JP2018065117A - 不斉ブロモラクトン化触媒及びキラルブロモラクトンの合成方法 - Google Patents

不斉ブロモラクトン化触媒及びキラルブロモラクトンの合成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】不斉ブロモラクトン化触媒及びキラルブロモラクトンの合成方法を提供する。
【解決手段】 以下の式(1)で表されるピリジルリン酸アミド化合物である、不斉ブロモラクトン化触媒。
【化28】
Figure 2018065117

(式中、Aは不斉源を表し、R10は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、R11は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表す。)
【選択図】なし

Description

本明細書は、不斉ブロモラクトン化触媒及びキラルブロモラクトンの合成に関する。
本発明者らは、これまで、ピリジニウムリン酸アミドを二座配位型キラルブレンステッド酸触媒として用いて、1−アミドジエンとマレイミドの不斉Diels-Alder反応を報告している(特許文献1、非特許文献1)。
特開2016−88915号公報
Nishikawaら、Org. Lett. 2016, 18, 2004
上記文献の合成反応においては、ピリジニウムリン酸アミドによってマレイミドの求電子的活性化に成功していると考えられる。しかしながら、不斉ブロモラクトン化反応に対するピリジニウムリン酸アミドやピリジルリン酸アミドを用いた合成例は知られていない。
本明細書は、不斉ブロモラクトン化触媒及びキラルブロモラクトンの合成方法を提供する。
本発明者らは、置換オレフィンを有するカルボン酸(以下、単に、置換アルケニルカルボン酸という。)を基質としたブロモラクトン化へのピリジニウムリン酸アミドの触媒的利用について種々検討した。その結果、置換アルケニルカルボン酸のブロモラクトン化については、予想に反してピリジニウムリン酸アミドでなくピリジルリン酸アミドを用いうるという知見を得た。本開示によれば、以下の手段が提供される。
本発明者らは、マレイミドの求電子活性化に鑑みて、N−ブロモスクシイミドもピリジニウムリン酸アミド化合物で活性化したブロモ化反応の検討を行った。その結果、予想に反して、ピリジニウムリン酸アミド化合物でなくピリジルリン酸アミド化合物が、N−ブロモスクシイミドを活性化して、二置換オレフィンを有するカルボン酸からのキラルブロモラクトンの合成を促進するという知見を得た。本開示によれば、以下の手段が提供される。
(1) 以下の式(1)で表されるピリジルリン酸アミド化合物である、不斉ブロモラクトン化触媒。
式(1)
Figure 2018065117
(式中、Aは不斉源を表し、R10は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、R11は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表す。)
(2) 多置換オレフィンを有するカルボン酸からキラルブロモラクトンを合成する触媒である、(1)に記載の触媒。
(3) 前記キラルブロモラクトンは、6員環ラクトンである、(1)又は(2)に記載の触媒。
(4) 光学活性である、(1)〜(3)のいずれかに記載の触媒。
(5) 軸不斉に基づく光学活性体である、(1)〜(4)のいずれかに記載の触媒。
(6) 前記Aは、以下から選択される、(1)〜(5)のいずれかに記載の触媒。
Figure 2018065117
(上記式中、R1は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基又は置換シリル基を示し、R2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は水酸基を示し、R3は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は水酸基を示し、R4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を示し、R5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基又は置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基を示し、R6は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)
(7) 前記R10は、メチル基以上の電子供与性を有する基である、(1)〜(6)のいずれかに記載の触媒。
(8) キラルブロモラクトンの合成方法であって、
(1)〜(7)のいずれかに記載のピリジルリン酸アミド化合物及びブロモ化剤の存在下で、多置換オレフィンを有するカルボン酸からキラルブロモラクトンを合成する工程、を備える、方法。
(9) 前記多置換オレフィンは、3置換オレフィンである、(8)に記載の方法。
(10) 前記キラルブロモラクトンは、6員環ラクトンである、(8)又は(9)8に記載の方法。
実施例1で合成したピリジルリン酸アミドの構造式及び各種データを示す図である。 実施例3で合成した5員環キラルブロモラクトンの構造式及び各種データを示す図である。 実施例3で合成した他の5員環キラルブロモラクトンの構造式及び各種データを示す図である。 実施例4で合成した6員環キラルブロモラクトンの構造式及び各種データを示す図である。 実施例4で合成した他の6員環キラルブロモラクトンの構造式及び各種データを示す図である。
本明細書の開示は、不斉ブロモラクトン化触媒及びキラルブロモラクトンの合成方法等に関する。
本発明者らは、ピリジルリン酸アミド化合物中のピリジンの電子供与性が、多置換オレフィンを有するカルボン酸の不斉ブロモラクトン化に有効であることを見出した。ピリジルリン酸アミド化合物は、ブロモラクトン合成反応において、高い立体的選択的反応を実現することができる。例えば、多置換オレフィンを有するカルボン酸からキラルブロモラクトンを、高エナンチオ・ジアステレオ選択的に合成することができる。
本明細書に開示されるキラルブロモラクトンは、種々な修飾が可能であり、医薬、農薬の中間体や原料等として有用な化合物である。本明細書に開示されるキラルブロモラクトンは、2つの連続するキラル中心を有することができる。
以下、本開示を詳細に説明する。
なお、本明細書において、各種官能基の炭素数は、当該官能基が置換基を有する場合、その置換基を含めた合計の炭素数を表す。
(ピリジルリン酸アミド化合物)
本開示のピリジルリン酸アミド(以下、単に本化合物ともいう。)は、以下の一般式(1)で表される。式中Aは、本化合物にキラリティを提供するユニット(不斉源)である。したがって、式(1)で表される化合物は、キラルな化合物であり、R体又はS体のいずれかを示しうる。以下の説明においては、まず、本化合物について説明し、さらに本化合物について説明する。
Figure 2018065117
本化合物において、Aは、意図する不斉合成反応に応じて適宜選択される。すなわち、本化合物においては、不斉源としてのAは、本化合物にキラリティを付与できれば足りる。不斉源の基本構造は、当業者において周知であり、当業者であれば、必要に応じて周知の不斉源から適宜選択して本化合物を合成等により取得し、意図する不斉合成反応への触媒能について評価し、適切な不斉源を選択することができる。Aは、いかなる形態で本化合物にキラリティを付与するものであってもよく、キラリティの態様は、中心性キラリティ、軸性キラリティ、面性キラリティ、ヘリシティ等が挙げられる。好ましくは軸性キラリティである。さらに、軸性キラリティを有するAユニットとしては、アトロプ異性体ユニットが好ましい。アトロプ異性体としては、例えば、ビフェニル化合物、ビナフチル化合物及びジヒドロアントラセノン化合物等が挙げられる。
アトロプ異性体ユニットとしては、典型的には、以下のユニットI〜VIIIが挙げられる。また、アトロプ異性体ではないが、他のキラリティを有する化合物(中心性キラリティを有する化合物)ユニットとしては、以下のユニットIX、Xが挙げられる。なお、以下の式において[]内は具体例を示す。本明細書において、R体又はS体を特定しないで記載しない場合、いずれかのエナンチオマーを示すことができる。
Figure 2018065117
Figure 2018065117
Figure 2018065117
Figure 2018065117
Figure 2018065117
Figure 2018065117
Figure 2018065117
Figure 2018065117
ユニットI〜X上における置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6は、それぞれ独立して以下の置換基を表す。
[R1
