JP2018065288A - ベントダクトの製造方法および成形型 - Google Patents

ベントダクトの製造方法および成形型 Download PDF

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Abstract

【課題】ベントダクトの製造効率を向上する。【解決手段】成形型50において、通気路を塞ぐ閉じ姿勢から該通気路を開く側へ傾けた開閉弁とダクト本体とに合わせて、キャビティ56を画成する。キャビティ56におけるダクト本体に対応する本体形成部分58と開閉弁に対応する弁形成部分60との間をスライド型部62で閉じた状態で、該本体形成部分58にダクト本体をなす第1樹脂材料を充填する。スライド型部62を移動することで本体形成部分58と繋がる弁形成部分60に、開閉弁をなす第2樹脂材料を充填する。これにより、ダクト本体と、該ダクト本体に一縁部が接合された開閉弁とを、一体成形する。【選択図】図6

Description

この発明は、開閉弁により通気路を開閉するベントダクトの製造方法およびベントダクトの製造に用いる成形型に関するものである。
自動車等の車両には、車室内の空気を換気するための排気口として、クォーターベントダクトと呼ばれるダクトが設けられている(例えば特許文献1〜3参照)。クォーターベントダクトは、通気路を有する筒状のダクト本体と、ゴムなどの可撓性を有する材料で形成されて、通気路を開閉可能な開閉弁とを備えている。開閉弁は、ダクト本体において通気路の上側を画成する上壁部に接合されて通気路に垂れ下がっており、車両内外の気圧差により、通気路を塞ぐ閉じ姿勢から車両外向きへのみ開くようになっている。そして、クォーターベントダクトは、開閉弁が車両外向きへ開放することで車室内からの空気の排出を許容する一方で、自重で閉じ姿勢となる開閉弁により車両外側から埃や水などが車室側へ入り込むのを防止している。
前記クォーターベントダクトは、ダクト本体と開閉弁とを別々の成形型でそれぞれ成形し、熱カシメや超音波溶着などにより、開閉弁をダクト本体に接合して得られる。また、特許文献1のように、多色成形によって、ダクト本体と開閉弁とを一体成形することが提案されている。更に別の方法としては、特許文献2および3のように、ダクト本体と開閉弁とを型成形した後に、ダクト本体を残した割型と開閉弁を残した割型とを型閉じし、ダクト本体および開閉弁を隙間に充填した樹脂により接合することも提案されている。
特開平11−48765号公報 特許第4390364号公報 特許第4539897号公報
特許文献1のように、通気路を塞ぐ閉じ姿勢に合わせて開閉弁を多色成形すると、開閉弁がダクト本体に接合してしまうので、開閉弁におけるダクト本体側の面に該ダクト本体から剥離可能な樹脂からなるシール部を設定する必要がある。このため、シール部の存在に起因して開閉弁の開閉などの性能に影響が生じ、また型構造が複雑になると共に、製造効率の向上が難しい。特許文献2および3のように、ダクト本体と開閉弁とを別々の成形型で成形してから、ダクト本体と開閉弁とを接合する方法は、多くの設備が必要となり、また製造効率を上げることも困難である。
すなわち本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、ベントダクトの製造効率を向上し得る製造方法および成形型を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明のベントダクトの製造方法は、
通気路が設けられたダクト本体と、一縁部が該ダクト本体に取り付けられ、前記通気路を開閉する開閉弁とを備えるベントダクトの製造方法であって、
前記通気路を塞ぐ閉じ姿勢から該通気路を開く側へ傾けた前記開閉弁と前記ダクト本体とに合わせて、キャビティを画成し、
前記キャビティにおける前記ダクト本体に対応する本体形成部分と前記開閉弁に対応する弁形成部分との間をスライド型部で閉じた状態で、該本体形成部分に該ダクト本体をなす第1樹脂材料を充填し、
前記スライド型部を前記閉じた状態から開くように移動することで前記開閉弁の一縁部に対応する空間が前記本体形成部分と繋がる前記弁形成部分に、該開閉弁をなす第2樹脂材料を充填し、
前記ダクト本体と、該ダクト本体に一縁部が接合された前記開閉弁とを、一体成形するようにしたことを要旨とする。
請求項2に係る発明では、前記弁形成部分に充填される前記第2樹脂材料の充填圧力によって、前記スライド型部を開くように移動させることを要旨とする。
請求項3に係る発明では、前記スライド型部に対して該スライド型部を閉じる方向に付与される付勢力よりも、前記第1樹脂材料の充填によって該スライド型部が受ける該スライド型部を開く方向への力が小さく、
前記スライド型部に対する前記付勢力よりも、前記第2樹脂材料の充填によって該スライド型部が受ける該スライド型部を開く方向への力が大きくなるように設定したことを要旨とする。
請求項4に係る発明では、前記第2樹脂材料の充填圧力を、前記本体形成部分と前記弁形成部分との間を開閉する前記スライド型部に対して該スライド型部を開く方向へ付与し、
前記第1樹脂材料の充填圧力を、前記第2樹脂材料を充填するときよりも、前記スライド型部に対して該スライド型部を開く方向へ付与され難くしたことを要旨とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項5に係る発明の成形型は、
通気路が設けられたダクト本体と、一縁部が該ダクト本体の取付部に取り付けられ、前記通気路を開閉する開閉弁とを備えるベントダクトを成形する成形型であって、
