JP2018062715A - 印刷用紙及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性を有しながら印刷用紙として十分な着肉性を確保し、高速オフセット印刷に対応可能な十分なZ軸強度を有し、印刷後の加熱乾燥の際のブリスターの発生が抑制できる印刷用紙、及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、原料パルプ、アミドアミン化合物及びポリアクリルアミド系紙力増強剤を含有し、上記原料パルプが広葉樹クラフトパルプを75質量%以上含有し、上記原料パルプのフリーネスが400mL以上である原紙と、上記原紙の表裏面から含浸し、澱粉、及びスチレン系サイズ剤を主成分とする表面サイズ剤から形成された含浸層と、上記含浸層の少なくとも一方の外面に積層され、顔料及び接着剤を含有する被覆層とを有し、Z軸方向の剥離強度が600kPa以上、ブリスター発生温度が170℃以上である印刷用紙である。【選択図】図1

Description

本発明は、印刷用紙及びその製造方法に関する。
印刷用紙として、比較的低密度で紙厚がありながら柔軟性に優れ、また印刷機での断紙が発生しにくい紙の需要が広まってきている。この柔軟性に優れる紙においては、界面活性剤等の柔軟剤の添加によりパルプ繊維間の結合を弱めて繊維間を離間させることで紙層間に空隙を多く確保し紙厚を高め、所謂基紙の密度を下げ、柔軟性と共に付随的に嵩高効果が高められている(特開2004−131922号公報参照)。
しかし、このような柔軟剤を用いた場合、上述のようにパルプ繊維間の結合が弱まるため、引張りや引裂き、Z軸強度等の紙力強度が低下する。そのため、特に近年の高速オフセット印刷に耐えうるような強度や、印刷後の乾燥加熱の際のブリスター(水ぶくれ)の発生が抑制された柔軟性と紙力強度を保持した紙(印刷用紙)が望まれている。
特開2004−131922号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、柔軟性を有しながら印刷用紙として十分な着肉性を確保し、高速オフセット印刷に対応可能な十分なZ軸強度を有し、印刷後の加熱乾燥の際のブリスターの発生が抑制できる印刷用紙、及びその製造方法を提供することである。
上記課題を解決するためになされた発明は、原料パルプ、アミドアミン化合物及びポリアクリルアミド系紙力増強剤を含有し、上記原料パルプが広葉樹クラフトパルプを75質量%以上含有し、上記原料パルプのフリーネスが400mL以上である原紙と、上記原紙の表裏面から含浸し、澱粉、及びスチレン系サイズ剤を主成分とする表面サイズ剤から形成された含浸層と、上記含浸層の少なくとも一方の外面に積層され、顔料及び接着剤を含有する被覆層とを有し、Z軸方向の剥離強度が600kPa以上、ブリスター発生温度が170℃以上である印刷用紙である。
当該印刷用紙によれば、所定の原料パルプと、アミドアミン化合物と、ポリアクリルアミド系紙力増強剤とを原紙に含有させることで、柔軟性と紙力強度を高めることができ、さらにこの原紙の両面から所定成分を含有する含浸液を含浸させることによって含浸層を形成することにより、さらに強度を高め、ブリスターの発生を抑制することができる。特に当該印刷用紙は、Z軸方向の剥離強度が600kPa以上と、高いZ軸強度を有する。また、当該印刷用紙は、上記構成を有することで十分な着肉性等も備えることができる。
上記アミドアミン化合物の上記原料パルプに対する含有量が固形分で2kg/パルプt以上10kg/パルプt以下であり、上記ポリアクリルアミド系紙力増強剤が両性であり、かつ上記ポリアクリルアミド系紙力増強剤の上記原料パルプに対する含有量が固形分0.4kg/パルプt以上1.6kg/パルプt以下であり、上記含浸層の片面あたりの固形分含有量が0.4g/m以上1.2g/m以下であり、上記含浸層が上記原紙の厚み方向全域に形成されていることが好ましい。
このような含有量でアミドアミン化合物及びポリアクリルアミド系紙力増強剤を用い、また、含浸層の量を上記範囲とすることで、アミドアミン化合物の含有による柔軟性の確保と紙力強度の低下の性状とポリアクリルアミド系の紙力増強剤を加えることによる紙が硬くなる性状と紙力強度の向上との相反する性状を両立させながら、柔軟性と紙力強度を担保することなどができる。
上記原紙が内添サイズ剤をさらに含有し、上記内添サイズ剤がカチオン性のアルキルケテンダイマーサイズ剤であることが好ましい。上記構成に加え、アルキルケテンダイマーサイズ剤を内添させることにより、柔軟性と紙力強度の相反する効果をより両立させることなどができる。
上記スチレン系サイズ剤がアニオン性のスチレンアクリレートサイズ剤であることが好ましい。このようなスチレン系サイズ剤を用いることで、紙力強度をより高めることなどができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、原料パルプ、アミドアミン化合物及びポリアクリルアミド系紙力増強剤を含有し、上記原料パルプが広葉樹クラフトパルプを75質量%以上含有し、上記原料パルプのフリーネスが400mL以上である原料パルプスラリーを抄紙する工程、上記抄紙工程を経て得られた原紙の表裏面から、澱粉、及びスチレン系サイズ剤を主成分とする表面サイズ剤を含有する含浸液を2ロールサイズプレスにより原紙の厚み方向全域に含浸させる工程、及び上記含浸工程を経た原紙の少なくとも片面側に、顔料及び接着剤を含有する被覆層を積層する工程を備える印刷用紙の製造方法である。
当該製造方法によれば、軽量化及び印刷用紙として十分な着肉性を確保しながら、高速オフセット印刷に対応可能な十分なZ軸強度を有し、印刷後の加熱乾燥の際のブリスターの発生が抑制できる印刷用紙を得ることができる。特に、2ロールサイズプレスを用いることで、十分な含有量の含浸層を形成することができ、Z軸強度の高い印刷用紙を効率的に製造することができる。
なお、「主成分」とは、固形分として質量基準で最も含有量が多い成分を言う。また、各成分の原料パルプに対する含有量は、製造時の原料パルプのスラリーにおける原料パルプに対する添加量と同一であるとみなすことができる。