1は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基又は置換シリル基を示す。
で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
で表される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、及びアリール基が挙げられる。
(アルキル基)
で表されるアルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でも或いは環状でもよい。アルキル基としては、例えば炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6の直鎖又は分岐もしくは環状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、セチル基、ステアリル基等の直鎖又は分岐のアルキル基;シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。
(アルキル基の置換基)
これらアルキル基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、アルコキシ基、アルキレンジオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、ヘテロアリールチオ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、水酸基、オキソ基、ニトロ基、メルカプト基、三置換シリル基及びハロゲン原子等が挙げられる。特にニトロ基やトリフルオロメチル基等の電気吸引性の基であることが好ましい。これらの置換基の置換位置は、本化合物が不斉求核反応の触媒活性を有する限りいずれであってもよいが、後述するように、例えばR1の炭化水素基がフェニル基でその置換基が電子吸引性の基である場合には、フェニル基の2位及び/又は4位であることが好ましい。
アルキル基に置換する炭化水素基としては、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。
アルキル基に置換するアルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でも或いは環状でもよく、例えば、炭素数1〜20の直鎖又は分岐もしくは環状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、セチル基、ステアリル基等の直鎖又は分岐のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。
アルキル基に置換するアルケニル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、例えば炭素数2〜15、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基が挙げられ、具体的には、エテニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。
アルキル基に置換するアルキニル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、例えば炭素数2〜15、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6のアルキニル基が挙げられ、具体的にはエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられる。
アルキル基に置換するアリール基としては、例えば炭素数6〜20のアリール基が挙げられ、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナンスリル基、ビフェニル基、ターフェニル基等が挙げられる。
アルキル基に置換するアラルキル基としては、前記アルキル基の少なくとも1個の水素原子が上記アリール基で置換された基が挙げられ、例えば炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、具体的にはベンジル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルプロピル基、3−ナフチルプロピル基等が挙げられる。
アルキル基に置換する脂肪族複素環基としては、例えば炭素数2〜14で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の、単環の脂肪族複素環基、或いは多環又は縮合環の脂肪族複素環基が挙げられる。脂肪族複素環基の具体例としては、例えば、ピロリジル−2−オン基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチエニル基等が挙げられる。
アルキル基に置換する芳香族複素環基としては、例えば炭素数2〜15で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の、単環式ヘテロアリール基、或いは多環式又は縮合環式のヘテロアリール基が挙げられ、具体的にはフリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、ピリダジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、フタラジル基、キナゾリル基、ナフチリジル基、シンノリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
アルキル基に置換するアルコキシ基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよく、例えば炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、3−メチルブトキシ基、2,2−ジメチルプロピルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、5−メチルペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、メトキシメトキシ基、2−エトキシエトキシ基等が挙げられる。
アルキル基に置換するアルキレンジオキシ基としては、例えば炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基が挙げられ、具体的にはメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリメチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、イソプロピリデンジオキシ基等が挙げられる。
アルキル基に置換するアリールオキシ基としては、例えば炭素数6〜14のアリールオキシ基が挙げられ、具体的にはフェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフトキシ基、アントリルオキシ基等が挙げられる。
アルキル基に置換するアラルキルオキシ基としては、例えば炭素数7〜12のアラルキルオキシ基が挙げられ、具体的にはベンジルオキシ基、4−メトキシフェニルメトキシ基、1−フェニルエトキシ基、2−フェニルエトキシ基、1−フェニルプロポキシ基、2−フェニルプロポキシ基、3−フェニルプロポキシ基、1−フェニルブトキシ基、3−フェニルブトキシ基、4−フェニルブトキシ基、1−フェニルペンチルオキシ基、2−フェニルペンチルオキシ基、3−フェニルペンチルオキシ基、4−フェニルペンチルオキシ基、5−フェニルペンチルオキシ基、1−フェニルヘキシルオキシ基、2−フェニルヘキシルオキシ基、3−フェニルヘキシルオキシ基、4−フェニルヘキシルオキシ基、5−フェニルヘキシルオキシ基、6−フェニルヘキシルオキシ基等が挙げられる。
アルキル基に置換するヘテロアリールオキシ基としては、例えば、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、炭素数2〜14のヘテロアリールオキシ基が挙げられ、具体的には、2−ピリジルオキシ基、2−ピラジルオキシ基、2−ピリミジルオキシ基、2−キノリルオキシ基等が挙げられる。
アルキル基に置換するアルキルチオ基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよく、例えば炭素数1〜6のアルキルチオ基が挙げられ、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、2−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基等が挙げられる。
アルキル基に置換するアリールチオ基としては、例えば炭素数6〜14のアリールチオ基が挙げられ、具体的にはフェニルチオ基、トリルチオ基、キシリルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられる。