前記通気路を塞ぐ閉じ姿勢から該通気路を開く側へ傾けた前記開閉弁と前記ダクト本体とに合わせたキャビティを画成する第1型部および第2型部と、
前記キャビティにおける前記ダクト本体に対応する本体形成部分と前記開閉弁に対応する弁形成部分との間を開閉するスライド型部とを有し、
前記スライド型部は、前記ダクト本体をなす第1樹脂材料を充填する際に、前記本体形成部分と前記弁形成部分との間を閉じて前記取付部を規定すると共に、前記開閉弁をなす第2樹脂材料を充填する際に、該本体形成部分と該弁形成部分との間を開いて該開閉弁の一縁部を規定するよう構成されたことを要旨とする。
請求項1および請求項5に係る発明によれば、型変えすることなく、ダクト本体および開閉弁の成形から、ダクト本体と開閉弁との接合までを1つの成形型で行うことができ、型設備を簡略化することができると共に、工数を減らして製造効率を向上させることができる。しかも、得られたベントダクトは、開閉弁を開き側に傾けた状態で成形しているので、開閉弁における通気路に臨む部分がダクト本体に貼り付いてしまうことはない。
請求項6に係る発明では、前記スライド型部は、前記弁形成部分に充填される前記第2樹脂材料の充填圧力により、前記本体形成部分と該弁形成部分との間を開く方向へ移動するように構成されたことを要旨とする。
請求項2および請求項6に係る発明によれば、キャビティにおけるダクト本体に対応する本体形成部分と開閉弁に対応する弁形成部分との間を開閉するスライド型部を、弁形成部分に充填する第2樹脂材料の充填圧力によって開くように移動させるから、スライド型部を開く方向に移動させるための駆動機構を省略することができる。従って、型構造をより簡単にすることができる。
請求項7に係る発明では、前記スライド型部は、付勢手段によって、前記本体形成部分と前記弁形成部分との間を閉じる方向へ付勢され、
前記第1樹脂材料の充填によって前記スライド型部が受ける前記本体形成部分と前記弁形成部分との間を開く方向への力が、前記付勢手段の付勢力よりも小さく、前記第2樹脂材料の充填によって該スライド型部が受ける前記本体形成部分と前記弁形成部分との間を開く方向への力が、該付勢手段の付勢力よりも大きくなるように構成されたことを要旨とする。
請求項3および請求項7に係る発明によれば、キャビティにおけるダクト本体に対応する本体形成部分と開閉弁に対応する弁形成部分との間を開閉するスライド型部を、付勢手段の付勢力により閉じる構成とすることで、型構造をより簡単にすることができる。また、付勢手段によるスライド型部への付勢力と樹脂材料の充填圧力によってスライド型部が受ける力との関係により、スライド型部を開閉する簡易な構成であるから、型構造をより簡単にすることができる。
請求項8に係る発明では、前記スライド型部と前記弁形成部分とは、前記第2樹脂材料の充填圧力が該スライド型部に対して前記本体形成部分と前記弁形成部分との間を開く方向へかかるように相対し、
前記スライド型部と前記本体形成部分とは、前記第2樹脂材料を充填するときよりも、前記第1樹脂材料の充填圧力が該スライド型部に対して前記本体形成部分と前記弁形成部分との間を開く方向へかかり難く相対するように構成されたことを要旨とする。
請求項4および請求項8に係る発明によれば、キャビティにおけるダクト本体に対応する本体形成部分と開閉弁に対応する弁形成部分との間を開閉するスライド型部と、樹脂材料の充填圧力によってスライド型部が受ける力との関係により、スライド型部を開く簡易な構成であるから、型構造をより簡単にすることができる。
本発明に係るベントダクトの製造方法によれば、簡単な型構造で製造効率を向上することができる。本発明に係る成形型によれば、簡単な型構造でベントダクトの製造効率を向上することができる。
本発明の好適な実施例に係るベントダクトを示す概略斜視図であり、開閉弁を二点鎖線で示している。 実施例のベントダクトを示す正面図である。 実施例のベントダクトを示す背面図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 実施例のベントダクトの製造工程を示す説明図であり、(a)は第1樹脂材料を充填するときを示し、(b)は第2樹脂材料を充填した後を示す。 図6(a)の要部を示す説明図である。 図6(b)の要部を示す説明図であり、(a)はスライド型部が閉じ位置にあり、(b)はスライド型部が開き位置にある。 実施例のベントダクトの製造工程を示す説明図であり、(a)は第1分割体を開いた状態を示し、(b)は第1型部と第2型部とを相対的に開いた状態を示す。 変更例のスライド型部を示す説明図であり、(a)はスライド型部が閉じ位置にあり、(b)はスライド型部が開き位置にある。
次に、本発明に係るベントダクトの製造方法およびベントダクトの成形型につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、自動車等の車両に設置されて、サイドトリム回りの隙間などを通って車室内から車外に排出される空気の排気口となるクォーターベントダクトを例示する。