本発明によれば、柔軟性及び印刷用紙として十分な着肉性を確保しながら、高速オフセット印刷に対応可能な十分なZ軸強度を有し、印刷後の加熱乾燥の際のブリスターの発生が抑制できる印刷用紙、及びその製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷用紙の模式断面図である。 図2は、図1とは異なる実施形態に係る印刷用紙の模式的断面図である。
以下、適宜図面を参照にしつつ、本発明の一実施形態に係る印刷用紙、及びその製造方法について詳説する。
<印刷用紙>
本発明の一実施形態に係る印刷用紙は、原紙、この原紙の表裏面(両面)から含浸している含浸層、及び上記含浸層の少なくとも一方の外面に積層される被覆層を有する。
<原紙>
上記原紙は、原料パルプ(パルプ繊維)を主成分とし、アミドアミン化合物とポリアクリルアミド系紙力増強剤とが少なくとも含有されている。上記原紙は、アミドアミン化合物、ポリアクリルアミド系紙力増強剤及び必要に応じてその他の添加剤が添加された原料パルプのスラリーを抄紙して得られる。
(原料パルプ)
上記原料パルプとしては、広葉樹クラフトパルプ(NKP)を75質量%以上含有し、上記原料パルプのフリーネスが400mL以上であるものが用いられる。原料パルプに用いられるパルプとしては、例えばバージンパルプ、古紙パルプ、これらを組み合わせたもの等を適宜用いることができる。
バージンパルプとしては、針葉樹クラフトパルプ(NKP)の他、広葉樹クラフトパルプ(LKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ;ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ;ケナフ、麻、葦等の非木材繊維から化学的又は機械的に製造されたパルプ等の公知の種々のパルプが挙げられる。
古紙パルプとしては、例えば茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ(DIP)、離解・脱墨・漂白古紙パルプ等が挙げられる。
上記原料パルプとしては、上述のようにLKPを75質量%含有する。このLKPの含有量としては、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましい。また、このLKPの含有量は、100質量%であってもよいが、95質量%以下であることが好ましい。さらに、LKP以外の原料パルプとしては、NKPを用いることが好ましい。NKPの含有量としては、5質量%以上が好ましい。また、NKPの含有量としては、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。このような原料パルプを用いることで、原紙における繊維間空隙、繊維間結合、密度等をバランスよく好適な状態とすることができ、柔軟性と印刷適性とを共に高めることなどができる。
上記原料パルプのフリーネスの下限としては、400mLであり、450mLが好ましく、470mLがより好ましい。一方、この上限としては、例えば600mLとすることができ、550mLが好ましい。原料パルプのフリーネス(ろ水度)を上記範囲とすることで、当該印刷用紙の柔軟性及び紙力強度を確保しながら低密度性等をバランスよく向上させられる傾向がある。また、このように比較的フリーネスが高く、解繊が少ない繊維からなる原料パルプを用いることで、繊維間の間隙が多くなり柔軟性と付随効果で低密度性を得やすくなる利点を有する。元来解繊が少ない繊維は比表面積が少なくなりアミドアミン化合物やポリアクリルアミド系紙力増強剤の定着性が低くなる傾向を示すが、本件発明者らの知見では、原料パルプ中や原紙表面に含浸させる各種機能性薬剤のイオン性を所望の組み合わせで用いることで、アミドアミン化合物やポリアクリルアミド系紙力増強剤の定着性を高めることができる。なお、このように比較的フリーネスの高い原料パルプを用いた場合、通常紙力強度は低下する傾向にあるが、当該印刷用紙においては、前記所望のイオン性を組み合わせ各種機能性薬剤の使用と、特定の含浸層を設けることによって、十分な強度を維持することができる。なお、フリーネスとは、JIS−P−8121(1995年)に準拠して測定したカナディアンスタンダードフリーネスをいう。
上記フリーネスの調整方法としては、特に限定されないが、例えばディスク型、コニカル型等の各種の叩解機を用いて又は用いないで所定のろ水度となるように必要に応じて原料パルプを叩解する方法等が挙げられる。
(アミドアミン化合物)
アミドアミン化合物は、良好な柔軟性や付随的な効果として低密度性等を付与するために添加される。また、アミドアミン化合物は、他の界面活性剤や脂肪酸類の柔軟剤と比べて、発泡性が低く、効率的な抄紙を行うことができる。上記アミドアミン化合物としては、下記式(1)で表される化合物又はこの塩を挙げることができる。
Figure 2018062715
式(1)中、RCOは、炭素数10〜24のアシル基である。Rは、炭素数2〜4のアルキレン基である。R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基である。
上記炭素数10〜24のアシル基は、脂肪酸に由来する構造を挙げることができる。この脂肪酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の鎖状飽和脂肪酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸等の分岐脂肪酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の不飽和脂肪酸などを挙げることができる。これらの中で、炭素数が16〜22のカルボン酸が好ましい。
上記炭素数2〜4のアルキレン基(アルカンジイル基)としては、エチレン基、プロピレン基及びブチレン基を挙げることができ、プロピレン基が好ましい。