アルキル基に置換するアラルキルチオ基としては、例えば炭素数7〜12のアラルキルチオ基が挙げられ、具体的にはベンジルチオ基、2−フェネチルチオ基等が挙げられる。
アルキル基に置換するヘテロアリールチオ基としては、例えば、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、炭素数2〜14のヘテロアリールチオ基が挙げられ、具体的には、4−ピリジルチオ基、2−ベンズイミダゾリルチオ基、2−ベンズオキサゾリルチオ基、2−ベンズチアゾリルチオ基等が挙げられる。
アルキル基に置換する置換アミノ基としては、アミノ基の1個又は2個の水素原子がアルキル基、アリール基又はアラルキル基等の置換基で置換されたアミノ基が挙げられる。アルキル基で置換されたアミノ基、即ちアルキル基置換アミノ基の具体例としては、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基等のモノ又はジアルキルアミノ基が挙げられる。 アリール基で置換されたアミノ基、即ちアリール基置換アミノ基の具体例としては、N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジトリルアミノ基、N−ナフチルアミノ基、N−ナフチル−N−フェニルアミノ基等のモノ又はジアリールアミノ基が挙げられる。 アラルキル基で置換されたアミノ基、即ちアラルキル基置換アミノ基の具体例としては、N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等のモノ又はジアラルキルアミノ基が挙げられる。
アルキル基に置換する三置換シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられる。
アルキル基に置換するハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、ハロゲン化されたアルキル基としては、例えばモノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。
これらの置換基のうち、炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、アルコキシ基、アルキレンジオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、ヘテロアリールチオ基又は置換アミノ基は、上記置換基の群から選ばれる基によってさらに置換基を有していてもよい。
(アルケニル基)
で表されるアルケニル基としては、炭素数2〜15、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6の直鎖あるいは分岐してもよい鎖状又は環状のアルケニル基が挙げられ、具体的にはビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基等が挙げられる。
また、これらのアルケニル基は置換基を有していてもよく、該置換基としてはアルキル基、アリール基、複素環基(脂肪族複素環基、芳香族複素環基)、ハロゲン原子等が挙げられ、その具体例としては、アルキル基の置換基として前記したようなものが挙げられる。
(アルキニル基)
で表されるアルキニル基としては、炭素数2〜15、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6の、直鎖又は分岐していてもよいアルキニル基が挙げられ、具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基等が挙げられる。
また、これらアルキニル基は置換基を有していてもよく、該置換基としてはアルキル基、アリール基、複素環基(脂肪族複素環基、芳香族複素環基)、三置換シリル基等が挙げられ、その具体例としては、アルキル基の置換基として前記したようなものが挙げられる。
(アリール基)
で表されるアリール基としては、具体的には、アルキル基の置換基としてのアリール基として前記したようなアリール基が挙げられる。
また、これらアリール基は置換基を有してもよく、該置換基としてはアルキル基、アリール基、複素環基(脂肪族複素環基、芳香族複素環基)、ハロゲン原子等が挙げられ、その具体例としては、アルキル基の置換基として前記したようなものが挙げられる。
(置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基)
で表される置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基としては、アルコキシカルボニル基及び置換アルコキシカルボニル基が挙げられる。アルコキシカルボニル基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよく、例えば炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が挙げられ、その具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、ラウリルオキシカルボニル基、ステアリールオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
また、これらのアルコキシカルボニル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としてはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、複素環基(脂肪族複素環基、芳香族複素環基)、アルコキシ基等が挙げられ、その具体例としては、アルキル基の置換基として前記したようなものが挙げられる。
(置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基)
で表される置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基としては、アリールオキシカルボニル基及び置換アリールオキシカルボニル基が挙げられる。アリールオキシカルボニル基としては、例えば炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基が挙げられ、その具体例としては、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
また、これらのアリールオキシカルボニル基は、そのアリール基上に置換基を有していてもよく、該置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられ、その具体例としては、アルキル基の置換基として前記したようなものが挙げられる。
(置換シリル基)
で表される置換シリル基としては、例えば、シリル基の3個の水素原子がアルキル基、置換されたアルキル基、アリール基、置換されたアリール基、アラルキル基、置換されたアラルキル基、アルコキシ基、置換されたアルコキシ基等の置換基で置換された三置換シリル基が挙げられる。アルキル基、置換されたアルキル基、アリール基、置換されたアリール基、アラルキル基、置換されたアラルキル基、アルコキシ基、置換されたアルコキシ基としては、アルキル基の置換基として前記した各基と同じであってよい。
置換シリル基の具体例としては、例えば、トリアルキルシリル基(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜10)、トリアリールシリル基、トリアラルキルシリル基(アラルキル基の炭素数は好ましくは2〜10)、ジアルキルアリールシリル基(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜10)、ジアリールアルキルシリル基(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜10)等が挙げられる。具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、ジ−t−ブチルメチルシリル基、トリベンジルシリル基、トリフェニルシリル基、トリキシリルシリル基、ジフェニルメチルシリル基等が挙げられる。また、tert−ブチルメトキシフェニルシリル基、tert−ブトキシジフェニルシリル基等が挙げられる。
[R2
2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は水酸基を示す。ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基についてはR1におけるのと同義である。
[R3
3は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は水酸基を示す。置換基を有していてもよい炭化水素基についてはR1におけるのと同義である。
