイヤの周方向外側表面に一体化させる。
この方法では、加硫ブラダに熱流体を供給して膨張させるので台タイヤは内側から加熱されることになる。即ち、台タイヤを形成している加硫ゴムはタイヤ内側から加硫ブラダによって加熱されるので熱劣化するという不具合がある。
また、射出される未加硫ゴムの射出圧力は、膨張している加硫ブラダの内圧(数MPa程度)比して大幅に高くなるのが一般的である。そのため、膨張させた加硫ブラダによって台タイヤの内側を押圧していても、未加硫ゴムの射出圧力によって台タイヤが内側に凹むように変形する。この変形の影響によって、形成されるトレッド部の寸法精度が低下するという問題がある。引用文献1では、トレッド成型空間内における未加硫ゴムの圧力P1が台タイヤに印加される内圧P2よりも僅かに高く設定される(段落0040参照)。即ち、引用文献1に記載の発明では、未加硫ゴムの射出圧力を高く設定できないため、射出時間が長くなるデメリットや、未加硫ゴムをトレッド成型空間内に十分に行き渡らせ難いというデメリットが生じる。
本発明の目的は、空気入りタイヤの製造方法および製造装置に関し、さらに詳しくは、台タイヤの熱劣化を抑制しつつ、寸法精度よくトレッド部を形成することができる空気入りタイヤの製造方法および製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の空気入りタイヤの製造方法は、拡縮可能な金属製の剛性内型を台タイヤの内側に配置し、この台タイヤのトレッド部に対応するタイヤ内面の範囲に前記剛性内型を当接させた状態にし、前記トレッド部に相当する前記台タイヤの外周面をトレッド用金型で覆い、次いで、このトレッド用金型のキャビティに未加硫ゴムを射出して、この未加硫ゴムを加硫させることにより前記台タイヤの外周面にトレッド部を形成するとともにこのトレッド部を前記外周面に一体化させることを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤの製造装置は、台タイヤの内側に配置される拡縮可能な金属製の剛性内型と、トレッド部に相当する前記台タイヤの外周面を覆って配置されるトレッド用金型と、このトレッド用金型のキャビティに未加硫ゴムを射出する射出機とを備え、前記台タイヤのトレッド部に対応するタイヤ内面の範囲に前記剛性内型を当接させた状態にして前記未加硫ゴムを射出する構成にしたことを特徴とする。
本発明によれば、台タイヤのトレッド部に対応するタイヤ内面の範囲に金属製の剛性内型を当接させた状態にして台タイヤを内側から堅牢な剛性内型によって支える。この状態で、トレッド部に相当する台タイヤの外周面を覆うトレッド用金型のキャビティに未加硫ゴムを射出するので、未加硫ゴムの射出圧力によって台タイヤが内側に凹むという不具合を回避できる。また、台タイヤのタイヤ内面に当接させた剛性内型は金属製なので、台タイヤの熱を放出する冷却フィンとして機能する。そのため、未加硫ゴムが射出された台タイヤの温度上昇を抑えることができ、台タイヤの熱劣化を抑制するには有利になる。
台タイヤを内側から剛性内型によって支えるので、未加硫ゴムの射出圧力を高く設定することが可能になり、これに伴って、射出時間を短縮できるという利点、未加硫ゴムをキャビティに十分に行き渡らせ易くなるという利点もある。これら利点は寸法精度を向上させるにも有利である。
本発明の空気入りタイヤの製造方法では、前記剛性内型を通じて前記台タイヤの内側を冷却しながら前記未加硫のゴムを射出し、加硫させることもできる。これにより、台タイヤの温度上昇を積極的に抑えることができるので、台タイヤの熱劣化を抑制するには益々有利になる。
前記剛性内型を周方向に分割された複数のセグメントにより構成し、これらセグメントを拡径した位置に配置して前記台タイヤのトレッド部に対応するタイヤ内面の範囲に当接させることもできる。これにより、台タイヤの内側に剛性内型を配置し易く、製造した空気入タイヤの外側に剛性内型を取り出し易くなる。
前記台タイヤとしては、例えば、既存の空気入りタイヤのトレッド部のゴムを切削して形成されたものを使用する。前記未加硫ゴムとして、スタッドレスタイヤ用のゴムコンパウンドを使用してスタッドレスタイヤを製造することもできる。前記既存の空気入タイヤがスタッドレスタイヤであり、前記未加硫ゴムとして、この既存のスタッドレスタイヤのトレッド部に使用されているゴムコンパウンドとは異なる種類のゴムコンパウンドを使用することもできる。前記既存のスタッドレスタイヤのトレッド部に使用されているゴムコンパウンドと前記台タイヤの外周面に形成されたトレッド部のゴムコンパウンドとは、同条件での硬度、比重、摩擦特性の少なくとも1つの特性が異なるようにすることもできる。