上記炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等を挙げることができる。これらの中で、エチル基が好ましい。
上記式(1)で表される化合物の塩は、上記化合物を酸により中和することにより得ることができる。この酸としては、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、グルコン酸、サルチル酸、ヒドロキシ吉草酸、アストラギン酸、グルタミン酸、タウリン、スルファミン酸等の有機酸を挙げることができる。これらの中で蟻酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、およびグルコン酸が好ましい。アミドアミン化合物をこのような塩の形態で用いる場合、カチオンとして存在するため、アニオン性のパルプに対する定着性が高まる。アミドアミン化合物の市販品としては、日油(株)製「ニチユマーAC−1」が挙げられる。
原紙におけるアミドアミン化合物の含有量としては特に限定されないが、例えば原料パルプに対する下限として、固形分で2kg/パルプtが好ましく、4kg/パルプtがより好ましい。一方、この上限としては、固形分で10kg/パルプtが好ましく、9kg/パルプtがより好ましい。アミドアミン化合物の含有量を上記範囲とすることで、柔軟性、密度、強度等をバランスよくより良好な状態とすることができる。なお、「kg/パルプt」とは、絶乾パルプあたりの固形分換算の質量を示す(以下同様)。
(ポリアクリルアミド系紙力増強剤)
ポリアクリルアミド系紙力増強剤としては、アニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、及び両性ポリアクリルアミドのいずれも好適に用いることができる。
上記ポリアクリルアミドにおいては、25℃における10%水溶液の粘度が3,000mPa・s以上20,000mPa・s以下であることが好ましい。この粘度が3,000mPa・s未満の場合、ポリアクリルアミドによる微細繊維の凝集効果が不十分となり、抄紙工程においてろ水性と歩留まりとが低下する。また、この粘度が20,000mPa・sを超える場合、微細繊維の凝集効果が大きくなり過ぎ、紙表面の均一性を低下させる。なお、粘度はポリアクリルアミドの10質量%水溶液を、25℃においてB型粘度計(ロータNo.4、30rpm)で測定した値とする。
ポリアクリルアミドのうちアニオン性ポリアクリルアミドとしては、アクリルアミドと、アクリル酸やメタクリル酸等のアニオン性モノマーとの共重合物、ポリアクリルアミドの部分加水分解物等が挙げられる。カチオン性ポリアクリルアミドとしては、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、ホフマン分解物、アクリルアミドとカチオン性モノマーの共重合物等が挙げられる。カチオン性モノマーとしては、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジエチルアンモニウムクロライド、メタアクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタアクロイルオキシエチルアンモニウムメチルクロライド、メタアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。両性ポリアクリルアミドとしては、アクリルアミドと上記のアニオン性モノマー及びカチオン性モノマーの共重合物、アクリルアミドと上記のアニオン性モノマーとの共重合物のマンニッヒ変性物、ホフマン分解物等が挙げられる。これらの中でも、カチオン性ポリアクリルアミド及び両性ポリアクリルアミドが、しなやかな手触り感の向上及び強度低下抑制の観点などから好ましい。
本件発明者らの知見では、特に両性ポリアクリルアミドが好ましく、両性ポリアクリルアミドは、自己定着機能を有しているため、紙間強度を向上させるべく増添したとしても、カチオン過多になることがなく、抄紙系内の電荷を安定的に維持することができ単にカチオン性アクリルアミドやアニオン性アクリルアミドを添加するのみでは実現できない程度まで表面強度や印刷適性を向上させることができ、本件発明の構成にあるアミドアミン化合物と併用することで、良好な柔軟性を得ながら付随効果である低密度性を得ることができ、課題である柔軟性及び印刷用紙として十分な着肉性を確保しながら、高速オフセット印刷に対応可能な十分なZ軸強度を有し、印刷後の加熱乾燥の際のブリスターの発生が抑制できる印刷用紙、及びその製造方法を提供することができる。
ポリアクリルアミド系紙力増強剤の原料パルプに対する含有量の下限としては、固形分で例えば0.1kg/パルプtであってよいが、0.4kg/パルプtが好ましく、0.6kg/パルプtがより好ましい。一方、この上限としては、固形分で例えば2kg/パルプtであってよいが、1.6kg/パルプtが好ましく、1.4kg/パルプtがより好ましい。ポリアクリルアミド系紙力増強剤の含有量を上記範囲とすることで、適度な柔軟性を備えつつ、良好な強度を発揮することなどができる。
(内添サイズ剤)
上記原紙には、内添サイズ剤がさらに含有されていることが好ましい。内添サイズ剤が含有されていることで、パルプ繊維の疎水性が高まり、柔軟性をより高めることなどができる。
上記内添サイズ剤としては、特に限定されないが、例えばロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)系サイズ剤、アルキル無水コハク酸(ASA)系サイズ剤、アルキルケテンダイマーサイズ剤等を挙げることができる。これらの中でも、アルキルケテンダイマーサイズ剤が好ましい。アルキルケテンダイマーサイズ剤を内添させることにより、強度をより高めることなどができる。
発明者らの知見では、特に、サイズ剤としてカチオン性アルキルケテンダイマーを用いることで、本発明はさらに有利に達成される。カチオン性アルキルケテンダイマーはアミドアミン化合物と同時に使用することにより、その歩留まりを向上させることが出来、更には、ポリアクリルアミド系紙力増強剤、特には両性のポリアクリルアミド系紙力増強剤と併用することが望ましい。