[R4
4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を示す。置換基を有していてもよい炭化水素基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭化水素基についてはR1におけるのと同義である。
(置換基を有していてもよいアルコキシ基)
4で表される置換基を有していてもよいアルコキシル基としては、アルコキシ基及び置換アルコキシル基が挙げられる。アルコキシル基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよく、例えば炭素数2〜20のアルコキシ基が挙げられ、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘシルオキシ基、ラウリルオキシ基、ステアリルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
また、これらのアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、該置換基としてはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、複素環基(脂肪族複素環基、芳香族複素環基)、アルコキシ基等が挙げられ、その具体例としては、アルキル基の置換基として前記したようなものが挙げられる。
(置換基を有していてもよいアリールオキシ基)
4で表される置換基を有していてもよいアリールオキシ基としては、アリールオキシ基及び置換アリールオキシ基が挙げられる。アリールオキシ基としては、例えば炭素数7〜20のアリールオキシ基が挙げられ、その具体例としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
また、これらのアリールオキシ基は、そのアリール基上に置換基を有していてもよく、該置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられ、その具体例としては、アルキル基の置換基として前記したようなものが挙げられる。
[R5
5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基又は置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基を示す。置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基及び置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基については、それぞれR1におけるのと同義である。
[R6
6は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。ただし、同一炭素原子に結合する2つのR6の少なくとも一方が置換基を有していてもよい炭化水素基である。置換基を有していてもよい炭化水素基は、R1におけるのと同義である。
上記で示すR1、R2、R3、R4、R5、R6については、不斉反応の触媒として用いた場合に、収率や光学純度に影響を及ぼすことがある。したがって、本化合物の使用目的に応じて、I〜Xを不斉ブロモラクトン合成反応への適用例を適宜参照して選択することができる。すなわち、本化合物におけるA及びAにおける各種置換基も、このような各種キラルリン酸化合物の置換基と同様の傾向を示すため、このような情報をもとに、目的とする不斉反応に好適な触媒構成とすることができる。
本化合物のAとしては、ビナフチル基を好ましく用いることができる。例えば、上記したI〜V、IX及びXI等が挙げられる。なかでも、Iを好ましく用いることができる。
Figure 2018065117
Aとしては、具体的には、以下の式で表されるユニットを用いることができる。以下の式において、R1は、それぞれ同一であってもよいし異なっていてもよい。また、以下の式において示すほか、R1は、それぞれ既に説明した置換基を有することもできる。R2は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換基を有していても良いアルコキシ基、同アリール基、同アルキル基、シリル基であることが好ましい。R2は、水素原子であってもよい。
Figure 2018065117
本化合物において、R10は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を示す。R10は電子供与性を有していてもよい。例えば、R10は、メチル基以上の電子供与性を有することができる。かかる電子供与性基としては、例えば、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよい例えば、アルキル基などの炭化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基である。
置換基を有していてもよい炭化水素基は、R1において示すものと同義であり、好ましくは、炭素数が1〜10以下であり、より好ましくは1〜4以下である。また、置換基においてもR1において示すものと同義である。好ましくは、炭素数が1〜10であり(好ましくはアルキル基)、より好ましくは1〜4である(好ましくはアルキル基)。
置換基を有していてもよいアルコキシ基及び置換基を有していてもよいアリールオキシ基についても、R1において示すものと同義であり、好ましくは、炭素数が1〜10以下であり、より好ましくは炭素数1〜4以下のアルコキシ基である。また、置換基においてもR1において示すものと同義である。好ましくは、メトキシ基である。
置換基を有していてもよいアミノ基としては、アミノ基及び置換アミノ基が挙げられ、置換アミノ基としては、アミノ基の1個又は2個の水素原子が保護基等の置換基で置換されたアミノ基が挙げられる。該保護基としては、アミノ保護基として用いられるものであれば何れも使用可能であり、例えば「PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS THIRD EDITION(JOHN WILEY & SONS、INC.(1999)」にアミノ保護基として記載されているものが挙げられる。アミノ保護基の具体例としては、置換基を有していてもよい炭化水素基(例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基等)、アシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。置換基を有していてもよい炭化水素基、アシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基及び置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基は、上記保護基において説明された各基と同じであってよい。
アルキル基で置換されたアミノ基、即ちアルキル基置換アミノ基の具体例としては、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N−メチル−N−イソプロピルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基等のモノ又はジアルキルアミノ基が挙げられる。好ましくは、N,N−ジメチルアミノ基である。
アリール基で置換されたアミノ基、すなわち、アリール基置換アミノ基の具体例としては、N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N−ナフチルアミノ基、N−ナフチル−N−フェニルアミノ基等のモノ又はジアリールアミノ基が挙げられる。
アラルキル基で置換されたアミノ基、即ちアラルキル基置換アミノ基の具体例としては、N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等のモノ又はジアラルキルアミノ基が挙げられる。 また、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N−ベンジル−N−メチルアミノ基等のジ置換アミノ基も挙げられる。