本発明の空気入りタイヤの製造装置では、前記剛性内型を冷却する冷却手段を備えることもできる。前記剛性内型は例えば周方向に分割された複数のセグメントにより構成される。
以下、本発明の空気入りタイヤの製造方法および加硫装置を図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1〜図3に例示する本発明の空気入りタイヤの製造装置1は、台タイヤBTの内側に配置される拡縮可能な金属製の剛性内型2と、トレッド部TRに相当する台タイヤBTの外周面を覆って配置されるトレッド用金型10と、トレッド用金型10のキャビティ11に未加硫ゴムRを射出する射出機13とを備えている。この実施形態の製造装置1は、さらに、剛性内型2を冷却する冷却手段8、9を備えている。
台タイヤBTとは、通常の空気入りタイヤにおいてトレッド部TRがない状態のタイヤをいう。台タイヤBTは、使用された既存の空気入りタイヤのトレッド部TRのゴムを切削して形成される。ゴム切削後にその表面はバフ処理される。或いは、通常の空気入りタイヤの製造工程において、トレッド部TRだけを省略して製造することもできる。即ち、使用されていない新品の台タイヤBTを製造することもできる。本発明は、既存の空気入りタイヤのトレッド部TRのゴムを切削して形成された台タイヤBTおよび新品の台タイヤBTを用いることができる。
剛性内型2は周方向に分割された複数のセグメント3(3A、3B)により構成されている。剛性内型2の材質としては、炭素鋼、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属を例示できる。この実施形態では、周方向長さが相対的に大きい4つの長セグメント3Aと、相対的に小さい4つの短セグメント3Bの2種類で構成されている。短セグメントの周方向両端面は拡縮方向と平行になっている。長セグメント3Aと短セグメント3Bとは周方向に交互に配置されている。それぞれのセグメント3A、3Bは中心軸5から放射状に延設されたシリンダ5aに取り付けられている。
中心軸5を中心にして環状に配置されたセグメント3(3A、3B)は、図4に例示するようにシリンダ5aのロッドを後退させて短セグメント3Bを半径方向内側(縮径位置)に移動させた後に、図5に例示するようにシリンダ5aのロッドを後退させて長セグメント3Aを半径方向内側(縮径位置)に移動させることにより、剛性内型2が縮径することになる。例えば、短セグメント3Bを縮径位置に移動させた後にシリンダ5aから取り外し、その後、長セグメント3Aを縮径位置に移動させる。
縮径状態の剛性内型2は、シリンダ5aのロッドを前進させて長セグメント3Aを半径方向外側(拡径位置)に移動させた後に、シリンダ5aのロッドを前進させて短セグメント3Bを半径方向外側(拡径位置)に移動させることにより、拡径することになる。拡径した剛性内型2では、それぞれのセグメント3A、3Bの外側表面は環状に連続して台タイヤBTのトレッド部TRに対応するタイヤ内面の範囲に当接する。
それぞれの短セグメント3Bはすべて同時に移動させることも、別々に移動させることもできる。それぞれの長セグメント3Aもすべて同時に移動させることも、別々に移動させることもできる。
それぞれのセグメント3A、3Bの幅寸法(図1では上下方向寸法)は、台タイヤBTの対向するビード部Tbの間隔よりも僅かに小さく設定されている。そのため、それぞれのセグメント3A、3Bを一対のビード部Tbの間を通過させて円滑に拡縮移動させることができる。
図6に例示するように、セグメント3の両端部に補助プレート3aを回動可能に設けることもできる。このセグメント3では、補助プレート3aを折り畳んだ状態(セグメント3から実質的に上下に突出させない状態)で一対のビード部Tbの間を拡縮移動させる。セグメント3が半径方向内側から外側に移動して、一対のビード部Tbの間を通過した後に補助プレート3aを展開させて台タイヤBTのタイヤ内面に当接させる。補助プレート3aは展開させた位置でロックされて展開した状態を維持する。これにより、タイヤ内面の一段と広い範囲を剛性内型2により支えることができる。
冷却手段は例えば、冷却機9と冷却路8とで構成される。冷却路8は剛性内型2(セグメント3)に設けられる。冷却機9は水等の冷却媒体を冷却路8に供給する。この冷却手段によって剛性内型2(セグメント3)の温度は例えば、40℃〜120℃に維持される。