両性のポリアクリルアミド系紙力増強剤が持つ、アニオン性基とカチオン性基が介在することで、アミドアミン化合物による柔軟性と低密度性を醸し出しながら、紙力向上効果とサイズ性を両立し、課題である軽量化及び印刷用紙として十分な着肉性を確保しながら、高速オフセット印刷に対応可能な十分なZ軸強度を有し、印刷後の加熱乾燥の際のブリスターの発生が抑制できる印刷用紙、及びその製造方法を提供することができる。
原紙における上記内添サイズ剤の含有量としては、例えば0.1kg/パルプt以上が好ましく、0.2kg/パルプt以上がより好ましい。また、この内添サイズ剤の含有量としては、2kg/パルプt以下が好ましく、1kg/パルプt以下がより好ましく、0.5kg/パルプt以下がさらに好ましく、0.4kg/パルプt以下が特に好ましい。内添サイズ剤の含有量を上記範囲とすることで、低密度性を維持しつつ、強度をより高めることなどができる。
上記ポリアクリルアミド系紙力増強剤と内添サイズ剤との質量比としては、1:4以上1:2以下が好ましい。ポリアクリルアミド系紙力増強剤と内添サイズ剤との質量比を上記範囲とすることにより、低密度性と強度とをよりバランスよく高めることができる。ポリアクリルアミド系紙力増強剤の比が高まると低密度性が低下する傾向にあり、内添サイズ剤の比が高まると紙力強度が低下する傾向にある。
(その他の製紙用助剤等)
上記原紙には、本発明の効果を損なわない範囲でその他の製紙用助剤が添加されていてもよい。その他の製紙用助剤としては、例えば、ポリアクリルアミド系紙力増強剤以外の内添紙力増強剤、歩留り向上剤(凝結剤、凝集剤)、填量等が挙げられる。なお、軽量化を図るために、原料パルプには積極的に填量を添加しないことが好ましい。
上記内添紙力増強剤としては、例えばカチオン化澱粉等の天然高分子系紙力剤等が挙げられる。上記歩留り向上剤としては、例えば硫酸バンド(硫酸アルミニウム)、アニオン性ポリアクリルアミド、澱粉、カルボキシメチルセルロース、コロイダルシリカ等が挙げられる。
<含浸層>
上記含浸層は、上記原紙の両面双方からの含浸液の含浸により形成されている。この含浸層により当該印刷用紙の強度を高めることができる。また、原紙への顔料の沈み込みを抑制することができ、その結果当該印刷用紙の柔軟性、平坦性、印刷適性(着肉性)等を高めることもできる。
上記含浸層に関し、図1に示す印刷用紙10のように、含浸層12が原紙11の厚み方向全域に形成されていてもよいし、図2に示す印刷用紙20のように、2つの含浸層22a、22bが原紙21の各面側に別々に存在するように形成されていてもよい。また、図1の含浸層12の両外面には、それぞれ被覆層13が形成されており、図2の含浸層22a、22bの各外面には、それぞれ被覆層23が形成されている。なお、図1、図2においては、含浸の度合いを示すために、原紙11、21の両端部分には含浸層12、22a、22bが形成されていないように図示したが、通常、原紙の端部にまで含浸層は形成される。また、含浸層の一部は、原紙中に含浸していなくてもよい。
図1の印刷用紙10においては、原紙の両面双方からの含浸液が原紙全体に含浸した結果、含浸層12が原紙11の全体に形成されている。このように、含浸層12が原紙11の厚み方向全域に形成されていることにより、強度をより高めることなどができる。なお、含浸層が原紙の厚み方向全域に形成されていない場合、2層の含浸層の合計の平均厚さとしては、原紙の平均厚さの50%以上が好ましく、90%以上が好ましい。
上記含浸層は、澱粉と、スチレン系サイズ剤を主成分とする表面サイズ剤とを含有する。このような成分を含む含浸層を形成することにより、アミドアミン化合物等により繊維間の強度が弱められた当該印刷用紙の強度を高めることができる。
(澱粉)
上記澱粉としては、コーンスターチ(とうもろこし澱粉)、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉等の各種の未加工、又は加工澱粉を使用することができる。
また、澱粉としては、酸化澱粉、カチオン化澱粉、カルボキシメチル化澱粉、α化澱粉、酢酸エステル化澱粉、尿素リン酸変性澱粉、未変性澱粉等を用いることができるが、これらの中でも酸化澱粉及びカチオン化澱粉が好ましい。酸化澱粉やカチオン化澱粉を用いることで、原紙内への含浸性が高まり、得られる印刷用紙の強度をより高めることなどができる。
上記澱粉の含有量としては、原紙の原料パルプに対して、10kg/パルプt以上50kg/パルプt以下が好ましい。澱粉の含有量を上記範囲とすることにより、得られる印刷用紙の強度等をより良好なものとすることができる。
(表面サイズ剤)
上記表面サイズ剤はスチレン系サイズ剤を主成分とする。スチレン系サイズ剤は、原紙への含浸性も良好であり、効果的にサイズ性を発揮することなどができる。スチレン系サイズ剤としては、スチレン/アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/マレイン酸半エステル共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体等を挙げることができる。
上記表面サイズ剤としては、上述した各スチレン系サイズ剤の中でも、スチレンアクリレートサイズ剤が好ましい。スチレンアクリレートサイズ剤とは、スチレンと(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体であるサイズ剤をいう。このようなサイズ剤を用いることで、内添したアミドアミン化合物及びポリアクリルアミド系紙力増強剤との組み合わせの効果により、より効果的なサイズ性等を発揮することができ、印刷適正等を高めることができる。
表面サイズ剤としては、スチレン系サイズ剤のみを用いてもよいが、他のサイズ剤と併用してもよい。他のサイズ剤としては、アクリレート系サイズ剤、アルキルケテンダイマー等が挙げられる。