図1に示すように、実施例に係るベントダクト10は、車両外側および車両の車室側に通じて空気が流通可能な通気路14が設けられたダクト本体12と、通気路14を開閉する開閉弁16とを備えている。ベントダクト10は、例えばリアバンパーの内側に通気路14が水平向きに開口するように設置される。ベントダクト10は、上縁部をダクト本体12に固定した開閉弁16が通気路14に吊り下がり、可撓性を有する開閉弁16が、通気路14の車室側に向けた内向きと通気路14の車両外側に向けた外向きとに開閉可能に構成される。ここで、開閉弁16は、自重による内向きの変位がダクト本体12で規制されて、通気路14を塞ぐ閉じ姿勢になると共に、閉じ姿勢から外向きへ変形することで通気路14を開放するよう構成される。そして、ベントダクト10は、自重で閉じ姿勢となった開閉弁16によって、通気路14を塞いで車両外側からの埃や水などの異物の侵入を防止する。また、ベントダクト10は、ドアを閉じたときなどの車室内外の気圧差により開閉弁16が外向きへ変形することで、車室内から車両外側へ向けた空気の流通を許容する。なお、以下の説明では、ベントダクト10において、通気路14における車両外側に通じる側を前側といい、通気路14における車室側に通じる側を後側という。また、前後に揺動する開閉弁16の開閉方向と直交する水平方向が、ベントダクト10の横方向になる。
前記ダクト本体12は、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂を材料とする硬質の樹脂成形品であり、図1および図2に示すように実施例では横長略矩形状の開口を有する筒形に形成されている。ダクト本体12は、通気路14の上側を区画する上壁部(壁部)18と、この上壁部18と通気路14を挟んで対向し、通気路14の下側を区画する下壁部20と、互いに通気路14を左右に挟んで対向し、通気路14の横側を区画する一対の横壁部22,22とにより外郭が構成されている。ダクト本体12は、上および横の壁部18,22,22において通気路14の前側開口を画成する前端が、前後方向の同じ位置に揃い、下壁部20の前端が上および横の壁部18,22,22の前端よりわずかに後側に凹んでいる。また、上壁部18の後端は、下壁部20の後端よりわずかに後側に位置すると共に、上下の壁部18,20の後端は、前後位置が横方向にそれぞれ揃っている。更に、左右の横壁部22,22は、後端が上壁部18から下壁部20側に向かうにつれて前側へ傾いている。ダクト本体12には、上壁部18と下壁部20との間に延在して通気路14を左右に区切る板状の区画壁部24が、横方向に離間して複数形成されている。区画壁部24は、後端が上壁部18の後端から下壁部20の後端を結んで形成され、前端が上壁部18の後端から下壁部20の前端に向けて傾斜するように形成されている(図4参照)。すなわち、区画壁部24は、前端が上から下に向かうにつれて前側へ変位するように傾いている。
図4に示すように、前記上壁部18は、前後方向に延在する該上壁部18の本体部分から下方へ張り出すように形成された上張出片26を備えている。上張出片26は、上壁部18の後縁(車両における内外方向内側の縁)に本体部分から屈曲するように形成されると共に、上壁部18の横方向全体に亘って設けられている。そして、上張出片26の下端には、区画壁部24の上端が連なっている。上張出片26は、通気路14に臨む面として、上壁部18における本体部分の通気路面に連なって上から下方へ向かうにつれて後側へ傾斜するように形成された傾斜面26aと、該傾斜面26aの下方に連なって上から下方へ向かうにつれて前側へ傾斜するように形成された上受け面(受け面)26bとを備えている(図2および図4参照)。なお、上張出片26における通気路14と反対側の外面は、上から下方に向かうにつれて後側へ変位するよう斜めに延在し、所謂C面になっている。左右の横壁部22,22の後端には、通気路14の内側へ向けて張り出す横張出片28がそれぞれ形成されている(図1〜図3および図5参照)。上から下に向けて前側に変位する横壁部22の後端から張り出す横張出片28の前面は、区画壁部24の前端と前後位置が揃うように形成されて、上から下に向かうにつれて前側へ傾斜する横受け面(受け面)28aとなっている。また、横受け面28aは、上端が上張出片26の上受け面26bに連なると共に、下端が下壁部20の前端に設けられた下受け面(受け面)20aに連なり、上受け面26bから横受け面28aおよび下受け面20aに亘る一連の斜面を構成している。区画壁部24の前端は、上張出片26の上受け面26bの下端および下壁部20の下受け面20aに連なっており、上受け面26bから区画壁部24の前端および下受け面20aに亘る一連の斜面を構成している。
前記ダクト本体12には、上張出片26の上受け面26b、横張出片28の横受け面28a、区画壁部24の前端および下壁部20の下受け面20aが連なって、上から下側に向かうにつれて前側へ傾斜する開閉弁16の受け面が形成されている。そして、ダクト本体12は、受け面26b,28a,20aによって、開閉弁16を上から下に向かうにつれて前側へ傾斜する閉じ姿勢で支持すると共に、閉じ姿勢を越えた後側への揺動を規制している。
図2〜図4に示すように、前記上張出片26には、開閉弁16の上縁部が取り付けられる取付部30が、通気路14に開口するように形成されている。実施例の取付部30は、上張出片26を貫通する貫通孔であり、通気路14側の開口が上張出片26の傾斜面26aにあいている(図4参照)。また、取付部30は、上張出片26の横方向(車両の内外方向と交差する横方向)に連続して形成されると共に、上張出片26の下縁で規定される通気路14の上縁(通気路14の横幅)よりも横幅が小さく設定されている。