トレッド用金型10は、周方向に分割された複数の分割型10aで構成されているこの実施形態では、4つの分割型10aが環状に組み付けられている。それぞれの分割型10aには、キャビティ11と、キャビティ11に接続する注入路12とが形成されている。キャビティ11の表面は、製造する空気入りタイヤTのトレッドパターンを形成する形状になっている。注入路12の一端部は、射出機13の射出口に接続される。
注入路12の他端部は、例えば、製造する空気入りタイヤTのトレッド陸部または周方向溝に相当するキャビティ11の位置に接続される。注入路12は、途中で複数本に分岐してキャビティ11に接続されることが好ましい。
それぞれの分割型10aにはさらに、加熱機15に接続される加熱路14が形成されている。加熱機15はスチーム等の加熱媒体を供給し、供給された加熱媒体が加熱路14を流れて分割型10aが加熱される。
射出機13は、未加硫ゴムRを所定温度で加温しつつ収容するシリンダ13aと、シリンダ13aに収容されている未加硫ゴムRを押出すプランジャ13bと備えている。プランジャ13bを前進させることにより、未加硫ゴムRを所定の射出圧力で射出する。この射出圧力は例えば10MPa〜50MPaである。
未加硫ゴムRは射出できる流動特性を有し、加硫が可能な仕様であればよく、例えば、天然ゴム、IR、SBR、BRなどのジエン系ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、EPDMなどの非ジエン系ゴム、カーボンブラック、オイル、老化防止剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤等の各種配合材料が適宜配合されている。
この製造装置1を用いた本発明の空気入りタイヤの製造方法の手順の一例を説明する。
台タイヤBTの内側に、順次、長セグメント3A、短セグメント3Bを拡径位置に移動させて挿入する。挿入後に図3に例示するように剛性内型2を拡径した状態でロックして拡径状態を維持する。拡径した剛性内型2ではそれぞれのセグメント3が台タイヤBTのトレッド部TRに対応するタイヤ内面の範囲に当接した状態になる。即ち、台タイヤBTのトレッド部TRに対応するタイヤ内面は、環状に配置されたセグメント3によって強固に支えられることになる。
台タイヤBTの外周側にはトレッド用金型10(分割型10a)を配置して、トレッド部TRに相当する台タイヤBTの外周面をトレッド用金型10によって覆う。これにより、トレッド用金型10のキャビティ11が台タイヤBTの外周面に塞がれて閉空間となる。
次いで、図7に例示するようにトレッド用金型10のキャビティ11に射出機13から未加硫ゴムRを射出して、注入路12を通じてキャビティ11に未加硫ゴムRを充填する。キャビティ11に充填された未加硫ゴムRはキャビティ11によって所定形状に形成される。そして、加熱路14を流れる加熱媒体によってトレッド用金型10を加熱した状態にして未加硫ゴムRを加硫させる。未加硫ゴムRが加硫されると、台タイヤBTの外周面に、この加硫したゴムからなるトレッド部TRが形成されるとともにこのトレッド部TRが台タイヤBTの外周面に加硫接着して一体化する。これにより、空気入りタイヤTが完成する。
その後、拡径している剛性内型2を縮径した状態にして、台タイヤBT(製造した空気入りタイヤT)の内側から外側に取り出す。
上述したように本発明では、タイヤ内面に金属製の剛性内型2を当接させた状態にして台タイヤBTを内側から堅牢な剛性内型2によって支える。この状態でトレッド用金型10のキャビティ11に未加硫ゴムRを射出するので、未加硫ゴムRの射出圧力によって台タイヤBTが内側に凹むという不具合を回避できる。
また、台タイヤBTのタイヤ内面に当接させた剛性内型2は金属製なので、台タイヤBTの熱を放出する空冷の冷却フィンとして機能する。そのため、台タイヤBTの温度上昇を抑えることができ、台タイヤBTを形成している加硫ゴムの熱劣化を抑制するには有利になる。
この実施形態では、冷却手段8、9によって剛性内型2を通じて台タイヤBTの内側を冷却しながら未加硫ゴムRを射出し、加硫させることができる。そのため、台タイヤBTの温度上昇を積極的に抑えることができるので、台タイヤBTの熱劣化を抑制するには益々有利になる。