発明者らの知見では、スチレン系サイズ剤を表面サイズ剤としてもちいること、特にアニオン性のスチレン系サイズ剤を用いることで、基材に内添されるアミドアミン化合物及びポリアクリルアミド系紙力増強剤とのイオン性による結合で、課題である軽量化及び印刷用紙として十分な着肉性を確保しながら、高速オフセット印刷に対応可能な十分なZ軸強度を有し、印刷後の加熱乾燥の際のブリスターの発生が抑制できる印刷用紙、及びその製造方法を提供することができる。
表面サイズ剤(スチレン系サイズ剤)の含有量としては、原紙の原料パルプに対して、0.1kg/パルプt以上1kg/パルプt以下が好ましい。表面サイズ剤の含有量を上記範囲とすることによって、原紙への顔料の沈み込みを効果的に抑制することなどができる。
上記含浸層又は含浸液における澱粉と表面サイズ剤との混合比は、重量比で1:20〜20:1が好ましい。この範囲を超えて澱粉が多くなると吸水抵抗性が低下する。また、この範囲を超えてスチレン系サイズ剤が多くなると強度が低下する。すなわち、この混合比の範囲内であれば課題である軽量化及び印刷用紙として十分な着肉性を確保しながら、高速オフセット印刷に対応可能な十分なZ軸強度を有し、印刷後の加熱乾燥の際のブリスターの発生が抑制できる印刷用紙、及びその製造方法を提供するに好適である。
上記含浸層には、上述した澱粉及び表面サイズ剤以外の成分が含有されていてもよい。このような他の成分としては、例えばポリアクリルアミド(PAM)、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリル系樹脂、ポリアミド・ポリアミン系樹脂、尿素・ホルマリン系樹脂、メラミン・ホルマリン系樹脂、ポリエチレンイミン等の紙力増強剤などが挙げられる。
上記含浸層の片面あたりの質量(塗工量又は含有量)の下限としては、0.4g/mが好ましく、0.6g/mがより好ましい。一方、この上限としては、1.2g/mが好ましく、1.0g/mがより好ましい。上記含浸層の片面あたりの質量とは、例えば図2のように、含浸層22aと含浸層22bとに含浸層が各面側に分離している場合は、各含浸層それぞれの単位面積あたりの質量である。また、図1のように、両面から含浸した含浸液が全体に含浸し、1つの含浸層12を形成している場合、含浸層12の好適な単位面積あたりの質量は、上記片面あたりの質量の2倍である。片面あたりの含浸層の質量を上記範囲とすることで、低密度性を維持しながら強度をより高めることなどができる。
<被覆層>
上記被覆層は、顔料と接着剤とを含有し、通常、この顔料と接着剤とを主成分とする。当該印刷用紙がこのような被覆層を有することなどにより、印刷用紙として十分な着肉性等を発揮することができる。上記被覆層は、通常、上記含浸層が形成された原紙への塗工液の塗工により積層される。被覆層は、原紙の少なくとも片面に積層されるが、原紙の両面に積層されていてもよい。なお、「顔料と接着剤とを主成分とする被覆層」とは、被覆層が顔料と接着剤とを被覆層全体に対して固形分換算で50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上含有することをいう。被覆層は、本発明の効果を損なわない範囲で、顔料及び接着剤以外のその他の塗工用助剤を任意に含有することもできる。
(顔料)
上記顔料としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、カオリン、サチンホワイト、亜硫酸カルシウム、石膏、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、焼成カオリン、構造化カオリン、珪藻土、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、シリカ、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ベントナイト、セリサイト等の無機顔料やポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子、多孔質微粒子等が挙げられる。これらの中でも、炭酸カルシウム及びクレーが好ましい。炭酸カルシウム及びクレーを用いることで、平滑性が高く、柔軟性及び印刷適性により優れた印刷用紙を提供することができる。
(接着剤)
被覆層は接着剤を含有することで、原紙表面に顔料を定着させることができる。接着剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えばカゼイン、大豆蛋白等の蛋白質類;スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系ラテックス;アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体ラテックス若しくは共重合体ラテックス等のアクリル系ラテックス;エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス等のビニル系ラテックス;これらの各種共重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ部分溶解性又は非溶解性のラテックス等のラテックス類;オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂系接着剤;酸化澱粉、カチオン化澱粉、エステル化澱粉、デキストリン等の天然高分子系接着剤;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。
これらの中では、澱粉等の天然高分子系接着剤及びラテックス系接着剤が好ましく、ブタジエンを含むモノマーから得られた重合体を含有するラテックス系接着剤がより好ましい。このような接着剤を用いると被覆層の柔軟性が高まり、当該印刷用紙の柔軟性を高めることができる。また、ブタジエンをモノマーとして含む場合、得られる重合体が柔軟性を有する。