図1〜図5に示すように、前記ダクト本体12には、該ダクト本体12の外郭をなす各壁部18,20,22,22の前端から通気路14と反対側へ延出する板状のフランジ部31が全周に亘って形成されている。そして、ベントダクト10は、車体(取り付け対象)に開設された開口にダクト本体12の外郭をなす壁部18,20,22,22を挿入すると共に、フランジ部31を開口の開口縁に重ねた状態で車体に取り付けられる。
前記開閉弁16は、薄い板状体であって、オレフィン系エラストマー(TPO)やスチレン系エラストマー等のエラストマー、エチレン−プロピレン−ジエンゴム等のゴム系材料など、弾性変形可能な材料で構成されている。図4に示すように、開閉弁16は、該開閉弁16の上縁部に設けられ、取付部30内でダクト本体12に対して固定される接合部36と、この接合部36の下側に一体的に連ねて形成されて、通気路14に配置される弁本体38とから構成されている。開閉弁16は、上壁部18における上張出片26の取付部30に接合部36が固定されているだけで、上張出片26から通気路14に吊り下がる弁本体38に、閉じ姿勢に向けて自重が作用するようになっている。開閉弁16は、弁本体38がダクト本体12の受け面26b,28a,20aに重なる閉じ姿勢で通気路14を塞ぎ、この閉じ姿勢において、傾斜する受け面26b,28a,20aによって、弁本体38が上から下に向かうにつれて前側へ傾いた状態で支持される。ベントダクト10は、開閉弁16の弁本体38自体が前側へ変形してダクト本体12の受け面26b,28a,20aから離間することで、開閉弁16とダクト本体12の壁部18,20,22,22との間にできる隙間から空気を排出する。
図4に示すように、前記接合部36は、取付部30に収まって、取付部30を画成する壁に接合されている。また、接合部36は、弁本体38と同様に弾力性を有している。接合部36は、上張出片26に横方向へ連続して形成された取付部30の横方向全体に亘って連続的に延在するように形成され、接合部36によって取付部30における通気路14側の開口を塞いでいる。より具体的には、接合部36は、取付部30の上下に亘って形成された支持片36aと、この支持片36aから通気路14と反対側へ延出するように形成された接続片36bとを備えている。支持片36aは、上張出片26を貫通する取付部30の通気路14側に偏倚して設けられると共に、取付部30の横方向全体に亘って延在するように設けられ、取付部30の通気路14側だけを塞いでいる。また、支持片36aは、弁本体38の板厚方向に延出するよう形成される。支持片36aは、弁本体38における前側(外向き)の板面よりも上方へ張り出している。接続片36bは、支持片36aから通気路14と反対側へ連ねて、取付部30に空間を残すように該取付部30を画成する上側の壁に沿って延在するように形成されている。すなわち、接続片36bは、取付部30の下側の壁と間があくように、取付部30の上下幅よりも薄く形成されて、接合部36で取付部30全体を完全に埋めないように構成される。なお、接続片36bは、取付部30の横方向全体に亘って延在するように設けられている。このように、接合部36は、取付部30に空間を残すように通気路14側に充填された支持片36aによって、取付部30を弾性的に支持している。
図2に示すように、弁本体38は、上壁部18における上張出片26の下端、横壁部22,22における横張出片28,28の延出端、下壁部20の前端に囲われる通気路14の開口面よりも一回り大きく形成されている。弁本体38は、接合部36よりも横方向へ延出するように形成され、通気路14よりも横幅が狭い取付部30に合わせて形成された接合部36よりも左右にそれぞれ大きくなっている。また、弁本体38は、支持片36aの下側に偏倚する位置に連ねて形成されている。開閉弁16は、接合部36が取付部30の貫通方向に沿って延在する接続片36bから取付部30を塞ぐ支持片36aにかけて鉤状に屈曲するように連なり、弁本体38が上下に延在する支持片36aに対して交差する方向へ延出するように連なっている。図4に示すように、実施例の開閉弁16は、縦断面視において、接合部36の接続片36bおよび支持片36aから弁本体38にかけてクランク状に曲がっている。
前述したベントダクト10は、1つの成形型50(図6参照)を用いた射出成形の二色成形により製造される。図6に示すように、ベントダクト10の製造に用いられる成形型50は、第1型部52と、この第1型部52に対して相対的に開閉可能な第2型部54とを備えている。なお、実施例の成形型50は、第1型部52が第2型部54に対して移動して開閉する。成形型50は、型閉じした第1型部52と第2型部54との間に、ダクト本体12および開閉弁16に合わせたキャビティ56を画成するように構成される。キャビティ56は、ダクト本体12に対応する本体形成部分58と、開閉弁16に対応する弁形成部分60とを有し、閉じ姿勢から通気路14を開く側へ傾けた状態にある開閉弁16に合わせて画成される。成形型50は、第1型部52によりダクト本体12の後面や外郭をなす壁部18,20,22,22の外面を主に規定すると共に、第2型部54によりダクト本体12の前端、外郭をなす壁部18,20,22,22の内面および開閉弁16を主に規定する。そして、ダクト本体12をなす第1樹脂材料を本体形成部分58に充填し、開閉弁16をなす第2樹脂材料を弁形成部分60に充填して、接合部36に連なる弁本体38をダクト本体12の受け面26b,28a,20aから前側へ離した状態で成形される。