アシル基で置換されたアミノ基、即ちアシルアミノ基の具体例としては、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ペンタノイルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、−NHSOCH、−NHSO、−NHSOCH、−NHSOCF、−NHSON(CH等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基で置換されたアミノ基、即ちアルコキシカルボニルアミノ基の具体例としては、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、n−ブトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、ペンチルオキシカルボニルアミノ基、ヘキシルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基で置換されたアミノ基、即ちアリールオキシカルボニルアミノ基の具体例としては、アミノ基の1個の水素原子が前記したアリールオキシカルボニル基で置換されたアミノ基が挙げられ、その具体例としてフェノキシカルボニルアミノ基、ナフチルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アラルキルオキシカルボニル基で置換されたアミノ基、即ちアラルキルオキシカルボニルアミノ基の具体例としては、ベンジルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
11は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を示す。これらについては、いずれも、R1及びR10におけるのと同義である。R11は、立体障害が小さいことが好ましく、より好ましくは水素原子である。
本化合物は、後述するように、キラルブロモラクトンを合成するのに有用な触媒である。本化合物を適用できる、キラルブロモラクトン合成反応は特に限定するものではないが、多置換オレフィンを有するカルボン酸を基質とし、ブロモ化剤を用いることができる。キラルブロモラクトン合成反応における各種態様は後段で詳述する。
なお、キラルブロモラクトンの合成に際しての環化様式として、例えば、二置換オレフィンを有するカルボン酸で例示すると、概して以下の3種が挙げられる。すなわち、5-exo-trig環化とよばれる5員環を形成して環の外に臭素が導入される場合(eq 1,3)と、6-endo-trig環化という6員環を形成して環の内側に臭素が導入される場合(eq 2)がある。ブロモラクトン化に限らず、環化反応の一般的事項として5員環形成が早く進行するが、以下のeq 1のような基質においては、おおよそ5-exo-trig環化が進行すると予測できるが、eq 2とeq 3の基質では二つの環化様式が考えられるため、同一触媒を用いた場合に、eq 2とeq 3のどちらが優先的に進行するか、環化位置選択性を予想するのは困難である(Tetrahedron Letters 54(2013), 7004-7008)。
Figure 2018065117
従来、三置換二重結合に対する不斉ブロモラクトン化反応の報告例は限定的であり、当該報告例があっても低い選択性にとどまっている(例えば、三置換二重結合に対する五員環形成の参考文献として、2012JACS, Table 2, entry d, f ; 2013TL, Table 2, entry 4)。
本化合物によれば、三置換オレフィンを有するカルボン酸における5-exo-trig環化様式での不斉ブロモラクトン化(以下のeq 4)を高い選択性で実現できる。また、本化合物によれば、三置換オレフィンを有するカルボン酸における、6-endo-trig環化様式での不斉ブロモラクトン化(eq 5)も高い選択性で実現できる。
Figure 2018065117
(本化合物の製造方法)
本化合物は、当業者であれば、適宜公知の合成方法に倣って本化合物及び本化合物を合成することができる。
例えば、Aとして、ユニットIを備える本化合物は、特に制限はないが、公知の光学活性ビナフチルリン酸誘導体の製造方法にアミノピリジン化合物を適用することで合成することができる。ビナフチルリン酸誘導体の製造方法としては、例えば、Angew.Chem.Int.Ed.,43,1566(2004)やJ.Am.Chem.Soc.,128,84(2006)、特表2004−96753号公報に記載の方法を用いることができる。
例えば、Aとして、ユニットIIを備える本化合物は、特に制限はないが、例えば、特表2004−96753号公報に記載の方法により製造することができる。
例えば、Aとして、ユニットIIIを備える本化合物は、特に制限はないが、特開2010−47490号公報に記載の方法により製造することができる。
例えば、Aとして、ユニットIVを備える本化合物は、特に制限はないが、J.Am.Chem.Soc.,118,3392(1996)に記載の方法により製造することができる。
例えば、Aとして、ユニットVを備える本化合物は、特に制限はないが、J.Am.Chem.Soc.,118,3392(1996)に記載の方法により製造することができる。
例えば、Aとして、ユニットVI、VII及びVIIIを備える本化合物は、特に制限はないが、J.Am.Chem.Soc.,118,3392(1996)を参照して製造することができる。
例えば、Aとして、ユニットIXを備える本化合物は、特に制限はないが、Org. Lett., 15, 5890 (2013)に記載の方法により製造することができる。
例えば、Aとして、ユニットXを備える本化合物は、特に制限はないが、Adv. Synth. Catal., 348, 2363 (2006)に記載の方法により製造することができる。
また、Aにおける芳香族環に対する修飾、すなわち、置換基の導入方法については、公知の通常用いられる方法で行うことができ、例えば、Br化、及びアミノ化には、Org.Process Res.Dev.(2007)、11(3)、628−632に記載の方法等が用いることができる。また、アリール化の例としてJ. Org. Chem. 65, 6319 (2000)、アルキル化の例としてTetrahedron, 56, 2865 (2000)、水酸基およびアルコキシ基の例としてTetrahedron Asymmetry, 7, 2199 (1996)、シリル化の例としてTetrahedron, Lett., 33, 2253 (1992)が挙げられる。
本化合物の具体的な製造方法の一例を以下に説明する。他の本化合物及び本化合物も、以下のビナフトール化合物に替えて他の不斉源化合物を適用し、以下の製造方法に準じて操作を行うことにより製造することができる。
<ユニットIにおいて、R1=R1=Phe、R2=R2=Hであるピリジルリン酸アミドの製造>
光学活性3,3’-フェニル置換ビナフトールに対し、CH2Cl2中、トリエチルアミン等の塩基、DMAP等の存在下、オキシ塩化リンなどの公知のリン酸化剤を作用させる条件にて反応させた後、アセトニトリル、2-アミノピリジンを加えることで目的のピリジルリン酸アミドを得ることができる。すなわち、ナフトール誘導体及びDMAPに塩化メチレンを加えて撹拌し、冷却後、オキシ塩化リン、トリエチルアミンを加え、室温で1時間程度撹拌する。その後、アセトにトリル等で溶解した2−アミノピリジンを加えて、撹拌し、その後、精製水を加えて反応を停止し、水層を塩化メチレンで抽出し、有機層を洗浄乾燥し、吸引ろ過する。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラムにて精製し、目的のピリジルリン酸アミドを得ることができる。
本化合物を合成するのに際しては、原料のほか、リン酸化剤、有機塩基や無機塩基等の塩基、ブレンステッド酸の種類や使用量、溶媒の種類や量については当業者であれば適宜選択して用いることができる。
(キラルブロモラクトンの合成反応)
本化合物は、キラルブロモラクトンを合成する不斉合成反応の有機触媒として用いることができる。
式(1)で表される本化合物は、1種類を単独で用いることもできるし、2種以上を組合せて用いることもできる。
本化合物は、キラルブロモラクトンを合成する反応において有効な触媒として使用することができる。
本化合物によれば、多置換オレフィンを有するカルボン酸とブロモ化剤とから、医薬、農薬及び化学品等及びその合成中間体として有用なキラルブロモラクトンを合成することができる。当業者は、本化合物における不斉源の選択、不斉源における置換基の選択、不斉原以外における置換基の選択ほか、ブロモ化剤の種類、基質の種類、合成条件(温度、時間、溶媒等)を適宜選択することで、キラルブロモラクトン合成反応を実現できる。
(基質化合物)
本不斉合成反応において、基質化合物として、多置換オレフィンを有するカルボン酸(多置換アルケニルカルボン酸)を用いることができる。多置換アルケニルカルボン酸としては、例えば、以下の式で表されるアルケニルカルボン酸を用いることができる。アルケニルカルボン酸としては、R21、R22及びR23のうち、いずれか1が水素以外、すなわち、置換され、残りが水素原子である二置換アルケニルカルボン酸が挙げられる。また、多置換アルケニルカルボン酸としては、R21とR22、R21とR23との2つが水素原子以外の基で置換され、残部が水素原子である三置換アルケニルカルボン酸(それぞれZ体及びE体)や、R22とR23が水素原子以外の基で置換され、残部が水素原子である三置換アルケニルカルボン酸が挙げられる。