上記顔料100質量部に対する上記接着剤の含有量としては、記顔料100質量部に対する接着剤の含有量としては、13質量部以下が好ましく、8質量部以上12質量部以下がより好ましい。このように顔料に対する接着剤の含有量を上記範囲とすることで、柔軟な塗工層を得ることができ、その結果当該印刷用紙の柔軟性を維持しながら紙力強度を高めることができる傾向がある。顔料に対する接着剤の含有量が上記上限を超えると、当該印刷用紙の柔軟性が低下するおそれがある。顔料に対する接着剤の含有量が上記下限未満であると、接着力に劣り、当該印刷用紙の柔軟性が悪化するおそれがある。
(その他の塗工用助剤)
その他の塗工用助剤としては、特に限定されないが、例えば蛍光増白剤、消泡剤、着色剤、保水剤等が挙げられる。
なお、本発明で用いる各原料は、本発明の効果を損なわない限り、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<印刷用紙の物性>
当該印刷用紙におけるZ軸方向の剥離強度は600kPa以上であり、700kPa以上が好ましく、750kPa以上がより好ましい。当該印刷用紙が、このような高い剥離強度を有することで、高速オフセット印刷への適合性が高まる。なお、このZ軸強度の上限としては、例えば1,500kPaである。ここで、Z軸方向の剥離強度は、TAPPI T 541に準拠して測定される値を言う。当該印刷用紙におけるZ軸方向の剥離強度(kPa)は、TAPPI T 541に準拠して、Lorentzen & Wettre製の「L&W ZDTENSILE TESTER」(ZDT法)を用いて測定できる。なお、剥離強度は、含浸層の塗工量、原料パルプの種類、フリーネス、その他各種添加剤の添加量等によって調整することができる。
当該印刷用紙の密度としては、0.7g/cm以上0.9g/cm以下が好ましい。このように当該印刷用紙の密度を上記範囲とすることで、当該印刷用紙における柔軟性と印刷適性(着肉性等)とをバランスよく発揮させることができる。当該印刷用紙の密度が上記上限を超えると、柔軟性が低下する。当該印刷用紙の密度が上記下限未満であると、当該印刷用紙の強度が低下する等により、印刷適性や、めくり易さが低下する。
当該印刷用紙の紙厚としては、特に限定されないが、下限としては70μmが好ましく、90μmがより好ましい。一方、この上限としては200μmが好ましく、160μmがより好ましい。当該印刷用紙の紙厚を上記範囲とすることで、このように紙厚が高い場合も、上記柔軟度が調整されていることで、当該印刷用紙は、柔軟性と印刷適性とを兼ね備える傾向がある。当該印刷用紙の紙厚が上記上限を超えると、当該印刷用紙の柔軟性が低下するおそれがある。当該印刷用紙の紙厚が上記下限未満であると、当該印刷用紙の低密度性が低下するおそれがある。
当該印刷用紙の坪量としては、特に限定されないが、50g/m以上150g/m以下が好ましい。このように当該印刷用紙の坪量を上記範囲とすることで、上記柔軟度を調整し易くなる等、当該印刷用紙の柔軟性と印刷適性とをバランス良く発揮させることができる傾向がある。当該印刷用紙の坪量が上記上限を超えると、当該印刷用紙としての柔軟性が低下するおそれがある。当該印刷用紙の坪量が上記下限未満であると、当該印刷用紙の紙力強度が低下するおそれがある。
当該印刷用紙のブリスター発生温度としては、170℃以上であり、200℃以上が好ましい。このようにブリスター発生温度が高いことで、印刷後の加熱乾燥の際のブリスター発生が効果的に抑制される。ブリスター発生温度は、後述する実施例における方法によって測定される値を言う。ブリスター発生温度の上限としては、例えば220℃であってよく、240℃であってもよい。なお、ブリスター発生温度は、含浸層及び被覆層の塗工量、原料パルプの種類、フリーネス、その他各種添加剤の添加量等によって調整することができる。
当該印刷用紙は、JIS−P−8117(2009年)に記載のガーレー法に基づいて測定した透気度が4〜12秒、好ましくは、5〜10秒、より好ましくは6〜8秒とすることで、十分な強度を有しつつ、よりブリスターの発生を抑制することができる。透気度が上記下限未満の場合は、ブリスターが発生しやすくなる場合がある。逆に、透気度が上記上限を超える場合は、強度等が低下する場合がある。透気度は、原料パルプのフリーネスや、含浸層の塗工量などによって調整することができる。
更にこの塗工紙に平坦化処理を施すことで、更に写像性に優れた塗工紙となる。これらの平坦化は、一般に製紙用途で使用できる平坦化設備で行なえば足り、例えばスーパーカレンダーやソフトカレンダー等を用い、線圧や速度等により調整することができる。透気度が12秒を超過すると、これ以上の平坦化を行ってもインク吸収乾燥性が頭打ちになるだけで、経済的に好ましくない。スーパーカレンダーで平滑性を調整する場合においても、線圧が過大となるために紙の持つ柔軟性や紙力強度が阻害され、付随効果である低密度性も低下する可能性がある。透気度が4秒未満では、塗工面の空隙が多く、印刷時のインク吸収乾燥性が低下しやすい。
当該印刷用紙の灰分としては、8質量%未満が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。当該印刷用紙がこのように低灰分であることにより、填料の存在による繊維間結合の低下を抑えることができ、低密度性を担保しつつ高いZ軸強度を備えることができる。当該印刷用紙の灰分の下限としては、例えば0.5質量%であってよいし、1質量%であってもよい。なお、灰分は、JIS−P−8251(2003年)に記載の「紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」に準じて測定される値である。
上述のように、当該印刷用紙は、軽量化及び印刷用紙として十分な着肉性を確保しながら、高速オフセット印刷に対応可能な十分なZ軸強度を有し、印刷後の加熱乾燥の際のブリスターの発生が抑制できる。従って、当該印刷用紙は、これらの特性が求められる用途、特にムック等の印刷用紙として好適に用いることができる。
<印刷用紙の製造方法>
当該印刷用紙の製造方法としては、特に限定されないが、公知の印刷用紙の製造方法にて得ることができるが、好ましい製造方法は以下のとおりである。すなわち、本願発明の一実施形態に係る印刷用紙の製造方法は、