台タイヤBTを内側から剛性内型2によって支えるので、加硫用ブラダによって台タイヤBTの内側を支える場合に比して、未加硫ゴムRの射出圧力を高く設定することが可能になる。これに伴って、射出時間を短縮できるという利点があり、タイヤ生産性の向上に寄与する。また、未加硫ゴムRをキャビティ11の全範囲に十分に行き渡らせ易くなるという利点もある。したがって、複雑なトレッドパターンであっても成形するには有利になる。これら利点は寸法精度を向上させるにも有利である。
図8、図9に例示する剛性内型2を用いることもできる。この円筒状の剛性内型2は、周方向に複数に分割されたセグメント3(長セグメント3A、短セグメント3B)から構成されている。それぞれのセグメント3は、更に円筒周面を幅方向に二分割するように構成されている。
これらセグメント3は、対向する円盤状の支持プレート6a、6bの周縁部に回転機構4を介して固定されて円筒状に形成されている。即ち、円筒周面を幅方向に二分割された一方側のセグメント3は、対向する支持プレート6a、6bのうち、一方側の支持プレート6aの周縁部に沿って環状に配置され、円筒周面を幅方向に二分割された他方側のセグメント3は、他方の支持プレート6bの周縁部に沿って環状に配置されている。
対向する支持プレート6a、6bの円中心位置には中心軸5が貫通するように固定されている。中心軸5と一対の支持プレート6a、6bとは、中心軸5の外周面に固定された支持リブ7を介して固定されている。
このように、円筒状に形成されている複数のセグメント3からなる剛性内型2は、後述するように、それぞれのセグメント3が回転機構4を回動中心として、拡径および縮径するように移動する。この剛性内型2は、中心軸5を軸支されて製造装置1の保持ベースに取付けられる。
製造した空気入りタイヤTから剛性内型2を取り外すには、まず、図10に例示するように、それぞれの回転機構4と支持プレート6a、6bとの係合を解除する。この状態で、一方の支持プレート6aを中心軸5から取り外し、この一方の支持プレート6aと、回転軸5を固定した他方の支持プレート6bとを、製造した空気入りタイヤTの外側に移動させる。
次いで、図11に例示するように、幅方向一方側(図11では上側)のセグメント3を、回転機構4を中心にして剛性内型2を縮径するようにタイヤ内側に回動させる。その後、幅方向他方側(図11では下側)のセグメント3を、回転機構4を中心にして剛性内型2縮径するようにタイヤ内側に回動させる。このようにセグメント3をタイヤ内側に回動させてから空気入りタイヤTの外側に移動させて取り外す。剛性内型2を拡径して台タイヤBTの内側で円筒状に組み付けるには、図10、図11で例示した剛性内型2を分割する手順と逆の手順を行えばよい。このようにして、台タイヤBTの内側に剛性内型2を容易に配置でき、製造した空気入りタイヤTの外側に剛性内型2を容易に取り出すことができる。
未加硫ゴムRとして、スタッドレスタイヤ用のゴムコンパウンドを使用してスタッドレスタイヤを製造することもできる。スタッドレスタイヤは通常の空気入りタイヤに比してトレッド部TRが摩耗し易いが、本発明を適用することにより、ユーザは新品のスタッドレスタイヤを購入することなく、新しいトレッド部TRを備えたスタッドレスタイヤを得ることができる。この場合、台タイヤBTとして既存のスタッドレスタイヤのトレッド部TRのゴムを削除したものだけでなく、通常の既存の空気入りタイヤのトレッド部TRのゴムを削除したものを用いることもできる。台タイヤBTを使用して新たなスタッドレスタイヤを製造するので、省資源、省エネルギーにも寄与する。また、従来のリトレッド技術よりも熱劣化を抑えられるので、長く使用可能である。
台タイヤBTとして、既存のスタッドレスタイヤのトレッド部TRのゴムを切削して形成されたものを使用する場合、未加硫ゴムRとして、この既存のスタッドレスタイヤのトレッド部TRに使用されているゴムコンパウンドとは異なる種類のゴムコンパウンドを使用することもできる。スタッドレスタイヤのトレッド部TRのゴムコンパウンドは年々改良されて新たなバージョンや新たなゴム種が開発されている。それ故、本発明を適用することにより、ユーザは、トレッド部TRのゴムコンパウンドが改良された新品のスタッドレスタイヤを購入しなくても、トレッド部TRに改良されたゴムコンパウンドを備えたスタッドレスタイヤを得ることができる。即ち、ユーザは毎年新品のスタッドレスタイヤを購入することなく、トレッド部TRに最新開発のゴムコンパウンドを備えたスタッドレスタイヤを得ることができる。