Figure 2018065117
上記式におけるR21は、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基等が挙げられる。R21における置換されていてもよい炭化水素基としては、本化合物における「置換されていてもよい炭化水素基」と同義である。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。
上記式におけるR22は、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基等が挙げられる。R22における置換されていてもよい炭化水素基としては、本化合物における「置換されていてもよい炭化水素基」と同義である。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。
上記式におけるR23は、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基等が挙げられる。R24における置換されていてもよい炭化水素基としては、本化合物における「置換されていてもよい炭化水素基」と同義である。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。
21、R22、R23で表される置換されていてもよいアルキル基としては、特に限定しないが、それぞれ独立して、直鎖状でも、分岐状でも或いは環状でもよい。アルキル基としては、例えば炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6の直鎖又は分岐もしくは環状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、セチル基、ステアリル基等の直鎖又は分岐のアルキル基;シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。例えば、メチル基、エチル基を含む炭素数1〜4のアルキル基や、シクロヘキシル基などの炭素数5〜8のシクロアルキル基が挙げられる。
21、R22、R23で表される置換されていてもよいアルケニル基としては、特に限定するものではないが、それぞれ独立して、炭素数2〜15、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6の直鎖あるいは分岐してもよい鎖状又は環状のアルケニル基が挙げられ、具体的にはビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基等が挙げられる。
(アルキニル基)
21、R22、R23で表される置換されていてもよいアルキニル基としては、炭素数2〜15、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6の、直鎖又は分岐していてもよいアルキニル基が挙げられ、具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基等が挙げられる。
(アリール基)
21、R22、R23で表される置換されていてもよいアリール基としては、特に限定するものではないが、例えば炭素数6〜20のアリール基が挙げられ、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナンスリル基、ビフェニル基、ターフェニル基等が挙げられる。
(アラルキル基)
21、R22、R23で表される置換されていてもよいアラルキル基としては、前記アルキル基の少なくとも1個の水素原子が上記アリール基で置換された基が挙げられ、例えば炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、具体的にはベンジル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルプロピル基、3−ナフチルプロピル基等が挙げられる。
21、R22、R23で表される置換されていてもよい脂肪族複素環基としては、例えば炭素数2〜14で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の、単環の脂肪族複素環基、或いは多環又は縮合環の脂肪族複素環基が挙げられる。脂肪族複素環基の具体例としては、例えば、ピロリジル−2−オン基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチエニル基等が挙げられる。
21、R22、R23で表される置換されていてもよい芳香族複素環基としては、例えば炭素数2〜15で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の、単環式ヘテロアリール基、或いは多環式又は縮合環式のヘテロアリール基が挙げられ、具体的にはフリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、ピリダジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、フタラジル基、キナゾリル基、ナフチリジル基、シンノリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
また、R21及びR22は、連結して環を形成していてもよい。かかる環は、R21及びR22が結合する二重結合を含む環であればよく、単環であってもよいし、2以上の環を有する多環であってもよい。これらの環は、置換されていてもよい。単環としては、特に限定するものではないが、R21、R22、R23において適用される、環状のアルケニル基、アリール基、アラルキル基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基が挙げられる。例えば、シクロペンタジエニル基、シクロペンテニル基、フェニル基等が挙げられる。多環は、架橋環、縮合環、スピロ環及び環集合(集合環)のいずれであってもよい。多環としては、少なくとも、R21及びR22が結合する二重結合を含む環(部分)を含み、当該環を含んだ多環であればよい。例えば、インデニル基等が挙げられる。
なお、上記した各種の炭化水素基における置換基は、既に説明した各種置換基がそのまま適用される。さらに、R21、R22、R23の炭化水素基における置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子が挙げられる。
アルケニルカルボン酸が三置換アルケニルカルボン酸であるとき、R21、R22、R23から選択される2つの置換部位は、一方が置換されていてもよいアルキル基であり、他方が置換されていてもよいアリール基又はアラルキル基であることが好ましい。
例えば、一方が、置換されていてもよい、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4程度の鎖状アルキル基などの比較的嵩が小さい官能基群(これらの置換基を第1の官能基群ともいう。)とすることができる。
また、他方が、置換されていてもよい、シクロヘキシル基などの炭素数5〜8程度の環状アルキル基、フッ素、塩素等のハロゲン原子、炭素数1〜4程度のアルキル基、炭素数1〜4程度のアルコキシ基などで置換されていてもよいアリール基などの第1の官能基群よりも嵩高い官能基群(これらの官能基を、第2の官能基群ともいう。)とすることができる。なお、フェニル基などのアリール基において、置換基による可能性ある置換部位は、特に限定するものではないが、例えば、アルケニルカルボン酸の二重結合に対する結合部分に対して、すなわち、当該結合部分を1位とすると、2位、3位及び4位のいずれであってもよいが、例えば、3位又は4位とすることができる。また、フェニル基などのアリール基において、置換基は、2以上であってもよい。
例えば、特に限定するものではないが、5員環ブロモラクトンの合成を意図する場合には、R21、R22、R23のうち、R23を水素原子として、R22又はR21を、第1の官能基群から選択される官能基を備え、R21又はR22を、第2の官能基群から選択される官能基を備えるものとしてもよい。R21を、第2の官能基群から選択される官能基とし、R22を、第1の官能基群から選択される官能基とすることが、好適である。
また、例えば、特に限定するものではないが、5員環ブロモラクトンの合成を意図する場合には、R21、R22、R23のうち、R22を水素原子として、R21又はR23を、第1の官能基群から選択される官能基を備えるものとし、R23又はR21を、第2の官能基群から選択される官能基を備えるものとしてもよい。R21を、第2の官能基群から選択される官能基とし、R23を、第1の官能基群から選択される官能基とすることが、好適である。
以下に、アルケニルカルボン酸からの5員環ブロモラクトンの合成例を示す。