原料パルプ、アミドアミン化合物及びポリアクリルアミド系紙力増強剤を含有し、上記原料パルプが広葉樹クラフトパルプを75質量%以上含有し、上記原料パルプのフリーネスが400mL以上である原料パルプスラリーを抄紙する工程、
上記抄紙工程を経て得られた原紙の表裏面から、澱粉、及びスチレン系サイズ剤を主成分とする表面サイズ剤を含有する含浸液を2ロールサイズプレスにより原紙の厚み方向全域に含浸させる工程、及び
上記含浸工程を経た原紙の少なくとも片面側に、顔料及び接着剤を含有する被覆層を積層する工程
を備える。
当該製造方法は、公知の製紙装置を用いて行うことができる。上記抄紙工程に供せられる原料パルプスラリーには、アミドアミン化合物及びポリアクリルアミド系紙力増強剤のほか、必要に応じて内添サイズ剤等の各種添加剤が添加される。原料パルプスラリーの抄紙後、例えばプレスパート及びプレドライヤーパートを経て原紙を得ることができる。原紙の製造の際、プレスパートでの脱水方法としては、特に限定されないが、例えば3、4回ロール間で加圧し、水分をフェルトに吸い取らせることによって脱水を行うことができる。
上記含浸液には、澱粉及び表面サイズ剤の他、含浸層を形成する他の成分を含有させることができる。上記含浸工程においては、2ロールサイズプレスによって含浸液を含浸させることにより、含浸液を十分に原紙に含浸させることができ、得られる印刷用紙の強度を効果的に高めることができる。2ロールサイズプレスによる含浸後、必要に応じて、平坦化処理及び乾燥処理を施すことで、含浸層が形成される。
被覆層の積層は、通常、塗工液の塗工により行われる。上記塗工の方法は特に限定されず、ブレードコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、ロッドコーター、エアナイフコーター等を用いた公知の方法により行うことができる。塗工後、必要に応じて、平坦化処理及び乾燥処理を施すことで被覆層が形成される。
当該製造方法によれば、軽量化及び印刷用紙として十分な着肉性を確保しながら、高速オフセット印刷に対応可能な十分なZ軸強度を有し、印刷後の加熱乾燥の際のブリスターの発生が抑制できる印刷用紙を得ることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における各測定値の測定方法及び評価基準は以下に記載のとおりである。
[Z軸方向の剥離強度(kPa)]
TAPPI T 541に準拠して、Lorentzen&Wettre製のZDTテスター「L&W ZDTENSILE TESTER」を用いて測定した。
[ブリスター発生温度]
印刷用紙(試験体)を、流れ方向2cm、幅方向10cmに調製し、23℃、50%RH条件下で24時間調湿したのち、一定温度に調整したオイルバス(シリコンオイル)に4秒間浸けた。この試験を3回行い、ブリスター(紙層の破壊)が発生した温度のうち、最も低い温度をブリスター発生温度とした。
[透気度(秒)]
JIS−P−8117(2009年)に記載のガーレー法に準拠して測定した。
[灰分(質量%)]
JIS−P−8251(2003年)に記載の「紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」に準拠して測定した。
[密度(単位:g/cm)]
JIS−P−8118(1998年)に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
[剛度(単位:cm/100)](柔軟性:クラークこわさ)
JIS−P−8143(2009年)に記載の「紙−こわさ試験方法−クラークこわさ試験機法」に準拠して、縦及び横の剛度を測定した。
[着肉性]
オフセット印刷機(小森コーポレーション社の「小森SYSTEMC−20」)を使用し、インキ(大日本インキ化学工業社の「ニューズゼットナチュラリス(墨)」にて連続10000部の印刷を行った。得られた印刷物について、画像の鮮明さ及び濃淡ムラを目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
5:画像が鮮明で濃淡ムラが全くなく、インキ着肉性に優れる。
4:画像が鮮明で濃淡ムラが殆どなく、インキ着肉性が良好である。
3:一部に、画像が不鮮明な箇所及び濃淡ムラがややある。
2:一部に、画像が不鮮明な箇所及び濃淡ムラがあり、インキ着肉性が良好でない。
1:全体的に、画像が不鮮明で濃淡ムラが著しく、インキ着肉性に劣る。
各実施例及び比較例で用いた薬品は以下のとおりである。
(柔軟剤)
・アミドアミン化合物:日油社の「ニチユマーAC−1」
・脂肪酸エステル系化合物:花王社の「KB210」
・脂肪酸アマイド系化合物:ミヨシ油脂社の「ペレミンTS−218」
・ポリアミン系化合物:第一工業製薬社の「DKSタフロンNT−350J」
(紙力増強剤)
・両性ポリアクリルアミド:ハリマ化成社の両性「ハーマイドDN760」)
・ノニオンポリアクリルアミド:ハリマ化成社の「ハーマイドDN420」
・アニオンポリアクリルアミド:荒川化学社の「ポリマセット500」
(内添サイズ剤):
・カチオン性アルキルケテンダイマー(AKD):東邦化学工業株式会社の「FK34」
・中性アルケニル無水コハク酸(ASA):荒川化学社の「サイズパインSA864」
・アニオン性ロジン系サイズ剤:荒川化学社製の「サイズパインE」
(澱粉及びその他の表面紙力増強剤)
・酸化澱粉:日本食品加工社の「MS3800」
・両性澱粉:日本NSC社の「Cato3210」
・カチオン化澱粉:日澱化学社の「EX−3」
・カチオン性尿素リン酸エステル化澱粉:日本食品化工社製の「スターコート14」
・カチオン化タピオカ澱粉:アベベジャパン社の「アミロファックスT−2600」
・ポリアクリルアミド(PAM):ハリマ化成社の「ハリコートG51」
・ポリビニルアルコール(PVA):日本合成化学社の「P7400」
(表面サイズ剤)
・アニオン・スチレン系表面サイズ剤(スチレンアクリレートエマルジョン系サイズ剤):星光PMC社の「SE2066」