図6〜図8に示すように、成形型50は、第1型部52と第2型部54とを型閉じした状態のキャビティ56における本体形成部分58と弁形成部分60との間を開閉するスライド型部62を備えている。成形型50は、閉じ位置(図6(a)および図7)にあるスライド型部62でダクト本体12の取付部30を規定すると共に、開き位置(図6(b)および図8(b))にあるスライド型部62で開閉弁16の接合部(一縁部)36を取付部30の内側で規定する。実施例のスライド型部62は、閉じ位置で弁形成部分60における接合部36に対応する空間を閉じて、本体形成部分58と弁形成部分60とを仕切る。また、スライド型部62は、開き位置で弁形成部分60における接合部36に対応する空間を開き、この際に本体形成部分58と弁形成部分60とが繋がる。
前記スライド型部62は、第1型部52に該第1型部52に対して移動可能に設けられ、型閉じ時の第2型部54に当たる閉じ位置(図6(a)および図7)と、型閉じ時の第2型部54から離れる開き位置(図6(b)および図8(b))との間で直線的に進退移動する。スライド型部62は、閉じ位置で弁形成部分60における開閉弁16の弁本体38に対応する空間を塞ぐ閉塞面64と、閉じ位置で本体形成部分58を塞いで取付部30を規定する規定面66とを有している。閉塞面64は、スライド型部62の開閉方向に対して交差するように延在し、実施例では、開閉弁16における弁本体38の前後面を規定する第2型部54の型面と直交するように延在している。スライド型部62は、上下の規定面66のうちの一方(実施例では上側)の規定面(特に区別する場合は第1規定面66Aという)が、スライド型部62の開閉方向に対して交差するように延在している。また、スライド型部62は、上下の規定面66のうちの他方(実施例では下側)の規定面(特に区別する場合は第2規定面66Bという)が、スライド型部62の開閉方向に沿って延在している。スライド型部62は、開き位置で閉塞面64が第2型部54から離れて、第2型部54と閉塞面64との間に、開閉弁16における接合部36の支持片36aに対応する弁形成部分60の空間を画成する。また、スライド型部62は、開き位置で第1規定面66Aが本体形成部分58から離れて、本体形成部分58と第1規定面66Aとの間に、開閉弁16における接合部36の接続片36bに対応する弁形成部分60の空間を画成する。このように、スライド型部62が開き位置にあることで、第2型部54に画成される弁本体38に対応した空間と、ダクト本体12の取付部30の内側に画成される接合部36に対応した空間とが繋がって、弁形成部分60が形成される。
図6〜図8に示すように、スライド型部62は、コイルばね等の弾性体からなる付勢手段68によって、閉じ位置に向けて弾性的に付勢され、力がかかっていない自然な状態で閉じ位置に保持される。また、スライド型部62は、弁形成部分60に充填される第2樹脂材料の充填圧力により、本体形成部分58と弁形成部分60との間を開く方向(閉じ位置から開き位置)へ移動するように構成されている。成形型50は、本体形成部分58に対する第1樹脂材料の充填に際して、第1樹脂材料の充填圧力によってスライド型部62に対して本体形成部分58と弁形成部分60との間を開く方向へかかる力が、スライド型部62に対する付勢手段68の付勢力よりも小さくなるように構成されている。すなわち、成形型50は、本体形成部分58に対する第1樹脂材料の充填に際して、スライド型部62が付勢手段68の付勢力により閉じ位置で保持される。また、成形型50は、弁形成部分60に対する第2樹脂材料の充填に際して、第2樹脂材料の充填圧力によってスライド型部62に対して本体形成部分58と弁形成部分60との間を開く方向へかかる力が、スライド型部62に対する付勢手段68の付勢力よりも大きくなるように構成されている。これにより、成形型50は、弁形成部分60に対する第2樹脂材料の充填に際して、第2樹脂材料の充填圧力により付勢手段68の付勢力に抗して閉じ位置から開き位置に移動して、閉じ位置で保持される。
図8に示すように、スライド型部62と弁形成部分60とは、第2樹脂材料の充填圧力がスライド型部62を開く方向へかかるように相対している。また、スライド型部62と本体形成部分58とは、第2樹脂材料を充填するときよりも、第1樹脂材料の充填圧力がスライド型部62を開く方向へかかり難くなるように相対している。具体的には、スライド型部62は、閉塞面64がスライド型部62の開閉方向と直交または直交に近い角度で延在している。これに対して、規定面66は、スライド型部62の開閉方向と平行または平行に近い角度で延在するように形成されている。また、閉塞面64は、開閉弁16における弁本体38の前後面を規定する第2型部54の型面に沿って流動してくる第2樹脂材料の流動方向と直交するように延在している。このように、スライド型部62は、閉塞面64に加わる充填圧力による開く方向の分力が、規定面66に加わる充填圧力による開く方向の分力よりも大きくなるように設定され、第1樹脂材料の充填圧力よりも第2樹脂材料の充填圧力がスライド型部62を開く方向にかかり易くなっている。
図6に示すように、第2型部54は、開閉弁16の弁本体38における開き側の面(前面)を規定する第1分割体70と、弁本体38における閉じ側の面(後面)を規定する第2分割体72とを備えている。第1分割体70は、開閉弁16の弁本体38の前面、接合部36における支持片36aの通気路面、上壁部18の通気路面および左右の横壁部22,22の通気路面の一部などを主に規定する。また、第2分割体72は、開閉弁16における弁本体38の後面、左右の横壁部22,22の内面の残部および区画壁部24の前端などを主に規定する。そして、第1分割体70と第2分割体72とを型閉じした際に、弁本体38に合わせた弁形成部分60の空間が画成される。ここで、弁形成部分60における弁本体38に対応する空間は、ダクト本体12に対応した本体形成部分58と離して、直線的に延在するように画成される。