Figure 2018065117
また、例えば、特に限定するものではないが、6員環ブロモラクトンの合成を意図する場合には、R21、R22、R23のうち、R21を水素原子として、R22又はR23を、第1の官能基群から選択される官能基を備えるものとし、R23又はR22を、第2の官能基群から選択される官能基を備えるものとしてもよい。R22を、第2の官能基群から選択される官能基とし、R23を、第1の官能基群から選択される官能基とすることが、好適である。
以下に、アルケニルカルボン酸からの6員環ロモラクトンの合成例を示す。
Figure 2018065117
なお、例示した5員環ブロモラクトン及び6員環ブロモラクトンにおける2つのキラル中心においていずれも逆配置の立体異性体を、用いる触媒の立体異性を逆にすることで合成することができる。
なお、上記式で表されるアルケニルカルボン酸は、炭素鎖部分において二重結合に対してカルボキシル基側にある2つの炭素原子に結合する水素原子は、本不斉合成反応の成立を阻害しない範囲で置換されていてもよい。置換基の種類は特に限定するものではないが、例えば、炭素数1〜4程度の低級アルキル基等が挙げられる。
(ブロモ化剤)
本不斉合成反応においては、公知のブロモ化剤から好適なブロモ化剤を適宜選択して用いることができる。ブロモ化剤としては、例えば、以下の式で表される化合物を用いることができる。N−Br結合を有するブロモ化剤、C−Br結合を有するブロモ化剤、P−Br又はS−Brなど結合を有するブロモ化剤等が挙げられる。
Figure 2018065117
本不斉合成反応において、本化合物の使用量は、特に限定するものでなく、不斉合成反応の収率や選択率を考慮して適宜設定することができる。例えば、本化合物は、アルケニルカルボン酸に対して1mol%以上20mol%以下使用することができる。また例えば、本化合物は、5mol%以上15mol%以下使用することもできる。さらに例えば、5モル%以上10mol%以下使用することができる。
本不斉合成反応において、基質化合物の使用量は、特に限定するものではなく、不斉合成反応の収率や選択性を考慮して適宜設定することができる。例えば、基質化合物は、0.005M以上の範囲で適宜設定することができる。例えば、0.010M以上であり、また例えば、0.02M以上であり、さらに例えば、0.025M以上である。また例えば、0.5M以下であり、さらに例えば、0.3M以下であり、さらにまた例えば、0.2M以下であり、また例えば、0.2M以下であり、さらにまた例えば、0.1M以下である。また例えば、0.05M以上0.3M以下である。
本不斉合成反応において、ブロモ化剤の使用量は、特に限定するものではなく、不斉合成反応の収率や選択性を考慮して適宜設定することができる。例えば、基質化合物に対して、特に限定するものではないが、当量として等量以上であることが好ましい。例えば、1.0当量以上であり、また例えば、1.1当量以上であり、さらに例えば、1.2当量以上であり、さらに例えば、1.3当量以上である。
本不斉合成反応においては、必要に応じて、本不斉合成反応を阻害しない範囲で溶媒を用いることができる。特に限定するものではないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、重クロロホルム、四塩化炭素、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジクロペンチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類、アセトン、重アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、tert−ブタノール等の3級アルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、重ジメチルスルホキシド(ジメチルスルホキシド−d等)等のスルホキシド類、アセトニトリル等の含シアノ有機化合物類、N−メチルピロリドン等が挙げられる。これら溶媒は、それぞれ単独で用いても2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
溶媒を用いる場合、その使用量は、当該溶媒の種類や、用いる本化合物、基質化合物及びブロモ化剤の種類等により異なるため、反応によって適宜選択すればよい。
本不斉合成反応は、大気中あるいは不活性ガス雰囲気下で行うことができる。不活性ガスとしては窒素ガス、アルゴンガス等の1種又は2種以上が挙げられる。また、常圧でもよいし、加圧あるいは減圧条件も適宜選択することができる。
反応温度は、通常約−100〜100℃、好ましくは約−80〜50℃、より好ましくは−80℃〜室温付近の範囲から適宜選択される。また好適には、−80℃〜0℃の範囲、また好適には、−50℃〜0℃の範囲から適宜選択される。 反応時間は、通常数時間から30時間程度、好ましくは数時間から20時間程度、より好ましくは10時間から18時間程度とすることができる。反応中、必要に応じて撹拌してもよい。
上記反応により得られたキラルブロモラクトンは、必要に応じて後処理、精製、単離等を行ってもよい。 このようにして得られたキラルブロモラクトンは、医薬、農薬等の中間体等として有用である。
(キラルブロモラクトン)
本開示によれば、新規なキラルブロモラクトンが提供される。例えば、第1の態様のキラルブロモラクトンとしては、以下の式で表される5員環ブロモラクトンが挙げられる。
Figure 2018065117
上記式において、R21、R22、R23は、既に説明した、アルケニルカルボン酸におけるのと同義である。
また、例えば、第2の態様のキラルブロモラクトンとしては、以下の式で表される6員環ブロモラクトンが挙げられる。
Figure 2018065117
上記式において、R21、R22、R23は、既に説明した、アルケニルカルボン酸におけるのと同義である。また、こうしたブロモラクトンとしては、以下の実施例において示す化合物3a、3a’、3b、3c、3d、3e、3f、3h、3i、3j、5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h、5iが挙げられる。また、これらの化合物の2つの不斉中心のそれぞれについて逆の立体配置を有する化合物も挙げられる。
こうしたキラルブロモラクトンは、2つの連続したキラル中心を有することができる。また、ブロム基を有することができる。こうしたラクトン構造を有する種々の有用物質の出発物質、中間体として有用である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下においては、光学活性化合物の一方のエナンチオマーのみを示すが、他方のエナンチオマーについても同様であり、その反応は同様に進行する。
(キラルピリジルリン酸アミドの合成)
本実施例では、光学活性ビナフトール誘導体とアミノピリジン誘導体とのリン酸基を介した縮合反応により、キラルピリジルリン酸アミドを合成した。すなわち、既知の光学活性3,3’-置換ビナフトールに対し、CH2Cl2中トリエチルアミン、DMAP存在下、オキシ塩化リンを作用させる条件にて反応させた後、アセトニトリル、2-アミノピリジンを加えることで目的のピリジルリン酸アミド1a-dを合成した。以下に本実施例における合成スキーム1及び各種置換基を示す。
Figure 2018065117
(合成方法)
スキーム1に示す各種の置換基Arを有する(R)-3,3’-Ar2-1,1’-bi-2-naphthol (1 eq.)、DMAP (1.2 eq.)を乾燥した反応容器に量り入れ、Ar置換する。Dry CH2Cl2 (0.2 M)を加えて撹拌し、0 °Cに冷却後、dry Et3N (4.2 eq.)、POCl3 (1.2 eq.)を加え、室温で1時間撹拌する。その後、dry acetonitrile (0.2 M)で溶かした2-aminopyridines (1.5-2.0 eq.)を加えover night撹拌する。精製水を加えて反応を停止し、水層をCH2Cl2で抽出し、有機層をbrineで洗浄、Na2SO4で乾燥、吸引ろ過する。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラムにて精製し、各種ピリジルリン酸アミドを得た。
図1に、得られた化合物の構造式、収率、目的物の外観、NMRデータ、MSデータ等を示す。
(三置換オレフィンを有するカルボン酸に対する分子内不斉ブロモラクトン化反応1(各種ピリジルリン酸アミドによる5員環ブロモラクトンの合成)
標準条件として、実施例1で合成した各種ピリジルリン酸アミド10 mol%, N−ブロモスクしミド(NBS )(1.2 当量)、トルエンを用いて、各種の三置換オレフィンを有するカルボン酸(0.025 M)を用いて、以下に示すスキーム2に従いキラルブロモラクトンを合成した。