・アニオン・アルキルケテンダイマー系表面サイズ剤:星光PMC社の「AD1635」
・カチオン・アルキルケテンダイマー系表面サイズ剤:荒川化学工業社の「サイズパインK921」
・カチオン・スチレン系表面サイズ剤:荒川化学工業社の「ポリマロン360」
・アニオン・オレフィン系サイズ剤:星光PMC社の「SS2550」
[実施例1]
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)とを98:2の質量比で配合し、フリーネス500mLの原料パルプを得た。このパルプ(絶乾量)に対して、各々固形分で、柔軟剤としてのアミドアミン化合物6kg/パルプt、紙力増強剤としてのポリアクリルアミド0.4kg/パルプt、及び内添サイズ剤としてのアルキルケテンダイマー0.35kg/パルプtを添加してパルプスラリーを得た。
次に、ワイヤーパート、プレスパート、プレドライヤーパート、アンダーコーターパート(2ロールサイズプレス)、アフタードライヤーパート、プレカレンダーパート、トップコーターパート、スキャッフドライヤーパート、及びリールパートを備える製紙システムを用い印刷用紙を得た。
具体的には、まず上記パルプスラリーをワイヤーパートにて抄紙し、次いでプレスパート、プレドライヤーパートに供して、坪量74.5g/mの原紙を製造した。次いで、アンダーコーターパートとしての2ロールサイズプレスにて、酸化澱粉とスチレン系表面サイズ剤とを75:25の質量比で含む含浸液を、片面当たり0.8g/mとなるよう両面から含浸させ、アフタードライヤーパートで乾燥した。その後、トップコーターパートにて塗工液(顔料として重質炭酸カルシウム)とデラミネーテッドクレー(製品名:コンツアー1500部、レーザー法 平均粒子径3.4μm)とクレーとを60:30:10の質量比で含み、接着剤として顔料100質量部に対してラテックスを8質量部、さらに澱粉を2質量部含有する塗工液)を、片面当たり11g/mとなるよう、両面を上塗り塗工した。次に、ドライヤーパートにて、乾燥処理を施し、ワインダーパートに供して坪量95.5g/mの印刷用紙を得た。上記パートが全て、オンマシンである抄紙システムを用いた。
[実施例2〜27、比較例1〜16]
原料パルプの配合比、原料パルプのフリーネス、柔軟剤の種類及び量、紙力増強剤の種類及び量、内添サイズ剤の量、含浸液における澱粉又はその代替品の種類及び量、含浸液における表面サイズ剤の種類、並びに含浸液の塗工量及び塗工方法を表1、表2に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜27及び比較例1〜16の各印刷用紙を得た。
Figure 2018062715
Figure 2018062715
[評価]
得られた各印刷用紙について、上記方法にて、剛度、Z軸方向の剥離強度、ブリスター発生温度、透気度、灰分及び密度を測定し、着肉性の評価を行った。結果を表3に示す。また、得られた実施例1〜27の印刷用紙の断面を顕微鏡観察したところ、含浸層が原紙の厚み方向全域に形成されていることが確認できた。
Figure 2018062715
表3に示されるように、実施例の各印刷用紙は、柔軟性に優れ、低密度であり、かつ十分な着肉性を有し、Z軸強度(剥離強度)も高く、ブリスターの発生も抑制されていることがわかる。
本発明の印刷用紙は、柔軟性を有しながら印刷用紙として十分な着肉性を確保し、高速オフセット印刷に対応可能な十分なZ軸強度を有し、印刷後の加熱乾燥の際のブリスターの発生が抑制されている。従って、当該印刷用紙は、これらの特性が求められる用途、特にムック等の印刷用紙として好適に用いることができる。
10、20:印刷用紙
11、21:原紙
12、22a、22b:含浸層
13、23:被覆層

Claims (5)

  1. 原料パルプ、アミドアミン化合物及びポリアクリルアミド系紙力増強剤を含有し、上記原料パルプが広葉樹クラフトパルプを75質量%以上含有し、上記原料パルプのフリーネスが400mL以上である原紙と、
    上記原紙の表裏面から含浸し、澱粉、及びスチレン系サイズ剤を主成分とする表面サイズ剤から形成された含浸層と、
    上記含浸層の少なくとも一方の外面に積層され、顔料及び接着剤を含有する被覆層と
    を有し、
    Z軸方向の剥離強度が600kPa以上、ブリスター発生温度が170℃以上である印刷用紙。
  2. 上記アミドアミン化合物の上記原料パルプに対する固形分含有量が2kg/パルプt以上10kg/パルプt以下であり、
    上記ポリアクリルアミド系紙力増強剤が両性であり、かつ上記ポリアクリルアミド系紙力増強剤の上記原料パルプに対する固形分含有量が0.4kg/パルプt以上1.6kg/パルプt以下であり、
    上記含浸層の片面あたりの固形分含有量が0.4g/m以上1.2g/m以下であり、
    上記含浸層が上記原紙の厚み方向全域に形成されている請求項1に記載の印刷用紙。
  3. 上記原紙が内添サイズ剤をさらに含有し、かつ上記内添サイズ剤がカチオン性のアルキルケテンダイマーサイズ剤である請求項1又は請求項2に記載の印刷用紙。
  4. 上記スチレン系サイズ剤がアニオン性のスチレンアクリレートサイズ剤である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の印刷用紙。
  5. 原料パルプ、アミドアミン化合物及びポリアクリルアミド系紙力増強剤を含有し、上記原料パルプが広葉樹クラフトパルプを75質量%以上含有し、上記原料パルプのフリーネスが400mL以上である原料パルプスラリーを抄紙する工程、
    上記抄紙工程を経て得られた原紙の表裏面から、澱粉、及びスチレン系サイズ剤を主成分とする表面サイズ剤を含有する含浸液を2ロールサイズプレスにより原紙の厚み方向全域に含浸させる工程、及び
    上記含浸工程を経た原紙の少なくとも片面側に、顔料及び接着剤を含有する被覆層を積層する工程
    を備える印刷用紙の製造方法。
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