前記成形型50は、第1型部52を第2型部54に対して接離するように移動して、型閉じまたは型開きする。ここで、第1分割体70は、第2分割体72に対して移動可能に構成され、型開きに際して第1分割体70が第1型部52の型開きよりも先に移動する(図9(a)参照)。第1分割体70は、型開きに際して弁形成部分60で成形した開閉弁16における弁本体38の前面から離間するように、弁本体38の開き側(ベントダクト10の車両内外方向外側)へ移動する。第2分割体72は、第1型部52の型開きに際して該第1型部52に追従するベントダクト10の移動につれて、弁形成部分60で成形した開閉弁16の弁本体38の後面を弁本体38の開き側に押す(図9(b)参照)。このように、成形型50は、ダクト本体12の上壁部18および受け面26b,28a,20aから離間した状態で成形することでアンダーカット部分となる弁本体38を、第2分割体72で開き側へ押しつつ型開きする。
前述した成形型50を用いた実施例に係るベントダクト10の製造方法について説明する。まず、第1型部52と第2型部54とを型閉じして、通気路14を塞ぐ閉じ姿勢から該通気路14を開く側へ弁本体38を傾けた開閉弁16とダクト本体12とに合わせて、キャビティ56を画成する(図6(a)参照)。このとき、スライド型部62は、付勢手段68に弾性的に付勢されて閉じ位置に配置されており、第2型部54に突き当たって閉塞面64で弁形成部分60を塞ぐと共に、規定面66で本体形成部分58を塞いでいる(図7参照)。そして、閉じ位置にあるスライド型部62は、弁形成部分60における接合部36を画成する空間を塞いで、本体形成部分58と弁形成部分60との間を閉じて、ダクト本体12を内外に貫通する取付部30を規定する。第1型部52と第2型部54とを型閉じして画成されるキャビティ56のうちの本体形成部分58に、第1樹脂材料を第1射出ユニットにより充填して、ダクト本体12を射出成形する。 実施例では、第1樹脂材料のゲート(図示せず)が、フランジ部31の後面外端に対応する位置に設けられ、第1樹脂材料が本体形成部分58におけるフランジ部31に対応する部分から充填される。第1樹脂材料は、本体形成部分58における上壁部18および区画壁部24に対応する空間を通って、スライド型部62の規定面66に当たり、スライド型部62によって弁形成部分60への流入が阻まれる。
図7に示すように、第1樹脂材料をキャビティ56の本体形成部分58に充填すると、スライド型部62に対して第1樹脂材料の充填圧力がかかる。ここで、スライド型部62は、スライド型部62の開閉方向に近い角度で延在する第1規定面66Aが本体形成部分58に相対すると共に、スライド型部62の開閉方向に沿って延在する第2規定面66Bが本体形成部分58に相対している。従って、スライド型部62に対して開き方向へ第1樹脂材料の充填圧力がかかり難くなっている。そして、スライド型部62に対して付勢手段68により閉じる方向に付与される付勢力よりも、第1樹脂材料の充填圧力によるスライド型部62を開き方向へ動かす力が小さいので、スライド型部62が閉じ位置で保持される。このように、スライド型部62の規定面66で取付部30が規定されたもとで、本体形成部分58においてダクト本体12が成形される。
次に、キャビティ56のうちの弁形成部分60に、第2樹脂材料を第2射出ユニットにより充填して、開閉弁16を射出成形する。実施例では、開閉弁16における弁本体38の延出端(下縁部)に対応する位置に設けられたゲート(図示せず)から弁形成部分60に第2樹脂材料が充填される。ここで、スライド型部62は、スライド型部62の開閉方向と交差する角度で延在する閉塞面64が弁形成部分60に相対しており、スライド型部62に対して開き方向へ第2樹脂材料の充填圧力がかかり易くなっている(図8(a)参照)。そして、スライド型部62に対して付勢手段68により閉じる方向に付与される付勢力よりも、第2樹脂材料の充填圧力によるスライド型部62を開き方向へ動かす力が大きいので、スライド型部62が閉じ位置から開き位置に移動する(図6(b)および図8(b)参照)。このように、閉じ位置で本体形成部分58と弁形成部分60との間を閉じて取付部30を規定しているスライド型部62は、弁形成部分60に充填される第2樹脂材料の充填圧力によって取付部30を開放して、開閉弁16の接合部36を規定する。
図8(b)に示すように、スライド型部62は、閉じ位置から開き位置へ移動した際に、取付部30から完全に抜け出ないように設定され、取付部30の中に位置する閉塞面64と第2型部54との間に接合部36の支持片36aを規定する空間を画成する。また、スライド型部62は、第2規定面66Bが閉じ位置で塞いでいた本体形成部分58の開口面と平行にずれる一方で、第1規定面66Aが閉じ位置で塞いでいた本体形成部分58の開口面から離れる。これにより、第1規定面66Aと本体形成部分58に充填されている第1樹脂材料との間に、接合部36の接続片36bを規定する空間を画成する。 そして、先に充填された第1樹脂材料からなるダクト本体12の取付部30の内側に接合部36が成形され、第2樹脂材料からなる接合部36による融着により、開閉弁16の上縁部がダクト本体12に接合される。また、弁本体38が、ダクト本体12の受け面26b,28a,20aから開き側に離れると共に接合部36に連なる上部から下縁部まで一直線に伸びた状態で成形される。このように、成形型50において、ダクト本体12と、該ダクト本体12の取付部30に接合部36を接合した開閉弁16とが、一体成形される。そして、前述したように各部を成形した後に、成形型50を型開きして、ダクト本体12と開閉弁16とを一体成形したベントダクト10を取り出す。