すなわち、エントリ1では、スキーム2に示す合成条件に従い、よく乾燥した30 mLナスフラスコに基質化合物 (0.1 mmol)、ピリジルリン酸アミド1a (7.7 mg, 10 mol%)を入れ、反応容器を窒素置換した。ここにトルエン(3.6 mL)を加えた後、-50 ℃に冷却して撹拌した。ここにN-bromosuccinimide (21.4 mg, 0.12 mmol)を入れ、dry toluene (0.4 mL)で反応容器を洗い、-50℃にて18時間攪拌した。TLCにて反応の進行を確認後、10%チオ硫酸ナトリウム加えて10分攪拌した後に、室温に戻した。反応液を酢酸エチルにて希釈し、飽和食塩水で洗浄した。油層をNa2SO4を用いて乾燥させ、減圧濃縮を行い油状物質を得た。これをカラムクロマトグラフィー (CH2Cl2/Hexane=40/60から50/50)にて精製し、目的物を白色固体として得た。得られた固体の一部をEtOH/Hexaneに溶解させ、キラルHPLC分析を行うことで鏡像体過剰率を算出した (HPLC条件:Chiralpak OJ-H, EtOH/Hexane=40/60, 0.8mL/min)。以下、スキーム2及びエントリ2〜12で規定する条件に従い、キラルブロモラクトンを合成した。これらの結果(エントリ1〜12)を併せて以下に示す。
Figure 2018065117
エントリ1〜12の結果に示すように、化合物1aが、反応収率とエナンチオ選択性が良好であった。触媒構造の異なる1b-cを用いた実施例がエントリ 2-4で、いずれも1aを用いた場合と比較しておおよそ同等程度であった。なお、1dは、収率は良好ではなかったが、選択性は両区であった。また、1aの触媒量を10 mol%から5 mol%にすると選択性が低下した (エントリ 5)。また、トルエンが良好な溶媒であった(エントリ6, 7)。さらに、基質濃度に関しては0.025 Mが最適であり (エントリ 8, 9)、温度は-50℃が最適であるとわかった (エントリ 10, 11)。またNBS以外のブロモ化剤としてDBDMHを用いると選択性が若干低下した(エントリ12)。
(三置換オレフィンを有するカルボン酸に対する分子内不斉ブロモラクトン化反応2(各種基質化合物を用いた5員環ブロモラクトンの合成)
実施例2におけるエントリ1の条件に準じて、以下のスキーム3のエントリ1〜10に示す各種の基質化合物から、化合物1aを用いて5員環キラルブロモラクトンを合成した。
すなわち、よく乾燥した30 mLナスフラスコに基質化合物 (0.1 mmol)、ピリジルリン酸アミド1a (7.7 mg, 10 mol%)を入れ、反応容器を窒素置換した。ここにトルエン (3.6 mL)を加えた後、-50 ℃に冷却して撹拌した。ここにN-bromosuccinimide (21.4 mg, 0.12 mmol)を入れ、dry toluene (0.4 mL)で反応容器を洗い、-50℃にて18時間攪拌した。TLCにて反応の進行を確認後、10%チオ硫酸ナトリウム加えて10分攪拌した後に、室温に戻した。反応液を酢酸エチルにて希釈し、飽和食塩水で洗浄した。油層をNa2SO4を用いて乾燥させ、減圧濃縮を行い油状物質を得た。これをカラムクロマトグラフィー (CH2Cl2/Hexane=40/60から50/50)にて精製し、目的物を白色固体として得た。得られた固体の一部をEtOH/Hexaneに溶解させ、キラルHPLC分析を行うことで鏡像体過剰率を算出した (HPLC条件:Chiralpak OJ-H, EtOH/Hexane=40/60, 0.8mL/min)。これらの結果(エントリ1〜10)を併せて以下に示す。また、図2に合成した化合物とその同定情報を示す。
なお、基質化合物2aは、E:Z=7:100の混合物であったため、E体に由来する5員環ブロモラクトンも化合物3a’として確認できた。化合物3a’を併せて図2に示す。
Figure 2018065117
以上に示すように、基質化合物2gを除いては、高い収率と高い選択性でキラルブロモラクトンを得ることができた。以上のことから、ピリジルリン酸アミドは、幅広い基質化合物に対して作用してキラルブロモラクトンを合成できることがわかった。
(三置換オレフィンを有するカルボン酸に対する分子内不斉ブロモラクトン化反応3(各種基質化合物を用いた6員環ブロモラクトンの合成)
実施例2におけるエントリ1の条件に準じて、以下のスキーム4のエントリ1〜10に示す各種の基質化合物から、化合物1aを用いて6員環キラルブロモラクトンを合成した。
すなわち、よく乾燥した30 mLナスフラスコに4a(18.8 mg, 0.1 mmol)、ピリジルリン酸アミド1a (7.7 mg, 10 mol%)を入れ、反応容器を窒素置換した。ここにトルエン (3.6 mL)を加えた後、-50 ℃に冷却して撹拌した。ここにN-bromosuccinimide (21.4 mg, 0.12 mmol)を入れ、dry toluene (0.4 mL)で反応容器を洗い、-20℃にて15時間攪拌した。TLCにて反応の進行を確認後、10%チオ硫酸ナトリウム加えて10分攪拌した後に、室温に戻した。反応液を酢酸エチルにて希釈し、飽和食塩水で洗浄した。油層をNa2SO4を用いて乾燥させ、減圧濃縮を行い油状物質を得た。これをカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン=10/90から20/80)にて精製し、目的物を無色油状物質として得た。得られた固体の一部をEtOH/Hexaneに溶解させ、キラルHPLC分析を行うことで鏡像体過剰率を算出した (HPLC条件:Chiralpak OD-H, iPrOH/Hexane=10/90,1.0mL/min)。これらの結果(エントリ1〜10)を併せて以下に示す。また、図3に合成した化合物とその同定情報を示す。
Figure 2018065117
以上に示すように、基質化合物の構造的相違によって、収率及び選択率に相違はあったが、種々の基質化合物について高い収率及び選択率で6員環キラルブロモラクトンを得ることができた。収率及び選択率は、反応温度の選択及び触媒であるピリジルリン酸アミドを適宜選択することで適宜改善できることもわかった。

Claims (10)

  1. 以下の式(1)で表されるピリジルリン酸アミド化合物である、不斉ブロモラクトン化触媒。
    Figure 2018065117
    (式中、Aは不斉源を表し、R10は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、R11は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表す。)
  2. 多置換オレフィンを有するカルボン酸からキラルブロモラクトンを合成する触媒である、請求項1に記載の触媒。
  3. 前記キラルブロモラクトンは、6員環ラクトンである、請求項1又は2に記載の触媒。
  4. 光学活性である、請求項1〜3のいずれかに記載の触媒。
  5. 軸不斉に基づく光学活性体である、請求項1〜4のいずれかに記載の触媒。
  6. 前記Aは、以下から選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の触媒。
    Figure 2018065117
    (上記式中、R1は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基又は置換シリル基を示し、R2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は水酸基を示し、R3は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は水酸基を示し、R4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を示し、R5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基又は置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基を示し、R6は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)
  7. 前記R10は、メチル基以上の電子供与性を有する基である、請求項1〜6のいずれかに記載の触媒。
  8. 不斉ブロモラクトンの合成方法であって、
    請求項1〜7のいずれかに記載のピリジルリン酸アミド化合物及びブロモ化剤の存在下で、多置換オレフィンを有するカルボン酸から不斉ブロモラクトンを合成する工程、を備える、方法。
  9. 前記多置換オレフィンは、3置換オレフィンである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記キラルブロモラクトンは、6員環ラクトンである、請求項8又は9に記載の方法。
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