スタッドレスタイヤのトレッド部TRのゴムコンパウンドは年々改良されて、例えば、同条件での硬度、比重、摩擦特性が改良される。そこで、台タイヤBTとして、既存のスタッドレスタイヤのトレッド部TRのゴムを切削して形成されたものを使用する場合、既存のスタッドレスタイヤのトレッド部TRに使用されているゴムコンパウンドと台タイヤBTの外周面に形成されたトレッド部TRのゴムコンパウンドとは、例えば、同条件での硬度、比重、摩擦特性の少なくとも1つの特性が異なるようにする。即ち、これら特性をスタッドレスタイヤの性能を改善させるように異ならせる。尚、これらの特性の複数、或いはすべてを異ならせるようにしてもよい。
1 製造装置
2 剛性内型
3 セグメント
3A 長セグメント
3B 短セグメント
3a 補助プレート
4 回動機構
5 中心軸
5a シリンダ
6a、6b 支持プレート
7 支持リブ
8 冷却路
9 冷却機
10 トレッド用金型
10a 分割型
11 キャビティ
12 注入路
13 射出機
13a シリンダ
13b プランジャ
14 加熱路
15 加熱機
BT 台タイヤ
T 空気入りタイヤ
Tb ビード部
TR トレッド部
R 未加硫ゴム
2 剛性内型
3 セグメント
3A 長セグメント
3B 短セグメント
3a 補助プレート
4 回動機構
5 中心軸
5a シリンダ
6a、6b 支持プレート
7 支持リブ
8 冷却路
9 冷却機
10 トレッド用金型
10a 分割型
11 キャビティ
12 注入路
13 射出機
13a シリンダ
13b プランジャ
14 加熱路
15 加熱機
BT 台タイヤ
T 空気入りタイヤ
Tb ビード部
TR トレッド部
R 未加硫ゴム
Claims (10)
- 拡縮可能な金属製の剛性内型を台タイヤの内側に配置し、この台タイヤのトレッド部に対応するタイヤ内面の範囲に前記剛性内型を当接させた状態にし、前記トレッド部に相当する前記台タイヤの外周面をトレッド用金型で覆い、次いで、このトレッド用金型のキャビティに未加硫ゴムを射出して、この未加硫ゴムを加硫させることにより前記台タイヤの外周面にトレッド部を形成するとともにこのトレッド部を前記外周面に一体化させることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
- 前記剛性内型を通じて前記台タイヤの内側を冷却しながら前記未加硫のゴムを射出し、加硫させる請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記剛性内型を周方向に分割された複数のセグメントにより構成し、これらセグメントを拡径した位置に配置して前記台タイヤのトレッド部に対応するタイヤ内面の範囲に当接させる請求項1または2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記台タイヤが既存の空気入りタイヤのトレッド部のゴムを切削して形成されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記未加硫ゴムとして、スタッドレスタイヤ用のゴムコンパウンドを使用してスタッドレスタイヤを製造する請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記既存の空気入タイヤがスタッドレスタイヤであり、前記未加硫ゴムとして、この既存のスタッドレスタイヤのトレッド部に使用されているゴムコンパウンドとは異なる種類のゴムコンパウンドを使用する請求項4を引用する請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記既存のスタッドレスタイヤのトレッド部に使用されているゴムコンパウンドと前記台タイヤの外周面に形成されたトレッド部のゴムコンパウンドとは、同条件での硬度、比重、摩擦特性の少なくとも1つの特性が異なる請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 台タイヤの内側に配置される拡縮可能な金属製の剛性内型と、トレッド部に相当する前記台タイヤの外周面を覆って配置されるトレッド用金型と、このトレッド用金型のキャビティに未加硫ゴムを射出する射出機とを備え、前記台タイヤのトレッド部に対応するタイヤ内面の範囲に前記剛性内型を当接させた状態にして前記未加硫ゴムを射出する構成にしたことを特徴とする空気入りタイヤの製造装置。
- 前記剛性内型を冷却する冷却手段を備えた請求項8に記載の空気入りタイヤの製造装置。
- 前記剛性内型が周方向に分割された複数のセグメントにより構成される請求項8または9に記載の空気入りタイヤの製造装置。
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