〔実施例の作用〕
前述したように、キャビティ56における本体形成部分58と弁形成部分60との間をスライド型部62で閉じることで、本体形成部分58に第1樹脂材料を弁形成部分60に漏らすことなく充填することができる。そして、スライド型部62がキャビティ56における本体形成部分58と弁形成部分60との間を開放した状態で、第2樹脂材料を弁形成部分60に充填することで、第2樹脂材料を本体形成部分58で成形されているダクト本体12に接触させて、開閉弁16の成形に合わせてダクト本体12に接合することができる。このように、複数組の型を用いるときのような型変えを行うことなく、ダクト本体12および開閉弁16の成形から、ダクト本体12と開閉弁16との接合までを1つの成形型50で行うことができ、型設備を簡略化することができる。また、ベントダクト10の製造過程において、工数を減らして製造効率を向上させることができる。
開閉弁16の弁本体38を閉じ姿勢に合わせて成形するのではなく、閉じ姿勢から通気路14を開く側に傾けてダクト本体12の受け面26b,28a,20aから離間させた状態で弁本体38を成形しているので、開閉弁16がダクト本体12の取付部30内に接合される接合部36以外でダクト本体12に貼り付くことを防止できる。このように、成形時に開閉弁16の弁本体38がダクト本体12に貼り付くことがないので、弁本体38をダクト本体12から剥離し易くするなどの特殊な構成とする必要はなく、工程および型設備をより簡略化することができ、特殊な構成に起因する弁本体38の開閉性能への悪影響を避けることができる。
キャビティ56における本体形成部分58と弁形成部分60との間を開閉するスライド型部62を、弁形成部分60に充填する第2樹脂材料の充填圧力によって開くように移動させるから、スライド型部62を開く方向に移動させるための駆動機構を省略することができる。従って、成形型50の型構造をより簡単にすることができる。また、スライド型部62を、付勢手段68の付勢力により閉じるので、油圧などの駆動機構によってスライド型部62を移動する構成よりも、型構造を簡単にすることができる。そして、第1樹脂材料の充填圧力によるスライド型部62を開き方向へ動かす力が付勢手段68の付勢力よりも小さいので、第1樹脂材料の充填時にスライド型部62が閉じ位置で保持される。第2樹脂材料の充填圧力によるスライド型部62を開き方向へ動かす力が付勢手段68の付勢力よりも大きいので、第2樹脂材料の充填時にスライド型部62が開き位置に移動する。このように、付勢手段68によるスライド型部62への付勢力と樹脂材料の充填圧力によるスライド型部62が受ける力との関係により、スライド型部62を開閉する簡易な構成であるから、型構造をより簡単にすることができる。
スライド型部62の閉塞面64は、弁形成部分60に対して第2樹脂材料の充填圧力がスライド型部62を開く方向へかかるように相対しているので、第2樹脂材料の充填圧力を利用してスライド型部62を開くように、効率よく移動させることができる。また、スライド型部62の規定面66は、本体形成部分58に対して第1樹脂材料の充填圧力がスライド型部62を開く方向へかかり難いように相対しているので、付勢手段68の付勢力を小さく設定することが可能となる。このように、樹脂材料の充填圧力および付勢手段68の付勢力を効率よく利用することができるので、型構造をより簡単にすることができる。
前述した製造方法および成形型50で得られる実施例のベントダクト10は、以下のような作用効果を奏する。ベントダクト10は、開閉弁16の上縁部をダクト本体12に熱カシメや別の樹脂成形物で接合する場合のように、接合時の熱や別の樹脂成形物の収縮に起因する応力が開閉弁16に残留せず、残留応力によって開閉弁16の弁本体38がまくれ上がることを回避できる。また、ベントダクト10は、取付部30の中で接合部36の支持片36aがダクト本体12よりも薄肉に形成されるので、支持片36aが撓み易くなって、弁本体38の開閉を阻害しない。更に、ベントダクト10は、取付部30を画成する壁面に沿って形成される接続片36bによって、ダクト本体12と開閉弁16との接合面積が確保されているので、開閉弁16がダクト本体12から外れ難い。
(変更例)
前述した実施例に限らず、例えば以下のようにも変更可能である。
(1)スライド型部62の開閉方向は、実施例に限らず、例えば図10に示す変更例のように、弁形成部分60における弁本体38に対応する空間に案内されて閉塞面64に当たる第2樹脂材料の流動方向に沿うように、スライド型部62の開閉方向を設定してもよい。変更例のようにすることで、第2樹脂材料の充填圧力をスライド型部62が開くようにより効率よく作用させることができる。なお、図10において実施例と同様の構成は、実施例と同じ符号を付して説明を省略する。
(2)第2樹脂材料は、第1樹脂材料からダクト本体が成形された後に充填するのに限らず、第1樹脂材料が硬化する前に第2樹脂材料を充填してもよい。
(3)第1分割体の型開き方向は、実施例のように開閉弁の開き側に限定されず、開閉弁の開き側を開放することができれば、第2型部や第2分割体などに干渉しない方向の何れであってもよい。
(4)実施例では、第1型部を移動して型開きしたが、第2分割体を第1型部に対して移動することで型開きを行ってもよい。第2分割体を開閉弁の開き側へ移動して型開きすることで、第2分割体の移動により押される開閉弁に無理な力がかかることを抑制できる。この際に、第2分割体の型開き方向は、開閉弁の開き側に限定されず、第1型部などに干渉しない方向の何れであってもよい。
(5)ダクト本体は、左右の横壁部の間および/または区画壁部の間に、仕切壁部を設け、通気路を上下に区切るよう構成してもよい。この場合に、下側の通気路の上側を画成する仕切壁部の後縁に通気路側へ向けて下方へ張り出すように設けた張出片に取付部を形成し、仕切壁部の取付部に開閉弁の上縁部を接合するようにしてもよい。このように、上下に区画された通気路のそれぞれを、上下に配置した複数の開閉弁で塞ぐ構成にも採用し得る。
(6)ベントダクトは、左右に並べて配置した複数の開閉弁により通気路を塞ぐように構成してもよい。
(7)取付部を、張出部の横方向に並べて複数箇所設けて、取付部のそれぞれに接合部を収めて開閉弁をダクト本体に対して固定する構成であってもよい。
12 ダクト本体,14 通気路,16 開閉弁,30 取付部,52 第1型部,
54 第2型部,56 キャビティ,58 本体形成部分,60 弁形成部分,
62 スライド型部,68 付勢手段

Claims (8)

  1. 通気路が設けられたダクト本体と、一縁部が該ダクト本体に取り付けられ、前記通気路を開閉する開閉弁とを備えるベントダクトの製造方法であって、
    前記通気路を塞ぐ閉じ姿勢から該通気路を開く側へ傾けた前記開閉弁と前記ダクト本体とに合わせて、キャビティを画成し、
    前記キャビティにおける前記ダクト本体に対応する本体形成部分と前記開閉弁に対応する弁形成部分との間をスライド型部で閉じた状態で、該本体形成部分に該ダクト本体をなす第1樹脂材料を充填し、
    前記スライド型部を前記閉じた状態から開くように移動することで前記開閉弁の一縁部に対応する空間が前記本体形成部分と繋がる前記弁形成部分に、該開閉弁をなす第2樹脂材料を充填し、
    前記ダクト本体と、該ダクト本体に一縁部が接合された前記開閉弁とを、一体成形するようにした
    ことを特徴とするベントダクトの製造方法。
  2. 前記弁形成部分に充填される前記第2樹脂材料の充填圧力によって、前記スライド型部を開くように移動させる請求項1記載のベントダクトの製造方法。
  3. 前記スライド型部に対して該スライド型部を閉じる方向に付与される付勢力よりも、前記第1樹脂材料の充填によって該スライド型部が受ける該スライド型部を開く方向への力が小さく、
    前記スライド型部に対する前記付勢力よりも、前記第2樹脂材料の充填によって該スライド型部が受ける該スライド型部を開く方向への力が大きくなるように設定した請求項1または2記載のベントダクトの製造方法。
  4. 前記第2樹脂材料の充填圧力を、前記本体形成部分と前記弁形成部分との間を開閉する前記スライド型部に対して該スライド型部を開く方向へ付与し、
    前記第1樹脂材料の充填圧力を、前記第2樹脂材料を充填するときよりも、前記スライド型部に対して該スライド型部を開く方向へ付与され難くした請求項1〜3の何れか一項に記載のベントダクトの製造方法。
  5. 通気路が設けられたダクト本体と、一縁部が該ダクト本体の取付部に取り付けられ、前記通気路を開閉する開閉弁とを備えるベントダクトを成形する成形型であって、
    前記通気路を塞ぐ閉じ姿勢から該通気路を開く側へ傾けた前記開閉弁と前記ダクト本体とに合わせたキャビティを画成する第1型部および第2型部と、
    前記キャビティにおける前記ダクト本体に対応する本体形成部分と前記開閉弁に対応する弁形成部分との間を開閉するスライド型部とを有し、
    前記スライド型部は、前記ダクト本体をなす第1樹脂材料を充填する際に、前記本体形成部分と前記弁形成部分との間を閉じて前記取付部を規定すると共に、前記開閉弁をなす第2樹脂材料を充填する際に、該本体形成部分と該弁形成部分との間を開いて該開閉弁の一縁部を規定するよう構成された
    ことを特徴とする成形型。
  6. 前記スライド型部は、前記弁形成部分に充填される前記第2樹脂材料の充填圧力により、前記本体形成部分と該弁形成部分との間を開く方向へ移動するように構成された請求項5記載の成形型。
  7. 前記スライド型部は、付勢手段によって、前記本体形成部分と前記弁形成部分との間を閉じる方向へ付勢され、
    前記第1樹脂材料の充填によって前記スライド型部が受ける前記本体形成部分と前記弁形成部分との間を開く方向への力が、前記付勢手段の付勢力よりも小さく、前記第2樹脂材料の充填によって該スライド型部が受ける前記本体形成部分と前記弁形成部分との間を開く方向への力が、該付勢手段の付勢力よりも大きくなるように構成された請求項5または6記載の成形型。
  8. 前記スライド型部と前記弁形成部分とは、前記第2樹脂材料の充填圧力が該スライド型部に対して前記本体形成部分と前記弁形成部分との間を開く方向へかかるように相対し、
    前記スライド型部と前記本体形成部分とは、前記第2樹脂材料を充填するときよりも、前記第1樹脂材料の充填圧力が該スライド型部に対して前記本体形成部分と前記弁形成部分との間を開く方向へかかり難く相対するように構成された請求項5〜7の何れか一項に記載の成形型。
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